JP2561466B2 - フェニルスルホニルアミノアルキルビシクロヘプチルヘプテン酸誘導体 - Google Patents

フェニルスルホニルアミノアルキルビシクロヘプチルヘプテン酸誘導体

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JP2561466B2
JP2561466B2 JP62120356A JP12035687A JP2561466B2 JP 2561466 B2 JP2561466 B2 JP 2561466B2 JP 62120356 A JP62120356 A JP 62120356A JP 12035687 A JP12035687 A JP 12035687A JP 2561466 B2 JP2561466 B2 JP 2561466B2
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【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 産業上の利用分野 本発明は、医薬品の分野でトロンボキサンに起因する
症状を改善するために用いられる化合物またはその中間
体に関する。具体的には、一般式(I)で示され、抗血
栓剤、抗血管収縮剤、抗気管収縮剤として使用される化
合物もしくはその中間体またはそれらの塩に関する。
一般式: [式中、R1は水素または低級アルキル、R2は置換または
非置換のフェニル、Xはメチレン、ジメチルメチレンま
たは酸素原子、pは1または2、qは0または1、rは
1,2または3をそれぞれ表わす(但し、p+qは2であ
る)] 従来の技術 心筋梗塞や脳梗塞の主原因とされるアテローム性動脈
硬化症は、動脈内膜へのムコイド基質の集積、線維芽細
胞の増殖などで始まり、次いで変性と脂質、コレステロ
ールの沈着、内膜組織の破壊、粥状物の形成と進行し、
次第に高度の内膜の限局性肥厚をきたしてくるのが一般
的症状である。アテローム性動脈硬化症は、古くから動
脈壁での血栓の形成と線維素(フイブリン)沈着が原因
とされてきたが、最近、サミユエルソン(Samuelsson)
らによりトロンボキサンA2(TXA2)が、またベイン(Va
ne)らによりプロスタサイクリン(PGI2)が発見された
ことにより、血小板と血管壁の相互作用が明らかとなつ
た。血小板はアテローム性動脈硬化症の発症と進行に重
要な関わりを持つとされ、抗血栓薬、取り分け血小板凝
集抑制作用を有する薬物の投与が、アテローム性動脈症
関連疾患の治療に有効であると認識されつゝある。
従来からの抗血栓薬であるヘパリン、クマリン系化合
物などに加えて、ある種のプロスタグランジン類が強い
血小板凝集抑制作用を有することが知られている。この
事実に着目してプロスタグランジン誘導体が抗血栓剤と
して注目されている。たとえば、プロスタグランジンE1
やプロスタグランジンI2などのレセプターに対するアゴ
ニストの類縁体の開発をはじめ、トロンボキサンA2が強
い血小板凝集作用と血管収縮作用を有することに着目し
て、シクロオキシゲナーゼインヒビター、トロンボキサ
ンシンセターゼインヒビターなどのトロンボキサンA2
成阻害物質またトロンボキサンA2レセプター・アンタゴ
ニストなども開発されている。トロンボキサンA2レセプ
ター・アンタゴニストとしては、13−APA[ベントン(V
enton D.L.)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケ
ミストリー(J.Med.Chem.)第22巻、824頁(1979
年)]、PTA2[レフアー(Lefer A.M.)ら、プロシーデ
ィングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンス・オブ・ユー.エス.エー.(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.U.S.A)第76巻、2566頁、(1979年)]、BM−13
177[レフアー、ドラッグス・オブ・トゥデイ(Drugs o
f Today)、第21巻、283頁(1985年)]、SQ−29548
[オグレトリー(Ogletree)ら、ジァーナル・オブ・フ
ァーマコロジー・アンド・イクスペリメンタル・テラピ
ューティクス(J.Pharmacol.Exp.Ther.)、第34巻、第4
35頁(1985年)]などの化合物がある。
発明が解決しようとする問題点 トロンボキサンA2は血小板にトロンビンが作用する
と、シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase)が活性化
され、アラキドン酸(arachidonic acid)からプロスタ
グランジンG2、H2を経て血小板・血管壁を始め各種の細
胞中で酵素的に生成されてくる。このものは、種々の強
力な生理的、或は病的な作用を有する。特に強い血小板
凝集作用と気管支、冠状動脈、肺動脈などの平滑筋収縮
作用は狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、気管支喘息などの循
環器呼吸器系疾患の発生や進行を媒介する要因になると
考えられている。しかもその強力な作用発現濃度は10
-10〜10-11Mであるといわれている。そこで、抗血栓剤
・抗血管収縮剤・抗気管支収縮剤としてトロンボキサン
A2のアンタゴニストまたはインヒビターの開発が注目さ
れてきている。インヒビターでは、トロンボキサンA2
外の、種々の重要な役割をもつプロスタグランジン類に
も大きな影響を及ぼすこと、また蓄積してくる基質のト
ロンボキサン類似の悪い作用をコントロールできないこ
となどの問題点があり、特にアンタゴニストの開発が望
まれている。
ロ.発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明者らは、一般式(I)で表わされるスルホンア
ミド置換不飽和脂肪酸を合成し、この新規化合物が、ト
ロンボキサンA2レセプターアンタゴニストとしての強力
な作用を有し、かつ化学的、生化学的に安定な化合物で
あることを見い出し、本発明を完成した。
本明細書において用いる語句の定義は、以下の通りで
ある。
「低級アルキル」としては、C1〜C7の直鎖状または分
岐状のアルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、ジイソプロピルメチル、ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘ
プチルなどを挙げることができる。
フェニルの置換基としては、低級アルキル(例えば、
メチルまたはエチルなど)、低級アルコキシ(例えば、
メトキシ)、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、シア
ノ、アミノ、低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミ
ノ)、低級アルキルが互いに異つていてもよいジ低級ア
ルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ)、アルカノイ
ルアミノ(例えば、アセトアミド)、ハロゲン(例え
ば、フツ素、塩素、臭素またはヨウ素)などが挙げるこ
とができる。アルカノイルとは、C1〜C3のホルミル、ア
セチルまたはプロピオニルなどを意味する。置換基は、
すべての可能な位置で1個またはそれ以上置換されてい
てよい。
一般式(I)において、より好ましいR1として、水素
またはメチルを挙げることができる。より好ましいXと
しては、メチレン、ジメチルメチレンまたは酸素原子、
より好ましいR2として、フェニルを挙げることができ
る。より好ましいpとqの組合わせとして、pが1のと
きqが1またはpが2のときqが0を挙げることができ
る。
一般式(I)の塩としては、アルカリ金属塩、例え
ば、リチウム塩、ナトリウム塩もしくはカリウム塩な
ど、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩など、
アンモニウム塩、有機塩基、例えば、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、
ピリジンもしくはトリメチルアミンとの塩、またはアミ
ノ酸塩、例えば、グリシン、バリンもしくはアラニンな
どとの塩を挙げることができる。
本発明化合物は、一般式(I)で示され、その全ての
立体異性体(ジアステレオマー、エピマー、エナンチオ
マーなど)を含む。
本発明化合物は、以下に示す概要に従って製造するこ
とができる。
構造式中、波線は、αもしくはβ−配置またはそれら
の混合物を表わす。
本発明化合物は、例えば、以下に示す製造法Aまたは
製造法Bのようにして得ることができる。
製造法A(I a、I bおよびI eの製造) I−a;遊離のカルボン酸I−b ;カルボン酸塩 [式中、R1、R2、pおよびqは前記と同義であり、Xは
メチレンまたはジメチルメチレン、rは1または2を表
わす。] (工程A1) 本工程は、アルデヒドIIにイリドを反応させてエノー
ルエーテルIIIを得る工程である。本反応は、ウィッチ
ヒ反応の常法に従って行なうとよい。イリドは、トリフ
ェニルホスフィンとクロロメチルエーテルまたはブロモ
メチルエーテルとより生成するホスホニウム塩に塩基を
作用させて合成する。塩基として水素化ナトリウム、n
−ブチルリチウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウ
ムジイソプロピルアミン、ジムシルナトリウム、ジムシ
ルカリウムなどを用いればよい。反応は、溶媒として例
えばエーテル系のエチルエーテル、テトラヒドロフラン
またはn−ヘキサン、トルエン、ジメチルスルホキシド
などを用い冷却下または室温で数時間で完了する。
(工程A2) 本工程は、エノールエーテルIIIをアルデヒドIVに変
える工程である。反応は、酸加水分解によって行なうこ
とができる。酸触媒としては、ギ酸、酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、塩酸、硫酸、過塩素酸などを用いるとよい。溶
媒としては、酸触媒が液体の場合にはそれ自体をまたは
水を含むアルコール系のメタノール、エタノール、エー
テル系のエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくは
アセトニトリルなどを使用する。反応は室温ないしは加
温下数分から数時間で達成できる。
別法として酢酸第二水銀とヨウ化カリウムを用いる方
法もある。
(工程A3) 本工程は、アルデヒドIVをイリドと反応させて本発明
化合物を得る工程である。アルデヒド体とイリドの反
