JP2562001B2 - マクロライド系抗生物質の2−アミノ糖誘導体 - Google Patents

マクロライド系抗生物質の2−アミノ糖誘導体

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JP2562001B2 JP5515659A JP51565993A JP2562001B2 JP 2562001 B2 JP2562001 B2 JP 2562001B2 JP 5515659 A JP5515659 A JP 5515659A JP 51565993 A JP51565993 A JP 51565993A JP 2562001 B2 JP2562001 B2 JP 2562001B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は医科学の分野で有用な新規化合物に関するも
のである。より詳細には、本発明は対象哺乳動物、特に
ヒトに免疫抑制薬として投与するために有用な新規化合
物に関するものである。これらの新規な免疫抑制薬は、
FK−506およびFK−520として知られているマイクロライ
ド系抗生物質に匹敵する。これらについては米国特許第
4,894,366号明細書に詳述されている。本発明の新規化
合物は、皮膚または器官の移植手術後の移植片拒絶反応
を予防または治療する際に、また自己免疫疾患、たとえ
ば慢性関節リウマチおよび乾癬を予防または治療する際
に、特に有用であろう。さらにこれらのマクロライド誘
導体は、真菌により引き起こされる感染症を予防または
治療する際に有用であろう。
移植手術後の移植片または器官の移植片拒絶反応は、
外来抗原が宿主の免疫反応系により認識された時点で起
こる一般的な出来事である。その際に宿主の免疫反応系
は、自身をそれらの外来組織から“保護”しようとし
て、それの細胞性または体液性の貯蔵物(arsenal)を
放出する。抗体がこの外来組織を攻撃し、その結果混乱
を生じ、しばしばその組織は最終的に拒絶される。
同様に、自己免疫疾患および慢性炎症性疾患において
免疫調節不整が起こることは周知である。その状態を生
じる病因に関係なく、種々の自己抗体および自己反応性
リンパ球がしばしは出現して、状態を複雑にする。
免疫反応系を標的とする処置はしばしばその系の完全
な遮断をもたらし、身体が感染と戦う能力を低下させ
る。これは、遮断に至る最初の状態と同程度に危険とな
る可能性がある。
現在、移植片拒絶反応を予防または治療するための主
な薬剤は、米国食品医薬品局により1983年に承認された
シクロスポリンAである。この薬物は、身体の免疫反応
系がそれの天然の保護物質貯蔵物を動員して移植片の外
来蛋白質を拒絶するのを抑制することにより作用する。
シクロスポリンは移植片拒絶反応の克服に有効ではある
が、それは腎不全、肝臓障害および潰瘍を引き起こす可
能性があるという点で欠点がある;これらは多くの場合
著しく重症となる可能性がある。免疫反応系に作用する
それらの能力においてより選択的であり、かつ副作用が
より少ない、より安全な薬物が絶えず求められている。
米国特許第4,894,366号明細書には、マクロライド系
抗生物質FK−506およびFK−520が、特に免疫抑制薬とし
て示され、これには“移植に対する抵抗”、自己免疫疾
患、および感染性疾患の治療が含まれる。国際特許出願
公開WO 91/02736号明細書には、FK−506、FK−520、お
よび関連のマクロライド系抗生物質の誘導体が示されて
いる。欧州特許出願公開第428,365A1号明細書には、FK
−506、FK−520、および関連のマクロライド系抗生物質
の他の種々の誘導体が示されている。
発明の概要 本発明は次式の化合物: またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を対象とす
る。
式中のnは、1または2であり; 点線は、R2がHである場合に任意の2重結合を表し; AおよびBは別個のものであって、AがHであり、か
つBがHもしくはOHであるか、またはAとBは一緒にな
って=Oを形成し; R2は、H、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR
0であり; R3は、(C1−C3)アルキルまたはアリルであり; R1およびR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、−C
H2OH、H、−CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH
2OCOR9、−CH2OCO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9
または−CH2OR9であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)ア
ルコキシ、ベンジルオキシ、−OH、−OCOR9、−OCO
2R9、または−OSiR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1
C4)アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−
SO2R9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
(C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で置
換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキ
ル、フェニルまたはベンジルであり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;かつR0
である場合にR1はHではない。
本発明の好ましい一群の化合物は、式(I)において
nが2であり;点線が結合を表さず;AとBが一緒になっ
て=Oを形成し;R2が−OHであり;R3がエチルであり;
R1であり;R4が−CH2OHまたは−CH2OCOCH3であり;R5およ
びR6がそれぞれ独立して−OHまたは−OCOCH3であり;か
つR7およびR8がそれぞれ独立してH、−COCH3、または
−COCF3である化合物群である。
この群のうち特に好ましいものは、R1が下記のもので
ある化合物である: 本発明の好ましい第2群の化合物は、式(I)におい
てnが2であり;AおよびBが別個のものであって、それ
ぞれHであり;点線が結合を表さず;R2が−OHであり;
かつR3がエチルである化合物群である。
式(I)の化合物は免疫抑制薬として有効である。こ
の有効性によりこれらの化合物は移植片(graft,transp
lant)拒絶反応を予防または治療する際に有用である。
さらにこの有効性によりこれらの化合物は哺乳動物、特
にヒトにおいて自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマ
チおよび乾癬を予防または治療する際にも有用である。
“移植”という語を上記および以下において用いる場
合、それは個体の一部分にその個体の他の部分からの、
または他の個体から採取した組織または器官を移植する
ことを意味する。代表的な移植には骨髄、心臓、腎臓、
腱および膵十二指腸の移植が含まれるが、これらに限定
されない。
“移植片”という語と上記および以下において用いる
場合、それは移植に用いられる結合していない組織また
は器官を意味する。代表的な移植片には皮膚、骨、脂肪
および神経の移植片が含まれるが、これらに限定されな
い。
さらにまた本発明の式(I)の化合物は抗真菌活性を
もつ。従ってこれらの化合物は、哺乳動物において真菌
により引き起こされる感染症を治療または予防するため
に用いることができる。
詳細な記述 本発明の式(I)の化合物は容易に製造される。最も
一般的には、下記の式(III)または(IV)のマクロラ
イド系抗生物質: を次式の適切な糖ハロゲン化誘導体: (式中のXはハロ、たとえばブロモまたはヨードであ
る)と結合させる。次いで結合した(すなわちグリコシ
ル化された)マクロライド系抗生物質を下記に従ってさ
らに修飾する。
式(III)および(IV)のマクロライド系抗生物質の
製法は文献中で周知である。これらのマクロライド系抗
生物質に至る一般的に好ましい経路は、ストレプトミセ
ス属(Streptomyces)に属する微生物の生物発酵による
ものである。R3がアリルである式(III)および(IV)
の化合物は、ストレプトミセス・ツクバエンシス(S.ts
ukubaensis)No.9993(Ferm BP−927)の発酵により得
られる。R3がエチルである式(III)の化合物およびR3
がメチルである式(III)の化合物は、ストレプトミセ
ス・ハイグロスコピカス亜種アスコミセチカス(S.hygr
oscopicus subsp.ascomyceticus)ATCC 14891の発酵に
より得られる。
