JP2571424B2 - カーペットの製造方法 - Google Patents

カーペットの製造方法

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JP2571424B2 JP63251439A JP25143988A JP2571424B2 JP 2571424 B2 JP2571424 B2 JP 2571424B2 JP 63251439 A JP63251439 A JP 63251439A JP 25143988 A JP25143988 A JP 25143988A JP 2571424 B2 JP2571424 B2 JP 2571424B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカーペットの製造方法に関し、更に詳細に
は、特定のカーペットバッキング組成物によってバッキ
ングされたカーペットの製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、カーペットバッキング用組成物は、共重合体ラ
テックスに無機充填剤および必要に応じて分散剤、老化
安定剤、消泡剤、発泡剤、架橋剤などを添加し、さらに
増粘剤によって適度な粘度に調整することによって製造
されている。
かかるカーペツトバッキング用組成物は、タフテッド
カーペット、編みカーペットまたはフックカーペットな
どのバッキングを施されるカーペットのすべてに適用さ
れる。また、その際のバッキング方法としては、例えば
タフテッドカーペットの場合、ポリプロピレン製などの
一次基布にナイロン捲縮糸、ポリエステル捲縮糸などの
タフト糸をタフトして得られる生機の裏面に、カーペッ
トバッキング用組成物を塗布しそのまま熱風乾燥する
か、該組成物を塗布後さらにジュート織布、合成繊維不
織布などの二次基布を貼り合せて熱風乾燥することによ
り、タフテッドカーペットとされる。
したがって、カーペットバッキング用組成物の要求特
性としては、製造工程または製品におけるタフト糸の抜
糸強度および一次基布と二次基布との剥離強度が高いこ
と、乾燥工程において乾燥効率がよく、しかも該組成物
の耐ブリスター性(火ぶくれを生じないこと)などが必
要とされる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のカーペットバッキング用組成物
では、前記要求特性のすべてを満たす組成物は残念なが
ら見出されてはいない。
特に、近年、カーペット加工製造工程において、生産
性を高めるために大型乾燥機を用いて高温、高風量の条
件下で乾燥機内のカーペット走行スピードを速くした乾
燥方法が採用されているが、この方法において耐ブリス
ター性、乾燥不足による抜糸強度または一次基布と二次
基布との剥離強度の低下等が問題となってきた。この問
題を解決するため、耐ブリスター性、乾燥性の良好なカ
ーペットバッキング用組成物が望まれ、該組成物中の固
形成分濃度を高める方法が提案されているが、この方法
では、該組成物の流動性、充填剤の分散性および粘度安
定性などが悪くなり、充分に前記問題を解決するに至っ
ていない。また、この方法では、共重合体ラテックスの
高濃度化が必要であり、共重合体ラテックスの製造面で
も問題があった。すなわち、前記組成物を高濃度化する
ためには、例えば組成物を構成する共重合体ラテックス
の粒子径を大きくし、粘度低下を生じさせなければなら
ないが、その結果重合工程で凝固が発生し大きな問題と
なる。
本発明の目的は、前記従来の技術的課題を解決し、抜
糸強度および剥離強度が高く、乾燥工程における乾燥効
率、耐ブリスター性が良好なカーペットの製造方法を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためカーペットのブリスター発生
のメカニズムを鋭意研究の結果、発生原因は、カーペッ
トバッキング組成物の乾燥機内での急激な温度上昇によ
り、組成物の粘度低下によるラテックスと無機充填剤
等のマイグレーション、表面層の皮膜化、が原因で逃
げ場を失った水分が突沸してブリスターとなることが原
因として分った。
したがつて、ブリスターを防止するためにはカーペッ
トバッキング組成物のマイグレーション防止、表面の皮
膜化防止が必要であることが見出された。
また耐ブリスター性を改良する他の方法として、カー
ペットバッキング用組成物に有機ポリシロキサンを配合
する方法(特公昭56−44191号)や、デンプンを配合す
る方法(特開昭54−126242号)が提案されているが、充
分なブリスター防止には至っておらず、またカーペット