応(二重結合を生成する反応)は、ウィッチヒ反応の常
法に従って行なえばよい。反応に用いるイリドは、トリ
フェニルホスフィンおよびω位にカルボキシル基を有す
るアルキルハライド(ハロゲン化アルカン酸)より得ら
れるホスホニウム塩に塩基を作用させて得ることができ
る。本反応で用いるハロゲン化アルカン酸としては、た
とえば5−ブロモペンタン酸または5−クロロペンタン
酸などを挙げることができる。塩基としては、水素化ナ
トリウム、ジムシルナトリウム、ジムシルカリウム、n
−ブチルリチウム、tert−ブトキシカリウムまたはリチ
ウムジイソプロピルアミドなどを挙げることができる。
本反応は溶媒として、例えばエーテル系のエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランまたはn−ヘキサン、トルエ
ン、ジメチルスルホキシドなどを用い、冷却下または室
温で数時間で完了する。本反応は、反応条件によって、
Z体のみまたはZ体とE体の混合物が生成してくる。本
反応により、本発明化合物の中の遊離のカルボン酸I−
を得ることができる。必要に応じて遊離のカルボン酸
I−aは、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウ
ム、ジシクロヘキシルアミン、メチルモルホリン、ピリ
ジン、トリエチルアミン、グリシン、バリン、アラニン
などの塩基を用いて、常法に従つて処理することにより
一般式(I)で示される本発明化合物の中のカルボン酸
I−bに変えることができる。
製造法B(I cおよびI dの製造) I−a;遊離のカルボン酸I−b ;カルボン酸塩I−c ;カルボン酸エステル [式中、R1、R2およびrは、前記と同義であり、Xは酸
素原子、pは2、qは0をそれぞれ表わす。] (工程B1) 本工程は、化合物のヒドロキシをアジド化する工程
である。まずヒドロキシ体を塩化チオニルで処理して
塩化物にするかあるいは、ヒドロキシ体をトリエチル
アミン、4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基触媒存
在下塩化p−トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニ
ル、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などと塩素化
炭化水素系のクロロホルム、ジクロロメタン、エーテル
系のエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはアセト
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢
酸エチルなどの溶媒中で冷却下数分から数時間反応させ
て中間体を得る。このようにして得た中間体とアジ化ナ
トリウムをヘキサメチルフォスファミド、ジメチルホル
ムアミドジメチルスルホキシドまたはエチルエーテル中
で数十分から数時間加熱することによりアジド化合物VI
を得ることができる。
(工程B2) 本工程は、アジド化合物VIを還元してアミンVIIを得
る工程である。反応は、還元剤に水素化リチウムアルミ
ニウムなどの水素化金属化合物を用いる方法またはトリ
フェニルホスフィンを用いる方法などにより、エーテル
系のエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの溶媒
中、室温または加熱下、数分から数時間で達成できる。
(工程B3) 本工程は、化合物VIIを置換スルホン酸ハロゲン化物
と反応させて本発明化合物を得る工程である。
置換スルホン酸ハロゲン化物として、たとえば塩化ベ
ンゼンスルホニル、塩化4−メトキシベンゼンスルホニ
ル、塩化4−クロロベンセンスルホニル、塩化4−フル
オロベンセンスルホニル、塩化4−ニトロベンセンスル
ホニル、塩化4−アセトキシベンゼンスルホニル、塩化
p−トルエンスルホニル、塩化4−エチルベンゼンスル
ホニル、塩化4−アミノベンセンスルホニル、塩化4−
アセチルアミノベンゼンスルホニルまたは塩化4−ジメ
チルアミノベンゼンスルホニルなど所望の置換基を有す
るスルホン酸誘導体を用いるとよい。塩基物質として、
ピリジン、トリエチルアミンまたは炭酸水素カリウムな
どを用いるとよい。溶媒として、塩素化炭化水素系のク
ロロホルム、ジクロロメタン、エーテル系のエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは芳香族系
のベンゼンなどのを単独でまたは必要に応じて水と混合
して用いるとよい。反応は、室温で数分から数十分で行
なうことができる。本反応により、本発明化合物のうち
のカルボン酸エステルI−cを得ることができる。また
カルボン酸エステルI−cは、エステルの加水分解の常
法に従って加水分解(フェニルの置換基の加水分解も伴
う)して本発明化合物のうちの遊離のカルボン酸I−a
に変えることができる。加水分解には、触媒として、塩
酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水
酸化バリウムなどを使用する。溶媒として、メタノール
−水、エタノール−水、アセトン−水またはアセトニト
リル−水などを用いるとよい。必要に応じて遊離のカル
ボン酸I−aは、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アン
モニウム、ジシクロヘキシルアミン、メチルモルホリ
ン、ピリジン、トリエチルアミン、グリシン、バリン、
アラニンなどの塩基を用いて、常法に従つて処理するこ
とにより一般式(I)で示される本発明化合物の中のカ
ルボン酸塩I−bに変えることができる。原料化合物
(II)および(V)は、たとえば次の工程式に示される
方法により製造することができる。
以下の工程式中、それぞれの化合物は、それぞれの段
階において、全ての光学異性体のうちの一つのエナンチ
オマーによって示されている。
1.化合物(II) (1)Xがメチレン、p=2、q=0、r=1の場合。
(第1工程) 本工程は、化合物を加アミノ分解して酸アミド
得る工程である。
反応は、アンモニア水を用い加アミノ分解の常法に従
って行なうとよい。
溶媒は、水と混ざるものが望ましく、たとえばエーテ
ル系のエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオ
キサンなどを用いるとよい。
(第2工程) 本工程は、化合物2を還元して、アミノアルコール3
を得る工程である。反応は、還元剤として水素化金属の
水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウムまたは水
素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリ
ウムを用いて、アルコール系のメタノール、エタノー
ル、エーテル系のエチルエーテル、テトラヒドロフラン
または芳香族系のベンゼンなどの溶媒中で、室温ないし
は加熱下、数十分から数時間で行なうことができる。
(第3工程) 本工程は、化合物を置換スルホン酸ハロゲン化物と
反応させてスルホンアミド′を得る工程である。
本工程は、製造法Bの工程B3と同様にして行なうとよ
い。
(第4工程) 本工程は、化合物4′を接触還元して化合物5′を得
る工程である。
還元は、触媒としてパラジウム、白金、ニッケルなど
の金属やそれらの任意の担体(例えば、活性炭、アルミ
ナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウ
ムなど)との混合物またはホウ化ニッケルもしくはクロ
ロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどを用
い、常圧または加圧下水素を吸収させるとよい。
溶媒として、アルコール系のメタノール、エタノー
ル、エーテル系のエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エステル系の酢酸エチルなどを単独あ
るいは混合して用いるとよい。反応は、室温で数十分か
ら数時間で完了する。
(第5工程) 本工程は、化合物5′を酸化してラクタム6′を得る
工程である。
酸化剤としては、クロム酸系のジョーンズ試薬、コリ
ンズ試薬、ピリジニウム・クロロクロメート、ピリジニ
ウム・ジクロメートを用いるかまたはジメチルスルホキ
シドと三酸化硫黄、無水トリフルオロ酢酸、無水メタン
スルホン酸、塩化チオニルもしくは塩化オキザリルとを
組み合わせて用いるとよい。ジメチルスルホキシドを酸
化剤として使用するときは、三級アミンのトリエチルア
ミン、ピリジンなどを共用するとよい。溶媒として、試
薬の性質に応じて、塩素化炭化水素系のクロロホルム、
ジクロロメタン、エーテル系のジエチルエーテル、テト
ラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどを用い
るとよい。反応は、冷却下または室温で数時間で達成す
ることができる。
(第6工程) 本工程は、アルコキサイドを用いラクタム6′をアル
コーリシスして開環されると同時に生成した2位のエス
テル側鎖を転位させ化合物7′を得る工程である。
用いるアルコキサイドとしては、アルコール、たとえ
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノールまたはtert−ブタノールとナトリウ
ム、カリウムまたは水酸化アルカリから製したものなど
を挙げることができる。反応は数時間、加熱還流するこ
とにより行なうことができる。
(第7工程) 本工程は、エステル7′をアルデヒドII a′に還元す
る工程である。
反応は還元剤として、水素化金属の水素化ビス(2−
メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジ
イソブチルアルミニウム、水素化トリメトキシアルミニ
ウムリチウムまたは水素化トリ−tert−ブトキシアルミ
ニウムリチウムなどのを用いて、エーテル系のエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランまたは芳香族系のベンゼ
ン、トルエンなどの溶媒中で室温ないしは冷却下、数分
ないし数時間で行なうことができる。本反応では、還元
力を調節するために必要に応じて、ピロリジン、ピペリ
ジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチル
ピペリジンなどの環状アミンを加えてもよい。
化合物(II a′)は、別法として以下のような反応工
程によっても製造することができる。
1)化合物のビシクロ環二重結合の還元 2)2位のカルボン酸をメチルエステル化 3)2位の側鎖の転位 4)カルボニルの還元 5)置換スルホン酸ハロゲン化物によるスルホンアミド
