JP2570073Y2 - 脱臭装置を有するトイレ装置 - Google Patents

脱臭装置を有するトイレ装置

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JP2570073Y2
JP2570073Y2 JP1991019852U JP1985291U JP2570073Y2 JP 2570073 Y2 JP2570073 Y2 JP 2570073Y2 JP 1991019852 U JP1991019852 U JP 1991019852U JP 1985291 U JP1985291 U JP 1985291U JP 2570073 Y2 JP2570073 Y2 JP 2570073Y2
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正俊 久野
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、臭気を効率的に除去で
きるトイレ装置に関する
【0002】
【従来の技術】空気中には種々の臭いがある。例えばト
イレ中には、糞尿から発生するアンモニア、硫化水素、
アミン類、メルカプタン類、アルデヒド類、インド−ル
類、炭化水素類等の悪臭成分が含まれており、これらの
多種多様な成分が複雑かつ相互に作用しあって特異な臭
気を形成している。
【0003】従来、このようなトイレ中の臭気を除去す
る方法として、次のような手段が提案されている。 (1)活性炭、シリカゲル等による臭気の吸着。 (2)トイレ内の空気の換気。 (3)芳香剤によるマスキング。 (4)有機物を腐敗させるバクテリアを殺し、腐敗を防
止する(生物的消臭)。 (5)中和、付加、縮合、酸化等の化学反応による消臭
(例えば、鉱酸や有機酸を用いてアンモニア、アミン類
を中和する。オゾンにより臭気を酸化する。)また、上
記方法を2種類以上組み合わせて対処している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
手段では必ずしも充分ではない。そこで本出願人は、光
触媒及び光触媒に光を照射する光照射手段を用いる脱臭
手段を開発した。また特開平1−238867号公報に
開示されている光触媒による脱臭方法も開示されてい
る。なお光触媒による脱臭理論は現在必ずしもあきらか
ではないが、紫外線等の光照射により光触媒を活性化さ
せ、悪臭成分を効果的に分解して脱臭効果があることが
実験で確認されている。
【0005】本考案はかかる光触媒による脱臭装置を更
に改良したものであり、光照射手段から照射した紫外線
光がハウジング外に漏れることを軽減または回避する
脱臭装置を有するトイレ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の脱臭装置を有す
トイレ装置は、トイレの便器に取付けられるトイレ装
置であって、トイレの便器に取付けられ室をもつととも
に室の内部と外部とを連通する吸気口及び排気口をもつ
ハウジングと、ハウジングの室内に配置され空気中の臭
気成分を吸着または分解除去する光触媒と、ハウジング
の室内に配置され光触媒に紫外線の光を照射して脱臭を
促す光照射手段と、ハウジングに設けられトイレ内の空
気を光触媒に接触させる空気接触手段と、ハウジングに
設けられハウジングの吸気口及び排気口の少なくとも一
方を通気可能に覆うブラインド部材とからなることを特
徴とするものである。本考案では、光照射手段が光触媒
に照射する光とは、紫外線を意味する。
【0007】光触媒は、トイレの空気と接触すると共に
紫外線の光を照射されることにより空気中の悪臭成分を
光化学的に分解除去するものである。光触媒としては、
光照射によって触媒反応を促進させるものであればどの
ようなものでもよく、その種類は限定されない。例え
ば、酸化チタン(TiO2 )、酸化鉄(Fe2 3 )、
酸化タングステン(WO3 )、酸化スズ(SnO2 )、
酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化銅(Cu2 O)、酸化亜鉛(ZnO)、チタ
ン酸ストロンチウム(SiTiO3 )、酸化ケイ素(S
iO2 )、硫化モリブデン(MoS2 )、リン化インジ
ウム(InP)、リン化ガリウム(GaP)、鉛化イン
