JP2569125B2 - 有機沃素化合物を含有する廃液から沃素を回収する方法 - Google Patents

有機沃素化合物を含有する廃液から沃素を回収する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機沃素化合物を含有する廃液からの沃素回
収方法に関する。
沃素は工業的にレントゲン造影剤、工業用殺菌剤、農
園芸用除草剤の原料として広く用いられているほか、有
機化合物の脱水素、異性化、縮合反応の触媒としてしば
しば用いられており、工業的に極めて貴重な資源であ
る。
[従来の技術] 従来より沃素の回収に関しては種々の提案がなされて
おり、例えば特公昭46−5814号及び特公昭46−35244号
には沃化アルキルとして存在する放射性沃素を除去する
ための吸着剤に関する記載があり、特公昭48−42357号
には触媒として沃素を使用する有機物の気相脱水素反応
において、反応系から排出する反応混合気体を高温下で
酸化銅と接触させ、次いで一部沃素化された酸化銅を酸
化剤で酸化し、沃素を遊離させ回収する方法についての
記載がある。また、特開昭51−34896号には、沃素又は
沃素化合物を含有する廃棄物を燃焼炉に導入して燃焼さ
せ、この燃焼ガス中に含まれる沃素をアルカリ性のチオ
硫酸ナトリウム又は亜硫酸ナトリウムの水溶液に吸収さ
せ沃素を回収する記載がある。芳香族有機沃素化合物か
らの沃素の回収方法としては、EP106934号に銅系触媒の
存在下、強アルカリと加熱処理することにより沃素を回
収する記載がある。
[発明が解決しようとする課題] 近年、有機沃素化合物、特にレントゲン造影剤及び工
業用殺菌剤の伸びは著るしく、沃素は逼迫した状態とな
っている。一方、これら有機沃素化合物は極めて複雑な
構造を有するため、多数の工程を経て製造されている。
当然、各工程ごとに廃液が発生し、高価な沃素が副生
物、中間体等の種々の有機化合物として廃液中に失われ
る。このような沃素の損失は、目的のレントゲン造影剤
あるいは殺菌剤の構造が複雑なほど多く、化合物によっ
ては、原料として用いる沃素の50〜70%が失われるもの
もある。
本発明は有機沃素化合物の製造において、発生した廃
液から、工業的に沃素を回収し、再利用する方法を提供
することを課題とする。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検
討した結果、有機沃素化合物を含有する廃液を還元反応
により脱沃素化し、次いで酸化することにより沃素を遊
離せしめたのち、遊離沃素を強塩基性陰イオン交換樹脂
に吸着固定させることにより、これらの課題が完全に解
決されることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、有機沃素化合物を含有する廃液を還元反応
により脱沃素化し、次いで酸化することにより沃素を遊
離せしめたのち、遊離沃素を強塩基性陰イオン交換樹脂
に吸着固定させることを特徴とする沃素の回収方法であ
る。
一般に、有機沃素化合物が各種の還元反応により脱沃
素化反応を起こすことはよく知られている。しかし、本
発明のように廃液中の有機沃素化合物を還元脱沃素化す
ることによる沃素の回収に応用する技術は知られていな
い。
本発明で用いる廃液は、ジアトリゾ酸(3,5−ジアセ
チルアミノ−2,4,6−トリヨード安息香酸)、アセトリ
ゾ酸(3−アセチルアミノ−2,4,6−トリヨード安息香
酸)、イオパミドール等のレントゲン造影剤、3,5−ジ
アミノ−2,4,6−トリヨード安息香酸、5−アミノ−2,
4,6−トリヨードイソフタル酸等のレントゲン造影剤の
中間体または農園芸用除草剤アイオキシニル、工業用殺
菌剤トリルジヨードメチルスルホン等の製造に際し、発
生する反応廃液、洗浄液、再結晶廃液、酸析廃液等、又
はこれらの混合物であるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる還元反応としては、接触水素化分解反
応、金属亜鉛、金属錫、金属アルミニウム又は金属鉄に
