JPH0553807U - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JPH0553807U
JPH0553807U JP10800791U JP10800791U JPH0553807U JP H0553807 U JPH0553807 U JP H0553807U JP 10800791 U JP10800791 U JP 10800791U JP 10800791 U JP10800791 U JP 10800791U JP H0553807 U JPH0553807 U JP H0553807U
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nose
breaker
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正之 叶澤
陽一 石川
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切屑処理性能を犠牲にすることなく、切刃の
ノーズ部及びノーズ部以外の部分を有効に使用して全体
の寿命を延ばすことができるチップを提供する。 【構成】 切刃のノーズ部37に連なるすくい面36上
に、ノーズ部37をほぼ2等分する方向へ延びる突条ブ
レーカ39を形成する。突条ブレーカ39の先端に、す
くい面36と対向する側からの平面視でノーズ部37の
頂点Pに向かって突出する凸曲面45を形成する。凸曲
面45は、該凸曲面45上を通過する等高線の曲率半径
がすくい面36から突条ブレーカ上面39aへ向かう程
減少し、等高線の曲率中心が突条ブレーカ39の上面3
9aへ向かう程ノーズ部37の頂点Pから漸次離間する
ように形成する。ノーズ部37の後方には補助刃部48
を形成する。補助刃部48に連なるすくい面には、ノー
ズ部37側のランド幅F1よりも広いランド幅F2を有す
る第2のランド部47を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、切削工具の工具本体に着脱自在に取り付けられるスローアウェイ チップに係り、詳しくは、切刃のノーズ部の寿命が長くて経済性に優れたスロー アウェイチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
被削材の切削加工に使用される切削工具として、近年、工具ホルダに板状のス ローアウェイチップ(以下、チップと称する。)を着脱自在に装着したいわゆる スローアウェイ式切削工具が盛んに使用されている。 ここで、この種の工具に使用されるチップにあっては、切刃のノーズ部で生成 される切屑の処理能力の向上を図るため、ノーズ部に連なるすくい面上にブレー カが形成される場合が少なくない。そして、このようなブレーカを設ける態様に は、切刃のノーズ部をほぼ2等分する方向へ延びる突条ブレーカを設ける例と、 ノーズ部の近傍に独立して島状ブレーカを設ける例との2種類が存在する。
【0003】 図16〜図22は、上述した2態様のブレーカのうち突条ブレーカを備えたチ ップの一例を示す図である。これらの図において1はチップ、2はチップ1のす くい面、3はチップ1の逃げ面であって、これらすくい面2と逃げ面3との交差 稜線部にノーズ部4を有する切刃5が形成されている。そして、すくい面2上に は、切刃5のノーズ部4をほぼ2等分する方向へ延びる突条ブレーカ6が形成さ れ、その先端は、すくい面2と対向する側から平面視した際にノーズ部4の頂点 Pに向かって突出する凸曲面7に形成されている。この凸曲面7は、突条ブレー カ6の上面6aを基準として描いた等高線h1〜h4から明らかなように、その曲 率半径がすくい面2から突条ブレーカ6の上面6aへ向かうほど減少するように 形成されている。しかも、凸曲面7上を通過する等高線h1〜h4の曲率中心O1 〜O4は、突条ブレーカ6の上面6aと直交する一の直線L上に配置され、これ により凸曲面7は円錐面の一部をなしている。このように、突条ブレーカ6の先 端に円錐面の一部を構成する凸曲面7が設けられたチップ1を、以下、第1の従 来例と称する。そして、このような第1の従来例に属するチップとしては、実開 昭59−191201号、実開昭56−2302号に記載されたものが知られて いる。
