JP2571509B2 - ブロー成形方法 - Google Patents

ブロー成形方法

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JP2571509B2 JP5032467A JP3246793A JP2571509B2 JP 2571509 B2 JP2571509 B2 JP 2571509B2 JP 5032467 A JP5032467 A JP 5032467A JP 3246793 A JP3246793 A JP 3246793A JP 2571509 B2 JP2571509 B2 JP 2571509B2
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダイレクトブロー成
形、射出ブロー成形、ストレッチブロー成形等に利用で
きる中空の合成樹脂成形品のブロー成形方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常のブロー成形では、押出または射出
成形したパリソンを、縦に分割した一対の開閉自在なブ
ロー金型の間に置き、分割金型の型閉じにより中空成形
品のキャビティを形成したのち、キャビティ中央に位置
するパリソンにエアを吹き込んでキャビティ一杯に膨張
させるとともに、エアの圧力によりキャビティ面に押し
付けて中空成形品に成形している。
【0003】このエアブローに伴う圧力に押されてキャ
ビティ内のエアは、金型のパーティング面より外に逃げ
て行くのであるが、ブロー比が他の部分より大きく凹凸
に張り出した部分を肩部などに有するデザインの中空成
形品の成形では、その部分より先にブロー比の小さな他
の部分がキャビティ面に接して、ブロー比の大きな部分
を塞ぐようになるので、その部分のエアの逃げ場がなく
なって残留する。この残留エアは熱いパリソンに接して
熱膨張を起こし、パリソンの部分的な膨張抵抗となって
成形不良や焼けなどを起こす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような残留エアに
よる課題の解決手段として、ブロー比の差から残留エア
が生じ易い箇所にエア抜き孔を設けているが、孔径が大
きいとブロー圧力により孔内に樹脂が押し込められて、
孔の形が中空成形品の表面に転写され、不必要な模様と
なって外観を損ねるので、エア抜き孔の孔径も樹脂が入
り込まない程度(0.2 〜0.3mm )の大きさに制限され、
そのような孔を多数個明けて対応させている。
【0005】しかしながら、そのような孔径ではエアの
逃げ出しに時間がかかり、ブロー速度が遅い低圧でのエ
アブローではエア抜きがスムーズに行われても、高圧で
のエアブローになると、速度の点で対応することができ
ず、エア抜き孔による残留エアの排除にも限界がある。
【0006】そこで実開平1−127728号に記載さ
れているように、真空ポンプによる吸引を併用してキャ
ビティ内のエアを強制的に抜き出すことを行っている
が、そのような成形方法では吸引のタイミングが難し
く、また付帯設備の増加などの点からも、その利用は一
部に限られている。
【0007】この発明は上記エア抜きについての課題を
解決するために考えられたものであって、その目的は、
ブロー比の大きな部分のエア抜きを簡単な手段でエアブ
ロー速度にも制限を受けることなく常に確実に行うこと
ができ、その利用もダイレクトブロー成形に限らず、射
出ブロー成形やストレッチブロー成形等も利用できる新
たなブロー成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
の特徴は、中空成形品のキャビティを形成する一対の分
割金型を、接離自在に積重した複数の型ブロックにより
構成し、その型ブロックの積重部分に中空成形品のブロ
ー比の大きな部分を成形する凹部が位置するようにキャ
ビティを形成し、上記型ブロックの離れにより所要のエ
ア抜き間隙が形成された状態でキャビティ内のパリソン
のエアブローを開始し、ブロー比の大きな部分のエア抜
きを上記間隙から行ってのち、エアブローの完了前に型
ブロックを相互に接触させてエア抜き間隙を閉鎖してな
ることにある。
【0009】上記複数の型ブロックの接離自在な積重
は、型ブロック間にバネ部材を介在させることにより容
易に行い得る。また型ブロック相互の接触は、ブロー金
型を昇降自在な上げ型とし、その底型の上昇により下側
の型ブロックを押し上げるか、またはブローコアの挿入
を二段階に操作し、二段目に上側の型ブロックを押し下
げるかして行うことができる。
【0010】
【作 用】このようなブロー成形方法では、ブロー比の
大きな部分のエア抜き間隙を充分に大きく取ることがで
きるので、ブロー速度が速くともエア抜きがスムーズに
行われ、またブロー圧力により表面がキャビティ面に強
く押し付けられる前に、その間隙は閉鎖されるので、表
面に間隙の跡が転写されることがない。
【0011】
【実施例】この実施例は、底型により複数の型ブロック
の接触を行う場合を例示するものであって、図中1は開