化 6)ヒドロキシのアルデヒドへの酸化 (2)Xがメチレン、p=2、q=0、r=2の場合 (第8工程) 本工程は、シアンを還元して化合物10を得る工程で
ある。
還元は、たとえば白金、パラジウム、ロジウムなどの
金属やそれらの任意の担体(例えば、活性炭、アルミ
ナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウ
ムなど)との混合物である触媒存在下の水素による接触
還元、ジボランまたはナトリウム金属などによる反応を
挙げることができる。溶媒は、接触還元では、アルコー
ル系のメタノール、エタノール、n−ブタノール、イソ
アミノアルコール、エーテル系のエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンまたは水、酢酸など、ジボ
ランでは、エーテル系のエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどまたナトリウム金属では、アル
コール系のメタノール、エタノール、n−ブタノール、
イソアミノアルコールなどを用いるとよい。接触還元で
は反応を促進させるために、クロロホルムまたは塩酸な
どを加えてもよい。
(第9工程) 本工程は、化合物10を置換スルホン酸ハロゲン化物と
反応させてスルホンアミド11′を得る工程である。
反応は、製造法B工程B3に従って行なうとよい。
(第10工程) 本工程は、化合物11′を還元してアルデヒドII b′
得る工程である。
反応は、第7工程に従って行なうとよい。
(3)Xがジメチルメチレン、p=1、q=1、r=1
の場合 (第11工程) 本工程は、化合物18のヒドロキシに保護基を導入する
工程である。
化合物18に通常ヒドロキシ保護基形成化合物として使
われているものを常法に従い作用させ、化合物18をエス
テルまたはエーテルに変えればよい。
ヒドロキシをエステル化する場合には、所望のアシル
のハロゲン化物またはそれに相当する酸無水物を化合物
18と反応させればよい。所望のアシルとして、アセチ
ル、プロピオニル、ベンゾイルまたは置換ベンゾイル
(3−メチルベンゾイル、4−フェニルベンゾイル、2,
4−ジニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイル、1−
ナフトイルもしくは2−ナフトイル)などがある。
ヒドロキシをエーテル化する場合には、所望の低級ア
ルキル、低級アルケニルまたはアラルキルのハロゲン化
物を、化合物18と反応させればよい。所望の低級アルキ
ルとして、メチル、低級アルケニルとして、アリル、ア
ラルキルとして、ベンジル、トリフェニルメチル、トリ
ス(p−メトキシフェニル)メチル、などをあげること
ができる。
必要に応じて、溶媒として、塩素化炭化水素系のジク
ロロメタン、クロロホルム、エーテル系のエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、芳香族系のトル
エンなどを用いればよい。
また、必要に応じて、トリエチルアミン、ピリジン、
4−ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、水酸
化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基物質を加
えてもよい。
(第12工程) 本工程は、化合物19′のカルボキシルを酸アジド化
し、クルチウス転位によりイソシアネートに変換させた
後、アルコールと反応させてウレタン20′に導く工程で
ある。すなわち、カルボキシルを塩化チオニル、塩化ホ
スホリルまたは五塩化リンで処理して得られる酸クロラ
イドあるいは、カルボキシルをトリエチルアミン、4−
ジメチルアミンピリジンなどの塩基触媒存在下クロルギ
酸エチル、塩化イソブトキシカルボニルなどとアセト
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢
酸エチルまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で冷却
下数分から数時間反応させて得られる活性エステルにア
ジ化ナトリウムを反応させてアジド化合物を得る。イソ
シアネートは、アジド化合物をベンゼン、トルエン、ジ
フェニルエーテル中で数十分から数時間還流することに
より得られる。イソシアネートと反応させるアルコール
は、イソブタノール、tert−ブタノール、ジイソプロピ
ルメタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、ジフェニルメタノールまたは
トリフェニルメタノールなど得られるウレタンから容易
に第一アミンが得られるものが望ましい。この反応は、
必要に応じてトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピ
リジン、4−ピロリジノピリジンなどの塩基存在下、芳
香族系のベンゼン、塩素化炭化水素系のジクロロメタ
ン、クロロホルムまたはエステル系の酢酸エチルなどの
溶媒中で、数時間還流することにより達成することがで
きる。
(第13工程) 本工程は、化合物20′をアミンとし、アミンを置換ス
ルホン酸ハロゲン化物と反応させて、スルホンアミド2
1′を得る工程である。
アミンは、化合物20′を酸性条件での水素化をともな
う脱炭酸反応または加水分解により行なえばよい。
酸としてたとえば、塩酸、臭化水素、トリフルオロ酢
酸、塩化アルミニウムまたはヨウ化トリメチルシリルな
どを用いればよい。カチオン捕獲剤としてアニソールま
たはチオアニソールなどを用いればよい。
加水素分解は、パラジウム、白金、ロジウムなどの触
媒の存在下水素を添加して行なうとよい。
アミンからスルホンアミド21′を得る反応は、製造法
B工程B3に従って行なうとよい。
(第14工程) 本工程は、化合物21′のヒドロキシ保護基を除去する
工程である。
反応は、通常ヒドロキシ保護基を除去するときに用い
られる方法、例えば、加水素分解または加水分解により
行なうことができる。
加水素分解は、パラジウム、白金、ロジウム触媒のど
の存在下水素を作用させ常法に従って行なうとよい。
加水分解は、塩基触媒、例えば、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いて常
法に従って行なえばよい。
(第15工程) 本工程は、化合物22′を化合物III e′に酸化する工
程である。
反応は、第5工程に従って行なえばよい。
2.化合物(V) (1)Xが酸素、p=2、q=0、r=1、2または3
の場合 (第16工程) 本工程は、化合物12とイリドを反応させてエノールエ
ーテル13を得る工程である。
用いるイリドは、トリフェニルホスフィンとブロモメ
チルエーテルまたはクロロメチルエーテルより得られる
ホスホニウム塩に、塩基を作用させて得ることができ
る。
反応は、ウィッチヒ反応の常法に従い製造法A工程A3
と同様に行なうとよい。
(第17工程) 本工程は、エノールエーテル13をアルデヒド14および
その異性体の閉環体14′に変える工程である。
反応は、製造法A工程A2に従って行なうとよい。
(第18工程) 本工程は、化合物14′をイリドと反応させて化合物1
6′を得る工程である。
反応は、製造法A工程A3に従って行なうとよい。
(第19工程) 本工程は、エキソ−ヒドロキシ体16′を酸化してエキ
ソ−アルデヒドとし、次に転位反応を行ないエンド−ア
ルデヒド体17′を得る工程である。
酸化反応は、第5工程に従って行なうとよい。
転位反応は、触媒の存在下エーテル系のエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アルコール系のメタノール、
エタノール、芳香族系のトルエン、キシレンまたはジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの溶媒
中、室温ないしは加熱下、数十分から数十時間で行なう
ことができる。触媒としては、ジアザビシクロノネン、
ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン、ナトリ
ウムメトキシドもしくはカリウムtert−ブトキシドなど
の塩基物質またはピロリジン−酢酸、ピペリジン−酢酸
などの塩基の弱酸塩を加えてもよい。
(第20工程) 本工程は、アルデヒド17′をヒドロキシ化合物V c′
に還元する工程である。
還元剤として、水素化金属の水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化アルミニウムリチウムまたはアルミニウムア
ルコキシドのアルミニウムイソプロポキシド、アルミニ
ウムブトキシドなどを用いるとよい。溶媒は、用いる試
薬の性質に応じて、アルコール系のメタノール、エタノ
ール、エーテル系のエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、芳香族系のベンゼンなどを用いるとよい。反応は、
用いる還元剤に応じて、冷却下ないしは加熱下、数十分
から数時間で行なうことができる。
還元反応に先立って、アルデヒド17′をたとえば(C6
H53P=CHOCH3によるウィッチヒ反応、次いで加水分解
といった反応を製造法A工程A1および工程A2に従って
(r−1)回繰り返すことによりrが2または3のアル
デヒド17′を得ることができる。
(2)Xが酸素、p=2、q=0、r=1の場合 (第21工程) 本工程は、化合物14をイリドと反応させて化合物V
d′を得る工程である。
反応は、製造法A工程A3に従って行なうとよい。
以上のようにして原料化合物(II)および(V)を製
造することができる。
工程式中、R1およびR2は前記と同義である。
R3はヒドロキシ保護基を表わし、たとえば低級アルキ
ル(メチルなど)、低級アルケニル(アリルなど)、ア
ラルキル(ベンジル、トリフェニルメチル、トリス(p
−メトキシフェニル)メチル)またはアルカノイル(ア
セチル、プロピオニルなど)、もしくはアロイル(ベン
ゾイルまたは置換ベンゾイル(3−メチルベンゾイル、
4−フェニルベンゾイル、2,4−ジニトロベンゾイル、
2−ニトロベンゾイル、1−ナフトイルもしくは2−ナ
フトイルなど)のアシルを表わす。
R4は、低級アルキル(ジイソプロピルメチル、イソブ
チル、tert−ブチルなど)またはアラルキル(ベンジ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチルなど)を表
わす。
一般式(I)で表わされる化合物の塩は、前記と同義
である。
以下に参考例、実施例および物理恒数を示し、さらに
詳しく本発明の態様を明らかにするが、本発明の範囲が
これらに限定されるものではない。
