JP2573065B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2573065B2 JP1248188A JP24818889A JP2573065B2 JP 2573065 B2 JP2573065 B2 JP 2573065B2 JP 1248188 A JP1248188 A JP 1248188A JP 24818889 A JP24818889 A JP 24818889A JP 2573065 B2 JP2573065 B2 JP 2573065B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、露光済のフィルムを所定の処理液中に浸
漬させて現像を行なう現像装置に関する。
(従来の技術) 第30図,第31図は従来の現像装置100を示している。1
01は搬入口で、フィルムFは不図示のアダプタカセット
から矢印kの方向に現像装置100内へ供給される。供給
されたフィルムFは、駆動ローラ102を通り、現像ラッ
ク103,定着ラック104,水洗ラック105,106等のフィルム
搬送部Aを通ることにより、公知の現像プロセスにより
現像される。また、現像容器107,定着容器108,水洗容器
109にはそれぞれ所定の処理液が満たされている。110は
補充ボトルで、処理液が不足した時に、それぞれの処理
液の補充を行う。
水洗ラック106を通過したフィルムFは矢印l方向へ
搬送され、駆動ローラ111〜116を通り、巻き取りルール
117へ搬送される。巻き取りリール117へ達したフィルム
Fは、テンションアーム117aにより巻き取りリール117
に自動的に巻きとられる。上記駆動ローラ111〜116に至
る迄の間に、現像を終えたフィルムFは、ヒーター118
から出る温風により乾燥される。
次に、現像ラック103の装置本体119の定位置への固定
機構を第31図により説明する。装置本体119には平行な
二本の位置決め用の軸120,121が水平に突設されてい
る。この軸120,121は、後述するストッパー122と嵌合す
るV字溝(図示せず)を備えている。
一方、現像ラック103には、軸120,121に対応する孔
(図示せず)を備えている。また、122は現像ラック103
に設けたストッパーで、軸123を中心として回転でき
る。
次に、現像ラック103の着脱方法を説明する。
まず、現像ラック103を装置本体110に装着するには、
ストッパー122を予め矢印n方向に回転しておき、現像
ラック103を所定の高さに持ち上げる。そして、装置本
体119の軸120,121と現像ラック103の孔とを一致させる
とともに、現像ラック103を水平方向に奥側へ移動し、
軸120,121のV溝へストッパー122を嵌合する。その後、
ストッパー122を矢印m方向に回転させれば、現像用ラ
ック103の固定が完了する。
また、現像ラック103を装置本体119から外す際には、
ストッパー122を矢印n方向に回転させるとともに手前
側に水平移動し、軸120,121から抜き取ればよい。
なお、定着ラック104,水洗ラック105,106も上記現像
ラック103と同様にして装置本体119への着脱が可能とな
っている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来例においては次のような問題
があった。
現像ラック103を装置本体119に装着する際に、軸12
0,121に沿って水平方向に奥側へ押し付けるため、現像
容器の107の背面に傷がついたり変形したりすることが
ある。
現像ラック103の着脱は水平方向の移動により行な
われるため、装着時に勢い余って現像ラック103を装置
本体119にぶつけたり、取り外す際に手前側に引っ張り
すぎて作業者側に倒れたりして現像容器107内の処理液
をこぼしてしまうことがある。
現像ラック103の位置決め及び取外しの際には、ス
トッパー122を操作するため、現像ラック103に直接手を
触れなければならず、処理液が取扱者の手や衣服に付着
してしまう。
複数個のフィルム搬送部A、即ち、現像ラック103,
定着ラック104,水洗ラック105,106の固定は、個々に設
けられた軸120,121及びストッパー122により行なわれて
いる。従って、水平移動による位置決め及び固定という
操作を複数回繰り返さなければ、全てのフィルム搬送部
Aの装着,固定,或いは取り外しができず、作業性が悪
い。
ストッパー122の解除はいつでも行えるため、取扱
