JP2564352B2 - トロイダルコアの巻線方法 - Google Patents

トロイダルコアの巻線方法

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JP2564352B2
JP2564352B2 JP63060334A JP6033488A JP2564352B2 JP 2564352 B2 JP2564352 B2 JP 2564352B2 JP 63060334 A JP63060334 A JP 63060334A JP 6033488 A JP6033488 A JP 6033488A JP 2564352 B2 JP2564352 B2 JP 2564352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は環状の輸送路に沿って長尺物を送る方式及び
装置に係り、特にトロイダルコアへの巻線に好適な巻線
方式及び巻線機構に関する。
〔従来の技術〕
従来の巻線機は、特開昭60−95911号公報に記載のよ
うに線材の先端をチャックで把握し、コアのコア窓に位
置決めした後、チャックに内蔵したローラで線材をコア
窓に挿通し、コア窓の反対側から線材を吸引しコアに窓
付けた後、もう一方のチャックでこれを把握し、前回と
逆方向から再びコア窓に線材を挿入する動作を行う。こ
れを必要回数繰返すことにより所定数の巻線を行う。
また、特開昭62−31106号公報に記載のように、環状
の線ガイドに沿ってローラで線材を送りトロイダルコア
に巻線する巻線機では、線材が、線ガイドから受ける抗
力が大きいため座屈する、あるいは、ローラに当った時
のたわみ量が大きいため座屈するという課題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術はコア窓の両側に配置されたチャック及
び吸引具により線材を受け渡ししながら巻線するため動
作速度が遅く、動作信頼性も低い。
また構造も複雑となり設備価格も高い。
本発明は線材の受け渡し動作の無い巻線方式により巻
線速度の高速化を図ると共に、シンプルな機構でこれを
実現することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、直径の異なる2個のローラで線材を挟ん
で送り該線材を円弧状に変形させ、円環状のガイドの曲
率半径と前記線材の曲率半径とをほぼ等しくし、かつ前
記ガイドの入口から出口にかけてガイド幅を徐々に狭く
し、該ガイドに沿って前記線材を送りトロイダルコアに
巻線することにより達成される。またローラは、複数対
設けても達成できる。
〔作用〕
直径の異なるローラの組合せにより線材を送ると、線
材は直径の小さいローラの方に曲げられる。この変形量
はローラの直径の組合せによって種々得られる。そこ
で、円環状のガイドに沿って送るローラの直径として適
切な直径の組合せを選べば、線材がガイドから受ける抗
力を小さくできるので線材を安定して円環状のガイドに
沿って周回させることができる。
また、ローラ対により送られた線材は、その先端部が
ガイド出口に設けた別のローラ対に当たりたわむが、ガ
イド出口の幅が狭いと、このたわみ量を小さくでき、ま
たガイド入口の幅が広いと、たわみによる線材の座屈を
防止できるため、線材を安定して円環状のガイドに沿っ
て周回させることができる。
〔実施例〕
先ず本発明の実施例を述べるに先立って本発明が適用
するコアについて第16図および第17図により述べる。
第16図は磁気ディスクなどに使用されるコアを示して
いる。同図に示す如く、コア2は一般にフェライトにて
作成され縦横1〜2mm程度で厚さ0.4mm程度の大きさにて
形成されたヘッド2aと、縦横3〜5mm程度で厚さ2mm程度
の大きさのスライダ部2bとから構成されている。前記ヘ
ッド部2aには0.5×0.5mm程度の巻線用の窓(以下コア窓
という)が形成され、このコア窓3に芯線直径0.05mm程
度の被覆電線1(以下単に線という)を通して巻付部4
に10〜30巻程度巻かれている。
また第17図はVTRに使用される磁気ヘッドのコアを示
し、同図に示す如く、コア2′は一般にフェライトにて
作成され、縦横2〜3mm程度で厚さ0.4mm程度の大きさに
形成されたコアヘッド2cと、縦横10〜15mm程度で厚さ2
〜3mm程度のダイ2dとから構成されている。前記コアヘ
ッド2cはテープ摺動面2e近くの中央部に0.3×03mm程度
のコア窓3′とこのコア窓3′の両側に配置された2個
の巻線部4′とから形成され、前記コア窓3′に直径0.