ジウム(InPb)等の半導体、あるいは該半導体に白
金(Pt)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、銅
(Cu)、スズ(Sn)、ルテニウム(Ru)、ニッケ
ル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、セリ
ウム(Ce)、ランタン(La)等の金属または金属酸
化物を担持したもの等が挙げられ、これらのうちの少な
くとも1種を使用する。
【0008】ところで、光触媒として酸化チタンと酸化
タングステンの混合金属酸化物を用いたときには、最大
波長が370nm以下(エネルギ3.35eV以上)の
紫外線を照射すると、酸素の共存下でアンモンア、アミ
ン類の窒素化合物、硫化水素、メルカプタン類の硫黄化
合物、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類、脂肪酸
及び芳香族化合物などの悪臭の原因成分を酸化物などに
効率良く分解し悪臭除去できることが実験的に確認され
ている。酸化チタンと酸化タングステンの混合金属酸化
物による除臭の原理は、必ずしも明らかではないが、酸
化チタンと酸化タングステンのn型半導体の価電子帯の
電子が紫外線を吸収して伝導帯に励起され、そこで生じ
た価電子帯の正孔は触媒表面にある水酸基と反応し、伝
導帯に励起された電子は酸素と反応して活性の高いOH
ラジアル、Oラジアルなどが発生し、これが悪臭成分を
酸化分解するものと推察されている。
【0009】上記光触媒は、そのままで使用してもよ
く、さらに担体に担持して使用してもよい。担体として
は、コ−ジェライト、アルミナ、活性炭、活性炭素繊
維、ゼオライト等のセラミック多孔体、ステンレス、銅
等の金属網、ナイロンメッシュ等の化学繊維布、アルミ
ニウム、ステンレス等の鋼板等をハニカム状、発泡体
状、板状、網状、クロス状、ペレット状、粉末状等の形
状としたものが挙げられる。
【0010】光触媒は、上記空気接触手段により効率よ
く空気と接触する位置に配置するのがよい。例えば、ト
イレ室内の空気を導くダクトを配設し、このダクト中に
配設される空気接触手段の風上、あるいは風下に光触媒
を配設することができる。これにより、空気接触手段に
よって吸引された空気を、光触媒上に効率よく接触させ
ることができる。
【0011】光照射手段は、光触媒に紫外線の光を照射
して光触媒を活性化させ脱臭を促すものである。照射す
る光のエネルギ−としては、光触媒を励起させて臭気中
の悪臭成分を分解するのに対応した波長を有するエネル
ギ−であって、紫外波長の領域のものである。更に望ま
しくは、波長が150〜450nmの範囲、出力が4〜
100Wの範囲の光を照射するものがよい。上記範囲の
ものであれば、光触媒は高活性化し、トイレ等のアンモ
ニア、メルカプタン類等の悪臭成分を高効率で浄化する
ことができる。
【0012】本考案ではエネルギ−源としては、水銀
灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ハロゲンラン
プ、蛍光ランプ等のフィラメントランプ、レ−ザ−光線
等の人工光源等が挙げられる。空気接触手段は空気を吸
引し、光触媒に接触させるものである。空気接触手段
は、ファンモータと、ファンモータで駆動されるファン
羽根とで形成できる。
【0013】ハウジングは、室をもつとともに、室と外
気とを連通する吸気口及び排気口をもつ。ハウジングの
室内には光触媒および光照射手段が配設されている。ハ
ウジングの構造は適宜選択できる。ブラインド部材は、
光照射手段から照射した紫外線の光がハウジング外に漏
れることを軽減または回避するための部材である。ブラ
インド部材は、ハウジングの吸気口及び排気口の少なく
とも一方を通気可能に覆うものである。ブラインド部材
の構造は適宜選択でき、ハウジングに固定的に装備され
開閉しない非開閉構造、あるいは、開閉度を調整できる
開閉構造のいずれでもよい。開閉構造の場合には、ブラ
インド部材の回転により開閉する構造、ブラインド部材
の直動により開閉する構造にでき、ブラインド部材の駆
動源としてはモータ、シリンダを採用できる。
【0014】ブラインド部材の開閉量を指定する開閉量
指定手段を設けることもできる。開閉量指定手段は切替
