JP2570841Y2 - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JP2570841Y2 JP1992063692U JP6369292U JP2570841Y2 JP 2570841 Y2 JP2570841 Y2 JP 2570841Y2 JP 1992063692 U JP1992063692 U JP 1992063692U JP 6369292 U JP6369292 U JP 6369292U JP 2570841 Y2 JP2570841 Y2 JP 2570841Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、本体内を上部室と下部
室とに仕切る仕切壁の外殻を、内箱に一体に形成するよ
うにした冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば家庭用冷蔵庫にあっては、本体内
を仕切壁により上下に仕切ることにより、冷蔵室,冷凍
室等の複数の室を構成するようにしている。図4は、前
記仕切壁1の先端部分の構造を示している。ここで、仕
切壁1は、薄肉状のプラスチックよりなる薄形箱状の外
殻2内に、ウレタンフォーム等の断熱材3を充填して構
成されている。
【0003】そして、前記仕切壁1の先端部には、側面
略「工」字状をなす仕切カバー4が取付けられ、さらに
その仕切カバー4の先端に前面板5が取付けられるよう
になっている。図示はしないが、前記仕切カバー4と前
面板5との間の空間部には、防露用パイプや配線等が通
され、あるいはドアスイッチ等の部品が配設されるよう
になっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、この種の冷
蔵庫にあっては、上記仕切壁1の外殻2を、例えば真空
成形により、冷蔵庫本体の内箱と一体に形成することが
行われている。この成形は、例えばプラスチック製のシ
ートを、成形型の上方に配置して加熱,軟化させ、成形
型面とは逆方向に膨らませて予張りした後、真空引きに
より成形型面に吸付けるといった方法により行われる。
【0005】ところが、このような成形により仕切壁1
の外殻2を形成する場合、図5に示すように、外殻2の
前端部の上下両面に、円弧状のいわゆるドレープライン
Aが現れてしまうことがある。このドレープラインAが
仕切壁1の上面に形成されると、外観が悪化してしまう
ことになる。このため、従来では、このドレープライン
Aが外観部分に現れないように、シートの一部を治具な
どで固定して成形を行うといった対策がとられている
が、それでは、内箱及び外殻2の厚みが不均一となって
しまう不具合が生じていた。
【0006】また、上記従来構成では、仕切壁1の上部
の室において、仕切壁1の上面に水がこぼれるようなこ
とがあると、その水が、仕切壁1の上面と仕切カバー4
との接合部分から仕切カバー4の内側に浸入し、ひいて
は下部の室までこぼれ落ちてしまう虞があるといった不
具合があった。
【0007】本考案は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、仕切壁の外殻を内箱と一体に形成する
ものにあって、仕切壁の外観の向上を図ることができる
と共に、仕切壁の上面に水等がこぼれた場合でも、その
水等が仕切カバーの内側に浸入することを防止すること
ができる冷蔵庫を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案の冷蔵庫は、冷蔵
庫本体内の上部室及び下部室の内壁を構成するプラスチ
ック製の内箱に、それら上部室と下部室と仕切る仕切
壁の外殻を一体に形成すると共に、前記仕切壁の先端
に、仕切カバーを取付けて部品配設用の空間部を形成す
るようにしたものにおいて、前記仕切カバーを、前記仕
切壁の上面にラップするように構成すると共に、そのラ
ップ部を前記仕切壁の上面前端側のドレープラインを
覆い且つ前記上部室の内部に区画形成された収納部の
前端部よりも奥側まで延びるように設けたところに特徴
を有する。
【0009】
【作用】上記手段によれば、仕切壁の先端に取付けられ
た仕切カバーが、該仕切壁の上面にラップしているの
で、仕切壁の外殻の成形時に、その前端部にいわゆるド
レープラインが形成されたとしても、そのドレープライ
ンはラップ部により隠されるようになる。そして、ラッ
プ部の後端は、上部室の内下部に設けられた収納部の前
端部よりも奥側に位置されているので、ラップ部の後端
