JP2676931B2 - ラテックス組成物 - Google Patents

ラテックス組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラテックス組成物に関し、詳しくは不織布、
人工皮革、浸漬ゴム製品、各種フォーム製品、カーペッ
トなどの製造に有用なラテックス組成物に関する。特
に、本発明のラテックス組成物は、耐ブリスター性およ
び接着強度に優れ、カーペット裏打ち用接着剤組成物と
して好適である。
(従来の技術) カーペットとして代表的なタフテッドカーペットは、
一般にポリプロピレンなどの一次基布にナイロン捲縮
糸、ポリエステル捲縮糸などのタフト糸をタフトして得
られる生機の裏面にカーペット裏打ち用組成物を塗布し
そのまま熱風乾燥するか、あるいはこの裏打ち用組成物
を塗布後さらにジュート織布、合成繊維不織布などの二
次基布を張り合わせて熱風乾燥することにより製造され
る。
上記カーペット裏打ち用組成物は共重合体ラテックス
に無機充填剤および必要に応じて分散剤、老化防止剤、
消泡剤、発泡剤、架橋剤などを添加し、さらに増粘剤に
よって適度な粘度に調整することによって製造されてい
る。
カーペット裏打ち用組成物に要求される特性として
は、(1)製造工程あるいは製品におけるタフト糸の抜
糸強度および一次基布と二次基布との剥離強度が高いこ
と、(2)乾燥工程において乾燥効率がよく、しかも耐
ブリスター性(火ぶくれをおこさないこと)が良好であ
ることなどを挙げることができる。
特に、近年、カーペット加工製造工程において、生産
性を高めるために大型乾燥機(モジュラータイプ)を用
い、カーペットを高温、高風量の条件下で高速度で通し
て乾燥する乾燥方式が採用されているが、この方式にお
いては耐ブリスター性が特に重要となる。
耐ブリスター性を高める方法として、組成物中の固形
分濃度を高める方法が提案されているが、固形分濃度を
高めると組成物の流動性、充填剤の分散性および粘度安
定性が低下し、しかも耐ブリスター性も必ずしも十分改
良されていない。また、この方法では、共重合体ラテッ
クスの高濃度化が必要であり、共重合体ラテックスの製
造面でも問題が生じる。すなわち、前記組成物の高濃度
化するためには、例えば組成物を構成する共重合体ラテ
ックスの粒子径を大きくし、粘度を低下させなければな
らないが、その結果凝固物が発生し、重合工程で大きな
問題となる。
また、耐ブリスター性を改良する他の方法としては、
高分子ラテックスに有機ポリシロキサンを配合する方法
(特公昭56−44191号公報)、デンプンを配合する方法
(特開昭54−126242号公報)、有機ポリシロキサンと芳
香族スルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物とを配合する
方法(特開昭62−167337号公報)などが提案されている
が、充分なブリスター防止には至っていない。また、カ
ーペット裏打ち用組成物の経時安定性、腐敗などに問題
があり、未だ満足すべきものではない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の問題点を解決し、耐ブリスター性
および接着強度に優れたラテックス組成物、特にカーペ
ット裏打ち用として好適なラテックス組成物を提供する
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、カーペットのブリスター発生のメカニ
ズムを検討した結果、ブリスター発生は、カーペットに
塗布後のカーペット裏打ち用組成物のマイグレーショ
ン、すなわち乾燥工程での急激な温度上昇による組成物
の粘度低下でラテックスと無機充填剤とが分離すること
が原因でラテックス相の表面が皮膜化して、逃げ場を失
った水分が突沸してブリスターとなることを見いだし
た。
本発明者らは、共重合体ラテックスに曇り点を有する
有機高分子感熱化剤と重炭酸塩を特定量配合すると耐ブ
リスター性および接着強度に優れたラテックス組成物が
得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、 (a) 脂肪族共役ジエン、炭素数が2〜10のアルキル
基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび炭素数が
6〜14のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエス
テルから選ばれる少なくとも1種の単量体25〜70重量
%、 (b) エチレン系不飽和カルボン酸0〜5重量%、お
よび (c) 上記(a)および(b)と共重合可能な他の単
量体25〜75重量% からなる単量体混合物を乳化重合して得られる、共重合