【0004】 一方、図23〜図28に示すチップ10は、ノーズ部4の近傍のすくい面2上 に、当該すくい面2から突出する島状ブレーカ11が形成されてなるもので、こ の例の島状ブレーカ11は、等高線h1〜h4から明らかなように、球状面の一部 をなすように形成されている。このような島状ブレーカ11を有するチップ10 を以下第2の従来例と称する。そして、かかる第2の従来例に属するチップとし ては、実開昭52−93984号、実開平2−104904号、実開昭54−3 8997号に記載されたものが知られている。
【0005】 また、図29〜図36に示すチップ20は、第1の従来例と同様、すくい面2 上にノーズ部4を2等分する方向へ延びる突条ブレーカ21が形成されたもので あるが、突条ブレーカ21の先端形状が異なる。すなわち、第1の従来例では、 突条ブレーカ6の先端の凸曲面7が、すくい面2と対向する側からの平面視でノ ーズ部4の頂点Pへ向けて円弧状に突出しているが、この例のチップ20では、 突条ブレーカ21の先端に形成される凸曲面22が、図34〜図36に示すよう に突条ブレーカ21の延在方向と直交する断面視でチップ20の上方へ円弧状に 突出するように形成されている。そして、この凸曲面22の上記断面上での曲率 半径はノーズ部4の頂点Pへ向かうほど減少せしめられ、これにより、凸曲面2 2の上端稜線22a(図29、30参照)がすくい面2へ向けて徐々に落ち込む ようになっている。このような突条ブレーカ21を有するチップ20を以下第3 の従来例と称する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述した第1〜第3の従来例に係るチップ1、10、20では、切 刃5のノーズ部4での切屑処理性能の改善を目的としてブレーカ形状に工夫が凝 らされているものの、切刃5のノーズ部4以外の部分の切削性能や寿命には十分 な配慮がなされていなかった。
【0007】 また、ノーズ部4に関しても、その寿命や切屑処理性能に関して未だ改良の余 地があった。 すなわち、第1の従来例に示すチップ1では、図17、図24及び図30を比 較すれば明らかなように、突条ブレーカ5の先端(凸曲面7)の立ち上がりが他 の従来例よりも急であるため、切削速度や切込みを大きくした場合に切屑の詰ま りが生じ易く、切屑詰まりによって切刃欠損が発生してノーズ部4の寿命が損な われるおそれが大きい。この切屑詰まりを防止するには、突条ブレーカ5の凸曲 面7全体をノーズ部4から遠ざける必要があるが、この場合には切削速度や切込 み量が微小な領域で切屑がブレーカに衝突しなくなり、所望の切屑処理性能が得 られなくなる不都合が生じる。
【0008】 これに対して、第2の従来例では、ブレーカの立ち上がりが緩やかになるため に、ブレーカ11の先端をノーズ部4に接近させても切屑詰まりが生じるおそれ が少なく、比較的広い範囲で良好な切屑処理性能を発揮させることができる。し かも、島状ブレーカ11の位置を変化させたり、複数設けたりすることにより、 円滑な切屑処理が可能な範囲を一層拡大できる。しかしながら、この第2の従来 例では、島状ブレーカ11の体積が第1の従来例よりも遥かに小さく、しかも、 すくい面2上で孤立しているので、切屑との擦過によって島状ブレーカ11の摩 耗が早期に進行し、この結果、所望の切屑処理性能が早期に得られなくなって切 屑が長く伸び、切屑の絡み付きによってノーズ部4が損傷するおそれが高まる。
【0009】 また、第3の従来例も、ブレーカ先端の凸曲面22の立ち上がりが緩やかなた めに切屑詰まりが生じにくいものの、突条ブレーカ21の全長に占める凸曲面2 2の割合が大きく、ブレーカ体積が第1の従来例よりも特に先端側で小さくなる ため、第2の従来例と同様に摩耗が早期に進行してノーズ部4の寿命が早く尽き る。 