JP2566817Y2 - 軒樋支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、軒樋を軒樋支持具によ
って内側から吊下支持してなる軒樋支持装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図４に示すごとく、軒樋
（イ）の前上縁部分の内側に下方へ開口した凹溝部
（ロ）を形成し、該凹溝部（ロ）を軒樋支持具（ハ）の
前端に上方へ折曲突設した起立片部（ニ）に係止し、軒
樋（イ）の後上縁部分の外側に突設した耳部（ホ）を、
軒樋支持具（ハ）の後端に内方へ開口するように形成し
た略コ字状の耳保持部（ヘ）に係止してなる軒樋支持装
置は知られている。

【０００３】該軒樋支持装置においては、軒樋（イ）が
軒樋支持具（ハ）によって内側から吊下支持されるもの
である。同軒樋支持具（ハ）の中程上側には支持部材
（ト）が固着されて後方へ突設されており、該支持部材
（ト）の後端部分は下方へ折曲していて該後端折曲部分
に取着部材（チ）が固着されており、該取着部材（チ）
に固定釘（リ）が挿通されて軒先前面（ヌ）に打ち込ま
れることによって、該軒先前面（ヌ）に同軒樋支持具
（ハ）は取り付け固定されている。

【０００４】又、該軒樋支持装置においては、軒樋
（イ）の前側の凹溝部（ロ）を軒樋支持具（ハ）前端の
起立片部（ニ）に係止させた状態で、該係止部分を回動
支点として軒樋（イ）の後部を上方へ回動させることに
よって、軒樋（イ）の後側の耳部（ホ）が軒樋支持具
（ハ）後端の耳保持部（ヘ）に係止されるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、軒樋（イ）に持ち上げる方向の外
力が加わった場合に、直立する起立片部（ニ）から凹溝
部（ロ）が外れ易くて、軒樋（イ）が軒樋支持具（ハ）
から離脱してしまう恐れがあり、又、これを防止するた
めに、起立片部（ニ）と凹溝部（ロ）との係止状態を隙
間なくきつくすると、該係止部分での回動支点としての
機能に支障を来して、軒樋（イ）の後部を上方へ回動さ
せながらその後側の耳部（ホ）を耳保持部（ヘ）に係止
させる作業が困難となるものであった。

【０００６】本考案は、上記従来の技術における問題を
解決するために考案されたもので、すなわちその課題
は、軒樋が軒樋支持具から離脱し難く、しかも、軒樋を
軒樋支持具に取り付け易い軒樋支持装置を提供すること
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の軒樋支持装置
は、軒樋の前上縁部分の内側に下方へ開口した凹溝部を
形成し、該凹溝部を軒樋支持具の前端に上方へ突設した
起立片部に係止し、軒樋の後上縁部分の外側に突設した
耳部を、軒樋支持具の後端に内方へ開口するように形成
した略コ字状の耳保持部に係止してなる軒樋支持装置に
おいて、軒樋の凹溝部の内縁端に前方へ突出した凸リブ
を形成すると共に、軒樋支持具の起立片部の上端に後方
へ突出した凸片を形成し、該凸リブの上面と凸片の下面
とからなる対向面を共に前下方へと傾斜せしめてなり、
この構成によって上記課題が解決されたものである。

【０００８】

【作用】本考案の軒樋支持装置においては、軒樋の前上
縁部分の内側に下方へ開口した凹溝部が形成され、該凹
溝部が軒樋支持具の前端に上方へ突設された起立片部に
係止され、軒樋の後上縁部分の外側に突設された耳部
が、軒樋支持具の後端に内方へ開口するように形成され
た略コ字状の耳保持部に係止されて、軒樋は軒樋支持具
に取り付け支持されるものである。

