JP2565480Y2 - スローアウエイチツプ - Google Patents

スローアウエイチツプ

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JP2565480Y2
JP2565480Y2 JP1990041879U JP4187990U JP2565480Y2 JP 2565480 Y2 JP2565480 Y2 JP 2565480Y2 JP 1990041879 U JP1990041879 U JP 1990041879U JP 4187990 U JP4187990 U JP 4187990U JP 2565480 Y2 JP2565480 Y2 JP 2565480Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、工具ホルダに着脱自在に装着されて種々
の切削加工に用いられるスローアウエイチツプに係り、
詳しくは、工具の送り量や切込み量が比較的低く設定さ
れる仕上げ切削領域において、良好な切屑処理能力を発
揮できるスローアウエイチツプに関する。
[従来の技術] 近年、旋盤用のバイトや中ぐり工具等の種々の切削工
具の分野においては、超硬合金を多角形平板状に形成し
たスローアウエイチツプ(以下、チツプを略称する。)
を、工具ホルダに着脱自在に装着したスローアウエイ式
のものが広く用いられている。
ところで、このようなスローアウエイ式切削工具に用
いられるチツプにおいては、切屑処理能力、すなわち切
削時に生成される切屑を溜りなく適度な大きさに分断で
きる能力が高いことが要望されるが、特に工具の送り量
や切込み量の範囲が比較的低く設定される仕上げ加工を
行う場合には、切屑の詰まりが加工面品位の劣化に直結
するため、切屑処理能力の優劣が一層重視される。
このため、かかる仕上げ加工領域(送り量f≦0.3mm/
rev.、切込み量d≦2.0mmの範囲をいうものとする。以
下、同じ。)における切屑処理能力の向上を図った種々
の構成のチツプが提供されている。
例えば、第9図及び第10図は特公昭63−7446号公報で
提案されているチツプを示すものである。これらの図に
示すチツプは、平面視三角形状をなす上面1の頂角部分
に、当該チツプの周縁から内側に向かって順次、円弧状
のノーズ部2を有する切刃3と、該切刃3に連なって略
扇状に広がる凹部4とが形成され、該凹部4に、上記頂
角部分の二等分線方向に延在する凸部5が形成されてな
るもので、ノーズ部2で生成される切屑が過度に伸びる
前に凸部5の先端に達してカールしつつ分断されるの
で、特に、薄くかつ柔軟な切屑が生成されがちな仕上げ
加工領域で良好な切屑処理能力が発揮される。
また、第11図ないし第13図は、特開昭58−217203号公
報で提案されているチツプを示すもので、このチツプ
は、上面1の頂角部分に、ノーズ部2を有する切刃3及
び凹部4が形成され、該凹部4に、ノーズ部2で生成さ
れる切屑を分断するための凸部5が形成される点で上述
した第9図に示すチツプと共通するが、凸部5の全高が
切刃3とほぼ同一高さに設定される点のみ第9図に示す
チツプを相違するものである。
[考案が解決しようとする課題] ところで、上述した各チツプにおいて、仕上げ加工領
域における切屑処理能力を向上させるには、凸部5の先
端をノーズ部2側へできるだけ接近させることが効果的
であることが知られている。
しかしながら、上記各チツプは、いずれも凸部5の先
端の上面1に対する傾斜角θ(第10図、第12図参照)
が、45°程度の急な角度に設定されているため、工具の
送り量や切込み量の増大に伴って切屑の厚さが増加した
場合、凸部5の先端に達した切屑がかえって押し戻され
て、ノーズ部2との間に詰まりがちとなる傾向がある。
このため、上述のチツプでは、凸部5の先端をむやみ
にノーズ部2側へ接近させると、仕上げ加工領域内でも
高送り、高切込み側で十分な切屑処理能力が得られない
ことがあり、反対に、凸部5の先端をノーズ部2から過