者が現像容器107のみを取り外した状態において、過っ
てストッパー122による固定を解除してしまい、フィル
ム搬送部Aを落下してしまう虞れがある。
この発明は上記課題を解決するためのもので、装置本
体へフィルム搬送部を装着する現像容器に傷や変形が発
生するのを防止できるとともに、現像容器の装着,取外
しに際して、収容した処理液がこぼれることのない現像
装置を提供することを目的としている。また、フィルム
搬送部に直接手を触れることなく装置本体への装着,固
定及び取り外しを行えるばかりでなく、簡単な操作でフ
ィルム搬送部を定位置に固定できる現像装置を提供する
ことを目的としている。
更にまた、現像容器のみを装置本体から取り外した状
態において、過って、フィルム搬送部を落下させること
を防止できる現像装置を提供することを目的としてい
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するためこの発明は、フィルムを現像
処理する処理液を収納した現像容器を装置本体内に昇降
自在に設け、前記現像容器内の所定位置に収納されるフ
ィルム搬送部を装置本体に固定する状態と固定を解除す
る状態に切換えられる固定部材を設け、前記フィルム搬
送部が固定状態の場合は前記現像容器が前記フィルム搬
送部から分離して下降し、固定を解除した状態の場合は
前記フィルム搬送部を収納したまま前記現像容器が下降
するようにしたことを特徴とする。
前記現像容器が所定の上昇位置に置かれているときに
のみフィルム搬送部の固定状態を解除できるとよい。
また、フィルムを現像処理する処理液を収納した現像
容器と、 前記現像容器内の所定位置に収納されるフィルム搬送
部と、 前記フィルム搬送部を装置本体に固定する状態と固定
を解除する状態に切換えられる固定部材と、 前記現像容器を着脱自在に保持すると共に、昇降可能
とする昇降台と、 前記昇降台を上昇する方向に付勢する付勢手段と、 前記昇降台が所定の下降位置に置かれたとき前記昇降
台を前記下降位置に停止させるストッパーと、 を設け、 前記現像容器は、前記フィルム搬送部が固定された状
態の場合は前記フィルム搬送部から分離して下降し、前
記フィルム搬送部の固定を解除した状態の場合は前記フ
ィルム搬送部を収納したまま下降するものであり、 前記下降位置で停止している前記昇降台に前記現像容
器を装着したとき、前記ストッパーによる停止状態が解
除されるとよい。
(作 用) 上記構成に基づくこの発明は、フィルム搬送部が固定
状態の場合は現像容器がフィルム搬送部から分離して下
降するので、現像容器単独で保守管理され、また、フィ
ルム搬送部の固定を解除した状態の場合はフィルム搬送
部を収納したまま現像容器と一体となり下降するので、
一体化した状態にて保守管理される。
現像容器が所定の上昇位置に置かれているときにのみ
フィルム搬送部の固定状態を解除できることで、フィル
ム搬送部が現像容器に収納された状態にて固定状態が解
除される。
また、下降位置でストッパーにより停止している昇降
台に現像容器を装着したときストッパーによる停止状態
が解除されることで、現像容器のない状態で昇降台を上
昇できない。
(実施例) 次に、この発明を第1図〜第29図に示す実施例に基づ
いて説明する。
第1図はこの発明に係る現像装置1を示している。2
は一面を開口してなる箱形の装置本体で、この装置本体
2の上部側面には、フィルム搬入口3及びフィルム搬出
口4が対向設置されている。5は装置本体2内の上部に
設けた固定部材で、この固定部材5は矢印g,h、即ち、
水平方向にスライド自在となっている。この固定部材5
は第4図に示すように略断面コ字形に形成されるととも
に、その上板5aには長手方向に沿ってガイド孔6が設け
られている。この固定部材5の側板5bの内寸Xは、後述
するフィルム搬送部を挿入できる寸法を備えている。ま
た、その下端は第13図,第14図に示すように末広がり形
状をなしている。そして、このガイド孔6には、装置本
体2の上部から垂下した先端が円錘状の位置決め用の突
起7が挿入されるとともに、突起7のつば部8によって
固定部材5が保持されることとなっている。また、この
固定部材5の側板5bの内面には、ピン9が対向設置され
ている。なお、第1図において10は固定部材5の前面に
設けたツマミである。
11は固定部材5の側板5bに設けたガイド孔、12はスト
ッパーである。13は装置本体2側に設けたロック部材
で、このロック部材13には縦長のガイド孔14が設けられ
