JP2566846B2 - 接着性プラスチゾル組成物 - Google Patents

接着性プラスチゾル組成物

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JP2566846B2
JP2566846B2 JP26557590A JP26557590A JP2566846B2 JP 2566846 B2 JP2566846 B2 JP 2566846B2 JP 26557590 A JP26557590 A JP 26557590A JP 26557590 A JP26557590 A JP 26557590A JP 2566846 B2 JP2566846 B2 JP 2566846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な接着性プラスチゾル組成物、さらに詳
しくは、110〜160℃程度の低温でもゲル化接着が可能
で、かつ接着強度が高い上、良好な粘度の経時安定性を
有し、例えば自動車製造時における金属板間のシーラン
トや金属板表面に対する塗料などとして好適な無溶剤型
の接着性プラスチゾル組成物に関するものである。
[従来の技術] 塩化ビニル樹脂プラスチゾルは、可塑剤中に、一次粒
子の径が0.2〜3μm程度の塩化ビニル樹脂粉体を熱安
定剤、充填剤、顔料、その他の配合剤と共に混合分散し
て成る樹脂組成物であって、注型成形、スラッシュ成
形、回転成形などの型成形、ナイフコートやロールコー
トなどのスプレッドコート成形、あるいはスクリーン塗
布成形などの成形法によって最終成形品に加工され、例
えば自動車製造時における金属板間のシーラントや金属
板表面に対する塗料などとして用いられる。
このような塩化ビニル樹脂プラスチゾルに要求される
性能としては、例えば粘度の経時安定性が良好であるこ
と、低温でゲル化接着が可能であること、接着強度が高
いことなどが挙げられる。
前記プラスチゾルには、塩化ビニル系樹脂として、通
常塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体などの塩化ビニル共重合体
が用いられるが、これらの共重合体のみでは接着強度が
不十分であるため、従来、ポリアミドアミンやイソシア
ネート化合物などの接着向上剤を、前記共重合体に添加
する方法がよく行われている。しかしながら、ポリアミ
ドアミンやイソシアネート化合物を添加する方法におい
ては、(1)プラスチゾルの粘度が経時的に増加する、
(2)油の付着した金属面への接着性に劣る、(3)18
0〜220℃程度の高温でケル化しないと接着力が低いの
で、プラスチック部材や化学繊維製品を周辺にもつ金属
に対して使用する場合、それらを劣化させるおそれがあ
る、などの欠点を有している。
また、塩化ビニル共重合体中のカルボキシル基の含有
量を増加させると接着性が向上することが知られている
が、該カルボキシル基の含有量を増加させると、成形時
の発泡が激しくなり、その結果、接着強度が変動しやす
いという問題が生じる。
低温でゲル化接着可能な塩化ビニル樹脂プラスチゾル
として、例えば塩化ビニル単独重合体又は共重合体、可
塑剤、エポキシ樹脂、酸無水物及び所望に応じ充填剤や
イミド化合物を含有して成る組成物が開示されている
(特開平2−18442号公報)。しかしながら、このプラ
スチゾルは、100〜120℃程度の低温でゲル化接着が可能
であるものの、粘度の経時安定性や接着強度については
必ずしも満足しうるものではない。
他方、塩化ビニル共重合体を用いた接着性組成物とし
て、例えば(1)塩化ビニルと特定の単量体とを乳化重
合させて成る水性合成樹脂エマルジョン(特開平2−91
141号公報)、(2)有機溶剤に、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体、エチレン系高分子量ポリマ
ー、脂環式飽和炭化水素樹脂及び熱可塑性アクリル樹脂
を溶解させて成る溶液型接着剤(特開昭62−212483号公
報)、(3)塩化ビニル単位、カルボン酸ビニルエステ
ル単位及び炭素−炭素二重結合を有するリン酸エステル
単位から成る平均重合度100〜900の共重合体を含有する
溶液型接着剤(特開昭63−112675号公報)、(4)リン
酸基を含有する塩化ビニル系共重合体、エチレン−酢酸
ビニル系共重合体、粘着樹脂及び有機溶剤を含有して成
る溶液型接着剤組成物(特開平2−91141号公報)など
が開示されている。
しかしながら、前記(1)の水性合成樹脂エマルジョ
ンは、金属缶の表面や内面用塗料、レトルト食品容器の
アルミニウム外皮コーティング剤などとして用いられる
水性エマルジョンであって、本発明の目的とする金属板
間のシーラントや金属板表面への塗料などとして用いら
れるプラスチゾルとは異なるものであるし、また前記
(2)、(3)及び(4)の接着剤は、いずれも溶液型
であって有機溶剤を含有するため、人体に対する安全
性、大気汚染、火災や爆発の危険性などの問題があり、
有機溶剤を用いない本発明のプラスチゾルとは異なるも
のである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情のもとで、110〜160℃程度
の低温でゲル化接着が可能で、かつ接着強度が高い上、
良好な粘度の経時安定性を有する無溶剤型の接着性プラ
スチゾル組成物を提供することを目的としてなされたも
のである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する接着性プ
ラスチゾル組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
特定の塩化ビニル共重合体、無機充填剤及び可塑剤を含
有して成る組成物により、その目的を達成しうることを
見い出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
