JP2567733Y2

JP2567733Y2 - 駐車装置

Info

Publication number: JP2567733Y2
Application number: JP8444091U
Authority: JP
Inventors: 良夫石渡
Original assignee: Tokyu Car Corp
Current assignee: Tokyu Car Corp
Priority date: 1991-09-20
Filing date: 1991-09-20
Publication date: 1998-04-02
Anticipated expiration: 2006-09-20
Also published as: JPH0530359U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、限られた駐車スペース
に、より多くの車両を駐車できるようにするための立体
駐車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】限られたスペースを有効に活用し、駐車
効率の向上を意図した立体駐車装置のひとつの方式とし
て、車両搬送装置と該車両搬送装置の走行通路脇に配設
された複数の車両支持区画とを備え、前記搬送装置及び
各車両支持区画には相互に接続可能なコンベアを各配設
し、前記搬送装置と支持区画との間で車両の受け渡しを
行う方式の駐車装置が知られている。その詳細は、例え
ば、実開平１−１５０７６４号公報等に示されている如
くである。

【０００３】前記構成の駐車装置においては、各車両支
持区画に配設されたコンベアは、該各区画に夫々設けら
れた駆動装置によって回転させられている。例えば、入
庫時の作動を例にとって説明すると、車両が載置された
車両搬送装置が目標の車両支持区画脇に停止すると、前
記搬送装置に設けられたコンベアが搬送装置に取り付け
られたモータで回転させられると同時に、前記支持区画
に設けられたコンベアは該支持区画に設けられたモータ
で前記搬送装置のコンベアの回転方向と同方向に回転さ
せられるものである。

【０００４】しかし、前記構成では、各車両支持区画毎
にコンベア駆動装置が設けられているため、各支持区画
の構造が複雑であるとともにコスト高であるという問題
があった。

【０００５】そこで本件出願人は、実願平３−５１６２
８号において、前記各車両支持区画に、車両支持区画に
設けられたコンベアと連動する摩擦車をそれぞれ設ける
とともに、前記車両搬送装置には、該摩擦車に圧接して
駆動力を伝達する動力伝達用摩擦車を前記車両搬送装置
の進行方向と直交する横方向に移動可能に設け、前記車
両支持区画のコンベアを、前記動力伝達用摩擦車の駆動
力で回転させる構成の駐車装置を提供している。

【０００６】そして、前記出願に係る考案によれば、前
記各車両支持区画ごとにコンベア駆動装置を設けること
が不要となるため、構成が簡易でコストも抑えられると
いう効果がある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前記考案で
は、車両搬送装置に設けられたコンベアと、同じく車両
搬送装置に設けられた動力伝達用摩擦車とが、それぞれ
別個の駆動装置によって回転させられるものであるた
め、車両搬送装置上の配線系統及び制御系統が複雑にな
らざるを得ないという欠点があった。

【０００８】本考案は前記事情に鑑みてなされたもの
で、前記車両搬送装置の配線及び制御系統をさらに簡易
化し得る駐車装置を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本考案は、車両搬送装置の走行通路脇に複数の車両
支持区画が配設され、前記車両搬送装置及び各車両支持
区画には、前記車両搬送装置の走行方向と直交する横方
向に車両を移送するコンベアが相互に連接可能に夫々設
けられ、前記各車両支持区画には、該各区画に設けられ
たコンベアと連動する摩擦車（以下、「被動摩擦車」と
いう）がそれぞれ設けられるとともに、前記車両搬送装
置には、前記車両支持区画に設けられた被動摩擦車に圧
接して駆動力を伝達する動力伝達用摩擦車が、車両搬送
装置の走行方向と直交する横方向に移動可能に設けら
れ、前記車両搬送装置のコンベアと前記動力伝達用摩擦
車とが、ともに車両搬送装置に設けられた同一のコンベ
ア駆動装置の駆動力によって回転させられように、該コ
ンベア駆動装置に駆動上連結させられてなる構成とした
ものである。

【００１０】

【作用】本考案の駐車装置によって車両搬送装置から車
両支持区画へ車両を移送して入庫する場合の作動につい
て説明する。

【００１１】まず、車両を載置した車両搬送装置が車両
支持区画の前に停止してそれぞれのコンベアが相互に対
応連接されると、動力伝達用摩擦車が車両支持区画方向
へ移動して被動摩擦車と圧接する。

【００１２】次いで、車両搬送装置に設けられたコンベ
ア駆動装置が作動すると、該コンベア駆動装置に駆動上
連結させられている車両搬送装置のコンベアと動力伝達
用摩擦車とが同時に回転させられる。このとき、該動力
伝達用摩擦車は前記被動摩擦車と圧接しているため、動
力伝達用摩擦車の回転とともに、前記被動摩擦車も回転
し、その回転力が被動摩擦車と連動する車両支持区画の
コンベアに伝達される。その結果、該車両支持区画のコ
ンベアは前記車両搬送装置のコンベアと同方向へ同時回
転し、車両搬送装置から車両支持区画への車両の移送が
行われる。

