JP2005300434A - 標本作製装置 - Google Patents

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雅則 中屋
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Abstract

【課題】カセットをスライドガラスの収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構が複雑になるのを防止することが可能な標本作製装置を提供する。
【解決手段】この血液塗抹標本作製装置(標本作製装置)100は、標本となるスライドガラス10を収納するためのスライドガラス収納孔3aを含むカセット3を保持するためのカセット保持部61と、カセット保持部61を、カセット3が実質的に垂直に保持される第1位置と、カセット3が実質的に水平に保持されてカセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10が収納される第2位置との間を回動させるためのカセット回動機構部6aとを備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、標本作製装置に関し、特に、標本となるスライドガラスを収納するためのスライドガラス収納孔を含むカセットを備えた標本作製装置に関する。
従来、標本となるスライドガラスを収納するためのスライドガラス収納孔を含むカセットを備えた標本作製装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、スライドガラスへの血液の塗抹から染色工程までを自動的に行う血液塗抹標本作製装置において、カセットのスライドガラス収納孔に塗抹済みのスライドガラスを収納するためのスライドガラス収納機構が開示されている。このスライドガラス収納機構では、内外へ回動可能な左右一対の保持アームが外側から内側へ回動することによりカセットの両側部を保持した状態で、カセット回動部材をカセットを押圧する方向に移動させることにより、カセットを水平方向に回動させてカセットのスライドガラス収納孔にスライドガラスが挿入される。
特開平8−304412号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたようなスライドガラス収納機構では、カセットをスライドガラスの収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構として、カセット回動部材を押圧方向に移動させるための駆動源に加えて、カセットの両側部を保持する左右一対の保持アームを外側から内側に回動させるための駆動源を別途設ける必要があるため、カセットをスライドガラスの収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構が複雑であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、カセットをスライドガラスの収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構が複雑になるのを防止することが可能な標本作製装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の一の局面による標本作製装置は、標本となるスライドガラスを収納するためのスライドガラス収納孔を含むカセットを保持するためのカセット保持部と、カセット保持部を、カセットが実質的に垂直に保持される第1位置と、カセットが実質的に水平に保持されてカセットのスライドガラス収納孔にスライドガラスが収納される第2位置との間を回動させるための回動部とを備えている。
この一の局面による標本作製装置では、上記のように、カセットを保持するカセット保持部と、そのカセット保持部を回動させるための回動部とを設けることによって、カセットの両側部を保持するための外側から内側に回動する左右一対の保持アームを設ける必要がないので、従来の左右一対の保持アームの回動機構が不要になる。その結果、カセットをスライドガラスの収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構を簡素化することができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、回動部は、カセット保持部を支持する支持部材と、支持部材を回動させるための駆動モータとを含む。このように構成すれば、駆動源として1つの駆動モータのみを用いて、カセット保持部を、第1位置と第2位置との間を回動させることができる。
上記駆動モータを有する標本作製装置において、好ましくは、駆動モータは、カセット保持部が実質的に水平に保持される第2位置に位置するときに、カセット保持部の下方に位置するように配置されている。このように構成すれば、駆動モータの設置スペースをカセット保持部の設置スペースとは別に設ける必要がないので、カセット保持部および回動部が小型化することができる。
上記駆動モータを有する標本作製装置において、好ましくは、回動部は、駆動モータの駆動を支持部材に伝達する駆動伝達部材を含み、支持部材は、少なくともカセット保持部が第1位置から第2位置に向かって回動されるときに駆動伝達部材に係合するとともに、カセット保持部が第2位置から第1位置に向かって回動されるときに駆動伝達部材に対して相対的に移動可能な係合部を含み、回動部は、カセット保持部を第2位置から第1位置に向かって付勢する第1付勢手段を含む。このように構成すれば、駆動モータによりカセット保持部が第2位置から第1位置に向かって回動されるときに、駆動伝達部材に対して係合部が相対的に移動することにより駆動伝達部材と係合部との係合が解除されるとともに、その係合が解除された状態で第1付勢手段の付勢力によりカセット保持部が第1位置に移動されるので、駆動モータの厳密な回転制御を行うことなくカセット保持部を第1位置に移動させることができる。
上記第1付勢手段を含む標本作製装置において、第1付勢手段は、カセット保持部を第2位置から第1位置に向かって付勢するように、支持部材に一方端が取り付けられたねじりコイルバネを含んでいてもよい。このように構成すれば、ねじりコイルバネにより、容易に、カセット保持部を第2位置から第1位置に向かって付勢することができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、カセット保持部は、カセットを保持する第1保持部材を含み、カセット保持部が第1位置に移動するとき、第1保持部材はカセットの保持を解除し、カセット保持部が第2位置に移動するとき、第1保持部材はカセットを保持する。このように構成すれば、第1保持部材によりカセットの保持および保持の解除を行うことができる。