バッキング用組成物の経時安定性、腐敗等に問題があ
り、未だ満足すべきものではない。
本発明は、特定のカーペットバッキング組成物をカー
ペット生機に塗布後、塗布面をスチームにより加熱し塗
布された組成物の温度を上げることで、続く熱風乾燥機
内で組成物の急激な温度上昇を避けることができ、カー
ペットバッキング組成物のマイグレーションと表面の皮
膜化を防止できることを見出した。その結果、耐ブリス
ター性、乾燥性及び二次基布との初期剥離強度向上によ
る耳ばなれを防止(不良品の発生防止)することがで
き、剥離強度、抜糸強度の強い、優れたカーペットを得
た。更にビッグパイル、グラフィックパイル等の生機に
ジュートを貼り合せるスタイルのカーペットで優れた性
能を得ることができた。
すなわち、本発明は、(a)脂肪族共役ジエン系単量
体、炭素数が2〜10のアルキル基を有するアクリル酸エ
ステルまたは/および炭素数が6〜14のアルキル基を有
するメタクリル酸エステルから選ばれる1種以上の単量
体25〜65重量%と、(b)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体0.5〜8重量%と、(c)これらと共重合可能な
他の単量体27〜74.5重量%とを乳化重合して得られる、
トルエン不溶分が40〜98重量%、平均粒子径が700〜300
0Åの共重合体ラテックス(固形分)100重量部当り、無
機充填剤100〜750重量部からなる、カーペットバッキン
グ組成物を生機に塗布し、スチームで予備加熱後熱風乾
燥機で本乾燥することを特徴とするカーペットの製造方
法を提供するものである。
本発明において、共重合体ラテックスに使用される
(a)成分である脂肪族共役ジエン系単量体としては、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタ
ジエンなどが挙げられるが、これらの内1,3−ブタジエ
ンが好ましい。炭素数が2〜10のアルキル基を有するア
クリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが、ま
た炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタクリル酸エ
ステルとしては、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ラウリルなどが挙げられる。これらの脂肪族
共役ジエン系単量体、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル単量体は、1種単独で、または2種以上を併
用することができる。
これらの単量体は、得られる共重合体ラテックスに適
度な柔軟性と接着強度を与えるために必須の成分であ
り、その割合は共重合体ラテックス原料中25〜65重量
%、好ましくは30〜60重量%である。25重量%未満では
柔軟性、接着強度に劣り、一方65重量%を超えると得ら
れるラテックスの安定性が劣り、カーペットが柔軟す
ぎ、また剥離強度も低いものとなる。
また、本発明に用いる(b)エチレン系不飽和カルボ
ン酸単量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、
メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられ
る。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1
種単独で、または2種以上を併用することもできるが、
アクリル酸とメタクリル酸の適当量の組合せが好まし
い。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は0.5
〜8重量%、好ましくは0.7〜7.5重量%である。0.5重
量%未満では重合時のラテックスの安定性が悪く凝固物
が生成し易く、また得られるラテックスの機械的、化学
的安定性が悪く、さらに得られるカーペットバッキング
用組成物に経時変化が見られ好ましくない。一方、8重
量%を超えると得られるラテックスの粘度が高く、また
安定性も悪いため実用性に欠けるものとなる。
さらに、(c)上記各単量体と共重合可能な他の単量
体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、酢酸ビニル、アクリルアミド、炭素数1〜5のメタ
クリル酸アルキルエステル、好ましくはメタクリル酸メ
チルなどが挙げられる。
このうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチ
