JP2572916Y2 - バックミラーの自動防眩水滴除去装置 - Google Patents

バックミラーの自動防眩水滴除去装置

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JP2572916Y2
JP2572916Y2 JP1993016624U JP1662493U JP2572916Y2 JP 2572916 Y2 JP2572916 Y2 JP 2572916Y2 JP 1993016624 U JP1993016624 U JP 1993016624U JP 1662493 U JP1662493 U JP 1662493U JP 2572916 Y2 JP2572916 Y2 JP 2572916Y2
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glare
mirror
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小松  徹
徹 金澤
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Murakami Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車における車室外
に搭載されるドアミラー、フェンダーミラー等のバック
ミラーにおける自動防眩水滴除去装置に関するものであ
る。実用新案登録請求の範囲を含む本明細書において
「自動防眩水滴除去装置」とは、バックミラーの自動防
眩機能と水滴除去機能の両方を備えた装置をいう。即
ち、自動防眩機能とは、夜間走行中等に後続車輌の前照
灯光がバックミラーに入射したときにバックミラーの反
射率を減少させることにより反射眩光の煩わしさや不快
感を防止するようにした機能であり、水滴除去機能とは
雨天走行中等にバックミラーの表面に付着した水滴を除
去することにより良好な後方視認性を確保するようにし
た機能である。
【0002】
【従来の技術】[自動防眩装置] 自動防眩機能を備えたバックミラー(防眩ミラー)とし
ては、液晶またはエレクトロクロミック素子によりミラ
ーの反射率を制御するようにしたものの他、PLZTを
用いたものも知られている。PLZTを用いた防眩ミラ
ーは、PLZTに電圧を印加することにより生ずる複屈
折効果又は光散乱効果を利用してミラーの反射率を制御
するようにしたものである。実開昭58−190605
号公報はPLZTの複屈折効果を利用した防眩ミラーを
開示している。この防眩ミラーは、図2に示すように、
最前面の偏光膜1の裏面側には表裏両面に櫛形透明電極
2、3を備えたPLZT板4を配設し、該PLZT板4
の裏面側には反射膜5を備えたガラス板6を配設してい
る。図2における符号9は入射光である。また、実開昭
58−190604号公報はPLZTの光散乱効果を利
用した防眩ミラーを開示している。この防眩ミラーは、
図3に示すように、最前面の偏光膜11の裏面側には表
裏両面に透明電極12、13を備えたPLZT板14を
配設し、該PLZT板14の裏面側には反射膜15を備
えたガラス板16を配設している。図3における符号1
9は入射光である。即ち、図2、図3に示すいずれの防
眩ミラーにおいても、PLZT板はガラス板の表面側に
配設されている。
【0003】[水滴除去装置] 水滴除去機能を備えたバックミラーとしては、ミラーの
表面に付着した水滴を超音波振動を利用して除去するよ
うにしたものが既に知られている。例えば、実開平3−
17960号公報は、図4に示すように、圧電振動子2
1を振動板22上に固定し、該振動板22の周縁部の一
部をミラー23の裏面に接着剤24により接着してなる
水滴除去装置を開示している。符号29は入射光であ
る。この装置は、圧電振動子21により励起される超音
波振動を振動板22を介してミラー23に伝達し、ミラ
ー23の表面に付着した水滴を霧化除去するようにした
ものである。なお、この事例においては、振動板22と
ミラー23との間に空間25が設けられているため、圧
電振動子21により励起される超音波振動は振動板22
を介して周縁部からミラー23に伝達される。
【0004】[自動防眩水滴除去装置] 更に、実開平3−6602号公報、実開平3−6603
号公報、実開平3−6604号公報はエレクトロクロミ
ック素子による自動防眩機能と超音波振動による水滴除
去機能の両方を備えた自動防眩水滴除去装置を開示して
いる。このものは、図5に示すように、ミラー31の裏
面にエレクトロクロミック層32を設け、該エレクトロ
クロミック層32を保護層33により覆わせ、ミラー3
1の裏面には保護層33との間に空間部34を形成した
状態で接着剤35を介して保護基板36を取り付け、該
保護基板36の裏面に超音波振動子37を取り付けてな
るものである。符号39は入射光である。この事例にお
ける水滴除去機能は図4に示すものと同様であって、超
音波振動子37が発する振動は保護基板36と接着剤3
5とを介してミラー31に伝達され、ミラー31の表面
に付着している水滴を霧化させるようにしたものであ
る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかるに、エレクトロ
クロミック素子を利用した上記従来の自動防眩水滴除去
装置においては、自動防眩機能の面でミラーの反射率を
任意の値に可変できないという難点がある。エレクトロ
クロミック素子に代えて液晶を用いて自動防眩水滴除去
装置を構成した場合にも同様の問題が生ずると考えられ
る。また、ゲルタイプないしリキッドタイプのエレクト
ロクロミック素子を利用した自動防眩水滴除去装置の場
合には、超音波振動がエレクトロクロミック素子により
著しく減衰され、ミラー面に振動が効率良く伝達されな
いという水滴除去機能の面での問題が生ずる。このこと
はエレクトロクロミック素子に代えて液晶を用いて自動
防眩水滴除去装置を構成した場合も同様であると考えら
れる。本考案は以上の問題を解決し、自動防眩機能と水
滴除去機能の両面で優れているバックミラーの自動防眩
水滴除去装置を提供しようとしてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案の自動防眩水滴除去装置は、透明基板と、該
