JP2565746B2 - 新規な炭素環系スルホンアミド誘導体 - Google Patents

新規な炭素環系スルホンアミド誘導体

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JP2565746B2
JP2565746B2 JP63197180A JP19718088A JP2565746B2 JP 2565746 B2 JP2565746 B2 JP 2565746B2 JP 63197180 A JP63197180 A JP 63197180A JP 19718088 A JP19718088 A JP 19718088A JP 2565746 B2 JP2565746 B2 JP 2565746B2
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enoic acid
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なスルホン酸アミド誘導体に関する。
更に詳しく言えば、本発明は (1)一般式 (式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で
示されるスルホン酸アミド誘導体に関する。
従来の技術 1975年、ハンベルグ(Hamberg)らは血小板内でプロ
スタグランジンG2がヘミアセタール誘導体に変換される
系において、不安定な中間体を経ることを見出した[Pr
oc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.,72巻第8号,2994頁参照のこ
と]。
その後、この中間体はトロンボキサンA2(TXA2)と命
名され、次のような構造を有していることが確認され
た。
TXA2には種々の生理作用、例えば血小板凝集作用、動
脈収縮作用、血栓形成作用があることが見出され、炎
症、血栓症、心筋梗塞等の疾病の一因であると考えられ
ている。
TXA2に対して拮抗作用を有する化合物として、いくつ
かのTXA2類似体が提案されており、例えば11a位の酸素
原子および9,11−エポキシの酸素原子を炭素原子で置換
えた化合物[特開昭55−143930号参照]、ピナン骨格を
有する化合物[Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.,76巻第6号,
2566頁]がある。また、シクロペンタン骨格を有する下
記化合物も公知である。
さらに、最近になって以下の出願が公開された。すな
わち一般式 (式中、R1cは水素原子または低級アルキル(炭素数1
〜8)、R2cはアルキル、無置換か置換アリル、アラル
キルまたは複素環であり、R3cは水素原子またはメチル
であり、Xcはフッ素原子で置換されているか、鎖中に酸
素、硫黄および/またはフェニレンを含んでいてもよい
アルキレンまたはアルケニレンであり、Ycは直鎖または
分枝鎖アルキレンまたはアルケニレン、酸素または硫黄
であり、mcは0または1であり、ncは0,1または2であ
る。) で示されるビシクロスルホンアミド誘導体またはその塩
の出願であり、これらがTXA2拮抗作用を有する旨記載さ
れている(英国特許公開番号2,184,118号参照)。
また、1988年5月29日から6月3日に開催された国際
天然物討論会ではバイエル社が以下の化合物を発表し
た。
発明の開示 本発明は、一般式 [式中、 R1は(i)COOR11 (ii)CH2OR12または (iii)CONR13R14 (式中、R11は水素原子、炭素数1から20のアルキル
基、炭素数1から4のアルキル基、アルコキシ基あるい
はハロゲン原子で置換されているかまたは置換されてい
ない炭素環またはステロイドを表わし、 R12は水素原子またはCOR15を表わし、 R13とR14はそれぞれ水素原子、炭素数1から4のアルキ
ル基を表わすか、またはNR13R14でアミノ酸残基あるい
は複素環を表わし、 R15は炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を表
わす。) を表わし、 を表わし、 Xbは(i)単結合、 (ii)炭素数1〜4のアルキレン基または (iii)炭素数2〜4のアルケニレン基 を表わし、 R2bは(i)水素原子、 (ii)ハロゲン原子または (iii)炭素数1〜4のアルキル基 を表わし、 一般式(B)中のC5−C6間の二重結合の配置はシスであ
る。] で示されるスルホン酸アミド誘導体;それらのシクロデ
キストリン包接化合物;R11が水素原子を表わすか、NR13
R14がアミノ酸残基を表わす場合、その酸の非毒性塩に
関する。
特許請求の範囲を含む本明細書における各記号の説明
において、アルキル基、アルキレン基、アルケニレン基
およびアルコキシ基という言葉は、直鎖または分枝鎖の
アルキル基、アルキレン基、アルケニレン基およびアル
コキシ基を表わし、アルケニレン基中の二重結合は、
E、ZおよびEZ混合物であるものを含む。また、分枝鎖
のアルキル基が存在する場合等の不斉炭素原子の存在に
より生ずる異性体も含まれる。
また、よく知られているように不斉中心の存在により
異性体が生じる。しかしながら、一般式(I)には、各
々の光学異性体およびそれらの混合物のすべてが含まれ
る。例えば、ある光学異性体とその鏡像体(エナンチオ
マー)との混合物、とりわけ等量混合物であるラセミ
体、またある光学異性体とそのジアステレオマーとの混
合物も含まれる。
また、本明細書に記載されたあらゆる構造式におい
て、破線(−−−)はα−配置であることを示し、先細
太線 はβ−配置であることを示し、波線 はα−配置またはβ−配置またはそれらの混合物である
ことを示す。
一般式(I)中、 で示される環構造はそれぞれ以下のように命名され、位
置番号が付けられる。
当業者にとって明らかなように、上記の環構造は不斉
中心を有している。すなわち、式(Ab−1)および(Ab
−2)の環は2個(1位および3位の炭素原子)の不斉
中心を有しており、式(Ab−3)および(Ab−4)の環
は4個(1位、2位、4位および6位の炭素原子)の不
斉中心を有している。
よく知られているように不斉中心の存在により異性体
が生じる。しかしながら、一般式(I)には、各々の光
学異性体およびそれらの混合物のすべてが含まれる。例
えば、ある光学異性体とその鏡像体(エナンチオマー)
との混合物、とりわけ等量混合物であるラセミ体、また
ある光学異性体とそのジアステレオマーとの混合物も含
まれる。
各異性体やラセミ体の立体構造は絶対配置によって例
えば以下のように表わされる。
(i)単一の光学活性体の場合 (5Z)−6−[(1R,3S)−3−ベンゼンスルホニルア
ミノシクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸 (5Z)−7−[(1R,2R,4R,6S)−6−ベンゼンスルホ
ニルアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル−ヘ
プト−5−エン酸 (ii)ラセミ体の場合 (5Z,7E)−8−[(1S,3S)−3−ベンゼンスルホ
ニルアミノシクロヘキシル]オクト−5,7−ジエン酸 一般式(I)中、R11が表わす炭素数1から20のアル
キル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル、ノナデシル、イコシル基およびこれらの異性
体であり、R11が表わすステロイドとは、種々の置換基
で置換されているステロイド骨格を有する化合物であ
り、例えば、コレステロールである。好ましいR11はメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−エチルプ
ロピル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基およ
びコレステロールである。またR11は水素原子も好まし
い。R11が表わす基中の炭素環とは、一部あるいは全部
が飽和していてもよい、単環、二環もしくは三環の炭素
数15個以下の芳香族環である。これらの環としては、例
えば、ベンゼン、ナフタレン、インデン、アズレン、フ
ルオレン、フェナントレン、アントラセン、アセナフチ
レン、ビフェニレン環およびこれらの一部または全部が
飽和している環であり、好ましい環はベンゼンおよびシ
クロヘキサンである。R11が表わす基中の置換基が表わ
す炭素数1から4のアルキル基とは、メチル、エチル、
プロピル、ブチルおよびこれらの異性体であり、炭素数
1から4のアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシ基およびこれらの異性体であり、ハ
ロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子お
よび臭素原子であり、好ましいR11中の置換基は、メチ
