JP3765298B2 - ブロー成形方法及び同方法に使用する金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はブロー成形方法及び同方法に使用する金型に係り、さらに詳細には、例えば断面形状が4角形状の容器のごとく、偏平な側壁の間に角部を有する成形品をブロー成形するとき、上記角部の肉厚が他の部分より薄肉になることを抑制して全体の肉厚の均一化を図ることのできるブロー成形方法及び同方法に使用する金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば断面形状が4角形状の容器等をブロー成形する場合、押出機におけるダイ装置の環状の射出口からパイプ(パリソン)を下向きに射出成形し、このパリソンを、製品形状に形成したキャビティを備えた一対の金型によって挾み込むと共に金型の下部でもってパリソンを喰切り、パリソンに底部を形成する。
【0003】
その後に、ダイ装置の中央部に備えたコアに形成したエアー吹込み孔からパリソン内へエアーを吹込み、パリソンを膨脹せしめて金型内面に密着せしめ、かつ冷却固化せしめた後に金型から製品を取出すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パリソン1は円筒形状に成形されるのが一般的であるから、図20(A)に示すように、断面形状が4角形状のキャビティ3を備えた一対の分割金型5A,5Bの上記キャビティ3内において前記パリソン1を膨脹せしめて金型5A,5Bの内面に密着せしめると、パリソン1の1A部分が偏平部分1Bよりも薄肉になる傾向にある。
【0005】
すなわち、キャビティ3内においてパリソン1内にエアーを吹込んでパリソン1を膨脹せしめると、金型5A,5Bの内面に接触する迄は、全体の肉厚をほぼ均一に保持して円筒の径を拡大するように膨脹する。そして、図20(C)に示すように、パリソン1の外周面の一部1Bが金型5A,5Bの内面に接触すると、この一部1Bは膨脹を停止し、かつ内面に沿って滑ることもないので、当該一部1Bの部分は接触時の肉厚を保持する。
【0006】
その後、上記一部1B間の円弧状部分1Aが次第に膨脹し、最終的に金型5A,5Bの内面にパリソン1が全面的に密着するのであるが、前記円弧状部分1Aは次第に膨脹されて引き伸ばされるものであり、かつ金型5A,5Bの内面との接触点は次第に角部側へ移動するものであるから、パリソン1の円弧状部分1Aの肉厚は角部側ほど薄くなるものである。
【0007】
上述のごとく、全体的に均一でなく部分的に薄肉の箇所が有ると、製品の強度,剛性などが低下するという問題がある。また、部分的に薄肉になって肉厚差が生じると、成形収縮の差が大きくなって変形が大きくなると共に外観品質不良を発生することがある。
【0008】
さらに、製品の強度を確保しようとする場合には、最低肉厚部分を基準にしてパリソンを成形するので、製品全体の重量が増大してコストアップになる等の問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、ブロー成形方法において、パリソンを射出し型締めを行った後、パリソン内へエアーを吹込み、パリソンを膨脹する(a)工程と、パリソンが膨脹して当該パリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触したとき、当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動せしめてパリソンの肉厚の均一化を図る(b)工程と、金型内面にパリソンが密着した後にパリソンを冷却すると共にパリソン内へのエアーの吹込みを停止し、金型内から製品を取出す(c)工程と、よりなるものである。
【0010】
請求項2係る発明は、ブロー成形用の金型において、エアーの吹込みによって膨脹されるパリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触する傾向にあるとき、所定部分が金型内面に接触した後に当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動するためのシート部材を金型内面に備えているブロー成形用金型である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、シート部材は弾性部材よりなり、当該弾性部材を引き伸すための駆動源を備えているブロー成形用金型である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、シート部材は、パリソンとの接触時に熱膨脹する膨脹シートの両側に、熱を加えると収縮する収縮シートを備えた構成のブロー成形用金型である。
【0013】
