JP2567639B2 - プテリジン誘導体 - Google Patents

プテリジン誘導体

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JP2567639B2 JP62299980A JP29998087A JP2567639B2 JP 2567639 B2 JP2567639 B2 JP 2567639B2 JP 62299980 A JP62299980 A JP 62299980A JP 29998087 A JP29998087 A JP 29998087A JP 2567639 B2 JP2567639 B2 JP 2567639B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なプテリジン誘導体に係る。
本発明による化合物は、芳香族アミノ酸水酸化酵素の
補酵素であり且つ医薬としても有用な5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−L−エリスロ−ビオプテリン(以下、「BH4
と略記する)やその関連物質を合成するための中間体と
して用いることができる。
(従来の技術) BH4は芳香族アミノ酸水酸化酵素の補酵素であり、従
ってドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、メ
ラトニンの生合成に必須の化合物であり、式 にて示される構造を有している。
このBH4が欠乏すると、悪性高フェニルアラニン血
症、パーキンソン病等の重篤な神経症が発症することが
判明しており、最近に至りこれら疾患による症状がBH4
の投与により著しく改善されることが判明している。更
に、BH4は小児自閉症や欝病の治療にも有効であるとさ
れている。
このように、有用な薬理学的性質を有しているため
に、BH4の合成に関しては従来から種々の研究がなされ
てきた。例えばB.L.Patterson等“J.Am.Chem.Soc."第78
巻、第5868頁(1956年)、H.Pembold等“Chem.Ber."第9
6巻、第1395巻(1963年)、E.C.Taylor等“J.Am.Chem.S
oc."第98巻、第2301頁(1976年)、M.Viscontini等“He
lv.Chem.Acta"第52巻、第1225頁(1969年)、同55巻、
第574頁(1972年)、同60巻、第211頁(1977年)、同62
巻、第2577頁(1979年)、K.J.M.Andrews等“J.Chem.So
c."(c)第928頁(1969年)、S.Matsuura等“Bull.Che
m.Soc.Jpn."第48巻、第3767頁(1975年)、同52巻、第1
81頁(1979年)、“Chem.Lett."第735頁(1984年)、特
開昭59−21685、同59−82091、同60−204786等。
(発明が解決しようとする問題点) 従来提案されてきたBH4合成法は、側鎖の不斉源とし
て、何れも高価な糖を出発原料としている点に先ず問題
があり、更に合成に多段階を要し、不安定な中間体を経
由し、又反応処理が煩雑であるために、収率や純度の低
下を招き、然かも精製が面倒であり、従って工業的製造
に適用し難いのが実情であった。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者等は、BH4の実用的な合成法を開発するため
に、出発原料が廉価なこと、合成工程数が少ないこと、
収率が良好なこと、出来得ればBH4のみならず関連物
質、即ちBH4類縁体の合成にも適用可能なこと等を考慮
して研究を重ねた結果、一般式 (式中R1は水素、アルキル、アラルキル又はアリールを
意味し、R2はアルキル、ヒドロキシアルキル又はポリヒ
ドロキシアルキルを意味し、R10及びR11は同一又は異な
り、水素又はアシルを意味し、nは5又はそれ以下の整
数を意味し、HXは酸を意味する) にて示されるプテリジン誘導体がBH4及びその類縁体合
成用の中間体として好適であることを見出し、本発明を
完成するに至った。
本発明によるプテリジン誘導体の合成工程並びに該誘
導体からBH4及びその類縁体の合成工程を示せば、下記
の通りである。尚、この工程図において、本発明による
プテリジン誘導体(V)に関して、R10及びR11が共に水
素を意味するものを(V′)とした。
(式中R1、R2、n及びHXは前記の意味を有し、R3、R4
びR92同一又は異なり、アルキル、アラルキル又はアリ
ールを意味し、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、水
素又はアシルを意味する) テトラヒドロフラニルピリミジン体(I)は、エポキ
シ−テトラヒドロフラン体(IX)におけるエポキサイド
を2,4,5−トリアミノピリミジン体(VIII)により開裂
させることにより製造することができる。
このテトラヒドロフラニルピリミジン体(I)は、ア
セタール部分を酸により加水分解させ且つアミノ基部分
において閉環させることによって、ジヒドロプテリジン
体(III′)又はテトラヒドロプテリジン(IV′)に変
ずることができる。ジヒドロプテリジン体(III′)
は、プテリジン環を酸化することによって本発明による
プテリジン体(V′)に導くことができ、又アシル化に
よりアシル−ジヒドロプテリジン体(III″)に導くこ
とができる。このアシル−ジヒドロプテリジン体(II
I″)は、これにアルコール類を作用させれば容易にア
シル−テトラヒドロプテリジン体(IV″)となり、この