度に離間させると、仕上げ加工領域内でも低送り、低切
込み側で十分な切屑処理を行うことができなくなり、こ
の結果、切屑処理能力を有効に発揮できる範囲(以下、
切屑処理範囲を称する。)が仕上げ加工領域内の比較的
狭い範囲に限定されてしまう欠点が生じていた。
ちなみに、従来のチツプでは、凸部5の先端をノーズ
部2の曲率中心よりも幾らかチツプ中心側に後退した位
置に設けることが一般的で、これよりもノーズ部2側に
接近させた場合には、切屑処理範囲が仕上げ加工領域内
でも特に低送り、低切込み側に偏って高能率な仕上げ加
工を行うことができなかった。
また、特に第11図ないし第13図に示すチツプにおいて
は、凸部5の高さが切刃3とほぼ同一とされているた
め、仕上げ加工領域のうちでも、より低送り、低切込み
側において、切屑が凸部5に乗り上げて分断効果が発揮
されないことがあり、切屑処理範囲が一層限定される場
合があった。
さらに、上記チツプでは、第13図に示すように、凸部
5の断面形状がほぼ台形状に形成されているため、切刃
3の直線部分で生成される切屑と凸部5の側面5aの部分
とが面接触することとなり、この結果、切屑と凸部5と
の間の摩擦抵抗が大きくなって、切屑処理能力が劣化す
るおそれがあり、しかも、凸部5の摩耗が急激に進行し
てチツプの寿命が早期に尽きるおそれもあるという欠点
もあった。
この考案は、このような背景の下になされたもので、
高送り、高切込み側における切屑処理能力を劣化させる
ことなく、従来のチツプよりも低送り、低切込み側に切
屑処理範囲を拡張できるチツプを提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、この考案は、チツプ上下
面の少なくともいずれか一方の頂角部分に、切屑を分断
するための凸部が、切刃のノーズ部からチツプ内側のボ
ス面に向かって形成されてなるチツプであって、該凸部
は、上記ノーズ部から上記ボス面に向かうに従って漸次
その高さが増大する傾斜部と、この傾斜部の後端に連な
って延在し、かつ後端が上記ボス面に達するほぼ一面高
さの等高部とを有しており、上記傾斜部は、その先端が
上記ノーズ部の曲率中心を越えてノーズ部側に接近させ
て設けられるとともに、その上記ボス面に対する最大傾
斜角が15°〜25°の範囲に設定され、上記等高部は、そ
の高さが、上記切刃の高さよりも高くなるように形成さ
れており、ボス面の周囲において凸部との交差部分に
は、ボス面に対して傾斜する傾斜面が形成されているこ
とを特徴とするものである。
この場合、上記等高部の高さと上記切刃の高さとの差
は0.1mm〜0.3mmの範囲に設定することが好ましく、ま
た、凸部の延在方向と直交する断面形状は、円滑に連続
する凸曲線に形成することが好適である。
[作用] 上記構成によれば、凸部の先端側の傾斜部を、ボス面
に対して15°〜25°の緩やかな傾斜角で傾斜させている
ため、高送りや、高切込み側における切屑詰まりが生じ
にくくなる。また、傾斜部の先端を、ノーズ部の曲率中
心を越えてノーズ部側へ接近させているので、切屑処理
範囲がより低送り、低切込み側へと広がる。
さらに、等高部の高さが切刃よりも高くされているた
め、仕上げ加工領域の特に低送り、低切込み側におい
て、ノーズ部で生成される薄い切屑が凸部を乗り越えて
伸びることもない。
ここで、等高部と切刃との高さの差を0.1mm〜0.3mmの
範囲とする場合には、高送り、高切込み時の切屑詰まり
を回避しつつ、低送り、低切込み時における切屑の凸部
の乗り越えをより確実に防止して切屑を一層確実に分断
できる。
また、凸部の延在方向と直交する断面における断面形
状を、円滑に連続する凸曲線とする場合には、切屑と凸
部とが線接触するため、切屑と凸部との間の摩擦抵抗が
減少して切屑が円滑にカールし、切屑処理能力が向上す
るとともに、凸部の摩耗の進行も緩和される。
[実施例] 以下、第1図ないし第5図を参照して本考案の一実施
例を説明する。
