JP2568322Y2 - 洗面化粧台の水受けタンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、洗面化粧台における
水受けタンクの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、図７に示すように、
洗面化粧台５１のキャビネット５２の上面には洗面器５
３が設置されており、この洗面器５３の上面後部にはシ
ャワーヘッド５４が上方へ引出し可能に設けられてお
り、このシャワーヘッド５４に連結されたシャワーホー
ス５６は、図８に示すように、キャビネット５２の内部
に垂下状に配置されており、このシャワーホース５６を
伝わってキャビネット５２内に流れ落ちる水滴を補集し
且つシャワーホース５６を収納するために、キャビネッ
ト５２の内部には水受けタンク５５が配設されており、
水受けタンク５５には、その側面上部にフック５７が突
出されており、このフック５７に水受けタンク５５の底
面に取付けられている排水ホース５８の上部が着脱可能
に取付けられており、水受けタンク５５内に相当量の水
が溜まった時に、この排水ホース５８をフック５７から
取り外して、排水ホース５８を介し水受けタンク５５内
の水を外部に排出できるものとなっている。また、図９
に示すように、水受けタンク５５は、キャビネット５２
内の給湯管６０および給水管５９の近傍に設けられてお
り、キャビネット５２の背板５２ａに取付けられたもの
となっている。

【０００３】このような従来構造においては、前記排水
ホース５８は、水受けタンク５５内に溜まった水を外部
のバケツ等の容器に排出するために５００ミリ程度の長
さが必要であり、この排水ホース５８の上端部を着脱可
能に固定するためのフック５７は、水受けタンク５５の
上部に設ける必要があり、このフック５７の位置を相当
高い位置とするために、水受けタンク５５の全体高さが
必要以上に大きくなってしまうという問題点があった。
また、水受けタンク５５は給湯管６０の近傍に位置する
ため、排水ホース５８をフック５７から取り外す際に、
手が給湯管６０に触れて火傷をするという危険性があっ
た。また、水受けタンク５５は必要以上に大型となり、
清掃する際にキャビネット５２から取外しにくいという
問題点もあった。

【０００４】なお、排水ホース５８を洗面器５３の排水
管に直結した構造のものが実開昭６２−１３８７７２号
公報に開示されているが、このように排水ホース５８を
排水管に直結する方法では、排水管から臭気が逆流する
恐れがあり、また特殊な排水管が必要となり、配管施工
が面倒になるという別な問題点が発生していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、極力小型のものとする
ことができ、取扱いが容易となる水受けタンクを提供せ
んことを目的とし、その要旨は、洗面化粧台のキャビネ
ット内部に配設され、シャワーホースを引出し可能に収
納する水受けタンクには、カール状の排水ホースが取付
けられていることである。

【０００６】

【作用】水受けタンクにはカール状の排水ホースが取付
けられ、排水ホースがカール状であるため、排水ホース
の収納時におけるホースの上下寸法が短くなり、したが
ってホースの先端部を水受けタンクに固定させるフック
は低い位置に配置することができ、フックが低い位置で
あれば、その分水受けタンクの上下寸法を従来よりも極
めて短いものとすることができ、水受けタンクを小型の
ものに形成して、キャビネット内の給湯管等から離れた
位置に良好に設置することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は洗面化粧台を構成するキャビネットの開い
た状態の正面図であり、キャビネット１の上面には洗面
器２が設置されているとともに、洗面器２の上面後部に
は水栓３とシャワーヘッド４が立設されており、シャワ
ーヘッド４は上方側へ引き出して使用可能なものとなっ
ており、このシャワーヘッド４の下部の図示しないシャ
ワーホースを収納するために、キャビネット１内には水
受けタンク７が後部壁面に取付けられている。なお、洗
面器２の排水口に連通して垂下状にキャビネット１内に
は排水トラップ５が設けられており、この排水トラップ
５の両側には給水管６と給湯管１１が垂下状に設けられ
ている。

【０００８】本例における水受けタンク７は図２に斜視
図で示すような構造となっており、水受けタンク７の上
部は開放された開口部Ｋとなっており、この開口部Ｋ側
より内部にシャワーホースが引出し可能に収納される。
水受けタンク７の底部は下方へ突出した底部７ａとなっ
ており、また水受けタンク７の後部両側面には側方へ突
出状にフランジ部７ｂ，７ｂが一体形成されており、こ
のフランジ部７ｂ，７ｂには、キャビネット１の後部壁
面に水受けタンク７を取付けるための鍵状孔９が穿設形
成されている。したがって、予めキャビネット１の後部
壁面にビスを途中までねじ込んだ状態で固定しておき、
このビスに鍵状孔９を係合させてキャビネット１の内部
に水受けタンク７を固定することができる。

