JP2573036B2 - ポリベンズイミダゾール焼結体とその製法 - Google Patents

ポリベンズイミダゾール焼結体とその製法

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JP2573036B2 JP63218636A JP21863688A JP2573036B2 JP 2573036 B2 JP2573036 B2 JP 2573036B2 JP 63218636 A JP63218636 A JP 63218636A JP 21863688 A JP21863688 A JP 21863688A JP 2573036 B2 JP2573036 B2 JP 2573036B2
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    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリベンズイミダゾール焼結成形体およびそ
の製造方法に関する。
このポリベンズイミダゾール焼結成形体は石油分野の
ダウン−ホール、地熱、石油化学および工業用途におけ
るガスケツト、シール、O−リングおよび弁の製造に使
用できる。
(背景技術) ポリベンズイミダゾールは高い熱安定性と酸化と加水
分解に対しすぐれた耐性を示す重合体である。公開文献
にある様にこの重合体は例えば芳香族テトラアミンと芳
香族又は複素環状ジカルボン酸のジフエニルエステル又
は無水物を1又は2段階操作で溶融重合させて製造でき
る。例えばH.VogelとC.S.MarvelのJournal of Polymer
Science,Vol.L,511−539(1961)および米国再発行特許
第26,065号、米国特許第3,174,947号、第3,509,108号、
第3,551,389号、第3,433,772号、および第3,655,632号
を参照されたい。特に米国特許第3,551,389号は芳香族
ポリベンズイミダゾールの2段階製造法を開示してお
り、第1段で単量体を170℃以上の温度で溶融重合させ
てフオーム状プレポリマーを生成する。第2段でこのプ
レポリマーを冷却粉砕し重合域中で再加熱してポリベン
ズイミダゾール重合体製品をえている。
溶融重合法において遊離ジカルボン酸又はそのメリル
エステルからのポリベンズイミダゾールの製造がフエニ
ルエステル又は無水物からの方法よりもすぐれているこ
とも知られている。単量体としてあるジカルボン酸化合
物を使い製造されたポリイミダゾールは次式: をもつ反復単位をもつ。上式中Rは窒素原子が芳香族核
の隣接炭素原子、即ちオルト炭素原子上1対をなすベン
ズイミダゾール環を形成している4価芳香族核であり、
かつR′は芳香族環、アルキレン基(好ましくは炭素原
子4乃至8をもつ)および複素環(例えばピリジン、ピ
ラジン、フラン、キノリン、チオフエンおよびピラン)
より成る群からえらばれたものである。ジカルボキシル
単量体成分中のジカルボン酸部分が同一であるか異なる
かによつてR′は重合体鎖中の反復単位中で同一でもち
がつていてもよい。更に重合反応に1又は2以上のテト
ラアミン単量体が使われるかどうかにより重合体鎖中R
も同一でもランダムに異なつていてもよい。
次の一般式は下記反復単位をもつポリベンズイミダゾ
ール生成の際おこる縮合反応を示している: 上式中RとR′は上に定義したとおりである。このポリ
ベンズイミダゾール(1)各アミン置換基が互いにオル
ト位置にあるアミン置換基2群をもつ少なくとも1芳香
族テトラアミンおよび(2)前記式に示しかつ後に詳述
する様なジカルボキシル成分の混合物の反応により製造
される。使用できる芳香族テトラアミンは例えば次式で
示される様なものである: 上式中Xは−O−、−S−、−SO2−、−C−又は−CH2
−、−(CH2−又は−C(CH3−の様な低級アル
キレン基をあらわす。芳香族テトラアミンの例には1,2,
4,5−テトラアミノベンゼン、1,2,5,6−テトラアミノナ
フタレン、2,3,6,7−テトライミノナフタレン、3,3′,
4,4′−テトラアミノジフエニルメタン、3,3′,4,4′−
テトラアミノジフエニルエタン、3,3′,4,4′−テトラ
アミノジフエニル−2,2−プロパン、3,3′,4,4′−テト
ラアミノジフエニルチオエーテル、および3,3′,4,4′
−テトラアミノジフエニルスルフオンがある。好ましい
芳香族テトラアミンは3,3′,4,4′−テトラアミノジフ
エニルである。
本発明のジカルボキシル成分をなす化合物は式: (式中Yは水素、アリール又はアルキルでありうるが、
水素又はフエニルはYの95%を超えない)で示される。
したがつてジカルボキシル成分は遊離酸と少なくとも1