ているとともに、装置本体2に突設したピン15が挿入さ
れている。従って、ロック部材13はピン15に沿って上
下、即ち、矢印e,f方向にスライド自在である。そし
て、このロック部材13の上端には係止爪16が設けられて
おり、この係止爪16は固定部材5のガイド孔11内に挿入
されている。
第1図において、17は装置本体2内の下部に設けたレ
バーで、このレバー17は水平設置した回転軸18を中心と
して矢印c,dのように回転自在となっている。このレバ
ー17は第5図に示すように、奥側から手前側に向けて傾
斜面を備えている。また、回転軸18の外周にはねじりコ
イルバネ19が巻回されており、その一端側が装置本体2
の内面に当接し、他端側はレバー17の背面に当接してい
る。従って、レバー17は常時ねじりコイルバネの弾性力
によって、回転軸18を中心として矢印c方向(上昇す
る)に付勢されている。
第8図はレバー17のロック機構を示している。レバー
17には図中左右方向にスライドするロッド20が設けられ
ている。このロッド20の端部側にはフランジ21が設けら
れており、フランジ21とレバー17の裏面に形成された座
板22との間にはバネ23が装着されている。従って、ロッ
ド20はバネ23の弾性力によって図面中右方に付勢されて
おり、ツマミ24のスライドによって左右に移動が可能と
なっている。なお、装置本体2の側壁には、ロッド20の
端部が没入できる大きさのセット孔25,26が上下位置に
設けられている。
第10図は装置本体2内に昇降自在に設けた昇降台27
で、後述する現像容器を載置するためのものである。こ
の側面形状が略三角の昇降台27の下部には水平なフレー
ム28が設けられており、その手前には傾斜状のガイド面
29が形成されている。また、昇降台27の上端面には現像
容器を保持するための支持部30が設けられているととも
に、手前側に傾斜したガイド面31が設けられている。こ
のガイド面31及び前記ガイド面29は、現像容器の載置を
スムーズに行なうためのものである。
32,33は装置本体2に設けた一対のガイドレールで、
このガイドレール32,33の間には前記昇降台27と一体の
保持枠34が上下(矢印e,f)方向にスライド自在に挿入
されている。そして、保持枠34であって、昇降台27の下
方には、内方に突出した軸35を中心に回転するコロ36が
設けられている。
なお、図示実施例においては、便宜上装置本体2の左
側に設けた昇降台27,保持枠34,ガイドレール32,33等を
説明しているが、装置本体2の右側にも同様の構成を対
向設置してあることは勿論である。
第11図は、この発明に係る現像容器37、及び現像容器
37内に収容するフィルム搬送部38の斜視図である。現像
容器37内には仕切板39〜41によって現像槽42,定着槽43,
水洗槽44,45が形成され、各々処理液が満たされる。ま
た、現像容器37の上部両端のフレーム46には、下向きの
突起47が二箇所設けられている。この突起47は、前記昇
降台27の上端面に形成した支持部30と対応している。な
お、48は現像容器37の前後に取付けた把手である。
前記フィルム搬送部38は、現像ラック38aと定着ラッ
ク38b、及び水洗ラック38c,38dをそれぞれ一体化してな
る。また、フィルム搬送部38の両端の上部には、係止爪
50がそれぞれ形成されている。そして、フィルム搬送部
38は、それぞれ縦長の切欠部49を形成してあり、矢印の
ように下降させると仕切板39をまたいで現像ラック38a
と定着ラック38bは現像槽42,定着槽43内に収容され、仕
切板41をまたいで水洗ラック38c,38dが水洗槽44,45内に
収容されることとなる。この際、係止爪50はフレーム46
の上端面及び仕切板40の上端面に当接してフィルム搬送
部38が保持される。
ところで、このフィルム搬送部38には第4図に示すよ
うに、上端の連結部51の略中央には、突起7の先端部が
嵌合できる大きさの没入孔52が形成されている。また、
フィルム搬送部38の前後面には、L字形の案内溝53が二
箇所つづ形成されている。この案内溝53は、それぞれ固
定部材5のピン9を挿入できる深さ,大きさ及び間隔に
なっている。図示実施例では現像槽42,定着槽43に収容
されるフィルム搬送部38にのみ案内溝53を形成してある
が、水洗槽44,45に収容するフィルム搬送部38にも同様
の案内溝53を形成してあることは勿論である。
第5図において、54は昇降台27の上昇を規制するスト
