JP2564765B2 - マクロライド系抗生物質のフルオロ糖誘導体 - Google Patents

マクロライド系抗生物質のフルオロ糖誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は医科学の分野で有用な新規化合物に関するも
のである。より詳細には、本発明は対象哺乳動物、特に
ヒトに免疫抑制薬として投与するために有用な新規化合
物に関するものである。これらの新規な免疫抑制薬は、
FK−506およびFK−520として知られているマクロライド
系抗生物質に匹敵する。これらについては米国特許第4,
894,366号明細書に詳述されている。本発明の新規化合
物は、皮膚または器官の移植手術後の移植片拒絶反応を
予防または治療する際に、また自己免疫疾患、たとえば
慢性関節リウマチおよび乾癬を予防または治療する際
に、特に有用であろう。さらにこれらのマクロライド誘
導体は、真菌により引き起こされる感染症を予防または
治療する際に有用であろう。
移植手術後の移植片または器官の移植片拒絶反応は、
外来抗原が宿主の免疫反応系により認識された時点で起
こる一般的な出来事である。その際に宿主の免疫反応系
は、自身をそれらの外来組織から“保護”しようとし
て、それの細胞性または体液性の貯蔵物(arsenal)を
放出する。活性化されたリンパ球および抗体の双方がこ
の外来組織を攻撃し、その結果混乱を生じ、しばしばそ
の組織は最終的に拒絶される。
同様に、自己免疫疾患および慢性炎症性疾患において
免疫調節不整が起こることは周知である。その状態を生
じる病因に関係なく、種々の自己抗体および自己反応性
リンパ球がしばしば出現して、状態を複雑にする。
免疫反応系を標的とする処置はしばしばその系の完全
な遮断をもたらし、身体が感染と戦う能力を低下させ
る。これは、遮断に至る最初の状態と同程度に危険とな
る可能性がある。
現在、移植片拒絶反応を予防または治療するための主
な薬剤は、米国食品医薬品局により1983年に承認された
シクロスポリンAである。この薬物は、身体の免疫反応
系がそれの天然の保護物質貯蔵物を動員して移植片の外
来蛋白質を拒絶するのを抑制することにより作用する。
シクロスポリンは移植片拒絶反応の克服に有効ではある
が、それは腎不全、肝臓障害および潰瘍を引き起こす可
能性があるという点で欠点がある;これらは多くの場合
著しく重症となる可能性がある。免疫反応系に作用する
それらの能力においてより選択的であり、かつ副作用が
より少ない、より安全な薬物が絶えず求められている。
米国特許第4,894,366号明細書にはマクロライド系抗
生物質FK−506およびFK−520が、特に免疫抑制薬として
示され、これには“移植に対する抵抗”、自己免疫疾
患、および感染性疾患の治療が含まれる。国際特許出願
公開WO 91/02736号明細書には、FK−506、FK−520、お
よび関連のマクロライド系抗生物質の誘導体が示されて
いる。欧州特許出願公開第428,365A1号明細書には、FK
−506、FK−520、および関連のマクロライド系抗生物質
の他の種々の誘導体が示されている。
発明の概要 本発明は次式の化合物: またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を対象とす
る。
式中のnは、1または2であり; 点線は、R2がHである場合に任意の2重結合を表し; AおよびBは別個のものであって、AがHであり、かつ
BがHもしくはOHであるか、またはAとBは一緒になっ
て=Oを形成し; R2は、H、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0
であり; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R1およびR0は、それぞれH、 であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、−C
H2OH、H、−CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2
−CONHR8、−CON(R8)2、−CH2OCOR8、−CH2OCO2R8、−C
H2OCONR2 8、または−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキ
シ、ベンジルオキシ、−OH、−OCOR8、−OCOCH2R8、−O
CO2R8、または−OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
ている)であり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;mが0
である場合、R4は−CH2F、−CHF2、または−CF3であ
り;R0である場合、R1はHではなく;かつ式(II)および(II
I)において環炭素はそれぞれ少なくとも1個の水素原
子を保有しなければならない。
本発明の好ましい一群の化合物は、式(I)において
nが2であり;点線が結合を表さず;AとBが一緒になっ
て=Oを形成し; R1 であり;R2が−OHであり;R3がエチルであり;R4がH、
−CH2OH、−CH2F、−CH2OCOCH3、または−CH2OCH2C6H5
であり;R5が−OH、−CH2OCH2C6H5、または−OCOCH3
ある化合物群である。
この群のうち特に好ましいものは、R1が下記のもので
ある化合物である: 本発明の好ましい第2群の化合物は、式(I)におい
てnが2であり;AおよびBが別個のものであって、Aが
Hであり、かつBがHであり;点線が結合を表さず;R2
が−OHであり;かつR3がエチルである化合物群である。
式(I)の化合物は免疫抑制薬として有効である。こ
の有効性によりこれらの化合物は移植片拒絶反応を予防
または治療する際に有用である。さらにこの有効性によ
りこれらの化合物は哺乳動物、特にヒトにおいて自己免
疫疾患、たとえば慢性関節リウマチおよび乾癬を予防ま
たは治療する際にも有用である。
“移植”という語を上記および以下において用いる場
合、それは個体の一部分にその固体の他の部分からの、
または他の個体から採取した組織または器官を移植する
ことを意味する。代表的な移植には骨髄、心臓、腎臓、
腱および膵十二指腸の移植が含まれるが、これらに限定
されない。
“移植片”という語を上記および以下において用いる
場合、それは移植に用いられる結合していない組織また
は器官を意味する。代表的な移植片には皮膚、骨、脂肪
および神経の移植片が含まれるが、これらに限定されな
い。
さらにまた本発明の式(I)の化合物は抗真菌活性を
もつ。従ってこれらの化合物は、哺乳動物において真菌
により引き起こされる感染症を治療または予防するため
に用いることができる。
詳細な記述 本発明の式(I)の化合物は容易に製造される。最も
一般的には、下記の式(IV)または(V)のマクロライ
ド系抗生物質を次式の適切な糖ハロゲン化誘導体: (式中のXはハロ、たとえばブロモまたはヨードであ
る)と結合させる。次いで結合した(すなわちグリコシ
ル化された)マクロライド系抗生物質を下記に従ってさ
らに修飾する。
式(IV)および(V)のマクロライド系抗生物質の製
法は文献中で周知である。これらのマクロライド系抗生
物質に至る一般的に好ましい経路は、ストレプトミセス
属(Streptomyces)に属する微生物の生物発酵によるも
のである。R3がアリルである式(IV)および(V)の化
合物は、ストレプトミセス・ツクバエンシス(S.tsukub
aensis)No.9993(Ferm BP−927)の発酵により得られ
る。R3がエチルである式(IV)の化合物およびR3がメチ
ルである式(IV)の化合物は、ストレプトミセス・ハイ
グロスコピカス亜種アスコミセチカス(S.hygroscopicu
s subsp.ascomyceticus)ATCC 14891の発酵により得ら
れる。
ストレプトミセス・ハイグロスコピカス亜種アスコミ
セチカスATCC 14891の凍結試料は、アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション、米国、20852、マリーラ
ンド州ロックビル、パークローン・ドライブ12301に199
2年1月13日にブダペスト条約の条項のもとに寄託され
た。この新たに寄託された培養物には新たな受託番号AT
CC 55276が与えられた。
ストレプトミセス・ツクバエンシスNo.9939(Ferm BP
−927)は現在、工業技術院微生物工業技術研究所(日
本国茨木県筑波群谷田部町東1丁目1−3)にブダペス
ト条約の規定のもとに寄託されている。新鮮な微生物試
料がブダペスト条約に条項に従ってアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションに寄託されるであろう。
上記の微生物を別個に栄養培地水溶液に装入すると、
前記式IVおよびVの化合物が産生されるであろう。これ
らのマクロライド系抗生物質を産生するための上記微生
物の発酵は、実質的に米国特許第4,894,366号明細書の
記載に従って行われる。これを本明細書に参考として引
