JP3486789B2 - カーペットバッキング剤用共重合体ラテックス - Google Patents

カーペットバッキング剤用共重合体ラテックス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーペットバッキング
剤用ラテックスに関するものである。詳しくは、本発明
は高度のカーペットの剥離強さと優れた耐ブリスター性
とを与えるバッキング剤用ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】代表的なカーペットであるタフテッドカ
ーペットは麻の織布またはポリプロピレン等の合成繊維
の織布あるいは不織布の一次基布にナイロン繊維、アク
リル繊維、ウール等の繊維束を植え込み、裏面にバッキ
ング剤(接着剤)を塗布した後、ジュート等の二次基布
を貼り合わせ、乾燥固着させたものである。カーペット
用水系バッキング剤は主に合成共重合体ラテックスバイ
ンダー、重量感を付与する炭酸カルシウムや水酸化アル
ミニウム等の無機充填剤及び充填剤の沈降防止と塗布適
性を与える増粘剤とから構成されている。
【0003】近年、カーペットの生産性を向上させるた
め、塗布した水系バッキング剤を速く乾燥させるべく、
カーペットメーカーは乾燥温度を高める傾向にある。し
かし、乾燥温度の上昇はバッキング剤層表面での皮膜を
容易に形成させるために、未乾燥バッキング剤層内部の
水蒸気の圧力により形成した表面皮膜が持ち上がり、二
次基布のジュートの織目からバッキング剤層が吹き出
す、いわゆるブリスター(火ぶくれ)が発生してカーペ
ットの商品価値が著しく損なわれる問題がある。
【0004】一方、カーペット用バッキング剤における
充填剤の配合割合が近年のコストダウン志向により高く
なり、これによってカーペットの剥離強さ(カーペット
の二次基布に対する剥離強さ)も低下する傾向にあるた
め、高度の剥離強さを与える合成共重合体ラテックスの
要請が強くなっている。耐ブリスター性を向上させるた
めに従来数多くの手段が提案されているが、それらの殆
どは感熱ゲル化剤的な添加剤を共重合体ラテックスに配
合する方法であり、その代表的な例としてはオルガノポ
リシロキサンの利用(特公昭56−44191号公
報)、澱粉の利用(特公昭57−30429号公報)及
び感熱溶解性を有するポリビニルアルコールの利用(特
開昭60−149677号公報)等がある。
【0005】また、高度のカーペットの剥離強さを与え
るバッキング剤用共重合体ラテックスについても種々提
案されており、例えば共役ジエン、エチレン系不飽和カ
ルボン酸及びこれらと共重合可能な単量体からなる混合
単量体を特定のエチレン性不飽和乳化剤を用いて得られ
る、ゲル含有率が30〜90重量%、平均粒子径が50
0〜2000Åである共重合体ラテックスの使用による
良好な耐水強度と常態強度(剥離強度)を与えるバッキ
ング剤組成物(特開昭63−270872号報)、共役
ジエン、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸
アルキルエステル、エチレン系不飽和カルボン酸並びに
共重合可能な他の単量体からなる混合単量体をα−メチ
ルスチレンダイマーと他の重合連鎖移動剤との存在下で
重合して得られる共重合体ラテックスと無機充填剤とを
主成分とし、軟風合で高剥離強度を有するカーペットバ
ッキング剤(特開平3−121179公報)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の共重合体ラテックスを用いたバッキング剤は優
れた耐ブリスター性と高度のカーペットの剥離強さを同
時に持ち合わせるまでには至っていない。本発明は、従
来のバッキング剤用共重合体ラテックスの性能を一段と
改良して、優れた耐ブリスター性と高度のカーペットの
剥離強さを同時に与えるバッキング剤用共重合体ラテッ
クスの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らはジエン系共重合体ラテックスの共重
合体組成及びその製造法について種々研究した結果、特
定の組合せの共役ジエン系混合単量体を特定量の分子内
にラジカル反応し得る不飽和基を有する反応性乳化剤と
α−メチルスチレンダイマーの存在下で乳化共重合して
得られ、特定の高ゲル含有率を有する共重合体ラテック
スがカーペットバッキング剤用として極めて有用であっ
て、意外にも目的とする優れた耐ブリスター性とともに
高度のカーペットの剥離強さをも与えることが見出さ
れ、本発明を完成するに至った。
【0008】 即ち、本発明は: (1)脂肪族共役ジエン20〜70重量%、エチレン系