第1図及び第2図に示すように、本実施例のチツプ
は、全体が菱形をなす平板状に形成され、その菱形を呈
する上面10の中央には、当該チツプを工具ホルダに取り
付けるためのクランプねじと嵌合す取付孔11が形成さ
れ、さらにこの取付孔11の周囲には下面12と平行をなす
ボス面13が形成されている。また、チツプの側面14は、
上記ボス面13に対して鋭角方向に傾斜する傾斜面に形成
され、これにより本実施例のチツプは、いわゆるポジ形
式のチツプとされている。
第1図及び第3図に示すように、上面10と側面14との
稜線部には、当該チツプの周縁から内側のボス面13に向
かって順次、円弧状のノーズ部15を有する切刃16と、該
切刃16に沿って延在する凹部17とが形成されている。
上記凹部17の底面17aは、工具ホルダへの装着時に切
刃16に正のすくい角を与えるべく、切刃16からボス面13
の側へ向かうにつれて漸次下面12側に傾斜する傾斜面状
に形成され、そのボス面13に対する傾斜角γは、当該凹
部17の全周に渡って3°〜20°の範囲で一定とされてい
る。なお、この傾斜角γは、被削材の材質等に応じて適
宜変更されるもので、図示の例では、ステンレスや鋼材
を対象として6°に設定されている。また、側面14の逃
げ角αは11°に設定されている。
そして、凹部17のノーズ部15に連なる部分には、上面
10の頂角部分の二等分線方向、すなわち、上面10の対角
線方向に延在する凸部18が形成されている。この凸部18
は、ノーズ部15からボス面13側に向かうに従って漸次そ
の高さが増大する傾斜部19と、この傾斜部19の後端と湾
曲部20を介して連続し、かつ後端がボス面13に達する等
高部21とを有してなるものである。この凸部18の延在方
向と直交する方向からの断面視における断面形状は、第
4図に示すように、傾斜部19の先端から等高部21の後端
に至るまで、幅方向中央を頂点として円滑に連続する凸
円弧状とされている。
ここで、第1図及び第3図に示すように、上記傾斜部
19は、その先端と凹部底面17aとの交点P1がノーズ部15
の湾曲中心P2よりもノーズ部15側に位置するように、換
言すればノーズ部15の曲率半径R1とノーズ部15から上記
交点P1までの距離l1との間に、l1<R1なる関係が成立す
るようにその先端位置が定められている。これは、上記
交点P1を曲率中心P2よりもボス面13側に後退させて設け
ると、切削条件を、仕上げ加工領域のなかでも、より低
送り、低切込み側に設定した場合に、ノーズ部15で生成
される切屑が凸部18に達するまでに過度に伸び、切屑処
理能力が劣化するおそれが生じるからである。なお、距
離l1は曲率半径R1の大きさに応じて適宜変化するもので
あるが、0.05mm〜0.4mmの範囲が好適に用いられる。
また、傾斜部19のボス面13に対する最大傾斜角β、す
なわち、チツプの対角線方向の断面視における傾斜部19
の稜線とボス面13の稜線とのなす角βは一定とされ、そ
の具体的範囲としては、15°〜25°好ましくは18°〜23
°の範囲が用いられる。傾斜角βが15°に満たないと、
低送り、低切込み時に上記ノーズ部15から生成される薄
い切屑が凸部18を乗り越えて成長して分断できなくなる
おそれがあり、他方、傾斜角βが25°を超えると、工具
の送り量や切込み量を増大させた場合に、ノーズ部15で
生成された切屑がノーズ部15と傾斜部19との間に詰まり
がちとなるおそれが生じるからである。
一方、上記等高部21は、その先端から後端に至るまで
一定高さ及び一定幅に形成されている。この等高部21の
高さは、上記ノーズ部15よりも高くなるように低めら
れ、具体的にはその頂点部分がボス面13と同一高さとな
るように設定されている。
ここで、等高部21とノーズ部15との高さの差h1は、被
削材の材質や切削条件等に応じて適宜定めて良いが、な
るべくは0.1mm〜0.3mmの範囲に設定することが好適であ
る。h1が0.1mmに満たないと、工具送り量及び切込み量
を仕上げ加工領域のなかでも特に小さく設定した場合
