JP2005308566A - 標本作製装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動機構を簡略化することが可能な標本作製装置を提供する。
【解決手段】この標本作製装置は、標本となるスライドガラス10を収納するためのカセット3と、スライドガラス10を、印字のための横方向位置91cに移動させる横方向移動部27と、スライドガラス10を、印字のための縦方向位置91dおよびカセット3の収納位置91eに移動させる縦方向移動部28と、横方向移動部27と縦方向移動部28とを駆動させる1つのモータ30とを備えている。
【選択図】図4
【解決手段】この標本作製装置は、標本となるスライドガラス10を収納するためのカセット3と、スライドガラス10を、印字のための横方向位置91cに移動させる横方向移動部27と、スライドガラス10を、印字のための縦方向位置91dおよびカセット3の収納位置91eに移動させる縦方向移動部28と、横方向移動部27と縦方向移動部28とを駆動させる1つのモータ30とを備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、標本作製装置に関し、特に、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させる第1移動部と、スライドガラスを収納するためのカセットの収納位置にスライドガラスを移動させる第2移動部とを備えた標本作製装置に関する。
従来、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させる第1移動部と、スライドガラスを収納するためのカセットの収納位置にスライドガラスを移動させる第2移動部とを備えた標本作製装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、スライドガラスへの血液の塗抹から染色工程までを自動的に行う血液塗抹標本作製装置において、血液の塗抹済みのスライドガラスに検体番号などを印字するために、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させる第2アーム(第1移動部)と、スライドガラスを収納するためのカセットの収納位置に印字後のスライドガラスを移動させる移送・挿入機構(第2移動部)とが開示されている。この従来の血液塗抹標本作製装置では、第1移動部および第2移動部を、それぞれ、別々のモータ(駆動源)によって駆動させている。
特開平8−271390号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された血液塗抹標本作製装置では、第1移動部および第2移動部の各々を駆動させるための駆動源(モータ)を個別に設ける必要があるため、駆動機構が複雑であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、スライドガラスを移動させる移動部の駆動機構を簡略化することが可能な標本作製装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における標本作製装置は、標本となるスライドガラスを収納するためのカセットと、スライドガラスを、印字のための横方向位置に移動させる第1移動部と、少なくともスライドガラスを、カセットの収納位置に移動させる第2移動部と、第1移動部と前記第2移動部とを駆動させる1つの駆動源とを備えている。
この一の局面による標本作製装置では、上記のように、スライドガラスを、印字のための横方向位置に移動させる第1移動部と、少なくともスライドガラスを、カセットの収納位置に移動させる第2移動部とを設けるとともに、1つの駆動源により第1移動部と第2移動部とを駆動させることによって、第1移動部および第2移動部を、それぞれ、別々の駆動源により駆動させる場合と異なり、第1移動部および第2移動部の各々に対して個別に駆動源を設ける必要がないので、第1移動部および第2移動部の駆動機構を簡略化することができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、第1移動部は、スライドガラスに当接してスライドガラスを移動させる第1当接部材を含み、第2移動部は、スライドガラスに当接してスライドガラスを移動させる第2当接部材を含み、第1当接部材がスライドガラスを印字のための横方向位置に移動させた後、第2当接部材がスライドガラスを少なくとも収納位置に移動させる。このように構成すれば、容易に、第1当接部材によりスライドガラスを印字のための横方向位置に移動させることができるとともに、第2当接部材によりスライドガラスをカセットの収納位置に移動させることができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、第2移動部は、スライドガラスを収納位置のみならず、印字のための縦方向位置にも移動させる。このように構成すれば、第1移動部および第2移動部を用いて容易にスライドガラスを印字位置に移動させることができる。
上記第1当接部材を含む構成において、好ましくは、第1当接部材は、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させた後、印字のための横方向位置でスライドガラスを押圧する。このように構成すれば、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させた後、スライドガラスが横方向にずれるのを抑制することができるので、スライドガラスへ印字する際の位置合わせの精度を向上させることができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、駆動源は、回転運動を行う駆動源を含み、第1移動部は、駆動源の回転運動を直線運動に変換する第1変換手段を含み、第2移動部は、駆動源の回転運動を直線運動に変換する第2変換手段を含み、駆動源の回転運動を第1変換手段および第2変換手段に伝達する駆動伝達手段をさらに備えている。このように構成すれば、1つの駆動源を回転させることにより、駆動伝達手段を介して伝達される回転運動を第1変換手段により直線運動に変換して第1移動部を駆動させるとともに、駆動伝達手段を介して伝達される回転運動を第2変換手段により直線運動に変換して第2移動部を駆動させることができる。これにより、容易に、1つの駆動源により第1移動部と第2移動部とを駆動させることができる。