請求項5に係る発明は、ブロー成形方法において、パリソンを射出し型締めを行う際、金型とパリソンとの間に、接触抵抗の小さな材質のフィルム状の弾性体を対称形かつ金型側が凸になるように階段状に積層した潤滑膜を挾持する(a)工程と、パリソン内へエアーを吹込んでパリソンを膨脹するとき、パリソンの膨脹に応じて潤滑膜を拡張してパリソンの肉厚の均一化を図る(b)工程と、パリソンと金型内面との間に潤滑膜を介在した状態において予備成形を行う(c)工程と、予備成形後の半製品を別工程で仕上げ成形を行う(d)工程と、よりなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態例について説明するに、特に、図7〜図11に示す実施形態が本願発明の要点を説明するものである。また、前述した従来の構成と同一機能を奏する構成部分には同一符号を付することにし、重複した説明は省略する。なお、以後の説明において一対の金型は対称的であるので、一方の金型のみを金型5として例示し、他方を省略して説明することにする。
【0015】
さて、図1を参照するに、金型5の適宜位置にはキャビティ3内へ高圧エアーを噴射するエアー噴射孔7が設けてある。このエアー噴射孔7は、押出機(図示省略)におけるダイ(図示省略)から射出されたパリソン1を金型5のキャビティ3内に挾み込み、パリソン1内にエアーを吹込んでブロー成形する際、パリソン1が膨脹されて、このパリソン1の所定部分が他の部分より早く金型内面に接触する傾向にあるとき、金型内面に対する前記所定部分の接触を遅らせるべく、パリソン1の前記所定部分へ高圧エアーを噴射するためのものである。
【0016】
上記構成により、押出機のダイからパリソン1を噴射し型締めを行った後、パリソン1内へエアーを吹込んでパリソン1を膨脹すると、パリソン1の所定部分が他の部分よりも金型内面(キャビティ3の内面)に早く接触する傾向にある。
【0017】
このように所定部分が他の部分りよも早く金型内面に接触する傾向にあるとき、金型5に設けたエアー噴射孔7からパリソン1の前記所定部分へ向けて高圧エアーを噴射すると、図1(B)に示すように、パリソン1の所定部分1Cは内側に窪むように変形されて金型5の内面への接触が遅れることになる。
【0018】
上述のごとく、パリソン1の一部を変形せしめ乍らパリソン1を膨脹せしめ、その後に前記エアー噴射孔7からの高圧エアーの噴射を停止すると、パリソン1は金型5の内面に密着することになる。この際、パリソン1の所定部分1C及びキャビティ3の角部3Cに対応した部分1D等はキャビティ3の内面にほぼ同時的に接触することになる。
【0019】
したがって、パリソン1の所定部分1Cがキャビティ3の内面に接触した後に、角部3Cに対応した部分1Dが引き伸ばされて肉薄になる傾向を抑制することができ、パリソン1全体の肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0020】
前述のごとくパリソン1が金型5の内面に密着した後、パリソン1を冷却し固化すると共にパリソン1内へのエアーの吹込みを停止し、金型5を開くことにより製品を金型5から取出すことができるものである。
【0021】
なお、エアー噴射孔7からの高圧エアーの噴射開始,減圧,停止等は、パリソン内へのエアーの吹込み開始等に関連して制御することが望ましいものである。
【0022】
前述のごとく、エアー噴射孔7から高圧エアーを噴射するに際し、高圧エアー源9又は高圧エアーの供給路に加熱器11を設けて高圧エアーを高温にすることが望ましい。
【0023】
上述のごとく、エアー噴射孔7から高温高圧のエアー13がパリソン1に噴射されると、膨脹過程にあるパリソン1の所定部分1Cは、他の部分よりも高温になり粘性が低下する。したがって、パリソン1の所定部分1Cは、高温高圧エアー13の作用により、図2に示すように、内側へ窪むように変形されると共に、パリソン1の内側に作用しているブロー圧によって全体が膨脹する際に、所定部分1Cの肉厚は、図2に示すように、他の部分よりも肉薄になる。
【0024】
上述のごとく、パリソン1の所定部分1Cを他の部分よりも予め肉薄に制御した後、高温高圧エアー13の噴射を停止すると、当該所定部分1Cは肉薄であるから窪みが迅速に解消されて金型5の内面に接触する。この際、所定部分1Cが金型5の内面に最初に接触し、キャビティ3の角部3Cに対応した部分1Dの接触が遅れて、当該角部対応部分1Dが膨脹されるときに次第に肉薄になる傾向にあっても、所定部分1Cは予め肉薄になっているので、結果として全体的な肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0025】
前述のごとく、金型5のキャビティ3内へ高圧エアーを噴射するためのエアー噴射孔7を金型5に形成すると、パリソン1がキャビティ3の内面に密着したとき、前記エアー噴射孔7内に樹脂が入り込みバリになることがある。そこで、エアー噴射孔7に開閉自在のバルブを設けることが望ましい。
【0026】
図3を参照するに、金型5のエアー噴射孔7には、エアー噴射孔7を閉じたときに、キャビティ3の内面と面一的になるバルブ15が設けてある。このバルブ15にはロッド部15Rが一体に設けてあり、このロッド部15Rの先端部に取付けたスプリング座17とエアー噴射孔7内に設けたスプリング座19との間には、例えばコイルスプリング等のごとき弾性部材21が弾装してあって、バルブ15がエアー噴射孔7を閉じる方向に付勢してある。なお、エアー噴射孔7の外側には蓋部材23が設けてあり、この蓋部材23にはエアー供給孔23Hが設けてある。