不飽和カルボン酸0.5〜7重量%及びこれらと共重合
可能な他の単量体23〜79.5重量%からなる混合単
量体100重量部を分子内にラジカル反応し得る不飽和
基を有する反応性乳化剤0.1〜7重量部とα−メチル
スチレンダイマー0.1〜5重量部の存在下で乳化共重
合して得られる共重合体と水とからなり、該重合体のゲ
ル含有率が70〜98重量%である、カーペットバッキ
ング剤用共重合体ラテックスを提供する。また、(2)下記式(1)〜(5)によって示される反応性乳
化剤を用いる 点にも特徴を有する。
【化学式1】
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の共重合体ラテックスの共重合体成分として用いられる
脂肪族共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエ
ン,イソプレン,2−クロル−1,3−ブタジエンなど
が挙げられるが、これらのうち1,3−ブタジエンの使
用が最も好ましい。脂肪族共役ジエンの割合は20〜7
0重量%、好ましくは30〜65重量%である。脂肪族
共役ジエンの割合が70重量%を越える場合はカーペッ
トの風合が柔らかくなり過ぎるばかりか、剥離強さも顕
著に低下するため好ましくなく、又共役ジエンの割合が
20重量%未満の場合は本発明の高ゲル含有率の共重合
体ラテックスが得られにくくなるため、好ましくない。
【0010】また、本発明の共重合体の成分として用い
るエチレン系不飽和カルボン酸としては、例えばアクリ
ル酸,メタクリル酸,イタコン酸,フマル酸などを挙げ
ることができ、これらの1種単独または2種以上を併用
して用いることができる。エチレン系不飽和カルボン酸
の割合は0.5〜7重量%、好ましくは1.0〜5.0
重量%、より好ましくは1.5〜4.0重量%である。
エチレン系不飽和カルボン酸の使用量が7重量%を越え
ると得られるラテックスの粘度が高くなり、又その乾燥
皮膜の耐水性も顕著に損なわれるようになるため好まし
くなく、0.5重量%未満の使用量ではカーペットの剥
離強さが顕著に低下するため好ましくない。
【0011】さらに、上記各単量体と共重合可能な単量
体としては、例えば; スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どの芳香族ビニル化合物; メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、ジエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート等の不飽和カル
ボン酸のエステル: アクリルニトリル、メタクリルニトリルなどのビニ
ルシアン化合物;
【0012】 塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン置換ビニル; 酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステルおよ
び; アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド
などのビニルアミド化合物;などを挙げることができ
る。これらの単量体の中でも、スチレン、不飽和カルボ
ン酸アルキルエステル及びビニルアミド化合物などの使
用が好ましい。
【0013】 これらと共重合可能な他の単量体の割合
は23〜79.5重量%、好ましくは30〜70重量
%、より好ましくは35〜65重量%である。本発明の
共重合体ラテックスは、上記混合単量体100重量部に
基づいて分子内にラジカル反応し得る不飽和基を有する
反応性乳化剤が0.1〜7重量部とα−メチルスチレン
ダイマー0.1〜5重量部の両者の存在下で乳化共重合
して得られるものでなければならない。上記反応性乳化
、例えば、式(1)〜(5)で示される
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】 等の使用が好ましい。
【0016】これらの反応性乳化剤の使用量は重合時に
用いる混合単量体100重量部に対して0.1〜7重量
部、好ましくは0.5〜4重量部である必要がある。
0.1重量部未満の使用量ではカーペットの剥離強さが
低くなり、又7重量部を越える使用量では、重合安定性
が不足し、重合時に多量の凝集物が発生し易くなるとと
もに重合速度も極端に遅くなるため好ましくない。
【0017】本発明において、反応性乳化剤とともに重
合時に併存することを必要とするα−メチルスチレンダ
イマー(α−メチルスチレンを2量化したもの、異性体
含む)の使用量は混合単量体100重量部に対して0.