用する。そこに示された方法に対してなされた変更はい
ずれも当施設に既存の装置を用いるためになされたもの
であり、後記の製造例1および2に記載される。
式(I)においてR0がHであり、かつR1が式(II)ま
たは(III)の糖置換基である化合物を製造するために
は、式(IV)または(V)のマクロライド系抗生物質を
式(VI)または(VII)の糖ハロゲン化物と結合させ
る。
式(VI)または(VII)の糖ハロゲン化物と式(IV)
または(V)のマクロライド系抗生物質の結合(すなわ
ちグリコシル化)反応は、当業者に周知の化学によって
直接的に行うことができる。この結合反応は、一般にペ
ルアセチル化形のフルオロ糖を用いて実施される。約2
−4モル当量の適宜な式(VI)または(VII)の糖ハロ
ゲン化物を、反応不活性剤中で式(IV)または(V)の
マクロライド系抗生物質と混合する。この型の反応に用
いられる反応不活性溶剤には、塩素化された溶剤、たと
えばクロロホルム、塩化メチレンおよび二塩化エチレ
ン;エーテル系溶剤、たとえばジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシエタン;
芳香族溶剤、たとえばベンゼン、トルエンおよびキシレ
ン;ならびに双極−非プロトン溶剤、たとえばN,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトニトリルおよびN−メチル
ピロリドンが含まれる。好ましい溶剤は塩素化された溶
剤であり、特に好ましい溶剤は塩化メチレンである。一
般に、反応体が溶剤により溶解または懸濁されるのに十
分な溶剤を用いることが望ましい。一般に用いられる溶
剤は10-1−10-3モル濃度のマクロライド系抗生物質溶液
を与える範囲であり、10-1モル濃度が好ましい。無水溶
剤を使用し、また反応混合物に乾燥剤を添加することに
より、反応に際して乾燥状態を維持する。一般にこの目
的で用いられる乾燥剤は分子ふるい、硫酸カルシウムお
よび硫酸マグネシウムである。好ましい乾燥剤は4Å分
子ふるいである。
試薬の最初の混合は約−78℃から約70℃までの温度で
実施される。好ましいのは約−78℃から約0℃までの範
囲の温度である。製造の容易さのために特に好ましいの
は、反応温度を−78℃に維持する冷却浴である。
上記の反応体を混合し、温度を−78℃に平衡化したの
ち、反応混合物を適切な塩基、たとえば炭酸水銀、炭酸
銀、硝酸水銀または硝酸銀で処理する。この反応に好ま
しい塩基は炭酸銀である。塩基を添加したのち、反応混
合物を触媒で処理する。この反応のための代表的な触媒
には、用いたその塩基に付随するカチオンのトリフレー
ト(triflate)、過塩素酸塩およびテトラフルオロ硼酸
塩が含まれる。好ましい触媒は銀トリフレートである。
すべての反応体および試薬を添加したのち、反応混合
物を0℃に加温し、0℃で0.5−24時間撹拌し、次いで
徐々に室温に加温する。反応混合物を室温でさらに0.5
−24時間撹拌する。一般に反応混合物を0℃で5時間撹
拌し、3時間にわたって室温にまで昇温させ、次いで室
温で16時間撹拌する。次いで生成物を当業者に慣用され
る手法で反応混合物から単離する。たとえば濾過助剤、
たとえばセライト(Celite、登録商標)を通して単純に
濾過し、次いで蒸発させると残渣が得られ、これをカラ
ムクロマトグラフィーにより精製する。カラムクロマト
グラフィーはシリカゲルなどの固相成分、および化合物
を混合物から分離精製するために有利な溶剤混合物から
なる液相成分の使用を伴うことは当業者に自明であろ
う。クロマトグラフィー後に溶剤を除去することによ
り、フルオログリコシルマクロライドが得られる。
一般にこの結合反応はマクロライド系抗生物質の3箇
所のアルコール部位のうち1箇所においてのみ起こり、
この部位はC−4″アルコール性官能基である(式IV参
照)。この選択性は、恐らくマクロライド系抗生物質の
優先配座においてこの位置のヒドロキシル基がより利用
されやすいことによるものであろう。しかし場合によ
り、特に反応性の高い糖ハロゲン化物を用いると、少量
のジグリコシル化物質(その場合R2=OR0)が形成され
る。この物質は、標準法に従って一般に薄層クロマトグ
ラフィーにより行われる反応進行の監視に際して検出さ
れる。ジグリコシル化物質はモノグリコシル化物質の場
合と同様に単離精製されるが、ジグリコシル化物質は一
般にクロマトグラフィーで単離される最初の物質であ
り、モノグリコシル化物質はその後の画分中に単離され
るという顕著な相異がある。添加された当量の糖塩化物
の使用、または他のパラメーター、たとえば溶剤、塩基
もしくは触媒の変更が、ジグリコシル化物質の収率に影
響を及ぼす可能性がある。
式(I)においてR1がHであり、かつR0が式(II)ま
たは(III)の糖置換基である化合物を製造するために
は、式(IV)または(V)のマクロライド系抗生物質を
まずC−4″位においてヒドロキシル保護基で保護す
る。この目的に適したヒドロキシル保護基には、該アル
コールのシリルエーテル、カルボン酸エステルおよび炭
酸エステルが含まれるが、これらに限定されない。保護
基は周知の有機化学的方法によってアルコールに懸垂さ
れる。崇高なシリルエーテルがそれらの選択性、結合の
容易さ、および除去の容易さのため好ましい。式(IV)
または(V)のマクロライド系抗生物質を反応不活性溶
剤に約0−約30℃の温度で溶解するのが好都合である。
この型の反応に用いられる反応不活性溶剤には双極−非
プロトン溶剤、たとえばジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリルおよびN−メチルピロ
リドン;塩素化された溶剤、たとえばクロロホルム、ジ
クロロメタンおよび1,2−ジクロロエタン;ならびにエ
ーテル系溶剤、たとえばジエチルエーテル、ジオキソラ
ンおよびテトラヒドロフランが含まれる。溶剤は特にジ
メチルホルムアミドである場合が多い。シリル化剤、通
常はシリルクロリド、たとえばジメチル−t−ブチルシ
リルクロリド、トリメチルクロロシランもしくはトリフ
ェニルクロロシランを、有機アミン、たとえばトリエチ
ルアミン、トリメチルアミンまたはイミダゾールと共に
添加する。通常はイミダゾールが好ましい塩基である。
反応混合物を約1−約24時間、一般には室温で撹拌し、
次いで生成物を反応液から当業者に周知の方法で単離す
る。
この時点でC−4″位において保護されているマクロ
ライド系抗生物質を、前記式(VI)または(VII)の糖
ハロゲン化物と結合させることができる。この結合反応
の生成物は、糖誘導体がC−14位に酸素により結合し、
かつC−4″位が保護された式(I)の化合物の誘導体
である。C−4″位を当業者に周知の有機化学的標準法
により脱保護して、遊離ヒドロキシ化合物を得ることが
できる。一般に、好ましいシリルエーテル系保護基を除
去するためには、C−4″シリル保護された式(I)の
化合物をアセトニトリル、または反応不活性溶剤、たと
えばエーテル系溶剤、たとえばテトラヒドロフランまた
はジエチルエーテルに約0−30℃の温度で溶解し、フッ
化物供給源、たとえばフッ化水素またはテトラ−N−ブ
チルアンモニウムフルオリドで処理する。反応物を約1
−約24時間撹拌し、次いで生成物を当業者に周知の有機
化学的標準法で単離する。
式(I)においてAおよびBが別個のものであって、
それぞれHである本発明化合物(以下、C−2デスオキ
ソ−マクロライドと呼ぶ)を製造するためには、式
(I)においてAとBが一緒になって=Oである化合物
をα−ケトアミドの還元のための標準的条件を用いて還
元する。この還元法によって、アミドに隣接するカルボ
ニルが、分子内の他のカルボニルに影響を及ぼすことな
く選択的に還元される。一般にマクロライド系抗生物質
を反応不活性溶剤または溶剤混合物に溶解し、硫化水素
ガスを混合物に6−24時間、室温で吹き込む。簡便に
は、このガスを反応混合物に一夜吹き込む。この反応に
適した反応不活性溶剤には以下のものが含まれるが、こ
れらに限定されない:有機塩基、たとえばジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミンおよびアニリン;双極−非プロトン溶剤、たとえば
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドお
よびN−メチルピロリドン;ならびにアルコール系溶
剤、たとえばメタノール、エタノールおよびプロパノー
ル。最適収率を達成するために、または還元経路に影響
を及ぼすために、これらの溶剤2種以上の組み合わせが
しばしば用いられる。たとえばAがHであり、かつBが
OHであるマクロライド系抗生物質は、メタノールを溶剤
として用いて製造される。C−2デスオキソ−マクロラ
イドを得るために特に好ましい溶剤系は、等量のピリジ
ンおよびN,N−ジメチルホルムアミドである。反応が完
了した時点で、生成物を当業者に自明の有機化学的標準
法で単離する。
あるいは式(IV)または(V)のマクロライド系抗生
物質を、グリコシル化の前に上記方法で還元してもよ
い。還元後にこのマクロライド系抗生物質を前記に従っ
てグリコシル化することができる。