すなわち本発明は、(A)(イ)塩化ビニル単位60〜
96重量%と、(ロ)一般式 (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基である)で表さ
れるカルボン酸ビニルエステルの単位1〜20重量%及び
(ハ)一般式 (式中のR2は炭素数1〜8のアルキル基である)で表さ
れるマレイン酸モノアルキルエステルの単位3〜20重量
%とを含有し、かつ(ロ)単位/(ハ)単位重量比が0.
3以上の塩化ビニル共重合体と、(B)無機充填剤と、
(C)可塑剤とを含有して成る接着性プラスチゾル組成
物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる
塩化ビニル共重合体は、塩化ビニルと前記一般式(I)
で表されるカルボン酸ビニルエステルと前記一般式(I
I)で表されるマレイン酸モノアルキルエステルとを共
重合させることにより得られる。この際、本発明の目的
が損なわれない範囲で、その他の共重合可能な単量体を
併用することができる。
前記一般式(I)で表されるカルボン酸ビニルエステ
ルは、該式(I)中のR1が炭素数1〜8のアルキル基で
あって、このようなものとしては、例えば酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビ
ニルなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記一般式(II)で表されるマレイン酸モノア
ルキルエステルは、該式(II)中のR2が炭素数1〜8の
アルキル基であって、このようなものとしては、例えば
マレイン酸のモノメチル、モノエチル、モノプロピル、
モノブチル、モノペンチル、モノヘキシル、モノヘプチ
ル、モノオクチル、モノシクロヘキシルエステルなどが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
さらに、所望に応じて用いられる他の共重合可能な単
量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタ
クリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、無水マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和モ
ノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物、
フマール酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアル
キルエステルなどの不飽和ジカルボン酸モノアルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、ベンジルエス
テルなどの不飽和モノカルボン酸エステル類、マレイン
酸やフマール酸のジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジ
ブチル、ジオクチル、ジシクロヘキシル、ジベンジルエ
ステルなどの不飽和ジカルボンジエステル類、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1などのオレフィン類、ス
チレンやα−メチルスチレンなどの芳香族モノビニル化
合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル化合物、さらには塩化ビニリデンなどが挙
げられる、これらの所望に応じて用いられる単量体は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
該(A)成分の塩化ビニル共重合体の製造方法につい
ては特に制限はなく、従来プラスチゾルに用いられてい
る塩化ビニル共重合体の製造に慣用されている方法、例
えば微細懸濁重合法や播種乳化重合法などを用いること
ができる。
該微細懸濁重合法は、触媒として油溶性触媒を用い、
重合開始前に単量体油滴の粒径を均質化処理によって予
め調節し、均質分散重合させる方法である。このような
微細懸濁重合法においては、触媒として油溶性のラジカ
ル開始剤が使用され、この油溶性のラジカル開始剤とし
ては、例えばジベンゾイルペルオキシド、ジ−3,5,5−
トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ジラウロイルペ
ルオキシドなどのジアシルペルオキシド類、ジイソプロ
ピルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペル
オキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオ
キシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート
類、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペル
オキシネオデカノエートなどのペルオキシエステル類、
あるいはアセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシ
ド、ジサクシニックアシッドペルオキシドなどの有機過
酸化物、さらには2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,
2′−アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合
物などが挙げられる。これらの触媒は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その使用量
は、単量体の種類、量及び仕込方式などによって適宜選
ばれるが、通常使用単量体100重量部当たり、0.001〜5.