ストレプトミセス・ハイグロスコピカス亜種アスコミ
セチカスATCC 14891の凍結試料は、アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション、米国、20852、マリーラ
ンド州ロックビル、パークローン・ドライブ12301に199
2年1月13日にブダペスト条約の条項のもとに寄託され
た。この新たに寄託された培養物には新たな受託番号AT
CC 55276が与えられた。
ストレプトミセス・ツクバエンシスNo.9993(Ferm BP
−927)は現在、工業技術院微生物工業技術研究所(日
本国茨木県筑波郡谷田部町東1丁目1−3)にブダペス
ト条約の規定のもとに寄託されている。新鮮な微生物試
料がブダペスト条約の条項に従ってアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションに寄託されるであろう。
上記の微生物を別個に栄養培地水溶液に装入すると、
前記式IIIおよびIVの 化合物が産生されるであろう。これらもマクロライド系
抗生物質を産生するための上記微生物の発酵は、実質的
に米国特許第4,894,366号明細書の記載に従って行われ
る。これを本明細書に参考として引用する。そこに示さ
れた方法に対してなされた変更はいずれも当施設に既存
の装置を用いるためになされたものであり、後記の製造
例1および2に記載される。
式(I)においてR0がHであり、かつR1が式(II)の
糖置換基である化合物を製造するためには、式(III)
または(IV)のマクロライド系抗生物質を式(V)の糖
ハロゲン化物と結合させる。式(V)の糖ハロゲン化物
と式(III)または(IV)のマクロライド系抗生物質の
結合(すなわちグリコシル化)反応は、当業者に周知の
化学によって直接的に行うことができる。この結合反応
は、一般にペルアセチル化形の糖を用いて実施される。
約2−4モル当量の適宜な式(V)の糖ハロゲン化物
を、反応不活性溶剤中で式(III)または(IV)のマク
ロライド系抗生物質と混合する。この型の反応に用いら
れる反応不活性溶剤には、塩素化された溶剤、たとえば
クロロホルム、塩化メチレンおよぶ二塩化エチレン;エ
ーテル系溶剤、たとえばジチエルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンおよびジメトキシエタン;芳香族
溶剤、たとえばベンゼン、トルエンおよびキシレン;な
らびに双極−非プロトン溶剤、たとえばN,N−ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリルおよびN−メチルピロリ
ドンが含まれる。好ましい溶剤は塩素化された溶剤であ
り、特に好ましい溶剤は塩化メチレンである。一般に、
反応体が溶剤により溶解または懸濁されるのに十分な溶
剤を用いることが望ましい。一般に用いられる溶剤は10
-1−10-3モル濃度のマクロライド系抗生物質溶液を与え
る範囲であり、10-1モル濃度が好ましい。無水溶剤を使
用し、また反応混合物に乾燥剤を添加することにより、
反応に際して乾燥状態を維持する。一般にこの目的で用
いられる乾燥剤は分子ふるい、硫酸カルシウムおよび硫
酸マグネシウムである。好ましい乾燥剤は4Å分子ふる
いである。
試薬の最初の混合は約−78℃から約70℃までの温度で
実施される。好ましいのは約−78℃から約0℃までの範
囲の温度である。製造の容易さのために特に好ましいの
は、反応温度を−78℃に維持する冷却浴である。
上記の反応体を混合し、温度を−78℃に平衡化したの
ち、反応混合物を適切な塩基、たとえば炭酸水銀、炭酸
銀、硝酸水銀または硝酸銀で処理する。この反応に好ま
しい塩基は炭酸銀である。塩基を添加したのち、反応混
合物を触媒で処理する。この反応のための代表的な触媒
には、用いたその塩基に付随するカチオンのトリフレー
ト(triflate)、過塩素酸塩およびテトラフルオロ硼酸
塩が含まれる、好ましい触媒は銀トリフレートである。
すべての反応体および試薬を添加したのち、反応混合
物を0℃に加温し、0℃で0.5−24時間撹拌し、次いで
徐々に室温に加温する。反応混合物を室温でさらに0.5
−24時間撹拌する。一般に反応混合物を0℃で5時間撹
拌し、3時間にわたって室温にまで昇温させ、次いで室
温で16時間撹拌する。次いで生成物を当業者に慣用され
る手法で反応混合物から単離する。たとえば濾過助剤、
たとえばセライト(Celite、登録商標)を通して単純に
濾過し、次いで蒸発させると残渣が得られ、これをカラ
ムクロマトグラフィーにより精製する。カラムクロマト
グラフィーはシリカゲルなどの固相成分、および化合物
を混合物から分離精製するために有利な溶剤混合物から
なる液相成分の使用を伴うことは当業者に自明であろ
う。クロマトグラフィー後に溶剤を除去することによ
り、グリコシルマクロライドが得られる。一般にこの結
合反応はマクロライド系抗生物質の3箇所のアルコール
部位のうち1箇所においてのみ起こり、この部位はC−
4″アルコール性官能基である(式III参照)。この選
択性は、恐らくマクロライド系抗生物質の優先配座にお
いてこの位置のヒドロキシル基がより利用されやすいこ
とによるものであろう。しかし場合により、特に反応性
の高い糖ハロゲン化物を用いると、少量のジグリコシル
化物質(その場合R2=OR0)が形成される。この物質
は、標準法に従って一般に薄層クロマトグラフィーによ
り行われる反応進行の監視に際して検出される。ジグリ
コシル化物質はモノグリコシル化物質の場合と同様に単
離精製されるが、ジグリコシル化物質は一般にクロマト
グラフィーで単離される最初の物質であり、モノグリコ
シル化物質はその後の画分中に単離されるという顕著な
相異がある。添加された当量の糖塩化物の使用、または
他のパラメーター、たとえば溶剤、塩基もしくは触媒の
変更が、ジグリコシル化物質の収率に影響を及ぼす可能
性がある。
式(I)においてR1がHであり、かつR0が式(II)の
糖置換基である化合物を製造するためには、式(III)
または(IV)のマクロライド系抗生物質をまずC−4″
位においてヒドロキシル保護基で保護する。この目的に
達したヒドロキシル保護基には、該アルコールのシリル
エーテル、カルボン酸エステルおよび炭酸エステルが含
まれるが、これらに限定されない。保護基は周知の有機
化学的方法によってアルコールに懸垂される。嵩高なシ
リルエーテルがそれらの選択性、結合の容易さ、および
除去の容易さのため好ましい。式(III)または(IV)
のマクロライド系抗生物質を反応不活性溶剤に約0−約
30℃の温度で溶解するのが好都合である。この型の反応
に用いられる反応不活性溶剤には双極−非プロトン溶
剤、たとえばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シドおよびN−メチルピロリドン;塩素化された溶剤、
たとえばクロロホルム、ジクロロメタンおよび1,2−ジ
クロロエタン;ならびにエーテル系溶剤、たとえばジエ
チルエーテル、ジオキソランおよびテトラヒドロフラン
が含まれる。溶剤は特にジメチルホルムアミドである場
合が多い。シリル化剤、通常はシリルトリフルオロメタ
ンスルホネート、たとえばt−ブチルジメチルシリルト
リフルオロメタンスルホネート、またはシリルクロリ
ド、たとえばジメチル−t−ブチルシリルクロリド、ト
リメチルクロロシランもしくはトリフェニルクロロシラ
ンを、有機アミン、たとえばトリエチルアミン、トリメ
チルアミン、4−ジメチルアミノピリジンまたはイミダ
ゾールと共に添加する。通常はイミダゾールが好ましい
塩基である。反応混合物を約1−約24時間、一般的には
室温で撹拌し、次いで生成物を反応液から当業者に周知
の方法で単離する。
この時点でC−4″位において保護されているマクロ
ライド系抗生物質を、前記式(V)の糖ハロゲン化物と
結合させることができる。この結合反応の生成物は、糖
誘導体がC−14位に酸素により結合し、かつC−4″位
が保護された式(I)の化合物の誘導体である。C−
4″位を当業者に周知の有機化学的標準法により脱保護
して、遊離ヒドロキシ化合物を得ることができる。一般
に、好ましいシリルエーテル系保護基を除去するために
は、C−4″シリル保護された式(I)の化合物をアセ
トニトリル、または反応不活性溶剤、たとえばエーテル
系溶剤、たとえばテトラヒドロフランまたはジエチルエ
ーテルに約0−30℃の温度で溶解し、フッ化物供給源、
たとえばフッ化水素またはテトラ−N−ブチルアンモニ
ウムフルオリドで処理する。反応物を約1−約24時間撹
拌し、次いで生成物を当業者に周知の有機化学的標準法
で単離する。
式(I)においてAおよびBが別個のものであって、
それぞれHである本発明化合物(以下、C−2デスオキ
ソ−マクロライドと呼ぶ)を製造するためには、式
(I)においてAとBが一緒になって=Oである化合物
をα−ケトアミドの還元のための標準的条件を用いて還
元する。この還元法によって、アミドに隣接するカルボ