1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部である必要
がある。0.1重量部未満の使用量ではカーペットの剥
離強さがかなり低くなり、5重量部を越える使用量では
極端に乳化重合速度が遅くなるために好ましくない。
【0018】本発明に用いる共重合体のゲル含有率は7
0〜98重量%、好ましくは85〜95重量%である必
要がある。共重合体が70重量%未満のゲル含有率では
顕著に耐ブリスター性が低下するため好ましくなく、9
8重量%を越えるゲル含有率ではカーペットの剥離強さ
が顕著に低下するようになるため好ましくない。ここで
いうゲル含有率はトルエン30cc中に常温乾燥したジ
エン系共重合体ラテックス固形物を0.5g添加し、こ
れを振とう器で約4時間攪拌した後、300メッシュ以
上の金網で濾過し、金網上の残渣を乾燥して秤量し、こ
の残渣量をもとのラテックス共重合体固形物重量に対す
る重量割合で表わした値を意味する。
【0019】共重合体のゲル含有率は重合方法、脂肪族
共役ジエンの共重合割合及び連鎖移動剤の添加量等によ
って調節することができるが、特に連鎖移動剤の使用量
を少なくし、速い重合速度で高重合率に重合できる重合
条件を選択することにより、容易に本発明の高ゲル含有
率の共重合体ラテックスを得ることができる。本発明に
使用できる連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダ
イマーを主体とし、それ単独或いはそれ以外に通常の乳
化重合で用いられている公知の連鎖移動剤を併用でき
る。
【0020】例えは、オクチルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメ
ルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジ
エチルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジ
スルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスル
フィド;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化化
合物類及び2−エチルヘキシルチオグリグリコレート、
α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどを挙
げることができる。本発明の高ゲル含有率の共重合体ラ
テックスは公知の乳化重合で容易に得ることができる。
【0021】乳化重合で用いる重合開始剤としては、例
えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、クメンハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化
物などを挙げることができる。また、この重合開始剤と
共に重合促進剤を併用しても構わない。該重合促進剤と
して、例えば亜硫酸水素ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナト
リウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸などの還元剤
などを挙げることができる。
【0022】乳化重合で用いる乳化剤としては特に制限
はなく、例えばジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエ
ステルスルフオン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、
ロジン酸カリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ホ
ルマリン縮合物のナトリウム塩などのアニオン系乳化
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキ
シエチレンアルキルエステル類などのノニオン乳化剤等
を挙げることができる。
【0023】また、本発明の共重合体ラテックスはシー
ドラテックスの存在下あるいは不存在下で単量体を一
括、連続あるいは分割のいずれかの方法により添加し
て、約30℃〜100℃の範囲の温度で乳化重合するこ
とによって得られる。本発明の高ゲル含有率の共重合体
ラテックスには、例えば低分子量ポリカルボン酸塩やヘ
キサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなど
のポリリン酸塩などの顔料分散剤;公知の老化防止剤
(酸化防止剤エマルジョンなど);多官能エポキシ化合
物、ブロックイソシアネート、メラミン樹脂、多価金属
塩及びオキサゾリン化合物などの架橋剤;ポリカルボン
酸塩、ポリエーテルタイプ、セルロースエーテル及びポ
リアクリルアミドなどの増粘剤;オルガノポリシロキサ
ン、アルキルフェノールホルマリン縮合物のアルキレン
オキシド化合物などのブリスター防止剤;カセイソーダ
やカセイカリの中和剤;防腐剤、消泡剤、成膜助剤など
を必要に応じて添加することができる。
【0024】また、本発明の共重合体ラテックスをカー
ペットの裏打用接着剤に応用する場合に、この共重合体
ラテックス100乾燥重量部に対して炭酸カルシウム、
クレー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム及び酸化チタン
等の無機充填剤の一種以上を約50〜600重量部、好
ましくは150〜500重量部;ポリ(メタ)カルボン
酸塩やセルロースエーテル等の増粘剤の適量並びに必要
に応じて発泡剤(アニオンやノニオン性の乳化剤)等を
配合してカーペット原反に(発泡)塗布することが好ま
しい。さらに、本発明の共重合体ラテックスを用いるカ
ーペットバッキング剤の粘度は通常20,000〜4
0,000cps、その固形分濃度が通常70〜80重
量%になるように、増粘剤または水を用いて調整するの
が望ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重
量%を意味する。 (実施例1)窒素置換してある攪拌機を備えた温度調節
