JP2768673B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP2768673B2
JP2768673B2 JP62244082A JP24408287A JP2768673B2 JP 2768673 B2 JP2768673 B2 JP 2768673B2 JP 62244082 A JP62244082 A JP 62244082A JP 24408287 A JP24408287 A JP 24408287A JP 2768673 B2 JP2768673 B2 JP 2768673B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は燃料集合体に係り、特に運転サイクルが長く
かつ高停止余裕型の沸騰水型原子炉に好適な燃料集合体
に関する。 (従来の技術) 沸騰水型原子炉の燃料集合体は、金属製被覆管内部に
核燃料物質を充填した多数の燃料棒を規則正しく配列さ
れたものが方形のチャンネルボックスの内部に収納され
て構成されている。そして、沸騰水型原子炉の炉心で
は、通常1体の十字型制御棒とそれを取り囲む4体の燃
料集合体とから構成されたセルが規則正しく配置されて
いる。すなわち、沸騰水型原子炉の炉心の各燃料集合体
および制御棒は、それらの軸が垂直で互いに平行になる
ように配列され、減速材としての機能を有する冷却材は
炉心の下方から上方に向って流れるように構成されてい
る。そして、炉心有効部下端即ち発熱部の下端付近では
気泡は発生しないが、炉心の中央部から上端部にかけて
は大量の気泡が発生し、この発生した気泡は炉心上方に
流れる。気泡の占める体積割合即ちボイド割合が高くな
ると、中性子の減速特性が低下するため熱中性子束が低
下し、出力が低下する。これを避けるため、ボイド割合
の高い部位では核分裂核種濃度即ち濃縮度を高めたり、
或いはボイド割合の低い部位の出力上昇を抑えるべく可
燃性毒物を入れる等して対処してきた。 したがって、沸騰水型原子炉では炉心上部の燃焼が遅
れやすく、これによってU−235濃度が相対的に他の部
分より高くなり、また、ボイドによりPu−239などの核
分裂核種が生成されるため、炉心上部では原子炉の停止
余裕がきびしくなり易い事はよく知られている。さら
に、経済性向上を主目的として、運転サイクルの長期化
や燃料の燃焼度向上のための努力が続けられている。こ
の場合も燃料の濃縮度は必然的に高められるので、原子
炉の停止余裕は一段ときびしくなる。 次に、沸騰水型原子炉に用いられた燃料集合体及び近
い将来用いられると期待される燃料集合体の代表例を図
面を参照して説明する。 第19図(a)および同図(b)はそれぞれ従来の燃料
集合体の斜視図および燃料集合体を構成する燃料棒の概
略縦断面図である。 同図(a)において、燃料集合体は水棒(図示せず)
と燃料棒2を上部タイプレート4,スペーサ5,下部タイプ
レート6により固定し、その外側をチャンネルボックス
1で取囲むように構成されている。燃料棒2は同図
(b)に示すように、被覆管7内に燃料ペレット8を配
設し、その上部のガスプレナムにスプリング9を設け、
上端に上部端栓10を下端に下部端栓11を設けている。 第20図は第19図に示す従来の燃料集合体の横断面図で
ある。チャンネルボックス1内には62本の燃料棒2と2
本の水棒3が配列されて燃料集合体を構成している。水
棒3は集合体内部で減速材である水が不足するのを抑制
しているが、この水棒3は軸方向に一様であるため炉心
下方では水過剰、上方では水不足になるという問題点が
ある。 第21図に示す燃料集合体は前記燃料集合体の特性を改
良するために開発されたものであり、集合体内部に1本
の太径水棒(太水棒)12を配置して非沸騰水を導入して
いる。しかしながら、この例でも炉心下方では水過剰、
上方では水不足になるという問題点がある。 第22図に示す燃料集合体も第20図の燃料集合体の改良
であり、4つの小チャンネルボックス13を設け、小チャ
ンネルボックス13内には沸騰冷却水を、また小チャンネ
ルボックス13相互間の十字状間隙14には非沸騰冷却水領
域とすることにより、水平方向出力分布の平坦化を図っ
たものであるが、このタイプの燃料集合体も炉心下方で
は水過剰、上方では水不足になるという問題点がある。 第23図に示す燃料集合体は、第22図の燃料棒の改良型
として開発されたものである。この燃料集合体は9ケの
サブアセンブリ15で構成されており、各サブアセンブリ
15はそれぞれ9本の燃料棒2で構成されている。サブア
センブリ15の間にはやや広い間隙16が設けられている。
この燃料集合体の場合も炉心上下部の水の過不足問題は
解決されていない。 (発明が解決しようとする問題点) 上述したように、沸騰水型原子炉(BWR)の発熱部で
ある燃料集合体の最下端では、気泡は発生しないもの
の、その他の部分ではどこででも気泡は発生し、しかも
発生した気泡は上方(下流)へ流れていく。従って、BW
Rの気泡割合(ボイド割合)は炉心上方ほど高くなる。
その結果、中性子の減速特性が低下するので核分裂割合
が低下することになる。すなわち、燃焼は炉心下方で進
み、炉心上方で遅れることになる。そこで、炉心上方の
出力の低下を抑制するために、炉心上方の核分裂核種濃
度を高くすることが提案されている。 ところが、炉心上方でのボイド割合の上昇と核分裂核
種濃度を高くすることは、原子炉停止時の炉心上部での
未臨界度を浅くすることになる。 一方、運転サイクルを長期化して経済性を向上するた
めには燃料の濃縮度を更に高めなければならないが、こ
のことは炉心上部での未臨界度をますます浅くすること
になり、終には原子炉を停止できなくなる場合も考えら
れる。すなわちこの点がネックとなって、従来の原子炉
炉心では運転サイクルの長期化が出来ないという問題点
があった。 本発明は上記問題点を解消するためになされたもの
で、その目的は、燃料の濃縮度を高くしても原子炉停止
を可能とするとともに軸方向出力分布を改良した沸騰水
型原子炉の炉心を構成する燃料集合体を提供することに