レンが好ましい。
さらに、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、このうち
アクリロニトリルが好ましい。これら他の単量体は、1
種単独でも、または2種以上を併用することもできる。
特に、他の単量体として、メタクリル酸メチルを使用し
て共重合させる場合には、重合安定性を著しく向上させ
ることができるので好適に適用される。
これら(c)他の単量体の使用量は、共重合体ラテッ
クス原料中27〜74.5重量%、好ましくは30〜69.5重量%
である。27重量%未満のラテックスを使用したカーペッ
トバッキング用組成物では得られるカーペットの風合が
柔かくなりすぎ、一方74.5重量%を超えると逆に硬くな
りすぎ、取扱い施工上に支障があり、またカーペットの
主要物性である抜糸強度、二次基布との剥離強度が劣
る。
本発明は、上記各単量体を乳化重合してまず共重合体
ラテックスを得るものであるが、ここで、乳化剤として
は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム、琥珀酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウ
ムなどのアニオン系乳化剤、あるいはポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテルなどのノニオン系乳化剤の1種または2種以
上を用いることができる。特に、本発明の効果が著しく
発揮できる乳化剤としては、ジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウムが挙げられる。
乳化剤の使用量は、通常、単量体の総重量に対して
(以下同様)0.2〜4.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量
%である。乳化剤の使用量が少なすぎると凝固物を発生
するなど、重合安定性が悪くなり、一方、使用量が多す
ぎると共重合体ラテックスの平均粒子径が小さくなり、
カーペットバッキング用組成物の製造に際して後記する
充填剤の分散性が悪くなり、配合後に粘度の経時変化を
生じる。
また、前記重合反応における重合度を低下させ、ほぼ
理想的な連鎖移動反応を起させるために用いられる連鎖
移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、t−ヘ
キシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなどの
メルカプタン類、四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン系化合物が、通常、0〜0.5重量%使用される。
さらに、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開
始剤、クメンハイドロパーオキサイド、イソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロ
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機
過酸化物、過酸化水素などが挙げられるが、特にクメン
ハイドロパーオキサイドを使用すると本発明の目的とす
る乾燥効率の優れた共重合体ラテックスが得られる。か
かる重合開始剤の使用量は、好ましくは0.03〜2.5重量
%、特に好ましくは0.05〜2.0重量%である。
なお、乳化重合を促進させるために、例えばピロ重亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸第一鉄、グルコース、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート、L−アスコルビン酸、亜硫酸
水素ナトリウムなどの還元剤、グリシン、アラニン、エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併
用することもできる。
乳化重合は、前記乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤な
どのほかに、必要に応じて各種電解質、pH調整剤などを
併用し、例えば前記単量体(a)〜(c)100重量部に
対して水100〜300重量部と前記乳化剤、連鎖移動剤、重
合開始剤などを前記範囲内の量で使用し、重合温度5〜
80℃、好ましくは30〜50℃、重合時間15〜30時間の重合