に、ノーズ部15で生成される切屑が容易に凸部18を乗り
越えて成長するおそれが生じ、他方、h1が0.3mmを超え
ると工具送り量や切込み量が増大した場合に切屑が詰ま
りがちとなるおそれが生じるからである。
さらに、上記湾曲部20は、凸部18の延在方向の断面視
において円弧状をなすように形成されている。この凸部
18の曲率半径R2は上記傾斜部19の傾斜角βや等高部21の
高さ等に応じて適宜定められるが、1.5mm〜5.0mmの範囲
が好適である。
また、第1図及び第5図に示すように、上記ボス面13
の周囲には、該ボス面13に対して所定角度で傾斜する傾
斜面22が形成され、その凸部18との交差部分には、チツ
プの中心側に向かって円弧状に湾曲する円弧部23が形成
されている。これら円弧部23は、上記切刃16の最大切込
み量dmax、すなわち、チツプが破損しない範囲におい
て、切刃16を使用し得る長さの最大値を指示するために
設けられたもので、加えて、特に、切削条件が、低送
り、低切込みの場合において、例えば凸部18の側面に沿
って成長するなどして、円弧部23に至った切屑を、円弧
部23の傾斜でカールして分断することができる。また、
その端部からノーズ部15までの距離l2が最大切込み量d
maxとほぼ一致するようにその形状及び位置が特定され
ている。
なお、この距離l2は、被削材の種類等に応じて種々変
動するものであるが、その目安としては、チツプの内接
円径Dに対して、下式で示す範囲が好適である。
D/5≦l2≦D/3 しかして、以上のように構成されたチツプにおいて
は、凸部18の先端側に設けられた傾斜部19のボス面13に
対する傾斜角βが15°〜25°と、従来のチツプの傾斜角
θ(≒45°)に比して緩やかなため、切削条件を、仕上
げ加工領域内のうちで比較的高送り、高切込み側に設定
しても、ノーズ部15で生成される切屑が凸部18の先端と
の間に詰まることなく連続的にカールして分断される。
また、傾斜部19の先端と凹部底面17aとの交点P1がノ
ーズ部15の曲率中心P2を越えてノーズ部15側へ接近させ
て設けられ、しかも傾斜部19に連なる等高部21の高さ自
体は切刃16よりも高く定められているため、切削条件を
仕上げ加工領域のなかでも特に低送り、低切込み側に設
定しても、切屑が過度に伸びることなく分断される。
従って、本実施例のチツプによれば、仕上げ加工領域
内における高送り、高切込み側の切屑処理能力を維持し
つつ切削処理範囲をより低送り、低送り側へ拡大するこ
とができ、この結果、仕上げ加工領域全般に渡って良好
な切削処理能力が発揮されて、工具の送り量、切込み量
を低くして精密な仕上げ加工を行う場合、逆に送り量等
を比較的高く設定して高能率に仕上げ加工を行う場合の
いずれにも対応できる。
しかも、本実施例では、凸部18の断面形状を特に円弧
状としているため、切屑と凸部18とが常に線接触してこ
れら切屑と凸部18との間の摩擦抵抗も減少する。従っ
て、切屑が一層滑らかにカールしてその分断が促進さ
れ、この結果、切屑処理能力が向上して切屑処理範囲の
拡大にも貢献する。また、切屑との擦過による凸部18の
摩耗も緩和され、チツプの寿命が向上するという効果を
も奏する。
なお、凸部18の断面形状は、必ずしも円弧状とする必
要はなく、その他に、楕円状等種々の変形が可能であ
る。また、上記従来例と同様に略台形状に形成した場合
であっても、上述の傾斜部19等による切屑処理範囲の拡
張効果を発揮できることは勿論である。
また、本実施例では、特に傾斜部19を、その延在方向
の断面視における傾斜角βが一定となるように傾斜させ
ているが、本考案はこれに限るものではなく、例えば第
6図に示すように、その延在方向と直交する断面形状が
凸曲線状をなすように形成する等、種々の変形が可能で
ある。
ここで、第6図のように傾斜部19の断面形状を凸曲線
状に形成した場合、上述した傾斜角βの適正範囲が問題
となるが、かかる場合には、上記断面における傾斜部19