透明基板の裏面側ほぼ全面に形成され、電極層、PLZ
T層、電極兼反射膜層及び保護膜層の4層構造からなる
防眩手段と、を有する。
【0007】また、前記防眩手段の裏面の一部と接着剤
を介して固定され、且つ、他の部分は防眩手段の裏面と
一定のクリアランスを有して配置される振動板を有す
る。
【0008】更に、該振動板に取り付けられ、水滴除去
用の超音波振動を発生する圧電振動子を有する。
【0009】また、前記防眩手段の電極、及び前記圧電
素子に駆動用の電圧を供給する電源回路を有する。
【0010】更に、前記圧電振動子は前記振動板の裏面
側に配置され、更に、該振動板の前面側には、前記透明
基板に熱を加えて透明基板表面に付着したミスト状の水
滴を除去するためのヒータパネルを搭載することが望ま
しい。
【0011】
【作用】上述の如く構成された本考案では、PLZTは
透明基板の裏面側に配設されている。従って、PLZT
は透明基板により保護されており、これをPLZTの基
板として利用することによりPLZTを薄膜化すること
が可能となる。即ち、例えばゾル・ゲル法、真空蒸着
法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティン
グ法等により、透明基板の裏面にPLZT薄膜を形成す
ることができる。PLZTは透明基板の裏面にあって透
明基板により保護されているため、このような薄膜であ
っても耐久性、信頼性等の面で何等問題はない。このよ
うにPLZTを薄膜化することが可能になる結果、PL
ZTを含む被振動体の質量を軽量化することができる。
従って、圧電振動子により励起される超音波振動は振動
板を介して透明基板(ミラー面)に効率良く伝達され、
透明基板の表面に付着した水滴を効果的に霧化除去す
る。一方、自動防眩機能の面においては、ミラーの反射
率を変化させるための手段としてPLZTを用いている
ため、ミラーの反射率を任意の値に可変させることが可
能である。
【0012】また、ミラー面に付着した比較的粒の大き
な水滴は上述の如く超音波振動により霧化除去すること
ができるのであるが、ミラー面に霜や氷あるいは極めて
細かな霧状の水滴や曇りが付着したときにはこれを超音
波振動のみにより除去することはできない。このような
場合には、透明基板と振動板との間に配設されたヒータ
パネルを作動させれば、超音波振動と相俟って良好な視
界が得られる。即ち、霧状の水滴や曇りはヒータパネル
が発する熱により短時間で除去される。また、霜や氷は
ヒータパネルが発する熱により一旦水滴となった後、超
音波振動により除去される。
【0013】更に、PLZTの電極兼反射膜はSi3N
4、SiO2等の薄い保護膜により封止される。この保
護膜は従来使用されていたガラス板等の封止材に比べて
極めて軽量であるため、超音波振動による水滴除去効率
が向上する。また、この保護膜の接着によるミラー歪も
ない。振動板が金属製の場合、保護膜はPLZTの駆動
電圧が電極兼反射膜より該振動板にリークすることを防
止する。
【0014】また、PLZTを厚さ10μm以下の薄膜
としたときには、超音波振動による水滴除去効率が一層
向上する。
【0015】更に、PLZT、電極兼反射膜又は保護膜
とヒータパネルとの間にクリアランスを設けたときに
は、ヒータパネルがPLZT、電極兼反射膜又は保護膜
と接触することがないため、超音波振動印加時における
摩擦熱によるPLZT等の損傷が防止される。
【0016】
【実施例】次に、本考案の実施例を図1に従って説明す
る。符号41に示すものはガラス板等の透明基板であ
る。透明基板41の裏面側にはPLZT42を配設す
る。PLZT42は好ましくは厚さ10μm以下の薄膜
とし、表面に透明電極43を備え、裏面に電極兼反射膜
44を備えている。電極兼反射膜44の裏面をSi
34、SiO2等の保護膜45により封止する。保護膜
45の裏面側に接着剤46を介して振動板47を取り付
け、該振動板47に圧電振動子48を固定する。振動板
47はその縁部のみが保護膜45の裏面に接着されてい
る。この構成は超音波振動を振動板47を介してミラー
の縁部から中心部に伝達することによりミラー全面から
水滴を霧化除去することを可能ならしめるようにしたも
のである。圧電振動子48は一例としてPZT等の圧電
セラミックス振動子とする。図1に示す事例においては
圧電振動子48は接着剤49により振動板47の裏面に
固着されている。振動板47における保護膜45側には
一例として高分子発泡材50を介してヒータパネル51
が取り付けられている。ヒータパネル51と保護膜45
との間にはクリアランス52が設けられている。図1に
おける符号59は入射光である。
【0017】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によるバッ
クミラーの自動防眩水滴除去装置は、必要に応じて任意
の値の反射率を得ることができるという優れた自動防眩
機能を有するだけでなく、ミラー面の水滴等を効率良く
除去することができるという優れた水滴除去機能をも同
時に発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す断面図である。
【図2】従来の自動防眩装置の一例を示す断面図であ
る。
【図3】従来の自動防眩装置の別の一例を示す断面図で
ある。
【図4】従来の水滴除去装置の一例を示す断面図であ
る。
【図5】従来の自動防眩水滴除去装置の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 偏光膜 2 櫛形透明電極 3 櫛形透明電極 4 PLZT板 5 反射膜 6 ガラス板 9 入射光 11 偏光膜 12 透明電極 13 透明電極 14 PLZT板 15 反射膜 16 ガラス板 19 入射光 21 圧電振動子 22 振動板 23 ミラー 24 接着剤 25 空間 29 入射光 31 ミラー 32 エレクトロクロミック層 33 保護層 34 空間部 35 接着剤 36 保護基板 37 超音波振動子 39 入射光 41 透明基板 42 PLZT 43 透明電極 44 電極兼反射膜 45 保護膜 46 接着剤 47 振動板 48 圧電振動子 49 接着剤 50 高分子発泡材 51 ヒータパネル 52 クリアランス 59 入射光