ある。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は金属製被覆管内
部に核燃料物質を充填した多数の燃料棒と複数の減速材
棒とを規則正しく配列した燃料集合体において、前記燃
料棒は、(A)核燃料物質が軸方向に長尺かつ一様に充
填された長尺燃料棒と、(B)前記長尺燃料棒の燃料有
効部全長(H)の1/3H以下の長さを有しかつ燃料有効部
下端から2/3H位置ないし5/6H位置の範囲の少くとも一部
を含みかつ燃料有効部上端を含まない領域の核分裂性核
種濃度を著しく低下させた長尺または短尺の有効部部分
長燃料棒、とからなり、前記(B)の燃料棒を少なくと
も前記減速材棒に隣接する位置あるいは複数の前記減速
材棒に挟まれる位置に配置したことを特徴とするもので
ある。なお、以下前記有効部部分長燃料棒をP燃料棒と
略す。 (作用) 上記したように、本発明の燃料集合体によると、燃料
棒の一部分で核分裂性物質濃度の特に低い部分と減速材
棒とからなる非発熱部即ち介在領域を挟んで、介在領域
の両側の中性子相互作用(結合効果)が冷態時に弱ま
り、高温運転時,特にボイド発生時に強まる現象が発生
する。この現象は主として拡散距離の短い熱中性子の作
用によって説明することができる。すなわち、冷態時は
水の密度(約1.0/cm3)が大きいので熱中性子の拡散距
離は短くなり、介在領域を挟んだ両側の中性子の相互作
用が減少し、その結果中性子増倍特性が低下する。高温
運転時はボイドが発生していない状態でも沸騰水型原子
炉では水温(基準値)は約286℃で、水の密度は約0.74g
/cm3となる。水中の熱中性子移動距離は冷態時の1/0.74
(=1.35)倍に増大する。さらに、ボイド発生時の気水
混合体の密度は0.3程度にまで低下し、その結果、気水
混合体の中の熱中性子拡散距離は1/0.3(≒3)倍に増
大する。この結果、介在領域を挟んだ両側の中性子相互
作用が増大し、中性子増倍特性が上昇する。 上述の作用を利用すると、介在領域の導入により、冷
態時は増倍率を低下させ即ち原子炉停止余裕(未臨界
度)を増大させ、高温運転時は燃料の量を介在領域の導
入によって減少させた場合でも増倍率の低下を防止した
り、好適な設計を行なえばかえって介在領域がない場合
より増倍率を増大させることさえ可能となる。 次に、本発明の作用を第3図を参照して説明する。同
図(a)に示すように、直方形断面を有する2つの燃料
領域I,IIがあり、その間に幅wの水ギャップが存在する
ものとする。また燃料領域I,IIの水ギャップ幅wと同じ
方向の幅wfは水ギャップ幅wに比べて充分広いものとす
る。このときの水ギャップ幅wと中性子増倍率の変化の
関係は同図(b)に示すとおりであり、同図(b)のc
部分を拡大して同図(c)に示す。ここで、「中性子増
倍率の変化」は、高温時(破線)、冷態時(実線)と
も、水ギャップ幅が0のときの中性子増倍率からの変化
であることを示す。燃料集合体の中で軸方向と直角方向
(軽水炉では通常水平方向)では、広い水ギャップ領域
をとることは困難である。すなわち、外形が与えられた
範囲で水ギャップを広くとることは燃料領域が狭くなる
ことであり、発熱領域が狭くなることである。 本発明では、燃料集合体の軸と直角方向に介在領域を
挿入するので、狭い幅の介在領域の特性を明らかにする
必要がある。第3図(c)はこの主旨のもとに同図
(b)のc部を拡大して示したものである。精々3〜5c
m程度の水ギャップを設けた場合に対する理論計算値も
ほぼ同図(c)と同様な曲線を与える。即ち、高温運転
時(ボイド発生時)は水ギャップ幅とともに増倍率の変
化は正方向に増大し(実効増倍率keffが増大し)、冷態
時は水ギャップ幅が約1cmを越えると顕著にkeffが水ギ
ャップ幅の増大により減少し、炉停止時の未臨界度の増
大に役立つことがこの図から理解できる。 なお、上記の作用に関する説明では、水ギャップを挟
む2つの燃料領域間の中性子相互作用の変化という見方
をしたが、燃料集合体の無限増倍率kを古くから知ら
れている4因子に分ける方式で説明することもできる。
この方式では、第3図(c)の曲線は主として熱中性子
利用率と共鳴を逃れる確率の特性の変化によっても説明
される。燃料集合体内部で燃料棒本数を減らさないで水
ギャップを拡げる場合には、燃料棒間の間隙を縮小しな
ければならず、これが共鳴吸収における燃料棒相互間の
共鳴中性子の遮蔽効果を増大させ、その結果、共鳴を逃
れる確率が増大する効果が生じ、一方では、燃料領域対
水ギャップ部の熱中性子束比が減少し、その結果熱中性
子利用率が低下する効果が生じる。第3図(c)は上記
2つの効果の水密度依存性と水ギャップ幅依存性の相殺
効果によりほぼ決定される。 燃料棒間間隙を固定しかつ水ギャップを拡げるために
は、燃料棒内から燃料物質を排除しなければならない。
その場合には、上記の共鳴吸収を逃れる確率の変化は、
共鳴中性子の遮蔽効果ではなく、減速効果の増大によっ
て共鳴を逃れる確率が増大することになる。即ち、原子
炉を高温で運転しており、ボイドも発生している場合に
は減速材不足状態になっているため、水ギャップの導入
によってそれが緩和され、その結果やはり共鳴を逃れる
確率は増大する。熱中性子利用率の変化は上記の例とほ
ぼ同様である。 本発明では、高温運転時に実効増倍率keffを増大さ
せ、過大な負のボイド係数を緩和させ、冷態停止時にあ
ってはkeffを減少させ、従って未臨界度即ち炉停止余裕
を増大させる特性を有する介在領域、即ち燃料棒からの
局所的な核分裂性物質を排除した部分と減速材棒(水棒
もしくは高密度に水素を含み中性吸収効果の小さい水素
化ジルコニウムZr H2など)の相乗作用を利用する。 即ち、軸芯の異なる少くとも2本の水棒を近接して配
置すると、水棒は高温運転時はkeffを増大させ、冷態停
止時はkeffを減少させる働きがあるので、高温運転時は
正の干渉効果が発生し、冷態停止時は負の干渉効果が発
生する。このような干渉効果は、炉心内に、まわりより
高濃縮度の燃料をある程度近接して2体配置すると正の
干渉効果が発生し、逆に制御棒をある程度近接して2体
配置すると負の干渉効果が発生するのと本質的には同じ
干渉効果である。本発明ではこのような現象を水棒で発