ルおよびイソプロピル基であり、R11中の炭素環は無置
換のものでも好ましい。
一般式(I)中、R12は水素原子、アセチルおよびベ
ンゾイル基が好ましい。
一般式(I)中、NR13R14で示されるアミノ酸残基と
は、α−アミノ酸のアミノ基中の水素原子が一つ除かれ
た基を意味し、例えば、グリシン、アラニン、バリン、
イソロイシン、ロイシン、セリン、スレオニン、プロリ
ン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、フェニル
アラニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸ま
たはリジンの残基が挙げられ、好ましくはグリシン、ア
ラニン、グルタミン酸、リジンの残基である。
一般式(I)中、NR13R14で示される複素環とは、一
部または全部が飽和していてもよい単環、二環、もしく
は三環の炭素および異項原子数15以下の複素環をいい、
例えば、ピロール、オキサゾール、イミダゾール、ピラ
ゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリ
ジンである。好ましい環はピロリジンである。
で示される環構造のうち、好ましい基は式(Ab−1)お
よび(Ab−2)で示される単環式炭素環である。
一般式(I)中、Xbが表わす炭素数1〜4のアルキレ
ン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テ
トラメチレン基およびそれらの異性体が挙げられ、好ま
しい基はメチレン基およびエチレン基である。
一般式(I)中、Xbが表わす炭素数2〜4のアルケニ
レン基としては、ビニレン、プロペニレン、ブテニレ
ン、ブタジエニレン基およびそれらの異性体が挙げら
れ、好ましい基はビニレン基である。
好ましいXbとしては、単結合、メチレン基、エチレン
基およびビニレン基が挙げられ、より好ましい基は単結
合である。
一般式(I)中、R2bが表わす炭素数1〜4のアルキ
ル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基および
それらの異性体であり、ハロゲン原子とは、フッ素、塩
素、ヨウ素、および臭素原子であり、何れの基も好まし
い。また、R2bが水素原子を表わす場合も好ましい。
シクロデキストリン包接化合物 一般式(I)で示される本発明化合物のシクロデキス
トリン包接化合物は、α−、β−あるいはγ−シクロデ
キストリンあるいはそれらの混合物を用いて、特開昭50
−33620号または同52−31404号明細書記載の方法により
製造することができる。
シクロデキストリン包接化合物に変換することにより
一般式(I)で示される化合物の安定性が増大する。
非毒性塩 一般式(I)において、R11が水素原子を表わすか、N
R13R14がアミノ酸残基を表わす本発明化合物は、公知の
方法で塩に変換される。塩は、非毒性でかつ水溶性であ
るものが好ましい。適当な塩としては、アリカリ金属
(ナトリウム、カリウム等)の塩、アルカリ土類金属
(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム
塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアン
モニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチル
アミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェ
ネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカ
ミン等)の塩等が挙げられる。
先行技術との比較 一般式(I)の本発明化合物は、従来の公知化合物と
は全く異なった化学構造を有する全く新規な化合物群で
ある。
具体的に説明すると、 は式(B)で示されるように、2つの側鎖(R1基含有側
鎖とNHSO2基含有側鎖)が炭素環の1位と3位の炭素原
子に結合する構造を有している。
従って、本発明化合物は従来の化合物とは異なった構
造を有する新規な化合物である。従来のTXA2拮抗剤とこ
のように構造が異なってもTXA2に対する拮抗作用を有す
るということは予想できないことである。
更に、一般式(I)の本発明化合物は、薬理作用の面
でも従来のTAX2拮抗剤よりもより有用な特徴を有してい
る。すなわち、本発明化合物はTXA2拮抗作用を有する
が、そのうち一部の化合物群は式(b)および(c)で
表わされる従来のTXA2拮抗剤よりも著しく強い拮抗作用
を有している。また、ある本発明化合物群は、従来のTX
A2拮抗剤が有している副作用のTXA2アゴニスト作用(昇
圧作用)を殆んど有さないということを確認した。従来
のTXA2拮抗剤と上記のように構造が異なることで、この
ように薬理作用が変化するということは合成して活性を
確認するまでは全く予想できないことであった。
本発明化合物の製造方法 本発明に従えば、一般式(I)で示される本発明化合
物は、以下に示す経路を用いて製造することができる。
図式中、 は式(Ab−1)または(Ab−2)で示される基を表わ
し、 は式(Ab−3)または(Ab−4)で示される基を表わ
し、 Xb1は単結合またはメチレン基を表わし、かつXb1中の窒素原子が環構造に対して互いにsynの関係で結合
していることを条件とし、 Xb2はXbと同じ意味を表わすが、Xb2が単結合またはメ
チレン基を表わす場合には、Xb2中の窒素原子が環構造に対して互いにantiの関係で結合
していることを条件とし、 R11′は炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から
4のアルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で
置換されているか、または置換されていない炭素環また
はステロイドを表わし、 R11″は炭素数1〜8のアルキル基を表わし、 その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
各反応経路を詳しく説明すると、 経路1は、ウィティッヒ反応としてよく知られた反応
である。例えば、不活性有機溶媒(トルエン、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド等)中、強塩基(カ
リウムtert−ブトキシサイド、リチウムジイソプロピル
アミド、水素化ナトリウム等)の存在下、一般式(II
a)、(II c)または(II d)のアルデヒドあるいは一
般式(II b)のアミノアセタールと一般式 (式中、Y1はハロゲン原子を表わす。)で示されるホス
ホニウム塩を−78℃から室温で反応させることにより行
なわれる。
経路2はアミド化であり、例えば、(i)シュウ酸ク
ロライドを反応させた後、不活性有機溶媒(塩化メチレ
ン、トルエン等)中、式H2NR13(R13は前記と同じ意味
を表わす。)で示される相当するアミンを用いて0℃〜
40℃の温度で反応させるか、(ii)不活性有機溶媒(塩
化メチレン等)中、式HNR13R14(R13およびR14は前記と
同じ意味を表わす。)で示される相当するアミン、2−
クロロ−1−メチルピリジニウムヨージドおよび三級ア
ミン(トリエチルアミン等)を用いて、0℃〜40℃の温
度で反応させることにより行なわれる。式HNR13R14で示
されるアミンがアミノ酸を表わす場合には、アミノ酸内
に存在するカルボキシル基が適当なアルキル基で保護さ
れた化合物、あるいは反応に関与しないアミノ基がtert
−ブトキシカルボニル基(boc基)またはベンジルオキ
シカルボニル基(cbz基)で保護された化合物を反応さ
せ、その後に酸(トリフルオロ酢酸等)またはアルカリ
(水酸化ナトリウム等)で加水分解し、保護基を除去す
ることによっても行なわれる。
経路3はエステル化反応である。例えば(i)不活性
有機溶媒(ジエチルエーテル、塩化メチレン等)中、相
当するジアゾアルカンを用いて−10℃〜40℃の温度で行
なうか、あるいは(ii)不活性有機溶媒(アセトン、ジ
メチルスルホキシド等)中塩基(炭素ナトリウム等)の
存在下、相当するアルキルハライドを用いて−10℃〜80
℃の温度で行なうか、あるいは(iii)式(I b)の酸に
相当する酸クロライドに所望のアルコールを−10℃〜40
℃の温度で反応させることにより行なわれる。
経路4は還元反応であり、不活性有機溶媒(テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、低級アルカノール等)
中、リチウムアルミニウムハイドライドまたはジイソブ
チルアルミニウムハイドライドを用いて−78℃から室温
で行なわれる。
経路5はアシル化反応であり、不活性有機溶媒(ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン)