03mm程度の芯線を被覆した線1を通して2個の巻付部
4′に5〜10巻程度巻かれている。
つぎに本発明を前記第16図および第17図に示すコア2,
2′の巻付部4,4′に線1を巻き付ける巻線装置に実施し
た場合の一例を示す第1図乃至第15図について述べる。
第1図において、5はベースにして、一方の高さの低
い方の上面5aには、上方先端部にコア2,2′を保持する
とともにX,Y,Zの3方向に移動するコア保持ユニット
を搭載し、他方の高さの高い方の上面5bには、前記コア
2,2′に線1を巻き付ける巻線部及び線供給部40を搭
載している。前記巻線部は第2図乃至第4図及び第10
図に示す如きもので、8は線ガイドにして前記線1(直
径0.6mm程度)が移動しうる大きさにて環状に形成され
ている。9はスリット底面にして、外周部を前記線ガイ
ド8の内周端部8aにそうて前記線ガイド8の外周端部8b
側ベース5の上面5bよりも低くして、後述のカバ11を前
記ベース5の上面5bに締着したとき、その下面との間に
前記線ガイド8に接続する深さεのスリット10を形成し
ている。なお、前記線ガイド8の内側端部8aとスリット
底面9との角部10aは円弧状に面取りされている。また
前記線ガイド8の一部に切欠き8cを形成し、この切欠き
8c内に前記コア窓3,3′が前記線ガイド8に接続する如
くコア2,2′を嵌挿している。11はカバにして、前記ベ
ース5の上面5bに締着されている。12a,12b,13a,13b,14
a,14b,15a,15bは2個で1対のローラにして、夫々前記
ベース5の上面5bおよびカバ11の下面に前記線ガイド8
にそうて形成された4個のローラ室16a,16b内に設置さ
れている。前記外方のローラ12a,13a,14a,15aは夫々前
記ベース5内に軸受17を介して回転自在に支持され、下
端部にカップリング18を介してモータ19に接続する回転
軸20の上端部に固定され、前記モータ19が駆動したとき
前記のローラ12a,12b,13a,13b,14a,14b,15a,15bが回転
してこれらの間に介挿された線1を送る如く形成されて
いる。また前記内方のローラ12b,13b,14b,15bは夫々軸
受21を介して軸22の上端部に回転自在に支持されてい
る。前記軸22は前記ベース5にピン23を介して揺動自在
に支持され、外端部をエアシリンダ24に接続する揺動ア
ーム25の内端部に固定され、前記エアシリンダ24が駆動
したとき前記揺動アーム25がピン23を中心にして揺動し
て前記内方のローラ12b,13b,14b,15bが実線位置と、一
点鎖線位置との間を揺動して外方のローラ12a,13a,14a,
15aと接離する如く形成されている。26は可動形線ガイ
ド板にして、上面には前記線ガイド8と同一半径にて円
弧状に穿設され両端部を前記線ガイド8および前記コア
2,2′のコア窓3,3′に接続する如く深さ0.1mm程度の可
動形線ガイド27を設け、前記ベース5の上面5bに穿設さ
れた開口溝28内に上下方向に移動自在に嵌挿されてい
る。なお、前記可動形線ガイド27は前記線ガイド8と略
同一大きさに形成されている。また前記可動形線ガイド
板26は前記開口溝28内底面に接触しているとき、その上
面とこれに対向するカバ11の下面との間に前記スリット
10の深さδと略同一間隙量になるように厚さが形成され
ている。29はエアシリンダにして、前記ベース5の下面
に固定され、そのピストンロッド30の先端部が前記ベー
ス5内を通って前記可動形線ガイド板26の下面に固定さ
れ、前記可動形線ガイド板26の上面を前記カバ11の下面
に接離させる如く形成されている。31は検出器にして、
前記スリット底面9上の前記コア2,2′の先端部対向位
置に固定され、前記線1が前記コア2,2′を通過したか
否かを検出する如く形成されている。
ここにおいて第4図に示すように、線ガイド8に沿っ
て配置したローラ12a〜15bの内、線ガイド8の内側に設
置したローラ12a,13a,14a,15aの直径を外側に設置した
ローラ12b,13b,14b,15bの直径より小さくしている。
また、線ガイド8の入口8cの幅を広く、出口8dの幅を
狭く、その間の部分8eを入口8cから出口8dにかけて徐々
に狭くなる形状にしてある。
前記線供給部40は第1図乃至第2図及び第5図乃至第
6図に示す如きものである。第1図に示すように、この
線供給部40には、線1のボビン42と、2個一対のローラ
53a,53bで構成された送りローラ対と、プーリ44と、こ