この考案は、このような背景の下になされたもので、切屑処理性能を犠牲にす ることなく、切刃のノーズ部及びノーズ部以外の部分を有効に使用して全体の寿 命を延ばすことができるチップを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの考案は、すくい面と逃げ面との交差稜線部に、 少なくとも一のノーズ部を有する切刃が形成されてなるスローアウェイチップで あって、上記切刃の上記ノーズ部に連なるすくい面上に、当該ノーズ部をほぼ2 等分する方向へ延びる突条ブレーカが形成され、この突条ブレーカは、その先端 に、上記すくい面と対向する側から平面視した際に上記切刃の上記ノーズ部の頂 点に向かって突出する凸曲面を有し、この凸曲面は、当該凸曲面上を通過する等 高線の曲率半径が上記すくい面から当該突条ブレーカの上端へ向かうに連れて漸 次減少し、かつ、上記等高線の曲率中心が当該突条ブレーカの上端に向かうに連 れて上記切刃の上記ノーズ部の頂点から漸次離間するように形成され、上記切刃 のノーズ部の後方には補助刃部が当該ノーズ部の後端に連続させて形成され、こ れらノーズ部及び補助刃部に連なるすくい面のうち、少なくとも上記補助刃部に 連なるすくい面上にはランド部が形成され、上記補助刃部に連なるランド部のラ ンド幅は、上記ノーズ部側のランド幅よりも広くなるように定められてなるもの である。 ここで、ノーズ部にはランド部が設けられているか否かを問わない。また、ノ ーズ部にランド部が設けられない場合のノーズ部側のランド幅は0であり、この 場合には補助刃部にランド部が形成されていさえすれば、補助刃部に連なるラン ド部のランド幅がノーズ部側のランド幅よりも大きいという条件が満たされる。
【0011】
【作用】
上記構成によれば、切刃のノーズ部側においては、突条ブレーカの先端が、す くい面と対向する側から平面視した際に切刃のノーズ部頂点に向けて突出する凸 曲面によって形成されているので、突条ブレーカの先端部の体積が上述した第1 の従来例と同様に十分確保されて早期摩耗が防止される。しかも、凸曲面の曲率 半径が突条ブレーカの上端に向かう程減少するとともに、曲率中心が突条ブレー カの上端へ向かう程ノーズ部の頂点から後退しているので、ブレーカ先端の立ち 上がり方が緩やかになり、この結果、ブレーカの先端上部がノーズ部から十分に 離れて切削速度や切込み量が大きい領域での切屑詰まりが防止される一方、ブレ ーカの先端下部がノーズ部に十分接近して切削速度や切込み量が小さい領域でも 切屑が確実にブレーカと衝突してその分断が促進される。
【0012】 そして、ノーズ部の後方には当該ノーズ部に連続して補助刃部が形成されてい るので、ノーズ部の寿命が尽きた後も、例えば面取り加工など、ノーズ部では行 わない他の種類の加工を補助刃部で行うことによってチップの寿命が一層延びる 。しかも、補助刃部に連なるすくい面上にランド部が設けられているので、補助 刃部の強度が高くなって、欠損等によるチップ寿命の短縮化も防がれる。
【0013】 なお、補助刃部に必ずランド部を設けるようにしたのは、ノーズ部と補助刃部 との使われ方の違いによる。すなわち、切刃のノーズ部は専ら軽切削乃至中切削 領域で使用されるために、特にランド部を設けなくとも十分な切刃強度を得るこ とができるが、ノーズ部の後方に配置される補助刃部は、ノーズ部を持たないた めに、被削材の角部や突起など、被削材表面から突出する部分の切削を担当する こととなって比較的大切込みで使用されるため、その負荷も大きく、ランド部を 設けなければ十分な切刃強度を確保できないためである。従って、ノーズ部にも ランド部を付ける場合には、より高負荷がかかる補助刃部側のランド幅をノーズ 部側よりも大きく設定することが必要となる。
【0014】
【実施例】
以下、図1〜図14を参照して、本考案の一実施例を説明する。 まず、図1〜図5を参照して本実施例に係るチップの概略構成を説明する。こ れらの図に示すように、本実施例に係るチップ30は、サーメットや超硬合金等 の硬質材料を平面視して略平行四辺形状をなす平板状に成形してなるもので、厚 さ方向に並ぶ一対の上下面31、32と、この上下面31、32の周囲に配置さ れる4つの周面33…と、当該チップ30を厚さ方向に貫いて上下面31、32 の中心位置に開口する取付孔34とを有している。