この場合において、好ましくは、駆動伝達手段は、駆動源の回転運動を第1変換手段に伝達する駆動ベルトを有する第1駆動伝達手段と、駆動源の回転運動を第2変換手段に伝達する連結部材を有する第2駆動伝達手段とを含む。このように構成すれば、容易に、第1駆動伝達手段および第2駆動伝達手段により、それぞれ、1つの駆動源の回転運動を第1変換手段および第2変換手段に伝達することができる。
上記第1変換手段を含む構成において、好ましくは、第1変換手段は、所定の力以上の力がかかると空転するトルクリミッタを含む。このように構成すれば、スライドガラスを印字のための横方向位置に移動させた後、押圧する際に、トルクリミッタが空転することによりスライドガラスに所定の力以上の押圧力がかかるのを抑制することができるので、スライドガラスが破損するのを抑制することができる。
上記第1変換手段を含む構成において、好ましくは、第1移動部は、スライドガラスに当接してスライドガラスを移動させる第1当接部材を含み、第1変換手段は、第1駆動ベルトを含み、第1当接部材は、第1駆動ベルトに取り付けられている。このように構成すれば、駆動源から駆動伝達手段を介して伝達された回転運動により第1駆動ベルトを回転させれば、第1駆動ベルトの第1当接部材が取り付けられた領域を第1駆動ベルトの延びる方向に沿って直線的に移動させることができるので、容易に、第1駆動ベルトにより回転運動を直線運動に変換することができる。
上記第2変換手段を含む構成において、好ましくは、第2移動部は、スライドガラスに当接してスライドガラスを移動させる第2当接部材を含み、第2変換手段は、滑りネジを含み、第2当接部材は、滑りネジの回転に伴って直線運動する。このように構成すれば、駆動源の回転運動を駆動伝達手段を介して滑りネジに伝達すれば、容易に、駆動源の回転運動を直線運動に変換して第2当接部材を直線的に移動させることができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、スライドガラスの印字のための横方向位置からカセットの収納位置への移動の際に、スライドガラスをガイドするガイド部材をさらに備えている。このように構成すれば、ガイド部材によりスライドガラスを印字のための横方向位置からカセットの収納位置へスムーズに移動させることができる。
上記一の局面による標本作製装置において、好ましくは、スライドガラスが印字のための横方向位置に到達したことを検知する検知手段をさらに備えている。このように構成すれば、容易に、検知手段によりスライドガラスが印字のための横方向位置に到達したことを検知することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による血液塗抹標本作製装置および搬送装置の全体構成を示した斜視図であり、図2は、図1に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置の内部構造を示した平面図である。また、図3〜図5は、図2に示した一実施形態による血液塗抹標本作製装置のスライドガラス搬送部の詳細構造を示した図である。また、図6および図7は、図2に示した血液塗抹標本作製装置に用いるカセットおよびスライドガラスを示した斜視図である。図8〜図11は、本発明の一実施形態による血液塗抹標本作製装置のスライドガラス搬送部の動作を説明するための上面図である。まず、図1および図2を参照して、本実施形態による血液塗抹標本作製装置100および搬送装置200の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の標本作製装置を血液塗抹標本作製装置100に適用した例について説明する。
まず、本実施形態では、図1に示すように、血液塗抹標本作製装置100の前面に、搬送装置200が設置されている。この搬送装置200は、血液が収容された試験管151を収納する検体ラック150を血液塗抹標本作製装置100に自動的に搬送するために設けられている。また、血液塗抹標本作製装置100は、タッチパネルからなる表示操作部101と、起動スイッチ102と、電源スイッチ103と、カバー104とを含んでいる。また、血液塗抹標本作製装置100には、血液が収容された試験管151を搬送装置200側から血液塗抹標本作製装置100側に搬送するためのハンド部材160が設けられている。血液が収容された試験管151には、ゴム栓151aが装着されている。
また、血液塗抹標本作製装置100は、図2に示すように、吸引分注機構部1と、塗抹部2と、樹脂製のカセット3と、カセット収容部4と、カセット搬送部5と、スライドガラス挿入部6と、染色部7と、保管部8とを備えている。この吸引分注機構部1は、ハンド部材160(図1参照)によって血液塗抹標本作製装置100側に搬送された試験管151から血液を吸引するとともに、吸引した血液をスライドガラス10に滴下する機能を有する。この吸引分注機構部1は、図2に示すように、試験管151から血液を吸引するためのピアサ(吸引針)1aと、吸引した血液をスライドガラス10に分注するためのピペット1bと、ピアサ1aおよびピペット1bに接続されるシリンジポンプ1cと、ピアサ1aとシリンジポンプ1cとの間の流路を開閉するためのバルブ1dと、ピペット1bとシリンジポンプ1cとの間の流路を開閉するためのバルブ1eとを含んでいる。
また、塗抹部2は、スライドガラス10を分注・塗抹位置90に供給するとともに、スライドガラス10に滴下された血液を塗抹して乾燥し、かつ、スライドガラス10に印字を行うために設けられている。この塗抹部2には、スライドガラス供給部2aと、スライドガラス収納部2bと、引きガラス2cと、送りベルト2dおよび2eと、ファン2fと、印字部2gと、スライドガラス搬送部2hとが設けられている。
スライドガラス供給部2aは、2つのスライドガラス収納部2bに収納されたスライドガラス10を、図示しない取出機構および送りベルト2dを用いて、送りベルト2e上に供給する機能を有する。送りベルト2eは、スライドガラス10を分注・塗抹位置90および乾燥位置91aおよび91bに搬送するように構成されている。引きガラス2cは、分注・塗抹位置90でスライドガラス10に分注された血液を塗抹することができるように、スライドガラス10に当接する位置に移動可能で、かつ、スライドガラス10の長手方向に移動可能に構成されている。ファン2fは、乾燥位置91aおよび91bに搬送されたスライドガラス10の塗抹された血液を乾燥するために設けられている。印字部2gは、プリンタからなり、スライドガラス10のフロスト部10aに、検体番号、日付、受付番号、氏名などを印字するために設けられている。
