JP2572862Y2 - 電気機器収納用箱体の中扉の支柱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、配電盤、分電盤や制御
盤等の電気機器収納用箱体の内機における内扉の支柱の
改良に関するものである。ここに、内機とは、レール若
しくは底板に止着したパネル、そのパネルに取り付ける
ブレーカー等の内部電気機器及び中扉等から成る構造体
を指称するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、配電盤、分電盤や制御盤等の電気
機器収納用箱体の内機を覆うための中扉の支柱は、中扉
を開閉若しくは取り付けるためのものとして、通常１枚
の中扉の側辺へ２個以上の支柱が取り付けられ、その支
柱の基端はレールまたは電気機器収納用箱体の底板等の
内底に組み付けられていた。そして、支柱周辺は必ず遮
断器等の内機から出線した電線が通るにも拘らず、その
電線を結束・固定する仕掛けが無かったので、図４のよ
うに支柱を迂回したり電線間へ支柱を挿通したりして電
線を結束・固定していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし電線の結束・固
定方法は、支柱の邪魔にならないよう工夫するために手
間がかかり施工性が悪い上、支柱は特別に補強されてい
なかったので、太径の電線等を引掛けたり押圧されたり
した場合には過大の負荷が支柱に掛り、支柱が変形破損
したり、一度中扉を外してから再び取り付けようとして
もその支柱が変形して取り付けられなかったりすること
が多かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記従来の収納用箱体の
内扉の支柱に生じる歪みの問題点を解消するため、本考
案は、構造が簡単で且つ内機の脱着作業に便利で、しか
も支柱が歪まない電気機器収納用箱体の内機における中
扉の支柱を提供する電気機器収納用箱体の中扉の支柱
で、その構成は、電気機器収納用箱体の内底に、内機の
中扉を取り付ける支柱において、内機を覆う中扉へ取り
付ける取付部と、電気機器収納用箱体の内底に取り付け
る基台部と、前記取付部と前記基台部とを連接する柱体
とからなり、前記基台部から電気機器収納用箱体の開口
部方向である上方に前記取付部を設ける電気機器収納用
箱体の中扉の支柱において、前記柱体に、電気機器収納
用箱体の側板方向へ突出する曲折部を、少なくとも１ヶ
所設けることにより、内側に向けて開口した前記柱体の
コ字状空間部に、内機に隣接させて電線を配設したこと
にある。ここに内機の中扉へ取り付ける取付部は蝶番を
介して開閉可能にまたは固定されていてもよい。

【０００５】

【作用】収納用箱体内底に立設した上記構成の支柱によ
り、柱体の曲折部の内機側へ配線スペースが生じ、そこ
へ電線を結束・固定することが出来るので、電線引掛け
による変形破損及びそれに伴う中扉開放時のガタが防止
される。

【０００６】

【実施例】本考案に係る電気機器収納用箱体の中扉の支
柱支柱の一実施例を図面に基づいて説明する。図１及び
図２は本考案の中扉の支柱の説明図であり、１は収納用
箱体本体である分電盤、２はその扉、３は配線覆用の中
扉である。４は底板の両側に平行に配設される断面コ字
形状の開口部を下向きにしたレールであり、レール間に
は内機である遮断器５が架設されている。電気機器収納
用箱体の種類によりレールを設けず、底板に直接固設す
る場合もあり、広く内底という。

【０００７】更にレール４には、柱体６ｃとその頭部に
設けられた取付部６ａとその下端の基台部６ｂとから成
る支柱６が立設されている。基台部６ｂから分電盤１の
開口部方向である上方に取付部６ａを設ける。この取付
部６ａ及び基台部６ｂの取付位置の関係は、内機である
遮断器の取り付け位置及び中扉の大きさが、その取り付
け作業の利便性により、分電盤１の開口部より大きくな
ることがないために決まるものである。

【０００８】従って、柱体６ｃは、レール４に固設する
基台部６ｂと取付部６ａとは分電盤１の底板の法線方向
に対しては同一法線上にあるのに比べて、分電盤１の側
板１ａの方へ大きく突出するように２ヶ所の曲折部６
ｄ、６ｄを有するコ字状に形成され、そのコ字状となっ
た空間部分に電線７が配設されている。この柱体６ｃの
形状は、図３（Ａ）に示すような１ヶ所の曲折部を有す
る「く」字形状若しくは図３（Ｂ）に示すような全体が
曲折する曲折部を１ヶ所有する円弧形状であればよい。
そしてその取付部６ａに中扉３が開閉自在に蝶番により
取り付けられている。この取り付け方は、実施例のよう
に中扉を開閉可能にするばかりでなく、螺子により中扉
３を螺着し中扉を固着してもよい。

【０００９】尚、本実施例では、分電盤において２個の
支柱を使用した場合について説明しているが、大型の収
納用箱体等で３個以上の支柱を使用する場合にも適用出
来る他、本考案は、分電盤に限らず支柱を使用し内部配
線の結束・固定を必要とするすべての電気機器収納用箱
体にも適用出来るものである。

【００１０】

【考案の効果】本考案に係る電気機器収納用箱体の中扉
の支柱により、コ字状空間による配線スペースが生じて
結線作業が楽になり格段に施工性が高まった上、配線し
た電線が支柱に接触することがなくなり支柱の変形によ
る電気機器収納用箱体の歪みが生じなくなり、その実益
は甚大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電気機器収納用箱体である分電盤
の中扉の支柱を組み付けた分電盤の部分断面図である。

【図２】分電盤の遮断器及びその中扉を示す説明図であ
る。

【図３】他の実施例に係る分電盤における支柱の斜視図
である。

【図４】従来の分電盤における支柱の斜視図である。

【符号の説明】

１・・分電盤、１ａ・・側板、２・・分電盤の扉、３・
・中扉、４・・レール、５・・遮断器、６・・支柱、６
ａ・・取付部、６ｂ・・基台部、６ｃ・・柱体、６ｄ・
・曲折部、７・・電線。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気機器収納用箱体の内底(4) に、内機
   (5) の中扉(3) を取り付ける支柱(6) において、内機
   (5) を覆う中扉(3) へ取り付ける取付部(6a)と、電気機
   器収納用箱体の内底(4) に取り付ける基台部(6b)と、前
   記取付部(6a)と前記基台部(6b)とを連接する柱体(6c)と
   からなり、前記基台部(6b)から電気機器収納用箱体の開
   口部方向である上方に前記取付部(6a)を設ける電気機器
   収納用箱体の中扉(3) の支柱(6) において、 前記柱体(6c)に、 電気機器収納用箱体の側板(1a)方向へ
   突出する曲折部(6d)を、少なくとも１ヶ所設けることに
   より、内側に向けて開口した前記柱体(6c)のコ字状空間
   部に、内機(5) に隣接させて電線(7) を配設したことを
   特徴とする電気機器収納用箱体の中扉(3) の支柱(6) 。