ッパーで、このストッパー54は装置本体2に対して回転
軸55を介して揺動自在に取付けられている。また、スト
ッパー54の前側、即ち、昇降台27寄りの位置には段部56
が設けられているとともに、カム部57が設けられてい
る。このストッパー54の回転軸55は中心から左側に偏心
した位置にあって、回転軸55を境としてストッパー54の
右側半分が重くなるように構成されている。従って、こ
のストッパー54は自重により平時第7図の位置(矢印j
方向)に揺動した状態にあって、その段部56には昇降台
27のフレーム28の上端が当接する構成となっている。
次に、上記実施例の作用を説明する。
まず、第1図のように装置本体2内へ現像容器37を収
容する前の状態においては、ストッパー54はその自重で
第7図に示す位置にあって、段部56には昇降台27のフレ
ーム28の上端が係止している。また、第8図のように、
レバー17のツマミ24はロック位置にある。ここで、取扱
者が過って第9図のようにツマミ24をオープン位置へ操
作すると、ロッド20の先端がセット孔25から脱してしま
う。
しかしながら、昇降台27はフレーム28の上端がストッ
パー54に係止することによって上昇が規制されているた
め、バネ19の弾性力によって昇降台27が上昇してしまう
ことはない。従って、取扱者の操作ミスによってレバー
17がバネ19の弾性力によって急激にはね上がるような危
険を防止できる。
次に、第11図のようにして処理液を満たした現像容器
37内にフィルム搬送部38を収納するとともに、装置本体
2内に装填する。すると、現像容器37の昇降台27のガイ
ド面29,ガイド面31によって第2図,第5図のようにス
ムーズに挿入される。この時点で現像容器37の突起47
は、第12図のように昇降台27の支持部30内に没入してお
り、左右一対の支持部30の二点で保持された状態とな
る。また、現像容器37の底部とフレーム28との間には隙
間があるため、現像容器37は接点kを支点として矢印l,
m方向へ微小量の回転が可能である。更に、この状態に
おいては、第13図のように固定部材5の突起7とフィル
ム搬送部38の中心は寸法nだけ位置ズレしている場合も
ある。
一方、上記のようにして現像容器37を昇降台27上に保
持すると、現像容器37の背面が第5図のようにストッパ
ー54のカム部57を矢印i方向に押すため、段部56はフレ
ーム28の上端部から離脱した状態となっている。勿論、
現像容器37が適正位置に装填されていなければ、前述と
同様にしてストッパー54は解除されない。そこで、第9
図のようにツマミ24をオープン位置に移動してロッド20
の先端をセット孔25から退出させると、レバー17は第6
図のようにバネ19の弾性力により、現像容器37及びフィ
ルム搬送部38の重さとでバランスをとり、極めて軽い力
により回転軸18を中心として矢印のように回転できる。
この際、昇降台27のコロ36はレバー17の傾斜面に当接し
た状態で転動し、保持枠34と一体となってガイドレール
32,33に沿って上昇する。そして、所定の位置まで上昇
すると、ロッド20の先端がバネ23の弾性力によって第9
図二点鎖線のように上方のセット孔26内に没入し、レバ
ー17及び昇降台27は上昇位置で保持されることとなる。
この停止位置、即ち、セット孔26の位置は、フィルム搬
入口3から搬入されるフィルム(図示せず)の搬送と、
フィルム搬出口4への搬送をスムーズに行なうことがで
きる位置に予め設定してあることは勿論である。
上記昇降台27の上昇中において、当初固定部材5とフ
ィルム搬送部38の中心は寸法nズレている場合もある
が、第14図のように固定部材5内に挿入されるにつれ
て、固定部材5及びフィルム搬送部38,現像容器37は微
小角P傾いてくる。そして、昇降台27が更に上昇してい
くと、フィルム搬送部38は矢印Qの軌跡をたどりつつな
めらかに位置修正が行なわれる。なお、上記ズレ寸法n
が大きい際には、フィルム搬送部38は固定部材5内に挿
入されるとともに、現像容器37の上端面を少しずつ滑り
つつ矢印r方向へ移動しながら位置修正が行なわれる。
このフィルム搬送部38の位置修正は、現像ラック38a,定
着ラック38b側,水洗ラック38c,38d側の両方とも行なわ
れる。
また、上記昇降台27の上昇中において、現像容器37が
第15図のようにロック部材13に当接していない際には、
ロック部材13の係止爪16はストッパー12の右側に位置し
た状態にある。現像容器37の上昇につれてロック部材13