本実施形態では、スライドガラス搬送部2hは、スライドガラス10を送りベルト2eの端部から印字部2gへ移動させるとともに、印字後のスライドガラス10をカセット3の収納位置へ移動させるために設けられている。このスライドガラス搬送部2hは、スライドガラス10を送りベルト2eの端部から印字のための横方向位置91cへ横方向(図3のX方向)に移動させるための横方向移動片2iと、スライドガラス10を印字のための縦方向位置91dおよびカセット3の収納位置91eへ縦方向(図3のY方向)に移動させるための縦方向移動片2jとを含んでいる。なお、この横方向移動片2iは、本発明の「第1当接部材」の一例であり、縦方向移動片2jは、本発明の「第2当接部材」の一例である。
ここで、図2〜図5および図8を参照して、本実施形態によるスライドガラス搬送部2hの詳細構造について説明する。スライドガラス搬送部2hは、図3に示すように、上側の搬送経路部21と下側の搬送機構部22とからなる。搬送経路部21は、上面部23と、ガイド部材24aおよび24bと、検知部25とによって構成されている。なお、この検知部25は、本発明の「検知手段」の一例である。上面部23には、横方向移動片2iに対応するように、平面的に見てコの字形状の切欠部23aが設けられている。また、上面部23の中央部には、縦方向移動片2jが移動するための溝部23bが縦方向(図3のY方向)に延びるように設けられている。また、上面部23の手前側の側面には、後述するスライドガラス挿入部6の位置決め部6cおよび6dが取り付けられている。ガイド部材24aおよび24bは、それぞれ、上面部23の溝部23bを挟むように溝部23bの延びる方向(図3のY方向)に沿って設置されている。このガイド部材24aおよび24bは、スライドガラス10を、印字のための横方向位置91c(図2参照)から印字のための縦方向位置91dおよびカセット3の収納位置91eへ移動させる際にスライドガラス10をガイドするために設けられている。
また、検知部25は、スライドガラス10が印字のための横方向位置91c(図2参照)に到達したことを検知するために設けられている。この検知部25は、ガイド部材24aに対応する領域に設けられている。また、検知部25は、検知片25aと、引張りコイルバネ25bと、光透過型のセンサ25cとによって構成されている。検知片25aには、引張りコイルバネ25bの一方端が取り付けられているとともに、引張りコイルバネ25bの他方端は、ガイド部材24aに取り付けられている。これにより、検知片25aは、引張りコイルバネ25bによって図3のA方向に付勢されている。このため、検知片25aは、スライドガラス10が当接しない時には、ガイド部材24aのA方向側の端部から溝部23b側へ突出するとともに、スライドガラス10が当接した時には、引張りコイルバネ25bの付勢力に抗しながら図3のB方向に向かって右側に移動するように構成されている。また、検知片25aには、遮光部25dが一体的に設けられているとともに、この遮光部25dに対応するように光透過型のセンサ25cが設けられている。光透過型のセンサ25cは、光を出射する光出射部25eと、光出射部25eと対向するように設けられ、光出射部25eから出射された光を受光する受光部25fとを備えている。検知片25aの遮光部25dは、センサ25cの光出射部25eと、受光部25fとの間を通過可能に配置されている。これにより、スライドガラス10が検知片25aに当接することにより、検知片25aが図3のB方向に移動した時に、センサ25cの光出射部25eからの光が遮光部25dにより遮光されることによって、受光部25fに光が入射しないように構成されている。
また、搬送機構部22は、図4および図5に示すように、ベース部26と、横方向移動部27と、縦方向移動部28と、駆動伝達部29と、モータ30とを備えている。なお、この横方向移動部27は、本発明の「第1移動部」の一例であり、縦方向移動部28は、本発明の「第2移動部」の一例である。また、駆動伝達部29は、本発明の「駆動伝達手段」の一例であり、モータ30は、本発明の「駆動源」の一例である。
横方向移動部27は、ベース部26上の送りベルト2e(図3参照)近傍の領域に設けられている。また、横方向移動部27は、スライドガラス10を送りベルト2eの端部から印字のための横方向位置91cに移動させるために設けられている。この横方向移動部27は、図4および図5に示すように、横方向移動片2iと、移動片支持部材31と、引張りコイルバネ32と、取付板33と、直動ガイド34と、取付台35と、トルクリミッタ36と、プーリ37および38と、駆動ベルト39と、光透過型のセンサ40とによって構成されている。なお、この駆動ベルト39は、本発明の「第1駆動ベルト」の一例である。
横方向移動片2iは、スライドガラス10に当接して、スライドガラス10を印字のための横方向位置91c(図2参照)に移動させるために設けられている。この横方向移動片2iは、移動片支持部材31に設けられた支持軸31aに対して回動可能に取り付けられている。また、横方向移動片2iの下部には、引張りコイルバネ32の一方端が取り付けられるとともに、この引張りコイルバネ32の他方端は、移動片支持部材31に取り付けられている。この引張りコイルバネ32によって、横方向移動片2iの下部は、支持軸31aを中心としてベース部26のX方向(図4参照)に付勢されるとともに、移動片支持部材31の下面から切り起こされたストッパ部31bに当接している。この状態で、横方向移動片2iは、ベース部26の上面に対して垂直な方向(上方向)に沿って延びるように設置されている。この状態では、図3に示すように、横方向移動片2iの上面2mは、スライドガラス10をスライドガラス搬送部2hに搬送する送りベルト2eの上面よりも高くなるように構成されている。また、横方向移動片2iは、図8に示す原点位置にあるときには、乾燥位置91b(図2参照)の下方の軸部2k(図8参照)に横方向移動片2iの接触部2lが接触してB方向の押圧力を受けることによりB方向に傾くように構成されている。これにより、原点位置では、横方向移動片2iの上面2mが送りベルト2eの上面よりも低くなるように構成されている。
また、移動片支持部材31は、取付板33の一方端側の上面上に取り付けられている。この取付板33のY方向に延びた他方端側の領域には、X方向から見てコの字形状に屈曲された駆動ベルト取付部33aが設けられている。また、取付板33の他方端側には、後述する光透過型のセンサ40の光出射部40aから受光部40bへ入射する光を遮光するための遮光部33bが一体的に設けられている。直動ガイド34は、スライド部34aおよびレール部34bによって構成されている。スライド部34aには、取付板33が取り付けられている。また、レール部34bは、取付台35にX方向に延びるように設置されている。これにより、取付板33、移動片支持部材31および横方向移動片2iは、レール部34bに沿って、X方向に移動可能に構成されている。