のジエステルおよび(又は)モノエステル;ジエステル
および(又は)モノエステルの混合物;又は単一ジアル
キルエステル、モノエステル又は混合アリール−アルキ
ル又はアルキル/アルキルエステルとの混合物より成る
が、遊離酸又はジフエニルエステルのみから成ることも
できる。Yがアルキルであれば炭素原子1乃至5をもつ
ものが好ましく、メチルが最もよい。Yがアリールであ
れば、それは前記したとおりR又はR′でもよいが芳香
族基の1をのぞく全原子価が全部水素で満たされ、炭素
原子1乃至5をもつアルキル又はアルコキシの様な不活
性な1価の基で置換されているか又は非置換いづれかの
どんな1価芳香族基でもよい。このアリール基の例には
フエニル、ナフチル、可能な3つのフエニルフエニル
基、および可能な3つのトリル基がある。好ましいアリ
ール基は通常フエニル基である。
本発明の方法によるポリベンズイミダゾール製造に使
用する前記したとおりのジカルボキシル成分の1部とし
て遊離又はエステル化形に適するジカルボン酸には芳香
族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸(炭素原子4乃至
8をもつものがよい)、およびカルボキシル基がピリジ
ン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフエンおよびピ
ランの様な環化合物の炭素原子上の置換基である様な複
素環状ジカルボン酸がある。
前記遊離又はエステル化形で使用できるジカルボン酸
は次の様な芳香族ジカルボン酸である。
上式中Xは前に定義したとおりである。例えば次のジ
カルボン酸は使用に適している:イソフタル酸、テレフ
タル酸、4,4′−ジフエニルジカルボン酸、1,4−ナフタ
レン−ジカルボン酸、ジフエン酸(2,2′−ジフエニル
ジカルボン酸)、フエニルインダンジカルボン酸、1,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4′−ジフエニルエーテルジカルボン酸、4,4′
−ジフエニルスルフオンジカルボン酸、4,4′−ジフエ
ニルチオエーテルジカルボン酸等。イソフタル酸は本発
明の方法に用いる最も好ましい遊離形又はエステル化形
のジカルボン酸である。
ジカルボキシル成分は次の組合せのいづれかでよい:
(1)少なくとも1の遊離カルボン酸と少なくとも1の
ジカルボン酸ジフエニルエステル;(2)少なくとも1
の遊離ジカルボン酸と少なくとも1のジカルボン酸ジア
ルキルエステル;(3)ジカルボン酸の少なくとも1の
ジフエニルエステルと少なくとも1のジカルボン酸ジア
ルキルエステルおよび(4)少なくとも1のジカルボン
酸ジアルキルエステル。各組合せの化合物のジカルボン
酸部分は同一でも異なつていてもよく、組合せ(2)、
(3)および(4)のアルキルエステル中のアルキル基
は炭素原子1乃至5をもつものであり、メチルが最もよ
い。
ジカルボキシル成分は芳香族テトラアミン1モル当り
全ジカルボキシル成分約1モルの比で使用できる。しか
し特定の重合系での反応体の最適比率は当業者によつて
容易に決定しうる。
本発明の方法によつて製造できるポリベンズイミダゾ
ールの例には次のものがある: ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジベンズイ
ミダゾール; ポリ−2,2′−(ジフエニレン−2″,2″)−5,5′−ジ
ベンズイミダゾール; ポリ−2,2′−(ジフエニレン−4″,4)−5,5′−ジ
ベンズイミダゾール; ポリ−2,2′−(1″,1″,3″−トリメチルインダニレ
ン)−3″,5″−p−フエニレン−5,5′−ジベンズイ
ミダゾール; 2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジベンズイミダゾ
ール/2,2′−(1″,1″,3″−トリメチルインダニレ
ン)−5″,3″−(p−フエニレン)−5,5′−ジベン
ズイミダゾール共重合体; 2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジベンズイミダゾ
ール/2,2′−ジフエニレン−2″,2−5,5′−ジベン
ズイミダゾール共重合体; ポリ−2,2′−(フリレン−2″,5″)−5,5′−ジベン
ズイミダゾール; ポリ−2,2′−(ナフタレン−1″,6″)−5,5′−ジベ
ンズイミダゾール; ポリ−2,2′−(ナフタレン−2″,6″)−5,5′−ジベ
ンズイミダゾール; ポリ−2,2′−アミレン−5,5′−ジベンズイミダゾー
ル; ポリ−2,2′−オクタメチレン−5,5′−ジベンズイミダ