のプーリ44の線繰出し側に線形成用のローラ対を構成し
ているローラ54a,54bの組,ローラ55a,55bの組,ローラ
56a,56bの組,ローラ57a,57bの組が順次配列されてい
る。
前記ボビン42は、ベース5に、第1図に矢印で示す一
方向に回転可能に支持されていて、線1を繰り出すよう
になっている。
前記線1の送りローラ対を構成されているローラ53a,
53bのうちの、一方のローラ53aは第2図に示すように、
回転軸20およびカップリング18を介して、ベース5に設
置されたモータ19に連結されている。他方のローラ53b
は、第2図に示すように、揺動アーム25に固定された軸
22に軸受21を介して回転可能に取り付けられている。前
記揺動アーム25は、第2図に示すように、ピン23により
ベース5に揺動可能に支持され、かつエアシリンダ24に
よりローラ53aにローラ53bを密着させる方向に付勢され
ている。したがって、前記一方のローラ53aは駆動ロー
ラとされており、他方のローラ53bは被動ローラとされ
ている。
前記プーリ44は、第1図および第5図に示すように、
前記ベース5に形成された長穴63内に配置されている。
また、プーリ44は第5図に示すように、回転軸65および
軸受66,66′を介してスライダ67に回転可能に支持され
ている。前記スライダ67は、同第5図に示すように、ブ
ッシュ68を介してガイドレール69,69′に取り付けられ
ており、第1図に矢印で示す方向に往復移動可能に支持
されている。
前記プーリ44は、第5図に示すように、ベース5とス
ライダ67間に設けられた引っ張りばね60によりボビン42
からの線1の繰り出し方向と平行な方向に引っ張られて
いる。
前記ローラ54a,54bの組,ローラ55a,55bの組,ローラ
56a,56bの組,ローラ57a,57bの組のうちのローラ54a,54
bの接点とプーリ44の外周を結ぶ接線と、ローラ54a,54b
の共通の接線とが一致する位置に設けられている。前記
ローラ54a,54bの組,ローラ55a,55bの組,ローラ56a,56
bの組,ローラ57a,57bの組は、成形される線1の曲率半
径に近い曲率半径の線ガイド50に沿って間隔をおいて設
けられている。さらに、ローラ54a,54bの組,ローラ55
a,55bの組,ローラ56a,56bの組,ローラ57a,57bの組の
一方のローラ54a,55a,56a,57aは第1図に示すように、
他方のローラ54b,55b,56b,57bよりも大径に形成されて
おり、前記第2図に示す送りローラ対のローラ14aと同
様、モータに連結されていて駆動ローラとされている。
また、他方のローラ54b,55b,56b,57bは、前記第2図の
送りローラ対のローラ14bと同様、揺動アーム25および
エアシリンダ24を介してそれぞれ対応するローラ54a,55
a,56a,57aに密着する方向に付勢されていて、被動ロー
ラとされている。そして、前記ローラ54a,54bの組,ロ
ーラ55a,55bの組,ローラ56a,56bの組,ローラ57a,57b
の組により、線1に繰り返し曲げモーメントを加え、線
1を徐々に一定範囲の曲率半径に成形するように構成さ
れている。
前記送りローラ対のローラ14aと線成形用のローラ対
のローラ54a,55a,56a,57aとは同じ周速で回転するよう
に制御されている。
ここにおいて、第6図に示すように、線ガイド50の入
口50cの幅を広く、出口50dの幅を狭く、その間の部分50
eを入口50cから出口50dにかけて徐々に狭くなる形状に
してある。
本発明による線供給部の作用について、第7図により
述べる。
すなわち、ボビン42から線1を引き出し、その線1を
送りローラ対のローラ53a,53b間に通し、プーリ44に巻
き付け、ついで線成形用のローラ対を構成しているロー
ラ54a,54bの組,ローラ55a,55bの組,ローラ56a,56bの
組,ローラ57a,57bの組に通し、初期設定を行う。
次に、送りローラ対のローラ53a,53b、および線成形
用のローラ対を構成しているローラ54a,54bの組,ロー
ラ55a,55bの組,ローラ56a,56bの組,ローラ57a,57bの
組を回転させ、線1を送る。
ここで、プーリ44と引っ張りばね60とにより構成され
ている張力付与機構により、プーリ44と線成形用のロー
ラ対のローラ54a,54bの組間の線1dに張力Fが加わり、
この張力Fにより線1dが直線状に矯正される。
ついで、前記ローラ54a,54bの組の一方のローラ54aと
