JP2569687Y2 - 床パネル間における独立柱回りの施工構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、床パネル同士の間隙に
立設された独立柱を囲繞パネルによって閉塞する施工構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の大工職人の不足や、施工納期の短
縮などの要求に対応するためには、施工手順をマニュア
ル化して施工作業も簡略化することが望ましく、そのた
めには、施工工数および部品点数の削減を図ることが望
ましい。

【０００３】そこで、図４に示すように、根太材ａを矩
形に枠組みして枠体を形成するとともに、その表面に床
板ｂを貼設してパネル化し、この床パネルｃを大引ｄお
よび根太受けｅ上に敷設して床全体を施工する施工方法
が提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、建てる家によ
って床面積が異なるので、床パネルｃを床全体に区切り
良くはめ込むことができず、思わぬところに間隙を生じ
てしまうといった不都合を生じることとなる。特に、独
立柱の周辺は、この独立柱を避けて床パネルｃを敷設す
るため、この独立柱の幅に等しい間隙が生じることとな
る。

【０００５】本考案は、係る実情に鑑みてなされたもの
で、床パネル間の間隙に立設した独立柱の周縁を有効に
施工処理することのできる床パネル間における独立柱回
りの施工構造を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本考案の床パネル間における独立柱回りの施工構造
は、床パネル同士の間隙に立設された独立柱を囲繞パネ
ルによって閉塞する施工構造であって、床パネルは、間
隙側の辺に板掛かり面が形成される一方、囲繞パネル
は、根太材の表面に、該根太材よりも幅広となされた板
体が貼設され、根太材の一方側には床パネルの板掛かり
面に係合する係合部が突設され、他方側には切欠部を有
する鍔部が形成されてなり、床パネル同士の間隙に２枚
の囲繞パネルが嵌め込まれ、それぞれの床パネルの板掛
かり面に囲繞パネルの係合部が係合するとともに、この
間隙に立設された独立柱が、この囲繞パネルの切欠部に
囲繞するようになされたものである。

【０００７】

【作用】本考案によると、床パネル同士の間隙に２枚の
囲繞パネルを嵌め込むことで、それぞれの床パネルの板
掛かり面に囲繞パネルの係合部が係合し、囲繞パネルの
鍔部同士が突き合わされ、独立柱が囲繞パネルの切欠部
に囲繞され、根太材が床パネルの端面に沿うこととな
り、独立柱の周縁が囲繞パネルによって強固な施工状態
で閉塞されることとなる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。

【０００９】図１ないし図３は床パネル１間における独
立柱２回りの施工構造の全体構成の概略を示している。

【００１０】すなわち、この床パネル１間における独立
柱２回りの施工構造は、床パネル１同士の間隙Ｄに立設
された独立柱２を囲繞パネル３によって閉塞する施工構
造であって、床パネル１の板掛かり面１０に、囲繞パネ
ル３の係合部３０を係合するとともに、囲繞パネル３の
鍔部３１に形成された切欠部３２で独立柱２を囲繞する
ようになされたものである。

【００１１】床パネル１は、木桟材１１によって枠組み
した枠体内に断熱材１２が設けられ、その両面に合板１
３、１４が貼設されている。また、この床パネル１は、
該床パネル１を敷設した際に、間隙Ｄに隣接することと
なる辺に沿って板掛かり面１０が形成されている。この
板掛かり面１０は、間隙Ｄに隣接する木桟材１１の端辺
から所定幅にわたって、上面側の合板１３が貼設されて
いない部分を設けることによって形成されている。

【００１２】囲繞パネル３は、短尺の根太材３３の表面
に板体３４が設けられたものである。

【００１３】根太材３３としては、床パネル１を構成す
る木桟材１１と略同形状で、かつ、独立柱２を囲繞でき
る程度の短尺のものを使用することが好ましい。

【００１４】板体３４は、この根太材３３と同長さで、
この根太材３３の幅よりも幅広となされたものが使用さ
れる。また、板体３４の一側辺の略中央部には、独立柱
２の断面の半体に略等しい切欠部３２が形成されてい
る。本実施例では、独立柱２に設けられたブレース２１
も考慮して変形コ字状に切り欠かれているが、このブレ
ース２１の無い独立柱２を囲繞する場合は、単純にコ字
状に切り欠かれたものでよい。そして、この板体３４
は、根太材３３の表面に貼設された状態で、該根太材３
３の一側部に、前記切欠部３２を有する鍔部３１が形成
され、他側部に、床パネル１の板掛かり面１０と係合す
る係合部３０が形成されている。

【００１５】この囲繞パネル３を、床パネル１の間隙Ｄ
に立設された独立柱２の周縁に施工する場合は、該囲繞
パネル３の切欠部３２と独立柱２とを係合させるととも
に、該囲繞パネル３の係合部３０と床パネル１の板掛か
り面１０とを係合させ、該囲繞パネル３の根太材３３を
間隙Ｄに嵌め込む。そして、この作業を、独立柱２の両
側の床パネル１についてぞれぞれ行い、２枚の囲繞パネ
ル３の切欠部３２で独立柱２を囲繞することによって施
工される。

【００１６】この施工状態で、囲繞パネル３は、鍔部３
１の端面同士が突き合わされ、係合部３０が床パネル１
の板掛かり面１０に係合し、根太材３３が床パネル１の
木桟材１１に沿って支持されることとなるので、この囲
繞パネル３の下側を大引（図示省略）などによって支持
する必要がなく、きわめて簡単な施工で床パネル１間の
間隙Ｄに立設された独立柱２の周縁を閉塞することがで
きる。

【００１７】なお、本実施例では、独立柱２の周縁のみ
を囲繞パネル３によって閉塞しているが、長尺の根太材
３３に長尺の板体３４を貼設して構成した囲繞パネル
（図示省略）を用いることによって、独立柱２の周囲の
みならず、この独立柱２に沿って形成された間隙Ｄ全体
を閉塞することもできる。

【００１８】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によると、そ
れぞれの床パネルの板掛かり面に囲繞パネルの係合部が
係合され、囲繞パネルの鍔部同士が突き合わされ、根太
材が床パネルの端面に沿った状態で、独立柱の周縁が囲
繞パネルによって閉塞されることとなるので、この囲繞
パネルを大引などによって支持することなく、強固な施
工状態で容易に閉塞することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】床パネル間における独立柱回りの施工構造の全
体構成の概略を示す要部分解斜視図である。

【図２】床パネル間における独立柱回りの施工構造の全
体構成の概略を示す要部斜視図である。

【図３】図２の平面図である。

【図４】従来の床構造を示す断面図である。

【符号の説明】 １ 床パネル １０ 板掛かり面 ２ 独立柱 ３ 囲繞パネル ３０ 係合部 ３１ 鍔部 ３２ 切欠部 ３３ 根太材 ３４ 板体 Ｄ 間隙

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床パネル同士の間隙に立設された独立柱
   を囲繞パネルによって閉塞する施工構造であって、 床パネルは、間隙側の辺に板掛かり面が形成される一
   方、 囲繞パネルは、根太材の表面に、該根太材よりも幅広と
   なされた板体が貼設され、根太材の一方側には床パネル
   の板掛かり面に係合する係合部が突設され、他方側には
   切欠部を有する鍔部が形成されてなり、 床パネル同士の間隙に２枚の囲繞パネルが嵌め込まれ、
   それぞれの床パネルの板掛かり面に囲繞パネルの係合部
   が係合するとともに、この間隙に立設された独立柱が、
   この囲繞パネルの切欠部に囲繞するようになされたこと
   を特徴とする床パネル間における独立柱回りの施工構
   造。