アシル−テトラヒドロプテリジン体(IV″)は、これを
酸処理することによって再びジヒドロプテリジン体(II
I″)に変ずることができる。一方、テトラヒドロプテ
リジン(IV′)は酸処理によりジヒドロプテリジン体
(III″)に変ずることができ、又アシル化によりアシ
ル−テトラヒドロプテリジン体(IV″)に変ずることも
できる。
本発明によるプテリジン体(V′)は、その側鎖にお
けるカルボニルを還元することによりビオプテリン体
(VI)に変ずることができ、この場合の還元はS.Katoh
等“Biochem.Biophys.Res.Commun."第118巻、第859頁
(1984年)が行っているようにセピアプテリンリダクタ
ーゼを用いることにより、或は他の通常の還元試薬を用
いることにより実施することができる。尚、ビデオプテ
リン体(VI)からテトラヒドロビオプテリン体(VII)
への変換は、S.Matsuura等“Chem.Lett."第735頁(1984
年)、特開昭59−21685、同59−82091及び同60−204786
等において既に報告されている。
上記の合成工程において、置換基R1が水素を意味し且
つR2がメチルの場合には最終生成物としてBH4が生成
し、R1が水素を意味し且つR2がヒドロキシメチルの場合
にはネオプテリンが生成する。従って本発明によるプテ
リジン誘導体(V)を用いることにより、BH4のみなら
ず、種々の類縁体を廉価に且つ容易に合成することが可
能となる。
(実施例等) 次に、実施例及び参考例により本発明を更に具体的に
且つ詳細に説明する。
参考例 1 a) 2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシ−2−メチルフ
ラン 2−メチルフラン123g(1.50mol)、炭酸ナトリウム3
18g(3.0mol)及びメタノール2180mlの混合物を撹拌下
に、ドライアイス−アセトン浴により−75℃に冷却させ
た。臭素240g(1.50mol)を溶解させたジクロルメタン8
7.9mlを、上記の冷混合物に緩徐に4時間をかけて滴下
した。
滴下完了後に反応溶液を室温に戻し、析出した臭化ナ
トリウムを濾去し、濾液に飽和食塩水を添加し、次いで
ジクロルメタンで3回抽出した。ジクロルメタン層を飽
和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ
た。その後、エバポレータにより浴温50℃以下で濃縮さ
せ、減圧蒸留に供して表題化合物を171g得た(収率79.1
%)。
沸点:54℃(bp141 H−NMRスペクトル(CDCl3,δppm): 1.51,1.57 (3H,sx2,−CH3) 3.12,3.20 (3H,sx2,−OCH3) 3.43,3.50 (3H,sx2,−OCH3) 5.48,5.76 (1H,5位のプロトン) 5.96 (2H,m,オレフィンプロトン) シリカゲルTLC: Rf=0.53,0.59(ヘキサン:酢酸エチル=5:1) b) 3,4−エポキシ−2,5−ジメトキシ−2−メチルテ
トラヒドロフラン 2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシ−2−メチルフラン
21.6g(150mmol)、ベンゾニトリル17.0g(165mmol)及
びメタノール40mlの混合物を60℃に加熱し、この混合物
を水酸化ナトリウムによりpHを7.50−8.00に維持しなが
ら、31%過酸化水素水11.0g(100mmol)を緩徐に2.5時
間かけて滴下させた。次いで、この反応溶液を60℃に且
つpHを7.50−8.00に維持しながら更に17.5時間反応させ
た。
沃素滴定により過酸化物がすべて消費されたことを確
認した後に、反応混合物を室温まで冷却させ、水60mlを
添加し、クロロホルムにより3回抽出した。クロロホル
ム層を水により3回洗浄した後にペンタンを添加し、析
出したベンズアミドを濾去する。濾液を濃縮させて粗生
成物30.7gを得た。この粗生成物をシリカゲルクロマト
グラフィー(溶出溶媒,ヘキサン:酢酸エチル=6:1)
に供して表題化合物を2.21g得た(収率:9.2%)。1 H−NMRスペクトル(CDCl3,δppm): 1.51 (3H,s,−CH3) 3.33 (3H,s,−OCH3) 3.47 (1H,d,J=2.7Hz、3位のプロトン) 3.52 (3H,s,−OCH3) 3.67 (1H,br.d,J=2.7Hz,4位のプロトン) 5.10 (1H,br.s,5位のプロトン) シリカゲルTLC: Rf=0.47(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) c) 2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシ−5−[4′−
(3′−ヒドロキシ−2′,5′−ジメトキシ−2′−メ
チルテトラヒドロフラニル)]ピリミジン 2,4,5−トリアミノ−6−ヒドロキシピリミジン硫酸
塩8.66g(36.2mmol)をエタノール18mlに懸濁させ、こ
れに蒸留水72.5mlに溶解させた炭酸ナトリウム7.69g(7
2.5mmol)を添加した。この溶液において、炭酸ガスに
よる発泡が終了した後に、エタノール18.3mlに溶解させ
た3,4−エポキシ−2,5−ジメトキシ−2−メチルテトラ
ヒドロフラン2.90g(18.1mmol)を添加し、窒素ガス雰
囲気下に100℃に加熱して69時間にわたり反応させた。
反応混合物を室温まで冷却させた後に、メタノール50
