JP2570114B2 - 送信装置 - Google Patents

送信装置

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JP2570114B2
JP2570114B2 JP5177344A JP17734493A JP2570114B2 JP 2570114 B2 JP2570114 B2 JP 2570114B2 JP 5177344 A JP5177344 A JP 5177344A JP 17734493 A JP17734493 A JP 17734493A JP 2570114 B2 JP2570114 B2 JP 2570114B2
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茂広 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン信号の
伝送系で発生するゴーストなどの波形歪を検出する、テ
レビジョン映像信号の波形歪検出方式に用いられる送信
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は一般に用いられているゴーストキ
ャンセラーの構成図であり、この図に基づき従来の波形
歪検出方式について説明する。
【0003】図1のブロック図に示すように、ゴースト
キャンセラーは、機能別に大きく分けると、フィルター
部1と、基準信号抽出回路2と、重み付け制御回路3と
の3つに分けられる。そして、ラインl1に加えられる
映像信号入力はフィルタ部1でゴーストを除去するため
フィルター処理をした後にラインl2に映像信号出力と
して出力される。ゴーストを除去できるようにフィルタ
ーの制御動作を受け持っているのが、重み付け制御回路
3である。この重み付け制御回路3を正確に動作させる
ためには、映像信号中のゴーストなどの波形歪を検出す
るための基準信号となる信号が存在しなければならな
い。この基準信号を取り出す働きをしているのが、基準
信号抽出回路2である。
【0004】図2(a),(b)はフィルター部1の具
体的構成を示す2つの例であり、その(a)図は非巡回
型の構成を示すもので、トランスバーサルフィルターと
よばれるものである。そして、ラインl1に加えられた
映像信号入力は遅延回路1aに入る。この遅延回路1a
は単位遅延時間Tの単位遅延回路の直列多段接続回路で
ある。この単位遅延時間Tは通常70〜100ns(ナ
ノ・セカンド)の値に選ばれる。この遅延回路1aの各
単位遅延ごとの出力信号は次段の重み付け回路1bに加
えられる。この重み付け回路1bはラインl3から加え
られる重み付け制御回路3の重み付け制御信号により制
御され、遅延回路1aからの入力信号に対して所定の重
み付け(h-N〜hO 〜hN )が与えられる。即ち、この
重み付け回路1bはゲインコントロール回路である。そ
して、各重み付け出力信号は次段の加算回路1cに加え
られて加算合成され、ラインl2より出力信号として取
り出される。
【0005】ここで、ラインl1の入力信号をx
(t)、ラインl2の出力信号をy(t)とすると、x
(t)、y(t)の間には次の関係式が成立する。
【0006】
【数1】
【0007】これをフーリエ変換して伝達関数Ha
(f)を求めると、
【0008】
【数2】
【0009】となる。n=0のところから主信号を取り
出すことにすれば、ゴーストが存在しない場合には、
【0010】Ha (f)=ho =1
【0011】となり、ゴーストが存在する場合には主信
号からの時間差(nT)及びゴースト量に応じた重み付
けの値(hn)を与えてゴーストの除去動作を行う。こ
の方式の特徴は、遅れゴーストだけでなく、進みゴース
トも除去できる点であるが、ゴーストがあまりに大き過
ぎると、ゴーストを除去するための重み付けによって孫
ゴーストが発生するという欠点もある。
【0012】図2(b)は巡回型のフィルター部1の構