上記第1保持部材を含む標本作製装置において、好ましくは、第1保持部材は、カセットの底面を支持する凹状の底面支持部と、カセットの表面が凹状の底面支持部の内側面に当接するようにカセットの裏面を押圧する押圧部材と、押圧部材を押圧方向に付勢する第2付勢手段とを含み、カセット保持部が第1位置に移動するとき、押圧部材を第2付勢手段の付勢力に抗して押圧方向とは反対方向に移動させるための押圧部材移動部をさらに備える。このように構成すれば、容易に、カセットの保持および保持の解除を行うことができる。
上記押圧部材を含む標本作製装置において、好ましくは、押圧部材は、カセットが押圧された状態での押圧位置とカセットが押圧されない状態での非押圧位置とに移動する第1検知片を含み、第1検知片が押圧位置に位置する状態でカセット保持部が第2位置に移動したときに、第1検知片を検知する第1光センサをさらに備える。このように構成すれば、カセット保持部によりカセットが保持された状態で、カセット保持部が回動部により回動されてスライドガラスが収納される第2位置に達したことを第1光センサにより検知することができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、カセットは、所定の位置に設置され、磁石に吸着可能な材料からなる磁石吸着部材を含み、カセット保持部は、カセットの磁石吸着部材に対応する位置に設置された磁石を有する第2保持部材を含む。このように構成すれば、第1保持部材とともに、第2保持部材により、容易にカセットを保持することができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、カセット保持部が第1位置に位置することを検知するための第2検知手段をさらに備える。このように構成すれば、第2検知手段によりカセット保持部が第1位置に到達したことを検知することができる。
この場合、好ましくは、第2検知手段は、カセット保持部に設けられた第2検知片と、第2検知片が第1位置に到達したことを検知する第2光センサとを含む。このように構成すれば、第2検知片および第2光センサにより、容易に、保持部が第1位置に到達したことを検知することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による血液塗抹標本作製装置および搬送装置の全体構成を示した斜視図であり、図2は、図1に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置の内部構造を示した平面図である。また、図3および図4は、図2に示した血液塗抹標本作製装置に用いるカセットおよびスライドガラスを示した斜視図である。また、図5〜図9および図17は、図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部の構造を説明するための図であり、図10〜図16および図18は、図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部のカセット回動動作およびスライドガラス挿入動作を説明するための図である。まず、図1〜図4を参照して、本実施形態による血液塗抹標本作製装置100および搬送装置200の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の標本作製装置を血液塗抹標本作製装置100に適用した例について説明する。
まず、本実施形態では、図1に示すように、血液塗抹標本作製装置100の前面に、搬送装置200が設置されている。この搬送装置200は、血液が収容された試験管151を収納する検体ラック150を血液塗抹標本作製装置100に自動的に搬送するために設けられている。また、血液塗抹標本作製装置100は、タッチパネルからなる表示操作部101と、起動スイッチ102と、電源スイッチ103と、カバー104とを含んでいる。また、血液塗抹標本作製装置100には、血液が収容された試験管151を搬送装置200側から血液塗抹標本作製装置100側に搬送するためのハンド部材160が設けられている。血液が収容された試験管151には、ゴム栓151aが装着されている。
また、血液塗抹標本作製装置100は、図2に示すように、吸引分注機構部1と、塗抹部2と、樹脂製のカセット3と、カセット収容部4と、カセット搬送部5と、スライドガラス挿入部6と、染色部7と、保管部8とを備えている。吸引分注機構部1は、ハンド部材160(図1参照)によって血液塗抹標本作製装置100側に搬送された試験管151から血液を吸引するとともに、吸引した血液をスライドガラス10に滴下する機能を有する。この吸引分注機構部1は、図2に示すように、試験管151から血液を吸引するためのピアサ(吸引針)1aと、吸引した血液をスライドガラス10に分注するためのピペット1bと、ピアサ1aおよびピペット1bに接続されるシリンジポンプ1cと、ピアサ1aとシリンジポンプ1cとの間の流路を開閉するためのバルブ1dと、ピペット1bとシリンジポンプ1cとの間の流路を開閉するためのバルブ1eとを含んでいる。
また、塗抹部2は、スライドガラス10を分注・塗抹位置90に供給するとともに、スライドガラス10に滴下された血液を塗抹して乾燥し、かつ、スライドガラス10に印字を行うために設けられている。この塗抹部2には、スライドガラス供給部2aと、スライドガラス収納部2bと、引きガラス2cと、送りベルト2dおよび2eと、ファン2fと、移動片2gおよび2iと、印字部2hと、ガイド溝2jとが設けられている。
スライドガラス供給部2aは、2つのスライドガラス収納部2bに収納されたスライドガラス10を、図示しない取出機構および送りベルト2dを用いて、送りベルト2e上に供給する機能を有する。送りベルト2eは、スライドガラス10を分注・塗抹位置90と乾燥位置91aおよび91bとに搬送するように構成されている。引きガラス2cは、分注・塗抹位置90でスライドガラス10に分注された血液を塗抹することができるように、スライドガラス10に当接する位置に移動可能で、かつ、スライドガラス10の長手方向に移動可能に構成されている。ファン2fは、乾燥位置91aおよび91bに搬送されたスライドガラス10の塗抹された血液を乾燥するために設けられている。移動片2gは、スライドガラス10を乾燥位置91bから印字部2hに移動させるために設けられている。印字部2hは、プリンタからなり、スライドガラス10のフロスト部10aに、検体番号、日付、受付番号、氏名などを印字するために設けられている。移動片2iは、印字後のスライドガラス10をガイド溝2jに沿ってスライドガラス挿入部6側に移動させて、カセット3に挿入するために設けられている。