中、あるいは無溶媒で、三級アミン(ピリジン、トリエ
チルアミン)の存在下、アシルハライドまたは酸無水物
を−20℃〜50℃で反応させることにより行なわれる。
経路6はケン化であり、例えば、水と混和しうる有機
溶媒(テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール
等)中、アルカリ(水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化リチウム等)の水溶液を用いて通常−10℃〜100
℃の温度で行なわれる。
出発原料の製造方法 出発原料として用いた(II a)、(II b)および(II
c)で示される化合物は、公知の方法を用いて容易に製
造することができる。例えば、式(II a)で示される化
合物は以下に示す反応工程式A′に従って製造すること
ができる。
式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、 R3はメタンスルホニル基(以下、Msと記す。)または
p−トルエンスルホニル基(以下、Tsと記す。)を表わ
し、 その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
前記反応工程式中、各反応は当業者にとって公知であ
る。さらに、式(34)または(II a−1)の化合物から
式中(II a)で示される化合物を製造する方法は、例え
ば、次の反応工程式B′に示される。
図式中、 を表わし、 R4は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、φはフェニル
基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
前記反応工程式中、各反応は当業者にとって公知であ
る。また、Xbが分枝鎖アルキレン基またはアルケニレン
基を表わす場合も、反応工程式B′と同様にして、ある
いは公知の方法を組合せて製造することができる。
一方、他の出発原料、式(II b)および(II c)で示
される化合物も、公知の方法を用いて容易に製造するこ
とができる。例えば、以下に示す反応工程式C′に従っ
て製造することができる。
式中、 R5はトリアルキルシリル基を表わし、 R6は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、 THPはテトラヒドロピラン−2−イル基を表わし、 その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
前記反応工程式中、各反応は当業者にとって公知であ
る。
反応工程式中の出発原料、式(44)の化合物は公知の
方法を用いて容易に製造することができる。例えば、以
下に示す反応工程式D′およびE′に従って製造するこ
とができる。
式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。
前記反応工程式中、各反応は当業者にとって公知であ
る。また反応工程式E′において、Xbが分枝鎖のアルキ
レン基またはアルケニレン基を表わす式(57)で示され
る化合物も、反応工程式E′と同様にして、或いは公知
の方法を組合せて製造することができる。
その他の立体配置を有する式(II b)および(II c)
で示される化合物も相当する出発原料を用いて前記反応
工程式と同様にして製造することができる。
出発原料として用いた式(29)、(29′)、(30)、
(31)、(42)および(42′)で示される化合物、およ
び式(42)および(42′)に相当する他の立体配置を有
する化合物は、すべて公知かまたは公知の化合物から公
知の方法を用いて容易に製造することができる。
例えば、 を表わす式(30)および(31)で示される化合物は特開
昭61−103850号に記載されており、 を表わす式(29′)で示される化合物は、J.Am.Chem.So
c.,74,5912(1952)に記載されている。
また を表わす式(52)で示される化合物は、Tetrahedron,3
5,2225(1979)に記載されており、また を表わす式(52′)で示される化合物および を表わす式(52)で示される化合物は、Helv.Chim.Act
a,67,1859(1984)に記載されている。
所望により、(±)体はそれぞれの光学活性体に分割
することができる。光学分割は、好ましい段階で公知の
分割法[例えば、Tables of resolving agents and opt
ical resolutions,University of Notredame press(19
72)参照のこと]により行なうことができる。
本発明中で用いられる出発物質および各試薬はそれ自
身公知であるかまたは公知の方法により製造することが
できる。
本明細書中の各反応において反応生成物は通常の精製
手段、例えば常圧下または減圧下における蒸留、シリカ
ゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマ
トグラフィー、薄層クロマトグラフィーあるいはカラム
クロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法により
精製することができる。精製は各反応ごとに行なっても
よいし、いくつかの反応終了後行なってもよい。
[シクロデキストリン包接化合物および塩] 一般式(I)で示される炭素環系スルホンアミド誘導
体のシクロデキストリン包接化合物は、α−、β−ある
いはγ−シクロデキストリンあるいはそれらの混合物を
用いて、特開昭50−33620号または同52−31404号明細書
記載の方法を用いることにより得ることができる。
シクロデキストリン包接化合物に変換することにより
一般式(I)で示される化合物の安定性が増大する。
R11が水素原子を表わすかNR13R14がアミノ酸残基を表
わす一般式(I)で示される酸は公知の方法により塩に
変換される。
塩は非毒性の塩であることが好ましい。
ここで非毒性の塩とは動物の組織に対して、比較的無
害で治療に必要な量を用いたとき、一般式(I)で示さ
れる化合物の有効な薬理的性質がそのカチオンにより生
じた副作用によって損なわれないようなカチオンの塩を
意味する。
また、塩は水溶性であることが好ましい。
適当な塩には、例えばアルカリ金属(ナトリウム、カ
リウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシ
ウム等)の塩、アンモニウム塩および薬学的に許容され
る(非毒性の)アミン塩が挙げられる。
カルボン酸とそのような塩を形成する適当なアミンは
良く知られており、例えば理論上アンモニアの1個ある
いは複数個の水素原子を他の基に置換えて得られるアミ
ンが挙げられる。
これらのアミンの例としては、アミノ酸(アルギニ
ン、リジン、グルタミン、グアニジン、ヒスチジン、ア
スパラギン等)、糖アミン(N−メチルグルカン、N−
メチルマンノースアミン、N−メチルガラクトースアミ
ン、N−メチルフルクトースアミン、N−メチルアラビ
ノースアミン、N−メチルリボースアミン、N−メチル
ラクトースアミン等)、その他のアミン(エタノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、メグ
レミン等)が挙げられる。
塩は公知の方法、例えば適当な溶媒中、Rが水素原子
を表わす一般式(I)で示される酸と適当な塩基、例え
ばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物または炭
酸塩、アンモニアまたはアミンを論理量ずつ反応させて
得られる。
塩は溶液を凍結乾燥するか、あるいは反応溶媒にほと
んど不溶ならば、ろ過するか、あるいは必要ならば、溶
媒を一部除去したのちろ過することにより単離される。
[本発明化合物の薬理活性] 一般式(I)で示される本発明化合物は、トロンボキ
サンA2に対する拮抗作用、特に血小板凝集抑制作用、平
滑筋収縮や血圧上昇を抑制する作用を有している。
例えば、実験室の実験では、(i)ヒトの血液を用い
た、STA2(9α,11α−エピチオ−15α−ヒドロキシ−1
1a−カルバトロンボ−5Z,13E−ジエン酸)によって誘発
される血小板の凝集に対する阻害効果、(ii)モルモッ
トにおけるSTA2誘発の平滑筋の収縮に対する抑制効果、
または(iii)モルモットにおけるSTA2誘発の血圧上昇
に対する抑制効果(静脈内投与および経口投与)によっ
て確認することができた。行なわれた実験の一部につい
て、その結果を次表Iに示す。
各活性における実験方法の詳細は以下の通りである。
(i)ヒトの血液におけるSTA2誘発血小板凝集阻害作
用: 健常成人男子より採血したクエン酸血20mlを180×g
で10分間遠心分離し、得られた上清を血小板貧血漿で希