ゾール; ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−ジイミダゾベンゼ
ン; ポリ−2,2′−シクロヘキセニル−5,5′−ジベンズイミ
ダゾール; ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジ(ベンズ
イミダゾール)エーテル; ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジ(ベンズ
イミダゾール)サルフアイド; ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジ(ベンズ
イミダゾール)スルフオン; ポリ−2,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジ(ベンズ
イミダゾール)メタン; ポリ−2,2″−(m−フエニレン)−5,5′−ジ(ベンズ
イミダゾール)プロパン−2,2;および ポリ−エチレン−1,2,2,2″−(m−フエニレン)−5,
5″−ジ(ベンズイミダゾール)エチレン−1,2。
但しエチレン基の2重結合は最終重合体中そのままであ
る。
ポリ−1,2′−(m−フエニレン)−5,5′−ジベンズ
イミダゾールは好ましい重合体で3,3′,4,4′−テトラ
アミノジフエニルおよびイソフタル酸とジフエニルイソ
フタレート又はジメチルイソフタレートの様なジアルキ
ルイソフタレートとの混合物;ジフエニルイソフタレー
トとジメチルイソフタレートの様なジアルキルイソフタ
レートとの混合物;又は単独ジカルボキシル成分として
ジメチルイソフタレートの様な少なくとも1のジアルキ
ルイソフタレートとの反応によつて製造できる。
本明細書に記載の方法のポリベンズイミダゾール(PB
I)樹脂焼結法はこの分野では知られていないが、PBI樹
脂の圧縮成形およびPBI重合体とプレポリマーの混合物
の焼結はなされている。Levine(Encycl,Polymer Sei,T
echnol,11、188(1969))は97%硫酸中PBI0.4重量%溶
液において固有粘度(IV)0.05−0.1dl/gをもつ低分子
量PBIのマツチドメタル圧縮成形法を報告している。圧
縮製品は1190〜1750kg/cm2(17000−25000psi)の引張
り強さ(アンフイルド)および3780kg/cm2(5400psi)
の圧縮強さ(イールド)をもつといつている。
プレポリマーが焼結助剤として使われているPBI重合
体の焼結方法は米国特許第3,340,325号に記載されてい
る。そこに記載のとおりプレポリマーは芳香族ジカルボ
ン酸のジフエニルエステル芳香族テトラアミンを実質的
非溶融性手前まで反応させて製造されている。このプレ
ポリマーは約93〜260℃(約200〜500゜F)の温度で溶融
できる。PBIプレポリマーと融点816℃(1500゜F)以上
のPBI重合体の混合物をモールド中で十分加熱加圧して
液体とし、この混合物に十分な熱と圧力を与えてプレポ
リマーを硬化させる。
前記プレポリマー成形法は明らかな2つの欠点をもつ
ている。プレポリマーは硬化中多量のフエノールと水の
ガスを発生するので硬化サイクルの調整に注意を払う必
要があり、また高いボイド含量又は制限された部分厚さ
を生ずることについて注意が必要である。プレポリマー
はまた残留3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニル(TA
B)単量体の相当量を含む。それ故、この物質の取扱い
には作業者が接触しない様注意が必要である。Jonesら
(ペンシルバニア州ウオレンデール、International Co
nference on Composite Materials IV、AIME,1591ペー
ジ(1985))はPBI重合体316〜427℃(600〜800゜F)の
温度、140kg/cm2(2000psi)の圧力および1時間以上の
最終保持時間における圧縮成形法を報告している。成形
製品は490kg/cm2(7000psi)の引張り強さをもつてい
た。そこに記載の方法を用いてただ1個の部品がサイク
ル当りモールド当りつくられ、全サイクル回数は通常の
8時間シフト当り1回に制限されまた部品の厚さは2.54
cm(1インチ)以下に制限された。
Ward,B.C.(Fabricating Composites′86、SME Compo
sites Group,メリーランド州バルチモア(1986年9月)
EM86−704および32回International SAMPE Symposium,
カリフオルニア州アナヘイム(1987年4月6−9日)85
3−867ページ)およびHarb,M.E.(Treat,J.W.,Ward,B.