スイッチで構成できる。開閉量指定手段で指定する開閉
量のモードは、複数種類モードにできる。この場合、制
御手段は、開閉量指定手段に応じてブラインド部材の開
閉量を制御する。ここで、空気接触手段のみが作動して
光照射手段が非照射のときには、光が漏れる心配がない
ので、ブラインド部材を開放して吸気口及び排気口の少
なくとも一方の開口面積つまり流路面積を大きくする様
に制御することもできる。このように光照射手段が非照
射のときには、光が漏れる心配がないので、臭気成分を
含む空気を光触媒に効率良く接触させることができ、脱
臭効率の向上に有利である。
【0015】ところで本考案では、便器の使用を検知す
る使用検知手段を設けるのが好ましい。使用検知手段の
信号に応じて、制御手段がブラインド部材の開閉量を制
御することもできる。使用検知手段は、人がトイレを使
用している状態を検知するものであり、使用開始及び使
用終了を検知する。該使用検知手段としては、以下のよ
うなものが挙げられる。洋式大便器においては、大便あ
るいは女子小便の場合、便座の回転軸に設置され、閉じ
た便座に人が座ったときの荷重を検知する着座センサ
−、あるいは上記荷重によりマイクロスイッチを押す機
構がある。あるいは便座のゴム脚部に圧力センサ−を設
置してもよい。また、便座に人が座ることにより赤外線
を遮断または反射して人の着座を検知する赤外線センサ
−がある。また、洋式大便器における男子小便の場合、
あるいは洋式小便器の場合、便器の上部に設置され、便
座の前に人が立ったことを赤外線を遮断または反射して
人の存在を検知する赤外線センサ−がある。また、超音
波により上記と同様にして検知する超音波センサ−も使
用できる。また、和式大便器あるいは小便器の場合、便
座の前または上に人が立ったことを赤外線または超音波
を遮断または反射して人の存在ぬ検知する赤外線センサ
−あるいは超音波センサ−がある。またトイレの入口に
人が入ったことを赤外線または超音波を遮断または反射
して人の存在を検知する赤外線センサ−あるいは超音波
センサ−がある。
【0016】また制御手段は光照射手段を制御すること
もできる。この場合、制御手段は、第1基準時間間隔
(例えば3時間〜10時間)で光照射手段を第1照射時
間(例えば4分間〜15分間)ぶん照射する第1制御手
段と、第1基準時間間隔よりも長い第2基準時間間隔
(例えば1日〜7日)で光照射手段を第2照射時間(例
えば30分間〜80分間)ぶん照射する第2制御手段と
で構成できる。第1照射時間、第2照射時間、第1基準
時間間隔、第2基準時間間隔は、所望の時間に設定でき
る。なお制御手段はCPUを利用してプログラムに従っ
てソフト的に構成できる。 ところで制御手段がブライ
ンド部材の駆動を制御する場合、使用検知手段で検知し
た便器などの使用開始を検知した信号は制御手段に送ら
れ、制御手段は予め設定されたプログラムに従ってブラ
インド部材、空気接触手段及び光照射手段を作動させる
こともできる。
【0017】さて、図4の特性線H1に示す様に光触媒
に吸着している悪臭成分吸着量Iが増加すると、光触媒
の吸着能力Cは低下する傾向にある。従って図5の特性
線H2に示す様に、使用時間Tが長くなると、光触媒の
吸着能力Cは低下する。また、図6の特性線H3に示す
様に示す様に、光照射手段としての紫外線ランプを点灯
して紫外線の照射で光触媒の活性化を図りながら使用す
ると、光触媒の吸着能力は基本的には低下せず、長期間
にわたり良好な悪臭除去が期待できる。しかし紫外線ラ
ンプの寿命は200時間程度と比較的短いために、連続
照射すると、紫外線ランプの交換を早く行う必要があ
る。また図7の特性線H4に示す様に、光照射手段を短
時間例えば10分間でも照射すると、光触媒の吸着能力
の復帰率は80〜90%程度となる。
【0018】
【作用】空気接触手段が作動すると、臭気成分を含む空
気は吸気口からハウジング内に流入し、臭気成分は光触
媒に吸着され、残りの空気は排気口からハウジング外に
排出される。光照射手段が紫外線の光を照射すると、光
触媒は活性化され、脱臭が促される。光照射している際
には、ブラインド部材でハウジングの吸気口及び排気口
の少なくとも一方が通気可能に覆われているので、ハウ
ジング外への光漏れは軽減または回避される。
【0019】
【実施例】以下、本考案の実施例を説明する。 (構成) 図1に示す様に、この脱臭装置は、ハウジング1と、第