他方のローラ54bの直径が異なるため、第7図に示すよ
うに、ローラ54a,54b間にはさまれている線1eにローラ5
4aとローラ54bから作用する応力の分布が異なり、その
結果線1eに曲げモーメントMが作用する。この曲げモー
メントMにより、前記いったん直線状に矯正された線1d
はローラ54a,54b間を通過する時に、一定範囲内の曲率
半径に成形される。
そして、ローラ55a,55bの組,ローラ56a,56bの組,ロ
ーラ57a,57bの組にはさまれた線1f,1g,1hも、それぞれ
一方のローラ55a,56a,57aと他方のローラ55b,56b,57bの
直径の違いによる曲げモーメントMを受けて一定範囲内
の曲率半径に成形され、線1は最終段階では所期の曲率
半径に成形され、カバー11に形成されたガイド溝50を通
じて巻線部に供給される。
実験の結果、1本の線を直径の異なる2個一対のロー
ラからなるローラ対に繰り返して通過させると、第8図
に示すように、線の曲率半径が徐々に小さくなり、やが
てローラ径とローラ材質によって決まる一定値に収束す
ることが確認された。したがって、線1の曲率半径が線
ガイド50の曲率半径に近い値に収束するようにローラ径
を選択すれば、線1が線ガイド50に沿って送られる時の
線1の先端1Aに対して線ガイド50から受ける抗力は小さ
くなり、線1を安定して送ることができる。
次に、上記線供給部において、第6図に示すように線
ガイド50の入口50cの幅を広く、出口50dの幅を狭く、入
口50cと出口50dの間の部分50eを入口50cから徐々に狭く
なる形状にしている。線ガイド50の一部を第9図に示
す。線ガイド50の出口50dの幅をδ,ローラ半径をγと
し、線1が線ガイド50の外壁に沿って送られた場合の線
1のたわみ量χを算出する。線先端とローラ接点のなす
角度θは、 このときの線1のたわみ量χは、 そこで、線ガイド50の出口50dの幅δを狭くすること
により、線1のたわみ量χを小さくし、線ガイド50の中
間部50eを広くすることにより、このたわみ量χを吸収
すれば、線1を座屈させることなく安定して送ることが
できる。
すべてのローラを等周速で回転させることにより、線
1はボビン42から引出され、線供給部40で一定曲率半径
に収束するように矯正され、巻線部に供給される。第
1図に示すように、線ガイド50の一部に設けたカッタ70
で線1をカットし、その端部を線ガイド50,線ガイド8
以外で固定する。以下、第10図乃至第14図により、巻線
の作用について述べる。
第10図は線1の先端部1Aがコア窓3,3′を通過し2対
のローラ13a,13b,14a,14b間を通過した状態を示してい
る。この状態のときには、前記コア2,2′の挿入側の内
側のローラ12bが第2図に示す一点鎖線位置に退避して
おり、前記線1の中間部1Bはスリット10内に位置して前
記コア2,2′の巻付部4,4′を内側に含む線輪を形成して
いる。なお以後の第11図乃至第14図において前記内側の
ローラ12b,13b,14b,15bが一点鎖線で示されている場合
には退避した状態である。またこの状態のとき、可動形
線ガイド板26は第3図に示す位置より下降してその下面
が開口溝28内底面に接触している。
前記第10図に示す状態から前記線1の先端部1Aが1対
のローラ14a,14bの回転により線ガイド8内にそうて1
対のローラ15a,15b間に向って送られる。一方前記線1
の中間部1Bが形成する線輪は、その先端部1Aの移送に伴
って前記巻付部4,4′の方に絞り込まれながら、その径
が小さくなる。この間、前記線1の中間部1Bが形成する
線輪の径が小さくなるのに伴って可動形線ガイド27より
スリット10内に入り込むが、前記の如く前記可動形線ガ
イド板26は下降してその下面が開口溝28内底面に接触
し、その上面とカバ11の下面との間にスリット10の深さ
εと略同一量の間隙を形成するので、前記線1の中間部
1Bの移動を円滑に行うことができる。
ついで第11図に示す状態において、前記線1の中間部
1Bが前記巻付部4,4′に巻き付けられたことを検出器31
が検出すると、前記コア2,2′の挿出側の最初の内側ロ
ーラ13bが一旦第2図に示す実線位置から一点鎖線位置
に退避し、同時に前記コア2,2′の挿入側の内側ローラ1
2bが第2図に示す一点鎖線位置から実線位置に揺動して
外側ローラ12aに対接する。また前記1対のローラ14a,1
4bの回転に伴って前記線1はその先端部1Aが引続き前記