成を示すものであり、ラインl1に加えられた映像信号
入力は減算器1dの一方の入力端子に加えられる。この
減算器1dの出力はラインl2より出力信号として取り
出されるが、同時に遅延回路1eにも加えられる。この
遅延回路1eも前記図2(a)の遅延回路1aと同様の
単位遅延時間Tの直列多段接続回路である。各単位遅延
回路の出力信号は次段の重み付け回路1fに加えられ
る。この重み付け回路1fは図2(a)と同様にライン
l3より重み付けのための制御信号が加えられ、h1 〜
hN の重み付けの値が設定される。このように重み付け
された各出力信号は、次段の加算器1gに加えられ加算
合成される。この加算器1gの出力信号は前記減算器1
dの一方の入力端子に加えられ、ラインl1からの入力
信号から減算処理される。
【0013】ラインl1の入力信号をx(t)、ライン
l2の出力信号をy(t)とすると、x(t)、y
(t)の間には次の関係式が成立する。
【0014】
【数3】
【0015】これをフーリエ変換して伝達関数Hb
(f)を求めると、
【0016】
【数4】
【0017】となる。
【0018】ゴーストがないときには、hn=0とし、
主信号のみが取り出され、ゴーストが存在する場合には
主信号からの時間差(nT)及びゴースト量に応じた重
み付けの値(hn)を与えてゴーストの除去動作を行
う。
【0019】この図2(b)に示す方式の特徴は遅れゴ
ーストにしか対応できないが、前記図2(a)の場合と
異なり、孫ゴーストが発生しないことである。
【0020】次に、図1における基準信号抽出回路2の
説明を行う。図3(a)は従来から用いられているゴー
スト検出用の基準信号を取り出す基準信号抽出回路2の
一例である。ラインl2から加えられた映像信号は減算
器2aの一方の入力端子に加えられる。また、ラインl
2の信号は遅延回路2bにも加えられ、一定時間Taの
遅延時間を与えられ、減算器2aのもう一方の入力端子
に加えられる。また、この遅延時間Taは約250ns
に設定される。減算器2aの動作はラインl2からの映
像信号を時間Taだけ遅延したものからラインl2から
の映像信号を減算する処理をすることである。
【0021】図3(a)の入出力間の伝達特性Ga
(f)を求めると、
【0022】
【数5】
【0023】即ち、
【0024】
【数6】
【0025】となる。これを映像信号の帯域で図示する
と、図4(a)のようになる。
【0026】ところで、従来、ゴーストなどの映像信号
の波形歪検出のために用いられてきたものは垂直同期信
号の前縁部である。図7(a)はテレビジョン映像信号
の垂直ブランキング期間の垂直同期信号及び等化パルス
の波形図であり、同期信号のレベルは40IREであ
る。図7(b)は図7(a)を図3(a)の差分回路で
処理した後の出力波形であり、各同期信号のエッジ成分
が得られる。図7(b)の垂直同期信号の前縁部のエッ
ジ成分を拡大したものが図7(c)である。この図で上
側にピークを持つ半値幅約250nsの2Tパルス状の
波形が基準信号となる。この基準信号の前後には(1/
2)Hから水平同期信号期間とカラーバースト信号期間
とを引いた約(1/2)H(但し、Hは一水平走査期
間)の平坦部が得られる。また、この平坦部の上に発生
する歪がゴースト成分に相当する。ゴーストなどによっ
て発生する波形歪の分解能は基準信号のパルス幅(半値
幅)によって決まる。基準信号の波形は送信側、伝送
系、受信側など信号伝送系の周波数特性の情報を全て含
んでいる。その結果、例えば図4(b)のようなスペク
トル成分を含むことになる。
【0027】図7(d)は遅延時間がτで基準信号のレ
ベル(=1)に対して振幅比率a(<1)なる大きさの
正ゴーストが存在する場合の波形例である。このτ及び
aを用いてフィルター部の重み付けの値が設定される。
この重み付けの値を制御する回路が図1の重み付け制御
回路3である。
【0028】ここで、図7(d)に示すごとく基準信号