に当接すると、第16図のように押し上げられることとな
る。更にまた、装置本体2に設けた突起7が連結部51の
没入孔52に嵌合するとともに、第19図に示すように固定
部材5のピン9が案内溝53内の角部にまで到達してい
る。
そして、固定部材5を第20図の矢印g方向にスライド
させると、ピン9は案内溝53の奥端部まで進入して停止
する。また、この作動中、第17図のロック部材13の係止
爪16は、固定部材5のスライドによりガイド孔11内の左
方、即ち、図面中ストッパー12の左上方に位置すること
となっている。その後、レバー17のロックを解除して第
5図矢印d方向に回転させて元の下降位置に戻しても、
固定部材5のピン9は案内溝53内の奥端部に進入した状
態で係合されており、現像容器37だけが第5図のように
昇降台27とともに下降し、フィルム搬送部38は固定部材
5によって所定の位置に保持されたまま宙吊りとなる。
従って、取扱者は現像容器37内の洗浄,処理液補充を行
なうことができる。ここで、現像容器37のみを下降する
と、ロック部材13は第18図のように自重で下降し、係止
爪16はストッパー12の左側の位置で停止することとな
る。このため、取扱者が過って固定部材5を矢印h方向
にスライドさせようとしても、ストッパー12が係止爪16
に引掛るためスライドしない。従って、取扱者の誤操作
によるフィルム搬送部38の落下,破損を未然に防止する
ことができる。そして、現像容器37を再び昇降台27上に
載置して前述の動作を行えばフィルム搬送部38は現像容
器37内に収容された状態に復帰し、ロック部材13は第17
図に示す状態となり、固定部材5は矢印h方向へスライ
ド可能となる。即ち、フィルム搬送部38を解除すること
ができる。
又、現像容器37の重心より上方の突起47を支持部30に
より二点で支持しているから安定性がよく、処理液のこ
ぼれを有効に防止できる。
このように、昇降台27を上昇させてフィルム搬送部38
を装置本体2の定位置に固定した状態において(第3
図)、図示しない露光済みのフィルムが矢印aのように
フィルム搬入口3を介して装置本体2内に進入する。そ
して、フィルム搬送部38によって現像槽42,定着槽43,水
洗槽44,45を通って所定の現像処理が行なわれた後、フ
ィルム搬出口4から矢印bのように搬出されて乾燥工程
(図示せず)へと導かれることとなる。
そして、フィルム搬送部38を装置本体2から取り外す
際には、第3図のようにフィルム搬送部38を現像容器37
内に収納した状態において、固定部材5を矢印h方向に
移動し、案内溝53内のピン9を第19図の状態に移行させ
る。その後、レバー17のツマミ24をオープンの位置に移
動してロッド20の先端をセット孔26から退出させるとと
もに、バネ19の弾性力に抗して第5図矢印d方向に回転
して下降位置に戻せば、ロッド20の先端はバネ23の弾性
力によってセット孔25内に没入してレバー17が停止す
る。そして、フィルム搬送部38を収容した現像容器37を
手前側に引き抜けば、第7図のようにストッパー54が自
重で矢印j方向に揺動して段部56が昇降台27のフレーム
28の上端に係止することとなる。なお、上記実施例にお
いては、現像容器37の上昇,下降によりロック部材13の
作動を制御しているが、現像容器37の有無を光電的に検
知し、この検知結果に基づいてロック部材13が解除され
るように構成してもよい。
第21図〜第24図はフィルム搬送部38固定のための他の
実施例を示している。第21図において、没入孔52よりも
小径に形成した突起7の側面には出没自在のクリック7a
が設けられている。このクリック7aは図示しないバネに
より突出方向に付勢されている。また、つば8の下端面
からクリック7aまでの長さは、連結部51の肉厚よりも厚
い。この実施例で現像容器37を上昇させると、没入孔52
内に突起7の下端が進入するとともに、クリック7aが没
入孔52の内周面に当接して一旦突起7内に没入し、その
後、連結部51の下面で再び突出する。この一連の動作に
よりフィルム搬送部38は突起7に固定保持される。
第22図は他の実施例を示している。フィルム搬送部38
の上面には磁石59が固着されている。この磁石59の表面
59′はS極としてある。一方、固定部材5には電磁石58
を組み込んである。この電磁石58は図示しない外部電源
及び回路により極性を変えることができる。従って、電
磁石58の極性を磁極59と逆、即ち、N極としておけば、