また、樹脂製のカセット3は、塗抹が施されたスライドガラス10および染色工程で用いる液体(染色液)を収容することが可能なように構成されている。具体的には、カセット3は、図3および図4に示すように、スライドガラス収納孔3aと、染色液吸引分注孔3bと、仕切部3cおよび3dと、スライドガラス支持部3eと、磁石に吸着可能な金属からなる2つの磁石吸着部材3fと、搬送ベルト係合部3gと、側面部3hおよび3iとを含んでいる。スライドガラス収納孔3aと、染色液吸引分注孔3bとは、内部で繋がっている。また、図2に示すように、カセット収容部4は、カセット3を搬入するために設けられており、送り込みベルト4aを含んでいる。また、カセット収容部4には、カセット収容部4の待機位置92のカセット3の数量が所定の数量(たとえば、10個)以下になることを検知するためのカセット残量検知センサ4bと、カセット収容部4の待機位置92の搬送路5cにカセット3が存在するか否かを検知するためのカセット有無検知センサ4cとが設けられている。
また、カセット搬送部5は、カセット収容部4から搬入されたカセット3をスライドガラス挿入部6および染色部7に搬送するために設けられている。このカセット搬送部5は、図2に示すように、水平方向に移動可能なカセット搬送部材5aと、カセット搬送部材5aを水平方向に移動させるための駆動ベルト5bと、カセット収容部4から供給されたカセット3を搬送するための搬送路5cとを含んでいる。カセット搬送部材5aは、カセット3の側面部3h(図3参照)を押しながら搬送する当接片51aおよび51bが形成された当接部材51を有している。この当接部材51は、カセット搬送部材5aがカセット3の搬送後にフレーム11に設けられた接触部材11aに接触することにより、カセット3に接触可能な作動位置からカセット3とは非接触となる退避位置に移動されるように構成されている。
本実施形態では、スライドガラス挿入部6は、図2に示すように、塗抹および印字が施されたスライドガラス10をカセット3のスライドガラス収納孔3aに収納するために設けられている。このスライドガラス挿入部6は、カセット3を水平方向に配置してスライドガラス10を挿入可能な状態にするためのカセット回動機構部6aと、カセット回動機構部6aにより水平方向に配置されたカセット3の高さ方向の位置決めを行う位置決め部6bと、水平方向に配置されたカセット3の横方向の位置決めを行う2つの位置決め部6cと、スライドガラス挿入部6に位置するカセット3にスライドガラス10が収納されているか否かを検知するためのセンサ6dとを含んでいる。なお、カセット回動機構部6aは、本発明の「回動部」の一例である。また、位置決め部6bは、カセット回動機構部6aにより水平方向位置(第2位置)に回動されたカセット3の裏面に当接することにより、カセット3の高さ方向の位置決めを行うために設けられている。また、2つの位置決め部6cは、カセット回動機構部6aにより水平方向位置(第2位置)に回動されたカセット3が横方向にずれていた場合に、カセット3の横方向の位置のずれを矯正することにより、カセット3の横方向の位置決めを行うために設けられている。
ここで、図2、図5〜図9および図17を参照して、本実施形態によるスライドガラス挿入部6のカセット回動機構部6aの詳細構造について説明する。カセット回動機構部6aは、図5〜図8に示すように、水平方向位置(第2位置)と垂直方向位置(第1位置)との間を回動可能なカセット保持部61とカセット保持部61を支持するための一対の支持アーム62および63とを含む回動部材60と、回動部材60を駆動させる駆動源としての駆動モータ80とを備えている。なお、一対の支持アーム62および63は、本発明の「支持部材」の一例である。
回動部材60のカセット保持部61は、図5〜図8に示すように、カセット3の裏面を支持する裏面支持部61aと、カセット3の底面を支持する凹状の底面支持部61bと、裏面支持部61aの背面側に取り付けられた軸61cを中心に回動可能に設けられた押圧部材61dと、押圧部材61dを押圧方向に付勢するためのねじりコイルバネ61eと、カセット3の2つの磁石吸着部材3f(図3参照)に対応する裏面支持部61aの位置に設けられた2つの磁石61fとを含んでいる。なお、底面支持部61b、押圧部材61dおよびねじりコイルバネ61eは、本発明の「第1保持部材」の一例であり、ねじりコイルバネ61eは、本発明の「第2付勢手段」の一例であり、磁石61fは、本発明の「第2保持部材」の一例である。
カセット保持部61の裏面支持部61aは、図5に示すように、押圧部材61dを裏面支持部61aの前面方向に突出させるための開口部61gと、2つの磁石61fを裏面支持部61aの前面側に露出させるための2つの開口部61hと、裏面支持部61aの上部中央部に位置する切り欠き部61iと、搬送路5cの上流方向側に設けられ、搬送時にカセット3を搬送路5cから裏面支持部61aに円滑に誘導するための誘導片61jとを含んでいる。2つの開口部61hにより裏面支持部61aの前面側に露出される2つの磁石61fは、磁石取付部材61kにより裏面支持部61aの背面側に取り付けられている。裏面支持部61aの切り欠き部61iは、カセット保持部61が水平方向位置(第2位置)に回動したときに、位置決め部6bがカセット3の裏面に当接することができるように構成されている。これにより、カセット回動機構部6aにより水平方向位置(第2位置)に配置されたカセット3の高さ方向の位置決めを行うことができるので、塗抹部2の移動片2iによってカセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10を容易に挿入することが可能になる。