ニルが、分子内の他のカルボニルに影響を及ぼすことな
く選択的に還元される。一般に式(I)のC−2オキソ
−マクロライドを反応不活性溶剤または溶剤混合物に溶
解し、硫化水素ガスを混合物に6−24時間、室温で吹き
込む。簡便には、このガスを反応混合物に一夜吹き込
む。この反応に適した反応不活性溶剤には以下のものが
含まれるが、これらに限定されない:有機塩基、たとえ
ばジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンおよび
アニリン;双極−非プロトン溶剤、たとえばN,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびN−メ
チルピロリドン;ならびにアルコール系溶剤、たとえば
メタノール、エタノールおよびプロパノール。最適収率
を達成するために、または還元経路に影響を及ぼすため
に、これらの溶剤2種以上の組み合わせがしばしば用い
られる。たとえばAがHであり、かつBがOHであるマク
ロライド系抗生物質は、メタノールを溶剤として用いて
製造される。C−2デスオキソ−マクロライドを得るた
めに特に好ましい溶剤系は、等量のピリジンおよびN,N
−ジメチルホルムアミドである。反応が完了した時点
で、生成物を当業者に自明の有機化学的標準法で単離す
る。
あるいは式(III)または(IV)のマクロライド系抗
生物質を、グリコシル化の前に上記方法で還元してもよ
い。還元後にこのマクロライド系抗生物質を前記に従っ
てグリコシル化することができる。
式(I)おいて点線が結合を表し、かつR2が水素であ
る本発明化合物を製造するためには、式(I)において
R2が−OHであり、かつ点線が結合を表さない化合物(以
下、β−ヒドロキシケトンと呼ぶ)を、欧州特許出願第
323042号明細書の記載に従って脱水する。一般に触媒量
の有機酸を含有する反応不活性溶剤に、β−ヒドロキシ
ケトンを溶解する。適切な反応不活性溶剤は芳香族溶
剤、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなどであ
り、トルエンが好ましい。有機酸は一般にトルエンスル
ホン酸、ショウノウ(樟脳)スルホン酸などの酸から選
ばれ、トルエンスルホン酸が好ましい。反応混合物を約
50−約120℃で約5分ないし約1時間加熱する。一般に
蒸気浴温度(約100℃)が好ましく、反応を簡潔させる
には一般に5分で十分である。反応生成物を当業者に周
知の方法に従って単離する。反応は一般に既にグリコシ
ル化されている化合物について実施される。
式(I)においてR5およびR6がヒドロキシであり、か
つR4がヒドロキシメチルである本発明化合物を製造する
ためには、式(I)においてR5およびR6がアセトキシで
あり、かつR4がアセトキシメチルである化合物を、後記
に示すように当業者に知られている標準的条件で脱アセ
チル化する。この選択的脱アセチル化は存在するアミド
には影響を及ぼさず、アルコキシド塩基をアルコール系
溶剤中の脱アセチル化すべき物質の溶剤に0℃で添加す
ることによって容易に達成される。一般に触媒量、たと
えば0.01当量の塩基を用いる。通常はそのアルコール系
溶剤のアルコキシド塩基を用いることが好ましい。使用
しやすさおよび反応性に関しても最も好ましいものは、
メタノールが溶剤であり、かつナトリウムメトキシドが
塩基である系である。生成物の単離は当業者に周知の標
準法に従って行われる。
式(V)の糖ハロゲン化物は、容易に入手し得ない場
合には、容易に入手しうる式(VI)の2−アミノ糖: (式中のR11はH、(C1−C4)アルキル、または(C2−C
4)アルカノイルである)から、当業者に周知の標準的
ハロゲン化法を用いて簡便に製造することができる。
臭素化が好ましい方法である;場合により塩素化も採
用しうる。臭素化は、式(VI)の1−ヒドロキシ、アル
コキシまたはアルカノイルオキシ糖誘導体を有機酸系溶
剤、たとえば酢酸に溶解することにより行われる。糖が
1ヒドロキシまたは1−アルコキシ糖である場合、一般
に1−10当量の無水酢酸が添加される。好ましい基質は
1−アセトキシ糖誘導体である。反応温度が約−20℃な
いし約0℃の範囲になるように、反応混合物を冷却す
る。一般に好ましい温度は約0℃である。冷却された反
応混合物を酢酸溶剤中の臭化水素酸溶液で処理する。一
般に大過剰、たとえば10−40モル当量の臭化水素酸が用
いられる。反応混合物を室温まで昇温させ、反応が完了
するまで撹拌する。一般に便宜上、反応混合物を一夜撹
拌する。臭素化生成物の単離は当業者に周知の直接的方
法で行われる。しばしばこれは真空中で溶剤の除去する
にすぎない。場合により、溶剤の除去をより完全に行う
ために、反応溶剤を共沸させる補助溶剤、たとえばトル
エンを用いる。時にはカラムクロマトグラフィーを用い
て、それ以上の精製が行われる。
式(VI)においてR7およびR8がそれぞれ(C1−C4)ア
ルキルである化合物を製造するためには、式(VI)にお
いてR7およびR8がそれぞれHである化合物を当業者に知
られている標準的アルキル化条件下で反応させる。同様
に、式(VI)においてR7がHであり、かつR8が−COR9
−CO2R9、−COCH2R9、または−SO2R9である化合物を製
造するためには、式(VI)においてR7およびR8がそれぞ
れHである化合物を、標準的なアミノ−アシル化または
−スルホン化法により反応させる。たとえば式(VI)に
おいてR7およびR8がそれぞれHである化合物を、反応不
活性溶剤中で下記の過剰のアシル化剤またはスルホン化
剤(これらに限定されない)と反応させる:無水酢酸、
無水トリフルオロ酢酸、(C1−C6)アルカノイルクロリ
ド、(C3−C6)シクロアルカノイルクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、クロトニルクロリド、ニコチノイルクロリ
ド、イソニコチノイルクロリド、ピコリノイルクロリ
ド、チオフェンカルボニルクロリド、フルフリルクロリ
ド、またはR9−置換スルホニルクロリド。この型の反応
に適した反応不活性溶剤には、塩素化された溶剤、たと
えばクロロホルム、塩化メチレンおよび二塩化エチレ
ン;芳香族溶剤、たとえばベンゼン、トルエンおよびキ
シレン;ならびに双極−非プロトン溶剤、たとえばN,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび
N−メチルプロリドンが含まれる。好ましいのは塩素化
された溶剤であり、特に好ましいのは塩化メチレンであ
る。酸付加塩形のアミノ糖を用いて反応を実施する場
合、プロトンスカベンジャーとして塩基を添加する必要
がある。一般に弱塩基、たとえばピリジン、または有機
アミン、たとえばジエチルアミン、トリエチルアミン、
トリメチルアミン、もしくはピペリジンの使用で十分で
ある。この反応に極めて好ましい塩基はピリジンであ
る。当業者に周知の標準法で精製物を単離すると、アミ
ノ糖のアシル誘導体が得られる。
式(VI)においてR4が−CO2R9または−CO2Hであるア
ミノ糖誘導体を製造するためには、式(VI)においてR7
およびR8がそれぞれHであり、R4が−CH2OHであり、か
つR5およびR6がそれぞれ−OHであるアミノ糖の1−ヒド
ロキシ基を当業者に知られている標準的保護方法で保護
する。一般にベンジル基などが保護基として用いられい
る。次いで式(VI)においてR7およびR8がそれぞれHで
あるこの保護されたアミノ糖を、前記に従ってN−アル
キル化、N−アシル化、またはN−スルホン化する。次
いで式(VI)においてR4が−CH2OHであり、かつR5およ
びR6がそれぞれ−OHである、N−置換、1−保護された
このアミノ糖を、当業者に知られている糖酸化化学の標
準法により酸化する。一般に式(VI)においてR5および
R6がそれぞれ−OHであり;R4が−CH2OHであり;R7がH
であり;R8 が−COR9、−CO2R9、−CO2CH2R9、または−SO2R9であ
り;かつR10が保護基であるこのアミノ糖を、反応不活
性溶剤、たとえばベンゼン、アセトニトリルまたは酢酸
エチルに溶解し、そして触媒量の酸化白金で処理する。
酸素ガスを約2−約24時間、室温で反応混合物に吹き込
む。このウロン酸誘導体を当業者に知られている標準法
で反応液から単離する。
式(VI)においてR5およびR6がそれぞれ−OCOR9また
は−OCO2R9である化合物を製造するためには、式VIにお
いてR5およびR6がそれぞれ−OHである化合物を、当業者
に知られている標準的なアシル化条件下または有機化学
方法で反応させる。一般に式(VI)においてR5およびR6
がそれぞれ−OHである化合物を、適切なアシル化剤、た
とえば無水酢酸(これに限定されない)と、反応不活性
溶剤、たとえば酢酸中で、約0−約25℃において反応さ
せる。当業者に知られている化学的標準法で生成物を単
離する。
式(VI)においてR4が−CH2OCOR9または−CH2OCO2R9
であり、かつR5およびR6がそれぞれ−OCOR9または−OCO