体のガラス転移温度が+30〜−55℃、平均粒子径が600
〜2,500Åであり、かつゲル含量が40〜99重量%である
共重合体ラテックスと該共重合体ラテックス100重量部
(固形分基準)当り有機高分子感熱化剤0.01〜30重量部
および重炭酸塩0.03〜5重量部とを含有することを特徴
とするラテックス組成物に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における共重合体ラテックスの製造に使用する
単量体混合物の成分(a)は脂肪族共役ジエン、炭素数
が2〜10のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエス
テルおよび炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の
単量体である。
上記脂肪族共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどを挙げ
ることができる。これらのうち1,3−ブタジエンが好ま
しい。炭素数が2〜10のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどを挙げ
ることができる。炭素数が6〜14のアルキル基を有する
メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルなどを挙げ
ることができる。
上記成分(a)の単量体は、得られる共重合体に適度
な柔軟性と接着強度を与えるために必須の成分であり、
その使用割合は、単量体混合物の25〜70重量%、好まし
くは30〜65重量%である。使用割合が25重量%未満で
は、得られる共重合体は柔軟性、接着強度に劣り、一方
70重量%を超えると得られる共重合体ラテックスを用い
て製造したカーペットが柔軟すぎ、また剥離速度も低
く、耐ブリスター性も悪くなる。
単量体混合物の成分(b)は、エチレン系不飽和カル
ボン酸であり、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸などを挙げることができ
る。これらエチレン系不飽和カルボン酸は単独でも、あ
るいは2種以上混合して使用することもできる。特に、
アクリル酸とメタクリル酸とを適当量組み合わせて使用
するのが好ましい。成分(b)の使用割合は、単量体混
合物の0〜5重量%、好ましくは0.2〜4.5重量%であ
る。この使用割合が5重量%を超えると共重合体ラテッ
クスの粘度が高く実用性に欠けたものとなる。
単量体混合物の成分(c)は、上記成分(a)、
(b)と共重合可能な他の単量体であり、例えば芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、ア
クリルアミド、アルキル基の炭素数が1〜5のメタクリ
ル酸アルキルエステルなどを挙げることができる。
上記芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
トルエン、クロルスチレンなどを挙げることができる。
これらのうち、特にスチレンが好ましい。シアン化ビニ
ル化合物の具体例としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどを挙げることができる。これらのう
ち、特にアクリロニトリルが好ましい。上記メタクリル
酸アルキルエステルのうち、特にメタクリル酸メチルが
好ましい。これら他の単量体は、単独でも、あるいは2
種以上混合して使用することもできる。
成分(c)の使用割合は、単量体混合物の25〜75重量
%、好ましくは30〜70重量%である。この使用量が25重
量%未満では得られる共重合体ラテックスを使用して製
造したカーペットの風合いが柔らかくなりすぎ、一方75
重量%を超えると逆に硬くなりすぎ、取り扱い上に支障
が生じるとともに、カーペットの主要物性である抜糸強
度、二次基布との剥離強度が劣る。更に、耐ブリスター
性も悪くなる。
本発明における共重合体ラテックスは上記単量体混合
物を乳化重合して得られる。この乳化重合における乳化
剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホ
ン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン
酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、オレイン酸カリウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド
縮合物のナトリウム塩などのアニオン系乳化剤、あるい
はポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテルなどのノニオン系乳化剤
の1種または2種以上を使用することができる。本発明
においては、アニオン系乳化剤が効果的であり、特にジ
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムとアルキルナ
フタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物のナトリ
ウム塩との併用が重合安定性の面から好適である。
乳化剤の使用量は、通常、単量体混合物の0.2〜4重
量%であり、特に0.5〜3重量%の範囲が好ましい。乳
化剤の使用量が0.2重量%未満では共重合体の製造時に
凝固物が発生するなど、重合安定性が悪くなり、一方4
重量%を超えると得られる共重合体ラテックスの平均粒
子径が小さくなり、カーペット裏打ち用組成物の調製に
際して、後記する充填剤の分散性が悪くなり、配合後に
粘度の経時変化が生じる。
上記乳化重合反応における重合度を低下させ、ほぼ理
想的な連鎖移動反応を起こさせるために使用する連鎖移
動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメ
ルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−ヘキ
シルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなどのメ
ルカプタン類、四塩化炭素、臭化エチレン、臭化メチレ
ン、ブロモホルムなどのハロゲン化合物、α−メチルス
チレンダイマー、テルピノーレン、エチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンスルフィ
ド、アミノフェニルジスルフィド、テトラエチルチウラ
ムジスルフィドなどを1種または2種以上組み合わせて
使用することができる。乳化剤の使用量は通常単量体混
合物の0〜5重量%である。
上記乳化重合における重合開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの
過硫酸塩系開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイドなどの有機酸化物、過酸化水素など
を使用することができる。重合開始剤の使用量は単量体
混合物の0.03〜2.5重量%、好ましくは0.05〜2重量%
である。
なお、乳化重合を促進させるために、例えばピロ重亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸第一鉄、グルコース、ホルムアルデヒド、ナ
トリウムスルホキシレート、L−アスコルビン酸、亜硫
酸水素ナトリウムなどの還元剤、グリシン、アラニン、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を
併用することもできる。
本発明における乳化重合方法については特に制限はな
く、上記乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤などのほか、
必要に応じて各種電解質、pH調製剤などを併用して、従
来公知の方法で行えばよい。例えば、単量体混合物100
重量部に対して水100〜300重量部と乳化剤、連鎖移動
剤、重合開始剤などを前記範囲内の量で使用し、5〜80
℃、好ましくは30〜50℃の温度で19〜3時間乳化重合す
ればよい。
本発明における共重合体ラテックスを構成する共重合
体のガラス転移温度(Tg)は+30℃〜−55℃、好ましく
は+25℃〜−50℃である。
上記共重合体のガラス転移温度が上記範囲内にある
と、風合い、カーペットの施工性、剥離強度、抜糸強度
および耐ブリスター性が良好なカーペットが得られる。
本発明におけるガラス転移温度(Tg)は下記式により
計算された値である。
W(i)=共重合体中の単量体(i)の重量分率 Tg(i)=単量体(i)の単独重合体のTgを絶対温度で
表した値 なお、代表的な単独重合体のガラス転移温度は次の通
りである。ポリ(1,3−ブタジエン)=183゜K、ポリス
チレン=373゜K、ポリメタクリル酸メチル=378゜K、ポ
リメタクリル酸=501゜K、ポリイタコン酸=553゜K、ポ
リアクリル酸=379゜K、ポリアクリロニトリル=376゜
K、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル=203゜K 本発明における共重合体ラテックスを構成する共重合
体の平均粒子径は600〜2,500Å、好ましくは700〜2,300
Åである。平均粒子径が600Å未満では耐ブリスター性
