JP2567656Y2 - サッシ枠の換気孔開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサッシ枠の換気孔開閉装置に関するものであ
る。

（従来技術とその問題点） 一般に、引き違い障子の框、サッシ枠などに通気孔を
形成した換気装置が知られている。しかし、通気孔は室
内に開口していたから、サッシ全体の外観が損なわれる
という問題があった。

そこで、これに対し、サッシ枠を構成する上枠の内周
面に通気孔を形成するとともに、該通気孔を開閉する換
気板を設けることにより、換気孔を開閉する装置が提案
されている。

しかしながら、換気板はサッシ上枠に配置されている
ので、このような高い位置にある換気板を開閉操作する
のは、手数が非常に面倒であった。

（考案の目的） 本考案は上記欠点を解消し、特に簡単な構造によりサ
ッシ上枠に設けた換気孔をサッシ縦枠側で操作すること
ができるサッシ枠の換気孔開閉装置を提供することをそ
の目的とする。

（目的を達成するための手段） 前記目的を達成するため、本考案に係るサッシ枠の換
気孔開閉装置は、サッシ枠の上枠に形成した換気孔を、
該換気孔に対して重合配置した換気板を摺動させて開閉
するサッシ枠の換気孔開閉装置であって、上記換気板を
バネ部材により摺動方向の一方に付勢するとともに、上
記換気板に上記サッシ枠の上枠と縦枠の内部を通りこれ
ら上枠と縦枠との結合部に配設されたプーリーに掛け渡
された索条の一端を連結する一方、上記サッシ枠の縦枠
の内部に固定した基体には、上記索条の他端に連結され
て上下方向にスライドしかつ上部に係止突起、下端部に
はラックを形成したスライド部材と、このスライド部材
のラックに噛合するセクタギアを回動させてスライド部
材を上記バネ部材のバネ力に抗してスライドさせる操作
ボタンと、上端が斜めに形成された觜状の係止片を備
え、上記上端が下方に移動する途中のスライド部材の係
止突起に係合することによりスライド部材の移動方向に
対して略直交する方向に退避移動可能でかつこの退避移
動方向と反対側に移動するようにバネ付勢された係止部
材とを備えたことを特徴とする。

（考案の作用、効果） 前記構成において、操作ボタンを押すと、セクタギア
が回動するから、セクタギアに噛合するラックを有する
スライド部材がスライドしてバネ部材のバネ力に抗して
索条が移動して換気板を摺動させるので、換気孔が開き
又は閉じる。そして、スライド部材が下方に移動すると
きは、その途中で係止突起は係止部材の係止片の上端に
係合する。この上端は斜めに形成されているから、係止
突起の押圧力によって係止部材はスライド部材の移動方
向に対して略直交する方向に退避移動する。スライド部
材がさらに下方に移動して係止突起が觜状の係止片の先
端を超えると、係止部材は退避移動方向とは反対側にバ
ネ付勢されているので、再び係止部材は戻り作動し、係
止突起は係止片の下縁に係合することになる。これによ
り、スライドしたスライド部材は係止部材に係合して上
方に復帰移動することができなくなるから、換気孔は開
き又は閉じ状態に保持される。換気板を元の状態に戻す
には、上記係止部材による係合を解除すればよい。

また、換気板の操作手段は主に縦枠に固定した基体に
スライド部材と操作ボタンと係止部材とこれらの周辺部
材とから構成されるものであるから、構造が簡単であ
る。

さらに、索条、プーリー及び操作手段のいずれも外部
に露出することがないから、外観がよい。

（実施例） 以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図及び第３図において、符号Ａは換気装
置を設けた引き違い障子サッシを示す。この引違い障子
サッシＡは、建物躯体の開口部に上枠ａ、下枠ｂ及び左
右の縦枠ｃにより方形に枠組みしてなるサッシ枠１内に
引違い障子2a、2bを摺動可能に収容したものである。