2R9である化合物を製造するためには、式(VI)におい
てR4が−CH2OHであり、かつR5およびR6がそれぞれ−OH
である化合物から出発して、上記節の方法を用いる。
あるいは式(I)の化合物は、上記の結合(グリコシ
ル化)反応を採用し、ただし式(V)の糖ハロゲン化物
の代わりに次式のアジド置換された糖誘導体を用いて製
造することができる: この式のアジド化合物は、レミュー(Lemiuex)ら[Can
adian Journal of Chemistry,57,1244−51(1979)]が
述べた方法で製造される。
こうしてアジド糖クロリドと結合させたのち得られた
マクロライド系抗生物質をその場で水素化およびアシル
化して、式(I)においてR4が−CH2OCOR9または−CH2O
CO2R9であり、R5およびR6がそれぞれ−OCOR9または−OC
O2R9であり、R7がHであり、かつR8が−COR9または−CO
2R9である化合物が得られる。
水素化は一般に、水素化すべき物質(基質)を反応不
活性溶剤中で、貴金属触媒の存在下に撹拌または振盪す
ることにより実施される。反応は一般に約0−約60℃、
好ましい約25℃の温度で実施される。水素圧は一般にほ
ぼ大気圧から約60PSI(約4.2kg/cm2)までの範囲に維持
され、約20−約50PSI(約1.4−3.5kg/cm2)がより好ま
しい。極めて好ましいのは50PSI(約3.5kg/cm2)の圧力
である。反応不活性溶剤はジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジ
メチルホルムアミド、エタノール、メタノール、蟻酸、
酢酸およびプロピオン酸などの溶剤から選ばれる。この
水素化に特に好ましい溶剤は酢酸である。この反応に用
いるために好ましい貴金属触媒は、パラジウム、白金、
ロジウムおよびニッケルである。その反応性のため特に
好ましいのはパラジウムである。触媒は不活性媒質、た
とえば炭素に担持させるのが好都合であり、触媒は通常
は約0.01−約25重量%の量で存在する。特に好ましいの
は、アジド化合物の重量に対して0.1−約10重量%であ
る。反応は一般に密閉フラスコ、たとえば水素を導入
し、かつ希望する圧力を維持するためのパル・シェーカ
ー装置に取り付けたパルボトル内で実施される。これら
の条件下で反応を実施すると、反応は通常数時間以内、
たとえば約2−約24時間で完了する。
水素化が完了した時点で反応フラスコをパル・シェー
カーから取りはずし、その内容物をこの新たに形成され
たアミンとの完全な反応を保証するのに十分な無水酢酸
で処理する。反応容器を数分間、たとえば3−30分間回
転させ、その時点で反応混合物をセライトおよび木炭に
より濾過する。濾液を有機化学的標準法に従って精製し
て、目的とするマクロライド系抗生物質を得る。
R4が−CO2Hである場合のように本発明の式(I)の化
合物が酸性である場合、本発明は式(I)の化合物の薬
剤学的に受容しうる塩類をも包含する。
それに用いられる薬剤学的に受容しうる代表的カチオ
ン塩類には下記のものが含まれる:アルカリ金属塩(た
とえばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属
塩(たとえばマグネシウムおよびカルシウム)、アルミ
ニウム塩、アンモニウム塩、ならびに有機アミン、たと
えばベンザチン(N,N′−ジベンジルエチレンジアミ
ン)、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン
(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジエチルアミン、
ピペラジン、トロメタミン、(2−アミノ−2−ヒドロ
キシメチル−1,3−プロパンジオール)、およびプロカ
インとの塩類。この種の特に好ましい塩はナトリウム塩
である。
本発明の薬剤学的に受容しうる塩類は、酸形のもの
を、通常は1当量の適宜な塩基と、補助溶剤中で反応さ
せることによって容易に製造される。代表的な塩基は水
酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、ベンザチン、コリン、ジエ
タノールアミン、ピペラジンおよびトロメタミンであ
る。上記の塩は濃縮乾固することにより、または非溶剤
の添加により単離される。多くの場合、塩類は好ましく
は上記酸の溶液と、そのカチオンの異なる塩類(エチル
ヘキサン酸ナトリウムまたはカリウム、オレイン酸マグ
ネシウム)の溶液を、目的とするカチオン塩がそれから
沈殿する溶剤(たとえば酢酸エチル)を用いて混合する
ことにより製造されるか、さもなければ濃縮および/ま
たは非溶剤の添加により単離することができる。
R7およびR8がそれぞれHもしくは(C1−C4)アルキル
であるか、またはR7がHであり、かつR8が(C1−C4)ア
ルキルである場合のように、本発明の式(I)の化合物
が塩基性である場合、本発明は式(I)の化合物の薬剤
学的受容しうる酸付加塩類をも包含する。
薬剤学的に受容しうる代表的な酸付加塩には、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リ
ン酸水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、コハク酸塩、ク
エン酸塩、メシラート(メタンスルホン酸塩)、および
トシラート(p−トルエンスルホン酸塩)が含まれる。
これらの塩類は塩基形のものを適宜な酸と反応させるこ
とによって容易に製造される。塩が一塩基酸のもの(た
とえば塩酸塩、臭化水素酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩または酢酸塩)、二塩基酸の水素形のもの(たとえば
硫酸水素塩またはコハク酸塩)、または三塩基酸の水素
形のもの(たとえばリン酸二水素塩またはクエン酸塩)
である場合、少なくとも1モル当量、通常は過剰モルの
酸を用いる。しかし、硫酸塩、ヘミコハク酸塩、リン酸
水素塩、リン酸塩などの塩類を目的とする場合、適切
な、かつ厳密な化学当量が一般に用いられるであろう。
通常は目的とする塩がそれから沈殿する補助溶剤中で遊
離の塩基と酸を混和するか、さもなければ濃縮および/
または非溶剤の添加により単離することができる。
本発明の式(I)のマクロライド系抗生物質に関して
は、非対象炭素原子および二重結合のため、配座異性体
または立体異性体形、たとえば光学異性体および幾何異
性体が存在すると解すべきであり、それらの異性体も本
発明の範囲に含まれる。
こうして製造された式(I)の化合物は、移植に対す
る抵抗、および自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマ
チまたは乾癬の処置に特に有用である。移植に対する抵
抗を処置する際には、式(I)の化合物を予防的に、ま
たは移植された器官もしくは組織に対するヒト対象者の
不都合な反応に応じて用いることができる。予防的に用
いる場合、式(I)の化合物を移植手術に先立って患者
に投与するか、または移植すべき組織もしくは器官に投
与する。予防処置には、移植手術後ではあるが移植に対
する不都合な反応の徴候が見られる前の薬剤投与も含ま
れる。不都合な反応に応じて投与する場合は、抵抗の外
的徴候が明らかになったのちに、移植に対するこの抵抗
を処置するため式(I)の化合物を患者に直接に投与す
る。
ヒトを含む哺乳動物において移植に対する抵抗、およ
び自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマチまたは乾癬
の治療に用いるためには、式(I)の化合物を疾患の治
療に有効な量で含有する適切な薬剤組成物として配合す
る。投与される個々の式(I)の化合物の効力に応じ
て、約0.05−約30mg/kg体重/日を1日1回または多数
回の投与で、治療すべき哺乳動物に投与する。より好ま
しい範囲は0.1−約20mg/kg体重/日であるが、特別な場
合には担当医師の判断において、上記の広い方の範囲外
の用量が必要になる場合がある。好ましい投与経路は一
般に経口によるが、特別な場合、たとえばその標的に対
して経口投与が不適切である場合、または患者が種々の
理由で薬物を摂取し得ない場合には、非経口投与(たと
えば静脈内、筋肉内、皮下または骨髄内(intramedulla
ry))が好ましいであろう。患者が皮膚疾患、たとえば
乾癬を患っている場合、または組織もしくは器官の表面
に薬剤を付与するのが最良であると医師が判断した場
合、局所投与も指示しうる。
こうして製造された式(I)の化合物は真菌により引
き起こされた感染症の治療にも有用である。ヒトを含む
哺乳動物においてこれらの真菌感染症の治療に用いるた
めには、式(I)の化合物を疾患の治療に有効な量で含
有する薬剤組成物として配合する。投与される個々の式
((I)の化合物の効力に応じて、約0.05−約30mg/kg
体重/日、1日1回または多数回の投与が、治療すべき