また、トルクリミッタ36は、取付台35の一部分を取付台35の上面に対して垂直方向に曲げ起こすことにより形成された支持部(図示せず)に取り付けられている。このトルクリミッタ36は、所定の回転トルク(本実施形態では約100g)以上のトルクがかかると空転するように構成されている。プーリ37は、トルクリミッタ36の回転軸36a(図5参照)に取り付けられている。また、プーリ38は、プーリ37に対応するように、プーリ37に対してX方向に所定の間隔を隔てて設けられている。このプーリ38は、取付台35の上方向に折り曲げられた取付部35aに取り付けられた回転軸35bに対して回転可能に取り付けられている。駆動ベルト39は、プーリ37および38に装着されている。この駆動ベルト39は、プーリ37の回転運動を横方向への直線運動に変換するために設けられている。また、駆動ベルト39のプーリ37および38間の上部領域39aには、上記した取付板33の駆動ベルト取付部33aが固定されている。これにより、プーリ37が回転運動することにより駆動ベルト39の上部領域がX方向に直線運動するのに伴って、取付板33、移動片支持部材31および横方向移動片2iがX方向に移動するように構成されている。光透過型のセンサ40は、横方向移動片2iが原点位置に到達したことを検知するために設けられている。このセンサ40は、図5に示すように、取付台35のプーリ38近傍の領域に設置されている。また、光透過型のセンサ40は、光を出射する光出射部40aと、光出射部40aと対向するように設けられ、光出射部40aから出射された光を受光する受光部40bとを備えている。このセンサ40は、横方向移動片2iが原点位置に到達した時に、光出射部40aから出射された光が取付板33の遮光部33bにより遮光されることによって、受光部40bに光が入射しないように構成されている。
また、縦方向移動部28は、スライドガラス10が横方向移動部27により印字のための横方向位置91c(図2参照)に移動された後、スライドガラス10を印字のための縦方向位置91dと、カセット3の収納位置91eとに移動させるために設けられている。この縦方向移動部28は、縦方向移動片2jと、樹脂製の取付部42と、直動ガイド43と、ボールネジ(滑りネジ)44と、支持ベアリング45aおよび45bと、支持部材46と、ボールネジ44に移動可能に装着された樹脂製のナット部材47と、押え部材48と、光透過型のセンサ49および50とによって構成されている。なお、ボールネジ44およびナット部材47は、本発明の「第2変換手段」の一例である。縦方向移動片2jは、スライドガラス10に当接してスライドガラス10を印字のための縦方向位置91d(図2参照)と、カセット3の収納位置91eとに移動させるために設けられている。この縦方向移動片2jは、取付部42の側面に取り付けられている。直動ガイド43は、スライド部43aおよびレール部43bによって構成されている。スライド部43aには、取付部4が取り付けられている。また、レール部43bは、ベース部26の上面上にY方向に延びるように設置されている。これにより、取付部42に取り付けられた縦方向移動片2jは、レール部43bに沿ってY方向に移動可能に構成されている。
ボールネジ44は、レール部43bに沿ってY方向に延びるように設けられている。このボールネジ44の両側の端部には、それぞれ、ボールネジ44を回転可能に支持するための支持ベアリング45aおよび45bが取り付けられている。支持ベアリング45aは、ベース部26の一部を垂直方向に曲げ起こすことにより形成された支持部26aにより支持されている。また、支持ベアリング45bは、ベース部26の上面に対して垂直方向に延びるように設置された支持部材46によって支持されている。ナット部材47は、ボールネジ44の回転運動をY方向への直線運動に変換するために設けられている。また、ナット部材47は、押え部材48により取付部42に固定されている。これにより、ボールネジ44が回転することによりナット部材47が縦方向に直線運動するのに伴って、取付部42および縦方向移動片2jがY方向に移動するように構成されている。
また、押え部材48に一体的に遮光部48aが形成されている。光透過型のセンサ49は、縦方向移動片2jが原点位置に到達したことを検知するために設けられているとともに、光透過型のセンサ50は、縦方向移動片2jが印字のための縦方向位置91d(図2参照)に到達したことを検知するために設けられている。このセンサ49は、光を出射する光出射部49aと、光出射部49aに光出射部49aから出射された光を受光する受光部49bとを備えている。また、センサ49は、縦方向移動片2jが原点位置に到達した時に、光出射部49aからの光が遮光部48aにより遮光されることによって、受光部49bに光が入射しないように構成されている。また、センサ50は、上記光出射部49aおよび受光部49bと同様の構成を有する光出射部50aおよび50bを備えている。また、センサ50は、縦方向移動片2jが印字のための縦方向位置91d(図2参照)に到達した時に、光出射部50aからの光が遮光部48aにより遮光されることによって、受光部50bに光が入射しないように構成されている。
また、駆動伝達部29は、モータ30の回転運動を、横方向移動部27のプーリ37と、縦方向移動部28のボールネジ44とに伝達するために設けられている。この駆動伝達部29は、カップリング51と、プーリ52および53と、駆動ベルト54とによって構成されている。なお、このカップリング51、プーリ52および53、および、駆動ベルト54は、本発明の「第1駆動伝達手段」の一例であり、カップリング51およびプーリ52は、本発明の「第2駆動伝達手段」の一例である。また、カップリング51は、本発明の「連結部材」の一例である。カップリング51は、モータ30の回転軸30aとボールネジ44とを連結することにより、モータ30の回転運動をプーリ52およびボールネジ44に伝達するために設けられている。プーリ52は、カップリング51側のボールネジ44の端部に取り付けられている。プーリ53は、横方向移動部27のトルクリミッタ36の回転軸36a(図5参照)の先端側に取り付けられている。また、プーリ53は、プーリ52に対応するようにプーリ52とX方向に所定の間隔を隔てて設けられている。駆動ベルト54は、プーリ52および53に装着されている。この駆動ベルト54によって、モータ30の回転運動に伴うプーリ52の回転運動がプーリ53に伝達されるように構成されている。また、プーリ53の回転運動により、トルクリミッタ36の回転軸36a(図5参照)および回転軸36aに取り付けられた横方向移動部27のプーリ37が回転するように構成されている。また、モータ30は、固定部材55により、ベース部26に固定されている。
