JP2565522B2 - 常温溶融塩電解液の製造方法 - Google Patents

常温溶融塩電解液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、常温溶融塩電解液の製造方法に関する。常
温溶融塩電解液は溶媒を特に使用しないでも常温で液状
であり、かなり高い電導度を示すことが知られており、
N−アルキルピリジニウムハライドとハロゲン化アルミ
ニウムからなる常温溶融塩電解液は従来の有機系及び無
機系電解液と大巾に異なる新しい電解液として大いに期
待されるものである。
例えば、高橋らは塩化アルミニウムとN−ブチルピロ
リジニウムクロリドを常温溶融塩とした電気アルミニウ
ムめつき法を提案しており、従来の電気アルミニウムめ
つき法に較べて安価かつ安全性の高い方法であることを
確認している(特開昭62−70592及び70593号公報)。さ
らに、古川らは塩化アルミニウムとN−エチルピロリジ
ニウムクロリド又はN−ブチルピロリジニウムクロリド
から生成する常温溶融塩を電解液とした2次電池を提案
している(特開昭62−165879号公報)。また、高橋らも
塩化アルミとN−ブチルピロリジニウムクロリドからな
る常温溶融塩を電解液としたAl/FeS2型2次電池の研究
を報告している(電気化学、54,(3),257及び26
3)。
従来の技術 一般にハロゲン化アルミニウムとN−アルキルピリジ
ニウムハライドとから生成する常温溶融塩は塩化アルミ
ニウムとN−アルキルピリジニウムクロリドを例とした
場合に、次式に示すようなイオン解離をすることが知ら
れている。なお、塩化アルミニウムとN−アルキルピリ
ジニウムクロリドとの配合モル比により生成するイオン
種が異なることも知られており、配合モル比が1対1で
は(1)式、配合モル比が2対1では(2)式のイオン
解離が起る。
上記の例ではハロゲンとしてClを用いたものである
が、ハロゲンとして臭素又はヨウ素を用いた場合も同様
の反応が進行するものと考えられる。
以後、ハロゲン化アルミニウムとN−アルキルピリジ
ニウムハライドから(1)又は(2)式に従がい常温溶
融塩を生成させる工程を錯化工程と呼称する。
従来、この錯化工程は固体であるハロゲン化アルミニ
ウムとN−アルキルピリジニウムハライドをN2雰囲気グ
ローブボツクス内で徐々に混合しながら、常温溶融塩を
合成するのが一般的である(例えば電気化学、54
(3),257)。
発明が解決しようとする問題点 ハロゲン化アルミニウムとN−アルキルピリジニウム
ハライドから工業的規模で常温溶融塩電解液を製造する
際に、錯化工程における固体混合法はいくつかの問題を
有している。第1点として、錯化反応は極めて大きな発
熱反応であり、固体混合法では熱制御が極めて困難であ
ることが指摘される。例えば、高橋らは熱除去のために
ドライアイス−メタノール浴で冷却する方法を記載して
いる(電気化学,54,(3),257)が、工業的な方法と
はなり得ない。固体混合法では熱の伝達も悪く極部的な
発熱、さらには爆発的な温度上昇によつて原料及び(又
は)生成物が熱的に変質して溶融塩電解液の特性を著し
く劣化させることが考えられる。事実、反応量を多くす
ると特性のバラツキも大きくなることが観測された。
第2点として、錯化工程における発熱量を制御するた
めに一方の原料を少量ずつ添加する方法も考えられる
が、水分によつて溶融塩電解液の特性が著しく劣化する
ので原料及び生成物は水分の非在下に行う必要があり、
ドライ雰囲気で少量の固体を取扱うことは効率的に製造
することを著しく妨げることとなる。また、第3点とし
て錯化工程での固体混合法では充分な撹拌操作を行えず
反応も長時間になる点が掲げられる。
問題点を解決するための手段 本発明者らは固体混合法による従来の錯化工程の問題
点を解決すべく鋭意検討を重ね、ハロゲン化アルミニウ
ムとN−アルキルピリジニウムハライドから常温溶融塩
を工業的に効率よく製造する方法を見い出し本発明に到
達した。すなわち、低沸点の不活性溶媒中にハロゲン化
アルミニウムとN−アルキルピリジニウムハライドを懸
濁させながら錯化反応を十分進行させたのち、不活性溶
媒を留去することにより常温溶融塩電解液を製造するも