の各部の接線y1〜ynとボス面13とのなす角β1〜βnの最
大値が15°〜25°の範囲となるように設定すれば良い。
さらに、チツプの形状は必ずしも菱形に限るものでは
なく、例えば第7図に示すように三角形状をなすチツプ
の頂角部分に同様の凸部18を設けても良く、その他にも
正方形状等種々変形が可能である。
また、ネガ形式のチツプであっても、上下面の頂角部
分に同様の凸部18を設けることで同等の効果を奏し得
る。
[実験例] 次に、本考案の効果を明らかにすべく、上記実施例の
チツプを用いて切削試験を行った実験例を説明する。
第1図ないし第5図に示すチツプを中ぐりバイト用の
工具ホルダに装着して被削材の中ぐり加工を行い、この
ときの切屑処理範囲を確認した。この結果を第8図に示
す。また、同時に上記チツプと大きさが等しく、かつ凸
部の寸法のみが異なる比較用のチツプを2種類製作し、
同一の切削条件で比較試験を行った。この結果も第8図
に併せて示す。
なお、切削条件は、被削材の材質をSNCM439、切削速
度を100mm/min.とした。また、チツプの内接円径Dは9.
525mm、コーナ角は80°、すくい角γは6°、逃げ角α
は11°とし、その他の頂角部分の各寸法(第3図参照)
を別表1に示す通りとした。
第8図から明らかなように、凸部18の傾斜部19の傾斜
角βを、本考案の適正範囲を下回る12.5°に設定した比
較例1のチツプでは、高送り、高切込み側において、仕
上げ加工領域の上限として設定した切込み量d=2.0m
m、送り量f=0.3mm/rev.を越える範囲までが切屑処理
範囲に含まれるものの、逆に低送り、低切込み側では、
切込み量d=0.5mm以下が切屑処理範囲外となり、十分
ではない。これは、特に傾斜角βが不足することから、
ノーズ部15で生成される薄い切屑が凸部18に乗り越えて
しまい、効果的に分断できなくなるためと推察される。
一方、傾斜部の傾斜角βを、本考案の適正範囲を上回
る35°に設定した比較例2のチツプでは、切屑処理範囲
が低送り、低切込み側に広がるものの、傾斜角βが大き
すぎるために高送り、高切込み側で切屑詰まりが発生
し、切屑処理範囲が明らかに低送り、低切込み側へ偏っ
ている。
以上の比較例に対して、本考案にかかるチツプでは、
高送り、高切込み側において、切込みd=2.0、送りf
=3.0mm/rev.を越える範囲までが切屑処理範囲に含まれ
る一方で、低送り、低切込み側においても切屑処理範囲
が拡大し、仕上げ加工領域全般に渡って切屑処理能力を
効果的に発揮できた。以上より、本考案にかかるチツプ
の優位性が確認された。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案のチツプは、切屑を分
断するための凸部が、切刃のノーズ部からチツプ内側の
ボス面に向かうに従って漸次その高さが増大する傾斜部
と、該傾斜部の後端に連なって延在しかつ後端が上記ボ
ス面に達するほぼ一定高さの等高部とを有しており、し
かも、上記傾斜部の先端が、上記ノーズ部の曲率中心を
越えてノーズ部側に接近させて設けられるとともに、傾
斜部のボス面に対する最大傾斜角が15°〜25°の範囲が
設定され、さらには上記等高部の高さが上記切刃よりも
高くなるように形成されてなるものであるから、高送
り、高切込み時における切屑の詰まりを回避してその切
屑処理能力を維持しつつ、低送り、低切込み側の切屑処
理範囲を広げることができる。
このため、本考案のチツプによれば、切屑処理範囲が
仕上げ加工領域の全般に渡って拡大し、送り量等を低く
設定して精密仕上げ加工を行う場合から、送り量等を高
く設定して高能率に仕上げ加工を行う場合に至るまで常
に円滑に切屑を処理できるという優れた効果を奏する。
また、特に凸部の延在方向と直交する断面視における
断面形状を、円滑な凸曲線を描くように形成した場合い
は、切屑と凸部とが線接触するため、凸部と切屑との間
の摩擦抵抗が減少して切屑が円滑にカールする。このた
め、かかる場合には、切屑の分断がより促進されて切屑