【0027】
上記構成において、エアー供給孔23Hからエアー噴射孔7内へ高圧エアーを供給すると、エアー噴射孔7内の圧力により、弾性部材21の付勢力に抗してバルブ15が移動され、エアー噴射孔7が開かれる。したがって、エアー噴射孔7からキャビティ3内に高圧エアーが噴射される。
【0028】
前記エアー噴射孔7への高圧エアーの供給を停止すると、弾性部材21の作用によってバルブ15がエアー噴射孔7を閉じるので、金型5のキャビティ3の内面にパリソン1が接触したとき、エアー噴射孔7内へ樹脂が入り込むことを防止できる。すなわち、エアー噴射孔7内へ樹脂の一部が入り込んでバリを発生するようなことがないものである。
【0029】
図4に示す構成は、バルブ15の開閉を行う構成として、例えばエアーシリンダのごとき適宜のアクチュエータ25を設け、このアクチュエータ25における往復動自在のロッド25Rと前記バルブ15とを連結した構成である。この構成においては、アクチュエータ25の作動を制御することにより、エアー噴射孔7の開閉を制御することができるものである。
【0030】
なお、エアー噴射孔7の開閉は、金型5に設けたエアー供給孔23Hからの高圧エアーの供給,停止に関連して行うものである。上記構成においても、エアー噴射孔7への樹脂の入り込みを防止でき、バリの発生を防止できるものである。
【0031】
図5に示す構成は、金型5に、キャビティ3内のエアーを吸引する吸引孔27を設けた構成である。上記吸引孔27は、パリソン1の例えば角部対応部分1Dのごとく、キャビティ3の内面への接触が遅れる傾向にある部分を吸引して、当該部分の膨脹を助長すべく機能するものであって、例えばキャビティ3の角部3Cのごとく、キャビティ3の内面に対するパリソン1の接触が遅れる傾向にある部分に対応して設けてある。
【0032】
上記構成においては、エアー噴射孔7からパリソン1へ向けて高圧エアーを噴射し、パリソン1の所定部分1Cに内側への窪みを生じさせると共に、吸引孔27からキャビティ3内のエアーを吸引することにより、キャビティ3の内面に対するパリソン1の接触が遅れる傾向にある部分、例えば角部対応部分1Dの膨脹を助長促進するものである。
【0033】
すなわち、キャビティ3の内面に対するパリソン1の接触が早くなる傾向にある部分には内方向への窪みが生じるように変形させて接触を遅らせ、キャビティ3の内面に対するパリソン1の接触が遅れる傾向にある部分には吸引によって外方向への突出部が生じるように変形させて接触を早めるものであるから、高圧エアーの噴射及び吸引孔27からのエアーの吸引を停止した後、ブロー圧によってパリソン1を膨脹せしめてキャビティ内面に接触せしめるとき、キャビティ3の内面に対してパリソン1の各部分はほぼ同時的に接触することになり、パリソン1における肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0034】
なお、吸引孔27に対しても樹脂の一部が入り込んでバリを発生することがあるので、吸引孔27にもバルブ15を設けて、吸引孔27の開閉を行う構成とすることが望ましい。この場合、図4に示した構成を採用して吸引孔27の開閉を行うことができる。
【0035】
図6に示す構成は、金型5におけるキャビティ3の内面に、例えばテフロン(登録商標)加工等により、パリソン1との接触抵抗の小さい物質の被膜29を設けた構成である。
【0036】
上記構成により、パリソン1を射出し型締めを行った後、パリソン1内へエアーを吹き込んで膨脹せしめると、パリソン1の所定部分1Cが他の部分、すなわち角部対応部分1Dよりも早くキャビティ内面に接触する。
【0037】
上述のごとく、パリソン1の所定部分1Cがキャビティ3の内面に接触した後、パリソン1をさらに膨脹すると、角部対応部分1Dがキャビティ3の角部3Cの方向(矢印A方向)に膨脹する。この際、パリソン1の角部対応部分1Dの両側部の一部分は、キャビティ3の内面に接触しているにも拘らず、被膜29の存在により接触抵抗が小さいので角部対応部分1Dの膨脹に対応して矢印B方向に移動し、角部対応部分1Dが肉薄になることを抑制するものである。
【0038】
したがって、前記構成によれば、成形品の全体的な肉厚の均一化を図ることができるものである。すなわち、ブロー成形において、パリソン1の所定部分が他の部分よりも早く金型内面に接触する傾向にあるとき、上記所定部分が金型内面に接触した後に当該所定部分の一部分を他の部分の膨脹に対応して他の部分の方向へ移動することにより、成形品の肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0039】
図7に示す構成は、パリソン1の所定部分1Cが金型5の内面に接触した後に、所定部分1Cの一部分を、図7に示すように、金型内面に沿って他の部分へ移動するためのシート部材31を設けた構成である。
【0040】
より詳細には、上記シート部材31は、例えばゴム等のごとく伸縮自在の弾性部材よりなるものであって、中央部は適宜の固定具33によって金型5の内面に取付けてある。上記シート部材31の両端部には、例えばワイヤ等のごとき適宜の紐状部材35が適数本連結してある。