C.,前記文献795−806ページ)はPEIの473℃(875゜F)
までの温度、350〜700kg/cm2(5000〜10,000psi)の圧
力および4−8のサイクル時間におけるマツチド メタ
ルダイ(matched metal die)圧縮成形および厚さ0.64c
m(1/4インチ)に限定された成形PBI部分の引張強さ147
0kg/cm2(21,000psi)までの結果が報告された。しかし
高引張り強さをえるため1.1dl/gのIVをもつ樹脂使用が
必要であつた。低分子量をもつ樹脂使用に対応して成形
物品の引張り強さも低い。
また一般使用樹脂は35メツシユふるいを通過する粒径
をもつていた。粒径の小さい樹脂(100メツシユふるい
をとおる)は極めて成形困難であり100メツシユ樹脂か
らの成形物品は試験にも用途にも使用できない程ひどい
亀裂を生じた。
またマツチド メタルダイ圧縮成形により製造された
成形品はほんの5分程度482℃(900゜F)の温度にさら
すと著しい発泡と寸法変形をおこした。この現象はこの
成形品の耐高熱用途利用を著しく限定する。
(本発明の要旨) 本発明により高い圧縮強さ、優秀な引張り強さと曲げ
強さ、すぐれた疲れ特性、良好な硬さと低摩擦係数、高
いガラス転移温度と熱たわみ温度、比較的小さい熱膨張
係数、高い化学耐性および高い体積抵抗率をもつPBI焼
結成形体がえられる。大きい及び小さい焼結PBI樹脂成
形体は0.4以上の固有粘度をもつ粒状のPBI樹脂をモール
ド内に冷却コンパクト化し、この成形品を加熱し成形品
を加圧状態で冷却しかつそれをポストキユアすることよ
り成る工程によつて製造できる。
本発明の焼結体の製造に適するPBI重合体は25℃の97
重量%硫酸100ml中0.4g濃度重合体液として測定したと
き0.4dl/g以上の固有粘度(IV)をもつ前記重合体であ
る。PBI重合体は粒子が100メツシユふるいをとおる様な
粒径をもつ粒子状のものである。この様な小粒子はグラ
フアイト、ガラス、切断炭素繊維の様な充填剤を用いた
充填剤入りPBI成形品を製造できる。PBI樹脂は0.1重量
%以内の残留水と揮発分濃度をもつ。樹脂の水と揮発分
を0.1重量%以下とするためには樹脂をオーブン中で少
なくとも177℃(350゜F)の温度で少なくとも4時間加
熱すればよい。
乾燥した粒状PBI樹脂はモールドに入れそれを閉じて
コンパクト化工程中モールドへの酸素流入を防ぐ。充填
剤を使用の場合充填剤は0.1乃至20重量%を粒状PBI樹脂
と混合し混合物をモールドに入れる。204℃(400゜F)
以下において樹脂を140〜1400kg/cm2(2,000〜20,000ps
i)(psi)、好ましくは350〜1400kg/cm2(5000〜20,00
0psi)の圧力で少なくとも1分間コンパクト化(以下本
発明ではコンパクト化を圧縮と称する)する。
PBI成形体は次に440〜510℃(825−950゜F)、好まし
くは少なくとも469℃(875゜F)の温度に加熱されこの
温度に少なくとも4時間、通常4乃至24時間保たれる。
この加熱は樹脂加圧中又は圧力除去後に行なうことがで
きる。
加熱後樹脂を427℃(800゜F)以下に冷却するまで140
〜1400kg/cm2(2000〜20,000psi)の圧力に保持する。
加熱工程を圧力除去後に行なつたならばPBI物体を冷却
前140〜1400kg/cm2(2000〜20,000psi)に圧縮し物体温
度が427℃(800゜F)以下になるまで圧力を保持する。
次にPBI成形体の膨張を防ぐため拘束しながらそれを4
40〜510℃(825−950゜F)の温度に熱し成形体を少なく
とも1時間この温度に保つてポストキユアする。ここで