を含む一定範囲の信号部(但し、±(1/2)Hの範
囲)を読み込み、雑音を抑圧するためフィールドごとに
繰り返して得られるこれらの波形を加算平均するなどの
処理をした後、前記のように基準信号とゴーストとの間
の時間差τ及び振幅比率aを測定し、これを逆補正する
ような重み付けをフィルター部に対して行う。例えば図
2(a)の場合はh0 =1で、τ=nTの時はhn =−
aに設定、図2(b)の場合はτ=nTの時はhn =a
のように設定する。このように、重み付け制御回路の基
本機能としては、基準信号部のSNを向上させる積算処
理、ゴーストの遅延時間または進み時間さらには振幅な
どの計測処理、そして、フィルター部のどの重み付けを
制御すれば最も波形歪みが少なくできるかなどの判定、
設定処理などの機能があればよい。通常この部分は判
定、設定処理に自由度を持たせるためにCPU(マイク
ロプロセッサ)などを中心に構成されることが多い。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】前記図1の基づいて説
明してきたゴーストキャンセラーにおける問題点は、基
準信号を垂直同期信号の前縁部から得ている点である。
【0030】その理由は、垂直同期信号は放送局ごとに
少しずつ形が違うこと、及びその違いがある許容範囲で
認められていること、また、中継局などにおいて全く新
しく同期信号がすげ替えられている場合があること、ま
た、垂直同期信号の前縁部から得られる基準信号が映像
信号の特性と一対一の対応関係が保証されていないこ
と、さらに、基準信号のゴースト成分として水平同期信
号とカラーバースト信号とのゴースト成分をあわせて抽
出してしまうことのために、映像信号の正確な波形歪の
情報が得られない点である。
【0031】別の理由として、この基準信号の前後に得
られる各平坦部は、最大でも(1/2)Hから水平同期
信号期間とカラーバースト信号期間とを引いた区間であ
るため、各平坦部以上の遅延時間を有して発生するゴー
ストに対しては、従来装置が判定不能または誤動作を引
き起こすことが考えられる。各平坦部以上の遅延時間を
有するゴーストは大都市周辺では少なくない。
【0032】このような理由から、従来のゴーストキャ
ンセラは基本動作原理に誤りがなくとも、結果的に不完
全なものにならざるを得なかった。以上のような問題点
を除去するために、新たな基準信号が求められていた。
この発明は、上記問題点を解決するための新たな基準信
号が受信側で求められる送信装置を提供することを目的
としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために本発明は、
【0034】テレビジョン映像信号の送信装置におい
て、
【0035】第1と第2の2つの信号の間の演算で波形
歪検出のための基準信号が得られる2種類の信号を、水
平同期信号及びカラーバースト信号が各々の周期性に基
づき同一波形となる偶数個の水平走査期間隔てた2つの
水平走査期間の映像信号にそれぞれ多重する信号形成手
段を設けたことを特徴とする送信装置を提供するもので
ある。
【0036】
【実施例】前記従来技術とこの発明の相違点は、まず、
基準信号として映像信号と完全に対応ずけられた明確な
波形のものを用いること、また、基準信号の前後合わせ
て少なくとも1H以上の平坦部が得られるようにするこ
となどである。それに伴ない図1のゴーストキャセラの
具体的処理法も変わってくる。
【0037】まず、基準信号の波形についてであるが、
ここでは、説明の便宜上図5(a)のような波形を用い
ることにする。これはいわゆるTパルスと呼ばれる波形
であり、そのスペクトルは図5(b)の実線のような形
になっており、図中斜線部分は映像信号の帯域が4.2
MHzであることによってけずられる領域である。4M
Hzで−6dBの減衰量が与えられるトムソンフィルタ
ーとシャープカットオフフィルターとの組み合わせによ
って前記斜線部分がけずられるものである。