よる還元反応、電解還元反応等を挙げることができる。
接触水素化分解反応に使用する水素化触媒は、金属、
担体、添加物、活性化の方法等の組合せによって非常に
多くの種類があり、ニッケル系触媒、コバルト系触媒、
白金属触媒、酸化クロム系触媒、銅系触媒、オスミウム
系触媒、イリジウム系触媒、モリブデン系触媒等がある
が、特にニッケル系触媒、コバルト系触媒、パラジウム
−カーボン触媒が良好な結果を与える。
水素化分解温度は、10〜150℃望ましくは30〜80℃で
ある。分解温度が低く過ぎると反応が進行せず、高過ぎ
ると大量の廃液を高温にする必要があり経済的見地から
好ましくない。
水素圧力は、常圧〜50Kg/cm2でよい。反応は高圧で行
うほど速く進行するが、それと共に水素化分解反応装置
も堅牢なものが要求され、費用も膨大なものとなるため
好ましくない。
反応時間は、水素化分解温度、触媒量、水素圧力、廃
液中の有機沃素化合物の濃度により変わるが、一般には
1〜15時間撹拌下に反応させればよい。また、この反応
はアルカリ性下に行うと生成した沃素イオンが安定化さ
れるため、PH7〜14で行うのが好ましい。
金属亜鉛、金属錫、金属アルミニウム又は金属鉄によ
る還元反応は、金属から有機沃素化合物への電子移動に
よるものと考えられるため、金属の表面積が大きいほど
円滑に進行する。そのため使用する金属は粉状、砂状、
粒状又は華状で用いることが望ましい。
還元温度は10〜100℃の範囲、望ましくは20〜60℃で
ある。反応は酸性下で行う。PH0.5〜5で行うと極めて
円滑に脱沃素化反応が進行する。PHが0.5より低くなる
と金属が脱沃素化に使用されず副反応として水素ガスの
発生に使用されるため経済的でない。PHが5より高くな
ると反応が極度に遅くなる。処理時間は処理温度、使用
する金属の量、処理液のPH、廃液中の有機沃素化合物の
濃度により変わるが、一般には、1〜15時間撹拌下に反
応させればよい。
電解還元反応は、通常中央に隔膜を設けた陽極室及び
陰極室よりなる電解槽内にて行われる。隔膜としては、
カチオン交換膜の他アスベスト、セラミックス等も使用
可能てあるが、カチオン交換膜が好適である。また、陽
極室には通常硫酸水溶液及び陽極より構成されており、
陰極室は目的とする処理液及び陰極より構成されてい
る。また、陰極室には必要なら、支持電解質として相当
量の塩類、酸または塩基を溶解させ、廃液の導電性を上
げてやるのがよいが、一般には廃液それ自体にすでに十
分な量の塩類が含まれている場合が多く、支持電解質の
添加は不要な場合が多い。
陽極室における硫酸水溶液の濃度としては、特に制限
されず広い範囲内から適宜選択できるが、通常1〜20重
量%硫酸水溶液、又は硫酸アルコール溶液、好ましくは
5〜10重量%硫酸水溶液又は硫酸アルコール溶液を使用
するのがよい。
陽極としては、硫酸水溶液に溶解されないものである
かぎり公知のものをいずれも使用できる。例えば、鉛、
鉛合金、白金、金、銀、ニッケル、ニッケル合金、亜
鉛、亜鉛合金、カドミウム、黒鉛、炭素等を挙げられ
る。これらのうちでも鉛や白金を使用するのが好まし
い。
陰極としては、鉛、亜鉛、ニッケル、白金、黒鉛、炭
素、酸化鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化鉄、
金、ルテニウムまたはイリジウム、ルビジウム等の貴金
属で被覆された金属等を挙げることができるが、特に
鉛、亜鉛、ニッケル等が好適である。
本発明の電解還元の還元方法としては、定電圧法及び
定電流法のいずれでも可能であるが、定電流法によるの
が好ましい。
定電流法の場合は、電流密度としては通常0.1〜10A/d
m2程度、好ましくは0.5〜3A/dm2である。電解反応に必
要な通電量としては、電解槽の形状、電極の種類、基質
反応性等により一定しないが、通常5〜6F/モル程度の
電気量を通電すればよい。有機沃素化合物の電解による
還元脱沃素化反応の電位は他の大多数の官能基の還元電
位よりも低く、そのため、種々の有機化合物の混合物で