式(I)において点線が結合を表し、かつR2が水素で
ある本発明化合物を製造するためには、式(I)におい
てR2が−OHであり、かつ点線が結合を表さない化合物
(以下、β−ヒドロキシケトンと呼ぶ)を、欧州特許出
願第323042号明細書の記載に従って脱水する。一般に触
媒量の有機酸を含有する反応不活性溶剤に、β−ヒドロ
キシケトンを溶解する。適切な反応不活性溶剤は芳香族
溶剤、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなどであ
り、トルエンが好ましい。有機酸は一般にトルエンスル
ホン酸、ショウノウ(樟脳)スルホン酸などの酸から選
ばれ、トルエンスルホン酸が好ましい。反応混合物を約
50−約120℃で約5分ないし約1時間加熱する。一般に
蒸気浴温度(約100℃)が好ましく、反応を簡潔させる
には一般に5分で十分である。反応生成物を当業者に周
知の方法に従って単離する。反応は一般に既にグリコシ
ル化されている化合物について実施される。
式(I)においてR5がヒドロキシであり、かつR4がヒ
ドロキシメチルである本発明化合物を製造するために
は、式(I)においてR5がアセトキシであり、かつR4
アセトキシメチルである化合物を、後記に示すように当
業者に知られている標準的条件で脱アセチル化する。こ
の選択的脱アセチル化は存在するアミドには影響を及ぼ
さず、アルコキシド塩基をアルコール系溶剤中の脱アセ
チル化すべき物質の溶液に0℃で添加することによって
容易に達成される。一般に触媒量、たとえば0.01当量の
塩基を用いる。通常はそのアルコール系溶剤のアルコキ
シド塩基を用いることが好ましい。使用しやすさおよび
反応性に関して最も好ましいものは、メタノールが溶剤
であり、かつナトリウムメトキシドが塩基である系であ
る。生成物の単離は当業者に周知の標準法に従って行わ
れる。
式(VI)および(VII)のフルオロ糖ハロゲン化物
は、容易に入手し得ない場合には、容易に入手しうる式
(VIII)および(IX)のフロオロ糖誘導体(式中のR6
H、(C1−C4)アルキル、または(C2−C4)アルカノイ
ルである)から、当業者に周知の標準的ハロゲン化法を
用いて簡便に製造することができる。
臭素化が好ましい方法である;場合により塩素化も採
用しうる。臭素化は、1−ヒドロキシ、アルコキシまた
はアルカノイルオキシ−フルオロ糖誘導体を有機酸系溶
剤、たとえば酢酸に溶解することにより行われる。糖が
1−ヒドロキシまたは1−アルコキシ糖である場合、一
般に1−10当量の無水酢酸が添加される。好ましい基質
は1−アセトキシ糖誘導体である。反応温度が約−20℃
ないし約0℃の範囲になるように、反応混合物を冷却す
る。一般に好ましい温度は約0℃である。冷却された反
応混合物を酢酸溶剤中の臭化水素酸溶液で処理する。一
般に大過剰、たとえば10−40モル当量の臭化水素酸が用
いられる。反応混合物を室温にまで昇温させ、反応が完
了するまで撹拌する。一般に便宜上、反応混合物を一夜
撹拌する。臭素化生成物の単離は当業者に周知の直接的
方法で行われる。しばしばこれは真空中で溶剤の除去す
るにすぎない。場合により、溶剤の除去をより完全に行
うために、反応溶剤を共沸させる補助溶剤、たとえばト
ルエンを用いる。時にはカラムクロマトグラフィーを用
いて、それ以上の精製が行われる。
式(VIII)および(IX)においてR4が−CH2OCOR8であ
り、R5が−OCOR8であり、R6が−COR8である化合物を製
造するためには、式(VIII)および(IX)においてR4
−CH2OHであり、R5が−OHであり、R6がHである化合物
を、標準的アシル化反応の基質として用いる。一般にこ
の基質と適切なアシル化剤、たとえば無水酢酸(これに
限定されない)を適切な溶剤、たとえば酢酸中で、約0
−約25℃において反応させる。当業者に周知の有機化学
的標準法で生成物を単離する。
式(VIII)および(IX)のフルオロ糖化合物は文献の
教示に従って製造することができる(たとえばコバッ
ク、イエーおよびグラウデマンズ(Kovac,P.;Yeh,H.J.
C.Glaudemans,C.P,J.),Carbohydrate Research,140,27
7(1985)、ならびにシャルマおよびコリトニク(Sharm
a,M.,Korytnyk,W.),Tetrahedron Letters,1977.57
3)。
式(VIII)においてmが1であり、かつフッ素原子が
糖分子の4位に結合している糖誘導体は、下記に従って
製造することができる。
4−フルオロ糖誘導体(式(VIII)においてmが1で
あり、かつフッ素原子が糖分子の4位に結合している化
合物)を製造するためには、メチルピラノシド(たとえ
ばメチルグルコピラノシドまたはメチルガラクトプラノ
シド)を領域選択的に(regioselectively)2,3および
6−ヒドロキシ基においてアセチル化する。残りのヒド
ロキシ基がSN 2置換によりフルオリドで置換され、1位
のメトキシ基がアセトキシ基で置換されて、テトラアセ
チルフルオロピラノシドとなる。
たとえばアルキルピラノシド(たとえばメチル−α−
D−グルコプラノシドまたはメチル−α−D−ガラクト
ピラノシド)を崇高な有機金属試薬、たとえばビス(ト
リブチルスズ)オキシドで活性化する。反応物を水と共
沸する溶剤、たとえばトルエン、ベンゼンまたはキシレ
ン中で還流する。トルエンが極めて好ましい溶剤であ
る。約1−約24時間後、一般に約3時間後に、立体障害
のないヒドロキシ基はすべて活性化されている。反応混
合物を活性化された各ヒドロキシ基毎に正確に1当量の
アセチルクロリドで処理する。一般に6単糖について
は、1−ヒドロキシ基が既にメチル化されている場合、
これにはさらに3当量のアセチルクロリドが必要であ
る。反応は約1−約24時間後に完了する。一般に反応混
合物を約16時間(一夜)撹拌する。反応混合物を濃縮
し、次いで標準的なクロマトグラフィー法により精製す
ると、目的とするトリアセチル化ピラノシド誘導体が得
られる。
このピラノシドへのフッ素の導入は、下記に従って行わ
れる。ピラノシドを反応不活性溶剤、たとえばクロロホ
ルム、塩化メチレンおよび二塩化エチレンに溶解する。
特に好ましいのは塩化メチレンである。反応混合物を約
−78℃ないし約0℃に冷却する。特に好ましい温度は−
40℃である。反応混合物を4−DMAPで処理し、次いでジ
メチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)で処理
する。それぞれ約1当量の4−DMAPおよびDASTが反応を
完結させるのに十分であることは当業者に自明であろ
う。ただし個々の反応条件または基質の性質に応じてこ
れらの試薬のいずれか一方または両方の当量数を増加さ
せる必要があるかも知れない。反応混合物を室温で約1
−約24時間撹拌する。反応混合物を室温で一夜撹拌する
のが好都合である。反応混合物をプロトン源、たとえば
(C1−C4)アルカノール、好ましくはメタノールで反応
停止し、生成物を当業者に慣用される方法で単離する。
この置換反応のSN 2性により、グルコプラノシド系出発
原料はガラクトピラノシドに、またガラクトピラノシド
系出発原料はグルコピラノシドに転化される。こうして
得られたアルキルピラノシドを直接に1位においてハロ
ゲン化するか、またはより良い脱離基を得るためには、
製造の節に2,3,6−トリ−O−アセチル−4−デオキシ
−4−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシドにつき示
したように、臭素化の前にメトキシ基をアセトキシ基に
転化することができる。
式(VIII)および(IX)においてR4が−COOHまたは−
COOH誘導体、たとえば−CO2R8、−CONH2、−CONHR8、ま
たは−CONR2 8である化合物の前駆物質を製造するために
は、対応する式(X)または(XI)のウロン酸: を当業者に周知の方法で上記の誘導体に転化する。たと
えばR4が−CO2R8である化合物を製造するためには、式
(X)または(XI)の化合物を有機化学的な標準エステ
ル化法によって適切なR8−OH誘導体と反応させる。R
8が、−CONH2、−CONHR8、または−CONR2 8である化合物
を製造するためには、式(X)または(XI)の化合物を
有機化学的な標準アミド化条件下で適切なアミンと反応
させる。こうして製造された糖誘導体を前記の方法によ
りフッ素化し、前記式(IV)および(V)のマクロライ
ド系抗生物質に結合させることができる。R4が−COOHで
ある化合物を得るためには、R4が−CO2R8である化合物
をグリコシル化後に当業者に周知の脱エステル化法によ
って選択的に脱エステル化することができる。
R4が−CO2Hである場合のように本発明の式(I)の化
合物が酸性である場合、本発明は式(I)の化合物の薬
剤学的に受容しうる塩類をも包含する。
それに用いられる薬剤学的に受容しうる代表的カチオ
ン塩類には下記のものが含まれる:アルカリ金属塩(た
とえばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属
塩(たとえばマグネシウムおよびカルシウム)、アルミ