【0041】
上記各紐状部材35は前記シート部材31を引張って伸ばす作用をなすものであって、金型5に穿設した貫通孔37から外部に突出し、適宜位置に設けた巻取装置39A,39Bに連結してある。この巻取装置39A,39Bは、例えばサーボモータ等によって回転されるドラムを備え、このドラムに前記紐状部材35を巻取る構成である。
【0042】
上記構成において、パリソン1内へのエアーの吹き込みによりパリソン1が膨脹し、パリソン1の所定部分1Cがシート部材31にほぼ全面的に接触したとき、左右の巻取装置39A,39Bを適宜に駆動して紐状部材35の巻込みを開始すると、シート部材31の両端部が引張られてシート部材31は次第に伸張される。
【0043】
上述のごとくシート部材31が伸張されると、パリソン1のシート部材31に接触した部分はシート部材31の伸張に従って引き伸ばされて一部分が角部対応部分1D側へ移動され、上記角部対応部分1Dが肉薄になることを抑制するものである。
【0044】
すなわち上記構成によれば、全体としての肉厚のほぼ均一化を図ることができるものである。
【0045】
ところで、図7に示す構成においては、巻取装置39A,39Bを別個に設けた構成にて例示してあるが、巻取装置を1つにして左右の紐状部材35を同時に巻取る構成とすることも可能なものである。
【0046】
図8に示す構成は、図7に示した紐状部材35に代えて、例えばシリコンゴム,バイトンゴム等よりなるシート部材31の両端縁部に熱収縮性のシート部材41を設けた構成である。このシート部材41としては、パリソン1の材質にもよるが、例えば熱収縮性のポリエチレンを使用することができる。
【0047】
上記構成においては、パリソン1の膨脹によりパリソン1の所定部分1Cがシート部材31に接触すると、熱伝導によりシート部材31が熱せられて熱膨脹すると共に、熱収縮性のシート部材41が収縮するので、パリソン1のシート部材31に接触した部分の一部が角部対応部分1D側へ移動され、角部対応部分1Dが肉薄になることを抑制するものである。
【0048】
図9に示す構成は、図7に示した紐状部材35等に代えて、シート部材31の裏面に適宜形状のバイメタル43を設けた構成である。すなわち、上記バイメタル43の一端側をシート部材31に連結し、他端側をキャビティ3の内面に固定した構成である。
【0049】
この構成においては、パリソン1の膨脹時にシート部材31に接触し、熱伝導によってバイメタル43が加熱され、熱変形する際にシート部材31の端部を引張って引き伸ばすものである。よって、パリソン1のシート部材31に接触した部分を引き伸ばして矢印方向に移動することになり、パリソン1の角部対応部分1Dが肉薄になることを抑制できるものである。
【0050】
図10に示す構成は、押出機におけるダイ45からパリソン1を射出し、型締めを行う際に、金型5とパリソン1との間に潤滑膜47を介在する構成である。
【0051】
前記潤滑膜47は、金型5及びパリソン1の両者との接触抵抗の小さな材質のテープ部材49、例えばテフロン(登録商標)テープなどの弾性テープ(フィルム)を適宜に積層してなるものであって、その両端部は金型装置などの適宜の固定部51に連結してある。
【0052】
より詳細には、前記潤滑膜47は、図11に示すように、パリソン1に対応した側面が凹状になるように、換言すれば金型5側が凸状になるように、テープ部材49を僅かにずらして左右対称形かつ階段状に積層した態様である。
【0053】
以上のごとき構成において、押出機のダイ45からパリソン1を射出すると、パリソン1は両側の対称位置に位置する潤滑膜47(一方は図示省略)に接触し、図11(B)に示すように、パリソン1の断面形状は楕円形状になる。その後、型締めを行うと、金型5とパリソン1との間に潤滑膜47が挾持される。なお、最も外側のテープ部材49Aは一対の金型5によって挾持される。
【0054】
前述のごとく型締めを行った後に、パリソン1内へエアーを吹き込んでパリソン1を膨脹せしめると、パリソン1と潤滑膜47のテープ部材49との間及び金型5のキャビティ内面とテープ部材49との間に滑りを生じ、パリソン1と金型5のキャビティ内面との間に潤滑膜47を介在した状態で密着状態となり、予備成形される。
【0055】
上述のごとく、パリソン1とキャビティ内面との間に、接触抵抗の小さな潤滑膜47を介在して、パリソン1がキャビティ内面に直接接触することを防止するものであるから、パリソン1がキャビティ内面に接触して移動を停止するようなことがないものであり、パリソン1の全体的な肉厚の均一化を図っての予備成形を行うことができるものである。
【0056】
なお、前述のごとく予備成形を行った後は、別工程において仕上の成形を行うものである。
【0057】
図12に示す構成は、金型(図示省略)の上方及び下方の位置にピンチ部材53U,53Lを配置した構成である。上記ピンチ部材53U,53Lは、押出機のダイ45からパリソン1を射出し型締めを行う前に、適宜方向からパリソン1を挾み込んで、パリソン1を、成形品の形状により近似するように予備成形するものである。