【0015】 上面31は、取付孔34の周囲に設けられて取付孔34の軸線と直交する方向 に延びる平坦なボス面35と、ボス面35から一段低められたすくい面36とを 有し、これらすくい面36と周面33との交差稜線部に所望の曲率半径で湾曲す るコーナ部37を備えた切刃38が形成されている。従って、この例では周面3 3が逃げ面を構成することとなる。そして、周面33は上面31のボス面35と 直交する平面に形成され、これによりチップ30はいわゆるネガティブ形状をな している。なお、以上では上面31について説明したが、下面32も上面31と 同一形状、同一寸法に形成されている。従って、以下では、上面31についての 説明がそのまま下面32にも適用されるものとする。
【0016】 切刃38のノーズ部37に連なるすくい面36上には、ノーズ部37をほぼ2 等分する方向へ延びる突条ブレーカ39が形成されている。この突条ブレーカ3 9の後端側は、ノーズ部37の後端部37aへ向けて膨らむ第1の拡幅部40を 介してボス面35に連なっている。そして、これら第1の拡幅部40の上面40 a及び突条ブレーカ39の上面39aはボス面35と面一をなす平坦面に形成さ れている。なお、第1の拡幅部40は、切刃37の後端部37aで生成される切 屑をカールさせるための障壁40bを提供するとともに、上面31を工具ホルダ (図示略)への着座面とした際の着座面積を増大させてチップの安定性を高める ために設けられたものである。このような着座面積の増大の観点から、ボス面3 5は上面31の各辺中央へ向けて突出する突出部41を有し、さらにチップ30 の鈍角端C2の近傍には、第1の拡幅部40あるいは突条ブレーカ39よりもや や小型の第2の拡幅部42及び突条部43が形成され、これらの上面42a、4 3aはボス面35と面一をなす平坦面に形成されている。
【0017】 突条ブレーカ39の側方には、すくい面36から突条ブレーカ39の上面39 aへ向けて立ち上がる側壁44が形成され、これら側壁44はすくい面36から 上面39aへ向かうほど突条ブレーカ39の幅方向中心側へ後退する傾斜面をな している。そして、突条ブレーカ39の先端には、すくい面36と対向する側か ら平面視した際にノーズ部37の頂点Pに向かって突出する凸曲面45が形成さ れている。
【0018】 図6〜図14に示すように、凸曲面45は、ボス面35を基準として描いた等 高線h1〜h5のうち凸曲面45上を通過する4本の等高線h1〜h4(等高線h1 は上面39の周縁に一致する。)の曲率半径が、すくい面36から突条ブレーカ 39の上面39aへ向かうに連れて漸次減少し、かつ、等高線h1〜h4の曲率中 心O1〜O4が突条ブレーカ39の上面39aへ向かうに連れてノーズ部37の頂 点Pから漸次離間するように形成されている。 ここで、凸曲面45の曲率半径や曲率中心位置等の具体的形状は、チップ30 が使用される切削条件や被削材の材質等に応じて適宜定められるが、ノーズ部3 7の曲率半径をR0としたときに、ノーズ部37の頂点Pから突条ブレーカ39 の最先端までの距離Mが0.4R0〜2.0R0で、かつ、凸曲面45をチップ3 0の鋭角端C1同士を結ぶ対角線に沿ってボス面35と直交する方向へ断面視し たときの稜線Kのボス面35に対する傾斜角θ(図7参照)が12゜ 〜22゜ の 範囲となるように形状を定めると良い。ちなみに、図示の例では、ノーズ部37 の曲率半径R0が0.8mmで、距離Mが0.5mm、傾斜角θが15゜ に設定され ている。なお、凸曲面45の稜線Kは必ずしも直線に形成する必要はなく、凸曲 線や凹曲線でも良い。これら曲線状に形成する場合の稜線Kの傾きの好適範囲は 、稜線Kの各部における接線の傾斜角が上記傾斜角θの範囲にあれば良い。
【0019】 図1〜図5に示すように、ノーズ部37とすくい面36との間には、周面33 と直交する第1のランド部46が形成されている。さらに、第1の拡幅部40と 第2の拡幅部42とに挟まれた部分には第1のランド部46よりも幅の広い第2 のランド部47が形成され、この第2のランド部47と周面33との交差稜線に は補助刃部48が形成されている。この補助刃部48は、ノーズ部37の後端に 連続させて形成され、これら補助刃部48とコーナ部37とによって本実施例の 切刃38が構成されている。