1光触媒2と、第2光触媒3と、光照射手段としての紫
外線ランプ4と、空気接触手段としてのファン5と、制
御部6と、照射状況指定手段としての切替スイッチ7と
を具備する。
【0020】ハウジング1の側面壁10には吸気口11
が形成され、側面壁12には排気口13が形成されてい
る。吸気口11と排気口13との間は通路14とされて
いる。本実施例では、ブラインド部材としてのブライン
ド18、19がハウジング1の吸気口11及び排気口1
3を通気可能に覆う構造である。ブラインド18、19
は斜めに固定されている。
【0021】第1光触媒2はハウジング1の通路14に
おいて吸気口11側に第1保持部15を介して保持され
ている。第2光触媒3はハウジング1の通路14におい
て排気口13側に第2保持部16を介して保持されてい
る。第2光触媒3は第1触媒2にて吸着されなかった悪
臭ガス成分を吸着するものである。第1触媒2および第
2光触媒3は、具体的には平均粒径0.01〜500μ
mのチタニヤ(TiO2 )粉末とチタニヤゾルとを含む
水溶液に、担体としてのコージェライトハニカムを浸責
し、その後、乾燥処理、加熱処理して形成したものであ
る。コージェライトハニカムは、形状が略直方体であ
り、ハニカム孔は150個/inch2 から300個/
inch2 である。チタニヤ粉末はハニカムの容積1リ
ットルあたり約84gコートされている。
【0022】紫外線ランプ4は、制御基板17にランプ
保持部40を介して縦形に保持されている。紫外線ラン
プ4は、殺菌線出力10W、波長240〜260nm、
主波長254nmのものを用いた。ハウジング1の室内
1aには安定器42が設けられている。安定器42は紫
外線ランプ4の点灯初期における過渡現象を抑制するも
のである。なお紫外線ランプ4と第1光触媒2との距離
は5〜20mm程度である。また紫外線ランプ4と第2
光触媒3との距離は5〜20mm程度である。
【0023】ファン5はハウジング1の通路14におい
て吸気口11に対面して第1保持部15を介して保持さ
れており、ファン羽根と、ファン羽根を回転させるファ
ンモータ52とで形成されている。なおファン5の風量
は0.1〜2m3 /分である。切替スイッチ7はハウジ
ング1の側面壁に装備されており、連続運転モードであ
るパワー脱臭処理と断続運転モードである通常脱臭処理
とを切り替えるスイッチである。ハウジング1にはパワ
ー脱臭処理の状態を示すLED7d、通常脱臭処理の状
態を示すLED7eが装備されている。
【0024】制御部6はCPUを主体として構成されて
おり、入力インタフェース及び出力インタフェースをも
つ。図9に示す様に制御部6には切替スイッチ7、紫外
線ランプ4、ファンモータ52が接続されている。 (作用効果) さて本実施例では、ファンモータ52が駆動するとファ
ン5のファン羽根が回転し、悪臭を含んだハウジング1
外の空気は吸気口11から矢印A1方向にそって通路1
4に吸い込まれる。これにより、空気中の悪臭成分が第
1光触媒2に吸着する。また第1光触媒2に吸着しなか
った悪臭成分は第2光触媒3に吸着する。そして、制御
部6は所定時期に紫外線ランプ4を作動させて照射させ
る。これにより第1光触媒2、第2光触媒3は活性化さ
れるとともに、第1光触媒2、第2光触媒3に吸着され
ていた悪臭成分は分解されて取り除かれる。
【0025】ところで、切替スイッチ7で断続運転モー
ドつまり通常脱臭処理に切り替えられているときには、
制御部6は紫外線ランプ4を所定の間隔で断続運転す
る。図2に断続運転モードつまり通常脱臭処理における
紫外線ランプ4の作動状況を示す。図2に示す様に本実
施例では紫外線ランプ4を10分間の間照射させたら、
5時間非照射状態とする。これを繰り返す。紫外線ラン
プ4が非照射状態のときでも、ファンモータ52を連続
的に回転させておき、ハウジング1外の悪臭成分を第1
光触媒2、第2光触媒3に吸着されておく。これにより
本実施例では断続運転モードでは、本来的には寿命の短
い特性をもつ紫外線ランプ4の寿命を確保しつつ、脱臭
効果を効果的に図り得る。
【0026】また本実施例では紫外線ランプ4の10分
間照射、5時間非照射を繰り返していると、図3の特性
線H6に示す様に第1光触媒2、第2光触媒3の復帰率
は復帰率P1、P2、P3、P4、P5の様に次第に低