【０００９】また、図示右側のフランジ部７ｂの上部に
は、突出状にフック８が一体形成または後付けで突出さ
れており、このフック８に、前記底部７ａから外側へ引
き出された排水ホース１０の上端部を掛止させることが
できる。本例における排水ホース１０はカール状に形成
されたものであり、収納状態では自然にカール状になる
ように加工形成されたものであり、カール状であるため
に上下方向の寸法を短くすることができ、そのため前記
水受けタンク７は従来の水受けタンクよりも極めて上下
寸法が短いものとなっている。

【００１０】なお、水受けタンク７内に水が相当量溜ま
った場合には、図４に示すようにフック８から排水ホー
ス１０を取り外して、排水ホース１０を引き伸ばし、外
部のバケツ等へ水受けタンク７内に溜まった水を良好に
排水することができる。

【００１１】このように本例では、排水ホース１０がカ
ール状であるため、水受けタンク７の上下寸法を短くで
き、水受けタンク７は小型に形成することができて、キ
ャビネット１内の下部部位にコンパクトに設置すること
ができ、水受けタンク７の清掃時等においても、容易に
鍵状孔９を上方へ持ち上げてキャビネット１から外部へ
取り出すことができ、取り出し作業等が非常に楽に行え
る。また、給湯管１１から遠い下部部位に設置できるた
め、排水ホース１０をフック８から取り外す時等に手が
給湯管１１に触れることがなく、火傷等の事故の発生を
良好に防ぐことができる。

【００１２】なお、図５は水受けタンク７の変形例を示
したものであり、図５においては水受けタンク７の背面
部７ｃに鍵孔９，９を形成したものであり、さらに水受
けタンク７の側面部７ｄにフック８を取付けたものであ
る。なお、水受けタンク７の下部側面には突部７ｅが突
出されており、この突部７ｅに排水ホース１０の先端部
が接続されている。図５では、この突部７ｅの上面側
に、カール状に収納された排水ホース１０を載置できる
凹部７ｆが形成されている。

【００１３】さらに図６には排水ホース１０の変形例を
示し、この図６の排水ホース１０は、電話機のコード状
にカールさせて形成したものである。このような形状に
排水ホース１０を形成しても、上下寸法を短くして収納
させることができ、使用時には相当の長さに引き伸ばし
て良好に使用が可能である。

【００１４】

【考案の効果】本考案は、洗面化粧台のキャビネット内
部に配設され、シャワーホースを引出し可能に収納する
水受けタンクにカール状の排水ホースが取付けられてい
ることにより、排水ホースがカール状であるために水受
けタンクの上下寸法を従来よりも極めて短い形状に形成
することができ、水受けタンクが小型のものとなり、キ
ャビネット内の給湯管から遠い位置にコンパクトに設置
することができ、排水ホースの使用時に火傷等を負う危
険性がなく、また清掃時に容易に取り外すことができ、
小型軽量のものとしてコストを低減させることができる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャビネット内に配設された水受けタンクの正
面図である。

【図２】水受けタンクの拡大斜視構成図である。

【図３】水受けタンクのフランジ部の拡大斜視図であ
る。

【図４】排水ホースの使用状態の正面図である。

【図５】水受けタンクの変形例を示す斜視構成図であ
る。

【図６】排水ホースの変形例を示す要部斜視構成図であ
る。

【図７】従来の洗面化粧台の全体斜視図である。

【図８】従来の水受けタンクの配置状態の斜視構成図で
ある。

【図９】従来の水受けタンクのキャビネット内での配設
状態の平面構成図である。

【符号の説明】

１ キャビネット ２ 洗面器 ４ シャワーヘッド ７ 水受けタンク ７ａ 底部 ７ｂ フランジ部 ８ フック ９ 鍵状孔 １０ 排水ホース １１ 給湯管 Ｋ 開口部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗面化粧台のキャビネット内部に配設さ
   れ、シャワーホースを引出し可能に収納する水受けタン
   クには、カール状の排水ホースが取付けられていること
   を特徴とする洗面化粧台の水受けタンク。