また、図7および図9に示すように、搬送路5cの底面支持部61bに対応する部分は、下方向に窪んだ形状を有している。そして、カセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に位置する際に、底面支持部61bは、搬送路5cの下方向に窪んだ部分に嵌まり込むように当接するとともに、底面支持部61bの内側の底面は、水平方向において搬送路5cの内側の底面に対して僅かに下方に位置するように構成されている。これにより、カセット3は、図9に示すように、搬送時に搬送路5cとカセット保持部61との境界部分において底面支持部61bの内側の底面に引っ掛かることなく、円滑に搬送されるように構成されている。また、図5〜図9に示すように、底面支持部61bの搬送路5cの上流方向側には、搬送時にカセット3を搬送路5cから底面支持部61bに円滑に誘導するための誘導片61lが設けられている。
カセット保持部61の押圧部材61dは、カセット3の下端部の前面が凹状の底面支持部61bの内側面に当接するようにカセット3の裏面を押圧するために設けられている。この押圧部材61dは、図7および図8に示すように、裏面支持部61aの開口部61gから突出可能に設けられた凸状の押圧部61mと、押圧部61mの両端部に設けられ、カセット3が左右方向にずれるのを抑制するための2つの折り曲げ部61nと、軸取付部61oと、押圧部材61dの下部に設けられ、後方に突出するように設けられた検知片61pとを含んでいる。押圧部材61dの軸取付部61oは、図5、図7および図8に示すように、裏面支持部61aに取り付けられた軸61cに回動可能に取り付けられている。なお、軸61cには、上記したねじりコイルバネ61eが押圧部材61dを押圧方向に付勢するように取り付けられている。すなわち、図5、図7および図8に示すように、ねじりコイルバネ61eの一方端が押圧部材61dの図示しない取付孔に取り付けられているとともに、ねじりコイルバネ61eの他方端が裏面支持部61aの裏面に当接している。
また、フレーム11には、カセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に回動されたときに、回動部材60のカセット保持部61の押圧部材61dを、ねじりコイルバネ61eの付勢力に抗して押圧を解除する方向に移動させるためのローラ部材81が回転可能に取り付けられている。このローラ部材81は、本発明の「押圧部材移動部」の一例である。また、ローラ部材81は、搬送路5cに沿った方向に延びる円筒形状に形成されているとともに、軸81aに回転可能に取り付けられている(図14参照)。なお、ローラ部材81を回転可能に構成することにより、ローラ部材81が回転しながら押圧部材61dがカセット3の裏面を押圧しない非押圧位置に移動されるので、押圧部材61dを円滑に非押圧位置に移動させることが可能になる。
回動部材60の一対の支持アーム62および63は、フレーム11に取り付けられた2つの軸70の回りに回動可能に取り付けられている。この2つの軸70には、カセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に位置するように、支持アーム62および63を付勢するためのねじりコイルバネ71が取り付けられている。すなわち、ねじりコイルバネ71の一方端は、フレーム11側に当接するように配置されるとともに、ねじりコイルバネ71の他方端は、支持アーム62および63の後述する取付孔62cおよび63bに取り付けられている。なお、ねじりコイルバネ71は、本発明の「第1付勢手段」の一例である。
また、装置正面左側の支持アーム62には、係合部62aを有する切り欠き部62bと、ねじりコイルバネ71の他方端を取り付けるための取付孔62cとが設けられている。また、図7および図8に示すように、装置正面右側の支持アーム63には、カセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に位置することを検知するための検知片63aと、ねじりコイルバネ71の他方端を取り付けるための取付孔63bとが設けられている。また、図6〜図8に示すように、フレーム11には、カセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に位置する際に、検知片63aを検知するための光透過型のセンサ82が設けられている。なお、検知片63aは、本発明の「第2検知片」および「第2検知手段」の一例であり、センサ82は、本発明の「第2光センサ」および「第2検知手段」の一例である。
また、駆動モータ80は、図14および図15に示すように、回動部材60のカセット保持部61が水平方向位置(第2位置)に回動されたときに、カセット保持部61の下方に位置するように配置されている。この駆動モータ80の駆動軸80aには、図6に示すように、駆動伝達アーム83が取り付けられている。この駆動伝達アーム83には、図5および図6に示すように、支持アーム62の切り欠き部62bに係合する金属製の係合ピン84が設けられている。この係合ピン84は、図5に示すように、回動方向に所定の遊びを有した状態で支持アーム62の切り欠き部62bの係合部62aに係合している。なお、駆動伝達アーム83は、本発明の「駆動伝達部材」の一例である。
また、図6および図8に示すように、駆動モータ80の上方には、押圧部材61dの検知片61pを検知するための光透過型のセンサ85が設けられている。このセンサ85は、カセット保持部61が水平方向位置(第2位置)に位置する際に、カセット保持部61にカセット3が存在するか否かを検知するために設けられている。なお、検知片61pは、本発明の「第1検知片」の一例であり、センサ85は、本発明の「第1光センサ」の一例である。
図2に示した染色部7は、カセット搬送部材5aにより搬送されたカセット3の染色液吸引分注孔3bに染色液を供給することにより、塗抹済みのスライドガラス10に染色を施すために設けられている。この染色部7は、カセット搬送部材5aにより搬送されたカセット3を染色部7の第2吸引排出部7dに送り込むための送り込み部材7aと、送り込み部材7aから送り込まれたカセット3を搬送するための搬送ベルト7bと、カセット3に対して染色液の供給および排出を行うための第1〜第5吸引排出部7c〜7gと、染色済のスライドガラス10を乾燥するためのファン7hと、カセット3を搬送ベルト7bから保管部8の搬送ベルト8b側へ送り出すための送り出し機構部7iと、第2吸引排出部7dにおいてスライドガラス10を乾燥するためのファン7jとを含んでいる。
また、図2に示した保管部8は、染色部7により染色されたスライドガラス10が収納されたカセット3を保管するために設けられている。この保管部8には、送り出し機構部7iにより染色部7の搬送ベルト7bから送り出されたカセット3を保管部8の搬送ベルト8bに送り込むための送り込み部材8aと、送り込み部材8aから送り込まれたカセット3を搬送するための搬送ベルト8bとが設けられている。