以下の参考例および実施例において、それぞれの化合
物は、それぞれの工程において、一方の鏡像異性体で表
わされている。光学活性体の絶対配置は、化合物名のR,
S表示によって示されている。ラセミ体の相対配置は、
最終化合物において化合物のR,S表示によって示さ
れている。
波線は、αもしくはβ配置またはそれらの混合物を表
わす。
参考例1 エンド−シス−2−カルボキシ−3−カルバモイルビシ
クロ[2,2,1]−5−ヘプテン、アンモニウム塩 5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、20g
(0.12モル)をジオキサン100mlに溶解し、氷冷下、28
%アンモニア水25mlを加え撹拌すると、直ちに化合物
が結晶として析出する。これをジオキサンと酢酸エチル
の混合物(1:1)にて洗い、乾燥して化合物、22.4g
(収率:94.2%)を得る。
無色鱗片状晶、mp142−144℃。
IR(ヌジョール):3360,3200,1668,1633,1545,1295cm-1 元素分析 (C9H14N2O3として) 計算値(%):C;54.52,H;7.13,N;14.13 実測値(%):C;54.38,H;7.13,N;13.98 参考例2 エンド−シス−2−ヒドロキシメチル−3−フエニルス
ルホニルアミノメチルビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテ
化合物、1.1g(6ミリモル)をテトラヒドロフラン
50mlに懸濁し、水素化アルミニウムリチウム681mg(6
ミリモル×3)を加えて6時間還流する。冷後、過剰の
試薬を酢酸エチルで分解し、さらに錯体を水で分解し、
酢酸エチルで抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧にて溶媒を留去し、アミノアルコール体を得る。淡
黄色油状物。これを直ちにジオキサン10mlに溶解し、炭
酸水素カリウム1.2g(6ミリモル×2)を水10mlに溶解
した溶液を0℃にて加え、ついでベンゼンスルホニルク
ロライド0.76ml(6ミリモル)を加えて、同温度にて30
分間撹拌する。反応液に酢酸エチルを加え、水洗後、硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。
残渣をカラムクロマトグラフイー[シリカゲル(Si
O2)30g、トルエン−酢酸エチル(4:1)にて展開]に付
し、化合物、315mg(収率17.9%)を得る。無色プリ
ズム晶。mp123−125℃。
IR(CHCl3)νmax:3450,3200,2960,1442,1323,1156,109
2cm-1 NMR(CDCl3):δppm1.15〜1.48(m,2H),2.20〜3.27
(m,8H),3.55(m,1H),5.95(m,2H),6.36(d−d,J=
2,9Hz,1H),7.39〜8.00(m,5H). 元素分析 (C15H19NO3Sとして): 計算値(%):C;61.40,H;6.54,N;4.77,S;10.93 実測値(%):C;61.51,H;6.49,N;4.77,S;10.92 参考例3 エンド−シス−2−ヒドロキシメチル−3−フエニルス
ルホニルアミノメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン 化合物、4.0g(13.6ミリモル)をメタノール30mlに
溶解し、10%Pd−C,0.4gを加えて常圧で水素により接触
還元する。固形物を濾去後、減圧濃縮し、残渣にエーテ
ルを加えて再結晶して化合物、4.0g(収率100%)を
得る。無色柱状晶。mp75−77℃。
IR(CHCl3)νmax:3200,2950,1443,1322,1156,1092cm-1 NMR(CDCl3):δppm1.10〜1.50(m,6H),1.80〜2.35
(m,4H),2.42(brs,1H),3.00(t,J=6Hz,2H),3.60
(brs,2H),6.22(t,J=6Hz,1H),7.43〜8.03(m,5
H). 元素分析 (C15H21NO3Sとして) 計算値(%):C;60.98,H;7.18,N;4.74,S;10.85 実測値(%):C;60.88,H;7.13,N;4.67,S;10.58. 参考例4 1,3,3aα,5,6,7aα−ヘキサヒドロ−1−オキソ−2−
フエニルスルホニル−4α,7α−メタノイソインドール
化合物、4.0g(13.56ミリモル)をジクロロメタン8
0mlに溶解し0℃にてピリジニウムクロロクロメート(P
CC)5.8g(13.56ミリモル×2)を加え25℃にて4時間
撹拌する。ジクロロメタン溶液を傾斜法にて分取し、固
形物をジクロロメタンにて洗つて合し、減圧濃縮する。
残渣をカラムクロマトグラフイー[SiO2;メルク(Merc
k)製ローバー(Lober)B、トルエン−酢酸エチル−ジ
クロロメタン(8:1:1)にて展開]に付し、化合物2.5
9g(収率:65.7%)を得る。無色柱状晶。mp123−125
℃。
IR(CHCl3)νmax:2950,1722,1445,1360,1168,1122,108
5,1000,993cm-1. NMR(CDCl3):δppm0.77〜1.60(m,6H),2.25〜3.03
(m,4H),3.84(d,J=6Hz,2H),7.42〜8.25(m,5H). 元素分析:(C15H17NO3Sとして) 計算値(%):C;61.82,H;5.89,N;4.81,S;11.00 実測値(%):C,61.63,H;5.88,N;4.64,S;10.86. 参考例5 エンド−3−フエニルスルホニルアミノメチル−エキソ
−2−メトキシカルボニルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
化合物、2.20g(7.55ミリモル)をメタノール10ml
に溶解し、ナトリウムメトキシド(0.246M/Lメタノール
溶液)33.8mlを加えて2.5時間加熱還流する。冷後、減
圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフイー[SiO2、Me
rck製Lobar B;トルエン−酢酸エチル(95:5)〜(4:1)
にて展開]に付し、化合物7、2.0g(収率82.0%)を得
る。
IR(CHCl3)νmax:3250,2950,1715,1441,1321,1155,108
8cm-1. NMR(CDCl3):δppm0.90〜1.83(m,7H),2.00〜2.35
(m,2H),2.51(brs,1H),3.00(d−d,J=6,7Hz,2H),
3.67(s,3H),5.06(t,J=6Hz,1H),7.40〜8.03(m,5
H). 参考例6 エンド−3−フエニルスルホニルアミノメチル−エキソ
−2−ホルミルメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン IV
a 化合物、1.94g(6ミリモル)をトルエン20mlに溶
解し、ジイソブチルアルミナハイドライド(DIBAL−
H)(1.0Mn−ヘキサン中)10.2ml(6ミリモル×1.7)
を−7.8℃にて加え、同温度にて30分間撹拌する。反応
液に酢酸エチルを加え、0.2N塩酸にて洗い、生ずる固形
物を濾去する。濾液を減圧濃縮後、残渣をカラムクロマ
トグラフイー[SiO220g、トルエン−酢酸エチル(4:1)
にて展開]に付し、アルデヒド体II aを得る。
NMR(CDCl3):δppm1.05〜2.00(m,7H),2.10〜2.45
(m,2H),2.53(brs,1H),2.94(d−d,J=6,8Hz,2H),
5.04(t,J=6Hz,1H),7.36〜8.00(m,5H),9.61(s,1
H). メトキシメチルトリフエニルホスホニウムクロライド
7.20g(6ミリモル×3.5)をテトラヒドロフラン50mlに
懸濁し、n.ブチルリチウム(1.6Mn−ヘキサン中)11.25
ml(6ミリモル×3)を−78℃にて加え0℃にて20分間
撹拌後、先に得たアルデヒド体II aをテトラヒドロフラ
ン10mlに溶解して−78℃にて加え、1時間かかつて25℃
まで昇温させる。反応液に酢酸エチルを加えて水洗後、
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥しついで減圧濃縮す
る。残渣をカラムクロマトグラフイー[中性アルミナ、
Grade I、100g、トルエン−酢酸エチル(4:1)にて展
開]に付け、化合物III aのフラクシヨンを得る。得ら
れた化合物III aを90%ギ酸10mlに溶解し、25℃にて10
℃分間放置後、反応液を酢酸エチルと5%炭酸水素ナト
リウム水溶液に分配する。有機層を硫酸ナトリウムにて
乾燥後、減圧濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフイ
ー[SiO2、30g、トルエン−酢酸エチル(9:1)〜(4:
1)にて展開]に付し、アルデヒド体IV a、550mg(収
率:化合物より29.8%)を得る。無色油状物。
NMRCCDCl3):δppm0.90〜1.70(m,8H),1.88(brs,1
H),2.20(brs,1H),2.38(m,2H),2.65〜3.22(m,2
H),5.08(t,J=6Hz,1H),7.40〜8.00(m,5H),9.67
(t,J=1Hz,1H). このものは不安定であつたので直ちに次の反応に付し
た。
実施例 1 (1)(5Z)−7−[(1R,2S,3S,4S)−3−
フエニルスルホニルアミノメチルビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−イル]−5−ヘプテン酸 I a−a 4−カルボキシブチルトリフエニルホスホニウムブロ
マイド2.38g(1.79ミリモル×3)をテロラヒドロフラ
ン15mlに懸濁し、カリウムtert−ブトキサイド1.20g
(1.79ミリモル×3×2)を25℃にて加え、同温度にて
30分間撹拌する。得られる赤色溶液中に、化合物IV a
550mg(1.79ミリモル)をテトラヒドロフラン5mlに溶解
して加え、25℃にて30分間撹拌する。反応液を酢酸エチ
ルと0.2N塩酸に分配し、有機層を水洗、硫酸マグネシウ
ムにて乾燥後、減圧濃縮する。残渣をカラムクロマトグ
ラフイー[SiO220g、トルエン−酢酸エチル(9:1)にて
展開]に付し、化合物I a−a、600mg(収率85.7%)を
得る。無色ガム状物質。
IR(CHCl3):νmax3400〜2400,2955,1712,1448,1410,1
325,1160,1095,1039. NMR(CDCl3):δppm0.63〜2.25(m,16H),2.34(t,J=
7Hz,2H),2.58〜3.15(m,2H),5.12(t,J=6Hz,1H),5.