ニウム塩、アンモニウム塩、ならびに有機アミン、たと
えばベンザチン(N,N′−ジベンジルエチレンジアミ
ン)、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン
(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジエチルアミン、
ピペラジン、トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキ
シメチル−1,3−プロパンジオール)、およびプロカイ
ンとの塩類。この種の特に好ましい塩はナトリウム塩で
ある。
本発明の薬剤学的に受容しうる塩類は、酸形のもの
を、通常は1当量の適宜な塩基と、補助溶剤中で反応さ
せることによって容易に製造される。代表的な塩基は水
酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、ベンザチン、コリン、ジエ
タノールアミン、ピペラジンおよびトロメタミンであ
る。上記の塩は濃縮乾固することにより、または非溶剤
の添加により単離される。多くの場合、塩類は好ましく
は上記酸の溶液と、そのカチオンの異なる塩類(エリル
ヘキサン酸ナトリウムまたはカリウム、オレイン酸マグ
ネシウム)の溶液を、目的とするカチオン塩がそれから
沈殿する溶剤(たとえば酢酸エチル)を用いて混合する
ことにより製造されるか、さもなければ濃縮および/ま
たは非溶剤の添加により単離することができる。
本発明の式(I)のマクロライド系抗生物質に関して
は、非対称炭素原子および二重結合のため、配座異性体
または立体異性体形、たとえば光学異性体および幾何異
性体が存在すると解すべきであり、これらの異性体も本
発明の範囲に含まれる。
こうして製造された式(I)の化合物は、移植に対す
る抵抗、および自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマ
チまたは乾癬の処置に特に有用である。移植に対する抵
抗を処置する際には、式(I)の化合物を予防的に、ま
たは移植された器官もしくは組織に対するヒト対象者の
不都合な反応に応じて用いることができる。予防的に用
いる場合、式(I)の化合物を移植手術に先立って患者
に投与するか、または移植すべき組織もしくは器官に投
与する。予防処置には、移植手術後ではあるが移植に対
する不都合な反応の微候が見られる前の薬剤投与も含ま
れる。不都合な反応に応じて投与する場合は、抵抗の外
的微候が明らかになったのちに、移植に対するこの抵抗
を処置するために式(I)の化合物を患者に直接に投与
する。
ヒトを含む哺乳動物において移植に対する抵抗、およ
び自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマチまたは乾癬
の治療に用いるためには、式(I)の化合物を疾患の治
療に有効な量で含有する適切な薬剤組成物として配合す
る。投与される個々の式(I)の化合物の効力に応じ
て、約0.05−約30mg/kg体重/日を1日1回または多数
回の投与で、治療すべき哺乳動物に投与する。より好ま
しい範囲は0.1−約20mg/kg体重/日であるが、特別な場
合には担当医師の判断において、上記の広い方の範囲外
の用量が必要になる場合がある。好ましい投与経路は一
般に経口によるが、特別の場合、たとえばその標的に対
して経口投与が不適切である場合、または患者が種々の
理由で薬物を摂取し得ない場合には、非経口投与(たと
えば静脈内、筋肉内、皮下または骨髄内(intramedulla
ry))が好ましいであろう。患者が皮膚疾患、たとえば
乾癬を患っている場合、または組織もしくは器官の表面
に薬剤を付与するのが最良であると医師が判断した場
合、局所投与も指示しうる。
こうして製造された式(I)の化合物は真菌により引
き起こされた感染症の治療にも有用である。ヒトを含む
哺乳動物においてこれらの真菌感染症の治療に用いるた
めには、式(I)の化合物を疾患の治療に有効な量で含
有する薬剤組成物として配合する。投与される個々の式
(I)の化合物の効力に応じて、約0.05−約30mg/kg体
重/日、1日1回または多数回の投与が、治療すべき哺
乳動物に投与する量である。より好まし範囲は0.1−約2
0mg/kg体重/日であるが、特別な場合には担当医師の判
断において、上記の広い方の範囲外の用量が必要となる
場合がある。好ましい投与経路は一般に経口によるが、
特別な場合、たとえばその標的に対して経口投与が不適
切である場合、または患者が種々の理由で薬物を摂取し
得ない場合には、非経口投与(たとえば静脈内、筋肉
内、皮下または骨髄内)が好ましいであろう。組織もし
くは器官の表面に薬剤を付与するのが最良であると医師
が判断した場合、局所投与も指示しうる。
本発明の化合物は一般に式(I)の化合物少なくとも
1種、および薬剤学的に受容しうるベヒクルまたは希釈
剤を含む薬剤組成物の形で投与される。これらの組成物
は一般に常法により、投与様式に適した固体または液体
のベヒクルまたは希釈剤を用いて配合される:経口投与
のためには錠剤、硬または軟ゼラチンカプセル、懸濁
剤、顆粒剤、散剤などの形;非経口投与のためには注射
用の液剤または懸濁剤などの形;局所投与のためには液
剤、ローション剤、軟膏剤(ointment,salve)などの
形。
移植に対する抵抗、および自己免疫疾患、たとえば慢
性関節リウマチまたは乾癬の治療における薬剤としての
本発明化合物の有用性は、後記の生物学的スクリーニン
グ法におけるそれらの化合物の有効性により証明され
る。これらの生物学的スクリーニング法は、式(I)の
化合物の有効性を他の既知化合物の有効性と比較する手
段をも提供する。これらの比較の結果は、ヒトを含む哺
乳動物において移植に対する抵抗、および自己免疫疾
患、たとえば慢性関節リウマチまたは乾癬の治療に用い
るための用量を比較するのに有用効である。
ヒト混合リンパ球反応(MLR)は、インビトロで免疫
反応を生じさせ、これを3H−チミジンの取り込みにより
測定するために用いられる。このスクリーニング法は改
良二方向MLR(Modified two−way MLR)において抹消血
単核球を用いる。HLAタイプD抗原の不同性(disparit
y)を保証し、従って刺激を最大にするために、凍結し
たドナー細胞のプールを刺激細胞(stimulator)集団と
して用い;新たに単離した細胞を応答細胞(responde
r)集団として用いる。
新たに採取した単核球を、下記を富化したROMI−1640
に懸濁する:0.5%MEM非必須アミノ酸(100×)溶液、1
% L−グルタミン(200mM)、1% MEMビタミン類
(100×)、1%ペニシリン ストレプトマイシン溶液
(10,000単位/mL)、および15%熱不活性化ヒトAB血清
(NABI)。細胞を計数し、濃度を5×105細胞/mLに調整
する。次いでこの溶液を丸底96ウェルプレートに100μl
/ウェルの量で移す。こうしてこれらのプレートは応答
細胞を収容している。
刺激細胞は、数種類の異なる個体から採集した単核球
をプールすることにより調製される。細胞を90%ヒトAB
血清および10%DMSOに、細胞数が2×107細胞/mLになる
ように懸濁する。この細胞を液体窒素中に保存する。ML
Rについては、生存細胞を5×105細胞/mLに希釈し、応
答細胞を収容したプレートに100μL/ウェルを添加す
る。応答細胞と刺激細胞の混合物を収容した各ウェルに
50μLの化合物溶液を添加する。各用量につき3個のウ
ェルで実験する。プレートを37℃で5%CO2の雰囲気下
に5日間インキュベートし、加湿する。各ウェルに1μ
Ciの3H−チミジンを添加し、さらに18時間、インキュベ
ーションを継続する。細胞をLKBベータ・プレートシス
テムにより採取する。
刺激された対照に対する抑制率パーセントは下記の方
程式により得られる: 略号cpmはカウント毎分として定義される。RPMI−164
0はジグマから入手される組織培地である。
上記のMLRスクリーニング法における有効性は、これ
らの有効化合物が移植に対する抵抗、ならびに自己免疫
疾患、たとえば慢性関節リウマチおよび乾癬の治療に有
用であることを示唆する。
種々の真菌に対する本発明のマクロライド系抗生物質
の抗微生物活性は、サブロー寒天における系列寒天希釈
法により測定される。最小発育阻止濃度(MIC)は30℃
で24時間のインキュベーション後に求める。
本発明を以下の実施例により説明する。ただし本発明
はこれらの例の個々の詳細事項に限定されないと解すべ
きである。特に明記しない限り、反応はすべて不活性雰
囲気、たとえば窒素中で実施される。略号THF、DMSO、D
AST、DMAPおよびAcを用いた場合、それらはそれぞれテ
トラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルア
ミノ−スルファートリフルオリド、4−ジメチルアミノ
ピリジンおよびアセチルを意味する。特に明記しない限
り、糖ハロゲン化物は糖類と同様に、信頼できる業者、
たとえばシグマまたはアルドリッヒから購入された。無
水溶剤を使用し、無水とは実質的に水を含有しないこと
であると定義される。
“反応不活性溶剤”という表現を上記で用いた場合、