が悪く、またカーペット裏打ち用組成物の粘度に経時変
化が見られる。一方、2,500Åを超えると増粘剤を多量
に使用する必要が生じ、価格面で好ましくない。また、
カーペット裏打ち用組成物の流動性が低下し作業性が悪
くなる。
上記共重合体の平均粒子径は、共重合体ラテックスを
オスミウム酸で処理した後、倍率30,000倍の電子顕微鏡
写真を撮影し、100個の粒子径を測定して数平均するこ
とにより求めた。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含量は40〜
99重量%であり、特に45〜98重量%が好ましい。ゲル含
量が40重量%未満では得られるカーペット裏打ち用組成
物の耐ブリスター性が劣り、またカーペットの一次基布
と二次基布との剥離強度が低下する。一方、99重量%を
超えるとカーペットの風合いが硬くなり、加工性も悪く
なる。
上記共重合体ラテックスのゲル含量は次のようにして
測定した。すなわち、共重合体ラテックスをpH8に調整
し、ラテックス中の共重合体をイソプロパノールで凝固
した後、洗浄、乾燥し、得られた固形分0.3gをトルエン
100mlに室温で20時間浸漬し、その後120メッシュの金網
でろ過して得られる残存固形分の全固形分に対する重量
割合をもってゲル含量とした。
共重合体ラテックスのゲル含量は、分子量調節剤であ
る連鎖移動剤の種類、量を選ぶことによって容易に調整
することができる。例えば、連鎖移動剤として四塩化炭
素あるいは臭化メチルを使用する場合には単量体混合物
の2〜5重量%程度使用すればよい。また、t−ドデシ
ルメルカプタンあるいはn−ドデシルカプタンを単量体
混合物の0.05〜2重量%程度使用してもよい。その他、
重合開始剤の使用量、重合開始温度などを適宜選択する
ことによっても共重合体ラテックスのゲル含量を調整す
ることができる。
本発明における有機高分子感熱化剤としては、ラテッ
クスに感熱性を付与し得るものならばいずれも使用する
ことができるが、特に35〜80℃の範囲の曇り点を有する
有機高分子感熱化剤が好適に使用される。曇り点が35〜
80℃の有機高分子感熱化剤としては、例えばアルキルフ
ェノール−ホルムアルデヒド縮合物のアルキレンオキシ
ド付加物、ポリビニルメチルエーテル、ポリエーテルポ
リホルマール、オルガノポリシロキサン、デンプン、水
溶性ポリアミド、メチルセルロースなどを挙げることが
できる。
上記アルキルフェノール−ホルムアルデヒド縮合物の
アルキレンオキシド付加物の具体例としては、例えば下
記一般式(I)〜(IV)で表される化合物を挙げること
ができる。
(式中、Rはアルキル基、好ましくは炭素数6〜12のア
ルキル基を示し、aおよびbは各々整数、好ましくは3
〜200の整数を示し、EOはエチレンオキシド基を示し、P
Oはプロピレンオキシド基を示し、nは平均縮合度、好
ましくは2〜20の平均縮合度を示す)。
上記の35〜80℃の曇り点を有する有機高分子感熱化剤
のうちでも、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド縮
合物のアルキレンオキシド付加物およびオルガノポリシ
ロキサンが好適に使用される。例えば、オルガノポリシ
ロキサンとしては、市販のTPA4390、TPA4380(以上東芝
シリコン(株)製)、474(信越シリコン(株)製)な
どを使用することができる。
なお、曇り点が35℃未満の有機高分子感熱化剤を使用
すると貯蔵安定性が悪くなり、一方曇り点が80℃を超え
る有機高分子感熱化剤の場合、ブリスターを防止する効
果が弱い。
本発明における曇り点は、有機高分子感熱化剤を10%
に希釈した後、徐々に加熱して全体が白濁する温度を測
定することによって求めた。
本発明における有機高分子感熱化剤の使用量は、有機
高分子感熱化剤の種類の応じて多少変わるが、通常上記
共重合体ラテックス100重量部(固形分基準)当り0.01
〜30重量部である。この使用量が0.01重量部未満では耐
ブリスター性が悪く、一方30重量部を超えるとカーペッ
ト裏打ち用組成物の経時安定性が悪くなって好ましくな
い。具体的には、アルキルフェノール−ホルムアルデヒ
ド縮合物のアルキレンオキシド付加物の使用量は0.01〜
3重量部、好ましくは0.03〜2.5重量部であり、ポリビ
ニルメチルエーテルの使用量は0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜4重量部であり、ポリエーテルポリホルマー
ルまたはオルガノポリシロキサンの使用量は0.03〜2重
量部、好ましくは0.05〜1重量部であり、デンプンの使
用量は1〜30重量部、好ましくは3〜28重量部であり、
水溶性ポリアミドまたはメチルセルローズの使用量は0.