閉自在な一対の分割金型10,10によるブロー金型を
示す。
【0012】上記分割金型10,10は、接離自在に積
重した上型ブロック11、中型ブロック12、下型ブロ
ック13から構成され、各積重部分には所要強度のバネ
部材14が介在させてあり、このバネ部材14により各
型ブロックは常時離隔状態にあって、積重部分に所要
(2.0 〜3.0mm )の間隙15を形成している。
【0013】これら型ブロックは間隙調整スペース16
を空けてベース部材17に上下動自在に収容され、また
下型ブロック13の中央部には昇降自在な上げ型による
底型18が嵌装してある。
【0014】19は中空成形品2のキャビティで、上記
型ブロックの積重部分に凹凸でブロー比の大きな中空成
形品2の肩部2aと底部周縁2bの成形用凹部20,2
1がそれぞれ位置するように、各型ブロック11,1
2,13にわたって形成され、上型ブロック11の中央
部にネック部22が形成してある。なお、23は間隙調
整ねじである。
【0015】このようなブロー金型1を用いて上記中空
成形品2をブロー成形するには、まず底型18が降下し
ていて型開状態にある分割金型10,10の中央部にパ
リソン3を位置させる。図示の例は射出ブロー成形の場
合で、パリソン3はその内部に射出コア兼用のブローコ
ア4を有する。
【0016】次に型閉じを行ってキャビティ19を形成
し、そのキャビティ19の中央の上記パリソン3に、ブ
ローコア4から高圧のエアをブローしてキャビティ一杯
に膨張させる。この際、各型ブロック11,12,13
はバネ部材14により隔離されていて、積重部分には間
隙15が形成され、その間隙15がキャビティ19のブ
ロー比の大きな部分の成形用凹部20,21に開口して
いるので、ブロー比が小さな胴部等を形成する樹脂が先
にキャビティ面に接しても、エアはそのようなことに関
係なく間隙15からスムーズ逃げ出す。このためキャビ
ティ内の残留エアによる成形不良は生じ難くなる。
【0017】上記パリソン3のエアブロー時間、キャビ
ティ面に対する押圧力などから上記エア抜き間隙15の
閉鎖時期を検出し、その検出信号により上記底型18を
上昇して下型ブロック13を押し上げる。これにより図
3に示すように、積重部分のバネ部材14が圧縮されて
各型ブロック11,12,13が接触し間隙15が閉鎖
される。この間隙閉鎖はエアブローが完了する前に行わ
れるため、そこに成形された中空成形品2の肩部2aや
底部周縁2bの表面に間隙15が転写されることはな
い。
【0018】
【発明の効果】この発明は上述のように、ブロー用の一
対の分割金型を接離自在に積重した複数の型ブロックに
より構成し、その型ブロックの積重部分に中空成形品の
ブロー比の大きな部分を成形する凹部が位置するように
キャビティを形成して、その部分に閉鎖可能な所要のエ
ア抜き間隙を形成し、パリソンのエアブロー時にブロー
比の大きな部分のエア抜きを上記間隙から行ってのち、
エアブローの完了前に上記エア抜き間隙を閉鎖して、残
留エアによる成形不良と、エア抜き間隙の転写防止とを
行うものであるから、ブロー比が大きく異なる部分を有
するデザインの中空成形品でも容易に成形することがで
きる。
【0019】またエア抜き間隙の閉鎖も押圧により容易
に行えるので、閉鎖タイミングの設定にも技術的な困難
さはなく、ブロー速度に関係なくエア抜きが行えるの
で、成形状態の良い中空成形品をハイサイクルにて成形
でき、ブロー金型の構造も簡単なので射出ブロー成形以
外にもダイレクトブロー成形や延伸ブロー成形にも利用
できるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のブロー成形方法におけるエアブロ
ー開始直後の状態を示すブロー金型の略示縦断面図であ
る。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 エアブロー完了時の状態を示すブロー金型の
略示縦断面図である。
【符号の説明】
1 ブロー金型 2 中空成形品 3 パリソン 10 分割金型 11 上型ブロック 12 中型ブロック 13 下型ブロック 14 バネ部材 15 エア抜き間隙 17 ベース部材 19 キャビティ 20 肩部の成形用凹部 21 底部周縁の成形用凹部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空成形品のキャビティを形成する一対
    の分割金型を、接離自在に積重した複数の型ブロックに
    より構成し、その型ブロックの積重部分に中空成形品の
    ブロー比の大きな部分を成形する凹部が位置するように
    キャビティを形成し、上記型ブロックの離れにより所要
    のエア抜き間隙が形成された状態でキャビティ内のパリ
    ソンのエアブローを開始し、ブロー比の大きな部分のエ
    ア抜きを上記間隙から行ってのち、エアブローの完了前
    に型ブロックを相互に接触させてエア抜き間隙を閉鎖し
    てなることを特徴とするブロー成形方法。
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