次に、図1〜図4、図10〜図16および図18を参照して、本実施形態による血液塗抹標本作製装置100の動作について説明する。まず、図2に示したカセット収容部4によるカセット3の搬入動作と、カセット搬送部5によるスライドガラス挿入部6へのカセット3の搬送動作とが行われる。具体的には、まず、カセット収容部4にカセット3をセットする。これにより、カセット3の搬送ベルト係合部3g(図3参照)がカセット収容部4の送り込みベルト4aに係合された状態でカセット3が搬送されて、カセット待機位置92に送り込まれる。なお、カセット収容部4のカセット待機位置92のカセット3の数量が所定の数量(たとえば、10個)以下になった場合には、カセット残量検知センサ4bにより検知されて表示操作部101(図1参照)に、「カセットを補充してください」などの表示が行われる。カセット待機位置92のカセット3のうちの先頭のカセット3は、搬送路5cに配置される。この搬送路5cに配置されたカセット3は、カセット有無検知センサ4cにより検知されて1つずつカセット搬送部5によりスライドガラス挿入部6に搬送される。すなわち、カセット搬送部5を構成するカセット搬送部材5aの当接部材51の当接片51aおよび51bが、カセット3の側面部3hを押しながら移動することによって、カセット3は搬送路5cに沿ってスライドガラス挿入部6に搬送される。
図2に示したスライドガラス挿入部6では、まず、カセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10が収納されているか否かがセンサ6dにより判断される。そして、カセット3にスライドガラス10が収納されていると判断された場合には、そのまま、カセット搬送部材5aの当接部材51の当接片51aおよび51bにより搬送路5cに沿ってカセット3が染色部7に移動される。この場合、カセット3は、染色処理が行われずに保管部8に移動される。なお、カセット3が染色部7まで移動されたときに、カセット搬送部材5aは搬送終了位置94まで移動される。また、スライドガラス挿入部6において、スライドガラス10が収納されていないと判断された場合には、以下の吸引分注動作を開始する。
吸引分注動作としては、まず、図1に示すように、起動スイッチ102が押されて血液塗抹標本作製装置100が起動した状態で、血液検体が収容された試験管151が収納された検体ラック150を搬送装置200の搬入部201にセットする。そして、表示操作部101に表示された自動吸引のスタートスイッチを押す。これにより、検体ラック150は、搬送装置200の取り出し部202に搬送される。この後、血液塗抹標本作製装置100のハンド部材160が、検体ラック150の血液が収容された試験管151を把持する。そして、ハンド部材160を上昇させることにより試験管151を持ち上げるとともに、ハンド部材160を回動させることにより試験管151を撹拌した後、図2に示す吸引分注機構部1に試験管151を配置する。そして、ピアサ1aを試験管151のゴム栓151aに突き刺して血液を吸引する。この吸引動作の際には、バルブ1dを開放状態(オン状態)にするとともに、バルブ1eを遮断状態(オフ状態)にする。血液の吸引動作を終了した後、バルブ1dを遮断状態(オフ状態)にするとともに、バルブ1eを開放状態(オン状態)にする。この後、ピペット1bを図2に示した分注・塗抹位置90に移動させた後、スライドガラス10に血液をピペット1bから滴下(分注)する。
上記した吸引分注機構部1による吸引分注動作と並行して、または、吸引分注動作の後、塗抹部2による塗抹動作が行われる。この塗抹部2では、スライドガラス10を分注・塗抹位置90(図2参照)に供給するとともに、スライドガラス10に滴下された血液を塗抹して乾燥し、かつ、スライドガラス10に印字を行う。具体的には、スライドガラス供給部2aの2つのスライドガラス収納部2bに収納されたスライドガラス10が、図示しない取り出し機構および送りベルト2dにより、送りベルト2e上に供給される。そして、送りベルト2eにより、スライドガラス10が分注・塗抹位置90に搬送される。なお、このスライドガラス10を分注・塗抹位置90に搬送する動作は、上記した吸引分注動作の前に行われている。この状態で、スライドガラス10にピペット1bを用いて血液の滴下(分注)が行われる。
その後、引きガラス2cが、スライドガラス10に当接するように移動されるとともに、スライドガラス10の長手方向に往復移動されることにより、分注・塗抹位置90でスライドガラス10に滴下された血液が塗抹される。この後、塗抹されたスライドガラス10は、送りベルト2eにより乾燥位置91aに搬送される。そして、乾燥位置91aにおいて、ファン2fにより、スライドガラス10の塗抹された血液が冷風乾燥される。このスライドガラス10の冷風乾燥は、隣接する2つの乾燥位置91aおよび91bで2回行われる。その後、移動片2gにより、塗抹済みのスライドガラス10が印字部2hに移動される。そして、印字部2hにおいて、スライドガラス10のフロスト部10aに、検体番号、日付、受付番号、氏名などが印字される。その後、移動片2iにより、印字後のスライドガラス10がガイド溝2jに沿ってスライドガラス挿入部6側に移動される。上記した吸引分注動作および塗抹動作が終了した後、カセット3へのスライドガラス10の挿入動作が行われる。
ここで、図10〜図16および図18を参照して、カセット回動機構部6aによるカセット回動動作およびスライドガラス挿入動作について詳細に説明する。まず、図9に示すように、回動部材60のカセット保持部61に、カセット搬送部5(図2参照)によりカセット3が搬送されることにより、図10〜図13の状態になる。この状態では、カセット3は、2つの磁石61fのみによって保持される。すなわち、カセット保持部61の裏面支持部61aに取り付けられた2つの磁石61fがカセット3の2つの磁石吸着部材3fを吸着することによって、カセット3は、カセット保持部61に補助的に保持されている。なお、この状態では、押圧部材61dは、ローラ部材81によりカセット3の裏面を押圧しない位置(非押圧位置)に退避されているので、カセット3の裏面は、押圧部材61dにより押圧されていない。
