JP2569665B2 - ２偏波ディジタル復調方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は直行偏波等の２偏波ディジタル復調方式に関
し、特にトランスバーサル等化器のリセット方式に関す
る。

〔従来の技術〕

最近、周波数の有効利用のため、互いに直交する２つ
の偏波を用いたディジタル無線通信方式が使われるよう
になってきている。しかし、この方式では、伝搬媒質の
異方性に起因する交差偏波間干渉が上記２偏波間に生じ
たり、またフェージング等により符号間干渉が生じたり
するので回線品質が劣化する。この劣化を改善するため
トランスバーサルフィルタを用いたトランスバーサル等
化器及び交差偏波間干渉除去器が用いられる。

ここで、トランスバーサル等化器及び交差偏波間干渉
除去器の補償動作は、正常なデータ信号が再生されてい
る時のみに確定できる。したがって、復調器が搬送波同
期外れ状態になると正常なデータ信号が再生されないた
め、搬送波同期外れ信号により、トランスバーサル等化
器及び交差偏波間干渉除去器のトランスバーサルフィル
タの各タップ係数を初期値（最大アッテネーション）に
保持するいわゆるリセット状態にする。

従来の直交偏波ディジタル復調方式の構成例を第２図
に示す。第２図において、1,2はトランスバーサル等化
器、3,4は交差偏波間干渉除去器、5,6は復調器、7,8は
搬送波再生回路である。

今、符号間干渉、交差偏波間干渉をうけたIF信号9,10
がそれぞれのトランスバーサル等化器1,2に入力され
る。ここで符号間干渉成分が補償されたIF信号11,12が
出力されこれがそれぞれの交差偏波間干渉除去器3,4に
入力される。これらの交差偏波間干渉除去器3,4には他
方のIF偏波信号11′,12′が入力され、これをもとに補
償信号を作成し、IF偏波信号11,12から交差偏波間干渉
成分を除去する。

トランスバーサル等化器、交差偏波間干渉除去器によ
り、符号間干渉、交差偏波干渉成分を補償された信号1
3,14が復調器5,6に入力される。復調器5,6では搬送波再
生回路7,8から再生搬送波17,18を入力し、再生搬送波を
用いて復調しデータ信号を識別再生する。また搬送波再
生回路7,8には搬送波再生用の制御信号15,16を出力す
る。

搬送波同期外れ時は、復調器は正常なデータ信号を再
生できず、トランスバーサル等化器及び交差偏波間干渉
除去器はループが発散し、搬送波同期への回復を遅らせ
る。したがって、搬送波同期外れ時には、搬送波再生回
路7,8から、搬送波同期外れ信号19,20を出力し、トラン
スバーサル等化器1,2、交差偏波間干渉除去器3,4をリセ
ットにする。交差偏波間干渉除去器は両偏波いずれかの
復調器が搬送波同期外れになるとリセットになる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述した従来の方式では搬送波同期外れ状態以外に正
常な再生データが得られないと各タップの制御信号が正
常に得られずトランスバーサル等化器の出力は発散して
しまう。したがって、どちらかの偏波信号が無変調の状
態となると、搬送波のみは復調器に入力され、搬送波再
生回路はその搬送波に同期するため搬送波同期外れ信号
は出力しない。しかし、無変調であるため、正常なデー
タ信号が得られず、その系のトランスバーサル等化器の
出力は、発散する。その出力信号がもう一つの系は正常
にもかかわらず、復調器が正常な再生データが得られな
い。

つまり、従来の方式では、どちらか一方の系の無変調
の状態となるともう一つの系も、回線断となる欠点があ
る。

本発明は上述した問題を解消した２偏波ディジタル復
調方式を提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の２偏波ディジタル復調方式は、２つの偏波を
それぞれ入力し符号間干渉分を補償した信号を出力する
２つのトランスバーサル等化器とこの２つのトランスバ
ーサル等化器の出力を入力とし一方の偏波信号から交差
偏波干渉を除去した信号を出力する２つの交差偏波間干
渉除去器と、この交差偏波間干渉除去器の出力信号をそ
れぞれ復調し識別再生データ信号を出力する２つの復調
器と、この識別再生データ信号を入力とし無変調を検出
しその無変調信号をトランスバーサル等化器に出力する
２つの無変調検出回路と、復調器及びトランスバーサル
等化器に接続されそれぞれ搬送再生波及び搬送波同期外
れ信号を出力する２つの搬送波再生回路とを有し、無変
調検出信号，搬送波同期外れ信号によりトランスバーサ
ル等化器をリセットすることを特徴とする。