釈して血小板数を30万セル/μlに調整したもの250μ
lに各化合物の1μlエタノール溶液を加えたのち、ST
A2のエタノール溶液を加え、Bornの方法により測定し、
IC50値を測定した。
(iii)モルモットにおけるSTA2誘発血圧上昇阻害作
用: 体重250〜350gの雄性モルモット用いてウレタン投与
による麻酔下、各化合物を7%炭酸水素ナトリウム水溶
液(pH7.6〜8.6)に溶かしたものを10〜1000μg/kg動物
体重で頚静脈よりまたは経口より投与し、そののちリン
酸バッファー(pH7.4)に溶かしたSTA2を投与し、頚静
脈における血圧の変化を測定し、抑制率(%)を算出し
た。
また一般式(I)で示される本発明化合物のうち一部
の化合物は、トロンボキサンA2に対するアンタゴニスト
作用、特に血圧上昇を抑制する作用を有し、その作用は
長時間持続するにもかかわらずアゴニスト作用(血圧上
昇作用)は弱い。
考察 以上の結果より、本発明化合物は、TXA2に対する拮抗
作用を有する。そのうち一部の化合物については比較化
合物に比べてSTA2抑制持続時間が長く、またアゴニスト
作用である血圧上昇効果は弱いことがわかる。
医薬への適用 一般式(I)で示される本発明化合物、そのシクロデ
キストリン包接化合物、およびその非毒性塩はTXA2に対
する拮抗作用、すなわち血小凝集抑制作用、平滑筋収縮
や血圧上昇を抑制する作用を有しているので、人間を含
めた哺乳動物、特に人間におけるトロンボキサンA2に起
因する疾患、例えば炎症、高血圧、血栓、脳卒中、喘
息、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、急性心臓死の予防およ
び/または治療のために有用である。
一般式(I)で示される本発明化合物、そのシクロデ
キストリン包接化合物およびその非毒性塩を上記の目的
で用いるには、通常全身的あるいは局所的に、経口また
は非経口で投与される。投与量は年令、体重、症状、治
療効果、投与方法、処置時間等により異なるが、通常成
人ひとりあたり、1回につき1mg〜5gの範囲で1日1回
〜数回経口投与されるか、または成人ひとりあたり1回
につき10μg〜1gの範囲で1日1回から数回非経口投与
される。もちろん前記したように、投与量は種々の条件
で変動するので上記投与範囲より少ない量で十分な場合
もあるし、また範囲を越えて投与する必要のある場合も
ある。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、
錠剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成
物においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、少
なくともひとつ不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニト
ール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結
晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタ
ケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物
は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例え
ばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グ
ルコン酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのよう
な安定化剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のよう
な溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤または丸剤は
必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
などの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜して
もよいし、また2以上の層で被膜してもよい。さらにゼ
ラチンのような吸収されうる物質のカプセル剤としても
よい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される
乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等
を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精
製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤
以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味
剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつま
たはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法に
より処方されるスプレー剤が含まれる。
本発明による非経口投与のための注射剤としては、無
菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含
する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸
留水および生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、
懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノ
ールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商
標)等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿
潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトー
ス)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらは例
えばバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配
合または照射によって無菌化される。これらはまた無菌
の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注
射用溶媒に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつ
またはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法
により処方される外用液剤、軟膏のような塗布剤、直腸
内投与のための坐剤および膣内投与のためのペッサリー
等が含まれる。
参考例および実施例 以下、参考例および実施例により本発明を詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお参考例および実施例中の「TLC」、「NMR」、
「IR」および「MS」は各々「薄層クロマトグラフィ
ー」、「核磁気共鳴スペクトル」、「赤外吸収スペクト
ル」および「質量分析」を表わす。クロマトグラフィー
による分離の箇所に記載されているカッコ内の溶媒は使
用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、溶媒の割合は体
積比を表わす。特別の記載がない場合には、NMRは重ク
ロロホルム(CDCl3)溶液で測定し、IRは液膜法で測定
している。
なお、構造式中または名称中の、「cbz」は「ベンジ
ルオキシカルボニル基」を表わし、「Menth」は「メン
チル基を表わし、「トシル基」は「4−メチルフェニ
ル)スルホニル基」を表わし、「メシル基」は「メタン
スルホニル基」を表わし、「BMS」は「tert−ブチルジ
メチルシリル基」を表わし、「THP」は「テトラヒドロ
ピラン−2−イル基」を表わす。
また、参考例および実施例中の(±)は一般的命名法
に用いられるように旋光度の異なる鏡像体(エナンチオ
マー)の混合物を表わしている。例えば、 の混合物を表わし、 同時に名称中の絶対表示に*を付して表示してある。
参考例1 (3−アミノシクロペンチル)メタノール (1)3−メシルオキシシクロペンタンカルボン酸tert
−ブチルエステルの合成 塩化メチレン(2ml)に溶かした3−ヒドロキシシク
ロペンタンカルボン酸tert−ブチルエステル(373mg)
とピリジン(0.32ml)の溶液に、メシルクロライド(0.