下し、そのため第1光触媒2、第2光触媒3の悪臭除去
機能が低下してくる。この点本実施例では図3における
特性線H6のP7に示す様に3日間経過したら、制御部
6は紫外線ランプ4を1時間の間作動させて連続照射さ
せ、これにより第1光触媒2、第2光触媒3を再生させ
る再生処理を行う。これにより第1光触媒2、第2光触
媒3の復帰率を高める。これにより断続運転モードにお
いて第1光触媒2、第2光触媒3は効果的に再生され
る。本実施例ではかかる操作が順に行われる。なお図3
において、基準線Yは実用上必要な触媒2、3の吸着能
力値を示す。なお、上記した10分間、5時間、3日の
時間は必要に応じて適宜変更できるものである。
【0027】更に本実施例では使用者が悪臭を感じた場
合は、切替スイッチ7を連続運転モードであるパワー脱
臭処理側に操作する。すると、制御部6はファンモータ
52を連続的に駆動させるとともに紫外線ランプ4を連
続的に作動させて紫外線の連続照射を行うので、空気中
の悪臭は迅速に取り除かれ、悪臭残存による使用者の不
快感を直ちに無くし得る。
【0028】このように本実施例では悪臭が比較的少な
いときには、断続運転モードつまり通常脱臭処理にでき
る。また、使用者が悪臭を感じた場合、強い悪臭雰囲気
で使用する場合、悪臭雰囲気に長時間滞在する場合など
の様に強力脱臭を必要とするときには、連続運転モード
つまり強力脱臭処理にできる。このように本実施例で
は、状況に応じて紫外線ランプ4を必要ぶん照射させる
ことができ、紫外線ランプ4の長寿命化を図りつつ脱臭
を効率良く行い得る。
【0029】ところで紫外線は生体例えば肉眼や皮膚に
悪影響があるといわれている。特に長時間にわたる照射
を受けると、悪影響があるといわれている。この点本実
施例ではブラインド18がハウジング1の吸気口11
を、ブラインド19がハウジング1の排気口13を通気
可能に覆う構造である。そのため、紫外線がハウジング
1外へ漏れることを軽減または回避でき、使用者に紫外
線が照射されることを軽減または回避でき、生体を保護
し得る。 (適用例) 図8に適用例を示す。図8に示す様に、便器100、便
座101、便蓋102が配設されており、更に便器10
0の後方にはハウジング1が装備されている。ハウジン
グ1には光触媒2、紫外線ランプ4、ファン5が内設さ
れている。 (制御) 本実施例の制御部6のCPUが実行するメインルーチン
を図10に示す。図10に示す様に電源等の投入により
ステップS100で各種レジスタ、フラグなどを初期状
態に設定する。ステップS200でファンモータ52を
オンする。ステップS300で切替スイッチ検出サブル
ーチンを実行し、ステップS600で紫外線ランプを1
0分間照射する照射サブルーチンを実行し、ステップS
700で紫外線ランプを5時間非照射にする非照射サブ
ルーチンを実行し、ステップS800で再生処理サブル
ーチンを実行し、ステップS900でその他のサブルー
チンを実行し、ステップS1000で、1ルーチンの時
間を一定にする内部タイマの終了を待ってステップS2
00に戻る。
【0030】図11は通常脱臭処理かパワー脱臭処理の
状態かを判定する切替スイッチ検出サブルーチンを示
す。このサブルーチンでは、図11に示す様に、ステッ
プS302で切替スイッチ7の状態を読む。ステップS
304で切替スイッチ7が通常脱臭処理かパワー脱臭処
理の状態かを判定する。切替スイッチ7が通常脱臭処理
の状態であれば、ステップS306でSWフラグを1に
し、メインルーチンにリターンする。ステップS304
での判定の結果、パワー脱臭処理の状態であれば、ステ
ップS310でSWフラグを0にし、ステップS312
で紫外線ランプ4をオンにし、メインルーチンにリター
ンする。ここで、SWフラグが1のとき通常脱臭処理を
意味し、SWフラグが0のときパワー脱臭処理を意味す
る。
【0031】図12は通常脱臭処理において紫外線ラン
プ4を10分間照射する照射サブルーチンを示す。この
サブルーチンでは、図12に示す様に、ステップS60
2でSWフラグが1かどうか判定し、1であれば、通常
脱臭処理であるため、ステップS604で再生フラグが
0かどうか判定し、0であれば、ステップS606で照
射フラグが1かどうか判定し、1であれば、ステップS
608で紫外線ランプ4をオンし、ステップS610で