現像容器38を上昇させると電磁石58と磁石59とが吸着し
てフィルム搬送部38を固定部材5で固定できる。また、
電磁石58の極性を磁石59の極性と同じにすれば、フィル
ム搬送部38の固定を解除することができる。
第23図,第24図は更に他の固定部材の実施例である。
フィルム搬送部38の側面(前述の案内溝53と同じ位置)
にはダボ60を突設してある。また、装置本体2側には一
対の可動アーム61が設けられている。この可動アーム61
は回転軸62を中心として矢印Q,R方向に回転可能であ
る。この可動アーム61と装置本体2との間にはバネ63が
装着してあり、可動アーム61はバネ63の弾性力によって
矢印R方向に付勢されている。また、可動アーム61の下
部には円弧状の案内面61aが設けられているとともに、
切欠部64が対向形成されている。なお、65は可動アーム
61に設けたレバー、66は装置本体2に突設したストッパ
ーで、可動アーム61を所定の位置に停止させておくため
のものである。
次に、この実施例の作用を説明する。
現像容器37が矢印のように上昇してくると、ダボ60が
可動アーム61の案内面61aに当接するとともに、可動ア
ーム61はダボ60に押されるため、バネ63の弾性力に抗し
て矢印Q方向に作動する。現像容器37の上昇に伴い、ダ
ボ60は案内面61aを上方に摺動していき、切欠部64と同
位置までくると第24図のように可動アーム61はバネ63の
弾性力によって矢印R方向に回転し、ダボ60は切欠部64
内の没入する。この状態でフィルム搬送部38は装置本体
2の定位置で固定されたことになり、現像容器37を下降
させてもフィルム搬送部38は固定状態が保持される。
また、レバー65を手でつかみ、矢印Q方向に可動アー
ム61を作動させれば、切欠部64はダボ60から離間してフ
ィルム搬送部38に対する固定が解除されることとなる。
第25図は現像容器37に対するフィルム搬送部38の位置
決め手段を示す実施例である。現像容器37のフレーム46
と仕切板40の上端面には、一対の突起37aそれぞれ設け
られている。この突起37a同士の間隔は、フィルム搬送
部38の厚さ(矢印i,j方向)よりもわずかに大きく形成
してある。従って、取扱者はフィルム搬送部38を現像容
器37へ収容する際に、フィルム搬送部38の両側に設けた
係止爪50が突起37a同士の間に入るように収容すれば、
現像容器37に対するフィルム搬送部38の矢印i,j方向の
位置決めが完了するのである。
第26図〜第28図は、現像容器37におけるフィルム搬送
部38の他の支持態様を示す実施例である。
第26図に示す現像容器37においては、側面の略中央に
支持用の突起47が設けられている。なお、図示しないが
反対側にも同様にして設けてある。この突起47は前述と
違い現像容器37の重心より上方には位置していない。そ
して、この現像容器37は第27図のように昇降台27上に支
持されることとなる。昇降台27の高さは第7図示のもの
に比べて略半分ほどに成形されており、上部端面の支持
部30内の突起47が没入して二点支持される。なお、この
実施例においても、固定部材5の突起7との寸法nのズ
レを修正するため、現像容器37の底部と昇降台27のフレ
ーム28との間には所定量の隙間を設定している。
第28図の実施例においては、昇降台27のフレーム28の
上面に設けた突起28aにより現像容器37の底部を二点支
持している。固定部材5の突起7とフィルム搬送部38と
が寸法n分位置ズレしていると、昇降台27の上昇ととも
に現像容器37は突起28a上を矢印i,j方向に移動して位置
修正がなされることとなる。
更に特に図示していないが、レバー17のはね上り防止
のための手段としてガイドレール32,33に現像容器37の
着脱に連動して出没作動するピンを設けておき、このピ
ンと装置本体2とを嵌合させておくことにより、現像容
器37が昇降台27上にあるときのみ作動するようにしても
よい。
第29図はレバー17のロック機構の他の実施例を示して
いる。回転軸18にはレバー17と一体回転するギア80が設
けられており、このギア80にはモータ81のギア82が噛合
している。このモータ81はストッパ54の動作と電気的に
接続されており、このストッパ54の揺動に同期して反時
計方向に一定角度だけ回転するとともに、図示しない下
降ボタンの操作により時計方向に回転して元の状態に復
帰するように構成されている。
そして、昇降台27上に現像容器37が完全載置されると
ストッパ54が揺動し、モータ81が反時計方向に回転す