0重量部の範囲で選ばれる。
また、微細懸濁重合法においては、通常界面活性剤が
用いられる。この界面活性剤としては、例えばラウリル
硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルナト
リウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホ
コハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩
類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムな
どの脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エ
ステル塩類などのアニオン性界面活性剤類、ソルビタン
モノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレートなどのソルビタンエステル類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル類などのノニオン性界面活性剤類、セチルピリジニ
ウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド
などのカチオン性界面活性剤などが挙げられ、これらは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よく、その使用量は、通常使用単量体100重量部当た
り、0.05〜5重量部、好ましくは0.2〜4.0重量部の範囲
で選ばれる。
この微細懸濁重合法においては、まず水性媒体中に、
前記油溶性触媒、単量体、前記界面活性剤及び所望に応
じて用いられる高級脂肪酸類や高級アルコール類などの
重合助剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザーによ
り均質化処理してプレミックスし、油滴の粒径調節を行
う。該ホモジナイザーとしては、例えばコロイドミル、
振動攪拌機、二段式高圧ポンプ、ノズルやオリフィスか
らの高圧噴出、超音波攪拌などが挙げられる。さらに、
油滴の粒径の調節は、均質化処理時の剪断力の制御、重
合中の攪拌条件、反応装置の形式、界面活性剤や添加剤
の量などにより影響されるが、これらは簡単な予備実験
により、適当な条件を選択することができる。
次に、このようにして均質化処理されたプレミックス
液は重合缶に送られ、ゆっくりと攪拌しながら昇温し、
通常30〜80℃の範囲の温度において重合が行われる。
このようにして粒子径が0.2〜3μm程度の塩化ビニ
ル共重合体微粒子が均質に分散したラテックスが得られ
る。このラテックスは、通常塩析又は噴霧乾燥などの公
知の処理が施され、重合体は固形物として取り出され
る。該重合体の分子量は、目的に応じて反応温度や分子
量調節剤により適宜調節される。
一方、播種乳化重合法は、予め通常の乳化重合や乳懸
濁重合により調製された塩化ビニル樹脂粒子を核とし
て、アニオン性界面活性剤又はそれとノニオン性界面活
性剤とを用い、水性媒体中で粒子の肥大化重合反応を行
わせる方法である。この際用いられる核粒子の径は、通
常平均0.03〜0.7μmの範囲にあり、またその使用量は
使用する単量体100重量部当たり、通常1〜50重量部の
範囲で選ばれる。
さらに、アニオン性界面活性剤としては、通常乳化重
合に用いられる公知のもの、例えばアルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステル
スルホン酸塩などが挙げられ、これらは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホ
ウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンなど、ポリオキシエ
チレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物及
び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレ
ン、オキシプロピレンの共重合体で代替されている化合
物、さらにはソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセ
リンエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリ
スリトール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
これらの界面活性剤の使用量については、アニオン性
界面活性剤は、通常使用する単量体100重量部当たり、
0.1〜5重量部の範囲で選ばれ、ノニオン性界面活性剤
は、通常0〜5重量部の範囲で選ばれる。
この播種乳化重合においては、触媒として水溶性還元
剤と有機過酸化物との組合せが用いられる。該水溶性還
元剤としては、例えば水に可溶な通常のラジカル酸化還
元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、
あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化
合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、l−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、カリウ
ム塩、カルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、
硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫
酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリ
ウム、還元糖類などが挙げられ、これらは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら
の還元剤の使用量は、使用する単量体100重量部当た
り、通常0.00001〜5重量部の範囲で選ばれる。
一方、有機過酸化物としては、例えばクメンヒドロペ
ルオキシド、p−サイメンヒドロペルオキシド、t−ブ
チルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒ
ドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキシド、t−
アミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロペ
ルオキシド類が挙げられる。これらの有機過酸化物は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、その使用量は、通常使用する単量体100重量部当た
り、0.001〜5重量部の範囲で選ばれる。
次に、播種乳化重合法の好適な1例について説明する
と、まず塩化ビニル樹脂核粒子の水性エマルジョンを調
製したのち、これに前記水溶性還元剤及び単量体を仕込
み、加温して30〜80℃程度の温度に保持する。一方、別
途に前記界面活性剤を用いて有機過酸化物の水性エマル
ジョンと、前記界面活性剤水溶液とを調製し、これらを
前記の塩化ビニル樹脂核粒子、水溶性還元剤及び単量体
を含有する水性エマルジョンに、通常30〜80℃の範囲の
温度を保持しながら連続的に投入して、重合反応を行
う。なお、この播種乳化重合においては、使用される界
面活性剤や重合触媒の作用を助長するために、高級脂肪
酸、高級アルコール、無機塩類、水溶性高分子化合物な
どを併用してもよい。
重合反応終了後、生成した塩化ビニル共重合体粒子を
含有するエマルジョンから、前記の微細懸濁重合法の場
合と同様にして、該塩化ビニル共重合体を固形物として
取り出す。この共重合体の分子量は、目的に応じて反応
温度や分子量調節剤などにより適宜調節される。
このようにして得られた(A)成分の塩化ビニル共重
合体は、必須単位として(イ)塩化ビニル単位、(ロ)
カルボン酸ビニルエステル単位及び(ハ)マレイン酸モ
ノアルキルエステル単位を含有するものであって、該
(ロ)単位及び(ハ)単位の含有量は、それぞれ1〜20
重量%及び3〜20重量%の範囲にあり、かつ(ロ)単位
/(ハ)単位重量比が0.3以上であることが必要であ
る。これらの条件を満たさない塩化ビニル共重合体で
は、本発明の目的が十分に達せられない。
本発明組成物においては、(B)成分として無機充填
剤を含有することが必要である。この無機充填剤が含有
されてない場合は、該組成物はゲル化接着時に発泡が生
じ、十分な接着力が得られない。この(B)成分の含有
量は、(A)成分の塩化ビニル共重合体100重量部当た
り、30〜500重量%の範囲にあることが好ましい。該無
機充填剤としては、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、極微細炭酸カルシウムの如き炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、ケイソウ土、
クレー、マイカなどのケイ酸塩、アルミナなどのいずれ
も用いることができる。
本発明組成物において、(C)成分として用いられる
可塑剤については特に制限はなく、従来塩化ビニル樹脂
プラスチゾルの可塑剤として慣用されているもの、例え
ばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチル
フタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、
ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウ
ンデシルフタレート、ジ(ヘプチル、ノニル、ウンデシ
ル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジル
フタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフ
タレートなどのフタル酸誘導体、ジメチルイソフタレー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイ
ソオクチルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体、
ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、
ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシ
ルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸
誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチル
ヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイ
ソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体、ジ−(2
−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレ
ート、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸
誘導体、ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチル
ヘキシル)セバケートなどのセバシン酸誘導体、ジ−n
−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)マレートなどのマレイ
ン酸誘導体、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エ
チルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体、トリ
−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−
オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテー
ト、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキ
シルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテートな
どのトリメリット酸誘導体、テトラ−(2−エチルヘキ
シル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリ
テートなどのピロメリット酸誘導体、トリエチルシトレ
ート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチ
ルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)
シトレートなどのクエン酸誘導体、モノメチルイタコネ
