JP2566252Y2 - 刈払機の巻付防止用カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、円筒状の軸受体に軸支
されて水平方向に回転する回転刃によって地上の草等を
刈り払うための刈払機において、この軸受体の外周に嵌
合して、下縁を回転刃の上面に近接する円錐状の巻付防
止用カバーに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のカバーは図７，図８に示
すように、カバーの一側を中心線を含む平面で切り欠い
て、この切欠部を横切るボルトによって締め付け、固定
していた。

【０００３】すなわち、一般に刈払機は、図１および図
７に示すように水平方向に回転する回転刃１を軸支する
軸受体３に、円筒状の支持体５を一体に固着し、支持体
５に一側を固着する管状の連結杆７の他端をエンジン９
に固着して、エンジン９の駆動によって、連結杆７の内
部を貫通する伝動軸１１を介して回転刃１を回転せしめ
ている。連結杆７には握り部１３と、ハンドル１５が固
着し、ハンドル１５には握り部１７が固着している。

【０００４】軸受体３の内部にベアリング１９，２１に
よって垂直に軸支された回転軸２３の下端にはスプライ
ン２４で係合する上、下の座金２５，２７を介して回転
刃１がボルト２９によって締め付け固定されている。ボ
ルト２９の頭部が地面に接触するのを防ぐためにボルト
カバー３１が共締めされている。

【０００５】回転軸２３の上部には、ベベルギアー３３
が係合している。また支持体５の内部にはベアリング３
５を介して軸支されたベベルギアー３７がスプライン３
９によって伝動軸１１と結合している。

【０００６】また、軸受体３の外周下部には、回転刃１
と軸受体３との間あるいはその付近に草等が巻き付くの
を防止するための円錐状のカバー４１が固着されてい
る。

【０００７】従来のカバー４１は、図７，図８に示すよ
うに、一側を中心線を含む平面で切り欠いて、この切欠
部４３を横切るボルト４５によって軸受体３の外周に締
付け、固定されていた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】従来のカバー４１はボ
ルト４５付近および切欠部４３に草がひっかかって巻き
付きの原因となるおそれがあり、また締め付けによる変
形によってカバーの下端面が均一とならなず、回転刃と
の間隙を僅少にかつ均一に保持することができなくなる
おそれがあった。また切欠部によってカバーの強度が低
下する等の問題があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、円筒状の軸受
体の外周面に突出する第１係合部と、カバーの内径面に
突出して第１係合部と係合する第２係合部を、軸受体の
円周方向に対して回転刃の回転方向に向って上昇する方
向に傾斜して設けるとともに、カバーの上方向の移動を
係止するストッパーを設けたものである。

【００１０】

【作用】本考案においてカバーを装着するには、軸受体
の外周に下方からカバーを嵌合し、回転刃の回転方向に
カバーを回動すれば、第２係止部が第１係止部に係合し
てカバーは上昇し、ストッパーに当接して固定するもの
である。

【００１１】

【実施例】以下、図面によって本考案の一実施例につい
て詳細に説明する。図２〜図４において、図１，図７に
示す符号と同一の符号は同一の構成部分を表すものであ
る。

【００１２】軸受体３の外周面には帯状の第１係合部４
７が突出して設けられ、またカバー４１の内径面には、
第１係合部４７に係合する第２係合部４９が突出して設
けられている。第１係合部４７および第２係合部４９は
軸受体３の円周方向に対して回転刃１の回転方向（本実
施例では上方から見て反時計方向）に向って上昇する方
向に傾斜して設けるとともに、軸受体３の外周にはカバ
ー４１の上端に係止してカバー４１の上方向への移動を
係止するストッパー５１が突出して形成されている。。

【００１３】刈払い作業を行うにあたっては、握り部１
３，１７を両手で把持して、エンジン９の駆動で回転す
る回転刃１によって地上の草等を刈り払うものである。
回転刃１とともに回転して軸受体３と回転刃１との間に
侵入しようとする草片はカバー４１の円錐面に沿って上
方に排除されるので巻き付くことがない。

【００１４】カバー４１を装着するには、回転刃１を取
り外した状態で、軸受体３の外周に下方からカバー４１
を挿入して、回転刃１の回転方向にカバー４１をストッ
パー５１に当接するまで回動させると、ストッパー５１
と第１係合部４７によってカバー４１は固定され、作業
中に草片等を介して回転刃１に接触しても、カバー４１
は回転方向に付勢されるので固定は確実に保持される。

【００１５】なお、前述の実施例では第１係合部４７，
第２係合部４９はいずれも帯状に形成されているが、本
考案では、図５のａ），（ｂ），（ｃ）に示すように、
いずれか一方を矩形、楕円形あるいは円形に形成しても
よい。また、図６に示すようにねじ状に形成してもよ
い。

【００１６】

【考案の効果】本考案によれば、つぎのような効果を有
するものである。

【００１７】（１） ボルト，切欠部がないので、草片
が巻き付くおそれがさらに少くなる。

【００１８】（２） ボルトの締め付けによる変形がな
いので、カバーの下端面と回転刃の上面との間隙を均一
に、僅少にでき、巻き付きのおそれがさらに少くなる。

【００１９】（３） 切欠部がないので強度が低下する
ことがなく、軽量化できる。

【００２０】（４） 工具を必要とせず組み付けが容易
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】刈払機の斜視全体図である。

【図２】本考案の一実施例の一部、切欠側面図である。

【図３】同正断面図である。

【図４】本考案のカバーの一実施例の側断面図である。

【図５】係合部の他の実施例の側面図で、（ａ）は短
形，（ｂ）は楕円形，（ｃ）は円形である。

【図６】本考案のカバーの他の実施例の側断面図であ
る。

【図７】従来例の要部の側断面図である。

【図８】従来のカバーの平面図である。

【符号の説明】

１ 回転刃 ３ 軸受体 ４１ カバー ４７ 第１係合体 ４９ 第２係合体 ５１ ストッパー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平方向に回転する回転刃１を円筒状の
   軸受体３に軸支して設け、前記軸受体３の外周に嵌合し
   て、下縁を前記回転刃１の上面に近接する円錐状のカバ
   ー４１を設け、前記軸受体３の外周面に突出する第１係
   合部４７と、前記カバーの内径面に突出して前記第１係
   合部４７と係合する第２係合部４９とを、前記軸受体３
   の円周方向に対して前記回転刃１の回転方向に向って上
   昇する方向に傾斜して設けるとともに、前記カバー４１
   の上方向の移動を係止するストッパー５１を設けたこと
   を特徴とする刈払機の巻付防止用カバー。