タイマVをインクリメントする。ステップS612でタ
イマVが10分間を越えていれば、照射時間が経過した
とみなし、ステップS614で紫外線ランプ4をオフに
し、ステップS616でタイマVをクリヤし、照射フラ
グを0にし、メインルーチンにリターンする。
【0032】なおステップS602での判定の結果、S
Wフラグが0であれば、パワー脱臭処理を行うが、通常
脱臭処理を行う必要がないので、メインルーチンのステ
ップS900にジャンプする。またステップS606で
の判定の結果、照射フラグが0であれば、非照射域のた
め、ステップS630Wで紫外線ランプ4をオフにし、
そのままメインルーチンにリターンする。
【0033】図13は紫外線ランプ4を5時間非照射に
する非照射サブルーチンを示す。このサブルーチンで
は、図13に示す様に、ステップS702で再生フラグ
が0かどうか判定し、0であれば、非照射域のため、ス
テップS704でタイマRをインクリメントし、ステッ
プS706でタイマRが5時間経過したかを判定し、経
過しておればタイマRをクリヤし、ステップS710で
照射フラグを1にし、メインルーチンにリターンする。
ステップS706での判定の結果、5時間経過していな
ければ、そのままメインルーチンにリターンする。
【0034】図14は3日間ごとに紫外線ランプ4を1
時間照射して第1光触媒2及び第2光触媒3を再生する
再生処理サブルーチンを示す。このサブルーチンでは、
図14に示す様に、ステップS802でタイマLをイン
クリメントする。ステップS804で3日経過したか判
定し、3日経過しておれば、再生処理を実施すべく、ス
テップS806で再生フラグを1にする。更にステップ
S808で紫外線ランプ4をオンし、ステップS810
でタイマSをインクリメントする。ステップS812で
タイマSが1時間経過したか判定し、1時間経過してい
たら、ステップS814で紫外線ランプ4をオフにし、
ステップS816でタイマS、タイマLをクリヤし、再
生処理が終了したので、ステップS818で再生フラグ
を0にする。なおステップS804での判定の結果、3
日経過していなければ、再生する必要がないので、再生
フラグを0にし、そのままメインルーチンにリターンす
る。 (他の制御) 図15及び図16は異なる実施例を示す。この実施例は
前記した実施例と基本的には同じ構成であり、同じ作用
効果を奏する。但し、この吸気口11側に配置されたブ
ラインド18は連動ロッド18aとモータ18bとを備
えている。この排気口13側に配置されたブラインド1
9は連動ロッド19aとモータ19bとを備えている。
更に、ハウジング1には、ブラインド18用の開閉量指
定手段としてのモードスイッチ18f、ブラインド19
用のモードスイッチ19fが装備されている。ブライン
ド18用のモードスイッチ18fはブラインド18の開
放量を3段階に制御するものである。ブラインド19用
のモードスイッチ19fはブラインド19の開放量を3
段階に制御するものである。
【0035】この例では、吸気口11側のブラインド1
8、排気口13側のブラインド19を個別に開閉制御で
きる。従って、吸気口11側のみに使用者がいる場合、
排気口13側のみに使用者がいる場合、吸気口11及び
排気口13側の双方に使用者がいる場合に対応できる。
この例では、図9のブロック図に示す様にブラインド1
8用のモードスイッチ18f、ブラインド19用のモー
ドスイッチ19f更にはモータ18b、19bは制御部
6に接続されている。ここで、モータ18bが駆動する
と、連動ロッド18aを介して各ブラインド18の開閉
量が調整される。モータ19bが駆動すると、連動ロッ
ド19aを介して各ブラインド19の開閉量が調整され
る。
【0036】この例では、その他のサブルーチンとし
て、図16に示すフローチヤートを実行する。このフロ
ーチヤートのうち領域W1がブラインド18の開閉を制
御するものであり、領域W2がブラインド19の開閉を
制御するものである。即ち、ステップS902では、照
射フラグが1(紫外線の照射状態)かどうか判定する。
ステップS950で再生フラグが1(紫外線の照射状
態)であるか判定する。ステップS950での判定の結
果、再生フラグが0であれば、紫外線非照射状態のた
め、吸気口11及び排気口13の開口面積つまり流路面
積を確保すべく、モータ18b、19bをオフにし、メ