のである。この方法により、従来法の問題点を解決し効
率的かつ安定した特性を有する電解液の製造が可能とな
る。
さらに、不活性溶媒をそのまま電解液に混合して使用
する場合には、不活性溶媒の留去を省略することも可能
である。
本発明に於いて用いられる原料であるハロゲン化アル
ミニウムとして、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニ
ウム及び三ヨウ化アルミニウムが挙げられる。又もう一
方の原料であるN−アルキルピリジニウムハライドは
(3)式に示す一般式で表わすことができる。
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜10のア
ルキル基、R3は炭素数1〜10のアルキル基であり、X
はCl-、Br-及びI-である。) N−アルキルピリジニウムハライドの具体的な例示と
して、N−エチルピリジニウムクロリド、N−エチルピ
リジニウムブロマイド、N−n−ブチルピリジニウムク
ロリド、N−i−ブチルピリジニウムブロマイド、N−
n−プロピルピリジニウムアイオダイド、1−エチル,2
−メチルピリジニウムクロリド、1−n−ヘキシル,2−
メチルピリジニウムクロリド、1−n−ブチル,4−メチ
ルピリジニウムクロリド、1−n−ブチル,2,4−ジメチ
ルピリジニウムクロリドなどを挙げることができる。
常温溶融塩電解液は上記の2種類の原料を任意に組み
合わせ、錯化反応を行わせることによつて製造される。
この際原料であるハロゲン化アルミニウムとN−アルキ
ルピリジニウムハライドのモル比は0.5〜4.5、好ましく
は0.7〜4.0、より好ましくは1.0〜2.5の範囲である。
使用される低沸点の不活性溶媒としては、沸点範囲が
常温から250℃までの不活性溶媒すなわちN−アルキル
ピリジニウムハライド、ハロゲン化アルミ及びその錯化
物と反応して溶融塩電解液の特性を損うことのない溶媒
が用いられる。
これらの例として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、デカリンなどの飽和炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、キユメン、
テトラリンなどの芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル
類、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテルなどのグライム類、アセト
ニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾ
ニトリルなどのニトリル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロ
ラクトンなどのエステル類、ジメチルスルホキシド、ス
ルホランなどのイオウ系化合物、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドンなどのアミド類などを挙げることができる。これ
らの不活性溶媒の中で工業的にも安価で入手しうる芳香
族炭化水素類が好ましいものの一つである。
本発明の方法は不活性溶媒中にハロゲン化アルミとN
−アルキルピリジニウムハライドを懸濁させながら加熱
下で錯化反応を十分進行せしめ、しかる後に不活性溶媒
を留去することにより常温溶融塩電解液を製造するもの
である。具体的な実施態様は上記の基本操作に基づく限
り、種々の態様で行うことが可能である。以下に具体的
方法の一例を述べる。
トルエンを不活性溶媒とし、N−アルキルピリジニウ
ムハライドをその中に懸濁せしめた反応器内に、非水雰
囲気下でハロゲン化アルミを徐々に添加する。この際、
反応式(1)又は(2)に従がい錯化反応が速やかに進
行するが、かなりの発熱を伴なうので反応器の外部ジヤ
ケツト又は内部コイルに適当な冷媒を通し、反応器内の
温度が急激に上昇しない様に温度を制御する。この際反
応温度は室温から100℃の範囲に制御するのが好まし
い。この様に発熱を制御しながら、ハロゲン化アルミを
添加し終つたら、系内を30〜100℃の温度範囲で制御
し、錯化反応を完結させる。