条件下で、得られる共重合ラテックス中の平均粒子径が
700〜3000Å、好ましくは750〜2800Åになるように行わ
れる。得られる平均粒子径が700Å未満では耐ブリスタ
ー性が悪く、またカーペットバッキング用組成物の粘度
に経時変化が見られる。一方3000Åを超えると増粘剤を
多量に使用する必要が生じ、価格面で好ましくない。ま
たカーペットバッキング用組成物の流動性が低下し作業
性が悪くなる。
乳化重合する際の各単量体(a)〜(c)の添加方法
は、特に制限されるものではなく、一括添加法、連続添
加法あるいは分割添加法などの任意の方法が採用され
る。
得られる共重合体ラテックスの重合転化率は99.0%以
上であることが好ましい。
なお、共重合体ラテックスの平均粒子径は、該共重合
体ラテックスをオスミウム酸で処理した後、倍率30,000
倍の電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子径を測定し
て数平均することにより求められる。
共重合体ラテックスのトルエン不溶分は40〜98重量
%、好ましくは50〜95重量%である。40重量%未満であ
ると乾燥性、剥離強度が劣り、一方、98重量%を超える
と剥離強度、抜糸強度が劣る。
トルエン不溶分の測定方法は、実施例に示された方法
によるものである。
本発明のカーペットバッキング用組成物は、通常、そ
の粘度が20,000〜40,000cps、好ましくは25,000〜35,00
0cps、またその固形分濃度が55〜85重量%、好ましくは
60〜80重量%になるように、増粘剤と必要に応じて水を
転化して調製される。前記粘度が20,000cps未満ではカ
ーペットへの浸透性が大きくなり、剥離強度が弱くな
る。一方、40,000cpsを超えると塗工性が悪くなり、ム
ラが生じる。また、前記固形分濃度が55重量%未満では
水分が多すぎて乾燥効率が悪く、その結果抜糸強度、剥
離強度が低下する場合があり、85重量%を超えると乾燥
性は良くなるが組成物粘度が上昇して塗工効率が悪化し
たり、塗工ムラが生じて、剥離強度、風合などの品質に
バラツキが生じる。
次に、本発明に使用される充填剤としては、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ク
レイ、硫酸バリウム、ケイ酸、ケイ酸塩、酸化チタン、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機系充填剤
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの充填剤は、1種単独でも、または2種以
上を併用することもできる。
なお、共重合体ラテックスと充填剤との使用割合は、
該ラテックス100重量部(固形分)に対して充填剤が100
〜750重量部、好ましくは150〜700重量部程度である。
充填剤量が100重量部未満では耐ブリスター性が劣り、7
50重量部を超えると剥離強度、抜糸強度及び乾燥性が劣
るため好ましくない。
以上のように、本発明のカーペットバッキング用組成
物は、共重合体ラテックスおよび無機充填剤を主成分と
するが、必要に応じてさらに分散剤、消泡剤、架橋剤、
発泡剤、着色剤、難燃剤、防腐剤、老化防止剤、安定
剤、加硫促進剤、帯電防止剤、pH調整剤などを加えるこ
とができる。
先記に述べたカーペットバッキング用組成物の効果
は、後述するカーペット生機に塗布され、スチーム予備
加熱及び本乾燥をすることで達成することができ、従来
の課題を解決するに至った。
次に本発明の乾燥システムに就いて説明する。
本発明のカーペットの乾燥システムは、第1図のよう
に従来と異なり熱風乾燥の直前で、スチームにより、塗
布された組成物を予備加熱する。第1図において、1は
カーペット生機、2はコンパウンドバス、3はバッキン
グ組成物、4は二次基布、5はスチーム加熱機、6は熱
風乾燥機、7は巻き取られたカーペットである。
スチームによる予備加熱の条件としては、スチームを
下部から上部に向け、組成物に吹き付けるのが好まし
い。
すなわち、本発明の目的とする効果は、カーペットバ
ッキング剤として上記の特定のバッキング組成物を用
い、かつ、スチームで加熱後本乾燥を行う乾燥工程の両
条件を満足することで達成されるものである。
本発明の特徴である乾燥システムにおいてはスチーム
による予備加熱工程を設け、塗布されたカーペットバッ
キング組成物の温度を上げて、ひき続き高温、熱風によ
る本乾燥に導くシステムで乾燥性、耐ブリスター性を改
良した。
第2図に示すようなスチーム予備加熱のない従来の乾
燥システムでは、乾燥性が悪く、従って、乾燥機の温度