ート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネー
ト、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ
−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン
酸誘導体、ブチルオレート、グリセリルモノオレート、
ジエチレングリコールモノオレートなどのオレイン酸誘
導体、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリ
シノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレン
グリコールモノリシノレートなどのリシノール酸誘導
体、n−ブチルステアレート、グリセリンモノステアレ
ート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステ
アリン酸誘導体、ジエチレングリコールモノラウレー
ト、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエ
リスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘導
体、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリ
ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(ク
ロロエチル)、ホスフェートなどのリン酸誘導体、ジエ
チレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコ
ールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾ
エート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチ
レート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘ
キソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレート
などのグリコール誘導体、グリセロールモノアセテー
ト、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブ
チレートなどのグリセリン誘導体、エポキシ化大豆油、
エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロ
フタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エ
ポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デ
シルなどのエポキシ誘導体、アジピン酸系ポリエステ
ル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステ
ルなどのポリエステル系可塑剤、あるいは部分水添ター
フェニル、接着性可塑剤などが挙げられる。
これらの可塑剤は1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよく、その配合量は、(A)成分の
塩化ビニル共重合体100重量部当たり、通常40〜250重量
%の範囲で選ばれる。
本発明組成物には、本発明の目的を損なわない範囲
で、従来塩化ビニル樹脂プラスチゾルに慣用されている
他の添加成分を含有させることができる。
このようにして得られた本発明のプラスチゾル組成物
は110〜160℃程度の低温でもゲル化接着が可能で、かつ
加工時に発泡がなく、高い接着強度が得られる上、良好
な粘度の経時安定性を有している。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
実施例1〜5、比較例1〜5 塩化ビニル系樹脂として、第1表に示す種類のものを
用いて、第1表に示す配合でプラスチゾル組成物を調製
し、該組成物の接着強度、貯蔵安定性、加工時の発泡の
有無及び変色の程度を求めた。その結果を第1表に示
す。
なお、接着強度及び貯蔵安定性は次のようにして評価
した。
(1)接着強度 脱脂処理された1mm厚の亜鉛板上に組成物を塗布して1
40℃で20分間加熱し、引張り剪断接着強さを求め、次の
判定基準に従って評価した。
×:引張り剪断強さが15kgf/cm2以下 △:引張り剪断強さが25kgf/cm2以下 ○:低張り剪断強さが35kgf/cm2以下 ◎:引張り剪断強さが35kgf/cm2より大きい (2)貯蔵安定性 組成物を23℃で7日間保持後、23℃における粘度を測
定し、初期値に対する粘度比Rを、式 で求め、次の判定基準に従って評価した。
×:Rが10以上 △:Rが3以上10未満 ○:Rが1.5以上3未満 ◎:Rが1.5未満 [発明の効果] 本発明の接着性プラスチゾル組成物は、塩化ビニル系
樹脂として、塩化ビニル単位とカルボン酸ビニルエステ
ル単位とマレイン酸モノアルキルエステル単位とを含有
して成る塩化ビニル共重合体を用い、この共重合体と無
機充填剤と可塑剤とを含有するものであって、110〜160
℃程度の低温でもゲル化接着が可能で、加工時に発泡や
変色がほとんどなく、高い接着強度が得られる上、良好
な粘度の経時安定性を有しており、例えば自動車製造時
における金属板間のシーラントや金属板表面に対する塗
料などとして好適に用いられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(イ)塩化ビニル単位60〜96重量%
    と、(ロ)一般式 (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基である)で表さ
    れるカルボン酸ビニルエステルの単位1〜20重量%及び
    (ハ)一般式 (式中のR2は炭素数1〜8のアルキル基である)で表さ
    れるマレイン酸モノアルキルエステルの単位3〜20重量
    %とを含有し、かつ(ロ)単位/(ハ)単位重量比が0.
    3以上の塩化ビニル共重合体と、(B)無機充填剤と、
    (C)可塑剤とを含有して成る接着性プラスチゾル組成
    物。
  2. 【請求項2】(B)成分及び(C)成分の含有量が、
    (A)成分100重量部に対し、それぞれ30〜500重量部及
    び40〜250重量部である請求項1記載の接着性プラスチ
    ゾル組成物。
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