この状態から、駆動モータ80が所定の方向に回転駆動することにより、駆動モータ80の駆動力が駆動軸80aを介して駆動伝達アーム83に伝わるので、駆動伝達アーム83の係合ピン84が図10の矢印Aの方向に回動される。これにより、係合ピン84が支持アーム62の切り欠き部62bの係合部62aに当接して係合部62aが図10の矢印Aの方向に押圧されるので、支持アーム62および63は、軸70を中心にねじりコイルバネ71の付勢力に抗して図10の矢印Aの方向に回動される。これにより、支持アーム62および63に支持されたカセット保持部61に保持されたカセット3は、図14〜図16に示すように、垂直方向位置(第1位置)から水平方向位置(第2位置)へと回動される。
このカセット保持部61の回動動作に伴い、ローラ部材81によりカセット3の裏面を押圧しない位置(非押圧位置)に退避していた押圧部材61dが、ねじりコイルバネ61eの付勢力によってカセット3の裏面を押圧する方向(図13の矢印Bの方向)に移動する。これにより、押圧部材61dがカセット3の前面を凹状の底面支持部61bの内側面に当接するようにカセット3の裏面を押圧するので、カセット3は、カセット保持部61に固定的に保持される。また、押圧部材61dの押圧部61mに形成された2つの折り曲げ部61nが、押圧部材61dのカセット3の裏面を押圧する方向(図13の矢印Bの方向)への移動に伴って裏面支持部61aの開口部61gから前面側に突出する。これにより、カセット3が横方向にずれるのが防止される。
そして、カセット3を保持した状態のカセット保持部61が水平方向位置(第2位置)まで回動された際に、押圧部材61dの検知片61pをセンサ85が検知することにより、塗抹部2の移動片2iによるスライドガラス10の挿入動作が行われる。また、カセット保持部61が水平方向位置(第2位置)まで回動されたとき、カセット3の高さ方向の位置決めを行う位置決め部6bおよび横方向の位置決めを行う2つの位置決め部6cにより、カセット3のスライドガラス収納孔3aは、スライドガラス10を挿入可能な位置に保持されている。この状態で、塗抹部2の移動片2iをガイド溝2jに沿って図14の矢印Cの方向に移動させることにより、塗抹済みのスライドガラス10をカセット3のスライドガラス収納孔3aに挿入する。これにより、カセット3に、塗抹済みのスライドガラス10が収納される。
なお、図17に示すように、カセット3を保持していない状態のカセット保持部61を水平方向位置(第2位置)に移動させた場合には、カセット3を保持した状態のカセット保持部61を水平方向位置(第2位置)に移動させた場合(図15参照)に比べて、押圧部材61dがねじりコイルバネ61eの付勢力により裏面支持部61aの開口部61gからより突出した状態になる。これにより、押圧部材61dに設けられた検知片61pが押圧部材61dの移動に伴ってカセット保持部61の前面方向に移動するので、センサ85は、検知片61pを検知しない。この場合には、カセット保持部61にカセット3が存在しないと判断され、塗抹部2の移動片2iによるスライドガラス10の挿入動作は行われない。
カセット3に塗抹済みのスライドガラス10が挿入された後、駆動モータ80を上記した所定の方向とは反対の方向に回転させることにより、駆動伝達アーム83の係合ピン84が図14〜図16の矢印Dの方向に回動する。このとき、カセット保持部61を支持する一対の支持アーム62および63は、ねじりコイルバネ71により水平方向位置(第2位置)から垂直方向位置(第1位置)に向かって付勢されているとともに、支持アーム62の切り欠き部62bは、駆動伝達アーム83の係合ピン84が回動方向に所定の遊びを有することができる形状に形成されている。これにより、カセット保持部61は、駆動伝達アーム83の係合ピン84が矢印Dの方向に回動した分、係合ピン84を追いかけるように矢印Dの方向に回動される。
そして、カセット3を保持したカセット保持部61は、図18に示すように、底面支持部61bが搬送路5cの下に窪んだ部分に当接することにより元の垂直方向位置(第1位置)に戻る。この際、回動部材60の支持アーム63の検知片63aがフレーム11に設置されたセンサ82により検知されるので、回動部材60のカセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に戻ったことが電気的に検知される。また、このとき、押圧部材61dがローラ部材81に接触することにより、押圧部材61dは、ねじりコイルバネ61eの付勢力に抗してカセット3の裏面を押圧しない位置(非押圧位置)に再び移動される。また、押圧部材61dの2つの折り曲げ部61nも押圧部材61dの移動に伴い、裏面支持部61aの開口部61gより前面側に突出しない位置に移動される。これにより、塗抹済みのスライドガラス10が収納されたカセット3は、搬送可能な状態となり、カセット搬送部材5aの当接部材51の当接片51aおよび51bにより染色部7に搬送される。
染色部7では、まず、第1吸引排出部7cにより、カセット3のスライドガラス収納孔3aから塗抹済みのスライドガラス10を持ち上げるとともに、カセット3の染色液吸引分注孔3bにメタノールを分注する。そして、塗抹済みのスライドガラス10をカセット3に戻した後、塗抹済みのスライドガラス10が収納されたカセット3が1つずつ、送り込み部材7aにより搬送ベルト7bに載せられる。
そして、搬送ベルト7bにより、カセット3が第2吸引排出部7dに搬送される。このようにして、カセット3が送り込み部材7aを用いて第2吸引排出部7dに送り込まれる。
第2吸引排出部7dでは、カセット3のスライドガラス収納孔3aから塗抹済みのスライドガラス10を持ち上げるとともに、スライドガラス10の塗抹面にファン7jによる送風を約1秒〜約60秒間当てて塗抹面上の液体成分を蒸発させることによって乾燥させる。なお、第1吸引排出部7cにより塗抹済みのスライドガラス10がメタノールに浸漬されてから第2吸引排出部7dによりスライドガラス10が持ち上げられるまでの時間(浸漬時間)は、約20秒〜約120秒である。