インルーチンにリターンする。
【0037】照射フラグか再生フラグのいずれかが1で
あれば、紫外線の照射状態のため、ステップS904
で、ブラインド18用のモードスイッチ18fがモード
1であるか判定し、そうであれは、ステップS906で
モータ18bをθ1回転させ、ステップS908で、ブ
ラインド19用のモードスイッチ19fがモード1であ
るか判定し、そうであれは、ステップS910でモータ
19bをθ1回転させる。ステップS904での判定の
結果、NOであれば、ステップS920で、ブラインド
18用のモードスイッチ18fがモード2であるか判定
し、そうであれは、ステップS922でモータ18bを
θ2回転させ、ステップS908に移る。ステップS9
20での判定の結果、NOであれば、ステップS924
で、ブラインド18用のモードスイッチ18fがモード
3であるか判定し、そうであれは、ステップS926で
モータ18bをθ3回転させ、ステップS908に移
る。
【0038】ブラインド19を制御するステップS93
0、ステップS932、ステップS940、ステップS
942も同様に実行するものである。
【0039】
【考案の効果】本考案のトイレ装置によれば、ブライン
ド部材がハウジングの吸気口及び排気口の少なくとも一
方を通気可能に覆う構造である。そのため、ハウジング
外に紫外線の光が漏れることを軽減または回避でき、生
体の保護に有利である。よって使用者の肌が頻繁に露出
しがちのトイレに適するものです。更に本考案のトイレ
装置によれば、ハウジングの吸気口及び排気口の少なく
とも一方がブラインド部材で通気可能に覆われているた
め、男子小便時や清掃時等において、小便、洗浄水、薬
剤等の飛散液がハウジングの室内に侵入することを防止
するのに有利である。従って、ハウジングの室内に制御
回路の電子基板等が保持されている場合であっても、電
子基板の保護性を高め得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の断面図である。
【図2】紫外線ランプの作動状況を模式的に示すグラフ
である。
【図3】紫外線ランプの作動状況及び触媒の復帰状況を
模式的に示すグラフである。
【図4】悪臭成分吸着量と触媒の吸着能力との関係を模
式的に示すグラフである。
【図5】光照射しないときにおける使用時間と触媒の吸
着能力との関係を模式的に示すグラフである。
【図6】光照射したときにおける使用時間と触媒の吸着
能力との関係を模式的に示すグラフである。
【図7】照射時間と触媒の吸着能力との関係を模式的に
示すグラフである。
【図8】適用例を示す断面図である。
【図9】ブロック図である。
【図10】制御部のCPUが実行するメインルーチンの
フローチャートである。
【図11】スイッチ検出サブルーチンのフローチャート
である。
【図12】照射サブルーチンのフローチャートである。
【図13】非照射サブルーチンのフローチャートである
【図14】再生処理サブルーチンのフローチャートであ
る。
【図15】異なる実施例の装置の断面図である。
【図16】異なる実施例で実行するその他のサブルーチ
ンである。
【符号の説明】
図中、1はハウジング、11は吸気口、13は排気口、
18、19はブラインド、2は第1光触媒、3は第2光
触媒、4は紫外線ランプ、5ファン、6は制御部、7は
切替スイッチを示す。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】トイレの便器に取付けられ脱臭装置を有す
    トイレ装置であって、 トイレの便器に取付けられ室をもつとともに該室の内部
    と外部とを連通する吸気口及び排気口をもつハウジング
    と、該ハウジングの室内に配置され空気中の臭気成分を
    吸着または分解除去する光触媒と、該ハウジングの室内
    に配置され該光触媒に紫外線の光を照射して脱臭を促す
    光照射手段と、該ハウジングに設けられトイレ内の空気
    を上記光触媒に接触させる空気接触手段と、該ハウジン
    グに設けられ該ハウジングの吸気口及び排気口の少なく
    とも一方を通気可能に覆うブラインド部材とからなるこ
    とを特徴とする脱臭装置を有するトイレ装置。
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