10〜5.53(m,2H),7.40〜8.00(m,5H),9.55(brs.1
H). (2)(5Z)−7−[(1R,2S,3S,4S)−3−
フエニルスルホニルアミノメチルビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−イル]−5−ヘプテン酸ナトリウム I a−
化合物I a−a、489mg(1.25ミリモル)をメタノール
3mlに溶解し、ナトリウムメトキサイド(0.483Mメタノ
ール溶液)2.40ml(1.25ミリモル×0.92)を0℃にて加
え、5分間撹拌後、減圧濃縮する。残渣を水6mlに溶解
し、凍結乾燥し、化合物I a−b、510mg(収率98.8%)
を得る。
無色粉末。
参考例 7 エンド−3−(2−アミノエチル)−エキソ−2−メト
キシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン 塩酸塩 1
0 エンド−3−シアノメチル−エキソ−2−メトキシカ
ルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン[ジャーナル・オ
ブ・ザ・ケミカル・ソサエテイー・パーキン・トランス
アクシヨンI(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I)、3101頁
〜3105頁(1981年)]590mgをメタノール60mlに溶か
し、10%パラジウム−炭素粉末300mgおよびクロロホル
ム1.5mlを加える。この混合物を5気圧の水素の下で3
時間振とうした後、触媒を濾過して除き、濾液を濃縮し
て粗生成物700mgを得る。これをシリカゲル−カラムに
かけ、酢酸エチル−n−ヘキサン(1:3)混液で溶出し
て原料277mg(回収率47%)を回収し、次いでジクロロ
メタン−メタノール(10:1)で溶出することにより標題
化合物10、363mg(収率51%)を得る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜2.6(m,14H),3.66(s,3H) IR:νmax(CHCl3);3050〜3000(shoulder),1730,1605
cm-1 参考例 8 エンド−3−(2−フエニルスルホニルアミノエチル)
−エキソ−2−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]
ヘプタン 11 先に得られるアミン塩酸塩10、430mg(1.84ミリモ
ル)をジクロロメタン8mlに溶かし、この溶液に氷冷下
でトリエチルアミン0.640ml(4.6ミリモル)、次いでベ
ンゼンスルホニルクロライド0.258ml(1.98ミリモル)
を加える。氷冷下で1時間撹拌した後、減圧下で溶媒を
留去し、残渣を酢酸エチル−n−ヘキサン(1:2)混液
を溶出溶媒とするシリカゲル−カラムクロマトグラフイ
ーで精製することにより標題化合物11、610mg(収率:98
%)を得る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜1.8(m,9H),1.9〜2.2(m,2
H),2.4〜2.6(m,1H),2.8〜3.1(m,2H),3.65(s,3
H),5.13(t,J=6Hz,1H),7.4〜8.0(m,5H) IR:νmax(CHCl3);3350〜3250(broad),1720,1330,11
55,1095cm-1 参考例 9 エンド−3−(2−フエニルスルホニルアミノエチル)
−エキソ−2−ホルミルビシクロ[2.2.1]ヘプタン I
I b 先に得られるエステル化合物11、609mg(1.80ミリモ
ル)をトルエン11mlに溶かし、この溶液に−78℃で水素
化ジイソブチルアルミニウム−トルエン1M溶液3.05ml
(3.06ミリモル)を加える。この反応混合物を−78℃で
30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え
室温に戻す。酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去して粗生成物570mgを
得る。
これを酢酸エチル−n−ヘキサン(1:2)混液を溶出
溶媒とするシリカゲル−カラムクロマトグラフイーで分
離精製して標題化合物II b、420mg(収率75%)を得
る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜1.8(m,9H),1.9〜2.2(m,2
H),2.4〜2.6(m,1H),2.8〜3.1(m,2H),5.56(t,J=6
Hz,1H),7.4〜8.0(m,5H),9.63(d,J=1Hz,1H) IR:νmax(CHCl3);3350〜3250(broad),2820(should
er),2720,1710,1330,1160,1095cm-1 参考例10 エンド−3−(2−フエニルスルホニルアミノエチル)
−エキソ−2−メトキシエテニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン III b 塩化メトキシメチルトリフエニルホスホニウム、1.38
7g(4.02ミリモル)をテトラヒドロフラン14mlに懸濁
し、氷冷下で第三ブトキシカリウム542mg(4.82ミリモ
ル)を加え5分間撹拌する。こうして得た深橙色の混合
物に、先に得られるアルデヒド化合物II b、413mg(1.3
4ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液2mlを氷冷下で加
えると淡黄色の混合物となる。この反応混合物を氷冷下
で5分間、次いで室温で30分間撹拌した後、飽和塩化ア
ンモニウム水溶液を加えエチルエーテルで抽出する。抽
出液を乾燥、溶媒留去して油状物質1.6gを得る。これを
シリカゲル−カラムにかけ酢酸エチル−n−ヘキサン
(1:3)混液で溶出して粗生成物600mgを得る。再び上と
同じ条件を用いカラムクロマトグラフイーで分離精製し
て標題化合物III b、440mg(収率97%)をオレフイン幾
何異性体の混合物として得る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜2.0(m,12H),2.8〜3.2(m,2
H),3.47,3.54(each s.total3H),4.1〜5.0(m,2H),
5.70,6.16(each d.J=5Hz,J=12Hz,total1H),7.4〜8.
0(m,5H) IR:νmax(CHCl3);3350〜3250(broad),1330,160,109
5cm-1 参考例11 エンド−3−(2−フエニルスルホニルアミノエチル)
−エキソ−2−ホルミルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン IV b 先に得られるビニルエーテル化合物III b、433mg(1.