【0058】
なお、例えば下側のピンチ部材53Lに形成した切欠部53Nに対応して設けたブローピン55をパリソン1内に入れた状態においてピンチ部材53Lを閉じ、前記ブローピン55からエアーを吹き込むことにより、予備成形時におけるエアーの吹き込みを容易に行うことができるものである。
【0059】
また、例えば上側のピンチ部材53Uに切欠部(図示省略)を形成し、ダイ45からブローピン55に相当する部材を突出し、この部材からエアーを吹き込む構成とすることも可能である。
【0060】
上記構成においては、押出機のダイ45からパリソン1を射出し、金型(図12には図示省略)の型締めを行う前に、金型の上下両側に配置した各ピンチ部材53U,53Lによってパリソン1を挾み込み、成形品の形状に近似するように予備成形を行うものである。予備成形後は、通常のブロー成形と同様に型締めを行い、パリソン1内へエアーを吹き込んでブロー成形を行うものである。
【0061】
上記構成においては、型締めを行う前に成形品に近似するようにパリソン1の予備成形を行うものであるから、型締めを行ってブロー成形を行うとき、パリソン1全体は金型内面(キャビティ内面)に大略同時的に接触する態様となり、接触時の時間差が小さく、パリソン1の引き伸ばされる部分が小さくなるので、全体的にほぼ均一な肉厚分布の成形品を得易いものである。
【0062】
図13に示す構成は、金型5の対向面に、パリソン1の側部を挾持自在の可動入子57を備えた構成である。より詳細には、上記可動入子57は型締め前にパリソン1の側部を挾持して予備成形を行うもので、金型5の対向面に形成した凹部5Cに対して出入自在に設けてある。前記可動入子57の出入を行うために、金型5には、例えばエアーシリンダのごときアクチュエータ59が装着してあり、このアクチュエータ59に連結した往復動自在のロッド59Rと一体的に連結してある。
【0063】
上記構成においては、押出機のダイからパリソン1を射出し、金型5の型締めを行う前に、アクチュエータ59を作動して可動入子57を金型5の凹部5Cから押し出し、パリソン1の側部を挾持して成形品の形状に近似するように予備成形を行うものである。
【0064】
なお、この金型5は、前述の図12に示す構成と組合せて使用することにより、パリソン1の予備成形をより効果的に行うことができるものである。
【0065】
すなわち、金型5の上下部において上下のピンチ部材53U,53Lによりパリソン1の上下部を挾持して予備成形を行うと共に、可動入子57によってパリソン1の両側部を挾持して予備成形を行うことにより、パリソン1を成形品の形状により近似して予備成形を行うことができるものである。
【0066】
したがって、上述のごとき予備成形後に型締めを行ってブロー成形を行うことにより、金型内面に対するパリソン1全体の接触がほぼ同時的に行われる態様となり、全体的にほぼ均一な肉厚分布の成形品をより得易いものである。
【0067】
図14に示す構成は、金型5におけるキャビティ3の底部に凹部5Dを設け、この凹部5Dに対して出入自在の可動入子61を設けた構成である。より詳細には、上記可動入子61はパリソン1の一部の膨脹を制限してパリソン1の形状を金型形状、すなわちキャビティ3の形状に近似するように予備成形するものである。
【0068】
金型5の前記凹部5Dに対する可動入子61の出入を駆動制御するために、金型5には駆動制御装置の一例として、例えばエアーシリンダ等のごとき適宜のアクチュエータ63が装着してあり、このアクチュエータ63に連結した往復動自在のロッド63Rが可動入子61に連結してある。
【0069】
以上のごとき構成において、パリソン1を射出し型締めを行う際、アクチュエータ63を作動して可動入子61を金型5の凹部5Dから予め突出せしめておくことにより、上記可動入子61がパリソン1の一部に当接し、パリソン1の一部に変形を与えて金型形状(キャビティ3の形状)に近似するようにパリソン1の予備成形を行うことになる。
【0070】
上述のごとく可動入子61をパリソン1に当接せしめて予備成形を行った後、型締めを行うと共にパリソン1内へエアーを吹き込んでブロー成形を行うものである。この際、アクチュエータ63を適宜に制御して、ブロー圧によって膨脹するパリソン1の膨脹に対応して可動入子61を徐々に凹部5Dに没入するものである。
【0071】
なお、可動入子61の形状や個数は、成形品の形状(キャビティ3の形状)に応じて適宜に設ければ良いものである。また、前記可動入子61がパリソン1に接触する接触面は、接触抵抗が小さくなるように、例えばテフロン(登録商標)加工等を行うことが望ましいものである。
【0072】
前記構成によれば、型締めを行ってブロー成形を行う前に、パリソン1の一部の膨脹を制限してパリソン1の形状が製品形状(キャビティ3の形状)に近似するように予備成形するものであるから、金型内面に対するパリソン1の接触は全体がほぼ同時的に行われる態様となり、全体的に均一な肉厚の成形品を得易いものである。
【0073】