15ml)を0℃で滴下し、室温で4時間かきまぜた。反応
混合物を氷水(10ml)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃
縮して次の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2):Rf0.54。
(2)3−アジドシクロペンタンカルボン酸tert−ブチ
ルエステルの合成 ヘキサメチルホスファアミド(3ml)に溶かしたメシ
レート[(1)で製造した。]にアジ化ナトリウム(15
6mg)を加え、80℃で20分間かきまぜた。反応混合物を
水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧濃縮して次の物性値を有する
標題化合物を得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1):Rf0.46。
(3)(3−アミノシクロペンチル)メタノール テトラヒドロフラン(4ml)に溶かしたリチウムアル
ミニウムハイドライド(228mg)に、テトラヒドロフラ
ン(4ml)に溶かしたアジド体[(2)で製造した。]
を滴下し、室温で30分間かきまぜた。反応液を0℃に冷
却し、飽和硫酸ナトリウム水溶液を滴下後、室温でさら
に30分間かきまぜた。反応混合物を硫酸マグネシウムで
乾燥し、ろ過後減圧濃縮して次の物性値を有する標題化
合物を得た。
TLC(塩化メチレン:メタノール=9:1):Rf0.05。
参考例2 [3−(4−ブロモベンゼンスルホニルアミノ)シクロ
ペンチル]メタノールの合成 ベンゼン(1ml)に溶かしたアミノアルコール体(参
考例1で製造した。95mg)にトリエチルアミン(0.14m
l)を加えて氷冷した。ここへ4−ブロモベンゼンスル
ホニルクロライド256mgを少しずつ加え、室温で1時間
かきまぜた。反応混合物に酢酸エチルを加え、不溶物を
ろ去した後、ろ液を減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−
ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製して、次の物性値
を有する標題化合物144mgを得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3):Rf0.30。
参考例3 [3−(4−ブロモベンゼンスルホニルアミノ)シクロ
ペンチル]アルデヒドの合成 ジメチルスルホキシド(1ml)に溶かしたアルコール
体(参考例2で製造した。300mg)にトリエチルアミン
(0.4ml)を加え、さらにジメチルスルホキシド(2ml)
に溶かした三酸化イオウ−ピリジン錯体(448mg)を室
温で滴下し、1時間かきまぜた。反応混合物を氷水(5m
l)中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水
洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:8)で精製して、次の物性値を有す
る標題化合物170mgを得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3):Rf0.51; NMR:δ 9.67(0.25H,d),9.59(0.75H,d),7.80−7.60
(4H),4.89(0.25H),4.73(0.75H),3.74(0.25H),
3.61(0.75H),2.90(1H),2.18(1H),2.08−1.36(6
H)。
参考例4 [3−(4−メチルベンゼンスルホニルアミノ)シクロ
ペンチル]アルデヒド 参考例1で製造したアミノアルコール体を出発物質と
して用いて、参考例2(4−ブロモベンゼンスルホニル
クロリドの代わりに4−メチルベンゼンスルホニルクロ
リドを用いた。)、参考例3と同様に操作して、次の物
性値を有する標題化合物を得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3):Rf0.49。
参考例5 (2E)−3−[3−(4−メチルベンゼンスルホニルア
ミノ)シクロペンチル]プロパ−2−エン酸メチルエス
テル テトラヒドロフラン(5ml)に溶かしたアルデヒド体
(参考例4で製造した。530mg)にテトラヒドロフラン
(5ml)に溶かしたメトキシカルボニルメチルトリフェ
ニルホスホラン(705mg)を加えて室温で10時間かきま
ぜた後、反応混合物を減圧濃縮した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチ
ル=8:2)で精製して、次の物性値を有する標題化合物
(560mg)を得た。
NMR:δ 7.70(2H,d),7.32(2H,d),6.92(1H,dd),6.2
0(1H,d),4.42(1H,d),3.75(3H,s),3.60(1H,m),
2.43(3H,s)。
参考例6 (2E)−3−[3−(4−メチルベンゼンスルホニルア
ミノ)シクロペンチル]プロパ−2−エナールの合成 (1)(2E)−3−[3−(4−メチルベンゼンスルホ
ニルアミノ)シクロペンチル]プロパ−2−エン−1−
オール トルエン(10ml)に溶かしたカルボン酸メチルエステ
ル(参考例5で製造した。640mg)を−78℃まで冷却
し、ここへ1.75モルのジイソブチルアルミニウムハイド
ライド(DIBAL)のトルエン溶液(2ml)を滴下した。滴
下終了後、室温まで昇温し、反応混合物にメタノールと
水の混合液を加えて、過剰のDIBALを分解した。生じた
沈殿をろ去し、ろ液を減圧濃縮して、粗標題化合物を得
た。
(2)(2E)−3−[3−(4−メチルベンゼンスルホ
ニルアミノ)シクロペンチル]プロパ−2−エナール 塩化メチレン(5ml)に溶かしたアルコール体
[(1)で製造した。]に、ジメチルスルホキシド(31
2mg)、シュウ酸クロライド(254mg)およびトリエチル
アミン(600mg)を加えて、−35℃で1時間かきまぜ
た。反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽
出液を水洗し、硫酸マグネシウム乾燥後減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=7:3)で精製して次の物性値を有する
標題化合物(405mg)を得た。
NMR:δ 9.47(1H,d),7.75(2H,d),7.31(2H,d),6.71
(1H,q),6.02(1H,q)。
参考例7 3−[3−(4−メチルベンゼンスルホニルアミノ)シ
クロペンチル]プロパナール メタノール(10ml)に溶かしたビニレン体(参考例6
で製造した。440mg)に5%パラジウム炭素(30mg)を
加えて、水素雰囲気下、室温で2時間かきまぜた。反応
混合物より触媒をろ去し、ろ液を減圧濃縮して次の物性
値を有する標題化合物(400mg)を得た。
NMR:δ 9.72(1H,bs),7.73(2H,d),7.29(2H,d),4.4
2(1H,d),3.61(1H,m),2.43(3H,s)。
参考例8 (1R,2S,4R)−2−(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−
オンの合成 (1)(1R,2S,4R,6R)−2−ヒドロキシメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−オールの合成 テトラヒドロフラン(100ml)に懸濁させたリチウム
アルミニウムハイドライド(500mg)に、テトラヒドロ
フラン(5ml)に溶かした(1R,2S,4R,6R)−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−カルボラクトン(1.26
g)を室温で滴下し、同温度で1時間かきまぜた。反応
混合物にテトラヒドロフランと水の混合液を加えて過剰
のリチウム化合物を分解した後ろ過し、ろ液を硫酸マグ
ネシウムで乾燥後減圧濃縮して粗標題化合物を得た。
(2)(1R,2S,4R,6R)−2−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン−6−オールの合成 ジメチルホルムアミド(2ml)に溶かしたジオール体
[(1)で製造した。260mg]とイミダゾール(200mg)
に、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(300mg)
を加えて、0℃で30分間かきまぜた。反応混合物に酢酸
エチル(50ml)を加えて水洗し、硫酸マグネシウムで乾
燥後減圧濃縮して粗標題化合物を得た。
(3)(1R,2S,4R)−2−(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−6−オンの合成 ピリジン(5ml)と無水クロム酸(400mg)からサレー
(Sarett)試薬を調製した。