mlを添加し、析出した固体を濾去し、濾液を濃縮させ、
メタノール50mlを添加し、不溶物を濾去した。得られた
濾液を濃縮させ、粗生成物を得た。この粗生成物を、イ
ヤトロビーズを用いたカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒:メタノール)に供して表題化合物を2.94g得た
(収率:53.9%)。1 H−NMRスペクトル(ピリジン−D5,δppm): 1.74 (3H,s,−CH3) 3.44 (3H,s,−OCH3) 3.49 (3H,s,−OCH3) 3.81 (1H,m,4′位のプロトン) 4.71 (1H,br.d,J=6Hz,3′位のプロトン) 5.38 (1H,br.d,J=5Hz,5′位のプロトン)13 C−NMRスペクトル(CDSO−D6,δppm): 19.4,48.1,55.2,70.1,77.2,98.1,107.0,10.0,152.2,16
0.9,161.4 IRスペクトル(KBr錠剤,cm-1): 3328,1588 MSスペクトル(EI): 301(M+),269 シリカゲルTLC: Rf=0.27(ククロロホルム:メタノール=5:1) 参考例 2 2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−(1′−ヒドロキシ
−2′−オキソプロピル)−5,6−ジヒドロプテリジン
参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6−
ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−2′,
5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラニ
ル)]ピリミジン10mg(0.033mmol)に6N−塩酸100μl
を添加し、室温で10分間撹拌した後に、直ちに真空ポン
プを用いて濃縮させることにより表題化合物(粗製物)
を9mg得た。
この物質は、塩酸中では次式に示される平衡状態を呈
する。
1H−NMRスペクトル(20%DCl,δppm): 2.51,2.54 (3H,sx2,−CH3) 4.17,4.37 (1H,br.d,br.s,J=7Hz,6位のプロトン) 4.88 (br.d,J=7Hz,1′位のプロトン) 5.65,5.74 (1H,br.sx2,7位のプロトン) IRスペクトル(KBr錠剤,cm-1): 3260,1650 MSスペクトル(FAB,ポジティブ): 238((M+H)],165 参考例 3 2−アミノ−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−6−
(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル)−5,6,7,
8−テトラヒドロプテリジン 参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6
−ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−
2′,5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラ
ニル)]ピリミジン70mg(0.232mmol)に酢酸3.0mlを添
加し、50℃で20分間撹拌した。次いで、室温まで冷却さ
せた後に、真空ポンプを用いて減圧乾燥させることによ
り粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル薄層クロ
マトグラフィー(展開溶媒,クロロホルム:メタノール
=5:1)に供して表題化合物を17.6mg得た(収率:28.2
%)1 H−NMRスペクトル(DMSO−D6,δppm): 2.22 (3H,s,−CH3) 3.03 (1H,m,6位のプロトン) 3.49 (3H,s,−OCH3) 4.13 (1H,br.t,1′位のプロトン) 4.88 (1H,d,J=6Hz,7位のプロトン) 5.69 (1H,br.d,J=6Hz,1′位の水酸基のプロトン)13 C−NMRスペクトル(CDSO−D6,δppm): 26.6,55.6,55.7,74.4,96.9,98.5,155.9,157.7,158.1,21
0.4 MSスペクトル(EI): 269(M+),196 シリカゲルTLC: Rf=0.48(クロロホルム:メタノール=5:1) 参考例 4 2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−(1′−ヒドロキシ
−2′−オキソプロピル)−5,6−ジヒドロプテリジン 参考例3に記載の方法により得た2−アミノ−4−ヒ
ドロキシ−7−メトキシ−6−(1′−ヒドロキシ−
2′−オキソプロピル)−5,6,7,8−テトラヒドロプテ
リジン30mg(0.10mmol)に6N−塩酸600μlを添加し、
室温下に10分間撹拌した後に、真空ポンプを用いて濃縮
させることにより表題化合物(粗製物)を23mg得た。
この化合物の物性データは参考例2に記載の値と合致
した。
製造例 2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−(1′−ヒドロキシ
−2′−オキソプロピル)プテリジン 参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6
−ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−