【０００９】この場合に、軒樋の凹溝部の内縁端に前方
へ突出した凸リブが形成されると共に、軒樋支持具の起
立片部の上端に後方へ突出した凸片が形成されているた
め、軒樋が上方へ浮き上がろうとすると凸リブが凸片に
係止して凹溝部は起立片部から外れることがなく、軒樋
が軒樋支持具から離脱し難いものである。しかも、凸リ
ブの上面と凸片の下面とからなる対向面を共に前下方へ
と傾斜せしめているため、凹溝部に起立片部を入れる際
に、凸リブと凸片とが互いに障害物となることなく、ス
ムーズに入れられて、しかも、上記傾斜にて凸リブの上
面と凸片の下面とからなる対向面どうしを合わせるよう
にして、凹溝部を起立片部に係止させながら該係止部分
を確実に強固な回動支点として軒樋の後部を上方へ回動
させその後側の耳部を耳保持部に係止させる作業がスム
ーズに行われ、軒樋が軒樋支持具に容易に取り付けられ
るものである。また、取り付け後も、凸リブの上面と凸
片の下面とからなる対向面を共に前下方へと傾斜してい
るため、軒樋の下から吹きつける強風などにあたって
も、軒樋が軒樋支持具に対して嵌められている方向とは
逆の後上方へ同軒樋が若干ずれあがったりすることがあ
っても、上述の通り、軒樋が上方へ浮き上がろうとする
と凸リブが凸片に係止して凹溝部は起立片部から外れる
ことがなく、すなわち、上記傾斜にてこのような軒樋の
下から吹きつける強風などに対する回避作用があって、
同傾斜にて軒樋が軒樋支持具からより一層確実に離脱し
難いものとなっている。

【００１０】

【実施例】図１、図２に示す軒樋支持装置は、本考案の
一実施例で、軒樋１の前上縁部分の内側に下方へ開口し
た凹溝部２を形成し、該凹溝部２を軒樋支持具３の前端
に上方へ突設した起立片部４に係止し、軒樋１の後上縁
部分の外側に突設した耳部５を、軒樋支持具３の後端に
内方へ開口するように形成した略コ字状の耳保持部６に
係止してなる軒樋支持装置において、軒樋１の凹溝部２
の内縁端に前方へ突出した凸リブ７を形成すると共に、
軒樋支持具３の起立片部４の上端に後方へ突出した凸片
８を形成し、該凸リブ７の上面と凸片８の下面とからな
る対向面９を共に前下方へと傾斜せしめてなるものであ
る。

【００１１】軒樋１は、底部10と後壁部11と該後壁部11
よりも高い前壁部12とでなり、合成樹脂にて一体に押出
成形されたものである。この場合、薄肉金属帯状板がイ
ンサ−トされて、軒樋１が形成されても良いものであ
る。前壁部12の上縁部分は内方へ折曲していて、その内
側に下方へ開口した凹溝部２が形成されている。又、後
壁部11の上縁部分には、中空矩形状の耳部５が外側に一
体に突設されている。凹溝部２の内縁端には、断面略三
角形状の凸リブ７が一体に突設されており、該凸リブ７
の上面が対向面９となって前下方へと傾斜している。

【００１２】該軒樋支持装置においては、軒樋１が軒樋
支持具３によって内側から吊下支持されるものである。
同軒樋支持具３の中程上側には支持部材13が固着されて
後方へ突設されており、該支持部材13の後端部分は下方
へ折曲していて該後端折曲部分に取着部材14が固着され
ており、該取着部材14に固定釘15が挿通されて軒先前面
16に打ち込まれることによって、該軒先前面16に同軒樋
支持具３は取り付け固定されている。

【００１３】又、軒樋支持具３及び支持部材13等は、帯
状金属板材を折曲加工して形成されたものである。軒樋
支持具３の前端には上方へ折曲した起立片部４が形成さ
れており、該起立片部４の上端部分が斜め後方へ折曲さ
れて凸片８が形成され、該傾斜した凸片８の下面が対向
面９となって前下方へと傾斜している。又、軒樋支持具
３の後端には内下方へ開口するように屈曲形成された略
コ字状の耳保持部６が一体に設けられており、該耳保持
部６の内下端に、軒樋１の耳部５を摺接ガイドして同耳
保持部６へと案内係止させるガイド片17が垂設されてい
る。又、同耳保持部６の前側には、同耳保持部６内に係
止された耳部５に弾接して該耳部５の外れを防止する弾
性板片18が付設されている。

【００１４】又、該軒樋支持装置においては、軒樋１の
前側の凹溝部２を軒樋支持具３前端の起立片部４に係止
させた状態で、該係止部分を回動支点として軒樋１の後
部を上方へ回動させることによって、軒樋１の後側の耳
部５が軒樋支持具３後端の耳保持部６に係止されるもの
である。この場合に、上記ガイド片17に案内されて耳部
５はスム−ズに耳保持部６に係止され、係止された耳部
５は弾性板片18に弾接して同耳保持部６から外れないよ
うに保持されるものである。