また、樹脂製のカセット3は、図6に示すように、塗抹が施されたスライドガラス10および染色工程で用いる液体(染色液)を収容することが可能なように構成されている。具体的には、カセット3は、図6および図7に示すように、スライドガラス収納孔3aと、染色液吸引分注孔3bと、仕切部3cおよび3dと、スライドガラス支持部3eと、磁石に吸着可能な金属からなる2つの磁石吸着部材3fと、搬送ベルト係合部3gと、側面部3hおよび3iとを含んでいる。スライドガラス収納孔3aと、染色液吸引分注孔3bとは、内部で繋がっている。また、図2に示すように、カセット収容部4は、カセット3を搬入するために設けられており、送り込みベルト4aを含んでいる。また、カセット収容部4には、カセット収容部4の待機位置92のカセット3の数量が所定の数量(たとえば、10個)以下になることを検知するためのカセット残量検知センサ4bと、カセット収容部4の待機位置92の搬送路5cにカセット3が存在するか否かを検知するためのカセット有無検知センサ4cとが設けられている。
また、図2に示したカセット搬送部5は、カセット収容部4から搬入されたカセット3をスライドガラス挿入部6および染色部7に搬送するために設けられている。このカセット搬送部5は、水平方向に移動可能なカセット搬送部材5aと、カセット搬送部材5aを水平方向に移動させるための駆動ベルト5bと、カセット収容部4から供給されたカセット3を搬送するための搬送路5cとを含んでいる。
図2に示したスライドガラス挿入部6は、塗抹および印字が施されたスライドガラス10をカセット3のスライドガラス収納孔3aに収納するために設けられている。このスライドガラス挿入部6は、カセット3を水平方向に配置してスライドガラス10を挿入可能な状態にするためのカセット回動機構部6aと、カセット回動機構部6aにより水平方向に配置されたカセット3の高さ方向の位置決めを行う位置決め部6bと、水平方向に配置されたカセット3の横方向の位置決めを行う2つの位置決め部6cと、スライドガラス挿入部6に位置するカセット3にスライドガラス10が収納されているか否かを検知するためのセンサ6dとを含んでいる。また、位置決め部6bは、カセット回動機構部6aにより水平方向位置に回動されたカセット3の裏面に当接することにより、カセット3の高さ方向の位置決めを行うために設けられている。また、2つの位置決め部6cは、カセット回動機構部6aにより水平方向位置に回動されたカセット3が横方向にずれていた場合に、カセット3の横方向の位置のずれを矯正することにより、カセット3の横方向の位置決めを行うために設けられている。
図2に示した染色部7は、カセット搬送部材5aにより搬送されたカセット3の染色液吸引分注孔3bに染色液を供給することにより、塗抹済みのスライドガラス10に染色を施すために設けられている。この染色部7は、カセット搬送部材5aにより搬送されたカセット3を染色部7の第2吸引排出部7dに送り込むための送り込み部材7aと、送り込み部材7aから送り込まれたカセット3を搬送するための搬送ベルト7bと、カセット3に対して染色液の供給および排出を行うための第1〜第5吸引排出部7c〜7gと、染色済のスライドガラス10を乾燥するためのファン7hと、カセット3を搬送ベルト7bから保管部8の搬送ベルト8b側へ送り出すための送り出し機構部7iと、第2吸引排出部7dにおいてスライドガラス10を乾燥するためのファン7jとを含んでいる。
また、図2に示した保管部8は、染色部7により染色されたスライドガラス10が収納されたカセット3を保管するために設けられている。この保管部8には、送り出し機構部7iにより染色部7の搬送ベルト7bから送り出されたカセット3を保管部8の搬送ベルト8bに送り込むための送り込み部材8aと、送り込み部材8aから送り込まれたカセット3を搬送するための搬送ベルト8bとが設けられている。なお、保管部8の送り込み部材8aは、上記した染色部7の送り込み部材7aと同様の構造を有している。
次に、図1〜図11を参照して、本実施形態による血液塗抹標本作製装置100の動作について説明する。まず、図2に示したカセット収容部4によるカセット3の搬入動作と、カセット搬送部5によるスライドガラス挿入部6へのカセット3の搬送動作とが行われる。具体的には、まず、カセット収容部4にカセット3をセットする。これにより、カセット3の搬送ベルト係合部3g(図6参照)がカセット収容部4の送り込みベルト4aに係合された状態でカセット3が搬送されて、カセット待機位置92に送り込まれる。なお、カセット収容部4のカセット待機位置92のカセット3の数量が所定の数量(たとえば、10個)以下になった場合には、カセット残量検知センサ4bにより検知されて表示操作部101(図1参照)に、「カセットを補充してください」などの表示が行われる。カセット待機位置92のカセット3のうちの先頭のカセット3は、搬送路5cに配置される。この搬送路5cに配置されたカセット3は、カセット有無検知センサ4cにより検知されて1つずつカセット搬送部5によりスライドガラス挿入部6に搬送される。すなわち、カセット搬送部5を構成するカセット搬送部材5aが、搬送開始位置93からカセット3の側面部3h(図6参照)を押しながら移動することによって、カセット3はスライドガラス挿入部6に搬送される。
図2に示したスライドガラス挿入部6では、まず、カセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10が収納されているか否かがセンサ6dにより判断される。そして、カセット3にスライドガラス10が収納されていると判断された場合には、そのまま、カセット搬送部材5aにより搬送路5cに沿ってカセット3が染色部7に移動される。この場合、カセット3は、染色処理が行われずに保管部8に移動される。なお、カセット3が染色部7まで移動されたときに、カセット搬送部材5aは搬送終了位置94まで移動される。また、スライドガラス挿入部6において、スライドガラス10が収納されていないと判断された場合には、以下の吸引分注動作を開始する。