上記サッシ枠１の上枠本体３を構成する水平な基板3a
の室内側および室外側にそれぞれ引違い障子2a、2bの上
縁部４を案内すべき垂下壁５を設けることにより、下向
き開口の凹部６が形成されている。また、該凹部６の内
側上部を補助枠７により閉鎖して上記基板3aと上記補助
枠７との間に換気路８が形成され、且つ第２図に示すよ
うに前記引き違い障子2a、2bを閉鎖した状態で、補助枠
７の屋内となる部位に上記換気路８に連通する複数の換
気孔９を、屋外となる部位に上記換気路８に連通する複
数の換気孔10がそれぞれ並設されている。

上枠本体３の水平基板3aの上方には躯体開口部18に止
着固定される取付け縁11が設けられ、さらに、この取付
け縁11から屋外側に網戸12の案内レール13が張り出さ
れ、また、前記水平基板3aの屋内側には開口部の内周縁
に止着される取付け縁14が張り出されている。さらに、
上記凹部６の上部内側には突条15が対向形成されてい
る。

上記補助枠７には上記換気孔９、10を形成した水平基
板7aとその長手方向の略中央下部に垂下して障子案内溝
を構成する垂下壁7bとを有するもので、係止縁17を凹部
６の突条15に係止させ、さらに水平基板7aを上枠本体３
の基板3aにネジ止めすることにより固定されている。

ところで、上記屋内側の換気孔９に対して換気板19が
重合配置されている。この換気板19には換気孔９に対応
して複数の透孔20が並設されている。換気板19の摺動に
より上記透孔20と換気孔９とが合致したとき（第４図参
照）、上記換気路８に連通する換気孔９が開く。上記両
孔９、20が合致しないと換気孔９は閉じる。

次に、前記構成の換気装置には換気板19を摺動させて
換気孔９を開閉させる開閉装置が設けられている。すな
わち、第１図に示されるように、換気板19の一端はバネ
部材21を介してサッシ上枠ａの端部金具22に連結され、
換気板19は摺動方向の一方に付勢され、このとき換気孔
９を閉じている。これに対し、換気板19の他端は索条23
を介して上記サッシ枠の縦枠ｃの中空部c1に設けた操作
手段24に連結されている。換気板19の上記他端には、第
５図に示されるように、クリップ25付きの取付け軸39が
固定され、上記クリップ25には索条23の一端部に設けら
れた調整用ラチェット26が係止されている。上記調整用
ラチェット26のクリップ25に対する挿入度合いによって
索条23の長さを調整することができる。上記取付け軸39
はサッシ上枠ａに形成された案内溝27内を摺動するよう
に形成されている。

サッシ枠の上枠ａと縦枠ｃとの結合部にはプーリー28
が配設され、索条23はプーリー28に掛け渡されている。
そして、索条23の他端部はサッシ枠の縦枠ｃに設けられ
た操作手段24に連結されている。

操作手段24は、上記索条23を上記バネ部材21のバネ力
に抗して引き寄せ又はこれを解除して換気板19を上記付
勢方向と反対側に移動させるもので、第６図（ａ）
（ｂ）に示されるように、サッシ縦枠ｃに固定された基
体29に上下方向にスライド部材30をスライド自在に取付
けるとともに、上記基板29にスライド部材30を移動操作
する操作ボタン31と、スライド部材30を係合保持する係
止部材32とを設けたものである。

スライド部材30は上記索条23に連結され、基体29内を
上下にスライドすることによって索条23を引っ張り、解
除するもので、上部裏側には係止突起33が形成され、下
端部裏側にはラック34が形成されている。このラック34
にはセクタギア35が噛合し、さらに該セクタギア35には
軸36を介して上記操作ボタン31が連結されている。該操
作ボタン31は縦枠ｃの外側に突出し、外部から押し込み
操作可能に設けられている。

次に、係止部材32は上記基体29の内壁中央に突出形成
された支軸部37に往復回動自在に支持され、トーション
バネ38により往動側に付勢されている。この係止部材32
には、スライド部材30の摺動方向とほぼ直交する方向に
往復動する係止片32aが一体に形成されている。係止片3
2aの上縁40aに傾斜し、下縁40bには段状の屈曲部41が形
成され、また係止片32aの基部側には傾斜部42が形成さ
れている。