あっても、最も速く還元反応を受けるのは脱沃素化反応
であり、その結果高い電流効率が得られる結果となる。
脱沃素化反応終了後、処理液を過酸化水素、次亜鉛素酸
ナトリウム、塩素、塩素水、亜硝酸ナトリウム等の酸化
剤で酸化すると沃素が遊離する。これらの酸化剤を原体
または1〜30%水溶液にて処理液と混合すると、極めて
速やかに沃素が遊離する。沃素イオンを酸化遊離すると
き、IC3 -のごとき過酸化物の副生を防止するため、酸性
条件下での酸化が望ましい。反応温度は5〜80℃の範囲
での範囲を行う。この酸化反応は極めて速いため、反応
時間は極短時間でよく、一般には数分〜5時間程度であ
る。
次いで、遊離沃素の処理液を強塩基性陰イオン交換樹
脂の入った吸着槽又は吸着塔に入れ沃素を吸着固定す
る。
吸着槽又は吸着塔は強塩基性陰イオン交換樹脂の使用
方式により、接触濾過法、充填槽法、固定床法、移動床
法、流動床法等が考えられるが何れの方式を用いても良
い。
接触濾過法は、強塩基性陰イオン交換樹脂を遊離沃素
の処理液に添加し撹拌して強塩基性陰イオン交換樹脂に
沃素を吸着させたのち濾過分離する方法である。
充填槽法は、槽の底部にすのこを張り中心より二分し
て強塩基性陰イオン交換樹脂を充填する。この際、底部
は連絡されており、処理液は槽上部より注入し下部へ流
れる。この間に強塩基性陰イオン交換樹脂と接触し、下
方より反対側の強塩基性陰イオン交換樹脂槽に入り、槽
が一杯になったら処理液の注入を中止し、長時間静置す
るかポンプで液を循環したのち強塩基性陰イオン交換樹
脂を取り出す。
固定床法は、強塩基性陰イオン交換樹脂を充填した吸
着塔に処理液を送液し強塩基性陰イオン交換樹脂層を通
過させる。固定床法には単床式、直列多床式、並列多床
式の三種類がある。
単床式では、一回の通過で遊離沃素の吸着率が低い場
合に通過液を循環させると満足する結果が得られる。処
理液は塔の上部から供給する方法と、下部から供給する
方法があるが、上部からの供給方法では強塩基性陰イオ
ン交換樹脂層の上層と下層で沃素吸着量の差が著るしく
なるため、下部からの供給方法が望ましい。
多床式は大容量の処理に適し、特に直列式では向流方
式により、強塩基性陰イオン交換樹脂の利用効率を高め
ることができる。
向流方式とは直列多床式において、第一サイクルは第
一塔、第二塔、第三塔の順に通水を行い、通水終了後第
一塔のイオン交換樹脂を新品と交換あるいは、再生賦活
した後、第二サイクルは第二塔、第三塔、第一塔の順に
通水を行い、以下これに準ずる吸着方式をとるものであ
る。この場合、吸着塔の数が多ければ多いほど、また接
触時間が長ければ長いほど強塩基性陰イオン交換樹脂の
有効利用率は大きいが、反面建設費が高くなり不経済と
なる。現実的には二床方式が運転経費及び建設費の両面
において優れている。
移動床法は、飽和吸着に達した強塩基性陰イオン交換
樹脂層のみを吸着塔から取り出して溶離、再生を行い再
生済みの強塩基性陰イオン交換樹脂は再び吸着塔に戻
し、吸着塔における強塩基性陰イオン交換樹脂と被処理
水は向流で接触せしめる方式である。本方式では常に吸
着塔内に一定の吸着帯を形成せしめ、再生は飽和吸着に
達したもののみについて行うので、強塩基性陰イオン交
換樹脂の有効利用率は固定床方式に比べて高く、従って
装置を小型化することもできる。
流動床法は、多段吸着装置を用い強塩基性陰イオン交
換樹脂は装置上部より供給し、処理液は装置下部より送
液する。各段を通過するうちに沃素は吸着され吸着強塩
基性陰イオン交換樹脂は底部より取り出され、吸着が終
了した処理液は塔の上部より流出する。各段の底部には
多孔板あるいは網を設け、沃素吸着強塩基性陰イオン交
換樹脂は落下管により下方に落下させる。
本発明で用いる強塩基性陰イオン交換樹脂としては、
例えば、アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA
−410、アンバーライトIRA−401、アンバーライトIRA−
411、ダイヤイオンSA−100、ダイヤイオンSA−200(何