を上げて乾燥を試みるが、耐ブリスター性が悪くなり、
乾燥後のカーペット主要物性である抜糸強度、剥離強度
が弱い。
以上のように、本発明は、特定のカーペットバッキン
グ組成物を、カーペット生機に塗布後、スチームによる
予備加熱で組成物の温度を上げ、本乾燥で、より乾燥し
易くした。すなわち、カーペットバッキング組成物と乾
燥システムの組合せ効果により、目標とするカーペット
諸物性を得た。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、実施例中における部および%は特に断わらない限
り、重量基準である。
実施例中における各種の試験方法は、下記のとおりで
ある。
(1)剥離強度 JIS L−1021の敷物試験方法により測定した。すなわ
ち、ポリプロピレン製の一次基布にナイロン捲縮糸をタ
フトしてなる生機に固形分濃度73%のバッキング用組成
物を塗布し、次いで二次基布として7オンスジュートを
圧着して貼り合せ第2表に示した条件で乾燥後、二次基
布と生機の剥離強度を測定した。
(2)初期剥離強度 ポリプロピレン製の一次基布にナイロン捲縮糸をタフ
トしてなる生機に固形分濃度73%のバッキング用組成物
を塗布し、次いで二次基布として7オンスジュートを圧
着して貼り合せ、第2表で示した乾燥条件で120℃で乾
燥した際の初期[貼り合せ後、3分(A)、7分後
(B)]の剥離強度をJIS L−1021に準じて測定した。
(3)抜糸強度 JIS L−1021に準じて(1)と同条件によりパイル1
本の引き抜き強度を測定した。
(4)初期抜糸強度 JIS L−1021に準じて(2)と同条件によりパイル1
本の引き抜き強度[貼り合せ後、3分(A)、7分後
(B)]を測定した。
なお、初期剥離強度、初期抜糸強度が強いことは、耳
ばなれ(不良品発生)防止につながることを示す。
(5)耐ブリスター性 未乾燥カーペットを温度180℃の熱風乾燥機中に入れ
て乾燥中に生じるブリスター(火ぶくれ)を目視により
観察し判定した。判定は、1〜5級の等級で行った。1
級はブリスターが全く発生しなかったものであり、5級
はブリスターが全面に発生したものである。
(6)含水率 木材水分計(ケット社製、M−SA型)を用い、カーペ
ットの二次基布側より針を突き刺し、カーペットの含水
率を測定した。含水率が多い場合には、乾燥初期の剥離
強度が弱く、加工後(120℃×20分乾燥)の乾燥性が悪
いことを示す。したがって製品の剥離強度が弱いことを
示す。
(7)トルエン不溶分の測定方法 共重合体ラテックス試料をpH8.0に調節し、ラテック
ス中の共重合体をイソプロパノールで凝固させた後、得
られた固形分を洗浄、乾燥した。この固形分約0.3g(全
固形分量A)をトルエン100mlに室温で20時間浸漬した
後、No.2定性ろ紙を用いてろ過した。ろ液の一部(Cm
l)を正確に採取して、蒸発乾固させ、得られた残存固
形分(トルエン可溶分)(トルエン可溶分量B)を秤量
し、下記式によってトルエン不溶分を決定した。
なお、上記乾燥工程で行われるスチーム予備加熱の条
件は、組成物を生機に塗布し2次基布と貼り合せた後、
100℃スチームをバッキング面に向けて30秒間吹き付け
た。
実施例1〜6、比較例1〜11 第1表に示す種々の仕込み組成の単量体100部、乳化
剤、連鎖移動剤および重合開始剤のほかに、L−アスコ
ルビン酸0.07部、硫酸第一鉄0.005部、エチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム0.01部および水200部をステンレス
製反応器に仕込み、重合温度35〜60℃で20時間撹拌して
重合を行い、共重合体ラテックスA〜Mを得た。重合は
一括仕込みで行ったが、得られたラテックスの重合転化
率はいずれも99.0%以上で、重合安定性はラテックスF
及びIを除いて良好であり、凝固物はほとんどなかっ
た。
第1表に得られた共重合体ラテックスの重合率および
平均粒子径を併せて示した。なお、平均粒子径は前記顕
微鏡法に準じて測定した値である。
次に、このようにして得られた共重合体ラテックスA
〜L100重量部(固形分)に対し、第2表に示す組成の配
合物のほか、ピロリン酸カリウム0.8重量部、ポリオキ
シエチレンノニルフェノールエーテル1.5重量部、スチ
レン化フェノール1.0重量部を配合し、続いて充填剤で
ある重質炭酸カルシウムを添加し、充分に分散後、粘度
が約30,000cps(ブルックフィールド粘度計、BM型No.4
を使用し、6rpmの条件下で測定)になるように増粘剤と
水とで調整してカーペットバッキング用組成物を調製