29ミリモル)をテトラヒドロフラン−水(10:1)混液10
mlに溶かし、この溶液に酢酸第二水銀619mg(1.93ミリ
モル)を室温で加え15分間撹拌する。次いで飽和ヨウ化
カリウム水溶液10mlを加え20分間撹拌した後、減圧下で
濃縮し残渣をエチルエーテルで抽出する。抽出液を無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去して油状物質480m
gを得る。これを酢酸エチル−n−ヘキサン(1:2)混液
を溶出溶媒とするシリカゲル−カラムクロマトグラフイ
ーで分離精製して標題化合物IV b、280mg(収率68%)
を得る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜2.1(m,12H),2.2〜2.4(m,2
H),2.7〜3.1(m,2H),4.93(t,J=6Hz,1H),7.4〜8.0
(m,5H),9.66(t,J=1Hz,1H) IR:νmax(CHCl3);3350〜3250(broad),2820(should
er),2720,1715,1325,1155,1095cm-1 実施例 2 5(Z)−7−[(1R,2S,3R,4S)−3−(2
−フエニルスルホニルアミノエチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−イル]−5−ヘプテン酸 I b−a 臭化4−カルボキシブチルトリフエニルホスホニウム
1.076g(2.43ミリモル)をテトラヒドロフラン8mlに懸
濁し、これを氷冷下で第三ブトキシカリウム592mg(5.3
6ミリモル)を加え5分間撹拌する。こうして得た深橙
色の混合物に氷冷下で先に得られるアルデヒド化合物IV
b、261mg(0.813ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液
5mlを加える。この反応混合物を氷冷下で5分間、次い
で室温で30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加え、次いで4N塩酸を加えて弱酸性にする。この混
合物をエチルエーテルで抽出し、エーテル溶液を飽和炭
酸ナトリウム水溶液で抽出する。水層部に4N塩酸を加え
て弱酸性化し、酢酸エチルで抽出する。抽出液を無水硫
酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去した後、残渣にエチル
エーテルを加える。エーテル可溶部を濃縮した後、酢酸
エチル−n−ヘキサン(1:1)混液を溶出溶媒とするシ
リカゲル−カラムクロマトグラフイーで精製して標題化
合物I b−a、271mg(収率82%)を得る。
NMR:δppm(CDCl3);1.0〜2.5(m,20H),2.7〜3.1(m,2
H),5.0(t,J=6Hz,1H),5.2〜5.5(m,2H),7.4〜8.0
(m,5H),8.0〜8.6(br.1H) IR:νmax(CHCl3);3350〜3250(broad),2700〜2400
(broad),1710,1330,1160,1095cm-1 参考例12 2−(2−メトキシエテニル)−3−エキソ−(ヒドロ
キシメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン
13 カリウムtert−ブトキシド21.0gを塩化(メトキシメ
チル)トリフエニルホスホニウム47.5gの乾燥テトラヒ
ドロフラン300mlの懸濁液に窒素雰囲気下に室温で加え
る。混合物を30分間室温で撹拌する。ヘミアセタール12
[ピー,ダブリユー,スプラグら(P.W.Sprague et a
l.)ジヤーナル・オブ・メデイシナル・ケミストリー
(J.Med.Chem.)、第28巻、1580頁、1985年]9.6gの乾
燥テトラヒドロフラン100ml溶液を室温で滴下する。混
合物を室温で1.5時間撹拌した後氷冷した塩化アンモニ
ウム水溶液にあける。混合物をエーテルで抽出する。抽
出物を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下に濃縮
する。残渣をフラツシユクロマトグラフイー(シリカゲ
ル230−400メッシュ300g、ヘキサン−酢酸エチル(1:1
→1:2)で溶出)で精製して標記化合物13、7.7g(収率6
8%)を油状物質として得る。NMRは2−メトキシエテニ
ル基の配位と二重結合の幾何異性による事を示し単離し
ないでそのまま次の反応に用いる。
参考例13 2−エンド−(ホルミルメチル)−3−エキソ−(ヒド
ロキシメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
14および 3−ヒドロキシ−2−オキサ−シス−デ
カリン−5,8−オキシド 14′ 上記エーテル13、7.7gを20%トリフルオロ酢酸5mlに
室温で窒素雰囲気下に溶解し、その溶液を2時間室温に
放置する。炭酸水素ナトリウム11.3gを少量づつ注意し
ながら加える。混合物をジクロロメタンで抽出する。抽
出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧下に濃縮す
る。残渣をフラツシユクロマトグラフイー(シリカゲル
230−400メツシユ150g、酢酸エチルで溶出)で分離精製
してトランス−アルデヒド体14、0.342g(収率4.8%)
とヘミアセタール体14′、1.90g(収率26.7%)を得
る。
化合物14 NMR δppm(CDCl3)1.3〜2.2(7H),2.51(1H,m),3.0
〜3.8(2H),4.0〜4.8(3H),9.75(1H,t,J=1Hz). 化合物14′ NMR δppm(CDCl3);1.3〜2.4(8H),3.2〜3.8(3H,
m),4.1〜4.3(2H,m),4.9〜5.4(1H,m). 参考例14 (5Z)−7−[3−エキソ−(ヒドロキシメチル)−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−イ
ル]−5−ヘプテン酸メチルエステル 15 窒素雰囲気下に室温でカリウムtert−ブトキシド10.0
gを臭素化(4−カルボキシブチル)トリフエニルホス
ホニウム15.0gの乾燥テトラヒドロフラン150ml懸濁液に
撹拌しつつ加える。混合物を30分間室温で撹拌する。ヘ
ミアセタール14′、1.90gの乾燥テトラヒドロフラン30m
l溶液を滴下する。混合物を2時間撹拌後、氷冷した稀
塩酸にあけてエーテルで抽出する。抽出液を水洗、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧下に溶媒を留去する。
残渣に少量のエーテルを加えて、晶出する結晶を濾別
し、その母液に過剰のジアゾメタンのエーテル溶液を加
えて室温で10分間撹拌する。減圧下に濃縮して得られる
残渣をフラツシユクロマトグラフイー(シリカゲル150
g、ヘキサン−酢酸エチル1:2で溶出)で精製して標記化
合物15、2.02g(収率62%)を油状物質として得る。
IR νmax(フィルム)3445,1737cm-1. NMR δppm(CDCl3):1.3〜2.4(15H),3.60(2H,m),3.
66(3H,s),4.19(1H,m),4.46(1H,m),5.36(2H,
m). 参考例15 (5Z)−7−[3−エキソ−ホルミル−7−オキサビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−イル]−5−ヘ
プテン酸メチルエステル 16 ジメチルスルホキシド1.5mlのジクロロメタン溶液4ml
を−60℃でオキザリルクロリド0.75mlのジクロロメタン
溶液20mlに滴下する。混合物を−60℃で10分間撹拌す
る。上記のアルコール誘導体15、2.02gのジクロロメタ
ン20ml溶液を滴下し、−60℃で1時間撹拌する。トリエ
チルアミン5.3mlを加えて混合物を室温になる迄撹拌す
る。水40mlを加えて撹拌し、有機層を分離する。水層を
さらにジクロロメタンで抽出して有機層を合わせる。水
洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮す
ると標記化合物16が得られる。
NMR δppm(CDCl3)1.4〜2.7(14H),3.69(3H,s),4.3
6(1H,m),4.76(1H,m),5.41(2H,m),9.12(1H,d,J=
5Hz). これ以上精製せず次の反応に用いた。
参考例16 (5Z)−7−[3−エンド−ホルミル−7−オキサビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−イル]−5−ヘ
プテン酸メチルエステル17 上記のアルデヒド16を0.068Mナトリウムメトキシドの
メタノール溶液30mlに0℃で溶解する。2時間室温で撹
拌した後、塩化アンモニウム水溶液にあける。エーテル
で抽出し抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下
に濃縮して標記化合物17、1.705g(15から85.0%)を得
る。
NMR,δppm(CDCl3):1.4〜1.7(14H),3.69(3H,s),4.
31(1H,m),4.80(1H,m),5.40(2H,m),9.72(1H,d,J
=2Hz). このアルデヒド17はこれ以上精製せず次の反応に用い
た。
参考例17 (5Z)−7−[3−エンド−(ヒドロキシメチル)−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−イ
ル]−5−ヘプテン酸メチルエステル V c 氷冷下に水素化ホウ素ナトリウム0.4gを少量づつ上記
のアルデヒド17、1.605gのメタノール15mlに加える。混
合物を30分間0℃で撹拌する。稀塩酸を滴下して混合物
をエーテルで抽出する。抽出液を水洗、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後減圧下に濃縮する。残渣をフラツシユ
クロマトグラフイー(シリカゲル230−400メツシユ、50
g、ヘキサン−酢酸エチル1:2で溶出)で精製して標記化
合物V c、1.455g(収率90.0%)を得る。
IR νmax(フィルム)3440,1737cm-1. NMR δppm(CDCl3)1.0〜2.5(15H),3.3〜3.9(2H,
m),3.68(3H,s),4.18(1H,m),4.57(1H,m),5.39(2
H,m). 元素分析 (C15H24O4として) 計算値(%) C,67.14;H,9.01 実測値(%) C,66.91;H,9.11 参考例18 (5Z)−7−[3−エンド−(メタンスルホキシメチ
ル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エ
キソ−イル]−5−ヘプテン酸メチルエステル V′ c −20℃で塩化メタンスルホニル0.7gのジクロロメタン
1ml溶液をアルコール誘導体V c1.45gのトリエチルアミ
ン1.2mlとジクロロメタン15mlの溶液に滴下する。−20
℃で20分間撹拌後、氷冷した稀塩酸にあける。有機層を
分離し、水層をジクロロメタンで抽出する。有機層を合
わせて水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に濃縮
して標記化合物V′ c、1.519g(収率81.1%)を得る。
NMR δppm(CDCl3):1.1〜2.5(14H),3.03(3H,s),3.
66(3H,s),4.23(1H,m),4.59(1H,br.s),5.41(2H,
m). これ以上精製せず次の反応に用いた。
参考例19 (5Z)−7−[3−エンド−(アジドメチル)−7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ−イル]
−5−ヘプテン酸メチルエステル VI c ナトリウムアジド0.45g、上記のメシレートV′ c
1.15gとヘキサメチルホスホリツクトリアミド6mlを2時
間50℃で撹拌する。水を加えてエーテルで抽出する。抽
出液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に濃縮
する。残渣をシリカゲル(230−400メツシユ50g)を用
いたフラツシユクロマトグラフイー(ヘキサン−酢酸エ
チル2:1で溶出)で精製して標記化合物VI c、1.26g(収
率79.4%)を得る。
IR νmax(フィルム)2090,1736cm-1. NMR δppm(CDCl3)1.0〜2.5(14H),3.0〜3.6(2H,
m),3,68(3H,s),4.16(1H,m),4.52(1H,br.s),5.39
(2H,m). 実施例3(1) (5Z)−7−[(1S,2R,3S,4R)−3−ベンゼ
ンスルホンアミドメチル−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−イル]−5−ヘプテン酸メチルエス
テルI c−c 上記のアジド誘導体VI c、1.16g、トリフエニルホス
フイン1.25gとテトラヒドロフラン35mlの溶液を一夜室
温に放置する。水7mlを加え30分間還流下に加熱する。
減圧下に濃縮して残渣をジクロロメタンに溶解する。無
水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に濃縮する。残渣をエ
ーテルで結晶化させ、濾液を濃縮する。
塩化ベンゼンスルホニル1.5mlを上記の残渣のトリエ
チルアミン6mlとジクロロメタン30ml溶液に室温で加え
る。混合物を1.5時間室温で放置した後、氷水にあけ
る。有機層を分離し水層をジクロロメタンで抽出する。
有機層を合わせ稀塩酸、炭酸水素ナトリウム水、水で順
次洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に濃縮し
て得られる残渣をフラツシユクロマトグラフイー(シリ
カゲル230−400メツシユ70g、ヘキサン−酢酸エチル1:2
で溶出)で精製して標記化合物I c−c 639mg(収率4
0.0%)を得る。
IR νmax(フィルム):3260,1736,1328,1160cm-1. NMR:δppm(CDCl3)1.0〜2.5(14H),2.8〜3.1(2H,
m),3.70(3H,s),4.13(1H,m),4.44(1H,m),4.96(1
H,t,J=6Hz),5.35(2H,m),7.4〜7.7(3H,m),7.8〜8.