れも商品名)等が好適である。
強塩基性陰イオン交換樹脂は通常沃素を(1)式のよ
うに分子状の沃素と沃素イオンとして吸着固定してい
る。
R−Cl-+I-+I2×n→R−I-・I2×n+Cl- (1) 相当量の沃素を吸着固定させた強塩基性陰イオン交換
樹脂はアルカリ水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液、チ
オ硫酸カリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液または
亜硫酸水溶液にて分子状の沃素を溶離したのち、塩化ナ
トリウム水溶液又は硫酸水溶液にて沃素イオンを溶離す
る。使用する溶離液の濃度としては、特に制限されず広
い範囲から適宜選択可能できるが、通常1〜30%水溶液
ととして使用する。溶離温度は高い方が望ましいが樹脂
の耐熱温度を考慮しなければならないので、〜90℃、望
ましくは、20〜60℃の範囲である。また、使用する溶離
液の量は、樹脂の容量の約1〜10倍程度である。溶離の
終った強塩基性陰イオン交換樹脂には少量沃素型樹脂と
して残存する部分があるので、塩化第二鉄で酸化処理
し、分子状の沃素として再び強塩基性陰イオン交換樹脂
に吸着させる。
このようにして得た溶離液は、酸性としたのち塩素等
の酸化剤で酸化して、遊離の沃素を沈澱させる等公知の
方法で回収する。
沃素は極めて腐食性の大きい元素であり、従って、一
般に沃素回収装置の構成材料の選択及び設計は極めて困
難である。ところが、本発明では低温かつ還元性の条件
下での回収であり、沃素の腐食作用は極度に抑えられ
る。従来技術のように高温あるいは酸化性の条件下で遊
離沃素又は沃素塩を処理しないため、構成材料及び設計
が他の公知の沃素回収装置よりも格段に容易になる大き
な利点を有している。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 試料廃液として5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソ
フタル酸製造において生じた廃液を用いた。
試料廃液の調整は次の通りである。
水4800mlと5−アミノイソフタル酸182gを反応器に仕
込み撹拌しながら90℃に昇温した。次に一塩化沃素536g
を約1時間で滴下した。その後、約5時間同温度で撹拌
したのち室温まで冷却した。結晶を濾別し1000mlの水で
洗浄した。反応濾液及び洗浄液を合わせ5500mlの試料用
廃液を得た。この廃液中には、5−アミノ−2−ヨード
イソフタル酸、5−アミノ−4−ヨードイソフタル酸、
5−アミノ−2,4−ジヨードイソフタル酸、5−アミノ
−4,6−ジヨードイソフタル酸、5−アミノ−2,4,6−ト
リヨードイソフタル酸等の各種有機沃素化合物及び未反
応の一塩化沃素、遊離沃素等の無機沃素化合物が含有さ
れており、廃液100ml中に含まれる沃素量は1.156gであ
り、そのうち有機沃素化合物中に含まれる分は0.693gで
あった。
上記により得た廃液500mlを反応器に仕込み、30重量
%水酸化ナトリウム水溶液でPHを13に調整したのち、10
0mgの5重量%パラジウム−カーボン触媒を加えた。50
℃に加熱し、撹拌しながら水素ガスを50ml/minの流速で
導入した。5時間、水素の導入を続けたのち、水素の導
入を止め、室温に冷却した。
パラジウム−カーボンを濾別し、濾液を濃硫酸でPHを
6に調整したのち、有効塩素量5%の次亜鉛素酸ナトリ
ウム水溶液にて処理液を酸化し沃素を遊離した。
ガラス製カラム(内径28mm、長さ1000mm)に強塩基性
陰イオン交換樹脂アンバーライト、IRA−400の塩素型の
湿潤状態のもの100mlを充填し、沃素の遊離した処理液
を25ml/minの流速で流下した。
この吸着強塩基性陰イオン交換樹脂を10重量%水酸化
ナトリウム水溶液200ml、次いで飽和塩化ナトリウム水
溶液200mlにて溶離した。この溶離液中には沃素として
5.21gが含まれており、廃液中からの沃素回収率は90.1