生させ、かつ燃料棒の一部から局所的に核分裂性物質を
排除した部分を配置することによって干渉効果を一段と
高めている。このような特性を利用すると、燃料のイン
ベントリをあまり減らさないで、keff値を減らし、太い
水棒を導入した場合と同様の特性が得られる。インベン
トリが減らない事は発熱物質の利用が多いことであり、
原子炉出力向上に寄与する。出力を一定とする場合には
燃料棒の出力密度を低減できるので、燃料の健全性が向
上する。 また、このような大きな相乗効果を発生させ、特に炉
停止余裕を大きくさせる部位を炉心上部の炉停止余裕が
きびしくなる部分に限定してインベントリの低減を抑制
している。炉心下端から全長の2/3程度までは軸芯の異
なる複数の水棒が配置されており、水棒間または水棒の
まわりには従来どおり燃料棒が配置されている。水棒の
まわりは熱中性子束が上昇しているので軸芯が複数個あ
ることは熱中性子束の上昇している範囲が軸芯1ケの水
棒の場合に比べてより広い事を示している。即ち、水棒
によって減少する燃料インベントリの割に効果的に広い
範囲の水棒まわりの熱中性子束上昇領域を拡げることが
できる。 熱中性子束上昇領域では燃料の反応度が上昇するので
keffの増大に寄与できる。また高濃縮度燃料ではより多
くの可燃性毒物入り燃料棒を用いて潜在的な増倍率を抑
制しなければならないが、熱中性子束上昇領域が広いと
集合体内配置位置が広がり、また反応度効果の増大によ
り本数を低減させることもできる。 すなわち本発明によれば、燃料インベントリの低減を
抑制しながら効果的に、高温出力運転時にkeffを増大さ
せ、冷態停止中にkeffを減少させることが可能となる。 さらに、本発明の特徴は、複数の減速材棒に隣接し
て、短尺の有効部部分長燃料棒を配置する場合もある。
この場合、上述の炉停止余裕が向上し、かつ冷却材圧力
損失も低減する作用がある。すなわち、高いボイド率の
ため流速が特に高くなり大きな圧力損失を生じる冷却材
の下流(燃料集合体の上部)において冷却材流路が拡大
するので、圧力損失が効果的に低減される。この結果冷
却材駆動用のポンプ動力が減少し、原子力発電の効率が
向上する。 (実施例) 本発明の実施例を図面を参照して説明する。 第1図は本発明の一実施例の平面図である。 本実施例の燃料集合体は、4燃料セルに相当する大き
さで夫々等寸法の太水棒44(A,B)が2本と、この太水
棒Aと太水棒Bの間に5本のP燃料棒45(第2図参照)
が配置されている。この太水棒A,Bと5本のP燃料棒45
が配置された領域を除いた領域に通常の燃料棒33が規則
的に9行9列配置されている。したがって、本燃料集合
体は太水棒44は2本,P燃料棒45は5本,通常の燃料棒33
は68本から構成されている。燃料集合体全体としては対
角線に対して対称配置構造になっている。そして、本燃
料集合体は停止余裕が厳しくなる炉心の3/4H付近を含む
ようにP燃料棒の非燃料部(介在物またはvanishing ro
d)が位置しており、この高さ位置では点線で示すよう
に、太水棒Aから太水棒Bにかけて広い非燃料領域が形
成されるので、炉停止余裕(SDM:shut down margin)が
向上する。また、これら太水棒44とP燃料棒45を取り囲
む燃料棒Hと燃料棒hは普通の燃料棒であるが、燃料棒
hより燃料棒hの方が太水棒44と接する部分が大きいの
で、反応度への寄与が大きい。さらに、P燃料棒45の非
燃料部高さでは燃料棒Hと燃料棒hの部分で熱中性子束
が高くなり、燃料棒の反応度効果が上昇し、P燃料棒45
の非燃料部高さを除く部位では燃料棒HとP燃料棒45で
熱中性子束が上昇する。したがって、これら部位はkeff
を意図的に上昇または低下させるのに好適である。 第2図(a)は本発明の燃料集合体の側面図、同図
(b)〜(d)は本発明の燃料集合体に使用される燃料
棒の概略断面図である。 第2図(b)において、燃料棒33は普通の燃料棒で燃
料被覆管34の中に燃料ペレット35が封入され、その上部
にはガスプレナム36が形成されている。第2図(c),
(d)の41,42が本発明に係るP燃料棒である。すなわ
ち、P燃料棒には、長尺の有効部部分燃料棒41と、短尺
の有効部部分長燃料棒42の2種類ある。P燃料棒41は第
2図(c)に示すように長尺燃料棒で燃料有効長下端か
ら3/4Hのところに介在物37を設け、その両端に出力スパ
イク抑制材38を形成している点が普通の燃料棒と異なる
だけであり、この介在物37及び出力スパイク抑制剤38の
占める領域の上方及び下方には燃料ペレット35が充填さ
れている。P燃料棒42は第2図(d)に示すように全長
は長尺燃料棒41より短く、燃料有効長下端から3/4Hのと
ころに両端に出力スパイク抑制材38を設けたガスプレナ
ム36が形成され、その上部の燃料ペレット35に続いてバ
ニッシングロッド(vanishing rod)39が位置してい
る。 通常冷却材流の下流域すなわち燃料集合体の上部にお
いてはボイド率が高いため、流速が非常に大きく、流速
の2乗に略比例して増大する圧力損失もまた大きくな
る。しかし第2図に示したP燃料棒42のように短尺化し
た燃料棒を用いた場合、冷却材流の下流域すなわち燃料
集合体の上部において冷却材の流路が拡大するので、冷
却材の流速が低下する。よってこの部位の圧力損失を大
幅に低減することができる。なお、こうした作用効果
は、特に断らない限り以下述べる他の実施例についても
共通するものである。 そして、上記P燃料棒の共通の特徴は炉停止余裕が厳
しくなる2/3H〜5/6H部の一部を含む位置で核分裂性核種
の濃度を大巾に低下させた点にある。このような部位の
好適な長さは1/3H以下であり、通常30〜60cm程度、中央
部の高さは燃料有効長下端から3/4Hである。これはこの
3/4H付近でその1/3H程度以内が特に未臨界度が浅くなる
ためである。このような核分裂性核種の濃度を大巾に低
下させるものとしては、中空管の挿入,グラファイトの
挿入,ZrH2ペレットの挿入,水の導入などがある。 また、出力スパイク防止のために出力スパイク抑制材
38が介在部材に隣接して挿入されている。 第4図は本発明の第2の実施例の平面図である。既に