それは目的生成物の収率に不都合な影響を及ぼす様式で
出発原料、試薬、中間体または生成物と相互作用しない
いずれかの溶剤を意味する。
製造例1および2に見られる用語または頭字語につい
ては、後にさらに詳述する。
PYEA寒天は、ディフコマルトース(10g)、ディフコ
酵母エキス(4g)、ブドウ糖(4g)、ディフコ寒天(15
g)および新鮮なココナツミルク(50mL)を、1リット
ル溶液が得られるのに十分な脱イオン水に溶解し;この
溶液を1N NaOHでpH7.3に調整することにより調製され
る。
ATCC 172培地は、グルコース(10g)、可溶性デンプ
ン(20g)、酵母エキス(5g)、NZ−アミンA(ディフ
コ、5g)および炭酸カルシウム(1g)を、1リットル溶
液が得られるのに十分な脱イオン水に溶解し;この溶液
を1N KOHでpH7.0に調整することにより調製される。
JDYTT培地は、セルロース(10g)、トウモロコシデン
プン(5g)、コーンスチープリカー(5g)、NZ−アミン
YTT(5g)、塩化コバルト(0.002g)および炭酸カルシ
ウム(3g)を、1リットル溶液が得られるのに十分な脱
イオン水に溶解し;この溶液を1N NaOHでpH7.2に調整す
ることにより調整される。
NZ−アミンAおよびNZ−アミンYTTは、上記培地の他
の大部分の成分と同様にディフコから入手される。
上記のMLRプロトコールにおいて、RPMI−1640はMLR研
究に用いられる標準的培地であり;MEMは“最小必須培
地”と定義され;NABIは供給業者である。
実施例1 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(2,3,6−トリ−0−アセチル−4−デオキ
シ−4−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシルオキ
シ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−メチ
ルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラ
メチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.
1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラ
オン FK520(7.1g,8.9mmol)、製造例4の表題化合物(3.3
g,8.9mmol)、および4Åモレキュラーシーブ(破砕、
3.3g)の、塩化メチレン(90mL)中における撹拌された
スラリーに、−78℃で炭酸銀(4.9g,17.8mmol)、次い
で銀トリフレート(0.46g,1.8mmol)を添加した。反応
混合物を10時間にわたって室温にまで昇温させ、次いで
さらに8時間撹拌した。得られた淡褐色のスラリーをセ
ライトにより濾過し、濾液を真空中に蒸発させた。残渣
をシリカゲル上で、酢酸エチル/ヘキサン(1/1)によ
り溶離して精製し、生成物を単一アノマーとして得た。
(2.94g,30%)。
FAB質量スペクトル(M++Na+)1104。
実施例2−4 実施例1に示したものと実質的に同じ方法で、ただし
製造例4の表題化合物の代わりに適宜な糖ハロゲン化物
1モル当量を用いて、下記の化合物を製造した。
2.17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2,3,4−トリ−0−アセチル−6−
デオキシ−6−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシ
ルオキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′
−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−
テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ
[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−
テトラオン 質量スペクトル(FAB):1143.5(分子イオン+Na+) 3.17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2,4,6−トリ−0−アセチル−3−
デオキシ−3−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシ
ルオキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′
−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−
テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ
[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−
テトラオン 質量スペクトル(FAB):1104(分子イオン+Na+) 4.17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(3,5−ジ−0−ベンゾイル−2−デオ
キシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルオ
キシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−メ
チルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テト
ラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.
3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テト
ラオン 質量スペクトル(FAB):1156(分子イオン+Na+) 実施例5 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(4−デオキシ−4−フルオロ−ガラクトピラノ
シルオキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,
16−テトラオン 実施例1の表題化合物(1.1g)をメタノール(10mL)
に溶解し、ナトリウムメトキシド(10mg)で処理した。
反応混合物を0℃で48時間撹拌し、次いで使い捨てピペ
ットからの1滴の酢酸で処理した。溶剤を真空中で除去
し、残渣をシリカゲル上で、塩化メチレン/メタノール
(15/1)により溶離して精製し、この実施例の表題化合
物を得た。
実施例6および7 実施例5に示したものと実質的に同じ方法で、ただし
実施例1の表題化合物の代わりに実施例2または実施例
3のいずれか適宜な表題化合物を用いて、下記の化合物
を製造しうる。
6.17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(6−デオキシ−6−フルオロ−α−D−
ガラクトピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシクロ
ヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキ
シ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4
−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−
エン−2,3,10,16−テトラオン 7.17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(3−デオキシ−3−フルオロ−α−D−
ガラクトピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシクロ
ヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキ
シ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4
−アザトリシクロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−
エン−2,3,10,16−テトラオン 実施例8 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(3,4,6−トリ−0−アセチル−2−デオキ
シ−2−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシルオキ
シ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−メチ
ルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラ
メチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.