次に、染色処理(メイグリュンワルド・ギムザ2重染色処理)が施される。まず、第2吸引排出部7dにおいて、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメタノールが吸引されて排出された後、カセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10を戻す。次にカセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド液(主成分はメタノールで99%)が分注され、塗抹済みのスライドガラス10をメイグリュンワルド液に浸漬する。これにより、メイグリュンワルド・ギムザ2重染色処理が開始される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約5分間、染色処理として、メイグリュンワルド液に浸漬される。そして、第3吸引排出部7eにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bにメイグリュンワルド希釈液が分注される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約5分間、メイグリュンワルド希釈液に浸漬される。そして、第4吸引排出部7fにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド希釈液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bにギムザ希釈液が分注される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約20分間、ギムザ希釈液に浸漬される。
次に、第5吸引排出部7gにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからギムザ希釈液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bに対して洗浄液が分注および吸引されて染色済みのスライドガラス10が水洗される。その後、染色済みのスライドガラス10は、ファン7hにより乾燥される。
そして、ファン7hによる乾燥が行われた染色済みのスライドガラス10が収納されたカセット3は、図2に示した送り出し機構部7iにより、搬送ベルト7bから保管部8の搬送ベルト8b側へ順次送り出される。そして、保管部8の送り込み部材8aによりカセット3を保管部8の搬送ベルト8bに送り込む。これにより、送り込み部材8aから送り込まれたカセット3は、搬送ベルト8bにより保管部8に搬送されて保管される。
一方、カセット搬送部材5aは、図2に示した染色部7の搬送終了位置94までカセット3を搬送した後、搬送開始位置93に戻る。この場合、カセット搬送部材5aがフレーム11に設けられた接触部材11aに接触することにより、当接部材51は、カセット3に接触可能な作動位置からカセット3とは非接触となる退避位置に移動される。そして、搬送開始位置93に到着したカセット搬送部材5aの当接部材51は、再び退避位置から作動位置に戻る。これにより、カセット搬送部材5aは、次のカセット3を搬送可能な状態になる。そして、カセット搬送部材5aは、当接片51aおよび51bにより次のカセット3の側面部3hを押すことによって、次のカセット3をスライドガラス挿入部6まで搬送する。
本実施形態では、上記のように、スライドガラス挿入部6のカセット回動機構部6aにカセット3を保持するカセット保持部61を含む回動部材60を設けることによって、従来のように、カセット3の両側部を保持するための外側から内側に回動する左右一対の保持アームを設ける必要がないので、左右一対の保持アームの回動機構が不要になる。その結果、カセット3をスライドガラス10の収納位置(水平方向位置)に移動させるための駆動機構を簡素化することができる。
また、本実施形態では、上記のように、装置正面左側の支持アーム62の係合部62aを有する切り欠き部62bを、駆動伝達アーム83の係合ピン84を切り欠き部62bの内部に保持するとともに、係合ピン84が回動方向に所定の遊びを有する形状に形成することによって、駆動モータ80によりカセット保持部61が水平方向位置(第2位置)から垂直方向位置(第1位置)に向かって回動されるときに、駆動伝達アーム83の係合ピン84に対して切り欠き部62bの係合部62aが相対的に移動することにより係合ピン84と係合部62aとの係合が解除されるとともに、その係合が解除された状態でねじりコイルバネ71の付勢力によりカセット保持部61が垂直方向位置(第1位置)に移動されるので、駆動モータ80の厳密な回転制御を行うことなくカセット保持部61を垂直方向位置(第1位置)に移動させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の標本作製装置を、血液塗抹標本作製装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、血液塗抹標本作製装置以外の標本作製装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、本発明の回動部を、カセット3を水平方向位置に配置してスライドガラス10を挿入可能な状態にするためのカセット回動機構部6aに適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、他の工程におけるカセットを回動させる機構に適用してもよい。
また、上記実施形態では、染色部7での染色処理において、最初にメタノールで塗沫済スライドガラスを処理するようにしているが、本発明はこれに限らず、メタノール処理を省略しても良い。その場合、第1吸引排出部7cを省略することも可能である。
本発明の一実施形態による血液塗抹標本作製装置および搬送装置の全体構成を示した斜視図である。 図1に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置の内部構造を示した平面図である。 図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置に用いるカセットおよびスライドガラスを示した斜視図である。 図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置に用いるカセットおよびスライドガラスを示した斜視図である。 図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部を示した斜視図である。 図5に示した一実施形態によるカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部の平面図である。 図5に示した一実施形態によるカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部の正面図である。 