説明した第1の実施例と同一個所には同一符号を付して
説明する。以下の各実施例についても同様である。 本実施例では第1実施例において、太水棒Aを1行下
に移動し、また太水棒Bを1列右に移動した構成である
から、本燃料集合体は太水棒A,Bの間には2本のP燃料
棒45が配置された構造になっている。したがって、本燃
料集合体では太水棒44は2本,P燃料棒45は2本,通常の
燃料棒33は71本から構成されている。炉心上部のSDMが
厳しくなる位置では第1実施例よりも太水棒44およびP
燃料棒45を囲む非燃料域は点線で示すように小さい。本
実施例は燃料集合体外周の水ギャツプ幅が異なる炉心
(BWR−D格子炉心)に好適である。 P燃料のうち、第2図(d)に示すP燃料を配置した
場合を考えると、冷却材下流部位(燃料集合体の上部)
において冷却材の流路が拡大するので、流速が低下す
る。特にこの部位は高いボイド率のため流速が非常に高
くなっており、流速の2乗に略比例して増大する圧力損
失は、本発明の上記P燃料を用いて流速を低減させるこ
とにより大幅に低減できる。なおこの作用・効果は本実
施例に限られるものではなく、本願の全ての実施例でも
同様である。 第5図は本発明の第3の実施例の平面図である。 図に示すように、それぞれ3本の細水棒46で点線で示
すような三角形状の水棒群A,Bを構成しており、この水
棒A,Bの間のP燃料棒45が5本配置されている。この水
棒群A,Bと5本のP燃料棒45が配置された領域を除いた
領域に通常の燃料棒33が規則的に9行9列配置されてい
る。したがって、本燃料集合体は水棒群は2本(細水棒
46は6本),P燃料棒45は5本,通常の燃料棒33は70本か
ら構成されている。なお、3本の細水棒の代りに一本の
三角形状の水棒とすることもできる。 本実施例ではSDMがきびしくなる炉心高さ(〜3/4H)
を中心にP燃料棒の非燃料部が介在し、45度方向に長い
水棒群の領域が形成される。この場合1本のP燃料棒の
非燃料部の長さは〜1/4H程度であるからP燃料棒による
燃料インベントリの減少は5/4本程度でしかならないか
ら全体としては7.25本分に相当する。なお、通常は9本
分程度入れられるので、本実施例のインベントリは多い
方である。 第6図は本発明の第4の実施例の平面図である。 本実施例は第5図の実施例の改良したものであり、第
5図のものよりさらに大きなSDMを狙ったものである。
すなわち、それぞれ3本の細水棒46で水棒群A,Bを構成
しており、この水棒群A,Bの間にP1燃料棒47が3本配置
されている。この水棒群A,BとP1燃料棒47で構成される
点線領域の外側にさらにP2燃料棒48が2本づつ十字状に
対称配置されており、その他の領域には通常の燃料棒33
が規則的に9行9列配置されている。したがって、本燃
料集合体は水棒群は2本(細水棒46は6本),P燃料棒は
11本(P1燃料棒3本,P2燃料棒8本),通常の燃料棒33
は64本から構成されている。 上記P1燃料棒は炉心の下から3/4H付近の炉停止余裕が
厳しくなる高さを含んで介在物が挿入されているかバニ
ッシングロッドとされる。P2燃料棒も実質的にはP1燃料
棒と同じであり、いずれも本発明でいうP燃料棒であ
る。 本実施例では高温運転中はP1燃料棒と水棒が点線で示
すような太い水棒的な働きでkeffが増大するので、炉心
上部の反応度が向上し、出力軸方向分布が改良される。
また、冷態時(コールド)では過剰水の太水棒となり、
未臨界度が向上し、P2燃料棒はその作用を増大させる働
きをする。 第7図は本発明の第5の実施例の平面図である。 本実施例が前記第6図の実施例と相異する点は、燃料
集合体中央部において4本の細水棒46を分散挿入してそ
れぞれをA〜D領域とし、P1燃料棒47を5本使用してい
ることである。その他の構成は同一であるのでその説明
は省略する。したがって、本実施例の炉心上部ではP1燃
料棒47により3×3の非燃料部が形成され、効果をさら
に高めるためにP2燃料棒48が十字状に配置されている。
なお、本燃料集合体は細水棒46は4本,P燃料棒は13本
(P1燃料棒5本,P2燃料棒8本),通常の燃料棒33は64
本から構成されている。 第8図は本発明の第6の実施例の平面図である。 本実施例の燃料集合体は全体としては3×3サブバン
ドル9ケで構成されている。そして、各ブバンドル間は
やや広い水ギャップ50が形成されている。ギャップがや
や広い部分を中心とする2個の太水棒44(A,B)が挿入
されており、この太水棒AとBの間にP燃料棒45が5本
配置されている。このようにギャップのやや広い部分に
太水棒44が挿入されているので、インベントリを減らす
量の割りに太い水棒とすることができるし、また、この
部分に集まり易い冷却水を水棒で集まりにくくできる。
したがって、炉心上部では太水棒AとBはP燃料棒45を
介して広い非燃料領域を形成する。さらに、太水棒A,B
と直角方向のギャップの広い部分の交点には細いFC(フ
ローコントロール材)49を入れて冷却水の集まりを抑制
しており、太水棒A,Bもギャップの冷却材の流れをコン
トロールする作用を有している。FC49は通常細い水棒で
構成し、矢印のように(炉心の上半において)冷却水を
排出できる程度の流量とするのがよい。なお、本燃料集
合体は太水棒44は2本,P燃料棒45は5本,通常の燃料棒
33は68本,FC49は2本から構成されている。 第9図は本発明の第7の実施例の平面図である。 本実施例の燃料集合体は前記第8図の同様に全体とし
ては3×3サブバンドル9ケで構成されている。そし
て、各サブバンドル間はやや広い水ギャップ50が形成さ
れているが、太水棒AとBが第8図よりも近接してい
る。そこで、太水棒AとBは水棒結合材兼フローコント
ロールフィン51で軸方向に数か所結合されている。この
フィン51が集合体の中央部に冷却水が集まる傾向のある
ものを押し返す作用を有する。炉心上部では点線内が非
燃料部となる。P燃料棒45はフィン51の長手方向に沿っ
て3本づつ配置されている。したがって、本燃料集合体
は太水棒44は2本,P燃料棒45は6本,通常の燃料棒33は