し、各種カーペット試験を行った。
第2表にその結果を示す。
第1〜2表から明らかなように、本発明の共重合体ラ
テックスを使用した実施例1〜6は得られたカーペット
の乾燥性が良好(含水率低い)、耐ブリスター性、剥離
強度、初期剥離強度、抜糸強度、初期抜糸強度も強い。
これに対して比較例1、2は単量体仕込み組成中の
(a)脂肪族共役ジエン系単量体であるブタジエン量を
本発明の範囲外とした共重合ラテックスを使用した場
合、比較例3は、アルキル基を有するアクリル酸エステ
ルであるアクリル酸2−エチルヘキシルを本発明の範囲
外とした場合であるが、いずれもカーペットバッキング
用組成物の剥離強度、初期剥離強度、抜糸強度、初期抜
糸強度は弱く耐ブリスター性も悪く、カーペットの含水
率も多くなっている。
比較例4、5は、単量体仕込み組成中の(b)エチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体であるイタコン酸およびア
クリル酸を本発明の範囲外(比較例4は下限値未満、5
は上限値を超えるもの)とした共重合体ラテックスを使
用した場合であるが、カーペットバッキング用組成物の
乾燥性が悪く、したがって初期剥離強度が弱く、加工後
の剥離強度も弱い。
比較例6、7は、共重合体ラテックスの平均粒子径を
本発明の範囲外としたもの(比較例6は下限値未満、7
は上限値を超えるもの)であるが、カーペットバッキン
グ用組成物の耐ブリスター性が悪く、剥離強度も弱く、
含水率も多い。
比較例8は、共重合体ラテックスは本発明の範囲内で
あるが、無機充填剤である炭酸カルシウムを範囲外とし
た場合である、耐ブリスター性が悪く、特に剥離強度、
抜糸強度が弱い。
比較例9、10は本発明のカーペットバッキング組成物
を使用しているが、スチームによる予備加熱を実施して
いないため、耐ブリスター性が悪い。そして、含水率が
高く乾燥性が悪くなっている。従って剥離強度、初期剥
離強度、抜糸強度、初期抜糸強度が弱い。
比較例11は有機ポリシロキサンを配合する従来の耐ブ
リスター性改良処方であるが、本発明のものに比べ、耐
ブリスター性、乾燥性、組成物の経時安定性が劣る。
比較例12はトルエン不溶分が本発明の範囲未満の例で
あり、剥離強度、抜糸強度、耐ブリスター性、乾燥性が
劣る。
比較例13は充填剤量が本発明の範囲未満の例であり、
耐ブリスター性が劣る。
[発明の効果] 本発明は、カーペットバッキング組成物とスチームに
よる予備乾燥を合せたものであり、従来のものに比較し
て、乾燥性、耐ブリスター性が良くなり、得られるカー
ペットの剥離強度、抜糸強度が向上した。従って、カー
ペットの乾燥時の走行スピードを速くすることが可能と
なった。すなわち、乾燥性、耐ブリスター性、剥離強
度、抜糸強度が良好な組成物とカーペットの製造方法
(スチーム予備加熱)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明のカーペットの製造方法に用いられる装
置の概略を示す説明図、第2図は従来の製造方法に用い
られる装置の概略を示す説明図である。 1……カーペット生機、2……コンパウンドバス、 3……バッキング組成物、4……二次基布、 5……スチーム加熱機、6……熱風乾燥機、 7……カーペット、 11……カーペット生機、12……コンパウンドバス、 13……バッキング組成物、14……二次基布、 16……熱風乾燥機、17……カーペット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族共役ジエン系単量体、炭素数
    が2〜10のアルキル基を有するアクリル酸エステルまた
    は/および炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタク
    リル酸エステルから選ばれる1種以上の単量体25〜65重
    量%と、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5
    〜8重量%と、(c)これらと共重合可能な他の単量体
    27〜74.5重量%とを乳化重合して得られる、トルエン不
    溶分が40〜98重量%、平均粒子径が700〜3000Åの共重
    合体ラテックス(固形分)100重量部当り、無機充填剤1
    00〜750重量部からなる、カーペットバッキング組成物
    を生機に塗布し、スチームで予備加熱後熱風乾燥機で本
    乾燥することを特徴とするカーペットの製造方法。
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