5〜10重量部、好ましくは0.7〜8重量部である。
上記有機高分子感熱化剤は単独でも、あるいは2種以
上混合して使用することもできる。
本発明における重炭酸塩としては、重炭酸アンモニウ
ム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムなどを1種また
は2種以上混合して使用することができる。これらのう
ち、重炭酸アンモニウムが好適である。
重炭酸塩の使用量は、共重合体ラテックス100重量部
(固形分基準)に対し0.03〜5重量部、好ましくは0.05
〜4重量部である。重炭酸塩の使用量が0.03重量部未満
ではカーペット裏打ち用組成物の耐ブリスター性が悪
く、一方5重量部を超える量を添加してもそれに見合う
効果は得られず、かえって組成物の経時的安定性が悪く
なる。
本発明のラテックス組成物には、必要に応じてさらに
分散剤、消泡剤、架橋剤、発泡剤、着色剤、難撚剤、防
腐剤、老化防止剤、安定剤、加硫促進剤、帯電防止剤、
pH調整剤などを添加することができる。
本発明のラテックス組成物は、カーペット裏打ち用組
成物として以外に、不織布、人工皮革、浸漬ゴム製品、
各種フォームなどの製造にも使用することができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。なお、部および%は重量基準である。
実施例1 [共重合体ラテックスの製造] ブタジエン48部、アクリル酸2部、スチレン45部およ
びメタクリル酸メチル5部からなる単量体混合物、乳化
剤としてジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1.
3部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.3部
および重合開始剤として過硫酸カリウム0.7部のほか
に、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01部および水
200部を内容積100のステンレス製反応器に仕込み、45
〜60℃で20時間撹拌下乳化重合を行ない共重合体ラテッ
クス(A)を得た。重合は一括仕込みで行ったが、重合
転化率は99.0%以上であり、重合安定性も良好で凝固物
は殆どなかった。
共重合体ラテックス(A)の重合率、平均粒子系、ゲ
ル含量およびガラス転移温度を表1に示した。なお、平
均粒子径、ゲル含量およびガラス転移温度は前記方法で
測定した。
[カーペット裏打ち用組成物の調製] 上記共重合体ラテックス(A)を用い下記処方により
カーペット裏打ち用組成物を調製した。
共重合体ラテックス(A) 100 部 (固形分) 重炭酸カリウム 0.3部 アルキルフェノール−ホルムアルデヒド縮合物のアルキ
レンオキシド付加物 (ラテムルNP−5150、花王(株)試作品) 0.3部 重質炭酸カルシウム 350 部 ピロリン酸カリウム 0.8部 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル (エマルゲン910、花王(株)製) 0.5部 スチレン化フェノール (スミライザーS、住友化学(株)製) 1.0部 充填剤としての重質炭酸カルシウムは最後に添加し、
充分に分散後、粘度が約25,000〜30,000cps(ブルック
フィールド粘度計、BM型No.4を使用し、6rpmの条件下で
測定)になるように増粘剤と水とで調整してカーペット
裏打ち用組成物を調製した。
[組成物の性能評価] 上記カーペット裏打ち用組成物の耐ブリスター性およ
び接着強度を下記方法で測定した。
耐ブリスター性 ポリプロピレン製の一次基布にナイロン捲縮糸をタフ
トした生機に固形分濃度75%の上記カーペット裏打ち用
組成物を1.5kg(wet量)/m2塗布し、次いで二次基布と
して7オンスジュートを圧着して貼り合わせ、180℃の
熱風乾燥機にいれて乾燥し、乾燥中に生じるブリスター
を目視により観察し、1〜5級の5段階で評価した。な
お、1級はブリスターが全く発生しなかったものであ
り、5級はブリスターが全面に発生したものである。
剥離強度 JIS L−1021敷物試験方法により測定した。すなわ
ち、ポリプロピレン製の一次基布にナイロン捲縮糸をタ
フトした生機に固形分濃度75%の上記カーペット裏打ち
用組成物を塗布し、次いで二次基布として7オンスジュ
ートを圧着して貼り合わせ、120℃で20分間乾燥した
後、二次基布と生機との剥離強度を測定した。