68本から構成されている。 第10図は本発明の第8の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は前記第8および第9図の実施例と
異なり、燃料棒の配置が4−1−4形粗密格子集合体で
ある。集合体の中央部は4本の細水棒46がその角部に配
置されて水棒領域A〜Dを形成し、その内部に5本のP
燃料棒45が配置されている。炉心上部で点線で囲まれた
広い非燃料部が形成される。本燃料集合体は細い水棒46
は4本,P燃料棒45は5本,通常の燃料棒33は72本から構
成されている。 第11図は本発明の第9の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は前記第10図の実施例と同様に燃料
棒の配置が4−1−4形粗密格子集合体である。対角線
上の4×4サブバンドルの内側で普通の燃料棒33の4本
分の太水棒44(A,B)を挿入し、この太水棒AとBの間
に5本のP燃料棒45を配置したものである。第1図の実
施例に似ているがP燃料棒の間隔が広いので、炉心上部
の点線で囲まれた非燃料部も広く形成される。本燃料集
合体は太水棒44は2本,P燃料棒45は5本,通常の燃料棒
33は68本から構成されている。 第12図は本発明の第10の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は燃料棒の配置が5−4形粗密格子
集合体である。太水棒AとBは非対称の格子集合体の内
側角部に挿入されている。P燃料棒45は対称の格子集合
体の内側角部に1本づつ配置されている。本燃料集合体
は太水棒44は2本,P燃料棒45は2本,通常の燃料棒33は
71本から構成されている。なお、本実施例はBWR−D格
子炉心に好適である。 第13図は本発明の第11の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は燃料棒の配置が4−2−3形粗密
格子集合体である。本実施例は第12図に似ているが、第
8図のようにFC(フローコントロール材)49が設けられ
ている。本燃料集合体は太水棒44は2本,P燃料棒45は2
本,通常の燃料棒33は71本,FC49は2本から構成されて
いる。なお、本実施例はBWR−D格子炉心に好適であ
る。 第14図は本発明の第12の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は燃料棒の配置が4−3−2形粗密
格子集合体である。本実施例は第13図に似ているが、格
子の形状の影響により太水棒Aと太水棒Bの太さがやや
異なっている。本燃料集合体は太水棒44は2本,P燃料棒
45は2本,通常の燃料棒33は71本,FC49は2本から構成
されている。 なお、本実施例はBWR−D格子炉心に好適である。 第15図は本発明の第13の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は10×10型で燃料棒の配置が4−2
−4形粗密格子集合体である。したがって、太水棒44
(A,B)が大きくとれるが、それ以外は第13図に似た構
成である。本燃料集合体は太水棒44は2本,P燃料棒45は
2本,通常の燃料棒33は90本,FC49は2本から構成され
ている。 第16図は本発明の第14の実施例の平面図である。 本実施例の集合体は11×11型の一種の燃料棒の配置が
(5×5)×4形粗密格子集合体の変形である。第12図
の燃料集合体において、サブバンドル間のギャップに合
計8本の燃料棒を配置し、5−4形を5−5形とし、8
本の燃料棒追加により燃料インベントリーの増加を図っ
ている。本実施例の一つの特徴としては、チャンネルボ
ックス側面中央部でチャンネル材と燃料棒との間にやや
広い水領域を設けている点がある。この構成によって対
向する図示しない燃料集合体との間の水ギャップが拡が
り、炉停止余裕の向上に寄与する点があげられる。太水
棒44(A,B)は大きくとれる。本燃料集合体は太水棒44
は2本,P燃料棒45は2本,通常の燃料棒33は98本から構
成されている。 第17図は本発明の第15の実施例の平面図である。 本実施例は4つのサブバンドル51を設け、各サブバン
ドル相互間の十字状間隙52を非沸騰冷却水領域とし、各
サブバンドル51で集合体中央に位置するコーナ部分にP
燃料棒45を3本と細水棒46を1本,計4本を団塊的に配
置している。本燃料集合体は、P燃料棒45は12本,細水
棒46は4本,燃料棒30は84本で構成されている。この実
施例では炉心上部では点線で囲む大きな非燃料領域が形
成される。 第18図(a)〜(d)は本発明に係るそれぞれ異なる
燃料棒の縦断面図である。 すなわち、同図(a)で示す燃料棒は被覆管20内に燃
料物質を含まない領域をもち、この領域は15〜90cm程度
とされ、グラファイト21が挿入されている。グラファイ
ト21は高温特性が優れており、かつ熱中性子の吸収が少
なく、減速材としての機能も有する最適な例の一つであ
る。低密度(多孔質)のAl2O3,ZrO2,Y2O3等は、減速特
性は優れていないものの耐熱特性がよく、このような中
性子吸収の少ない物質を用いることもできる。中実のグ
ラファイトの代りに、中空グラファイト,中空Al2O3,Zr
O2,Y2O3,中空天然ウラン,中空減損ウランなどを用い、
中空部をガスプレナムとして利用してもよい。 この領域に要求される特性で最も重要な点は、サイク
ル末期で熱中性子吸収率がこの領域を挟む燃料領域より
小さいことである。このグラファイト21に隣接する燃料
物質では、2cm程度(多くても5cm)の範囲で出力ピーク
(スパイク)が生じ、燃料の健全性上不利であるため、
軸心近傍にのみ可燃性毒物を含むペレット22がそれぞれ
2ケ(約2cm)ずつ配置されている。これらのペレット2
2は外周には毒物が含まれていないため、出力は運転サ
イクル全般にわたって比較的変動が少ない。サイクル末
期に近づくにつれて毒物の吸収特性が消滅し、この部分
の出力が緩やかに上昇するように設計する。 核分裂性核種濃度の低い領域(以下介在領域という)
を挟んだ水平方向の燃料領域の中性子相互作用(結合効