図15の構成は、一対の金型5の間に、パリソン1を側方から押圧して変形せしめるための一対の押え板65を往復動自在に備えた構成である。より詳細には、前記押え板65は、パリソン1を押圧変形せしめると共に、パリソン1と押え板65との接触部分が肉厚になり、非接触部分が肉薄になるように予備成形するものである。
【0074】
上記押え板65の往復作動を駆動制御するために、例えばエアーシリンダのごとき適宜のアクチュエータ67が設けてあり、このアクチュエータ67に備えた往復動自在のロッド67Rが前記押え板65に連結してある。なお、金型5には、型締め時に前記ロッド67Rが係合する係合凹部5Eが形成してあると共に、前記押え板65が係合自在の係合段部5Fが内面に形成してある。
【0075】
以上のごとき構成において、パリソン1を射出し型締めを行う際に、左右のアクチュエータ67を作動して左右の押え板65が互いに接近するように移動すると、パリソン1は左右の押え板65によって左右から押圧され、断面形状が長円形状を程するように変形される。
【0076】
上述のごとく押え板65がパリソン1に接触し押圧すると、パリソン1の押え板65との接触部分は接触抵抗により移動することなく接触時の肉厚を維持するので、円弧状の非接触部分1Eが肉薄になる傾向にある。
【0077】
すなわち、パリソン1は、左右の押え板65によって押圧されることにより、断面形状が非円形状になるように予備成形されると共に、パリソン1に肉厚部分と肉薄部分とが生じるように予備成形されるものである。
【0078】
上述のごとく、左右の押え板65によってパリソン1を押圧し変形せしめて予備成形を行った後、型締めを行うと、パリソン1の円弧状の肉薄部分1Eがキャビティ3の内面に早期に接触し、当該部分1Eの肉厚は接触時の肉厚に維持される。
【0079】
その後、ブロー圧によるパリソン1の膨脹に対応して次第に開くように左右の押え板65を互いに左右方向に移動すると、パリソン1と左右の押え板65との間に相対的な滑りを生じる態様となり、押え板65との接触部分から樹脂の1部が移動される態様となってパリソン1がキャビティ3の内面に次第に密着されるので、パリソン1のキャビティ3の内面への密着部分に限っての肉厚はほぼ均一になるものである。
【0080】
なお、左右の押え板65は係合段部5Fに係合し、押え板65の内面はキャビティ3の内面と連続するように面一になるものである。
【0081】
以上のごとき構成によれば、左右の押え板65によってパリソン1を予め押圧して異形状(成形品に近似する形状)に予備成形すると共に、ブロー成形時に引き伸ばされて次第に肉薄になる肉厚部分と、金型内面に早期に接触してその後に肉厚を変化しない肉薄部分が生じるように予備成形するものであるから、結果として全体的には肉厚がほぼ均一になるように製品をブロー成形し易いものである。
【0082】
図16に示す構成は、ダイ45においてパリソン1を射出する環状の射出口69の内側のマンドレル又はコア71に、パリソン1へ向けて低温のエアーを噴射するエアーノズル73を設けた構成である。
【0083】
上記エアーノズル73は、型締めを行ってブロー成形を行う前に、パリソン1のブロー成形時に肉薄になる傾向にある所定部分へエアーを吹き付けて、上記所定部分を周囲の他の部分よりも低温化するためのものである。上記エアーノズル73は、放射外方向へエアーを噴射するように複数設けることも可能であるが、適数のエアーノズル73を水平に旋回可能に設けて、種々の放射外方向へエアーを噴射できる構成とすることが望ましいものである。
【0084】
以上のごとき構成において、ダイ45からパリソン1の射出成形時に、又は型締めを行う前に、パリソン1のブロー成形時に肉薄になる傾向にある所定部分へエアーノズル73からエアーを噴射すると、上記所定部分1Fは周囲の他の部分よりも低温になる。その後に、型締め(図16には金型は省略)を行い、パリソン1内へエアーを吹き込んでブロー成形を行うとき、前記所定部分1Fは周囲の他の部分より低温であるので、パリソン1の膨脹時に前記所定部分1Fの伸びが抑制されることになり、前記所定部分1Fが肉薄になる傾向にある部分であっても、肉薄になることを抑制されるものである。
【0085】
したがって、成形品としては、肉厚が全体的にほぼ均一になるものである。
【0086】
すなわち、前記構成においては、パリソン1における所定部分1Fを周囲の他の部分より低温にすることにより、パリソン1の全体における温度分布を異にして、ブロー成形時におけるパリソン1の膨脹過程における伸びの不均一化を図って肉厚分布を制御するものであるから、最終的には全体として肉厚がほぼ均一な成形品を得ることができるものである。
【0087】
図17に示す構成は、低温のエアーを噴射するノズル73に代えて、高圧エアーを噴射するエアーノズル75を設けた構成である。このエアーノズル75は、高圧エアーをパリソン1へ噴射しパリソン1に予め変形を与えて、パリソン1を成形品形状に近似するように予備成形を行うためのものである。
【0088】
以上のごとき構成において、ダイ45からのパリソン1の射出成形時又は金型(図示省略)の型締めを行う前に、エアーノズル75からパリソン1の所望部分へ向けて高圧エアーを噴射すると、パリソン1の所望部分が外方向へ突出変形され、成形品に近似するように予備成形される。上述のごとくパリソン1の予備成形を行った後、型締めを行いブロー成形を行うものである。