「拘束しながら」とは成形体が膨張しないようにその周
囲を非変形性部材で保持することをいい、典型的にはモ
ールド内に保持することによって拘束状態を確保でき
る。
上記の方法により単一焼結PBI成形体が製造できる
が、単一モールドを使つて多くのPBI成形体が同時製造
できる。例えば初めの加圧又は圧縮工程前にモールド中
にPBI樹脂とプラグを交互に入れ又は“重ね”て多層PBI
焼結板を製造できる。
本発明のPBI焼結体は優秀な機械的、熱的、電気的お
よび化学的性質を示す。本発明の実施例(尚下記する実
施例IV及びVIIは比較実施例である)で得たPBI焼結成形
体はいづれも次の機械的、熱的、電気的及び化学的性質
を示した。即ちは1330kg/cm2(19,000psi)以上と0.56
×105kg/cm2(0.8×106psi)以上のそれぞれ引張り強さ
とモジユラス(ASTM D638)、14000kg/cm2(20,000ps
i)以上と0.56×105kg/cm2(0.8×106psi)以上のそれ
ぞれ曲げ強さとモジユラス(ASTM D790)および3500kg
/cm2(50,000psi)以上と0.56×105kg/cm2(0.8×106ps
i)以上のそれぞれ圧縮強さとモジユラス(ASTM D69
5)をもつている。
PBI焼結体は482℃(900゜F)程度の温度に5分間おか
れても発泡又は寸法変化をおこさない。PBI成形体のガ
ラス転移温度は示差走査測熱法、又は動的機械的分析法
により測定したとき416〜440℃(780−825゜F)の範囲
内であり、また55%以上の制限酸素指数(ASTM D286
3)をもつ。PBI成形体は熱機械的分析により測定して24
〜149℃(75−300゜F)温度において23.4×10-6cm/cm/
゜F、また197〜299℃(390−570゜F)において32.4×10
-6cm/cm/゜Fの熱膨張係数をもつ。
PBI焼結成形体は500V/mil(2.54cm×10-3)以上の絶
縁耐力(ASTM D149)、一般に186秒のアーク耐力(AST
M 495)および一般に8×1014オーム−cm以上の体積抵
抗(ASTM D527)をもつ。PBI成形体は100以上のロツク
ウエルE硬度(ASTM D785)および95以上のシヨアーD
ジユロメーター硬度(ASTM D2240)をもつ。成形体密
度は1.27g/cc以上である。
PBI焼結体はまたケトン、有機酸、油井塩水、油井サ
ワーガスに化学的耐性大きくまた芳香族、脂肪族および
ハロゲン化炭化水素にも化学的耐性が大きい。上記した
ように本発明のPBI焼結成形体は新規にして、従来にみ
られない特徴を有しており、したがって、本発明は第2
に100メッシュふるいをとおる粒径をもつポリベンズイ
ミダゾール樹脂を焼結成形した成形体であって、1.27g/
cc以上の成形体密度、19,000psi以上の引張り強さ、50,
000psi以上の圧縮強さ、55%以上の限定酸素係数をもつ
ポストキュア体からなることを特徴とするポリベンズイ
ミダゾール焼結成形体を提供するものである。本発明の
焼結成形体はPBI焼結成形体は極めて高温、きびしい化
学環境の様な他樹脂では条件に合わない用途又は耐久性
やもちが重要である用途に特に有用であり、石油分野の
ガスケツト、シール、O−リングおよび弁に、また地
熱、石油化学その他の工業用途に特に便利である。
本発明を更に下記実施例によつて例証するが、それら
は本発明を限定するものではないのである。
実施例 I 固有粘度0.55dl/gをもつPBI〔ポリ−2,2′−(m−フ
エニレン)−5,5′−ジベンズイミダゾール〕100メツシ