果)が減少し、その結果停止中の炉の未臨界度をより大
きくすることが出来る。 第18図(b)に示す燃料棒と同図(a)の燃料棒との
違いは、グラファイト21の代りに熱中性子吸収断面積の
小さいジルカロイ製の管24を挿入した点にある。この例
では多くの変形が考えられる。すなわち、 (1)ガスプレナムとして利用する場合は非密封管とす
る。 (2)ZrH2(ジルコニウムハイドライト,水素化ジルコ
ニウム等と呼ぶ)を高密度充填する場合ではZrH2は正確
にはZrHx(0<x≦2)と書くべきで、xが大きい程本
発明の目的には望ましいが、xが大きくなると脆くなり
易いので一般には管に密封しておくのが望ましい。管内
には比較的小さな空隙を、ZrH2から僅かに放出されるH2
のガスプレナムとして使うために設ける。 (3)Be,BeOは毒性があるので、管に入れるのが好適で
ある。Beも中性子との反応でHeガスを発生するので、小
さなHeガス用プレナム(間隙)を設ける。 ジルカロイ製管24と燃料ペレット23との間には小さな
断熱材ペレット25,Al2O3,ZrO2,Y2O3,減損ウランまたは
それらの組合せからなるものを介在させて燃料健全性の
向上を図っている。断熱材ペレット25は熱中性子吸収特
性が運転サイクル末期において小さいものが望ましい。
従って可燃性毒物を添加したAl2O3−Gd2O3,減損ウランU
O2−Gd2O3ペレットが好適である。ジルカロイ製管24の
軸方向に隣接する燃料ペレットでは、その端面から2cm
程度(長くて5cm程度)までは可燃性毒物を入れたペレ
ット22を配置するのが好適である。 第18図(b)では細径Gdペレットを挿入した燃料ペレ
ット22を示しているが、ペレット全体にGdを混入しても
よく、同図(a)および同図(c)に示す燃料棒につい
ても同様にペレット全体にGdを混入してもよい。 第18図(c)に示す燃料棒と同図(b)の燃料棒との
違いは水を導入する構成にしている点である。すなわ
ち、同図(b)の燃料棒のジルカロイ製管がある部分の
被覆管20に通水孔26を上下に設けるとともにこの通水孔
26の上下にそれぞれ中間プラグ27と断熱材ペレット25を
配置し、さらに上方と下方に可燃性毒物を入れたペレッ
ト22を設けてから上下それぞれに燃料ペレット23を配置
したことである。 第18図(d)に示す燃料棒と同図(a)の燃料棒との
違いはグラファイト(Al2O3,ZrO2,Y2O3,Al2O3−ZrO2な
どでもよい)に可燃性毒物を添加した介在層28を設けた
点である。この実施例によると、燃料に可燃性毒物を入
れないので、製造上のメリットが生じる。介在層28はま
た、減損ウランに可燃性毒物を添加したものでもよい。
これら可燃性毒物の濃度はサイクル末期において消滅す
る程度であることが望ましい。 以上、図面を用いて詳細に説明したが、本発明は、以
上の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
第1番目または第18番目に記載する発明の範囲で有効部
部分長燃料棒の配置を変更してもよい。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば以下に記載した
ような効果を奏する。 (1)原子炉停止時は水温も低く水の密度が高いので、
熱中性子の拡散距離は小さいが、本発明の燃料集合体に
よると、核分裂性物質濃度の低い領域(介在領域)を挟
んで水平方向の燃料領域の中性子相互作用(結合効果)
が減少し、その結果停止中の炉の未臨界度をより大きく
することができる。 (2)高温運転時は、水の平均密度が大幅に低下するの
で、熱中性子拡散距離が大幅(2〜3倍)に延びる。そ
の結果、介在領域を挟んだ結合効果が向上し、実効増倍
率は核分裂性物質濃度が著しく減少した領域があるにも
かかわらず、かえって僅かではあっても増大させること
さえできる。介在領域の導入により不利にならない。 (3)本発明では、介在領域またはそれに軸方向に隣接
する燃料の限られた部分に可燃性毒性が効果的に配置さ
れるので、局所的な出力ピーク(出力スパイク)は発生
せず、従って燃料の健全性が保たれる。 (4)軸心の異なる複数の水棒の正の干渉効果により、
長尺の有効部部分長燃料棒を用いた場合は水棒による燃
料インベントリの減少を低く抑えながら、一方短尺の有
効部部分長燃料棒を用いた場合は冷却材の圧力損失を低
減しながら、水棒のまわりおよび水棒間の広い範囲にわ
たって熱中性子束を上昇させることができるので、その
部分での燃料反応度効果が上昇する。その結果、実効増
倍率を向上させることができ、あるいは可燃性毒性挿入
本数の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の平面図、第2図(a)は本
発明の燃料集合体の側面図、第2図(b)〜(d)は本
発明の燃料集合体に使用される燃料棒の概略断面図、第
3図(a)〜(c)は本発明の作用を説明するための
図、第4図〜第17図はいずれも本発明の各異なる実施例
の平面図、第18図(a)〜(d)は本発明に係るそれぞ
れ異なる燃料棒の縦断面図、第19図(a)と(b)はそ
れぞれ従来の燃料集合体の斜視図と燃料集合体を構成す
る燃料棒の概略縦断面図、第20図は第19図の燃料集合体
の横断面図、第21図〜第23図はいずれも従来の燃料集合
体の横断面図である。 31…燃料集合体 33…燃料棒 34…燃料被覆管 35…燃料ペレット 36…ガスプレナム 37…介在物 38…出力スパイク抑制材 39…バニッシングロッド 40…補助ガスプレナム 41,42,45…P燃料棒 44…太水棒 46…細水棒 49…フローコントロール材 50…間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/30 G21C 3/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.金属製被覆管内部に核燃料物質を充填した多数の燃
    料棒と複数の減速材棒とを規則正しく配列した燃料集合
    体において、前記燃料棒は、(A)核燃料物質が軸方向