【0020】 そして、これら第1、第2のランド部46、47のランド幅F1、F2は、第2 のランド部47のランド幅F2が第1のランド部46のランド幅F1よりも大きく なるように定められている。このランド幅F1、F2の比、F1/F2はノーズ部3 7や補助刃部48の使用条件に応じて適宜定めて良いが、1/5〜3/5の範囲 が好適に用いられる。また、ノーズ部37の頂点Pからノーズ部37の後端部3 7aまでの距離S1及び補助刃部48の長さS2も使用条件に応じて適宜定めて良 いが、チップ30の一辺の長さをS0としたときに、ノーズ部37の距離S1を0 .15S0〜0.35S0に、補助刃部48の長さS2を0.3S0〜0.7S0の 範囲に設定することが望ましい。
【0021】 以上のように構成されたチップ30においては、突条ブレーカ39の先端が、 すくい面36と対向する側から平面視した際にノーズ部37の頂点Pに向けて突 出する凸曲面45によって形成されているので、突条ブレーカ39の先端部の体 積が第1の従来例と同様に十分確保されて早期摩耗が防止される。しかも、凸曲 面45の曲率半径が突条ブレーカ39の上面39aに向かう程減少するとともに 、凸曲面45の曲率中心が上面39aへ向かう程ノーズ部37の頂点Pから後退 しているので、突条ブレーカ39の先端の立ち上がり方が緩やかに、すなわち、 図7に示す稜線Kの傾斜が緩やかになる。従って、突条ブレーカ39の先端上部 がノーズ部37から十分に後退し、これにより切削速度や切込み量が増加しても 切屑詰まりが生じにくくなる。一方、突条ブレーカ39の先端下部はノーズ部3 7へ十分に接近するので、切削速度や切込み量が小さくても切屑が確実に突条ブ レーカ39に衝突して切屑の分断が促進される。 このように、本実施例のチップ30によれば、良好な切屑処理性能が広い範囲 で発揮され、かつ突条ブレーカ39の早期摩耗も防止されるので、切屑処理の悪 化に起因するノーズ部37の損傷が長期間に渡って防止されてノーズ部37の寿 命が向上する。
【0022】 そして、ノーズ部37の後方に補助刃部48が設けられているので、例えば図 15に示すように、被削材Wの角部Eに補助刃部48を押し付けて面取り加工を 行うなど、ノーズ部37の寿命が尽きた後もチップ30を使用できてチップ30 の寿命が向上する。この場合、第2のランド部47によって補助刃部48の刃先 が強化されるので切刃欠損も生じにくい。さらに、第2のランド部47のランド 幅F2が第1のランド部46のランド幅F1よりも大きいので、補助刃部48では 刃先が強化されて上述した面取り加工のような負荷が大きい加工を切刃欠損を招 くことなく行うことができる。他方、ノーズ部37では過剰な刃先強度を排して 鋭利な刃先を得ることにより切れ味の向上や切削抵抗の減少が達成される。
【0023】 なお、本実施例では、上下面31、32を平行四辺形状に形成しているが、こ れに限らず、三角形、正方形、菱形等種々変更してよい。また、ネガティブ形状 のチップに限る必要もなく、周面33がボス面35に対して鋭角をなすように傾 斜するポジティブ形状のものでも当然に適用可能である。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、突条ブレーカの先端部の早期摩耗が 防止される一方で、突条ブレーカ先端の立ち上がり方が緩やかになるために切削 速度や切込み量が大きい領域での切屑詰まりが防止されるとともに、切削速度や 切込み量が小さい領域でも良好な切屑処理性能が発揮されるので、切屑処理性能 が犠牲にされることなく、ノーズ部の寿命が向上する。 しかも、補助刃部によってノーズ部で行わない他の種類の加工を行うことがで きるのでチップ寿命が一層向上し、さらに、補助刃部はランド幅が広いランド部 によって強化されているのでより一層寿命が向上する。 以上より、本考案によれば、切屑処理性能を犠牲にすることなく、切刃のノー ズ部及びノーズ部以外の部分を有効に使用して全体の寿命を延ばすことができる チップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るチップの平面図であ
る。
【図2】図1に示すチップの同図矢印II方向からの側面
図である。
【図3】図1のIII−III線における断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における断面図である。
【図5】図1のV−V線における断面図である。