る。すると、昇降台27が上昇するとともに、フィルム搬
送部38が所定の位置に到達してモータ81は停止する。ま
た、図示しない下降ボタンを操作すると、モータ81が時
計方向に回転して昇降台27が下降し、図示下降位置で停
止することとなる。その後、現像容器37を昇降台27から
取り外すと、ストッパ54が揺動してロック状態となる。
(発明の効果) この発明は以上のように構成したものであるから、 現像容器およびフィルム搬送部の着脱を簡単に行な
うことができるので、これらの清掃,修理等の保守管理
を極めて容易に行なうことができ,さらに、装置本体へ
フィルム搬送部を装着する現像容器に傷や変形が発生す
るのを防止できるとともに、現像容器の装着,取外しに
際して、収容した処理液がこぼれることがない。
フィルム搬送部に直接手を触れることなく装置本体
への装着,固定及び取り外しを行えるから、現像容器内
に収容した処理液が取扱者の手や衣服に付着することを
防止できる。
現像容器を昇降台に装着すると昇降台が自動的に上
昇して現像容器を使用位置へ簡単にセットすることがで
きる。
フィルム搬送部は現像容器内に収容された状態でな
ければ固定部材のロックを解除できない。従って、取扱
者の操作ミスによってフィルム搬送部を落下したり、破
損したりすることがない。
という各種の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第29図はこの発明の実施例を示し、第1図〜第
3図は装置本体の斜視図、第4図,第25図は固定部材と
フィルム搬送部の一部切欠斜視図、第5図〜第7図は装
置本体の側面断面図、第8図,第9図,第29図はレバー
のロック機構を示す部分正面図、第10図は一方の昇降台
の斜視図、第11図はフィルム搬送部と現像容器の斜視
図、第12図〜第14図,第27図,第28図は昇降台上に現像
容器を載置した側面図、第15図〜第18図はロック部材の
作動を示す一部切欠正面図、第19図,第20図は固定部材
のスライドを示す正面図、第21図,第22図はフィルム搬
送部の他の固定例を示す斜視図、第23図,第24図は同じ
く正面図、第26図は現像容器の斜視図、第30図は従来例
の概略正面図、第31図は従来例の現像容器とフィルム搬
送部の正面図である。 符号の説明 1……現像装置、2……装置本体 5……固定部材、17……レバー 27……昇降台、37……現像容器 38……フィルム搬送部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムを現像処理する処理液を収納した
    現像容器を装置本体内に昇降自在に設け、前記現像容器
    内の所定位置に収納されるフィルム搬送部を装置本体に
    固定する状態と固定を解除する状態に切換えられる固定
    部材を設け、前記フィルム搬送部が固定状態の場合は前
    記現像容器が前記フィルム搬送部から分離して下降し、
    固定を解除した状態の場合は前記フィルム搬送部を収納
    したまま前記現像容器が下降するようにしたことを特徴
    とする現像装置。
  2. 【請求項2】前記現像容器が所定の上昇位置に置かれて
    いるときにのみフィルム搬送部の固定状態を解除できる
    請求項1に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】フィルムを現像処理する処理液を収納した
    現像容器と、 前記現像容器内の所定位置に収納されるフィルム搬送部
    と、 前記フィルム搬送部を装置本体に固定する状態と固定を
    解除する状態に切換えられる固定部材と、 前記現像容器を着脱自在に保持すると共に、昇降可能と
    する昇降台と、 前記昇降台を上昇する方向に付勢する付勢手段と、 前記昇降台が所定の下降位置に置かれたとき前記昇降台
    を前記下降位置に停止させるストッパーと、 を設け、 前記現像容器は、前記フィルム搬送部が固定された状態
    の場合は前記フィルム搬送部から分離して下降し、前記
    フィルム搬送部の固定を解除した状態の場合は前記フィ
    ルム搬送部を収納したまま下降するものであり、 前記下降位置で停止している前記昇降台に前記現像容器
    を装着したとき、前記ストッパーによる停止状態が解除
    されることを特徴とする現像装置。
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