    に長尺かつ一様に充填された長尺燃料棒と、(B)前記
    長尺燃料棒の燃料有効部全長(H)の1/3H以下の長さを
    有しかつ燃料有効部下端から2/3H位置ないし5/6H位置の
    範囲の少くとも一部を含みかつ燃料有効部上端を含まな
    い領域の核分裂性核種濃度を著しく低下させた長尺また
    は短尺の有効部部分長燃料棒、とからなり、前記(B)
    の燃料棒を少なくとも前記減速材棒に隣接する位置に配
    置したことを特徴とする燃料集合体。 2.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、燃料棒の内部に固体減速材が充填されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の燃料集合体。 3.前記固体減速材がグラファイト,ベリリウム,水素
    化ジルコニウムのいずれかである特許請求の範囲第2項
    記載の燃料集合体。 4.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、燃料ペレット間隔を保持するスペーサ機能を有する
    ガスプレナムが構成されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の燃料集合体。 5.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、水を導入したことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の燃料集合体。 6.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、減損ウランを導入したことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の燃料集合体。 7.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、耐熱性セラミックであり、サイクル末期において中
    性子吸収率の小さいアルミナ,ジルコニア,イットリア
    の少なくとも一つか又はこれら物質を混合したものを主
    成分とする物質であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の燃料集合体。 8.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    は、多孔質化した耐熱性セラミックであり、サイクル末
    期において中性子吸収率の小さいアルミナ,ジルコニ
    ア,イットリアの少なくとも一つか又はこれら物質を混
    合したものを主成分とする物質であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の燃料集合体。 9.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部位
    には、サイクル末期において消滅する程度の濃度の可燃
    性毒物が添加されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第2,3,6,7,または8項記載の燃料集合体。 10.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部
    位は、その軸方向両端を除き、グラファイト,非密封性
    のジルカロイ管状体,ベリリウム,アルミナ,ジルコニ
    ア,減損ウランペレットのいずれか1つまたはそれらの
    組合せから成り、それらは可燃性毒物を含有するものあ
    るいは可燃性毒物を含有しないものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第2,4,6,7,または8項記載の燃料集
    合体。 11.実質的に核分裂性核種濃度を著しく低下させた部
    位に隣接する燃料ペレットには、隣接境界から2cmない
    し5cmの範囲でサイクル末期に近づくにつれて中性子吸
    収特性が燃焼してほとんど消滅する濃度の可燃性毒物を
    含有させたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の燃料集合体。 12.減速材棒は水棒であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の燃料集合体。 13.多数の燃料棒を相互間隔が広い部分と狭くなる部
    分を有するように規則的に配列し、前記間隔が広い部分
    に減速材棒を配置したことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の燃料集合体。 14.間隔が広い部分にフローコントロール材を配置し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第13項記載の燃料集
    合体。 15.複数の減速材棒を燃料集合体の少なくとも1つの
    対角線に対称となるごとく配置し、かつ隣接する複数の
    減速材棒相互間にフローコントロールフィンを設けたこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の燃料集合
    体。 16.隣接するチャンネルボックスコーナ間の略中央部
    に、前記中央部以外の部分よりチャンネルボックス内面
    と燃料棒との間隔を拡幅した領域を設けたことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の燃料集合体。 17.燃料棒相互間の間隔が広い部分と狭い部分が形成
    されるごとく多数の燃料棒を粗密的に配列し、前記間隔
    が広い部分を一部分に含むように減速材棒を配置し、該
    減速材棒に隣接して少なくとも1本の有効部分長燃料棒