図5に示した一実施形態によるカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部の右側面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部に搬入されるカセットおよびカセットの搬送路を示した正面概略図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるカセット回動動作を説明するための斜視図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるカセット回動動作を説明するための平面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるカセット回動動作を説明するための正面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるカセット回動動作を説明するための右側面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるスライドガラス挿入動作を説明するための斜視図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるスライドガラス挿入動作を説明するための右側面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるスライドガラス挿入動作を説明するための左側面図である。 図15に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部におけるカセットを保持しない状態を示した右側面図である。 図5に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のカセット回動機構部を含むスライドガラス挿入部におけるカセット回動動作を説明するための斜視図である。
符号の説明
3 カセット
3a スライドガラス収納孔
3f 磁石吸着部材
6a カセット回動機構部(回動部)
10 スライドガラス
60 回動部材
61 カセット保持部
61a 裏面支持部
61b 底面支持部(第1保持部材)
61d 押圧部材(第1保持部材)
61e ねじりコイルバネ(第2付勢手段、第1保持部材)
61f 磁石(第2保持部材)
61p 検知片(第1検知片)
62、63 支持アーム(支持部材)
62a 係合部
63a 検知片(第2検知片、第2検知手段)
71 ねじりコイルバネ(第1付勢手段)
80 駆動モータ
81 ローラ部材(押圧部材移動部)
82 センサ(第2光センサ、第2検知手段)
83 駆動伝達アーム(駆動伝達部材)
85 センサ(第1光センサ)
100 血液塗抹標本作製装置(標本作製装置)
200 搬送装置

Claims (11)

  1. 標本となるスライドガラスを収納するためのスライドガラス収納孔を含むカセットを保持するためのカセット保持部と、
    前記カセット保持部を、前記カセットが実質的に垂直に保持される第1位置と、前記カセットが実質的に水平に保持されて前記カセットのスライドガラス収納孔に前記スライドガラスが収納される第2位置との間を回動させるための回動部とを備えた、標本作製装置。
  2. 前記回動部は、前記カセット保持部を支持する支持部材と、前記支持部材を回動させるための駆動モータとを含む、請求項1に記載の標本作製装置。
  3. 前記駆動モータは、前記カセット保持部が実質的に水平に保持される第2位置に位置するときに、前記カセット保持部の下方に位置するように配置されている、請求項2に記載の標本作製装置。
  4. 前記回動部は、前記駆動モータの駆動を前記支持部材に伝達する駆動伝達部材を含み、
    前記支持部材は、少なくとも前記カセット保持部が前記第1位置から前記第2位置に向かって回動されるときに前記駆動伝達部材に係合するとともに、前記カセット保持部が前記第2位置から前記第1位置に向かって回動されるときに前記駆動伝達部材に対して相対的に移動可能な係合部を含み、
    前記回動部は、前記カセット保持部を前記第2位置から前記第1位置に向かって付勢する第1付勢手段を含む、請求項2または3に記載の標本作製装置。
  5. 前記第1付勢手段は、前記カセット保持部を前記第2位置から前記第1位置に向かって付勢するように、前記支持部材に一方端が取り付けられたねじりコイルバネを含む、請求項4に記載の標本作製装置。
  6. 前記カセット保持部は、前記カセットを保持する第1保持部材を含み、
    前記カセット保持部が前記第1位置に移動するとき、前記第1保持部材は前記カセットの保持を解除し、前記カセット保持部が前記第2位置に移動するとき、前記第1保持部材は前記カセットを保持する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標本作製装置。
  7. 前記第1保持部材は、前記カセットの底面を支持する凹状の底面支持部と、前記カセットの表面が前記凹状の底面支持部の内側面に当接するように前記カセットの裏面を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を押圧方向に付勢する第2付勢手段とを含み、
    前記カセット保持部が前記第1位置に移動するとき、前記押圧部材を前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記押圧方向とは反対方向に移動させるための押圧部材移動部をさらに備える、請求項6に記載の標本作製装置。
  8. 前記押圧部材は、前記カセットが押圧された状態での押圧位置と前記カセットが押圧されない状態での非押圧位置とに移動する第1検知片を含み、
    前記第1検知片が前記押圧位置に位置する状態で前記カセット保持部が前記第2位置に移動したときに、前記第1検知片を検知する第1光センサをさらに備える、請求項7に記載の標本作製装置。
  9. 前記カセットは、所定の位置に設置され、磁石に吸着可能な材料からなる磁石吸着部材を含み、
    前記カセット保持部は、前記カセットの磁石吸着部材に対応する位置に設置された磁石を有する第2保持部材を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の標本作製装置。
  10. 前記カセット保持部が前記第1位置に位置することを検知するための第2検知手段をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の標本作製装置。
  11. 前記第2検知手段は、前記カセット保持部に設けられた第2検知片と、前記第2検知片が前記第1位置に到達したことを検知する第2光センサとを含む、請求項10に記載の標本作製装置。
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