2′,5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラ
ニル)]ピリミジン200mg(0.664mmol)に6N−塩酸2.00
mlを添加し、室温で10分間反応させた。反応溶液の一部
を採取し、真空ポンプを用いて濃縮乾燥させた後に、1N
MRスペクトルを測定した処、2−アミノ−4−ヒドロキ
シ−6−(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル)
−5,6−ジヒドロプテリジン(この化合物の物性値につ
いては参考例2を参照)の生成が認められた。
残余の反応溶液を、沃素600mg(2.36mmol)のメタノ
ール2.00ml懸濁液に添加し、更にメタノール1.00mlを添
加した。
室温下に10分間反応させた後に、蒸留水5.00mlを添加
し、次いで炭酸ナトリウム764mg(7.21mmol)を添加し
て中和させ、反応混合物に残留水10mlを添加し、析出し
ている黒褐色固体を濾取した。この黒褐色固体を水洗
し、メタノールで洗浄し、真空ポンプを用いて乾燥させ
ることによって表題化合物を泡黄色固体として99.2mg得
た(収率:63.5%)。1 H−NMRスペクトル(DMSO−D6,δppm): 2.18 (3H,s,−CH3) 5.24 (1H,d,J=6Hz,1′位のプロトン) 6.33 (1H,d,J=6Hz,1′位の水酸基のプロトン) 6.96 (2H,br.s.2位のアミノ基のプロトン) 8.71 (1H,s,7位のプロトン) IRスペクトル(KBr錠剤,cm-1): 3248,1652 ミリMSスペクトル;C9H9N5O3, 235(M+),219,192,177,163,122 参考例 5 2−アセタミド−5−アセチル−4−ヒドロキシ−6−
(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル−5,6−ジ
ヒドロプテリジン 参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6
−ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−
2′,5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラ
ニル)]ピリミジン220mg(0.730mmol)に6N−塩酸2.20
mlを添加し、室温で10分間反応させた後に、真空ポンプ
を用いて濃縮させた。この濃縮溶液を氷冷した後に、無
水酢酸3.50ml及びピリジン3.50mlを添加し、室温下に1
時間撹拌して反応させた。不溶物を濾去した後に、濾液
をエーテル60ml中に投入し、析出する半固体状物質をデ
カンテーションにより採取し、更にエーテルで3回洗浄
し、真空ポンプを用いて乾燥させることにより表題化合
物(粗製物)を400mg得た。1 H−NMRスペクトル(ピリジン−D5,δppm): 2.15,2.34,2.54 (3Hx3,sx3,CH3COx2,−CH3) 5.62 (1H,d,J=8Hz,1′位のプロトン) 5.96 (1H,br.s,7位のプロトン) 6.24 (1H,br.d,J=8Hz,6位のプロトン) MSスペクトル(FAB,ポジティブ): 322[(M+H)] 参考例 6 2−アセタミド−5−アセチル−4−ヒドロキシ−7−
メトキシ−6−(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロ
ピル)−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン 参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6
−ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−
2′,5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラ
ニル)]ピリミジン220mg(0.730mmol)に6N−塩酸2.20
mlを添加し、室温下で10分間撹拌した後に、真空ポンプ
を用いて濃縮させた。この濃縮溶液を氷冷した後に、無
水酢酸3.50ml及びピリジン3.50mlを添加し、室温下に1
時間撹拌して反応させた。不溶物を濾去した後に、濾液
をエーテル60ml中に投入し、析出する半固体状物質をデ
カンテーションにより採取し、更にエーテルで3回洗浄
し、真空ポンプを用いて乾燥させた。次に、これにメタ
ノール7mlを添加し、室温下に30分間撹拌して反応させ
た。この反応混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー(展開溶媒,クロロホルム:メタノール=5:1)に供
して表題化合物を73.9mg得た(収率:28.8%)。1 H−NMRスペクトル(DMSO−D6,δppm): 1.96,1.99,2.14 (3Hx3,sx3,CH3COx2,−CH3) 3.19 (3H,s,−OCH3) 4.58 (1H,br.d,J=4.5Hz,7位のプロトン) 4.86 (1H,d,J=7.3Hz,1′位のプロトン) 5.22 (1H,br.d,J=7.3Hz,6位のプロトン) 7.91 (1H,br.d,J=4.5Hz,8位のプロトン)13 C−NMRスペクトル(DMSO−D6,δppm): 20.2,21.7,26.5,47.5,53.5,74.7,81.9,92.2,153.0,153.