しかる後に、系内を減圧下にし、30〜100℃の温度範
囲で制御しながら不活性溶媒を系外に留去し、目的とす
る溶融塩電解液を得る。尚、ハロゲン化アルミの添加時
における発熱反応の制御方法として、低沸点溶媒の蒸発
潜熱を利用した熱除去法を単独もしくは併用する方法も
採用できる。本発明の方法のバリエーシヨンとして、添
加順序を逆にしてトルエン中にハロゲン化アルミを懸濁
させてN−アルキルピリジニウムハライドを添加する方
法も実施可能である。
いずれにしても、本発明の方法を採用することによ
り、速やかにかつ反応熱の制御が容易となり、安定した
特性を有する溶融塩電解液の製造が可能となる。
実施例 以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
実施例−1 N2ガスで置換した撹拌付ガラス製反応器内にトルエン
120gとN−n−ブチルピリジニウムクロリド80g(0,466
モル)を仕込み、3塩化アルミニウム120g(0.930モ
ル)を液温が60℃以上に上昇しない様に十分な撹拌条件
下で徐々に添加した。全量添加後、急激な発熱がおさま
つたところで、反応器を外部加熱し、60℃で1.0時間撹
拌し、錯化反応を完結させた。この時点で溶液は均一か
つ暗緑色ないし暗褐色の溶液となる。その後、反応液を
50℃に加熱しながら徐々に反応器内を減圧にしてゆき、
溶媒トルエンを留去し、溶融塩電解液200gを得た。トル
エンを留去後も反応液の状態は変らず、得られた溶融塩
電解液は液体で、導電度を測定したところ25℃で7.3mS/
cmの値を示した。
さらに、ほヾ同様な操作を繰返し、3ロツトの溶融塩
電解液を製造したが、電導度はいずれも±3%以内の安
定した値を示した。
実施例−2 実施例−1と同様の反応器に還流管を設け、トルエン
80g、n−ヘキサン40gとともにN−n−ブチルピリジニ
ウムクロリド40g(0.233モル)を仕込み系内をN2ガスで
置換した。反応器内に3塩化アルミニウム62g(0.465モ
ル)を少しずつ添加したところ、錯化反応の進行に伴な
い反応器内の温度が上昇し68℃でn−ヘキサンが還流し
はじめた。n−ヘキサンの還流条件下で3塩化アルミニ
ウムを段階的に所定量投入後、30分間撹拌し反応を完結
させた。実施例−1と同様な均一溶液が得られたところ
でn−ヘキサンを常圧留去したのち、系内を徐々に減圧
にしてトルエンを完全に留出させた。
生成した溶融塩電解液は実施例−1と同様な外観を示
し、電導度は25℃で7.5mS/cmを示した。
実施例−3 N−エチルピリジニウムクロリド33.5g(0.233モル)
と3塩化アルミニウム62g(0.465モル)を使用した以外
は実施例−1と同様の操作により溶融塩電解液を調整し
た。生成した電解液は均一溶液で25℃における電導度は
6.5mS/cmであつた。
実施例−4 トルエンの代りにテトラヒドロフランを使用した以外
は実施例−1と同様の反応を実施したところ、25℃にお
ける電導度が6.9mS/cmの溶融塩電解液が得られた。
比較例 N−n−ブチルピリジニウムクロリド40g(0.233モ
ル)をガラス容器に入れ、3塩化アルミニウム62g(0.4
65モル)を徐々に添加しながら撹拌したところ、次第に
反応して一部溶液状態に変化した。反応に伴う急激な発
熱反応が観測されたので温度が60℃を越えないように冷
却しながら、3塩化アルミニウムを全量投入し、しかる
後に反応溶液を60℃、1時間加熱した。冷却後、25℃で
電導度を測定したところ4.6mS/cmであつた。同じ反応を
再度繰返したところ電導度は6.0mS/cm(25℃)であつ
た。
比較例による方法で実施例に較べ、溶融塩電解液の特
性は低く、かつ特性の再現性は劣るものであつた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アルキルピリジニウムハライドとハロ
    ゲン化アルミニウムとからなる常温溶融塩電解液を製造
    する方法において、上記原料を低沸点の不活性溶媒中に
    懸濁させて、錯化反応させることを特徴とする常温溶融
    塩電解液の製造方法。
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