%と極めて高いものであった。
実施例2 実施例1で得た廃液500mlを反応器に仕込み、30重量
%水酸化ナトリウム水溶液でPHを2.5に調整したのち砂
状亜鉛3.75gを加え50℃にて4時間撹拌した。未反応の
亜鉛を濾別したのち、濾液に塩素ガスを吹き込み沃素を
遊離させたのち、実施例1と同様に処理を行った。溶離
液中には沃素5.35gが含まれており、廃液中からの沃素
回収率は92.6%と高いものであった。
実施例3 試料廃液としてジアトリゾ酸の精製時に生じた廃液を
用いた。
粗ジアトリゾ酸のナトリウム塩100gを水:イソプロパ
ノール=40:60の混合溶媒400mlで再結晶した。得られた
濾液及び洗浄液を合わせ、減圧下にイソプロパノールを
留去し、残部を水で500mlに希釈し試料廃液とした。こ
の廃液中に含まれる沃素量は100ml当り1.840gであっ
た。
上記で得た廃液500mlを硫酸でPHを1に調整したの
ち、隔膜(カチオン交換膜、セレミオンCMV、旭硝子
(株)製、商品名)で隔てられた電解槽の陰極室へ入
れ、陽極室には10重量%硫酸水溶液500mlを入れる。陰
極材料としてニッケル、陽極材料として白金を用いて30
℃で定電流電解(0.5A/dm2)を行い、6F/モル通電し還
元脱沃素化を行った。電解液を実施例1と同様に後処理
した。溶離液中には沃素として8.31gが含まれており、
廃液中からの沃素回収率は90.3%と充分高いものであっ
た。
比較例1 実施例1で得た廃液500mlを反応器に仕込み、30重量
%水酸化ナトリウム水溶液でPHを14に調整した。塩化第
一銅1.0gを加え、10時間加熱還流した。冷却後、濃硫酸
でPHを6に調整し、有効塩素量5%の次亜鉛素酸ナトリ
ウム水溶液にて処理液を酸化した。遊離した沃素を実施
例1と同様に後処理を行い、3.82gの沃素を回収した。
沃素の回収率は66.1%にすぎず、従来法たるEP106934号
による沃素の回収率は低いものであった。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、有機沃素化合物を含有する廃
液から極めて高収率で沃素を回収することができる。ま
た、回収装置の構成材料の選択及び設計が従来公知の回
収方法よりも容易であり、有機沃素化合物を含有する廃
液から沃素を回収する方法として工業的に極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/72 CDV C02F 1/46 101C (56)参考文献 特開 昭48−72109(JP,A) 特開 昭63−1448(JP,A) 特公 昭57−20037(JP,B2) 用水廃水便覧編集委員会編「用水廃水 便覧」昭和48年10月30日丸善(株)発行 576〜577頁 野崎、藤代著「ヨウ素とその工業」昭 和37年4月1日東京電機大学出版部発行 29頁末9行〜30頁9行

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機沃素化合物を含有する廃液中の有機沃
    素化合物を還元し脱沃素化したのち、酸化し沃素を遊離
    せしめ、次いで遊離沃素を強塩基性陰イオン交換樹脂に
    吸着固定させることを特徴とする沃素の回収方法。
  2. 【請求項2】脱沃素化が接触水素化分解反応である請求
    項1記載の回収方法。
  3. 【請求項3】脱沃素化が酸性下、金属亜鉛又は金属錫又
    は金属アルミニウム又は金属鉄による還元反応である請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】脱沃素化が電解還元反応である請求項1記
    載の方法。
JP63123895A 1988-05-23 1988-05-23 有機沃素化合物を含有する廃液から沃素を回収する方法 Expired - Fee Related JP2569125B2 (ja)

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