吸引分注動作としては、まず、図1に示すように、起動スイッチ102が押されて血液塗抹標本作製装置100が起動した状態で、血液検体が収容された試験管151が収納された検体ラック150を搬送装置200の搬入部201にセットする。そして、表示操作部101に表示された自動吸引のスタートスイッチを押す。これにより、検体ラック150は、搬送装置200の取り出し部202に搬送される。この後、血液塗抹標本作製装置100のハンド部材160が、検体ラック150の血液が収容された試験管151を把持する。そして、ハンド部材160を上昇させることにより試験管151を持ち上げるとともに、ハンド部材160を回動させることにより試験管151を撹拌した後、図2に示す吸引分注機構部1に試験管151を配置する。そして、ピアサ1aを試験管151のゴム栓151aに突き刺して血液を吸引する。この吸引動作の際には、バルブ1dを開放状態(オン状態)にするとともに、バルブ1eを遮断状態(オフ状態)にする。血液の吸引動作を終了した後、バルブ1dを遮断状態(オフ状態)にするとともに、バルブ1eを開放状態(オン状態)にする。この後、ピペット1bを図2に示した分注・塗抹位置90に移動させた後、スライドガラス10に血液をピペット1bから滴下(分注)する。
上記した吸引分注機構部1による吸引分注動作と並行して、または、吸引分注動作の後、塗抹部2による塗抹動作が行われる。この塗抹部2では、スライドガラス10を分注・塗抹位置90(図2参照)に供給するとともに、スライドガラス10に滴下された血液を塗抹して乾燥し、かつ、スライドガラス10に印字を行う。具体的には、スライドガラス供給部2aの2つのスライドガラス収納部2bに収納されたスライドガラス10が、図示しない取り出し機構および送りベルト2dにより、送りベルト2e上に供給される。そして、送りベルト2eにより、スライドガラス10が分注・塗抹位置90に搬送される。なお、このスライドガラス10を分注・塗抹位置90に搬送する動作は、上記した吸引分注動作の前に行われている。この状態で、スライドガラス10にピペット1bを用いて血液の滴下(分注)が行われる。
その後、引きガラス2cが、スライドガラス10に当接するように移動されるとともに、スライドガラス10の長手方向に往復移動されることにより、分注・塗抹位置90でスライドガラス10に滴下された血液が塗抹される。この後、塗抹されたスライドガラス10は、送りベルト2eにより乾燥位置91aに搬送される。そして、乾燥位置91aにおいて、ファン2fにより、スライドガラス10の塗抹された血液が冷風乾燥される。このスライドガラス10の冷風乾燥は、隣接する2つの乾燥位置91aおよび91bで2回行われる。その後、スライドガラス搬送部2hにより、塗抹済みのスライドガラス10が印字部2gに移動される。そして、印字部2gにおいて、スライドガラス10のフロスト部10aに、検体番号、日付、受付番号、氏名などが印字される。その後、スライドガラス搬送部2hにより、印字後のスライドガラス10がスライドガラス挿入部6側に移動される。
ここで、図2および図8〜図11を参照して、このスライドガラス搬送部2hによりスライドガラス10を移動させる際の動作について詳細に説明する。まず、図8に示すように、横方向移動片2iが原点位置にあるときには、乾燥位置91bの下方の軸部2kに横方向移動片2iの接触部2lが接触してB方向の押圧力を受けることにより横方向移動片2iがB方向に傾く。これにより、原点位置では、横方向移動片2iの上面2mは、送りベルト2e(図3参照)の上面よりも低くなる。そして、乾燥位置91b(図2参照)において乾燥された塗抹済みのスライドガラス10が送りベルト2eにより送りベルト2eの端部に搬送された後、モータ30が回転することにより、モータ30の回転運動が駆動伝達部29のカップリング51、プーリ52、駆動ベルト54、プーリ53およびトルクリミッタ36を介して横方向移動部27のプーリ37に伝達される。これにより、プーリ37が回転運動することによって、プーリ37および38に装着された駆動ベルト39の上部領域39aは図8中の矢印B方向へ移動する。このため、駆動ベルト39の上部領域39aに取り付けられた取付板33、移動片支持部材31および横方向移動片2iも図8中の矢印B方向へ移動する。この横方向移動片2iのB方向への移動により、横方向移動片2iの接触部2lは、軸部2kから離間するので、横方向移動片2iは、垂直方向に起きた状態になる。これにより、横方向移動片2iの上面2mが送りベルト2eの上面よりも高くなるので、横方向移動片2iが送りベルト2eの端部に位置するスライドガラスの側面に当接するので、横方向移動片2iによりスライドガラス10が図8中の矢印B方向に押されることによって移動される。
そして、図9に示すように、スライドガラス10がガイド部材24aに当接する印字のための横方向位置91cまで移動されると、スライドガラス10が検知部25の検知片25aに当接することにより、検知片25aが矢印B方向に移動する。これにより、光透過型のセンサ25cの光出射部25eから出射された光が検知片25aの遮光部25dにより遮光されることによって、受光部25fに光が入射しなくなる。これにより、スライドガラス10が印字のための横方向位置91cに到達したことがセンサ25cにより検知される。また、スライドガラス10が印字のための横方向位置91cまで移動されると、スライドガラス10はガイド部材24aに当接することにより、それ以上矢印B方向に移動することができないので、横方向移動片2iに矢印B方向と逆方向のA方向の力が加わる。このA方向の力は、横方向移動片2iから移動片支持部材31、取付板33、駆動ベルト39およびプーリ37を介してトルクリミッタ36にかかる。そして、このトルクリミッタ36にかかる力(トルク)が所定のトルク(約100g)以上になると、トルクリミッタ36は空転する。これにより、横方向移動片2iは、スライドガラス10をトルクリミッタ36が空転する所定の力でガイド部材24aに対して押圧した状態を維持する。
また、上記した横方向移動片2iの矢印B方向への移動と同時に、縦方向移動片2jも図8および図9中の矢印C方向へ移動する。すなわち、モータ30の回転運動が駆動伝達部29のカップリング51およびプーリ52を介してボールネジ44に伝達されることにより、ボールネジ44は回転運動する。そして、このボールネジ44の回転運動がナット部材47により直線運動に変換されることにより、ナット部材47が取り付けられた取付部42および縦方向移動片2jは図8および図9中の矢印C方向に移動される。そして、縦方向移動片2jがスライドガラス10の矢印D方向側の側面に当接することにより、スライドガラス10を矢印C方向に押して移動させる。そして、図10に示すように、スライドガラス10が印字のための縦方向位置91dまで移動されると、取付部42に取り付けられた押え部材48の遮光部48aが光透過型のセンサ50の光出射部50aから出射される光を遮光することにより受光部48aに光が入射されないことによって、スライドガラス10が印字のための縦方向位置91dに到達したことが検知される。これにより、モータ30の回転運動が停止されることによって、縦方向移動片2jによるスライドガラス10の矢印C方向への移動が停止される。そして、プリンタからなる印字部2gにより、スライドガラス10のフロスト部10aに検体番号、日付、受付番号、氏名などが印字される。