ピリジン(1ml)に溶かしたアルコール体[(2)で
製造した。]を先に調製したサレー試薬に滴下した後30
分間放置した。反応混合物に酢酸エチル(30ml)を加
え、生じた黒色沈殿をろ去し、ろ液を水洗し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
9:1)で精製し、次の物性値を有する標題化合物390mgを
得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1):Rf0.60。
参考例9 (1R,2S,4S,6RS)−2−(tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)−6−(4−ブロモベンゼンス
ルホニルアミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの合成 (1)(1R,2S,4S,6RS)−2−(tert−ブチルジ
メチルシリルオキシメチル)−6−ヒドロキシイミノビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン メタノール(30ml)に懸濁させたヒドロキシルアミン
塩酸塩(210mg)および炭酸バリウム(600mg)に、メタ
ノール(5ml)に溶かしたケトン体(参考例8で製造し
た。240mg)を加え、2時間還流した。反応混合物をろ
過し、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で
精製して粗標題化合物を得た。
(2)(1R,2S,4S,6RS)−2−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)−6−アミノビシクロ
[2.2.1]ヘプタン n−プロパノール(30ml)に溶解したオキシム体
[(1)で製造した。]を還流した。途中、還流溶液に
金属ナトリウム(1g)を小片ずつ加えた。ナトリウムが
完全に消費されたのを確認した後反応混合液を60℃まで
冷却して、次にn−プロパノールを留去した。反応液に
水を加えて、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水
洗し減圧濃縮して粗標題化合物(140mg)を得た。
(3)(1R,2S,4S,6RS)−2−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)−6−(4−ブロモベン
ゼンスルホニルアミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの
合成 ピリジン(2ml)に溶かしたアミン体[(2)で製造
した。]に4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド
(150mg)を加え、室温で30分間かきまぜた。反応混合
物に酢酸エチルを加えて、水、飽和硫酸銅水溶液および
水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、次の物性
値を有する6R異性体(75mg)と6S異性体(83mg)を
得た。
(a)6R異性体: NMR:δ 7.72(2H,d),7.60(2H,d),7.35(1H,d),3.80
−3.50(3H,m),0.96(9H,s),0.14(6H,s)。
(b)6S異性体: NMR:δ 7.75(2H,d),7.61(2H,d),4.38(1H,d),3.60
(1H,m),3.55(1H,q),3.60(1H,q),0.85(9H,s),0.
02(3H,s),0.01(3H,s)。
参考例10 [(1R,2S,4S,6R)−6−(4−ブロモベンゼ
ンスルホニルアミノ)シクロペンタン−2−イル]メタ
ノール メタノール(1ml)に溶かしたシリルエーテル体[参
考例9(3)(a)で製造した。70mg]に触媒量のp−
トルエンスルホン酸を加え、室温で30分間かきまぜた。
反応混合物にトリエチルアミンを加え減圧濃縮した。残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=7:3)で精製して、次の物性値を有
する標題化合物40mgを得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:4):Rf0.60。
以下、参考例9(3)(b)で製造したシリルエーテ
ル体を用いて、同様に操作して以下の化合物を得た。
(1)[(1R,2S,4S,6S)−6−(4−ブロモ
ベンゼンスルホニルアミノ)シクロペンタン−2−イ
ル]メタノール TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:4):Rf0.60。
参考例11 [(1R,2S,4S,6R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−N−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−6,2−ラ
クタム 塩化メチレン(10ml)に溶かしたメタノール体(参考
例10で製造した。80mg)にピリジニウムジクロメート
(376mg)を加えて、室温で3日間かきまぜた。反応混
合物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ベンゼン=
1:8)で精製して、次の物性値を有する標題化合物(52m
g)を得た。
TLC(酢酸エチル:ベンゼン=1:5):Rf0.58。
参考例12 [(1R,2S,4S,6R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−N−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−6,2−ア
ミノアセタール 無水トルエン(5ml)に溶かしたラクタム体(参考例1
1で製造した。50mg)を−78℃に冷却し、ここへ1.8Mの
ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL)のト
ルエン溶液(0.16ml)を滴下した。混合物を−78℃で25
分間かきまぜた後、反応混合物にメタノールを加えて過
剰のDIBALを分解し、その後室温まで昇温した。反応混
合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、飽和食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ベンゼン=1:8)で精製して、次の物性値を有する
標題化合物(48mg)を得た。
TLC(酢酸エチル:ベンゼン=1.5):Rf0.38。
参考例13 [(1R,2S,4R,6R)−6−(テトラヒドロピラ
ン−2−イルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2
−イル]メタノール (1)(1R,2S,4R,6R)−2−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)−6−(テトラヒドロピ
ラン−2−イルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの
合成 塩化メチレン(3ml)に溶かした(1R,2S,4R,6R
)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−オール[参考例
8(2)で製造した。512mg]に、2,3−ジヒドロピラン
(200mg)を加えた後0℃まで冷却し、さらに触媒量の
p−トルエンスルホン酸を加えて、0℃で30分間かきま
ぜた。反応混合物にトリエチルアミンを加え、水洗し、
硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮して粗標題化合物を
得た。
(2)[(1R,2S,4R,6R)−6−(テトラヒド
ロピラン−2−イルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2−イル]メタノールの合成 テトラヒドロフラン(5ml)に溶かしたBMSエーテル体
[(1)で製造した。]に当量のテトラブチルアンモニ
ウムフルオライドを加えて、室温で1時間かきまぜた。
反応混合液を酢酸エチルで希釈して、水および飽和食塩
水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製して、次の物性
値を有する標題化合物400mgを得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3):Rf0.60。
参考例14 [(1R,2R,4R,6R)−2−シアノメチル−6−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ビシクロ[2.