哺乳動物に投与する量である。より好ましい範囲は0.1
−約20mg/kg体重/日であるが、特別な場合には担当医
師の判断において、上記の広い方の範囲外の用量が必要
になる場合がある。好ましい投与経路は一般に経口によ
るが、特別な場合、たとえばその標的に対して経口投与
が不適切である場合、または患者が種々の理由で薬物を
摂取し得ない場合には、非経口投与(たとえば静脈内、
筋肉内、皮下または骨髄内)が好ましいであろう。組織
もしくは器官の表面に薬剤を付与するのが最良であると
医師が判断した場合、局所投与も指示しうる。
本発明の化合物は一般に式(I)の化合物少なくとも
1種、および薬剤学的に受容しうるベヒクルまたは希釈
剤を含む薬剤組成物の形で投与される。これらの組成物
は一般に常法により、投与様式に適した固定または液体
のベヒクルまたは希釈剤を用いて配合される:経口投与
のためには錠剤、硬または軟ゼラチンカプセル、懸濁
剤、顆粒剤、散剤などの形;非経口投与のためには注射
用の液剤または懸濁剤などの形;局所投与のためには液
剤、ローション剤、軟膏剤(ointment,salve)などの
形。
移植に対する抵抗、および自己免疫疾患、たとえば慢
性関節リウマチまたは乾癬の治療における薬剤としての
本発明化合物の有用性は、後記の生物学的スクリーニン
グ法におけるそれらの化合物の有効性により証明され
る。これらの生物学的スクリーニング法は、式(I)の
化合物の有効性を他の既知化合物の有効性と比較する手
段をも提供する。これらの比較の結果は、ヒトを含む哺
乳動物において移植に対する抵抗、および自己免疫疾
患、たとえば慢性関節リウマチまたは乾癬の治療に用い
るための用量を比較するのに有用である。
ヒト混合リンパ球反応(MLR)は、インビトロで免疫
反応を生じさせ、これを3H−チミジンの取り込みにより
測定するために用いられる。このスクリーニング法は改
良二方向MLR(modified two−way MLR)において末梢血
単核球を用いる。HLAタイプD抗原の不同性(disparit
y)を保証し、従って刺激を最大にするために、凍結し
たドナー細胞のプールを刺激細胞(stimulator)集団と
して用い;新たに単離した細胞を応答細胞(responde
r)集団として用いる。
新たに採取した単核球を、下記を富化したRPMI−1640
に懸濁する:0.5%MEM非必須アミノ酸(100×)溶液、1
% L−グルタミン(200mM)、1 %MEMビタミン類(100
×)、1%ペニシリン ストレプトマイシン溶液(10,0
00単位/mL)、および15%熱不活性化ヒトAB血清(NAB
I)。細胞を計数し、濃度を5×105細胞/mLに調整す
る。次いでこの溶液を丸底96ウェルプレートに100μL/
ウェルの量で移す。こうしてこれらのプレートは応答細
胞を収容している。
刺激細胞は、数種類の異なる個体から採集した単核球
をプールすることにより調製される。細胞を90%ヒトAB
血清および10%DMSOに、細胞数が2×107細胞/mLになる
ように懸濁する。この細胞を液体窒素中に保存する。ML
Rについては、生存細胞を5×105細胞/mLに希釈し、応
答細胞を収容したプレートに100μL/ウェルを添加す
る。応答細胞と刺激細胞の混合物を収容した各ウェルに
50μLの化合物溶液を添加する。各用量につき3個のウ
ェルで実験する。プレートを37℃で5%CO2の雰囲気下
に5日間キンキュベートし、加湿する。各ウェルに1μ
Ciの3H−チミジンを添加し、さらに18時間、インキュベ
ーションを継続する。細胞をLKBベータ・プレートシス
テムにより採取する。
刺激された対照に対する抑制率パーセントは下記の方
程式により得られる: 略号cpmはカウント毎分として定義される。RPMI−164
0はシグマから入手される組織培地である。
上記のMLRスクリーニング法における有効性は、これ
らの有効化合物が移植に対する抵抗、ならびに自己免疫
疾患、たとえば慢性関節リウマチおよび乾癬の治療に有
用であることを示唆する。
種々の真菌に対する本発明のマクロライド系抗生物質
の抗微生物活性は、サブロー寒天における系列寒天希釈
法により測定される。最小発育阻止濃度(MIC)は30℃
で24時間のインキュベーションを後に求める。
本発明を以下の実施例により説明する。ただし本発明
はこれらの例の個々の詳細事項には限定されないと解す
べきである。特に明記しない限り、反応はすべて不活性
雰囲気、たとえば窒素中で実施される。略号THF、DMS
O、DAST、DMAPおよびAcを用いた場合、それらはそれぞ
れテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルアミノ−スルファートリフルオリド、4−ジメチルア
ミノピリジンおよびアセチルを意味する。特に明記しな
い限り、糖ハロゲン化物は糖類と同様に、信頼できる業
者、たとえばシグマまたはアルドリッヒから購入され
た。無水溶剤を使用し、無水とは実質的に水を含有しな
いことであると定義される。
“反応不活性溶剤”という表現を上記で用いた場合、
それは目的生成物の収率に不都合な影響を及ぼす様式で
出発原料、試薬、中間体または生成物と相互作用しない
いずかれかの溶剤を意味する。
製造例1および2に見られる用語または頭字語につい
ては、後にさらに詳述する。
PYEA寒天は、ディフコマルトース(10g)、ディフコ
酵母エキス(4g)、ブドウ糖(4g)、ディフコ寒天(15
g)および新鮮なココナツミルク(50mL)を、1リット
ル溶液が得られるのに十分な脱イオン水に溶解し;この
溶液を1N NaOHでpH7.3に調整することにより調製され
る。
ATCC 172培地は、グルコース(10g)、可溶性デンプ
ン(20g)、酵母エキス(5g)、NZ−アミンA(ディフ
コ、5g)および炭酸カルシウム(1g)を、1リットル溶
液が得られるのに十分な脱イオン水に溶解し;この溶液
を1N KOHでpH7.0に調整することにより調製される。
JDYTT培地は、セレロース(10g)、トウモロコシデン
プン(5g)、コーンスチープリカー(5g)、NZ−アミン
YTT(5g)、塩化コバルト(0.002g)および炭酸カルシ
ウム(3g)を、1リットル溶液が得られるのに十分な脱
イオン水に溶解し;この溶液を1N NaOHでpH7.2に調整す
ることにより調製される。
NZ−アミンAおよびNZ−アミンYTTは、上記培地の他
の大部分の成分と同様にディフコから入手される。
上記のMLRプロトコールにおいて、RPMI−1640はMLR研
究に用いられる標準的培地であり;MEMは“最小必須培
地”と定義され;NABIは供給業者である。
実施例1 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(2−デオキシ−2−トリフルオロアセトアミド
−3,4,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシ
ル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,
19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ
トリシクロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−
2,3,10,16−テトラオン 製造例1の表題化合物(2.48g)、製造例3の表題化
合物(2.9g)、および4Åモレキュラーシーブ(破砕、
5.0g)の、塩化メチレン(無水、150mL)中における撹
拌されたスラリーに、−78℃で炭酸銀(5.15g)、次い
で銀トリフレート(0.83g)を添加した。反応混合物を
8時間にわたって室温にまで昇温させ、次いでさらに5
時間撹拌した。得られた淡褐色のスラリーをセライト
(登録商標)により濾過し、濾液を真空中で蒸発させ
た。残渣をシリカゲル上で、ヘキサン/酢酸エチル(2/
1)により溶離して精製し、生成物(0.93g,25%)を得
た。
13C NMR(300MHz,CDCl3)(主ローテーマー(rotame
r)):δ 213.36,197.1,192.82,170.94,170.77,169.4
4,169.03,164.92および138.85。質量スペクトル(FA
B):1197.2(分子イオン+Na+) 実施例2および3 実施例1に示したものと実質的に同じ方法で、ただし
製造例3の表題化合物の代わりに適宜な糖ハロゲン化物
1モル当量を用いて、下記の化合物を製造した。
2. 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2−デオキシ−2−アセトアミド−3
,4,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,
16−テトラオン 13C NMR(500MHz,CD3COCD3)(主ローテーマー):δ
211.94,197.93,170.75,170.478,170.21,170.013,169.