【0038】図5(a)の波形は本来リンギングの少な
い波形であり取り扱いやすく、扱い慣れた波形である。
この波形を基準信号として映像信号中に重畳して送り出
すことにより、映像信号が伝送される信号系の全ての特
性の情報が受信再生時に把握できることになる。
【0039】同様の主旨のもとに考えられるのが、図5
(c)のようなsinx/xパルスである。これは図5
(d)のように映像信号の周波数領域全てにわたってフ
ラットな特性、即ち4.2MHzまで平坦な周波数特性
に対するインパルス応答そのものであり、映像信号伝送
系の特性をつかむのには最も感度の高い波形であるが、
図5(c)に示すごとくかなりの時間帯にわたり、リン
ギングがあり取り扱いがかなり難しい波形である。しか
しながら、この発明における基準信号として十分にその
働きを生かすことができる。図5(a)における高域周
波数成分の不足分は予めその特性が分かっていることで
もあり、受信側でこれを取り出した後で高域周波数の補
正をすれば、図5(c)と同様の波形にもどすことも可
能である。
【0040】また、図5以外のパルス波形でも映像信号
の周波数領域の成分を有し伝送系の情報を抽出できる波
形を有する信号ならば、この発明における基準信号とし
ての波形として使用可能であるが、以下の説明では代表
的な波形として図5(a)及び(b)のTパルスを用い
ることにする。
【0041】次に、基準信号の挿入期間であるが、これ
は一般には垂直ブランキング期間を使用することにな
る。ライン番号でいうと10ラインから21ラインの間
及び273ラインから282ラインの間が挿入可能な水
平走査期間である。これらの期間には既に回線制御、文
字放送、VITS、VIRSなどのために使われている
期間もあるが、将来の可能性も含め本発明では、基準信
号の挿入期間として任意の水平走査期間を取り扱うもの
とする。
【0042】図6に示す実施例においては、基準信号を
挿入する1つの水平走査期間と、ブランキングレベルに
設定された最小4つ、最大5つの水平走査期間を波形歪
検出の基準信号部を形成するために必要とする。
【0043】図6(a)及び(b)は、放送局側即ち送
信側でセットする基準信号及びその関連信号の配置例で
ある。図6(a)にはH1 ,H2 ,H3 の3つの水平走
査期間が描かれており、各水平走査期間の境い目に水平
同期信号があり、そのやや右に色同期のためのカラーバ
ースト信号がある。各水平走査期間の水平同期信号以外
の区間、即ちH1 ′,H2 ′,H3 ′はブランキングレ
ベルに設定されているが、H2 ′の期間のほぼ中央位置
に図5(a)に示すTパルスが基準信号として重畳され
ている。図6(b)の3つの水平走査期間H4 ,H5 ,
H6 は、図6(a)のH1 ,H2 ,H3 からそれぞれ偶
数個の水平走査期間離れた位置に設定されており、各水
平走査期間の水平同期信号を除く期間H4 ′,H5 ′,
H6 ′の基準レベルはブランキングレベルに設定されて
いる。
【0044】図6(a)と(b)を対応づけて比較する
と、H1 とH4 については水平同期信号及びカラーバー
スト信号とは極性,振幅を含めて同じものであり、ブラ
ンキングレベルも当然同一レベルであるであるから、H
1 とH4 とは全く同じ波形になる。またH3 とH6 につ
いてもH1 とH4 との関係と全く同じ関係となる。H2
とH5 については基準信号波形を除いてやはりH1 とH
4 との関係と全く同じ関係となる。図6(a)と(b)
とは前述のごとく偶数個の水平走査期間分だけ離れた位
置に配置されるが、これら6つの水平走査期間が1組と
なって波形歪検出に使用されることになる。なお、図6
(a)のH1 と図6(b)のH6 とが重なる場合か、H
3 とH4 とが重なる場合が、必要とする水平走査期間が
最も少ない5個という数になる。
【0045】このように、基準信号を含む1つの水平走
査期間、及びその前後にブランキングレベルに設定され