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、 該透明基板の裏面側ほぼ全面に形成され、電極層、PL
    ZT層、電極兼反射膜層及び保護膜層の4層構造からな
    る防眩手段と、 前記防眩手段の裏面の一部と接着剤を介して固定され、
    且つ、他の部分は防眩手段の裏面と一定のクリアランス
    を有して配置される振動板と、 該振動板に取り付けられ、水滴除去用の超音波振動を発
    生する圧電振動子と、 前記防眩手段の電極、及び前記圧電素子に駆動用の電圧
    を供給する電源回路と、 を有することを特徴とするバックミラーの自動防眩水滴
    除去装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電振動子は前記振動板の裏面側に
    配置され、更に、該振動板の前面側には、前記透明基板
    に熱を加えて透明基板表面に付着したミスト状の水滴を
    除去するためのヒータパネルを搭載したことを特徴とす
    る請求項1記載のバックミラーの自動防眩水滴除去装
    置。
JP1993016624U 1993-03-10 1993-03-10 バックミラーの自動防眩水滴除去装置 Expired - Lifetime JP2572916Y2 (ja)

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JPH0669036U JPH0669036U (ja) 1994-09-27
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JPS58190605U (ja) * 1982-06-15 1983-12-17 トヨタ自動車株式会社 防眩ミラ−
JPH04257752A (ja) * 1991-02-08 1992-09-11 Tokai Rika Co Ltd 水滴除去機能付防眩ミラー
JP3006604U (ja) * 1994-07-13 1995-01-31 信助 千葉 指圧用器具

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