1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラ
オン 実施例1に示したものと実質的に同じ方法で、ただし
製造例4の表題化合物の代わりに製造例11の化合物を用
いて、この実施例の表題化合物を製造した。
質量スペクトル(LSIMS;FAB)−M+Na=1104.5,ベース=
291.1 製造例1 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−ヒドロキシ−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,
16−テトラオン ストレプトミセス・ハイグロスコピカス亜種アスコミ
セチカス培養物ATCC14891を、PYEA寒天斜面(10g/L デ
ィフコマルトース、4g/L ディフコ酵母エキス、4g/L
ブドウ糖、15g/L ディフコ寒天、および50mL 新鮮な
ココナツミルク、これを脱イオン水で1リットルに希釈
し、次いで1N NaOHでpH7.3に調整した)に乗せた。この
調製物を28℃で10−12日間インキュベートし、次いで10
mLのATCC 172培地(10g/L グルコース、20g/L 可溶性
デンプン、5g/L 酵母エキス、5g/L NZ−アミンA、お
よび1g/L 炭酸カルシウム。1N KOHでpHを7.0に調製し
た)を入れた無菌の1×6振盪試験管に胞子を移した。
試験管を28℃でインキュベートし、回転振盪機上におい
て約150−200回転/分で振盪した。4−5日後にブロス
をグリセリンおよびATCC 172培地で40%に希釈し、次い
で無菌的に冷却試験管(cryotube)に移した。各試験管
に1/2mLのブロスを装填した。保存期間中はこれらの試
験管を−80℃に凍結した。
超低温貯蔵庫からの試験管を接種用フラスコの調製の
ための接種材料として、300mLの振盪フラスコ中の50mL
の無菌JDYTT培地当たり1本の試験管を用いた。JDYTT培
地の組成は、10g/L セレロース、5g/L NZ−アミンYTT,
0.002g/L 塩化コバルト、および3g/L 炭酸カルシウム
であった。JDYTT培地のpHを1N NaOHでpH7.2に調製し
た。振盪試験管を約150−200回転/分および28℃で回転
振盪機上において振盪およびインキュベートした。
約3−5日令の振盪フラスコ接種材料2mLを、80mLのJ
DYTT培地を入れた第2段階フラスコ接種材料の接種に用
い、これを3Lのジャーファーメンター内で用いた。ファ
ーメンター培地は45g/L コーンスターチ、10g/Lコーン
スチープリカー、10g/L アンバー(amber)またはベー
カー乾燥酵母、3g/L 炭酸カルシウム、および0.005g/L
塩化コバルトであった。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に
調製した。1mLの消泡剤P−2000を100mLの大豆油と共に
ジャーファーメンターに添加した。pHを1N NaOHで約6.4
−6.8に調整し、材料を1700rpmで撹拌した。温度を28℃
に維持し、無菌の空気を1容量/容量/分の速度で培地
に吹き込んだ。
接種後に、無菌の大豆油を用いて発泡を制御した。長
期間の発酵の場合、用いた培地によっては糖含量を監視
し、低下する糖水準を0.05%以上に維持するために40、
60および90時間目に糖供給材料を用いることができる。
発酵を46時間行った。
薄層クロマトグラフィーおよびHPLCの標準法により発
酵プロスを監視し、相対力価を計算した。
生成物は主として菌糸中に見られたが、ブロス全体を
仕上げ処理することが好ましい。従って発酵過程が終了
したのち、ブロス全体をその容量の1/3−1/2のメチルイ
ソブチルケトン(MIBK)で2回抽出した。各層をデラバ
ル(DeLaval)分離器またはポドピエルニアク抽出器に
より分離した。溶剤層を清澄化し、まず真空がま内で、
次いで回転蒸発器内で濃縮した。濃縮物を20Lのカーボ
イ(carbuoy)内で、カーボイ当たり10Lの上層および1L
の下層のヘプタン/アセトニトリル 10/1系を用いて、
試験管4本の向流分配を行った。有効な下層を採集し、
合わせて濃縮した。この材料をさらにフロリシル(Flor
isil)を通して濾過することにより精製した(塩化メチ
レン濃度を漸増させながら、順次ヘキサン、ヘキサン/
塩化メチレン、および塩化メチレンで洗浄)。有効性は
大部分が塩化メチレン画分中に見られた。これらを合わ
せて濃縮した。2回目の濾過工程を実施し、この場合は
シリカゲルを通した(ヘプタン、塩化メチレン、塩化メ
チレン/酢酸エチル、および酢酸エチルで洗浄)。有効
性は大部分が塩化メチレン/酢酸エチル混合物を含有す
る画分、および酢酸エチルのみを含有する画分中に見ら
れた。これらを合わせて濃縮し、塩化メチレンに再溶解
し、DARCO G60で処理した。次いで試料を12−15gずつに
分け、各試料をさらにPrep 500液体クロマトグラフ上で
シリカゲルカラムを用い、100%塩化メチレンから開始
して100%酢酸エチルを終了する線状濃度勾配を用いて
クロマトグラフィー処理した。有効画分を合わせて濃縮
し、Prep 500上で逆相(18C)シリカゲルを用い、アセ
トンから開始して100%の水で終了する線状濃度勾配に
より溶離するクロマトグラフィー処理を行った。清浄な
生成物がカラムから単離された最終成分として得られ
た。
上記発酵法の有効画分は下記のバイオアッセイにより
判定された。
12.5mmのディスクを寒天表面に直接に乗せた。カンジ
ダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 14053、サ
ッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastri
anus)FD3737、ならびに感受性菌株バイソクラミス・フ
ルバ(Byssochlamis fulva)FM 10,300(S)およびFM
10,464(R)を用いた。これらカンジダおよびサッカロ
ミセスの平板を37℃で18時間インキュベートし、次いで
平板を有効性に関して試験した。バイソクラミスの平板
は28℃でインキュベートし、18時間後に読み取った。FK
506およびFK520(CP−105051)のみを含有する平板がバ
イソクラミス菌株に対して有効であった。不純な画分
(ニゲリシンを含有)は他の菌株に対しても有効であっ
た。
画分の純度を判定するためにHPLC法をも採用した。こ
の方法はデュポン、ゾルバックス(Zoebax)CNラカム
(4.6mm×25cm)、および55/45 水/アセトニトリルか
らなる系、および流量1mL/分の使用を伴った。検出は21
4nmで行われた。ブロス試料(20mL)をMIBK(20mL)と
混合し、約4−5分間振盪した。層を分離し、溶剤をほ
ぼ乾燥するまで濃縮した。残渣を1mLの純アセトニトリ
ルに装入し、5μlの試料をHPLCに注入した。FK520の
保持時間はこれらの条件下で約12.7分である。
製造例2 17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−ヒドロキシ−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,
16−テトラオン ストレプトミセス・ツクバエンシスNo.9993 FERM BP
−927を、PYEA寒天斜面(10g/L ディフコマルトース、
4g/L ディフコ酵母エキス、4g/L ブドウ糖、15g/L
ディフコ寒天、および50mLの新鮮なココナツミルク、こ
れを脱イオン水で1リットルに希釈し、次いで1N NaOH
でpH7.3に調整した)に乗せた。この調製物を28℃で10
−12日間インキュベートし、次いで10mLのATCC 172培
地(10g/L グルコース、20g/L 可溶性デンプン、5g/L
酵母エキス、5g/L NZ−アミンA、および1g/L 炭酸
カルシウム。1N KOHでpHを7.0に調製した)を入れた無
菌の1×6振盪試験管に胞子を移した。試験管を28℃で
インキュベートし、回転振盪機上において約150−200回
転/分で振盪した。4−5日後にブロスをグリセリンお
よびATCC 172培地で40%に希釈し、次いで無菌的に冷却
試験管に移した。各試験管に1/2mLのブロスを装填し
た。保存期間中はこれらの試験管を−80℃に凍結した。
超低温貯蔵庫からの試験管を接種用フラスコの調製の
ための接種材料として、300mLの振盪フラスコ中の50mL
の無菌JDYTT培地当たり1本の試験管を用いた。JDYTT培
地の組成は、10g/L セレロース、5g/L NZ−アミンYT
T、0.002g/L 塩化コバルト、および3g/L 炭酸カルシ
ウムであった。JDYTT培地のpHを1N NaOHでpH7.2に調製
した。振盪試験管を約150−200回転/分および28℃で回
転振盪機上において振盪およびインキュベートした。
約3−5日令の振盪フラスコ接種材料2mLを、80mLのJ
DYTT培地を入れた第2段階フラスコ接種材料の接種に用
い、これを3Lのジャーファーメンタで用いた。ファーメ
ンター培地は45g/L コーンスターチ、10g/Lコーンスタ
ーチプリカー、10g/L アンバーまたはベーカー乾燥酵
母、3g/L 炭酸カルシウム、および0.005g/L 塩化コバ
ルトであった。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に調製した。1
mLの消泡剤P−2000を100mLの大豆油と共にジャーファ
ーメンターに添加した。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に調
製し、材料を1700rpmで撹拌した。温度を28℃に維持
し、無菌の空気を1容量/容量/分の速度で培地に吹き
込んだ。
接種後に、無菌の大豆油を用いて発泡を制御した。長
期間の発酵の場合、用いた培地によっては糖含量を監視
し、低下する糖水準を0.05%以上に維持するために40、
60および90時間目に糖供給材料を用いることができる。
発酵を46時間行った。
薄層クロマトグラフィーおよびHPLCの標準法により発
酵プロスを監視し、相対力価を計算した。
発酵槽を停止し、その容量の1/2のメチルイソブチル
ケトン(MIBK)で2回抽出した。各層をアスピレーショ
ンにより分離し、真空中で濃縮して粘稠な油を得た。こ
の油をヘキサン、ジエチルエーテルおよび塩化メチレン
で摩砕処理し、有効画分(ジエチルエーテル画分)をフ
ロリシル上でクロマトグラフィー処理した。フロリシル
を順次ジエチルエーテル、塩化メチレン、酢酸エチルお
よびアセトンで溶離した。溶出液を濃縮し、活性炭で処
理した。濃縮物を濾過し、酢酸エチルに溶解した。ヘキ
サンを添加して生成物を結晶化した。
ブロスおよび後続の回収液流の生物活性は、バイソク
ラミス・フルバの菌株を用いて追跡された。ブロスおよ
び後続の回収液流中の成分を、アナルテク(Analtech)
シリカゲルGF(商標)プレート上で純アセトニトリルを
溶離剤として用いるクロマトグラフィーにより視覚化し