た1つずつの水平走査期間、そして、これら3つの水平
走査期間からそれぞれ偶数個の水平走査期間分だけ離れ
た位置に、やはりブランキングレベルに設定された3つ
の水平走査期間を設けて、放送局、即ち送信側からテレ
ビジョン映像信号を送り出す信号形成手段が、本実施例
の第1の特徴である。
【0046】次に、受信側で再生した映像信号の処理に
ついて説明する。伝送系でのマルチパスによって発生す
る波形歪はゴーストと呼ばれるが、このゴースト成分を
除去する装置の説明には従来技術の説明に用いた図1を
転用することにする。図1のラインl1に入力する基準
信号を含む映像信号は図6(a)及び(b)と同じもの
である。但し、この場合は波形歪が含まれていない例に
対応する。フィルター部1の構成は図2(a)または
(b)、またはこれらが組み合わされた形になるが、従
来技術の説明で述べた事柄と同じであるのでその詳細説
明は省略する。
【0047】次にフィルター部出力を入力信号とする基
準信号抽出回路2について説明する。図3(b)はその
具体例である。ラインl2からの入力映像信号は減算器
2cの一方の入力端子に加えられると共に遅延回路2d
にも加えられる。この遅延回路2dによって水平走査期
間の偶数倍の遅延時間が与えられ、減算器2cのもう一
方の入力端子に加えられる。図6(a)に対して(b)
の波形が時間的に遅れた時間帯に配置されているものと
すれば、図6(a)の波形が図3(b)の遅延回路2d
の出力端子に現れる時点では、図6(b)の波形が3図
(b)のラインl2上に存在するため減算器2cでは図
6(a)の波形から図6(b)の波形が減算され、ライ
ンl4の出力ライン上には図6(c)の波形が得られ
る。
【0048】この波形の特徴は基準信号を中心にしてそ
の前後に約1.5H分の平坦部が得られることである。
これは前述のごとく、図6(a)と(b)とは水平同期
信号及びカラーバースト信号が完全に相関があるよう
に、即ち同じ波形状態で配置されているため、減算機2
cの減算処理によって基準信号を残して他は完全に消え
てしまうためである。
【0049】図6(d)は伝送系で発生したゴーストが
重畳された波形例であり、図6(c)の対応する基準信
号抽出回路2の出力信号である。
【0050】基準信号のレベルを1として基準値とすれ
ば、遅延時間τ及びそのレベルaを測定することによっ
て、ゴーストの情報を知ることができる。図6(d)の
ゴーストの例は、従来技術の説明で引用した図7と対応
するものであり、正ゴーストの例である。
【0051】図6(d)が従来技術と大きく異なる点は
ゴーストとの時間差τである。基準信号の前後には本来
約1.5H分の波形平坦部が存在しているので、波形平
坦部上に得られる波形歪をゴーストとして検出すること
によって、従来技術の約3倍の検出可能範囲、即ちゴー
ストキャンセル可能範囲を得ることができる。この範囲
でゴーストを処理することができれば、テレビジョン放
送で発生するほとんどのゴーストに対応できるようにな
る。
【0052】このように基準信号を中心に従来技術の約
3倍の時間範囲に波形平坦部が得られるようにした基準
信号抽出手段が、この実施例の第2の特徴である。
【0053】また、図6(d)におけるゴーストとの時
間差τ及びそのレベルaを測定し、それに対応するゴー
ストの除去のための重み付けの値をフィルター部にセッ
トするのは重み付け制御回路3の働きであるが、動作原
理は従来技術と同じであってもゴーストの処理時間範囲
が従来技術の3倍にまで延長できたことは、この実施例
の第3の特徴である。
【0054】なお、実施例における第1の特徴である信
号形成手段は、一般のテレビジョン放送の場合には放送
局側の処理範囲に属し、第2の特徴である基準信号抽出
手段及び第3の特徴である波形歪検出手段は受信側の映
像信号処理範囲に属する。
【0055】また、基準信号抽出回路の具体例として図
3(b)の例を引用したが、等価的に所定の偶数個分の