粘度の経時安定性 組成物を40℃で7日間放置した後、前記[カーペット
裏打ち用組成物の調製]と同様の方法により粘度を測定
して、粘度の経時安定性を評価した。
結果を表2に示す。
実施例2〜5、比較例1〜14 実施例1において、原料組成を表1に示すように変更
した以外は実施例1と同様にして、本発明の共重合体ラ
テックス(B)〜(D)および比較用共重合体ラテック
ス(E)〜(L)を調製した。
これら共重合体ラテックスの重合率、平均粒子径、ゲ
ル含量およびガラス転移温度を表1に示した。
これら共重合体ラテックス(B)〜(L)を用い、表
2に示す処方による以外は実施例1と同様にしてカーペ
ット裏打ち用組成物を調製し、その性能を評価した。結
果を表2に示す。
表2の結果から、本発明のラテックス組成物(実施例
1〜5)は耐ブリスター性、剥離強度および経時安定性
が良好であることが理解される。
これに対し、比較例1、2は仕込み単量体混合物中の
脂肪族共役ジエンの割合が本発明の範囲外であり、比較
例3は仕込み単量体混合物中のエチレン系不飽和カルボ
ン酸の割合が本発明の範囲外であり、比較例4、5は共
重合体の平均粒子径が本発明の範囲外であり、比較例
6、7は共重合体ラテックスのゲル含量が本発明の範囲
外であり、また比較例12は共重合体のガラス転移温度が
本発明の範囲外であり、いずれも耐ブリスター性が悪
く、剥離強度も低い。また、比較例3、4においては粘
度の経時安定性も劣っている。
比較例8は重炭酸塩を使用しなかった例であり、比較
例9は重炭酸塩の使用量が本発明の範囲外であり、比較
例13は重炭酸塩の代わりに他の化合物を使用した例であ
り、いずれも耐ブリスター性が悪く、剥離強度も低い。
また、比較例9は粘度の経時安定性も劣っている。
比較例10は有機高分子感熱化剤を使用しなかった例で
あり、比較例11は有機高分子感熱化剤の使用量が本発明
の範囲外であり、いずれも耐ブリスター性が悪く、剥離
強度も低い。また、比較例11は粘度の経時安定性も劣っ
ている。
比較例14は重炭酸塩を使用することなく、有機高分子
感熱化剤としてアルキルフェノール−ホルムアルデヒド
縮合物のアルキレンオキシド付加物のみを使用した例で
あり、耐ブリスター性が悪い。
(発明の効果) 本発明のラテックス組成物は特定組成の単量体混合物
を乳化重合して得られる、特定のガラス転移温度、平均
粒子径およびゲル含量を有する共重合体ラテックスに有
機高分子感熱化剤および重炭酸塩を配合してなるもの
で、例えばカーペット裏打ち用として使用した場合、従
来のものに比べて、耐ブリスター性、剥離強度および粘
度の経時安定性に優れている。その結果、カーペット乾
燥時の走行スピードを速くすることが可能であり、生産
性の高い、大型乾燥機を用いた高温、大風量の乾燥シス
テムに適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 17/00 D06M 17/00 C (C08L 9/04 61:10) (C08L 33/08 61:10) (C09J 109/04 161:10) (C09J 133/08 161:10)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 脂肪族共役ジエン、炭素数が2〜
    10のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルお
    よび炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタクリル酸
    アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体
    25〜70重量%、 (b) エチレン系不飽和カルボン酸0〜5重量%、お
    よび (c) 上記(a)および(b)と共重合可能な他の単
    量体25〜75重量% からなる単量体混合物を乳化重合して得られる、共重合
    体のガラス転移温度が+30〜−55℃、平均粒子径が600
    〜2,500Åであり、かつゲル含量が40〜99重量%である
    共重合体ラテックスと該共重合体ラテックス100重量部
    (固形分基準)当り有機高分子感熱化剤0.01〜30重量部
    および重炭酸塩0.03〜5重量部とを含有することを特徴
    とするラテックス組成物。
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