線ガイド8にそうて送られると、前記1対のローラ14a,
14bと前記コア2,2′との間の線1が線ガイド8内から前
記内側ローラ13bの上方を通って前記スリット10内に入
り込む。
引続き前記1対のローラ14a,14bの回転により前記線
1の先端部1Aが前記コア2,2′の挿入側の1対のローラ1
2a,12b間を通過すると、第12図に示す如く前記1対のロ
ーラ14a,14bと前記コア2,2′との間の線1が緊張し、同
時に中間部1Bおよび既に前記巻付部4,4′に巻き付けら
れた線1Cは張力を加えられる。また前記コア2,2′の挿
出側の最初の内側ローラ13bが第2図に示す一点鎖線位
置から実線位置に揺動して外側ローラ13aに対接し、同
時に前記可動形線ガイド板26が上昇しその上面がカバ11
の下面に対接して前記可動形線ガイド27の周囲を包囲す
る。さらに前記内側ローラ15bが第2図に示す実線位置
から一点鎖線位置に退避する。
ついで第13図に示す如く前記1対のローラ12a,12bの
回転により前記線1の先端部1Aが可動形線ガイド27にそ
うて送られ前記コア2,2′のコア窓3,3′の挿入側に達す
ると、前記線1の中間部1Bは前記線ガイド8より前記内
側ローラ15bの上方をとおって前記スリット10内に入り
込む。このとき、前記1対のローラ14,14′と前記コア
2,2′との間の線1は引続き緊張され、同時に前記巻付
部4,4′に巻き付けられた線1cは張力を加えられる。
したがって前記線1の先端部1Aが前記コア窓3,3′内
に挿入するさいに前記巻付部4,4′に巻き付けられた線1
cと干渉するのを防止することができる。また前記1対
のローラ12a,12bと、前記1対のローラ14a,14bとの間の
線ガイド8よりスリット10内に入り込んだ中間部1Bと干
渉するのを防止することができる。
しかるのち、第14図に示す如く前記線1の先端部1Aが
前記コア窓3,3′を通過し、前記1対のローラ13a,13b間
を通過すると、前記内側のローラ14bが第2図に示す如
く実線位置から一点鎖線位置に退避し、同時に前記内側
ローラ15bが第2図に示す如く一点鎖線位置より実線位
置に揺動して外側ローラ15aと対接する。また前記可動
形線ガイド板26が下降してその下面が開口溝28内底面に
接触し、その上面と前記カバ11との間にスリット10の深
さεと略同一量の間隙を形成する。
ついで前記2対のローラ12a,12b,13a,13bの回転によ
り前記線1の先端部1Aが線ガイド8内にそうて前記1対
のローラ14a,14bの方向に送られると、前記1対のロー
ラ12a,12bの後方の線1の中間部1Bが前記線ガイド8内
より内側のローラ14bの上方を通ってスリット10内に入
り込む。
さらに前記2対のローラ12a,12b,13a,13bの回転によ
り前記線1の先端部1Aが線ガイド8内にそうて前記1対
のローラ14a,14bの方向に送られると、前記1対のロー
ラ12a,12bの後方の線1の中間部1Bが形成する線輪は前
記巻付部4,4′の方に絞り込まれながらその径が小さく
なる。
しかるのち、前記内側ローラ12bが第2図に示す如く
実線位置から一点鎖線にて示す位置に退避し、前記内側
ローラ14bが一点鎖線位置から実線位置に揺動して外側
ローラ14aに対接すると、前記線1の先端部1Aが前記1
対のローラ13a,13bの回転により第4図に示す如く線ガ
イド8にそうて前記1対のローラ14a,14b間に挿入し、
同時に前記線1の中間部1Bの線輪はその径がさらに小さ
くなり、前記コア2,2′の巻付部4,4′に線1が1巻さ
れ、以下前記の作用を繰返すことにより所定の巻数を巻
くことができ、前記の作用を図示したのが第15図であ
る。
以上説明した巻線機構において線ガイド8の外側のロ
ーラ12a,13a,14a,15aの直径に比べ内側のローラ12b,13
b,14b,15bの直径を小さくしている。このため送られる
線1はローラ12a〜15bで送られる際に線ガイド8の内側
方向への曲げ力を受け変形する。この変形力によって線
1の曲率半径が線ガイド8の半径に等しいか若干大きめ
になるように成形される。このため線1が線ガイド8に
沿って送られる時の線1の先端1Aに対して線ガイド8か
らの抗力は小さく、かつ線1の曲率半径が線ガイド8よ
り小さくなってスリット10の中に入り、ローラ12a〜15b
に喰い込まないという問題も生じないため線1を線ガイ
ド8に沿って確実に周回させることができる。
第8図は直径の異なるローラで線を送った場合の実験