が収納部によって外観上目立たなくなると共に、上部室
で水等がこぼれた場合でも、その水等はラップ部上にこ
ぼれることになって仕切カバー内側に浸入することがな
くなる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例について、図1乃至
図3を参照して説明する。まず、図2は、本実施例に係
る冷蔵庫の内箱11を示している。図示はしないが、冷
蔵庫本体の断熱箱体は、この内箱11の背面側に鋼板製
の外箱を配し、それら内箱11と外箱との間の空間部に
例えばウレタンフォームからなる断熱材12(図1に一
部のみ図示)を、現場発泡方式により充填して構成され
ている。
【0011】この場合、内箱11内(冷蔵庫本体内)
は、詳しくは後述する2個の仕切壁13により、上下3
室に区画されており、例えば上段から冷蔵室14,冷凍
室15,野菜室16が構成されるようになっている。こ
こで、前記仕切壁13の外殻17は、前記内箱11にプ
ラスチックの真空成形により一体に形成されるようにな
っている。
【0012】図3は、この真空成形の様子を概略的に示
したものであり、成形型18は、その上面に、前記内箱
11の内面形状に相当するキャビティを有している。従
って、成形型18のキャビティには、前記仕切壁13に
対応する2個の凸部18aが設けられているのである。
【0013】成形にあたっては、まず、プラスチック製
のシート19を、成形型18の上方に配置して加熱,軟
化させる。そして、そのシート19を、前記凸部18a
の先端部分にて押え治具20により押えた状態で、図に
二点鎖線で示すように、成形型18のキャビティ側とは
逆方向(図で上方)に膨らませて予張りする。この後、
前記シート19を真空引きにより成形型18面に吸付
け、硬化させることにより内箱11が形成されるのであ
る。
【0014】尚、このとき、従来例の項で述べたように
(図5参照)、シート19のうち、押え治具20に当接
していた部分、即ち仕切壁13の外殻17の先端部を構
成する部分に筋が形成され、その筋部分が外殻17の前
端部の上下両面に、いわゆるドレープラインとして円弧
状に現れてしまう事情がある。
【0015】さて、前記仕切壁13について、図1を参
照しながら述べる。この図1は、上段側の仕切壁13の
先端側部分を示すもので、ここで、上述のように、仕切
壁13は、前記内箱11に一体に形成され薄形箱状をな
す外殻17の内部に、断熱材12を充填して構成されて
いる。そして、この仕切壁13の先端には、プラスチッ
ク製の仕切カバー21が取付けられるようになってい
る。
【0016】この仕切カバー21は、側面略「工」字状
をなしており、その図1で右部が、仕切壁13の先端を
上下から挟むようにして嵌り込んで取付けられるのであ
るが、この仕切カバー21のうち仕切壁13の上面にラ
ップする部分は、冷蔵室14の奥方に向けて延長されて
おり、この部分がラップ部22とされている。
【0017】一方、前記冷蔵室14の内下部には、肉や
魚等を適温で保存するための収納部としてのパーシャル
ルーム23が設けられている。このパーシャルルーム2
3は、冷蔵室14内を天井板23a等で区画することに
より形成されており、その前面には、上部にて枢支され
た内扉24が設けられている。また、保存物は、いわば
引出し式の肉皿25に収容されてパーシャルルーム23
に出し入れされるようになっている。
【0018】そして、前記ラップ部22は、その後端
(図で右端)が、前記パーシャルルーム23の前端部即
ち内扉24よりも奥側に位置するように設けられている
のである。
【0019】また、仕切カバー21のラップ部22の下
面には、固定爪22aが設けられており、この固定爪2
2aが、前記仕切壁13(外殻17)の上面に形成され
た係合孔17aに差込まれて仕切カバー21の固定をよ
り強固にするようになっている。この場合、前記断熱材
12は、外殻17の先端に仕切カバー21を取付けた後
に、いわゆる現場発泡方式により充填されるようになっ
ており、この際、硬化する前のウレタン原液が、若干量
ではあるが係合孔17aの隙間から外部(外殻17と仕
切カバー21との間)に漏れ出し、接着剤としての作用
を呈するようになり、以て仕切壁13と仕切カバー21
との固着力がより一層高くなるようになっている。
【0020】尚、前記仕切カバー21の前面部には前面
板26が取付けられるようになっている。図示はしない
が、前記仕切カバー21と前面板26との間の空間部に
は、防露用パイプや配線等が通され、あるいはドアスイ
ッチ等の部品が配設されるようになっている。