水平走査期間離れた信号間、そして図6(a)と(b)
とのように基準信号を含む3Hの期間、即ち基準信号部
を形成できる信号部分だけ減算処理すれば、この発明の
主旨は満たされるので、必要な期間だけをメモリー回路
に記憶させ他の不要な期間の信号は読み飛ばすなどの処
理をすれば、図3(b)における遅延回路2dのメモリ
容量を削減できるなど、他の構成も考えられる。
【0056】受信側で重要なことは、図6(a)と
(b)とのように基準信号を含み基準信号部を形成でき
る映像信号部の抽出及び演算処理であり、必ずしもリア
ルタイム処理だけを指すものではない。
【0057】さらに、実施例では基準信号を所定の一水
平走査期間のほぼ中央位置に付加し、ゴースト検出範囲
を基準信号の前後で均等にしているが、使用状況に応じ
て基準信号の付加位置を一水平走査期間内で前後にずら
し、ゴースト検出範囲を基準信号の前方または後方で長
くしてもよい。
【0058】実施例で前記基準レベルをブランキングレ
ベルとしたのは、NTSC方式の垂直ブランキング期間
の信号をそのまま使用することを狙いとしたためであ
り、追加信号は前記基準信号だけにとどめ、最小の変更
で基準信号部を構成することを目的としている。この発
明の趣旨からすれば、前記基準レベルを任意のグレーレ
ベルにすることも可能であり、これは前記ブランキング
レベルの範囲に属するものである。
【0059】ここで、上記実施例では、連続した3つの
水平走査期間を2組用いて基準信号の波形歪を検出した
が、水平同期信号とカラーバースト信号とを取り除くと
同時に、水平同期信号とカラーバースト信号との波形歪
成分をも取り除いて基準信号の波形歪を検出するために
は、次のような方法でもよい。
【0060】即ち、基準信号である第1の信号を所定の
水平走査期間の信号に多重し、その水平走査期間から偶
数個の水平走査期間隔てた水平走査期間の信号に第2の
信号を多重して送信する。受信側で前記第1と第2の信
号が多重された水平走査期間の信号間の演算によって基
準信号を得て波形歪を検出する。
【0061】偶数個の水平走査期間隔てた2つの信号間
では、前述したように、水平同期信号とカラーバースト
信号とが極性、振幅を含めて同一となるので、前記2つ
の信号間の演算で水平同期信号とカラーバースト信号と
を取り除くこと、さらには、水平同期信号とカラーバー
スト信号との波形歪成分をも同時に取り除くことができ
る。
【0062】この方法を用いれば、基準信号の波形歪成
分のみが正確に検出できるので伝送系の波形歪情報が正
確に検出でき、さらに、正確な波形歪が検出できる検出
可能範囲が水平同期信号期間とカラーバースト信号期間
にまで広がるので、基準信号の前後合わせて1H以上に
検出可能範囲が広がる。
【0063】
【発明の効果】以上の通り、本発明の送信装置は以下の
効果を有する。
【0064】(イ)請求項1記載の送信装置は、第1と
第2の2つの信号の間の演算で波形歪検出のための基準
信号が得られる2種類の信号を、水平同期信号及びカラ
ーバースト信号が各々の周期性に基づき同一波形となる
偶数個の水平走査期間隔てた2つの水平走査期間の映像
信号にそれぞれ多重する信号形成手段を設けている。こ
の送信装置から送出されテレビジョン信号を受信側にお
いて、第1の信号が多重された水平走査期間の信号と、
第2の信号が多重された水平走査期間の信号との演算に
よって基準信号を得て波形歪を検出する。偶数個の水平
走査期間隔てた2つの信号間では、水平同期信号とカラ
ーバースト信号とが極性、振幅を含めて同一となるの
で、前記2つの信号間の演算で水平同期信号とカラーバ
ースト信号とを取り除くこと、さらには、水平同期信号
とカラーバースト信号との波形歪成分をも同時に取り除
くことができる。よって、この送信装置を用いれば、受
信側において、基準信号の波形歪成分のみが正確に検出
できるので伝送系の波形歪情報が正確に検出でき、さら
に、正確な波形歪が検出できる検出可能範囲が水平同期