    を配置したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の燃料集合体。 18.金属製被覆管内部に核燃料物質を充填した多数の
    燃料棒と複数の減速材棒とを規則正しく配列した燃料集
    合体において、前記複数の減速材棒は燃料集合体の少く
    とも1つの対角線に対称となるごとく配置し、前記燃料
    棒は、(A)核燃料物質が軸方向に長尺かつ一様に充填
    された長尺燃料棒と、(B)前記長尺燃料棒の燃料有効
    部全長(H)の1/3H以下の長さを有しかつ燃料有効部下
    端から2/3H位置ないし5/6H位置の範囲の少くとも一部を
    含みかつ燃料有効部上端を含まない領域の核分裂性核種
    濃度を著しく低下させた長尺または短尺の有効部部分長
    燃料棒、とからなり、前記(B)の燃料棒を少なくとも
    前記減速材棒に挟まれる位置に配置したことを特徴とす
    る燃料集合体。 19.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部分は、
    燃料棒の内部に固体減速材が充填されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第18項記載の燃料集合体。 20.前記固体減速材がグラファイト,ベリリウム,水
    素化ジルコニウムのいずれかである特許請求の範囲第19
    項記載の燃料集合体。 21.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    燃料ペレット間隔を保持するスペーサ機能を有するガス
    プレナムが装填されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第18項記載の燃料集合体。 22.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    水を導入したことを特徴とする特許請求の範囲第18項記
    載の燃料集合体。 23.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    減損ウランを導入したことを特徴とする特許請求の範囲
    第18項記載の燃料集合体。 24.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    耐熱性セラミックであり、サイクル末期において中性子
    吸収率の小さいアルミナ,ジルコニア,イットリアの少
    なくとも1つか又はこれら物質を混合したものを主成分
    とする物質であることを特徴とする特許請求の範囲第18
    項記載の燃料集合体。 25.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    多孔質化した耐熱性セラミックであり、サイクル末期に
    おいて中性子吸収率の小さいアルミナ,ジルコニア,イ
    ットリアの少なくとも1つか又はこれら物質を混合した
    ものを主成分とする物質であることを特徴とする特許請
    求の範囲第18項記載の燃料集合体。 26.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位に
    は、サイクル末期において消滅する程度の濃度の可燃性
    毒物が添加されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第19,20,21,23,24または25項記載の燃料集合体。 27.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位は、
    その軸方向両端を除き、グラファイト,非密封性のジル
    カロイ管状体、ベリリウム,アルミナ,ジルコニア,減
    損ウランペレットのいずれか1つまたはそれらの組み合
    わせからなり、それらは可燃性毒物を含有するものある
    いは可燃性毒物を含有しないものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第19,21,23,24または25項記載の燃料
    集合体。 28.実質的に核分裂性核種濃度を低下させた部位に隣
    接する燃料ペレットには、隣接境界から2cmないし5cmの
    範囲でサイクル末期に近づくにつれて中性子吸収特性が
    燃焼してほとんど消滅する濃度の可燃性毒物を含有させ
    たことを特徴とする特許請求の範囲第18項記載の燃料集
    合体。 29.減速材棒は水棒であることを特徴とする特許請求
    の範囲第18項記載の燃料集合体。 30.多数の燃料棒を相互間隔が広い部分と狭くなる部
    分を有するように規則的に配列し、前記間隔が広い部分
    に減速材棒を配置したことを特徴とする特許請求の範囲
    第18項記載の燃料集合体。 31.間隔が広い部分にフローコントロール材を配置し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第30項記載の燃料集
    合体。 32.隣接する複数の減速材棒相互間にフローコントロ
    ールフィンを設けたことを特徴とする特許請求の範囲第
    18項記載の燃料集合体。 33.隣接するチャンネルボックスコーナ間の略中央部
    に前記中央部以外の部分よりチャンネルボックス内面と
    燃料棒との間隔を拡幅した領域を設けたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第18項記載の燃料集合体。 34.燃料棒相互間の間隔が広い部分と狭い部分が形成
    されるごとく多数の燃料棒を粗密的に配列し、前記間隔
    が広い部分を一部分に含むように減速材棒を配置し、該
    減速材棒に隣接して少なくとも1本の有効部部分長燃料
    棒を配置したことを特徴とする特許請求の範囲第18項記
    載の燃料集合体。
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