可能な加圧反応器にイオン交換水75部、アクリル酸エ
ステル系シードラテックス(35%固形分)5部、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ソーダ0.2部(固形分)、
イタコン酸(IA)1.0部を仕込み、内温を75℃に
調整する。次いで、ブタジエン54部、スチレン43部
アクリル酸(AA)1.0部、メタクリル酸(MAA)
1.0部、ターシャルドデシルメルカプタン(t−DD
M)0.6部及びα−メチルスチレンダイマー(α−M
SD)0.5部のモノマー連鎖移動剤からなる混合物と
イオン交換水23部、反応性乳化剤(アクロアンHS−
1025;第一工業株式会社製)0.8部、過硫酸カリ
0.8部及びカセイカリ0.2部からなる水溶液を7時
間かけて反応器に仕込み重合させる。
【0026】そして重合温度を85℃に上げ、更に約2
時間重合を進ませた後、カセイカリ水溶液を加えてラテ
ックスpHを約8に上げ、微量の未反応モノマーを水蒸
気蒸留で除去し、約48%固形分のラテックスを得た。
得られたラテックスについてその常温乾燥物のゲル分率
を測定するとともに下記評価条件・方法でカーペットの
剥離強さ及び耐ブリスター性を測定した。その結果を表
1に示す。
【0027】 カーペットの剥離強さ 下記の配合処方でカーペットバッキング剤を作成する。 共重合体ラテックス(固形分) 100 部 トリポリリン酸ナトリウム 0.25部 ポリカルボン酸系充填剤分散剤(固形分) 0.25部 (ポイズ530;花王株式会社製) フェノール系酸化防止剤 1.0 部 シリコン系消泡剤 0.1 部 重質炭酸カルシウム 450 部 ポリアクリル酸ナトリウム(増粘剤:固形分) 0.8 部 カルボキシメチルセルロース(増粘剤:固形分) 0.8 部 水 適 量 固形分 74% 粘度 約18,000cps(B型 No4、12rpm)
【0028】作成したバッキング剤をアクリルループパ
イルの1/8ゲージ原反に1300g/m2 (wet)
塗布し、次いで7オンスのジュートをその上に貼り合わ
せ、130℃で15分間乾燥し、カーペットサンプルを
作成する。作成したカーペットサンプルを5cm巾×1
5cm長さに切断し、引張試験機にかけ、100mm/
分の速度でジュートを180°剥離した時の強度(山の
高い順3点と低い順3点の平均値)を求める。
【0029】 耐ブリスター性 下記配合のバッキング剤を作成する。 共重合体ラテックス(固形分) 100 部 トリポリリン酸ナトリウム 0.5 部 ポリカルボン酸系充填剤分散剤(固形分) 0.5 部 (ポイズ530;花王株式会社製) フェノール系酸化防止剤 1.0 部 シリコン系消泡剤 0.1 部 重質炭酸カルシウム 300 部 ポリアクリル酸ナトリウム(増粘剤:固形分) 0.9 部 カルボキシメチルセルロース(増粘剤:固形分) 0.9 部 水 適 量 固形分 68% 粘度 約18,000cps(B型 No4、12rpm)
【0030】作成した上記のバッキング剤をテフロン板
上にくし目ゴテ(5mm間隔、5mm高さのもの)で塗
布し、180℃、5分の条件で乾燥した時のブリスター
(火ぶくれ)の発生程度を以下の5段階に目視判定す
る。 5 ブリスター発生なし から 1 ブリリスター多数発生
【0031】(実施例2〜13)実施例1においてモノ
マー組成、反応性乳化剤の種類とその使用量及びα−M
SDとt−DDMの連鎖移動剤の使用量を表1に示すよ
うに変更した以外は、実施例1と同様な方法で共重合体
ラテックスを得た。得られたラテックスについてそのポ
リマーのゲル含有率、カーペットの剥離強さ及び耐ブリ
スター性を測定したところ、表1に示すような高い剥離
強さと良好な耐ブリスター性が同時に得られた。
【0032】(比較例1〜7)モノマー組成あるいは反
応性乳化剤やα−MSDの使用量を表2に示すような本
発明の範囲外になるように変更した以外は、実施例1と
同様な方法で重合して得たラテックス並びに連鎖移動剤
量を表2に示すようにゲルゲル含有率が本発明の範囲外
になるよう調整して得た共重合体ラテックスについてカ
ーペットの剥離強さと耐ブリスター性を測定した。その
結果を表2に示す。
【0033】
【表1】 (注) A* : アクアロンHS−1025(第一工
業製薬(株)) B** : アデカリアソープSE−1025N(旭電化
工業(株)) C*** : ラテムルS−180A(花王(株))
【0034】
【表2】 (注) * 測定不可
【0035】表1及び表2の結果より、本願発明の範囲
内の脂肪族共役ジエン系モノマー組成割合及び特定の反
応性乳化剤とα−MSDの使用量割合並びに特定のゲル
含有率からなる本発明の共重合体ラテックスは高いカー
ペットの剥離強さを有すると同時に優れた耐ブリスター
性をも有することが分かる。
【0036】
【発明の効果】以上の通り、本発明による共重合体ラテ
ックスをカーペットバッキング剤として用いて得られた
カーペットは、高度のカーペットの剥離強さと優れた耐
ブリスター性とを与える。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 Fターム(4L033)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン20〜70重量%、エ
    チレン系不飽和カルボン酸0.5〜7重量%及びこれら
    と共重合可能な他の単量体23〜79.5重量%からな
    る混合単量体100重量部を分子内にラジカル反応し得
    る不飽和基を有する反応性乳化剤0.1〜7重量部とα
    −メチルスチレンダイマー0.1〜5重量部の存在下で
    乳化共重合して得られる共重合体と水とからなり、該重
    合体のゲル含有率が70〜98重量%であることを特徴
    とする、カーペットバッキング剤用共重合体ラテック
    ス。
  2. 【請求項2】 下記式(1)〜(5)によって示される
    反応性乳化剤を用いることを特徴とする、請求項1記載
    のカーペットバッキング剤用共重合体ラテックス。 【化1】
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