80,166.1,138.88,132.80および132.21。質量スペクトル
(FAB):1143.5(分子イオン+Na+) 3. 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2−デオキシ−2−アジド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル
オキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−
メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テ
トラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[2
2.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テ
トラオン 質量スペクトル(FAB):1127(分子イオン+Na+) 実施例4 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(2−デオキシ−2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル
オキシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−
メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テ
トラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[2
2.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テ
トラオン 製造例3の表題化合物(1g)および5%炭素上パラジ
ウム(100mg)を酢酸(10mL)で希釈し、反応混合物を5
0PSI(約3.5kg/cm2)の水素圧および室温で16時間水素
化した。反応混合物を2mLの無水酢酸で処理し、5分間
回転させた。反応混合物をセライトおよび木炭により濾
過し、真空中で濃縮し、シリカゲル上でクロマトグラフ
ィー処理して[まず酢酸エチル/ヘキサン(1/1)、次
いで酢酸エチル/ヘキサン(2/1)により溶離]、この
実施例の表題化合物mgを得た。
質量スペクトル(FAB):1143.3(分子イオン+Na+) 実施例5 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(2−デオキシ−2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオ
キシ)−3″−メトキトシシクロヘキシル)−1′−メ
チルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テト
ラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.
3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−3,10,16−トリオ
ン 製造例2の表題化合物(1.0g)をDMF(15mL)および
ピリジン(15mL)に溶解し、硫化水素(H2S)ガスを反
応混合物に室温で一夜吹き込んだ。過剰のH2Sが大気中
へ散逸するのをクロロックス(Chlorox)トラップによ
り防止した。16時間後に反応混合物をトルエン(50mL)
で希釈し、ブライン(50mL)で洗浄した。溶剤をMgSO4
で乾燥させ、溶剤を真空中で除去した。残渣をシリカゲ
ルのパッドに導通し、酢酸エチル/ヘキサン(2/1)に
より溶離して、この実施例の表題化合物490mg(50%)
を得た。
13C NMR(300MHz,CD2Cl2)(主ローテーマー)):δ
215.14,174.08,171.74,170.48,170.39,169.93,169.3
6,169.137,140.76,132.04,128.45および122.23。質量ス
ペクトル(FAB):1129.7(分子イオン+Na+) 実施例6 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−(2−デオキシ−2−トリフルオロアセトアミド
−β−D−グルコピラノシルオキシ)−3″−メトキト
シシクロヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−
ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオ
キサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.O4.9]−オクタコ
ス−18−エン−3,10,16−テトラオン 実施例1の表題化合物(1.0g)をメタノール(100m
L)に溶解し、ナトリウムメトキシド(20mg)で処理し
た。反応混合物を0℃で8時間撹拌し、次いで使い捨て
ピペットからの1滴の酢酸で処理した。溶剤を真空中で
除去し、残渣をシリカゲル上で、THFにより溶離して精
製し、610mgの泡状物(50%)を得た。
実施例7および8 実施例6に示したものと実質的に同じ方法で、ただし
実施例1の表題化合物の代わりに実施例2−5の生成物
のうちのいずれか1モル当量用いて、下記の化合物を製
造した。
7. 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2−デオキシ−2−アセトアミド−β−
D−グルコピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシク
ロヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメト
キシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18
−エン−3,10,16−テトラオン 13C NMR(300MHz,CD3OD)(主ローテーマー):δ 2
12.02,196.8,172.26,169.29,および166.08。質量スペク
トル(FAB):1017.6(分子イオン+Na+) 8. 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−
(4″−(2−デオキシ−2−アセトアミド−β−
D−グルコピラノシルオキシ)−3″−メトキトシシク
ロヘキシル)−1′−メチルビニル]−23,25−ジメト
キシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−
4−アザトリシクロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18
−エン−3,10,16−テトラオン 13C NMR(300MHz,CD2Cl2)(主ローテーマー):δ
215.0,174.1,172.6,169.5,141.1。
製造例1 17−エチル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−ヒドロキシ−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−3,10,16
−テトラオン ストレプトミセス・ハイグロスコピカス亜種アスコミ
セチカス培養物ATCC14891を、PYEA寒天斜面(10g/L デ
ィフコマルトース、4g/L ディフコ酵母エキス、4g/L
ぶどう糖、15g/L ディフコ寒天、および50mL新鮮なコ
コナツミルク、これを脱イオン水で1リットルに希釈
し、次いで1N NaOHでpH7.3に調整した)に乗せた。この
調製物を28℃で10−12日間インキュベートし、次いで10
mLのATCC 172培地(10g/L グルコース、20g/L 可溶性
デンプン、5g/L 酵母エキス、5g/L NZ−アミンA、お
よび1g/L 炭酸カルシウム。1N KOHでpH7.0に調整し
た)を入れた無菌の1×6振盪試験管に胞子を移した。
試験管を28℃でインキュベートし、回転振盪機上におい
て約150−200回転/分で振盪した。4−5日後にブロス
をグリセリンおよびATCC 172培地で40%に希釈し、次い
で無菌的に冷却試験管(cryotube)に移した。各試験管
に1/2mLのブロスを装填した。保存期間中はこれらの試
験管を−80℃に凍結した。
超低温貯蔵庫からの試験管を接種用フラスコの調製の
ための接種材料として、300mLの振盪フラスコ中の50mL
の無菌JDYTT培地当たり1本の試験管を用いた。JDYTT培
地の組成は、10g/L セレロース、5g/L NZ−アミンYT
T、0.002g/L 塩化コバルト、および3g/L 炭酸カルシ
ウムであった。JDYTT培地のpHを1N NaOHでpH7.2に調整
した。振盪試験管を約150−200回転/分および28℃で回
転振盪機上において振盪およびインキュベートした。
約3−5日令の振盪フラスコ接種材料2mLを、80mLのJ
DYTT培地を入れた第2段階フラスコ接種材料の接種に用
い、これを3Lのジャーファーメンター内で用いた。ファ
ーメンター培地は45g/L コーンスターチ、10g/Lコーン
スチープリカー、10g/L アンバー(amber)またはベー
カー乾燥酵母、3g/L 炭酸カルシウム、および0.005g/L
塩化コバルトであった。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に
調整した。1mLの消泡剤P−2000を100mLの大豆油と共に
ジャーファーメンターに添加した。pHを1N NaOHで約6.4
−6.8に調整し、材料を1700rpmで撹拌した。温度を28℃
に維持し、無菌の空気を1容量/容量/分の速度で培地
に吹き込んだ。
接種後に、無菌の大豆油を用いて発泡を制御した。長
期間の発酵の場合、用いた培地によって糖含量を監視
し、低下する糖水準を0.05%以上に維持するために40、
60および90時間目に糖供給材料を用いることができる。
発酵を46時間行った。
薄層クロマトグラフィーおよびHPLCの標準法により発
酵ブロスを監視し、相対力価を計算した。
生成物は主として菌糸中に見られたが、ブロス全体を
仕上げ処理することが好ましい。従って、発酵過程が終
了したのち、ブロス全体をその容量の1/3−1/2のメチル
イソブチルケトン(MIBK)で2回抽出した。各層をデラ
バル(Delaval)分離器またはポドビエルニアク抽出器
により分離した。溶剤層を清澄化し、まず真空がま内
で、次いで回転蒸発器内で濃縮した。濃縮物を20Lのカ
ーボイ(carbuoy)内で、カーボイ当たり10Lの上層およ
び1Lの下層のヘプタン/アセトニトリル 10/1系を用い
て、試験管4本の向流分配を行った。有効な下層を採集
し、合わせて濃縮した。この材料をさらにフロリシル
(Florisil)を通して濾過することにより精製した(塩
化メチレン濃度を漸増さえながら、順次ヘキサン、ヘキ
サン/塩化メチレン、および塩化メチレンで洗浄)。有
効性は大部分が塩化メチレン画分中に見られた。これら
を合わせて濃縮した。2回目の濾過工程を実施し、この
場合はシリカゲルを通した(ヘプタン、塩化メチレン、
塩化メチレン/酢酸エチル、および酢酸エチルで洗
浄)。有効性は大部分が塩化メチレン/酢酸エチル混合
物を含有する画分、および酢酸エチルのみを含有する画
分中に見られた。これらを合わせて濃縮し、塩化メチレ