処理範囲が一層拡大し、さらには、切屑との擦過による
凸部の摩耗の進行も緩和されるので、チツプの寿命が向
上するという効果をも併せて発揮する。また、ボス面の
周囲において凸部との交差部分には、ボス面に対して傾
斜する傾斜面が形成されているので、特に切削条件が、
低送り、低切込みの場合において、例えば凸部の側面に
沿って成長するなどして、傾斜面に至った切屑を、傾斜
面の傾斜でカールして分断することができる。また、こ
の傾斜面により、切刃を使用し得る長さの最大値が指示
される。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本考案の一実施例を示すもので、
第1図は平面図、第2図は側面図、第3図は第1図のI
−I線における断面図、第4図は第1図のII−II線にお
ける断面図、第5図は第1図のIII−III線における断面
図、 第6図は凸部の傾斜部を変形した例を示す断面図、 第7図はチツプの全体形状を変形した例を示す断面図、 第8図は第1図に示すチツプの切削試験で得られた切屑
処理範囲をその比較例とともに示す図、 第9図及び第10図は従来例を示す図で、第9図は平面
図、第10図は第9図のIV−IV線における断面図、 第11図ないし第13図は他の従来例を示す図で、第11図は
平面図、第12図は第11図のV−V線における断面図、第
13図は第11図のVI−VI線における断面図である。 10……上面、13……ボス面、15……ノーズ部、16……切
刃、17……凹部、17a……凹部底面、18……凸部、19…
…傾斜部、21……等高部、β……傾斜部の最大傾斜角、
h1……等高部と切刃との高さの差。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多角形平板状をなし、その多角形を呈する
    上下面(10、12)の少なくとも一方の頂角部分には、周
    縁から内側のボス面(13)に向けて順次、円弧状のノー
    ズ部(15)を有する切刃(16)と、該切刃(16)に沿っ
    て延在して切刃(16)のすくい面をなす凹部(17)とが
    形成され、該凹部(17)には、上記ノーズ部(15)の近
    傍から上記ボス面(13)に向かって延在する凸部(18)
    が形成されてなるスローアウエイチップであって、 上記凸部(18)は、上記ノーズ部(15)から上記ボス面
    (13)に向かうに従って漸次その高さが増大する傾斜部
    (19)と、この傾斜部(19)の後端に連なって延在し、
    かつ後端が上記ボス面(13)に達するほぼ一定高さの等
    高部(21)とを有してなり、 上記傾斜部(19)は、その先端が、上記ノーズ部(15)
    の曲率中心(P2)を越えてノーズ部(15)側に接近させ
    て設けられるとともに、その上記ボス面(13)に対する
    最大傾斜角(β)が15°〜25°の範囲に設定され、 上記等高部(21)は、その高さが、上記切刃(16)より
    も高くなるように形成されており、 前記ボス面(13)の周囲において凸部(18)との交差部
    分には、ボス面(13)に対して傾斜する傾斜面(23)が
    形成されていることを特徴とするスローアウエイチッ
    プ。
  2. 【請求項2】上記等高部(21)の高さと上記切刃の高さ
    との差(h1)が0.1mm〜0.3mmの範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のスローアウエイチップ。
  3. 【請求項3】上記凸部(18)は、その延在方向と直交す
    る断面形状が、円滑に連続する凸曲線をなすように形成
    されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    のスローアウエイチップ。
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