【0089】
すなわち、上記構成においては、エアーノズル75からパリソン1の所望部分へ高圧エアーを噴射してパリソン1に変形を付与し、成形品に近似するように予備成形を行った後に型締めを行ってブロー成形を行うものであるから、全体として肉厚がほぼ均一な成形品を得易いものである。
【0090】
図18に示す構成は、エアーノズル75に対応して外側からパリソン1の吸引を行う吸引ノズル77を設けた構成である。
【0091】
この構成においては、前述したように、エアーノズル75から高圧エアーを噴射してパリソン1に突出するように変形を与えるとき、上記エアーノズル75に対応して吸引ノズル77が吸引するので、パリソン1の予備成形を効果的に行うことができると共に、予備成形の形状精度をより向上することができるものである。
【0092】
ところで、低温のエアーを噴射するエアーノズル73と高圧エアーを噴射するエアーノズル75とを個別に設けることも可能であるが、この場合にはエアーノズルの数が多くなるので、例えばエアーノズル73に対して低温エアー源と高圧エアー源とを切換可能に接続することにより、1つのエアーノズル75でもって低温のエアーの噴射と高圧エアーの噴射とを切換えて行うことができるものである。
【0093】
すなわち、図19に示すように、エアーノズル73からパリソン1の所定部分1Fへ低温のエアーを噴射して局部的に低温化した後に、エアーノズル73の接続を高圧エアー源に切換え、パリソン1の所望部分1Gへ高圧エアーを噴射して変形を与えることができる。
【0094】
したがって、ダイ45からのパリソン1の射出成形時又は金型の型締めを行う前に、成形時に肉薄になる傾向にある所定部分1Fへ低温のエアーを噴射して上記所定部分1Fを周囲の部分よりも低温にした後、パリソン1の所望部分1Gへ高圧エアーを噴射して成形品の形状に近似するように予め変形を与えることができる。
【0095】
上述のごとく、パリソン1の所定部分1Fを周囲の部分より低温にし、かつ所望部分1Gの予備成形を行った後、型締めを行いブロー成形を行うことにより成形品を得ることができるものである。
【0096】
この際、パリソン1は予め局部的に低温にし、かつ予備成形を行った後にブロー成形を行うものであるから、成形品としては、全体的に肉厚がほぼ均一な成形品を得易いものである。
【0097】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、請求項1に係る発明は、ブロー成形方法においてパリソンを射出し型締めを行った後、パリソン内へエアーを吹込み、パリソンを膨脹する(a)工程と、パリソンが膨脹して当該パリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触したとき、当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動せしめてパリソンの肉厚の均一化を図る(b)工程と、金型内面にパリソンが密着した後にパリソンを冷却すると共にパリソン内へのエアーの吹込みを停止し、金型内から製品を取出す(c)工程と、よりなるものであるから、パリソンの金型内面に早期に接触した部分が遅れて接触した部分よりも肉厚になることを抑制でき、全体としての肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0098】
請求項2に係る発明は、ブロー成形用の金型において、エアーの吹込みによって膨脹されるパリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触する傾向にあるとき、所定部分が金型内面に接触した後に当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動するためのシート部材を金型内面に備えているものであるから、パリソンの所定部分の一部を他の部分の方向へ移動して、他の部分が肉薄になることを防止することができ、全体の肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0099】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、シート部材は弾性部材よりなり、当該弾性部材を引き伸すための駆動源を備えているものであるから、ブロー成形時にパリソンの所定部分の一部を他の部分側へ確実に移動することができ、成形品の全体の肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0100】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、シート部材は、パリソンとの接触時に熱膨脹する膨脹シートの両側に、熱を加えると収縮する収縮シートを備えた構成であるから、ブロー成形時にパリソンの所定部分側から他の部分側への樹脂の1部の移動を行うことができ、成形品としての全体の肉厚の均一化を図ることができるものである。
【0101】