2.1]ヘプタンの合成 (1)(1R,2S,4R,6R)−2−メシルオキシメ
チル−6−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタンの合成 メタノール体(参考例13で製造した。)を用いて、参
考例1(1)と同様に操作して標題化合物を得た。
(2)(1R,2R,4R,6R)−2−シアノメチル−
6−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンの合成 ヘキサメチルホスファアミド(3ml)に溶かしたメシ
レート体[(1)で製造した。]にシアン化ナトリウム
(100mg)を加え、80℃で3時間かきまぜた。反応混合
液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し
減圧濃縮して、次の物性値を有する標題化合物(300m
g)を得た。
IR:ν 2210cm-1
参考例15 (1R,2R,4R,6R)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
2−酢酸ラクトン イソプロパノール(3ml)と4N水酸化カリウム(2ml)
の混合液に溶かしたシアノ体(参考例14で製造した。30
0mg)を16時間還流した。反応混合物に室温で濃塩酸(3
ml)を加え2時間放置した後、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製して次の物性値
を有する標題化合物(200mg)を得た。
IR:ν 1780cm-1
実施例1 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸 アルゴン雰囲気下、4−カルボキシブチルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイド(602mg)およびカリウムter
t−ブトキサイド(306mg)の混合物にテトラヒドロフラ
ン(5ml)を加え室温で15分間かきまぜてイリドを得
た。ここへテトラヒドロフラン(2ml)に溶かしたアル
デヒド体(参考例3で製造した。150mg)を滴下し、室
温で30分間かきまぜた。反応混合物を氷水(20ml)中に
注ぎ、ジエチルエーテル20mlで抽出した。抽出液を硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノー
ル=97:3)で精製して、次の物性値を有する標題化合物
(130mg)を得た。
TLC(塩化メチレン:メタノール=9:1):Rf0.48; NMR:δ 7.79−7.58(4H),5.36−5.18(2H),5.10(2/3
H,d),4.75(1/3H,d),3.80−3.53(1H),3.00−2.50
(1H),2.43−2.22(2H),2.18−1.00(10H); IR:ν 3240,2920,1700,1560,1420,1110,1045cm-1; MS:m/e417,415,400,398,355,300。
実施例1(a)〜(o) 以下、参考例1、2、3および実施例1と同様の操作
により、相当する3−ヒドロキシシクロ(ビシクロ)ア
ルキルカルボン酸エステルを出発物質として用いて次表
IIに示す化合物1(a)〜1(o)を得た。ただし、実
施例1(n)および1(o)の化合物では、4−ブロモ
ベンゼンスルホニルクロライドのかわりに4−メチルベ
ンゼンスルホニルクロライドを用いた。
実施例2 (5Z,7E)−8−[3−(4−メチルベンゼンスルホニ
ルアミノ)シクロペンチル]オクト−5,7−ジエン酸 参考例6で製造したアルデヒド体を出発物質として用
いて、実施例1と同様に操作して次の物性値を有する標
題化合物を得た。
TLC(塩化メチレン:メタノール=9:1):Rf0.44; NMR:δ 6.27(1H,dd),5.98(1H),5.85(1H,dd),5.50
(1H),5.32(1H),3.63(1H),2.62−1.06(16H),0.9
8−0.76(1H); MS:m/e377,359,331,317,264,250,236,222,155,91。
実施例2(a) 参考例7で製造したアルデヒドを用いて、実施例2と
同様に操作して、以下の化合物を得た。
(5Z)−8−[3−(4−メチルベンゼンスルホニルア
ミノ)シクロペンチル]オクト−5−エン酸 TLC(塩化メチレン:メタノール=9:1):Rf0.50; NMR:δ 7.74(2H,d),7.28(2H,d),5.50−5.18(2H,
m),4.98−4.78(1H,m),3.79−3.66(1H,m),2.42(3
H,s),2.30(2H,t),2.19−1.16(14H,m),1.16−0.80
(1H,m); IR:ν 3250,2930,1700,1440,1320,1150,1090,900,810,6
55cm-1; MS:m/e379(M+),361,333,319,278,266,250,236,224,20
6,190,172,155,91。
実施例3 (5Z)−6−[(1R,2R,4R,6R)−6−(4−
ブロモベンゼンスルホニルアミノ)ビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−2−イル]ヘキサ−5−エン酸メチル 無水テトラヒドロフラン(10ml)に4−カルボキシブ
チルトリフェニルホスホニウムブロマイド(487mg)お
よびカリウムtert−ブトキサイド(247mg)を加え、室
温で20分間かきまぜてイリドを得た。得られた溶液を0
℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン(5ml)に溶かし
たアミノアセタール体(参考例12で製造した。82mg)を
滴下し、0℃で15分間かきまぜた。反応混合物に冷1N塩
酸(20ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫
酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮して、目的化合物に相
当するカルボン酸を得た。得られた残留物を塩化メチレ
ン(5ml)に溶かし、ジアゾメタンのエーテル溶液を、
反応混合物が黄色を呈するまで0℃で加えた後、減圧濃
縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、次の
物性値を有する標題化合物(46mg)を得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1):Rf0.30; NMR:δ 7.68(4H,m),5.65−5.30(2H,m),5.23(1H,
d),3.68(3H,s),3.64(1H,m)。
実施例3(a) 実施例1(i)で製造したカルボン酸を用いて、実施
例3と同様に操作して、以下の化合物を得た。
(5Z)−6−[1R,3S)−3−(4−ブロモベンゼンス
ルホニルアミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸
メチル TLC(酢酸エチル:ベンゼン=1:8):Rf0.30; MS:m/e429(M+),397,369,355,346,325,316,300。
実施例4および4(a) (5Z)−7−[(1R,2R,4R,6S)−6−(4−
メチルベンゼンスルホニルアミノ)ビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−2−イル]ヘプト−5−エン酸および相当す
る(1R,2R,4R,6R)異性体 参考例15で製造したカルボラクトン体を出発物質とし
て用いて、参考例8→参考例9→参考例10→実施例1
(6S異性体および6R異性体両方とも)と同様に操作
して、次の物性値を有する標題化合物を得た。
実施例4(1R,2R,4R,6S)異性体 TLC(酢酸エチル):Rf0.80; NMR:δ 7.75(2H,d),7.29(2H,d),5.27(2H,m),4.55
(1H,d),3.49(1H,m),2.43(3H,s),2.36(2H,t),0.