ユふるいをとおる粉末樹脂を強制空気対流オーブン中19
7℃(390゜F)で16時間乾燥し、水と揮発分の合計濃度
を0.1重量%より小さくした。乾燥樹脂0.63kgを直径6.3
5cm(2.5インチ)長さ76cm(30インチ)で両端にプラグ
のはまつたモールド中に入れ75トン水圧機により420kg/
cm2(600psi)で3分間冷圧縮した。
圧力をとり去つたモールドを469℃(875゜F)の強制
空気対流オーブンに移し6.5時間保持した。
次いでモールドをオーブンから75トンプレスに移し直
ちに420kg/cm2(6000psi)圧をモールドにかけた。プレ
スピストンはモールド内側のプラスチツクPBI重合体を
高温非圧縮容積の約50%の容積に圧縮する様に認められ
た。圧力をモールド上に20分保つた後5分間にわたり14
0kg/cm2(2000psi)まで漸減した。次いで圧力をとり去
りモールドを室温に冷却した。
次にプラグが外に動かぬ様モールドを締めつけ469℃
(875゜F)オーブン中に2時間おいた。モールドをとり
出し室温に冷しクランプをはずし小水圧プレスを使つて
成形PBI棒をモールドから出した。
PBI成形体は直径6.35cm(2.5インチ)、長さ14.7cm
(6インチ)で密度1.28g/ccであつた。亀裂もなく、孔
や不完全な処もみえなかつた。棒から旋盤を使い普通の
工作法により0.32cm(1/8インチ)厚さのディスク板を
加工した。得られた複数のディスク板の平均引張り強さ
は1470kg/cm2(21,000psi)(n=22、標準偏差4.2)で
あつた。引張り伸び率(歪み)2.8%であり、また引張
り初期モジユラス0.88mpsiであつた。加工した厚さ0.32
cm(1/8インチ)板は900゜オーブンに5分間入れたとき
寸法又は重量変化を示さなかつた。
実施例 II 実施例Iの方法を反復した。但し棒から加工した試料
の圧縮強さは11%圧縮において測定して降伏点において
4060kg/cm2(58,000psi)(n=11、標準偏差0.5)と測
定された。圧縮モジユラスは0.88mpsiであつた。
実施例 III 実施例Iの方法を反復した、但し乾燥した樹脂0.113k
g(0.25ポンド)を直径2.54cm(1インチ)、長さ75cm
(30インチ)モールドに入れた。初期加熱工程の加熱時
間は3.7時間に変えた。
直径2.54cm(1インチ)、長さ15cm(6インチ)PBI
成形棒は良好な形態、色および加工性をもつていた。本
実施例の方法によつて製造された試料の圧縮特性は実施
例IIで製造した試料について記載したところと同一であ
り、またその密度は1.28g/ccであつた。
実施例 IV(本発明外の比較実施例) 実施例IIIの方法を反復した、但しPBI樹脂は成形前に
対流オーブン中で乾燥しなかつた。成形工程後成形体PB
Iは明らかなパープルキヤスト(purple cast)をもつて
いた。棒は普通の指圧で容易に割れ成形体内部はひどく
空洞であり、成形体密度は1.27g/ccよりかなり小さかっ
た。本実施例は焼結操作に乾燥樹脂使用の必要性を示し
ている。
実施例 V 実施例Iの方法を反復した、但しモールド直径は12.7
cm(5インチ)であり、またPBI樹脂はモールド中にプ
ラグで分別して103g(0.23ポンド)づつ6回つめた。モ
ールドをオーブンに入れ8時間加熱した。
えたPBI成形板は直径12.7cm(5インチ)、厚さ0.63c
m(5インチ)、厚さ0.63cm(1/4インチ)で密度1.27g/
ccであつた。また板の引張強さ1330kg/cm2(19,000ps
i)(標準偏差2000)、伸び率(ASTM D638)2.4%(0.