上記構成において、操作手段24の操作ボタン31を押す
と、セクタギア35が回動するから、セクタギア35に噛合
するラック34を有するスライド部材30がスライドしてバ
ネ部材21のバネ力に抗して索条23が移動して換気板19を
摺動させるので、換気孔９が開く。そして、スライド部
材30が下方に移動するときは、その途中で係止突起33は
係止部材32の係止片32aの上端に係合する。この上端は
斜めに形成されているから、係止突起33の押圧力によっ
て第６図（ｂ）に点線で示すように、係止部材32はトー
ションバネ38のバネ力に抗してスライド部材30の移動方
向に対して略直交する方向に退避移動する。スライド部
材30がさらに下方に移動して係止突起33が觜状の係止片
32aの先端を越えると、係止部材32はトーションバネ38
により退避移動方向とは反対側にバネ付勢されているの
で、再び係止部材32は戻り作動し、係止突起33は係止片
32aの下縁40bに係合し、屈曲部41に当接する。これによ
り、第７図（ａ）に示されるように、スライドしたスラ
イド部材30は係止部材32に係合して上方に復帰移動する
ことができなくなるから、換気孔19は開き状態に保持さ
れ、室内外の換気が行なわれる。

次に、操作ボタン31をさらに押し込むと、係止突起33
はさらに下がるので、係止片32aの屈曲部41との係合が
外れ、係止片32aの基部側に移動し、同図（ｂ）のよう
に傾斜部42の斜面に当接する。操作ボタン31を離すと、
バネ部材21のバネ力により係止突起33はスライド部材30
とともに係止片32aの傾斜部42の傾斜面に沿って上方に
移動する。このとき、係止部材32はトーションバネ38に
より第８図に示すように傾き、最終的に係止突起33と係
止片32aとの係止は解除されるので、スライド部材30は
さらに上方位置に復帰移動し、換気板19は閉位置に摺動
する。

また、係止片32aは回動により往復動するものに限定
されない。直線状に往復動する構成であってもよい。

なお、換気板の作動を上述とは反対に、通常は開き状
態にあり、押しボタンを押すことによって換気板が閉じ
作動するように構成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る換気孔開閉装置を有するサッシ枠
の要部を断面で示した断面図、第２図及び第３図はそれ
ぞれ上記サッシ枠の縦断面図、横断面図、第４図は上記
換気孔の開閉説明図、第５図は上記換気孔開閉装置の索
条の連結態様説明図、第６図（ａ）（ｂ）はそれぞれ開
閉板の操作手段の要部側面の断面図及び正面の一部断面
図、第７図（ａ）（ｂ）はそれぞれ上記操作手段の係止
部材とスライド部材との係止状態及び係止解除状態の説
明図、第８図は上記操作手段の係止部材とスライド部材
との係止解除状態の説明図である。 符号ａ……サッシ上枠、ｃ……サッシ縦枠、９……換気
孔、19……換気板、21……バネ部材、23……索条、24…
…操作手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小杉 昭男 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地１ 株式会社ニフコ内 (56)参考文献 実開 昭54−43149（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−198494（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−202589（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】サッシ枠の上枠に形成した換気孔を、該換
   気孔に対して重合配置した換気板を摺動させて開閉する
   サッシ枠の換気孔開閉装置であって、 上記換気板をバネ部材により摺動方向の一方に付勢する
   とともに、上記換気板に上記サッシ枠の上枠と縦枠の内
   部を通りこれら上枠と縦枠との結合部に配設されたプー
   リーに掛け渡された索条の一端を連結する一方、 上記サッシ枠の縦枠の内部に固定した基体には、上記索
   条の他端に連結されて上下方向にスライドしかつ上部に
   係止突起、下端部にはラックを形成したスライド部材
   と、このスライド部材のラックに噛合するセクタギアを
   回動させてスライド部材を上記バネ部材のバネ力に抗し
   てスライドさせる操作ボタンと、上端が斜めに形成され
   た觜状の係止片を備え、上記上端が下方に移動する途中
   のスライド部材の係止突起に係合することによりスライ
   ド部材の移動方向に対して略直交する方向に退避移動可
   能でかつこの退避移動方向と反対側に移動するようにバ
   ネ付勢された係止部材とを備えた ことを特徴とするサッシ枠の換気孔開閉装置。