この後、再び、モータ30が回転運動することによって、スライドガラス10は縦方向移動片2jにより矢印C方向に押されてカセット3の収納位置91eまで移動する。これにより、スライドガラス10は、図11に示すように、スライドガラス挿入部6(図2参照)で待機しているカセット3の収納孔3a内(図6および図7参照)に挿入される。なお、上記したカセット3へのスライドガラス10の挿入動作に先立って、カセット回動機構部6aを所定の方向に回動させることにより、カセット3を垂直方向位置から水平方向位置(図2の2点鎖線の位置)に移動させてスライドガラス10を挿入可能な状態にする。この状態で、縦方向移動片2jにより塗抹済みのスライドガラス10がカセット3のスライドガラス収納孔3aに挿入される。この後、カセット回動機構部6aを上記所定の方向とは逆方向に回動させることにより、カセット3を元の垂直方向位置に戻す。そして、塗抹済みのスライドガラス10が収納されたカセット3が、カセット搬送部材5aにより染色部7に搬送される。なお、スライドガラス10をカセット3に収納させた後、モータ30が逆回転することにより、横方向移動片2iおよび縦方向移動片2jは、原点位置(図8に示す位置)に戻される。この際、横方向移動部27では、取付板33の遮光部33bにより光透過型のセンサ40の光出射部40aからの光が遮光されることより、受光部40bに光が入射しないことによって、横方向移動片2iが原点位置に到達したことが検知される。また、縦方向移動部28では、押え部材48の遮光部48aにより光透過型のセンサ49の光出射部49aからの光が遮光されることより、受光部49bに光が入射しないことによって、縦方向移動片2jが原点位置に到達したことが検知される。
次に、染色部7(図2参照)では、まず、第1吸引排出部7cにより、カセット3のスライドガラス収納孔3aから塗抹済みのスライドガラス10を持ち上げるとともに、カセット3の染色液吸引分注孔3bにメタノールを分注する。そして、塗抹済みのスライドガラス10をカセット3に戻した後、塗抹済みのスライドガラス10が収納されたカセット3が1つずつ、送り込み部材7aにより搬送ベルト7bに載せられる。そして、搬送ベルト7bにより、カセット3が第2吸引排出部7dに搬送される。
第2吸引排出部7dでは、カセット3のスライドガラス収納孔3aから塗抹済みのスライドガラス10を持ち上げるとともに、スライドガラス10の塗抹面にファン7jによる送風を約1秒〜約60秒間当てて塗抹面上の液体成分を蒸発させることによって乾燥させる。なお、第1吸引排出部7cにより塗抹済みのスライドガラス10がメタノールに浸漬されてから第2吸引排出部7dによりスライドガラス10が持ち上げられるまでの時間(浸漬時間)は、約20秒〜約120秒である。
次に、染色処理(メイグリュンワルド・ギムザ2重染色処理)が施される。まず、第2吸引排出部7dにおいて、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメタノールが吸引されて排出された後、カセット3のスライドガラス収納孔3aにスライドガラス10を戻す。次にカセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド液(主成分はメタノールで99%)が分注され、塗抹済みのスライドガラス10をメイグリュンワルド液に浸漬する。これにより、メイグリュンワルド・ギムザ2重染色処理が開始される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約5分間、染色処理として、メイグリュンワルド液に浸漬される。そして、第3吸引排出部7eにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bにメイグリュンワルド希釈液が分注される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約5分間、メイグリュンワルド希釈液に浸漬される。そして、第4吸引排出部7fにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからメイグリュンワルド希釈液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bにギムザ希釈液が分注される。そして、カセット3が搬送ベルト7bにより搬送されながら、塗抹済みのスライドガラス10は、約1分〜約20分間、ギムザ希釈液に浸漬される。
次に、第5吸引排出部7gにより、カセット3の染色液吸引分注孔3bからギムザ希釈液が吸引されて排出された後、カセット3の染色液吸引分注孔3bに対して洗浄液が分注および吸引されて染色済みのスライドガラス10が水洗される。その後、染色済みのスライドガラス10は、ファン7hにより乾燥される。
そして、ファン7hによる乾燥が行われた染色済みのスライドガラス10が収納されたカセット3は、図2に示した送り出し機構部7iにより、搬送ベルト7bから保管部8の搬送ベルト8b側へ順次送り出される。そして、保管部8の送り込み部材8aにより、カセット3を保管部8の搬送ベルト8bに送り込む。これにより、送り込み部材8aから送り込まれたカセット3は、搬送ベルト8bにより保管部8に搬送されて保管される。
一方、カセット搬送部材5aは、図2に示した染色部7の搬送終了位置94までカセット3を搬送した後、搬送開始位置93に戻る。これにより、カセット搬送部材5aは、次のカセット3を搬送可能な状態になる。そして、カセット搬送部材5aは、次のカセット3の側面部3hを押すことによって、次のカセット3をスライドガラス挿入部6まで搬送する。
本実施形態では、上記のように、スライドガラス10を、印字のための横方向位置91cに移動させる横方向移動部27と、スライドガラス10を、印字のための縦方向位置91dおよびカセット3の収納位置91eに移動させる縦方向移動部28とを設けるとともに、1つのモータ30により横方向移動部27と縦方向移動部28とを駆動させることによって、横方向移動部27および縦方向移動部28を、それぞれ、別々のモータにより駆動させる場合と異なり、横方向移動部27および縦方向移動部28の各々に対して個別にモータを設ける必要がないので、横方向移動部27および縦方向移動部28の駆動機構を簡略化することができる。