50(1H,broad d); MS:m/e391(M+),373,349,345,318,236,218,155,91。
実施例4(a)(1R,2R,4R,6R)異性体 TLC(酢酸エチル):Rf0.60; NMR:δ 7.77(2H,d),7.29(2H,d),5.63(1H,d),5.38
(2H,m),3.52(1H,m),1.42(3H,s),1.28(2H,broad
s),0.80(2H,m); MS:m/e391(M+),373,342,318,304,293,236。
実施例5 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸オクチル シュウ酸クロライド(0.5ml)に溶かしたカルボン酸
(実施例1で製造した。100mg)を、室温で1時間かき
まぜた後、減圧濃縮して過剰のシュウ酸クロライドを除
去した。残留物をピリジン(3ml)に溶かし、n−オク
チルアルコール(100mg)を加えて室温で2時間かきま
ぜた。反応混合物に酢酸エチルを加えて、水洗し、硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1)で精製して、次の物性値を有する標題化合物
(110mg)を得た。
TLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1):Rf0.5; NMR:δ 7.7(4H,m),5.25(2H,m),4.70と4.62(合わせ
て1H,各々d),4.66と4.20(合わせて2H,各々t),3.71
と3.60(合わせて1H,各々m),0.92(3H,broad t)。
実施例5(a)〜5(c) 相当する酸と適当なアルコールを用いて、実施例5と
同様の操作により、次表IIIに示すエステルを得た。
実施例6 (5Z)−6−[(1R,3S)−3−(4−ブロモベンゼン
スルホニルアミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン
酸アミド 20mgの(5Z)−6−[(1R,3S)−3−(4−ブロモ
ベンゼンスルホニルアミノ)シクロペンチル]ヘキサ−
5−エン酸(実施例1(i)で製造した。)に1mlのシ
ュウ酸クロライドを加え、室温で1時間攪拌した後、減
圧下に過剰のシュウ酸クロライドを留去すると、酸クロ
リドが得られた。これを1mlのトルエンに溶解させ、室
温でアンモニア水0.5mlを加え、更に室温で60分間攪拌
した後、減圧下濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1→酢酸エチル)で
精製して、次の物性値を有する標題化合物14mgを得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=3:1):Rf0.13; MS:m/e414(M+),356,300,236,219。
製剤実施例1 錠剤の製造 ・(5Z)−6−[(1R,3S)−3−トシルアミノシクロ
ペンチル]ヘキサ−5−エン酸 ……10 g ・繊維素グリコール酸カルシウム(崩壊剤)……200 m
g .ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ……100 mg .微結晶セルロース ……9.7 g 上記の化合物を常法により混合して、打錠し、一錠中
に100mgの活性成分を含有する錠剤100個を得た。
製剤実施例2 注射剤の製造 (5Z)−6−[(1R,3S)−3−トシルアミノシクロ
ペンチル]ヘキサ−5−エン酸5gおよびマンニトール50
gに蒸留水を加えて溶解したのち、蒸留水を加えて全量
を500mlとし、バクテリア保留フィルターでろ過し、常
法により5mlずつ10mlバイアルに充填し凍結乾燥して各5
0mgの活性成分を含有するバイアル100個を得た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、 R1は(i)COOR11、 (ii)CH2OR12または (iii)CONR13R14 (式中、R11は水素原子、炭素数1から20のアルキル
    基、炭素数1から4のアルキル基、アルコキシ基あるい
    はハロゲン原子で置換されているかまたは置換されてい
    ない炭素環またはステロイドを表わし、 R12は水素原子またはCOR15を表わし、 R13とR14はそれぞれ水素原子、炭素数1から4のアルキ
    ル基を表わすか、またはNR13R14でアミノ酸残基あるい
    は複素環を表わし、 R15は炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を表
    わす。) を表わし、 を表わし、 Xbは(i)単結合、 (ii)炭素数1〜4のアルキレン基または (iii)炭素数2〜4のアルケニレン基 を表わし、 R2bは(i)水素原子、 (ii)ハロゲン原子または (iii)炭素数1〜4のアルキル基 を表わし、 一般式(B)中のC5−C6間の二重結合の配置はシスであ
    る。] で示されるスルホン酸アミド誘導体、それらのシクロデ
    キストリン包接化合物またはR11が水素原子を表わす
    か、NR13R14がアミノ酸残基を表わす場合、その酸の非
    毒性塩。
  2. 【請求項2】 が式(Ab−1)または(Ab−2)である特許請求の範囲
    第1項記載の誘導体。
  3. 【請求項3】化合物が、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸、 (5Z)−8−[3−トシルアミノシクロペンチル]オク
    ト−5−エン酸、 (5Z,7Z)−8−[3−トシルアミノシクロペンチル]
    オクト−5,7−ジエン酸、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロヘキシル]ヘキサ−5−エン酸、 (5Z)−6−[6−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]ヘキサ
    −5−エン酸、 (5Z)−7−[6−トシルアミノビシクロ[2.2.1]ヘ
    プタン−2−イル]ヘプト−5−エン酸、 (5Z)−6−[6−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル]ヘキサ
    −5−エン酸、 (5Z)−6−[3−トシルアミノシクロペンチル]ヘキ
    サ−5−エン酸、 (5Z)−6−[6−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]ヘキサ
    −5−エン酸メチル、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸オクチル、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸メチル、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸エチル、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸イソプロピ
    ル、 (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル]ヘキサ−5−エン酸メンチル、
    または (5Z)−6−[3−(4−ブロモベンゼンスルホニルア
    ミノ)シクロペンチル〔ヘキサ−5−エンアミド である特許請求の範囲第1項または第2項記載の誘導
    体。
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