請求項5に係る発明は、ブロー成形方法においてパリソンを射出し型締めを行う際、金型とパリソンとの間に、接触抵抗の小さな材質のフィルム状の弾性体を対称形かつ金型側が凸になるように階段状に積層した潤滑膜を挾持する(a)工程と、パリソン内へエアーを吹込んでパリソンを膨脹するとき、パリソンの膨脹に応じて潤滑膜を拡張してパリソンの肉厚の均一化を図る(b)工程と、パリソンと金型内面との間に潤滑膜を介在した状態において予備成形を行う(c)工程と、予備成形後の半製品を別工程で仕上げ成形を行う(d)工程と、よりなるものである。
【0102】
したがって、潤滑膜の介在によりパリソンと金型内面との間の接触抵抗が小さく、パリソンのブロー成形時に、早期に接触した部分の樹脂の一部分を他の部分側へ移動することができ、他の部分が肉薄になることを抑制することができるものである。すなわち、成形品の全体としての肉厚の均一化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】パリソンにエアーを噴射して変形を与えることのできる金型の説明図である。
【図2】パリソンの変形態様の説明図である。
【図3】金型のエアー噴射孔を開閉自在のバルブの作用説明図である。
【図4】金型のエアー噴射孔を開閉自在のバルブの作用説明図である。
【図5】パリソンにエアーを噴射すると共にエアーを吸引して変形を与えることのできる金型の説明図である。
【図6】キャビティ内面に接触抵抗の小さい被膜を設けた金型の説明図である。
【図7】キャビティ内面にシート部材を設けた構成の金型の説明図である。
【図8】キャビティ内面にシート部材を設けた構成の金型の説明図である。
【図9】キャビティ内面のシート部材の別態様の説明図である。
【図10】パリソンと金型内面との間に介在する潤滑膜の説明図である。
【図11】パリソンと金型内面との間に介在する潤滑膜の作用説明図である。
【図12】パリソンの上下部を挾み込み自在のピンチ部材の説明図である。
【図13】パリソンの側部を挾み込み自在の可動入子を備えた金型の作用説明図である。
【図14】パリソンの膨脹を抑制可能の可動入子を備えた金型の作用説明図である。
【図15】パリソンを両側から押圧可能の押え板を備えた構成の作用説明図である。
【図16】エアーノズルを備えたダイ装置の作用説明図である。
【図17】エアーノズルを備えたダイ装置の作用説明図である。
【図18】エアーノズルを備えたダイ装置の作用説明図である。
【図19】パリソンに温度分布の不均一化を与えかつ予備成形を行った際の作用説明図である。
【図20】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 パリソン
3 キャビティ
5 金型
7 エアー噴射孔
15 バルブ
27 吸引孔
29 被膜 31,41 シート部材
45 ダイ
47 潤滑膜
49 テープ部材
53U,53L ピンチ部材
57,61 可動入子
65 押え板
73,75 エアーノズル
77 吸引ノズル
Claims (5)
- ブロー成形方法において次の各工程よりなることを特徴とするブロー成形方法。
(a)パリソンを射出し型締めを行った後、パリソン内へエアーを吹込み、パリソンを膨脹する工程、
(b)パリソンが膨脹して当該パリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触したとき、当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動せしめてパリソンの肉厚の均一化を図る工程、
(c)金型内面にパリソンが密着した後にパリソンを冷却すると共にパリソン内へのエアーの吹込みを停止し、金型内から製品を取出す工程。 - ブロー成形用の金型において、エアーの吹込みによって膨脹されるパリソンの所定部分が他の部分より早く金型内面に接触する傾向にあるとき、所定部分が金型内面に接触した後に当該所定部分の一部分を金型内面に沿って前記他の部分の方向へ移動するためのシート部材を金型内面に備えていることを特徴とするブロー成形用金型。
- 請求項2に記載の発明において、シート部材は弾性部材よりなり、当該弾性部材を引き伸すための駆動源を備えていることを特徴とするブロー成形用金型。
- 請求項3に記載の発明において、シート部材は、パリソンとの接触時に熱膨脹する膨脹シートの両側に、熱を加えると収縮する収縮シートを備えた構成であることを特徴とするブロー成形用金型。
- ブロー成形方法において次の各工程よりなることを特徴とするブロー成形方法
(a)パリソンを射出し型締めを行う際、金型とパリソンとの間に、接触抵抗の小さな材質のフィルム状の弾性体を対称形かつ金型側が凸になるように階段状に積層した潤滑膜を挾持する工程、
(b)パリソン内へエアーを吹込んでパリソンを膨脹するとき、パリソンの膨脹に応じて潤滑膜を拡張してパリソンの肉厚の均一化を図る工程、 (c)パリソンと金型内面との間に潤滑膜を介在した状態において予備成形を行う工程、
(d)予備成形後の半製品を別工程で仕上げ成形を行う工程。
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