3,157.4,169.5,171.0,204.1 IRスペクトル(KBr錠剤,cm-1): 3344,1710,1616 シリカゲルTLC: Rf=0.27(クロロホルム:メタノール=5:1) 参考例 7 2−アセタミド−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−6−
(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル)−5,6,7,
8−テトラヒドロプテリジン 参考例1に記載の方法により得た2,4−ジアミノ−6
−ヒドロキシ−5−[4′−(3′−ヒドロキシ−
2′,5′−ジメトキシ−2′−メチルテトラヒドロフラ
ニル)]ピリミジン150mg(0.498mmol)に酢酸1.5mlを
添加し、50℃で20分間撹拌した。反応混合物を室温まで
冷却させた後に、真空ポンプを用いて減圧乾燥させた。
このサンプルの一部を採取して1H−NMRスペクトルを測
定した処、2−アミノ−4−ヒドロキシ−7−メトキシ
−6−(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル)−
5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン(この化合物の物性
データについては参考例3を参照)の生成が認められ
た。
残余のサンプルを氷冷した後に、無水酢酸2.5ml及び
ピリジン2.5mlを添加し、室温下に1時間撹拌し、次い
で反応系にエーテル50mlを添加した。析出した固体状物
質を濾取し、エーテルで洗浄した後に乾燥させて粗生成
物を94.1mg得た。この粗生成物をシリカゲル薄層クロマ
トグラフィー(展開溶媒,クロロホルム:メタノール=
5:1)に供して表題化合物を20.0mg得た(収率:11.4
%)。1 H−NMRスペクトル(DMSO−D6,δppm): 2.01,2.10,2.17 (3Hx3,sx3,CH3COx2,−CH3) 3.42 (3H,s,−OCH3) 3.83 (1H,m,6位のプロトン) 4.86 (1H,br.d,J=6.8Hz,5位のプロトン) 5.18 (1H,d,J=2.0Hz,7位のプロトン) 5.28 (1H,d,J=3.4Hz,1′位のプロトン)13 C−NMRスペクトル(CDSO−D6,δppm): 20.3,24.1,27.0,52.4,55.3,77.7,96.6,103.6,148.3,15
2.4,155.0,168.9,169.6,203.9 MSスペクトル(EI): 353(M+) シリカゲルTLC: Rf=0.45(クロロホルム:メタノール=5:1) 参考例 8 2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−(1′−ヒドロキシ
−2′−オキソプロピル)−5,6−ジヒドロプテリジン 参考例6に記載の方法により得た2−アセタミド−5
−アセチル−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−6−
(1′−ヒドロキシ−2′−オキソプロピル)−5,6,7,
8−テトラヒドロプテリジン10mg(0.028mmol)に6N−塩
酸300μlを添加し、室温下に6時間撹拌して反応させ
た後に、真空ポンプを用いて濃縮させることにより表題
化合物(粗製物)を6.5mg得た。
この化合物の物性データは参考例2に記載の値と合致
した。
(発明の効果) 本発明による化合物を用いれば、医薬品として有用な
BH4、即ち5,6,7,8−テトラヒドロ−L−エリスロ−ビオ
プテリンやその類縁体を簡便に且つ効率良く合成するこ
とが可能となり、製造コストを低廉ならしめることがで
きる。

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中R1は水素、アルキル、アラルキル又はアリールを
    意味し、R2はアルキル、ヒドロキシアルキル又はポリヒ
    ドロキシアルキルを意味し、R10及びR11は同一又は異な
    り、水素又はアシルを意味し、nは5又はそれ以下の整
    数を意味し、HXは酸を意味する) にて示されるプテリジン誘導体。
  2. 【請求項2】R1が水素を意味していることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導体。
  3. 【請求項3】R1がアルキルを意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  4. 【請求項4】R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、
    ペンチル、ヘキシル又はこれらの異性体を意味している
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第3項に記載のプテ
    リジン誘導体。
  5. 【請求項5】R1がアラルキルを意味していることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  6. 【請求項6】R1がベンジル、キシリル又はフェネチルを
    意味していることを特徴とする、特許請求の範囲第5項
    に記載のプテリジン誘導体。
  7. 【請求項7】R1がアリールを意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  8. 【請求項8】R1がフェニル、トリル、アニシル又はナフ
    チルを意味していることを特徴とする、特許請求の範囲
    第7項に記載のプテリジン誘導体。
  9. 【請求項9】R2がアルキルを意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  10. 【請求項10】R2がメチル、エチル、プロピル、ブチ