【００１５】したがって、該実施例の軒樋支持装置にお
いては、軒樋１の凹溝部２の内縁端に前方へ突出した凸
リブ７が形成されると共に、軒樋支持具３の起立片部４
の上端に後方へ突出した凸片８が形成されているため、
軒樋１の前部分が上方へ浮き上がろうとすると凸リブ７
が凸片８に係止して凹溝部２は起立片部４から外れるこ
とがなく、軒樋１が軒樋支持具３から離脱し難いもので
ある。しかも、凸リブ７と凸片８との上下方向の対向面
９が共に前下方へと傾斜されているため、凹溝部２を起
立片部４に係止させながら該係止部分を回動支点として
軒樋１の後部を上方へ回動させその後側の耳部５を耳保
持部６に係止させる作業がスム−ズに行われ、軒樋１を
軒樋支持具３に取り付け易いものである。

【００１６】又、該実施例の軒樋支持装置においては、
図３に示す如く形成されても良いものである。すなわ
ち、この場合、軒樋支持具３が合成樹脂にて一体に射出
成形されており、該軒樋支持具３の起立片部４の上端に
は、断面略三角形状の凸片８が一体に突設されており、
該凸片８の下面が対向面９となって前下方へと傾斜して
いる。

【００１７】

【００１８】

【考案の効果】上述の如く、本考案の軒樋支持装置にお
いては、軒樋の凹溝部の内縁端に前方へ突出した凸リブ
が形成されると共に、軒樋支持具の起立片部の上端に後
方へ突出した凸片が形成されているため、軒樋が上方へ
浮き上がろうとすると凸リブが凸片に係止して凹溝部は
起立片部から外れることがなく、軒樋が軒樋支持具から
離脱し難いものである。しかも、凸リブの上面と凸片の
下面とからなる対向面を共に前下方へと傾斜せしめてい
るため、凹溝部に起立片部を入れる際に、凸リブと凸片
とが互いに障害物となることなく、スムーズに入れられ
て、しかも、上記傾斜にて凸リブの上面と凸片の下面と
からなる対向面どうしを合わせるようにして、凹溝部を
起立片部に係止させながら該係止部分を確実に強固な回
動支点として軒樋の後部を上方へ回動させその後側の耳
部を耳保持部に係止させる作業がスムーズに行われ、軒
樋が軒樋支持具に容易に取り付け易いものである。ま
た、取り付け後も、凸リブの上面と凸片の下面とからな
る対向面を共に前下方へと傾斜しているため、軒樋の下
から吹きつける強風などにあたっても、軒樋が軒樋支持
具に対して嵌められている方向とは逆の後上方へ同軒樋
が若干ずれあがったりすることがあっても、上述の通
り、軒樋が上方へ浮き上がろうとすると凸リブが凸片に
係止して凹溝部は起立片部から外れることがなく、すな
わち、上記傾斜にてこのような軒樋の下から吹きつける
強風などに対する回避作用があって、同傾斜にて軒樋が
軒樋支持具からより一層確実に離脱し難いものとなって
いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である軒樋支持装置を示す断
面図である。

【図２】同実施例の要部拡大断面図である。

【図３】同実施例における応用状態を示す要部拡大断面
図である。

【図４】本考案の従来例である軒樋支持装置を示す断面
図である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒樋の前上縁部分の内側に下方へ開口し
   た凹溝部を形成し、該凹溝部を軒樋支持具の前端に上方
   へ突設した起立片部に係止し、軒樋の後上縁部分の外側
   に突設した耳部を、軒樋支持具の後端に内方へ開口する
   ように形成した略コ字状の耳保持部に係止してなる軒樋
   支持装置において、軒樋の凹溝部の内縁端に前方へ突出
   した凸リブを形成すると共に、軒樋支持具の起立片部の
   上端に後方へ突出した凸片を形成し、該凸リブの上面と
   凸片の下面とからなる対向面を共に前下方へと傾斜せし
   めてなることを特徴とする軒樋支持装置。