【図6】図1に示すチップの切刃のノーズ部近傍を拡大
した図である。
【図7】図6のVII−VII線における断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】図6のIX−IX線における断面図である。
【図10】図6のX−X線における断面図である。
【図11】図6のXI−XI線における断面図である。
【図12】図6のXII−XII線における断面図である。
【図13】図6のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】図6のXIV−XIV線における断面図である。
【図15】図1に示すチップの使用状態の一例を示す図
である。
【図16】第1の従来例に係るチップの切刃ノーズ部近
傍を拡大した図である。
【図17】図16のXVII−XVII線における断面図であ
る。
【図18】図16のXVIII−XVIII線における断面図であ
る。
【図19】図16のXVI−XVI線における断面図である。
【図20】図16のXX−XX線における断面図である。
【図21】図16のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】図16のXXII−XXII線における断面図であ
る。
【図23】第2の従来例に係るチップの切刃ノーズ部近
傍を拡大した図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV線における断面図であ
る。
【図25】図23のXXV−XXV線における断面図である。
【図26】図23のXXVI−XXVI線における断面図であ
る。
【図27】図23のXXVII−XXVII線における断面図であ
る。
【図28】図23のXXVIII−XXVIII線における断面図で
ある。
【図29】第3の従来例に係るチップの切刃ノーズ部近
傍を拡大した図である。
【図30】図29のXXX−XXX線における断面図である。
【図31】図29のXXXI−XXXI線における断面図であ
る。
【図32】図29のXXXII−XXXII線における断面図であ
る。
【図33】図29のXXXIII−XXXIII線における断面図で
ある。
【図34】図29のXXXIV−XXXIV線における断面図であ
る。
【図35】図29のXXXV−XXXV線における断面図であ
る。
【図36】図29のXXXVI−XXXVI線における断面図であ
る。
【符号の説明】
30 チップ 33 周面(逃げ面) 36 すくい面 37 ノーズ部 38 切刃 39 突条ブレーカ 45 凸曲面 46,47 ランド部 48 補助刃部 h1〜h4 等高線 O1〜O4 等高線の曲率中心 P ノーズ部の頂点

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すくい面と逃げ面との交差稜線部に、少
    なくとも一のノーズ部を有する切刃が形成されてなるス
    ローアウェイチップであって、 上記切刃の上記ノーズ部に連なるすくい面上に、当該ノ
    ーズ部をほぼ2等分する方向へ延びる突条ブレーカが形
    成され、 この突条ブレーカは、その先端に、上記すくい面と対向
    する側から平面視した際に上記切刃の上記ノーズ部の頂
    点に向かって突出する凸曲面を有し、この凸曲面は、当
    該凸曲面上を通過する等高線の曲率半径が上記すくい面
    から当該突条ブレーカの上端へ向かうに連れて漸次減少
    し、かつ、上記等高線の曲率中心が当該突条ブレーカの
    上端に向かうに連れて上記切刃の上記ノーズ部の頂点か
    ら漸次離間するように形成され、 上記切刃のノーズ部の後方には補助刃部が当該ノーズ部
    の後端に連続させて形成され、 これらノーズ部及び補助刃部に連なるすくい面のうち、
    少なくとも上記補助刃部に連なるすくい面上にはランド
    部が形成され、 上記補助刃部に連なるランド部のランド幅は、上記ノー
    ズ部側のランド幅よりも広くなるように定められている
    ことを特徴とするスローアウェイチップ。
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