【００１３】なお、出庫時（車両支持区画から車両搬送
装置への車両の移送）の作動についても、前記と略同じ
であり、ただ車両搬送装置及び車両支持区画の両コンベ
ア、動力伝達用摩擦車及び被動摩擦車のそれぞれの回転
方向が前記と逆になる点が異なるのみである。

【００１４】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１５】図１は、本考案の駐車装置を構成する車両
搬送装置と、車両支持区画の一部を示す平面図である。

【００１６】車両搬送装置１は、走行通路２に水平に配
設されたレール５上を走行するものであり、該走行通路
２の両脇または片脇には、複数の車両支持区画３が並設
されている。この車両支持区画３は、車両搬送装置１に
載置されて運ばれてきた車両を格納するための駐車室で
ある。

【００１７】図１において、７は車両搬送装置１の台車
枠であり、該台車枠７の上に、車両を横送りする２つの
コンベア１０ａ、１０ｂが平行に配設されている。該コ
ンベア１０ａ、１０ｂはローラーコンベアであり、その
内、１０ａは前輪用コンベア、１０ｂは後輪用コンベア
である。図面においては、前輪用コンベア１０ａに比べ
て後輪用コンベア１０ｂが幅広に構成されているが、こ
れは、車軸間長さの異なる種々の大きさの車両を載置し
得るようにするためである。

【００１８】前記車両搬送装置１の適宜の位置には、減
速機１２を介して、前記台車枠７の走行方向と一致する
方向に配設された回転軸１４を回転せしめ、該回転軸１
４とチェーン１７ａ、１７ｂを介して連結された前記コ
ンベア１０ａ、１０ｂを回転させるコンベア駆動装置１
１が設けられている。

【００１９】そして、車両は、その長手方向が台車枠７
の長手方向（車両搬送装置１の走行方向）と一致するよ
うにコンベア上に載置され、前記コンベア駆動装置１１
の回転に伴う両コンベア１０ａ、１０ｂの同方向への同
時回転により、車両搬送装置１の走行方向に対して直交
する横方向に移送される。

【００２０】図中、１３は、台車枠７をレール５に沿っ
て走行させるための車輪、１５は、該車輪１３を駆動す
る走行駆動装置である。

【００２１】前記各車両支持区画３には、前記車両搬送
装置１に設けられた前輪用コンベア１０ａ及び後輪用コ
ンベア１０ｂに対応するように前輪用コンベア１６ａと
後輪用コンベア１６ｂとが平行に設けられており、前記
車両搬送装置１が車両支持区画脇３に停止すると、それ
ぞれのコンベアが連接するようになっている。

【００２２】そして、前記車両搬送装置１のコンベア１
０ａ、１０ｂと前記車両支持区画３のコンベア１６ａ、
１６ｂとが連接後、各コンベアが同方向に回転し、車両
搬送装置１と車両支持区画３との間で車両の受け渡しが
行われるものである。

【００２３】本考案では、前記各車両支持区画３には、
車両支持区画のコンベア１６ａ、１６ｂを回転駆動せし
めるコンベア駆動装置は設けられておらず、車両支持区
画３の各コンベア１６ａ、１６ｂは、前記車両搬送装置
１に設けられた前記コンベア駆動装置１１の駆動力をか
りて回転するものとされている。

【００２４】この点の機構の一例を説明すると、まず、
前記台車枠７上には、図２に示す構成の動力伝達装置２
０が車両搬送装置１の走行方向と直交する横方向に移動
可能に設けられている。

【００２５】動力伝達装置２０は、全長が前記車両搬送
装置１のコンベア１０ａ、１０ｂよりも短いフレーム２
１を基礎とするものであり、該フレーム２１は、前記台
車枠７の長手方向と直交するように台車枠７上に架設さ
れ、台車枠７の長手方向と直交する方向に移動可能に支
持されている。該フレーム２１には、一端が前記台車枠
７に固定されたパワーシリンダ２２の他端２２ａが連結
され、該パワーシリンダ２２の作動によって、車両搬送
装置の走行方向と直交する横方向に移動可能とされてい
るものである。

【００２６】また、前記フレーム２１の両端にはローラ
ー２３、２３が軸支されている。該ローラー２３は、軸
２４を車両搬送装置１の走行方向と平行にして回転自在
に軸支されているものである。

【００２７】本考案では、前記車両搬送装置１の各コン
ベア１０ａ、１０ｂと前記各ローラー２３、２３とが、
ともに前記車両搬送装置１に設けられた同一のコンベア
駆動装置１１に駆動上連結させられ、該コンベア駆動装
置１１の駆動力によって回転するように構成される。具
体的には、まず、前記各ローラー２３、２３の軸２４、
２４には、チエーンホイール２５、２５が装着固定され
ている。そして、該チエーンホイール２５、２５は、伝
動手段としてのチエーン２６を介して、前記回転軸１４
に装着固定されたチエーンホイール２７と連動し（図３
参照）、前記コンベア駆動装置１１の駆動に従って正逆
回転可能とされている。すなわち、該コンベア駆動装置
１１の駆動に従って前記回転軸１４が正逆方向に回転さ
せられると、駆動上連結されている前記チエーンホイー
ル２７、２５の回転により、前記車両搬送装置１の各コ
ンベア１０ａ、１０ｂとともに前記各ローラー２３、２
３が正逆方向に回転せしめられる。前記各ローラー２
３、２３は、前記コンベア駆動装置１１の回転駆動力を
車両支持区画３のコンベア１６ａ、１６ｂに伝達するた
めの動力伝達用摩擦車２３である。なお、図２及び図３
中、２８は前記チエーン２６の張りを維持するためのフ
リー回転ホイールである。