ンに再溶解し、DARCO G60で処理した。次いで試料を12
−15gずつに分け、各試料をさらにPrep 500液体クロマ
トグラフ上でシリカゲルカラムを用い、100%塩化メチ
レンから開始して100%酢酸エチルで終了する線状濃度
勾配を用いてクロマトグラフィー処理した。有効画分を
合わせて濃縮し、Prep 500上で逆相(18C)シリカゲル
を用い、アセトンから開始して100の%水で終了する線
状濃度勾配により溶離するクロマトグラフィー処理を行
った。清浄な生成物がガラムから単離された最終成分と
して得られた。
上記発酵法の有効画分は下記のバイオアッセイにより
判定された。
12.5mmのディスクを寒天表面に直接に乗せた。カンジ
ダ・アルビカンス(Dandida albicans)ATCC 14053、サ
ッカロミセス・パストリアヌス(Sacchasromyces pastr
ianus)FD3737、ならびに感受性菌株バイソクラミス・
フルバ(Byssochlamisfuluva)FM 10,300(S)およびF
M 10,464(R)を用いた。これらカンジダおよびサッカ
ロミセスの平板を37℃で18時間インキュベートし、次い
で平板を有効性に関して試験した。バイソクラミスの平
板は28℃でインキュベートし、18時間後に読み取った。
FKL506およびFK520(CP−105051)のみを含有する平板
がバイソクラミス菌株に対して有効であった。不純な画
分(ニゲリシンを含有)は他の菌株に対しても有効であ
った。
画分の純度を判定するためにHPLC法をも採用した。こ
の方法はデュポン、ゾルバックス(Zorbax)CNカラム
(4.6mm×25cm)、および55/45水/アセトニトリルから
なる系、および流量1mL/分の使用を伴った。検出は214n
mで行われた。ブロス試料(20mL)をMIBK(20mL)と混
合し、約4−5分間振盪した。層を分離し、溶剤をほぼ
乾燥するまで濃縮した。残渣を1mLの純アセトニトリル
に装入し、5μLの試料をHPLCに注入した。FK520の保
持時間はこれらの条件下で約12.7分である。
製造例2 17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2′−(4″
−ヒドロキシ−3″−メトキトシシクロヘキシル)−
1′−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,
27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシ
クロ[22.3.1.O4.9]−オクタコス−18−エン−2,3,10,
16−テトラオン ストレプトミセス・ツクバエンシスNo.9993 FERM BP
−927を、PYEA寒天斜面(10g/L ディフコマルトース、
4g/L ディフコ酵母エキス、4g/L ブドウ糖、15g/L
ディフコ寒天、および50mLの新鮮なココナツミルク、こ
れを脱イオン水で1リットルに希釈し、次いで1N NaOH
でpH7.3に調整した)に乗せた。この調製物を28℃で10
−12日間インキュベートし、次いで10mLのATCC 172培地
(10g/L グルコース、20g/L 可溶性デンプン、5g/L
酵母エキス、5g/L NZ−アミンA、および1g/L 炭酸カ
ルシウム。1N KOHでpH7.0に調整した)を入れた無菌の
1×6振盪試験管に胞子を移した。試験管を28℃でイン
キュベートし、回転振盪機上において約150−200回転/
分で振盪した。4−5日後にブロスをグリセリンおよび
ATCC 172培地で40%に希釈し、次いで無菌的に冷却試験
管に移した。各試験管に1/2mLのブロスを装填した。保
存期間中はこれらの試験管を−80℃に凍結した。
超低温貯蔵庫からの試験管を接種用フラスコの調製の
ための接種材料として、300mLの振盪フラスコ中の50mL
の無菌JDYTT培地当たり1本の試験管を用いた。JDYTT培
地の組成は、10g/L セレロース、5g/L NZ−アミンYT
T、0.002g/L 塩化コバルト、および3g/L 炭酸カルシ
ウムであった。JDYTT培地のpHを1N NaOHでpH7.2に調整
した。振盪試験管を約150−200回転/分および28℃で回
転振盪機上において振盪およびインキュベートした。
約3−5日令の振盪フラスコ接種材料2mLを、80mLのJ
DYTT培地を入れた第2段階フラスコ接種材料の接種に用
い、これを3Lのジャーファーメンタに用いた。ファーメ
ンター培地は45g/L コーンスターチ、10g/Lコーンスチ
ープリカー、10g/L アンバーまたはベーカー乾燥酵
母、3g/L 炭酸カルシウム、および0.005g/L 塩化コバ
ルトであった。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に調整した。1
mLの消泡剤P−2000を100mLの大豆油と共にジャーファ
ーメンターに添加した。pHを1N NaOHで約6.4−6.8に調
整し、材料を1700rpmで撹拌した。温度を28℃に維持
し、無菌の空気を1容量/容量/分の速度で培地に吹き
込んだ。
接種後に、無菌の大豆油を用いて発泡を制御した。長
期間の発酵の場合、用いた培地によって糖含量を監視
し、低下する糖水準を0.05%以上に維持するために40、
60および90時間目に糖供給材料を用いることができる。
発酵を46時間行った。
薄層クロマトグラフィーおよびHPLCの標準法により発
酵ブロスを監視し、相対力価を計算した。
発酵槽を停止し、その容量の1/2のメチルイソブチル
ケトン(MIBK)で2回抽出した。各層をアスピレーショ
ンにより分離し、真空中で濃縮して粘稠な油を得た。こ
の油をヘキサン、ジエチルエーテルおよび塩化メチレン
で摩砕処理し、有効画分(ジエチルエーテル画分)をフ
ロリシル上でクロマトグラフィー処理した。フロリシル
を順次ジエチルエーテル、塩化メチレン、酢酸エチルお
よびアセトンで溶離した。溶出液を濃縮し、活性炭で処
理した。濃縮物を濾過し、酢酸エチルの溶解した。ヘキ
サンを添加して生成物を結晶化した。
ブロスおよび後続の回収液流の生物活性は、バイソク
ラミス・フルバの菌株を用いて追跡された。ブロスおよ
び後続の回収液流中の成分を、アナルテク(Analtech)
シリカゲルGF(商標)プレート上で純アセトニトリルを
溶離剤として用いるクロマトグラフィーにより視覚化し
た。展開したプレートにバニリン試薬(エタノール75mL
および85%リン酸25mL中のバニリン3g)を噴霧し、80℃
に加熱した。生成物は紫色のスポットとして現れた。
製造例3 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−トリ
フルオロアセトアミド−α−D−グルコシルブロミド ウォルフロム(Wolfrom)ら、Journal of Organic Ch
emistry,32,1821−23(1967)の方法に従って製造し
た。
製造例4 2−アジド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキ
シ−α−D−ガラクトシルクロリド レミュー(Lemieux)ら、Canadian JournalofChemist
ry,57,1244−51(1979)の方法に従って製造した。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式の化合物: またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類: [式中のnは、1または2であり; 点線は、R2がHである場合に任意の2重結合を表し; AおよびBは別個のものであって、AがHであり、かつ
    BがHもしくはOHであるか、またはAとBは一緒になっ
    て=Oを形成し; R2は、H、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0
    であり; R3は、(C1−C4)アルキルまたはアリルであり;R1およ
    びR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、−CH2
    OH、H、−CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH2O
    COR9、−CH2OCO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9、ま
    たは−CH2OR9であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アル
    コキシ、ベンジルオキシ、−OH、−OCOR9、−OCO2R9
    または−OSiR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1−C4
    アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−SO2R
    9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
    (C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
    ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
    ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
    または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
    る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
    ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種
    々に置換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキル、
    フェニルまたはベンジルであり; ただしR1およびR0の両方がHであることはなく;かつR0
    である場合にR1はHではない]。
  2. 【請求項2】nが2であり;AとBが一緒になって=Oを
    形成し;点線が結合を表さず;かつR2がOHである、請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R3がメチル、エチルまたはアリルである、
    請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R3がエチルである、請求項3に記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】R1である、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】R4が−CH2OHまたは−CH2OCOCH3であり;R5
    およびR6がそれぞれ独立して−OHまたは−OCOCH3であ
    り;R7がHであり、かつR8がH、−COCH3、または−COC
    F3である、請求項5に記載の化合物。
  7. 【請求項7】R1である、請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】R4が−CH2OCOCH3であり、R5およびR6がそ