た。展開したプレートにバニリン試薬(エタノール75mL
および85%リン酸25mL中のバニリン3g)を噴霧し、80℃
に加熱した。生成物は紫色のスポットとして現れた。
製造例3 メチル−2,3,6−トリ−0−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシド トルエン(300mL)中のメチル−α−D−グルコピラ
ノシド(アルドリッヒ,15.0g,77mmol)をビス(トリブ
チルスズ)オキシド(アルドリッヒ,78mL,154mmol)で
処理し、得られた混合物をディーンスタークトラップ中
で3時間還流した。混合物を0℃に冷却し、次いでアセ
チルクロリド(17mL,231mmol,3当量)を添加した。混合
物を一夜撹拌し、次いで真空中で濃縮して、シロップを
得た。シリカゲル上で[酢酸エチル/ヘキサン(3/2)
で溶離]精製して、油(10.4g,42%)を得た。
製造例4 メチル−2,3,6−トリ−0−アセチル−4−デオキシ−
4−フルオロ−α−D−ガラクトピラノシド 製造例3の生成物(10.4g,32mmol)と4−ジメチルア
ミノピリジン(8.2g,67mmol)を塩化メチレン(100mL)
中で混合し、−40℃に冷却した。反応混合物をDAST(8.
6mL,65mol)で滴加処理し、次いで徐々に室温まで昇温
させた。室温で一夜(16時間)撹拌したのち、反応混合
物を−40℃に冷却し、メタノール(20mL)で反応停止し
た。反応停止した混合物を酢酸エチル(800mL)で稀釈
し、1N NCl(80mLで2回)、水(80mLで1回)、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液(80mLで1回)、およびブラ
イン(80mLで1回)で洗浄した。溶剤をMgSo4で乾燥さ
せ、溶剤を除去して、油状残渣を得た。これをシリカゲ
ル上で[酢酸エチル/ヘキサン(2/3)で溶離]精製し
て、3.7g(36%)の固体を得た。
融点87−89℃。
製造例5 1,2,3,6−テトラ−0−アセチル−4−デオキシ−4−
フルオロ−α−D−ガラクトース 製造例4で表題化合物(100mg,0.31mmol)を酢酸(1m
L)、無水酢酸(1mL)および硫酸(5滴)と混合し、18
時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で稀
釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mLで2回)、
水(20mLで1回)、およびブライン(20mLで1回)で洗
浄し、次いでMgSo4で処理した。溶剤を真空で除去し
て、油状残渣を得た。これをシリカゲル上で[酢酸エチ
ル/ヘキサン(2/3)で溶離]精製して、90mg(82%)
の油を得た。
製造例6 2,3,6−トリ−0−アセチル−4−デオキシ−4−フル
オロ−α−D−ガラクトシルブロミド 製造例5で表題化合物(3.4g,9.7mmol)を酢酸中の4.
1M臭化水素酸溶液(50mL)と混合し、室温で5時間撹拌
した。混合物を真空中で濃縮して、5gの油を得た。これ
をシリカゲル上で[酢酸エチル/ヘキサン(2/3)で溶
離]精製して、3.3g(92%)の油を得た。
元素分析:計算値 C12H16O7BrF: C,38.83;H.4.31 実測値:C,38.85;H.4.48. 製造例7 2,4,6−トリ−0−アセチル−3−デオキシ−3−フル
オロ−α−D−ガラクトピラノシルブロミド コバック;イエーおよびグラウデマンズ(Kovac,P.,Y
eh,H.J.C.,Glaudemans,C.P.J.),Carbohydrate Researc
h,140,277(1985)の記載に従って製造した。
製造例8 3,5−ジ−0−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオ
ロ−α−D−アラビノフラノシルブロミド 1,3,5−トリ−0−ベンゾイル−2−デオキシ−2−
フルオロ−α−D−アラビノフラノース(ファンスチー
ル,1000mg,2.2mol)を酢酸(10mL)に溶解/懸濁し、HB
r/酢酸溶液(10mL,30%)で0℃において2時間処理し
た。溶剤を真空中で除去して、残留する酸をトルエンと
の共沸により除去した。この臭化物をそれ以上精製せず
に用いた。1H NMR(部分):δ4.6(3H),5.18(m,1
H),5.34(d,1H)および6.45(d,1H)。
製造例9 2,3,4−トリ−0−アセチル−6−デオキシ−6−フル
オロ−α−D−ガラクトシルブロミド A.1,2,3,4−テトラアセチル−6−デオキシ−6−フル
オロ−ガラクトピラノシドをシャルマおよびコリトニク
(Sharma,M.,Korytnyk,W.)(Tetrahedron Letters,197
7,573)の記載に従って製造した。
B.1,2,3,4−テトラアセチル−6−デオキシ−6−フル
オロ−ガラクトピラノシド(100mg)を、酢酸中の30%H
Br溶液(10mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。溶剤
を真空中で除去して、残留する酸をトルエンとの反復共
沸により除去した。残渣をシルカゲル上でクロマトグラ
フィー処理し(酢酸エチル:ヘキサン::30:70で溶
離)、白色固体を得た;融点131−133℃。質量スペクト
ル:m/z=371(M+),373。
製造例10 3,4,6−トリ−0−アセチル−2−デオキシ−2−フル
オロ−ガラクトピラノシルフルオリド この製造例の表題化合物を、コリトニク(Korytnyk,
W.)ら,Tetrahedron,38(16),2574(1982)の記載に従
って製造した。
製造例11 3,4,6−トリ−0−アセチル−2−デオキシ−2−フル
オロ−ガラクトピラノシルブロミド この製造例の表題化合物を、実質的に製造例6に引用
した方法に従って、ただし製造例5の表題化合物の代わ
りに製造例10の表題化合物を用いて製造した。
(質量スペクトル−M+)=370.1)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式の化合物: またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類: [式中のnは、1または2であり; 点線は、R2がHである場合に任意の2重結合を表し; AおよびBは別個のものであって、AがHであり、かつ
    BがHもしくは−OHであるか、またはAとBは一緒にな
    って=Oを形成し; R2は、H、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0
    であり; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R0およびR1は、それぞれH、 であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、−CH2
    OH、H、−CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2、−C
    ONHR8、−CON(R8)2、−CH2OCOR8、−CH2OCO2R8、−CH2O
    CONR2 8、または−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキシ、
    ベンジルオキシ、−OH、−OCOR8、−OCOCH2R8、−OCO2R
    8、または−OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
    ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
    ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
    C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
    ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
    OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
    ている)であり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;mが0で
    ある場合、R4は−CH2F、−CHF2、または−CF3であり;R
    0である場合、R1がHではなく;かつ式(II)および(II
    I)において環炭素原子はそれぞれ少なくとも1個の水
    素原子を保有しなければならない。]
  2. 【請求項2】nが2であり;AとBが一緒になって=Oを
    形成し;点線が結合を表さない、請求項1に記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】R3がメチル、エチルまたはアリルである、
    請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R3がエチルであり、かつR2が−OHである、
    請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1 であり、R4がH、−CH2OH、−CH2F、−CH2OCOCH3、また
    は−CH2OCH2C6H5であり、かつR5が−OH、−OCOCH2C
    6H5、または−OCOCH3である、請求項4に記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】R1であり、R4がH、−CH2OH、または−CH2OCOCH3であり;
    かつR5が−OHまたは−OCOCH3である、請求項5に記載の
    化合物。
  7. 【請求項7】R4が−CH2OHであり;かつR5が−OHであ
    る、請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】R4が−CH2OCOCH3であり;かつR5が−OCOCH
    3である、請求項6に記載の化合物。
  9. 【請求項9】R1であり、R4がH、−CH2OH、または−CH2OCOCH3であり;
    かつR5が−OHまたは−OCOCH3である、請求項5に記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】R4が−CH2OCOCH3であり;かつR5が−OCO
    CH3である、請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】R4が−CH2OHであり;R5が−OHである、
    請求項9に記載の化合物。
  12. 【請求項12】R1であり、R4が−CH2Fであり、かつR5が−OHまたは−OCOC
    H3である、請求項5に記載の化合物。
  13. 【請求項13】R5が−OCOCH3である、請求項12に記載の
    化合物。