0(2H,m). 元素分析 (C21H29NO5Sとして) 計算値(%):C,61.89;H,7.17;N,3.44;S,7.87 実測値(%):C,61.42;H,7.29;N,3.21;S,7.70 (2)(5Z)−7−[(1S,2R,3S,4R)−3−
ベンゼンスルホンアミドメチル−7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−イル]−5−ヘプテン酸 I c
−a 上記のエステルI c−c、620mgのメタノール4ml溶液
に10%水酸化ナトリウム(4ml)を加える2時間室温に
放置する。混合物を氷冷下稀塩酸で酸性にしてエーテル
で抽出する。抽出液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下に濃縮して標記カルボン酸I c−a、548mg
(収率91.5%)を得る。
IR νmax(フィルム);3265,1708,1327,1160cm-1. NMR δppm(CDCl3)1.0〜2.5(14H),2.8〜3.1(2H,
m),4.18(1H,d,J=4Hz),4.46(1H,m),5.2〜5.6(3H,
m),7.4〜7.7(3H,m),7.8〜8.0(2H,m),8.96(1H,br.
s). (3)カルボン酸I c−aのナトリウム塩I c−b 上記カルボン酸I c−a、529mgを0.246Mのナトリウム
メトキシド5.4mlに溶解し、溶媒を減圧下に濃縮する。
水13mlを加え活性炭処理した後凍結乾燥し標記ナトリウ
ム塩I c−b、534mgを得る。
IR νmax(KBr)3280,1565,1324,1158cm-1. 参考例20 (5Z)−7−[3−エキソ−(ヒドロキシメチル)−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンド−イ
ル]−5−ヘプテン酸メチルエステル V d 15の合成と同様に行う。
IR νmax(フィルム)3445,1737cm-1. NMR δppm(CDCl3):1.2〜2.4(14H),3.47(2H,d,J=
7Hz),3.68(3H,s),4.41(2H,m),5.36(2H,m). 参考例21 (5Z)−7−[3−エキソ−(メタンスルホキシメチ
ル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エ
ンド−イル]−5−ヘプテン酸メチルエステル V′ d V′ cの合成と同様に行う。定量的収率 NMR δppm(CDCl3):1.2〜1.9(8H),1.9〜2.5(6H),
3.01(3H,s),3.69(3H,s),3.99(2H,d,J=7Hz),4.40
(2H,m),5.36(2H,m). 参考例22 (5Z)−7−[3−エキソ−(アジドメチル)−7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンド−イル]
−5−ヘプテン酸メチルエステル VI d VI cの合成と同様に行う。収率75.4%。
IR νmax(フィルム):2300,1738cm-1. NMR:δppm(CDCl3):1.2〜2.0(8H,m),2.0〜2.5(6H,
m),3.17(2H,d,J=8Hz),3.69(3H,s),4.29(1H,d,J
=5Hz),4.42(1H,t,J=5Hz),5.37(2H,m). 実施例4 (1)(5Z)−7−[(1S,2S,3R,4R)−3−
ベンゼンスルホンアミドメチル−7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−イル]−5−ヘプテン酸メチ
ルエステル I d−c I c−cの合成と同様に行う。
IR νmax(フィルム):3280,1734,1328,1160cm-1. NMR δppm(CDCl3):1.0〜2.9(14H),2.89(2H,m),3.
67(3H,s),4.16(1H,d,J=4Hz),4.41(1H,t,J=4H
z),5.11(1H,m),5.33(2H,m),7.4〜7.7(3H,m),7.8
〜8.0(2H,m). (5Z)−7−[(1S,2S,3R,4R)−3−ベンゼ
ンスルホンアミドメチル−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−イル]−5−ヘプテン酸I d−aおよ
びそのナトリウム塩I d−b I c−a及びI c−bの合成と同様に行う。
IR νmax(フィルム):3270,1707,1327,1158cm-1. NMR δppm(CDCl3):1.1〜2.5(14H),2.85(2H,m),4.
15(1H,m),4.42(1H,t,J=5Hz),5.33(2H,m),5.58
(1H,t,J=7Hz),7.4〜7.6(3H,m),7.7〜8.0(2H,m),
8.85(1H,br.s). ナトリウム塩I d−b: IR νmax(KBr);3280,1566,1325,1155cm-1. 参考例23 (+)−(1S,2R,3R,5S)−2−アセトキシメチル−3
−カルボキシメチル−6,6ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘ
プタン 19 (+)−(1S,2R,3R,5S)−2−ヒドロキシメチル−
3−カルボキシメチル−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.
1]ヘプタン18[ワイ・ボウネアクスら(Y.Bounameaux
et al.)、ヘルベチカ・ケミカ・アクタ(Helv.Chim.Ac
ta.)、第66巻、989頁、1983年]4.6gのピリジン25ml溶
液に無水酢酸18mlを加えて室温で1時間撹拌する。メタ
ノール20mlを滴下して過剰の無水酢酸を反応させる。エ
ーテルを加え、塩酸次いで飽和食塩水で洗う。抽出液を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に濃縮して得られる
残渣をフラツシユクロマトグラフイー(シリカゲル230
−400メツシユ、120g、ヘキサン−酢酸エチル2:1で溶
出)で精製して標記化合物19、4.77g(収率89%)を油
状物質として得る。
▲[α]24 D▼(c1.360,メタノール), IR νmax(フィルム)1743,1710cm-1. NMR δppm(CDCl3)0.85(1H,d,J=10Hz),1.00(3H,
s),1.20(3H,s),1.4〜2.9(9H),4.08(2H,d,J=7H
z),10.39(1H,br.s). 元素分析 (C14H22O4として) 計算値(%) C,66.12;H,8.72 実測値(%) C,66.19;H,8.66 参考例24 (+)−(1S,2S,3S,5R)−2−アセトキシメチル−3
−tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチル−6,6−
ジメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン 20 上記カルボン酸19、4.77gのアセトン20ml、水4ml、ト
リエチルアミン4.2mlの溶液に0℃でクロロ炭酸エチル3
gのアセトン4ml溶液を滴下し、0℃で1時間撹拌する。
アジ化ナトリウム3gの水溶液11mlを滴下して0℃で1時
間撹拌する。水50mlを加えてエーテルで抽出する。抽出
液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥す
る。溶媒を減圧下に留去して得られる残渣にベンゼン50
mlを加え1時間加熱還流後、溶媒を減圧下に留去する。
tert−ブタノール60mlに溶かし10時間加熱還流する。減
圧下に濃縮して得られる残渣をフラツシユクロマトグラ
フイー(シリカゲル230−400メツシユ、120g、ヘキサン
−酢酸エチル6:1で溶出)で精製して標記化合物203.404
g(収率55.8%)を油状物質として得る。
▲[α]25 D▼+21.3(c1.516,メタノール). IR νmax(フィルム):3365,1742,1715cm-1. NMR δppm(CDCl3):0.83(1H,d,J=10Hz),0.97(3H,
s),1.21(3H,s),1.35〜2.53(7H),1.47(9H,s),2.1
0(3H,s),3.13(2H,t,J=6Hz),4.06(2H,d,J=6Hz),
5.05(1H,br.s). 元素分析 (C18H31NO4として) 計算値(%) C,66.43;H,9.60;N,4.30 実測値(%) C,66.30;H,9.64;N,4.24 参考例25 (+)−(1S,2S,3S,5R)−2−アセトキシメチル−3
−ベンゼンスルホニルアミドメチル−6,6−ジメチルビ
シクロ[3.1.1]ヘプタン 21 上記のアミド化合物203.35gを0℃でトリフルオロ酢
酸15mlに溶解し、室温で30分間撹拌する。減圧下に濃縮
して得られる残渣をジクロロメタン30mlに溶かす。0℃
で撹拌下にトリエチルアミン10ml、次に塩化ベンゼンス
ルホニル2.4gのジクロロメタン5ml溶液を加え、室温に
して1時間撹拌する。反応液を水、10%塩酸、飽和食塩
水で順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下
に濃縮して得られる残渣をフラツシユクロマトグラフイ
ー(シリカゲル230−400メツシユ、70g、ヘキサン−酢
酸エチル4:1で溶出)で精製して標記化合物21、3.431g
(収率90.6%)を油状物質として得る。
▲[α]25 D▼+25.3(c1.032,メタノール) IR νmax(フィルム):3290,1740,1329,1160cm-1. NMR δppm(CDCl3):0.71(1H,d,J=10Hz),0.90(3H,