〔実施例〕

次に、本発明を図面を参照して説明する。

第１図において、1,2はトランスバーサル等化器、3,4
は交差偏波間干渉除去器、5,6は復調器、7,8は搬送波再
生回路であり、第２図に示した従来方式と同じである。

そして、本実施例では、この構成に無変調検出回路2
1,22を付加している。この無変調検出回路21,22は変調
器5,6から再生データ信号23,24を入力とし、信号断すな
わち無変調を検出して無変調検出信号25,26をトランス
バーサル等化器1,2に出力するように構成されている。

この構成によれば、符号間干渉、交差偏波間干渉をう
けたIF信号9,10がトランスバーサル等化器1,2に入力さ
れ、更に符号間干渉成分が補償されたIF信号11,12がそ
れぞれの交差偏波間干渉除去器3,4に出力される。これ
らの交差偏波間干渉除去器3,4には他方のIF偏波信号1
1′,12′が入力され、これをもとに補償信号を作成し、
IF偏波信号11,12から交差偏波間干渉成分を除去する。
また、トランスバーサル等化器1,2及び交差偏波間干渉
除去器3,4により、符号間干渉、交差偏波干渉成分を補
償された信号13,14が復調器5,6に入力され、ここでは搬
送波再生回路7,8から再生搬送波17,18を入力し、再生搬
送波を用いて復調しデータ信号を識別再生する。また搬
送波再生回路7,8には搬送波再生用の制御信号15,16を出
力する。

搬送波同期外れ時は、搬送波再生回路7,8から、搬送
波同期外れ信号19,20を出力し、トランスバーサル等化
器1,2、交差偏波間干渉除去器3,4をリセットにする。交
差偏波間干渉除去器3,4は両偏波いずれかの復調器が搬
送波同期外れになるとリセットになる。

更に、この実施例では、無変調検出回路21,22を付加
しているため、どちらかの偏波信号が無変調の状態にな
っても、この無変調を検出し、無変調検出信号25,26を
トランスバーサル等化器1,2に出力して、これらをリセ
ットにする。今、Ｈ側のルートが無変調となると、無変
調検出信号25を出力しトランスバーサル等化器１をリセ
ットにする。したがって、トランスバーサル等化器１の
出力は、発散しないため、無変調とは無関係なＶ側のル
ートの復調器６は、正常なデータ信号を再生することが
可能となる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、トランスバーサル等化
器，交差偏波間干渉除去器，復調及び搬送波再生回路を
備える２偏波ディジタル復調方式の構成に無変調検出回
路を付加し、その無変調検出信号でトランスバーサル等
化器をリセットにするように構成することにより、他方
の偏波信号に悪影響を与えないようにすることができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の２偏波ディジタル復調方式の一実施例
のブロック図、第２図は従来方式のブロック図である。 1,2……トランスバーサル等化器、3,4……交差偏波間干
渉除去器、5,6……復調器、7,8……搬送波再生回路、9,
10,11,11′,12,12′,13,14……IF信号、15,16……再生
搬送波用制御信号、17,18……搬送再生波、19,20……搬
送波同同期外れ信号、21,22……無変調検出回路、23,24
……再生データ信号、25,26……無変調検出信号。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２つの偏波を復調する２偏波ディジタル復
   調方式において、前記２つの偏波をそれぞれ入力し符号
   間干渉分を補償した信号を出力する２つのトランスバー
   サル等化器と、前記２つのトランスバーサル等化器の出
   力を入力とし一方の偏波信号から交差偏波干渉を除去し
   た信号を出力する２つの交差偏波間干渉除去器と、前記
   交差偏波間干渉除去器の出力信号をそれぞれ復調し識別
   再生データ信号を出力する２つの復調器と、前記識別再
   生データ信号を入力とし無変調を検出しその無変調検出
   信号を前記トランスバーサル等化器に出力する２つの無
   変調検出回路と、前記復調器及びトランスバーサル等化
   器に接続されそれぞれに搬送再生波および搬送波同期外
   れ信号を出力する２つの搬送波再生回路とを具備し、前
   記無変調検出信号もしくは搬送波同期外れ信号により、
   前記トランスバーサル等化器をリセットすることを特徴
   とする２偏波ディジタル復調方式。