【００２８】一方、前記車両支持区画３には、前記動力
伝達用摩擦車２３と対向するようにローラー３０がそれ
ぞれ付設されている。このローラー３０は、前記動力伝
達装置２０が車両搬送装置１の走行方向と直交する横方
向に移動することによって前記動力伝達用摩擦車２３と
圧接し、該動力伝達用摩擦車２３から回転駆動力を伝達
される被動摩擦車であり、その回転軸３１を、前記動力
伝達用摩擦車２３の軸２４と平行にして設けられてい
る。

【００２９】そして、前記被動摩擦車３０は、車両支持
区画３に設けられている前記各コンベア１６ａ、１６ｂ
と連動しており、動力伝達用摩擦車２３との圧接によっ
て被動摩擦車３０が正逆方向に回転させられると、それ
に伴って各コンベア１６ａ、１６ｂも正逆方向に回転す
る機構とされている。なお、前記動力伝達用摩擦車２３
と前記被動摩擦車３０とは互いに逆方向に回転すること
となるため、前記動力伝達用摩擦車２３の回転方向と前
記車両支持区画３のコンベア１６ａ、１６ｂとの回転方
向を一致させるべく、前記被動摩擦車３０と前記コンベ
ア１６ａ、１６ｂとの間には、歯車３２、３３が介在さ
せられている。

【００３０】前記動力伝達装置２０は、その全長（前記
両端の動力伝達用摩擦車から動力伝達用摩擦車までの長
さ）が前記車両搬送装置１のコンベア１０ａ、１０ｂの
長さより若干短く構成されている。そして、車両移送時
には、前記パワーシリンダ２２の作動によって前記フレ
ーム２１が車両支持区画３方向へ移動し、前記動力伝達
用摩擦車２３が車両支持区画３に設けられた被動摩擦車
３０に適宜の圧力で圧接させられる。その後、前記コン
ベア駆動装置１１の作動によって、該コンベア駆動装置
１１と駆動上連結されている前記車両搬送装置１のコン
ベア１０ａ、１０ｂと前記動力伝達用摩擦車２３が同方
向へ同時回転する。その結果、該動力伝達用摩擦車２３
の回転力が被動摩擦車３０に伝達され、これによって被
動摩擦車３０と連動する車両支持区画３のコンベア１６
ａ、１６ｂが前記車両搬送装置１のコンベア１０ａ、１
０ｂの回転方向と同方向に同時回転するものである。

【００３１】なお、車両の移送方向を変更するには、前
記車両搬送装置１のコンベア駆動装置１１の回転方向を
逆転させればよい。

【００３２】また、前記動力伝達用摩擦車２３から被動
摩擦車３０への回転力の伝達効率は、動力伝達用摩擦車
２３と被動摩擦車３０との接触圧の大小に左右されるた
め、前記パワーシリンダ２２による動力伝達用摩擦車２
３の被動摩擦車３０方向への押圧力を調節することによ
り、回転力の伝達効率を制御すればよい。

【００３３】

【考案の効果】本考案によれば、車両搬送装置のコンベ
アと車両支持区画のコンベアとが、いずれも車両搬送装
置に設けられた同一の駆動装置によって回転させられる
ものであるため、配線系統や制御系統が一本化され、従
来の装置と比べてシンプルかつ安価な駐車装置を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の駐車装置を構成する車両搬送装置と、
車両支持区画の一部を示す平面図である。

【図２】動力伝達装置を示す平面図である。

【図３】図２におけるＡ矢視概略図である。

【符号の説明】

１車両搬送装置２走行通路３車両支持区画１０ａ、１０ｂ、１６ａ、１６ｂコンベア１１コンベア駆動装置２３動力伝達用摩擦車２６駆動装置３０被動摩擦車

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車両搬送装置の走行通路脇に複数の車両
支持区画が配設され、前記車両搬送装置及び各車両支持
区画には、前記車両搬送装置の走行方向と直交する横方
向に車両を移送するコンベアが相互に連接可能に夫々設
けられ、前記各車両支持区画には、該各区画に設けられ
たコンベアと連動する被動摩擦車がそれぞれ設けられる
とともに、前記車両搬送装置には、前記車両支持区画に
設けられた被動摩擦車に圧接して駆動力を伝達する動力
伝達用摩擦車が、車両搬送装置の走行方向と直交する横
方向に移動可能に設けられ、前記車両搬送装置のコンベ
アと前記動力伝達用摩擦車とが、ともに車両搬送装置に
設けられた同一のコンベア駆動装置の駆動力によって回
転させられるように、該コンベア駆動装置に駆動上連結
させられてなることを特徴とする駐車装置。