信号期間とカラーバースト信号期間にまで広がるので、
基準信号の前後合わせて1H以上に検出可能範囲が広が
り、一段と処理能力が向上する。
【0065】(ロ)請求項2記載の送信装置を用いれ
ば、前記(イ)で説明した効果に加えて、受信側で映像
信号の全ての周波数成分を含有する第1の信号から基準
信号を得られるので、各放送局間の差もなくなり、基準
信号の波形歪成分の特性が映像信号の波形歪成分の特性
に一対一に対応し、より正確に伝送系の波形歪情報を検
出できる。第1の信号例としてはTパルス,sinx/
xのようなものが用いられる。
【0066】(ハ)請求項3記載の送信装置を用いれ
ば、前記(イ),(ロ)で説明した効果に加えて、受信
側において、偶数個分の水平走査期間分離れたそれぞれ
相対応する3つずつの水平走査期間にわたる2組の信号
間の演算処理により、基準信号の前後合わせて約3Hの
範囲にわたって正確な波形歪の検出が可能となるので、
従来の3倍の時間範囲の波形歪を処理することができ、
遅延時間の長い波形歪にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の送信装置に対応する受信側のゴース
トキャンセラー、及び従来の送信装置に対応する受信側
のゴーストキャンセラーの機能説明のためのブロック図
である。
【図2】図1におけるフィルター部の具体例を示す図で
ある。
【図3】図1における基準信号抽出回路の具体例を示す
図である。
【図4】基準信号抽出回路の動作説明図である。
【図5】本実施例の送信装置の送出する基準信号の例を
示す図である。
【図6】本実施例の送信装置の送出する基準信号の特徴
を説明するための図である。
【図7】従来の基準信号抽出動作を説明するための波形
図である。
【符号の説明】
1 フィルター部 1a 遅延回路 1b 重み付け回路 1c 加算回路 1d 減算回路 1e 遅延回路 1f 重み付け回路 1g 加算器 2 基準信号抽出回路 2a 減算器 2b 遅延回路 2c 減算器 2d 遅延回路 3 重み付け回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレビジョン映像信号の送信装置におい
    て、 第1と第2の2つの信号の間の差を求める演算で波形歪
    検出のための基準信号が得られる2種類の信号を、水平
    同期信号及びカラーバースト信号が各々の周期性に基づ
    き同一波形となる偶数個の水平走査期間隔てた2つの水
    平走査期間の映像信号にそれぞれ多重する信号形成手段
    を設けたことを特徴とする送信装置。
  2. 【請求項2】テレビジョン映像信号の送信装置におい
    て、 映像信号の全ての周波数成分を含有する第1の信号と、
    この第1の信号との間の差を求める演算で波形歪検出の
    ための基準信号が得られる第2の信号とを、水平同期信
    号及びカラーバースト信号が各々の周期性に基づき同一
    波形となる偶数個の水平走査期間隔てた2つの水平走査
    期間の映像信号にそれぞれ多重する信号形成手段を設け
    たことを特徴とする送信装置。
  3. 【請求項3】テレビジョン映像信号の送信装置におい
    て、 映像信号の所定の一水平走査期間に、ブランキングレベ
    ルを基準レベルとし映像信号の全ての周波数成分を含有
    する基準信号を付加し、前記基準信号を付加した水平走
    査期間に互いに隣接する2つの水平走査期間をブランキ
    ングレベルに設定し、さらに、これら第1の連続した3
    つの水平走査期間の各水平走査期間からそれぞれ偶数個
    の水平走査期間隔てられた水平走査期間から成る第2の
    連続した3つの水平走査期間をブランキングレベルに設
    定する信号形成装置を設けたことを特徴とする送信装
    置。
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