結果の1例を示したものである。ここでローラ押圧力と
は、大小のローラ間の押付であるこの結果より3〜4回
程度ローラを通過すると線の曲率半径はほぼ一定値に収
束することが分る。従ってこの収束値が線ガイド8の曲
率半径より若干大きくなるようなローラ直径の組合せを
選択すれば良いことがわかる。
次に、上記巻線部において、第4図に示すように、線
ガイド8の入口8cの幅を広く、出口8dの幅を狭く、入口
8cと出口8dの間の部分8eを入口8cから徐々に狭くなる形
状にしてある。前記のごとく線ガイド8の出口8dの幅δ
を狭くすることにより、線1のたわみ量χを小さくし、
線ガイド8の中間部8eを広くすることにより、このたわ
み量χを吸収すれば、線1を座屈させることなく安定し
て送ることができる。
本方式は、磁気ヘッドの巻線を対象としているが、こ
れに限らず、変圧器等のコアへのフープ材の巻付けを始
め円環状のガイド内で長尺物を周回させながら巻付ける
ものにはすべて適用できるものである。
また、線形成用のローラ対の組数は線の材質,線径お
よび成形すべき曲率半径等により任意に選定される。
さらに、張力付与機構は、本実施例に示す構造のもの
に限らず、要は線材に対して一方向に一定の大きさの張
力を加え得る構造であればよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、線の曲率半径を線ガイドの曲率半径
に近い値に安定させることができるので、線ガイドから
線先端に加わる力を低減でき、かつ線がローラに巻込ま
れる時のたわみ量を小さくでき、このたわみを線ガイド
内で吸収できるので、線の座屈を防止できるので、線供
給動作及び巻線動作の信頼性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるトロイダル形コア巻線
装置の外観斜視図、第2図は第1図のA−A断面図、第
3図は第1図及び第12図のB−B断面図、第4図は第1
図の線ガイド8の拡大図、第5図は第1図の張力付与部
の断面図、第6図は第1図の線ガイド50の部分拡大図、
第7図は線供給部における線矯正の原理図、第8図は線
矯正の実験結果の一例、第9図はローラ57a,57b部の拡
大図、第10図乃至第14図は本発明による巻線方法を説明
するための説明図、第15図はタイムチャート、第16図は
磁気ディスクなどに使用されるコアの斜視図、第17図は
VTRに使用される磁気ヘッドコアの斜視図である。 1……線、2,2′……コア、3,3′……コア窓、4,4′…
…巻付部、5……ヘッド、……保持ユニット、……
巻線部、8……線ガイド、9……スリット底面、10……
スリット、11……カバ、12a,12b,13a,13b,14a,14b,15a,
15b……ローラ、16a,16b……ローラ室、17,21……軸
受、18……カップリング、19……モータ、20……回転
軸、22……軸、23……ピン、24,29……エアシリンダ、2
5……揺動アーム、26,33……可動形線ガイド板、27……
可動形線ガイド、28,32……開口溝、30……ピストンロ
ッド、31……検出器、40……線供給部、42……ボビン、
44……プーリ、50……線ガイド、53a,53b,54a,54b,55a,
55b,56a,56b,57a,57b……ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 明道 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 真島 正 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会 社日立製作所東海工場内 (56)参考文献 特開 昭63−58813(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径の異なる2個のローラで線材を挟んで
    送り該線材を円弧状に変形させ、円環状のガイドの曲率
    半径と前記線材の曲率半径とをほぼ等しくし、 かつ前記ガイドの入口から出口にかけてガイド幅を徐々
    に狭くし、該ガイドに沿って前記線材を送りトロイダル
    コアに巻線するトロイダルコアの巻線方法。
  2. 【請求項2】前記直径の異なる2個のローラを複数対設
    けたことを特徴とする請求項1記載のトロイダルコアの
    巻線方法。
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