s),1.18(3H,s),1.30〜2.50(7H),2.07(3H,s),2.9
3(2H,t,J=6Hz),3.99(2H,m),5.53(1H,t,J=6Hz),
7.36〜7.65(3H,m),7.83〜7.94(2H,m) 元素分析 (C19H27NO4Sとして) 計算値(%):C,62.44;H,7.45;N,3.83;S,8.77 実測値(%):C,62.56;H,7.54;N,3.85;S,8.73 参考例26 (+)−(1S,2S,3S,5R)−2−ヒドロキシメチル−3
−ベンゼンスルホニルアミドメチル−6,6−ジメチルビ
シクロ[3.1.1]ヘプタン 22 I c−cの加水分解と同様に行い残渣をフラツシユク
ロマトグラフイー(シリカゲル230〜400メツシユ、30
g、ヘキサン−酢酸エチル2:1で溶出)で精製して標記化
合物22、96.1%の収率で油状物質として得る。
▲[α]25 D▼+20.0(c1.721,メタノール) IR νmax(フィルム):3495,3285,3160,1323,1155cm-1. NMR δppm(CDCl3):0.68(1H,d,J=10Hz),0.83(3H,
s),1.13(3H,s),1.23〜2.42(7H),2.59〜3.17(3
H),3.39〜3.73(2H),6.99(1H,br.s),7.34〜7.63(3
H,m),7.83〜7.94(2H,m). 元素分析 (C17H25NO3Sとして) 計算値(%):C,63.13;H,7.79;N,4.33;S,9.91 実測値(%):C,62.97;H,7.84;N,4.37;S,9.81. 参考例27 (1S,2S,3S,5R)−2−(2−メトキシエテニル)−3
−ベンゼンスルホニルアミドメチル−6,6−ジメチルビ
シクロ[3.1.1]ヘプタン III e 上記のアルコール22、2.833gを16の合成、次いで13
合成と同法で処理して得られる残渣をフラツシユクロマ
トグラフイー(シリカゲル230−400メツシユ、80g、ヘ
キサン−酢酸エチル4:1で溶出)で精製して標記化合物I
II e、2.811g(収率91.8%)を油状物質として得る。
NMR δppm(CDCl3):0.67(3/4H,d,J=10Hz),0.71(1
/4H,d,J=10Hz),0.93(3H,s),1.1〜3.2(9H),3.45
(1/4×3H,s),3.67(3/4×3H,s),4.50(3/4H,dd,J=
6,11Hz),4.78(1/4H,dd,J=9,12Hz),5.6〜5.9(1H),
5.76(3/4H,d,J=6Hz),6.17(1/4H,d,J=12Hz),7.33
〜7.63(3H,m),7.78〜7.93(2H,m). 参考例28 (1S,2S,3S,5R)−2−ホルミルメチル−3−ベンゼン
スルホニルアミドメチル−6,6−ジメチルビシクロ[3.
1.1]ヘプタン IV eおよび(4aS,5R,7R,8aS)−3−ヒ
ドロキシ−2−ベンゼンスルホニル−6,6−ジメチル−
5,7−メタノパーヒドロイソキノリン IV e′ 上記のエーテル誘導体III e、2.811gを14及び14′
合成法と同様に処理して得られる残渣をフラツシユクロ
マトグラフイー(シリカゲル230〜400メツシユ、100g、
ヘキサン−酢酸エチル4:1で溶出)で精製し標記化合物I
V eおよびIV′ eの混合物1.284g(収率47.6%)を油状
物質として得る。
IR νmax(CHCl3):3695,3610,1723,1348,1334,1161cm
-1. NMR δppm(CDCl3):0.78(1H,d,J=9Hz),0.93(1/3×
3H,s),1.00(2/3×3H,s),1.17(1/3×3H,s),1.24(2
/3×3H,s),1.3〜3.2(11H),3.64(2/3H,dd,J=3,11H
z),5.02(1/3H,t,J=6Hz),5.63(2/3H,m),7.36〜7.6
8(3H,m),7.81〜7.92(2H,m),9.68(1/3H,t,J=2H
z). 実施例5(1) (+)−(5Z)−7−[(1S,2S,3S,5R)−3−ベンゼ
ンスルホニルアミドメチル−6,6−ジメチルビシクロ
[3.1.1]ヘプタン−2−イル]−5−ヘプタン酸 I e
−aおよびそのナトリウム塩 I e−b 上記の混合物IV eIV′ e、1.259gを15の合成法と同
様に処理して得られる残渣をフラツシユクロマトグラフ
イー(シリカゲル230〜400メツシユ、60g、ヘキサン−
酢酸エチル1:1で溶出)で精製して標記化合物I e−a
1.177g(収率74.7%)を油状物質として得る。
▲[α]26 D▼+23.5(c1.425,メタノール)3 CD(メタノール),λ(Δε):269(−0.070),262.5
(−0.10),227(−0.89),202(+0.99). IR νmax(フィルム):3280,1709,1323,1158cm-1. NMR δppm(CDCl3):0.66(1H,d,J=10Hz),0.94(3H,
s),1.16(3H,s),1.31〜2.42(15H),2.59〜3.15(2H,
m),5.10〜5.50(3H),7.37〜7.67(3H,m),7.83〜7.94
(2H,m),9.37(1H,br.s). (2) カルボン酸I e−aのナトリウム塩I e−b 上記のカルボン酸I e−a 1.05gをI c−bの合成法
と同様に処理してI e−b 1.098gを得る。
IR νmax(KBr):3295,1562,1324,1158cm-1. ハ.発明の効果 本発明化合物は、トロンボキサンA2レセプターに対し
て強力なアンタゴニストとして作用し、トロンボキサン
A2に起因する血小板凝集または血管収縮などを著しく阻
害する。このことより有用な抗血栓剤・抗血管収縮剤に
なりうる化合物である。その代表的な化合物について、
in vitroでの血小板凝集抑制作用を下記実験例に示す。
[試験材料および試験方法] 雄性ラット(Sprague−Dowley、8週令)の腹部動脈
よりACD(85mMクエン酸ナトリウム、70mMクエン酸、110
mMグルコース)1.5mlおよびプロスタグランジンE1(20
μg)の入ったプラスチック製シリンジにて血液10mlを
採取した。血液は、プラスチック製試験管に入れ軽く転
倒混和した後、160g、10分間遠心分離し、上清の多血小
板血漿[PRP(platelet rich plasma)]を採取した。
得られたPRPにアピラーゼ(25μg/ml)を加えた後、40
%ウシ血清アルブミン上に重層し、1200×g、25分間遠
心分離する。血小板ペレットを少量の緩衝液(137mM Na
Cl、2.7mM KCl、1.0mM MgCl2、3.8mM NaH2PO4、3.8mM H
epes、5.6mMグルコース、0.035%ウシ血清アルブミン、
pH7.35)に浮遊させ、セファロース2B(Sepharose2B)
のカラム(10ml)に重層し、緩衝液にて溶出し、洗浄血
小板を得た。
血小板凝集反応は、アグリゴメーター(NKK HEMA TRA
CER 1 MODEL PAT−6A・6M、二光バイオサイエンス)を
用いて測定した。すなわち、血小板数が、5×105/μl
になるように調整した洗浄血小板245μlを測定用キュ
ベットに入れて、凝集計にセットし、37℃で撹拌(1000
rpm)、0.1M CaCl23.8μlを加え、1分後に試験化合物
液(ジメチルスルホキシド溶液)0.5μlを加え、2分
後に凝集惹起物質としてコラーゲン[Collagen reagent
Horm ホルモン−ケミエ、ミュンヘン、(HORMON−CHE
MIE Mnchen GMBH)]を1μl(終濃度4μg/ml)加
えて凝集より生じた透光度の変化を経時的に記録した。
50%血小板凝集阻害濃度は、凝集率より算出する。
(血小板の凝集率は、洗浄血小板および緩衝液の透光度
をそれぞれ0%および100%とし、凝集惹起物質添加3
分後の透光度として測定した。) 試験結果を第1表に示す。
本発明化合物は、コラーゲンによる血小板凝集に対し
強い阻害を示す。
本発明化合物は、トロンボキサンA2による血小板凝集
・血管収縮・気管支収縮を強力に抑制するものであり、
動脈硬化、心筋梗塞、急性心筋虚血狭心症、循環器系シ
ヨック、突然死などの症状治療・改善などに用いられ得
るなど、その薬理効果の応用が期待される化合物であ
る。
本発明化合物は、経口投与によりまたは非経口で投与
することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、
顆粒剤、細粒剤、水剤、乳剤、坐剤、静脈内注射剤、筋
肉内注射剤または皮下注射剤などになしうる。製剤化の
際には、通常用いられる適当な担体もしくは賦形剤を使
用する。
本発明化合物は、経口投与では成人1日約10mg〜800m
gが投与される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/34 ABT A61K 31/34 ABT 31/35 ABX 31/35 ABX ACD ACD

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: [式中、R1は水素または低級アルキル、R2は置換または
    非置換のフェニル、Xはメチレン、ジメチルメチレンま
    たは酸素原子、pは1または2、qは0または1、rは
    1,2または3をそれぞれ表わす(但し、p+qは2であ
    る)] で示される化合物およびその塩。
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