また、本実施形態では、横方向移動片2iによりスライドガラス10を印字のための横方向位置91cに移動させた後、印字のための横方向位置91cでスライドガラス10をガイド部材24aに対して押圧することによって、スライドガラス10を印字のための横方向位置91cに移動させた後、スライドガラス10が横方向にずれるのを抑制することができるので、スライドガラス10へ印字する際の位置合わせの精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、所定の力以上の力がかかると空転するトルクリミッタ36を介して駆動伝達部29から横方向移動部27のプーリ37に回転運動を伝達することによって、スライドガラス10を印字のための横方向位置に移動させた後、スライドガラス10をガイド部材24aに対して押圧する際に、トルクリミッタ36が空転することによりスライドガラス10に所定の力(約100g)以上の押圧力がかかるのを抑制することができるので、スライドガラス10が破損するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、スライドガラス10の印字のための横方向位置からカセット3の収納位置への移動の際に、スライドガラス10をガイドするガイド部材24aおよび24bを設けることによって、ガイド部材24aおよび24bによりスライドガラス10を印字のための横方向位置からカセット3の収納位置へスムーズに移動させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の標本作製装置を、血液塗抹標本作製装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、血液塗抹標本作製装置以外の標本作製装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、横方向移動部と縦方向移動部とを駆動させる駆動源として、モータを用いたが、本発明はこれに限らず、モータ以外の1つの駆動源を用いて横方向移動部と縦方向移動部とを駆動するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、染色部7での染色処理において、最初にメタノールで塗沫済スライドガラスを処理するようにしているが、本発明はこれに限らず、メタノール処理を省略しても良い。その場合、第1吸引排出部7cを省略することも可能である。
2i 横方向移動片(第1当接部材)
2j 縦方向移動片(第2当接部材)
3 カセット
10 スライドガラス
24a、24b ガイド部材
25 検知部(検知手段)
27 横方向移動部(第1移動部)
28 縦方向移動部(第2移動部)
29 駆動伝達部(駆動伝達手段)
30 モータ(駆動源)
36 トルクリミッタ
39 駆動ベルト(第1駆動ベルト)
44 ボールネジ(滑りネジ)
51 カップリング(連結部材)
54 駆動ベルト
2j 縦方向移動片(第2当接部材)
3 カセット
10 スライドガラス
24a、24b ガイド部材
25 検知部(検知手段)
27 横方向移動部(第1移動部)
28 縦方向移動部(第2移動部)
29 駆動伝達部(駆動伝達手段)
30 モータ(駆動源)
36 トルクリミッタ
39 駆動ベルト(第1駆動ベルト)
44 ボールネジ(滑りネジ)
51 カップリング(連結部材)
54 駆動ベルト
Claims (11)
- 標本となるスライドガラスを収納するためのカセットと、
前記スライドガラスを、印字のための横方向位置に移動させる第1移動部と、
少なくとも前記スライドガラスを、前記カセットの収納位置に移動させる第2移動部と、
前記第1移動部と前記第2移動部とを駆動させる1つの駆動源とを備えた、標本作製装置。 - 前記第1移動部は、前記スライドガラスに当接して前記スライドガラスを移動させる第1当接部材を含み、
前記第2移動部は、前記スライドガラスに当接して前記スライドガラスを移動させる第2当接部材を含み、
前記第1当接部材が前記スライドガラスを前記印字のための横方向位置に移動させた後、前記第2当接部材が前記スライドガラスを少なくとも前記収納位置に移動させる、請求項1に記載の標本作製装置。 - 前記第2移動部は、前記スライドガラスを前記収納位置のみならず、印字のための縦方向位置にも移動させる、請求項1または2に記載の標本作製装置。
- 前記第1当接部材は、前記スライドガラスを前記印字のための横方向位置に移動させた後、前記印字のための横方向位置で前記スライドガラスを押圧する、請求項2または3に記載の標本作製装置。
- 前記駆動源は、回転運動を行う駆動源を含み、
前記第1移動部は、前記駆動源の回転運動を直線運動に変換する第1変換手段を含み、
前記第2移動部は、前記駆動源の回転運動を直線運動に変換する第2変換手段を含み、
前記駆動源の回転運動を前記第1変換手段および前記第2変換手段に伝達する駆動伝達手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の標本作製装置。 - 前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転運動を前記第1変換手段に伝達する駆動ベルトを有する第1駆動伝達手段と、前記駆動源の回転運動を前記第2変換手段に伝達する連結部材を有する第2駆動伝達手段とを含む、請求項5に記載の標本作製装置。
- 第1変換手段は、所定の力以上の力がかかると空転するトルクリミッタを含む、請求項5または6に記載の標本作製装置。
- 前記第1移動部は、前記スライドガラスに当接して前記スライドガラスを移動させる第1当接部材を含み、
前記第1変換手段は、第1駆動ベルトを含み、
前記第1当接部材は、前記第1駆動ベルトに取り付けられている、請求項5〜7のいずれか1項に記載の標本作製装置。 - 前記第2移動部は、前記スライドガラスに当接して前記スライドガラスを移動させる第2当接部材を含み、
前記第2変換手段は、滑りネジを含み、
前記第2当接部材は、前記滑りネジの回転に伴って直線運動する、請求項5〜8のいずれか1項に記載の標本作製装置。 - 前記スライドガラスの前記印字のための横方向位置から前記カセットの収納位置への移動の際に、前記スライドガラスをガイドするガイド部材をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の標本作製装置。
- 前記スライドガラスが前記印字のための横方向位置に到達したことを検知する検知手段をさらに備えた、請求項1〜10のいずれか1項に記載の標本作製装置。
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