    れぞれ−OCOCH3であり、R7がHであり、かつR8が−COCH
    3である、請求項7に記載の化合物。
  9. 【請求項9】R4が−CH2OCOCH3であり、R5およびR6がそ
    れぞれ−OCOCH3であり、R7がHであり、かつR8が−COCF
    3である、請求項7に記載の化合物。
  10. 【請求項10】R4が−CH2OHであり、R5およびR6がそれ
    ぞれ−OHであり、R7がHであり、かつR8が−COCH3であ
    る、請求項7に記載の化合物。
  11. 【請求項11】R4が−CH2OHであり、R5およびR6がそれ
    ぞれ−OHであり、R7がHであり、かつR8が−COCF3であ
    る、請求項7に記載の化合物。
  12. 【請求項12】R1である、請求項6に記載の化合物。
  13. 【請求項13】R4が−CH2OCOCH3であり、R5およびR6
    それぞれ−OCOCH3であり、R7がHであり、かつR8が−CO
    CH3である、請求項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】R4が−CH2OHであり、R5およびR6がそれ
    ぞれ−OHであり、R7がHであり、かつR8が−COCH3であ
    る、請求項12に記載の化合物。
  15. 【請求項15】nが2であり;AおよびBがそれぞれHで
    あり;点線が結合を表さず;R2が−OHであり;かつR3
    エチルである、請求項1に記載の化合物。
  16. 【請求項16】次式の化合物の製造方法: [式中のnは、1または2であり; R2は、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0であ
    り; R3は、(C1−C4)アルキルまたはアリルであり;R1およ
    びR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、H、
    −CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH2OCOR9、−
    CH2OCO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9、または−CH2
    OR9であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アル
    コキシ、ベンジルオキシ、−OCOR9、−OCO2R9、または
    −OSiR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1−C4
    アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−SO2R
    9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
    (C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
    ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
    ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
    または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
    る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
    ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種
    々に置換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキル、
    フェニルまたはベンジルであり; ただしR1およびR0の両方がHであることはない]であっ
    て、次式の化合物: [式中のR3は(C1−C4)アルキルであり、かつnは1ま
    たは2である]と2−4モル当量の次式の化合物: [式中のXはハロであり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、H、
    −CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH2OCOR9、−
    CH2OCO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9、または−CH2
    OR9であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アル
    コキシ、ベンジルオキシ、−OCOR9、−OCO2R9、または
    −OSiR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1−C4
    アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−SO2R
    9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
    (C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
    ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
    ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
    または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
    る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
    ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種
    々に置換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキル、
    フェニルまたはベンジルである]を、分子ふるい、硫酸
    カルシウムおよび硫酸マグネシウムよりなる群から選ば
    れる乾燥剤;炭酸水銀、炭酸銀、硝酸水銀および硝酸銀
    よりなる群から選ばれる塩基;ならびに銀トリフレー
    ト、過塩素酸銀、テトラフルオロ硼酸銀、水銀トリフレ
    ート、過塩素酸水銀、およびテトラフルオロ硼酸水銀よ
    りなる群から選ばれる触媒の存在下に、反応不活性溶剤
    中で約−78℃ないし約−70℃の温度において反応させ、
    約0℃に約0.5−約24時間加温し、次いで室温で0.5−約
    24時間撹拌することを含む方法。
  17. 【請求項17】次式の化合物の製造方法: [式中のnは、1または2であり; R2は、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0であ
    り; R3は、(C1−C4)アルキルまたはアリルであり;R1およ
    びR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、−CH2
    OH、H、−CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH2O
    CO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9、または−CH2OR9
    であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アル
    コキシ、ベンジルオキシ、−OH、−OCO2R9、または−OS
    iR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1−C4
    アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−SO2R
    9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
    (C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
    ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
    ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
    または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
    る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
    ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種
    々に置換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキル、
    フェニルまたはベンジルであり; ただしR1およびR0の両方がHであることはない]であっ
    て、次式の化合物: [式中のnは1または2であり; R2は、(C2−C5)アルカノイルオキシまたは−OR0であ
    り; R3は、(C1−C4)アルキルまたはアリルであり; R1およびR0は、それぞれHまたは であり; R4は、それぞれの場合独立して−CO2R9、−CO2H、H、
    −CH3、−CONH2、−CONHR9、−CONR2 9、−CH2OCOR9、−
    CH2OCO2R9、−CH2OCONHR9、−CH2OCONR2 9、または−CH2
    OR9であり; R5およびR6は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アル
    コキシ、ベンジルオキシ、−OCOR9、−OCO2R9、または
    −OSiR3 10であり; R7およびR8は、それぞれの場合独立してH、(C1−C4
    アルキル、−COCH2R9、−COR9、−CO2R9、または−SO2R
    9であり; R9は、それぞれの場合独立して(C1−C6)アルキル、
    (C3−C6)シクロアルキル、アリル、−CF3、ピリジ
    ル、チエニル、チエニルメチレン、フラニル、ベンジ
    ル、置換ベンジル(1−5個のハロゲン原子、−OH基、
    または(C1−C4)アルコキシ基で種々に置換されてい
    る)、フェニル、または置換フェニル(1−5個のハロ
    ゲン原子、−OH基、または(C1−C4)アルコキシ基で種
    々に置換されている)であり;かつ R10は、それぞれの場合独立して(C1−C4)アルキル、
    フェニルまたはベンジルであり; ただしR1およびR0の両方がHであることはない]を、ア
    ルコール系溶剤中で0℃において触媒量のアルコキシド
    塩基と反応させることを含む方法。
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