    ル、ペンチル、ヘキシル又はこれらの異性体を意味して
    いることを特徴とする、特許請求の範囲第9項に記載の
    プテリジン誘導体。
  11. 【請求項11】R2がヒドロキシアルキルを意味している
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテ
    リジン誘導体。
  12. 【請求項12】R2がヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ
    ル又はヒドロキシプロピルを意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第11項に記載のプテリジン誘導
    体。
  13. 【請求項13】R2がポリヒドロキシアルキルを意味して
    いることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の
    プテリジン誘導体。
  14. 【請求項14】R2が1,2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒ
    ドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル又は1,
    2,3−トリヒドロキシプロピルを意味していることを特
    徴とする、特許請求の範囲第13項に記載のプテリジン誘
    導体。
  15. 【請求項15】R10及びR11が共にアシルを意味している
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテ
    リジン誘導体。
  16. 【請求項16】R10及びR11が同一又は異なるアシルを意
    味し、そのアシルがアセチル、プロピオニル及びベンゾ
    イルから選択されたものであることを特徴とする、特許
    請求の範囲第15項に記載のプテリジン誘導体。
  17. 【請求項17】R10及びR11の一方が水素を意味し、他方
    がアシルを意味していることを特徴とする、特許請求の
    範囲第1項に記載のプテリジン誘導体。
  18. 【請求項18】アシルがアセチル、プロピオニル及びベ
    ンゾイルから選択されたものであることを特徴とする、
    特許請求の範囲第17項に記載のプテリジン誘導体。
  19. 【請求項19】R10及びR11が共に水素を意味しているこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテリ
    ジン誘導体。
  20. 【請求項20】R1が水素を意味し、R2がメチルを意味し
    ていることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載
    のプテリジン誘導体。
  21. 【請求項21】R1が水素を意味し、R2がヒドロキシメチ
    ル意味していることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項に記載のプテリジン誘導体。
  22. 【請求項22】R1がブチルを意味し、R2がメチルを意味
    していることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記
    載のプテリジン誘導体。
  23. 【請求項23】R1がブチルを意味し、R2がヒドロキシメ
    チルを意味していることを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項に記載のプテリジン誘導体。
  24. 【請求項24】R1がベンジルを意味し、R2がメチルを意
    味していることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に
    記載のプテリジン誘導体。
  25. 【請求項25】R1がベンジルを意味し、R2がヒドロキシ
    メチルを意味していることを特徴とする、特許請求の範
    囲第1項に記載のプテリジン誘導体。
  26. 【請求項26】R1が水素を意味し、R2がメチルを意味
    し、R10及びR11が共に水素を意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  27. 【請求項27】R1が水素を意味し、R2がヒドロキシメチ
    ルを意味し、R10及びR11が共に水素を意味していること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジ
    ン誘導体。
  28. 【請求項28】R1がブチルを意味し、R2がメチルを意味
    し、R10及びR11が共に水素を意味していることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  29. 【請求項29】R1がブチルを意味し、R2がヒドロキシメ
    チルを意味し、R10及びR11が共に水素を意味しているこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテリ
    ジン誘導体。
  30. 【請求項30】R1がベンジルを意味し、R2がメチルを意
    味し、R10及びR11が共に水素を意味していることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテリジン誘導
    体。
  31. 【請求項31】R1がベンジルを意味し、R2がヒドロキシ
    メチルを意味し、R10及びR11が共に水素を意味している
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のプテ
    リジン誘導体。
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