  14. 【請求項14】R5が−OHである、請求項12に記載の化合
    物。
  15. 【請求項15】R1であり、R4がH、−CH2OH、または−CH2OCOR8であり;R
    5が−OHまたは−OCOR8であり;かつR8がベンジルであ
    る、請求項5に記載の化合物。
  16. 【請求項16】R4が−CH2OCOR8であり、かつR5が−OCOR
    8であり、請求項15に記載の化合物。
  17. 【請求項17】nが2であり;AおよびBが別個のもので
    あって、それぞれHであり;点線が結合を表さず;R2
    OHであり;かつR3がエチルである、請求項1に記載の化
    合物。
  18. 【請求項18】R1 である、請求項17に記載の化合物。
  19. 【請求項19】R4が−CH2OH、−CH2OCOCH3、−CH2OCOCH
    2C6H5、または−CH2F、であり;かつR5が−OH、−OCOCH
    3、または−OCOCH2C6H5である、請求項18に記載の化合
    物。
  20. 【請求項20】化合物が17−エチル−1,14−ジヒドロキ
    シ−12−[2′−(4″−(3,4,6−トリ−0−
    アセチル−2−デオキシ−2−フルオロ−a−D−
    ガラクトピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシクロ
    ヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキ
    シ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4
    −アザトリシクロ[22.3.1.04.9]−オクタコス−18−
    エン−2,3,10,16−テトラオンである、請求項1に記載
    の化合物。
  21. 【請求項21】次式の化合物の製造方法: [式中のnは、1または2であり; R2は、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0であ
    り; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R0およびR1は、それぞれH、 であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、H、
    −CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2、−CONHR8
    −CON(R8)2、−CH2OCOR8、−CH2OCO2R8、−CH2OCON
    R2 8、または−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキシ、
    ベンジルオキシ、−OCOR8、−OCOCH2R8、−OCO2R8、ま
    たは−OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
    ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
    ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
    C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
    ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
    OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
    ている)であり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;mが0で
    ある場合、R4は−CH2F、−CHF2、または−CF3であり;
    かつ式(II)および(III)において環炭素原子はそれ
    ぞれ少なくとも1個の水素原子を保有しなければならな
    い]であって、次式の化合物: [式中のR3は(C1−C3)アルキルまたはアリルであり、
    かつnは1または2である]と2−4モル当量の次式よ
    りなる群から選ばれる化合物: [式中のXはハロであり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、H、
    −CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2、−CONHR8
    −CON(R8)2、−CH2OCOR8、−CH2OCO2R8、−CH2OCON
    R2 8、または−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキシ、
    ベンジルオキシ、−OCOR8、−OCOCH2R8、−OCO2R8、ま
    たは−OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
    ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
    ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
    C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
    ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
    OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
    ている)である]を、分子ふるい、硫酸カルシウムおよ
    び硫酸マグネシウムよりなる群から選ばれる乾燥剤;炭
    酸水銀、炭酸銀、硝酸水銀および硝酸銀よりなる群から
    選ばれる塩基;ならびに銀トリフレート、過塩素酸銀、
    テトラフルオロ硼酸銀、水銀トリフレート、過塩素酸水
    銀、およびテトラフルオロ硼酸水銀よりなる群から選ば
    れる触媒の存在下に、反応不活性溶剤中で約−78℃ない
    し約−70℃の温度において反応させ、約0℃に約0.5−
    約24時間加温し、次いで室温で約0.5−約24時間撹拌す
    ることを含む方法。
  22. 【請求項22】次式の化合物の製造方法: [式中のnは、1または2であり; R2は、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0であ
    り; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R1およびR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、−CH2
    OH、H、−CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2、−C
    ONHR8、−CON(R8)2、−CH2OCO2R8、−CH2OCONR2 8、また
    は−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキシ、
    ベンジルオキシ、−OH、−OCOCH2R8、−OCO2R8、または
    −OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
    ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
    ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
    C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
    ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
    OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
    ている)であり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;mが0で
    ある場合、R4は−CH2F、−CHF2、または−CF3であり;
    かつ式(II)および(III)において環炭素原子はそれ
    ぞれ少なくとも1個の水素原子を保有しなければならな
    い]であって、次式の化合物: [式中のnは1または2であり; 点線は、R2がHである場合に任意の2重結合を表し; R2は、H、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0
    であり; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R0およびR1は、それぞれH、 であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R8、−CO2H、H、
    −CH3、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CONH2、−CONHR8
    −CON(R8)2、−CH2OCOR8、−CH2OCO2R8、−CH2OCON
    R2 8、または−CH2OR8であり; R5は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルコキシ、
    ベンジルオキシ、−OCOR8、−OCOCH2R8、−OCO2R8、ま
    たは−OSi(R8)3であり; tは、1、2または3であり; mは、0または1であり;かつ R8は、(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキ
    ル、アリル、ピリジル、チエニル、ベンジル、置換ベン
    ジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、または(C1
    C4)アルコキシ基で種々に置換されている)、フェニ
    ル、または置換フェニル(1−5個のハロゲン原子、−
    OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換され
    ている)であり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;mが0で
    ある場合、R4は−CH2F、−CHF2、または−CF3であり;
    かつ式(II)および(III)において環炭素原子はそれ
    ぞれ少なくとも1個の水素原子を保有しなければならな
    い]を、アルコール系溶剤中で0℃において触媒量のア
    ルコキシド塩基と反応させることを含む方法。
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