【0021】上記構成によれば、仕切カバー21のラッ
プ部22が該仕切壁13の上面にラップしているので、
仕切壁13の外殻17の成形時に、その前端部上面にい
わゆるドレープラインが形成されたとしても、そのドレ
ープラインはラップ部22により隠されるようになる。
従って、ドレープラインAが外観に現れる虞のあった従
来のものと異なり、内箱11及び外殻17の厚みの均一
化を図りつつ、外観の向上を図ることができるものであ
る。しかも、ラップ部22の後端の接合部分は、パーシ
ャルルーム23の前端部よりも奥側に位置されているの
で外観上目立たなくなり、外観が一層向上するものであ
る。
【0022】そして、ラップ部22の後端がパーシャル
ルーム23の前端部よりも奥側に位置するようにラップ
部22を延長したので、水が仕切カバー4の内側に浸入
して下部の室までこぼれ落ちてしまう虞があった従来の
ものと異なり、冷蔵室14にて水等がこぼれた場合で
も、その水等はラップ部22上にこぼれることになっ
て、ここで容易に拭き取ることができ、水等が仕切カバ
ー21の内側に浸入するといった不具合を解消すること
ができる。
【0023】このように本実施例によれば、仕切壁13
の外殻17を内箱11と一体に形成するものにあって、
仕切壁13の外観の向上を図ることができると共に、仕
切壁13の上面に水等がこぼれた場合でも、その水等が
仕切カバー21の内側に浸入することを防止することが
できるという実用的効果を得ることができる。
【0024】また、特に本実施例では、ウレタン原液
を、外殻17の係合孔17aの隙間から外殻17と仕切
カバー21との間に漏れ出させて、接着剤としての作用
を呈するようにしたので、仕切壁13と仕切カバー21
との固着力をより一層高めることができるといった利点
も得ることができるものである。
【0025】尚、上記実施例では上部室の内下部に設け
られた収納部として、パーシャルルーム23を例とした
が、収納部としては、チーズなどを保存するためのチル
ドルームや、仕切棚等であっても良く、また、上部室が
冷凍室である場合には、製氷室あるいは貯氷容器であっ
ても良い。
【0026】その他、仕切壁により内箱内を冷凍室と冷
蔵室との2室に仕切る場合に適用することもできるな
ど、本考案は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実
施し得るものである。
【0027】
【考案の効果】以上の説明にて明らかなように、本考案
の冷蔵庫によれば、プラスチック製の内箱に、それら
部室と下部室と仕切る仕切壁の外殻を一体に形成する
ものにあって、仕切壁の先端に取付けられる仕切カバー
を、仕切壁の上面にラップするように構成すると共に、
そのラップ部を前記仕切壁の上面前端側のドレープラ
インを覆い且つ前記上部室の内部に区画形成された
納部の前端部よりも奥側まで延びるように設けたので、
仕切壁の外観の向上を図ることができると共に、仕切壁
の上面に水等がこぼれた場合でも、その水等が仕切カバ
ーの内側に浸入することを防止することができるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すもので、要部の縦断側
面図
【図2】内箱の縦断側面図
【図3】内箱の成形の様子を示す図
【図4】従来例を示す図1相当図
【図5】仕切壁の外殻に形成されるドレープラインを示
す斜視図
【符号の説明】
図面中、11は内箱、12は断熱材、13は仕切壁、1
4は冷蔵室(上部室)、15は冷凍室(下部室)、17
は外殻、17aは係合孔、18は成形型、19はシー
ト、21は仕切カバー、22はラップ部、22aは固定
爪、23はパーシャルルーム(収納部)を示す。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷蔵庫本体内の上部室及び下部室の内壁
    を構成するプラスチック製の内箱に、それら上部室と下
    部室と仕切る仕切壁の外殻を一体に形成すると共に、
    前記仕切壁の先端に、仕切カバーを取付けて部品配設用
    の空間部を形成するようにしたものにおいて、前記仕切
    カバーを、前記仕切壁の上面にラップするように構成す
    ると共に、そのラップ部を前記仕切壁の上面前端側の
    ドレープラインを覆い且つ前記上部室の内部に区画形
    成された収納部の前端部よりも奥側まで延びるように設
    けたことを特徴とする冷蔵庫。
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