3)および引張りモジユラス0.88mpsi(0.06)であつ
た。
実施例 VI PBI成形体の化学耐性は実施例Iの方法によつて製造
したPBI成形体を数日間化学薬品にさらして測定した。
化学薬品、露出条件および数日露出後に保持している引
張り強さパーセントを次の表に示している。
実施例 VII(本発明外の比較実施例) 実施例Iの方法を反復した、但しモールドにクランプ
をはめ449℃(875゜F)オーブン中で2時間加熱する第
2加熱(ポストキユア)工程を省いた。PBI成形体は直
径6.35cm(2.5インチ)、長さ15.2cm(6インチ)で密
度1.28g/ccであつた。亀裂やへこみなどのきずは認めら
れなかつた。PBI成形体の引張り強さは1470kg/cm2(21,
000psi)であつた。加工した3.2mm(1/8インチ)厚さ板
は482℃(900゜F)オーブン中に5分間おいて処著しい
変形(寸法変化10%以上)を示して、ポストキユア工程
の重要性を示した。
本明細書に現在本発明の最も好ましい実施態様と考え
られるものについて記載したが、これらの多くの変形が
できることは当業者は認めるであろう。またすべての均
等の方法、装置および製品は本発明の範囲に包含され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベネツト シー ワード アメリカ合衆国ノースカロライナ州 パ インビル パーク ビスタ サークル 7932 (72)発明者 エドワード アルバリズ アメリカ合衆国テキサス州 ヒユースト ン コロニアル トレイル 11342 (72)発明者 ラルフ エス ブレーク アメリカ合衆国サウスカロライナ州 レ ーク ウイリー ブルチヤー サークル 200

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100メッシュふるいをとおる粒径をもち0.1
    重量%より少ない水と揮発分濃度および少なくとも0.4
    の固有粘度をもつポリベンズイミダゾール樹脂もモール
    ド中少なくとも1分間140〜1400kg/cm2(2,000〜20,000
    psi)の圧力に圧縮し、圧縮したポリベンズイミダゾー
    ル樹脂を440〜510℃(825〜950゜F)に加熱し圧縮した
    ポリベンズイミダゾール樹脂を該温度範囲に少なくとも
    4時間保ち、得られたポリベンズイミダゾール成形体を
    140〜1400kg/cm2(2,000〜20,000psi)の圧力のもとで
    温度427℃(800゜F)以下に冷却した後、膨張を防ぐよ
    うに拘束しながら440〜510℃(825〜950゜F)の温度に
    少なくとも1時間保つことを特徴とするポリベンズイミ
    ダゾール焼結成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】圧縮と冷却工程の保持圧力が少なくとも35
    0kg/cm2(5000psi)である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】加熱工程における保持温度が少なくとも46
    9℃(875゜F)である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】圧縮工程前に該ポリベンズイミダゾール樹
    脂を少なくとも177℃(350゜Fの温度に加熱しこの温度
    に少なくとも4時間保って該樹脂を乾燥する請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】加熱工程を大気圧において行なう請求項1
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】圧縮工程で充填剤を含ませる請求項1に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】100メッシュふるいをとおる粒径をもつポ
    リベンズイミダゾール樹脂を焼結成形した成形体であっ
    て、1.27g/cc以上の成形体密度、1330kg/cm2(19,000ps
    i)以上の引張り強さ、3500kg/cm2(50,000psi)以上の
    圧縮強さ、55%以上の制限酸素指数をもつポストキュア
    体からなることを特徴とするポリベンズイミダゾール焼
    結成形体。
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