JP2504920B2 - トロイダル形コアの巻線方法及び巻線装置 - Google Patents

トロイダル形コアの巻線方法及び巻線装置

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JP2504920B2 JP990894A JP990894A JP2504920B2 JP 2504920 B2 JP2504920 B2 JP 2504920B2 JP 990894 A JP990894 A JP 990894A JP 990894 A JP990894 A JP 990894A JP 2504920 B2 JP2504920 B2 JP 2504920B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル形コアの巻
線方法及び巻線装置に係り、特に磁気ディスク,VTR
などの磁気ヘッドの如き微小な穴にトロイダル巻線を行
うのに好適なトロイダル形コアの巻線方法及び巻線装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の巻線装置は、たとえば特開昭60
−91614号公報に記載されている如く、被巻線体を
保持し回転駆動されるホルダを挟んで配設された一対の
ワイヤ送り装置と、一対のワイヤ吸引装置とを配設し、
前記ワイヤ送り装置には前記被巻線体に巻回されるワイ
ヤをスライド自在に挟持する挟持部と、前記ワイヤを前
記被巻線体の方向に送る送り機構を設けると共に、前記
ホルダに対して接着する方向とこの方向に対して直交す
る方向を中心として回転する方向に駆動し、前記ワイヤ
吸引装置は前記ホルダに接離する方向に駆動するととも
に上記送り機構から送り出されるワイヤを吸引してこの
ワイヤにテンションを与えることができるようにし、前
記ワイヤ送り装置とワイヤ吸引装置との機能の組合せに
よって被巻線体にワイヤを自動で巻着するようにしたも
のが実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、ワ
イヤ送り装置と送り機構とを別々に設置する必要がある
ため、構造が複雑になりかつ作業がめんどうである。ま
た、線材を必ず掴み換える必要があるため、掴み換えの
ための時間を要するので、作業時間を短縮するには限界
がある。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、線材に簡単かつ確実に張力を掛け、該線材を確実
にコアに巻き付けて作業時間の短縮を図ることができる
トロイダル形コアの巻線方法及び巻線装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の巻線方法では、
A)予め、線材を案内し得る環状の線ガイドの途中位置
に、コア窓が位置するようにトロイダル形コアを保持さ
せておくこと、B)線材を線ガイドに沿い送って該線材
の先端部をトロイダル形コアのコア窓に一回目として挿
通させること、C)その線材の先端部を、線ガイドに沿
いトロイダル形コアのコア窓の挿入方向に送り、線材に
おけるトロイダル形コアとその挿出側にある線材先端部
寄りの部分との間の中間部を、線ガイドの内側に接続す
るスリット内に移動すると共に、その線材の前記中間部
に特定方向の張力を付与させてトロイダル形コアの巻付
部に対する線材の巻癖を与えること、D)その後、線材
の先端部をさらに線ガイドに沿いトロイダル形コアのコ
ア窓に二回目として挿通させることにより前記スリット
内に、トロイダル形コアの巻付部を内側に含む線輪を形
成すること、E)しかる後、線材の先端部を線ガイドに
沿いトロイダル形コアのコア窓の挿入方向に送りなが
ら、前記線輪を次第に絞り込むことにより、線輪の中間
部をトロイダル形コアの巻付部に緊張状態で巻き付ける
こと、F)巻付いた時点で、上記C)以降を繰り返すこ
とにより、線材をトロイダル形コアの巻付部に所望回数
巻き付けることを特徴とするものである。また、本発明
装置では、線材を、トロイダル形コアのコア窓に挿通し
かつその巻付部に巻き付けて巻線するトロイダル形コア
の巻線装置において、ベース上に前記トロイダル形コア
を保持する保持ユニットと該保持ユニット上におけるト
ロイダル形コアの巻付部に線材を巻き付ける巻線部とを
搭載し、巻線部は、トロイダル形コアのコア窓に接続す
る如く環状に形成され、線材を案内し得る環状の線ガイ
ドと、該環状の線ガイドの複数箇所に夫々設けられ、か
つ夫々が線ガイドの内側位置と外側位置とに配置される
対をなし、線材を互いに挟持すると共に回転により線ガ
イドに沿って送る複数対のローラと、該複数対のローラ
のうち、環状の線ガイドの内側位置に配置されたローラ
を線ガイドの位置から選択的に退避させるローラ退避機
構と、環状の線ガイドの内側に該線ガイドと接続して形
成され、内側位置のローラが選択的に環状の線ガイドか
ら退避状態にあるとき、コア窓を通過した線材の中間部
を支持するスリットと、前記環状の線ガイドとスリット
との間におけるコアの線材挿入側付近に昇降可能に取付
けられ、環状の線ガイドの一部と対応する円弧形状をな
す可動形線ガイドを有し、かつ上昇位置にあるとき、コ
アの線材挿入側のローラによって送られた線材の先端部
を、前記可動形線ガイドによりコア窓に導くように規制
する一方、下降位置にあるとき、線材の中間部がコアの
巻付部に巻き付けに必要な空間を形成する可動形線ガイ
ド板と、複数対のローラ,ローラ退避機構,可動形線ガ
イド板を夫々制御する制御部とを備えている。 そして、
該制御部は、環状の線ガイドに沿って送った線材の位置
に応じ、前記ローラ退避機構を介し内側位置のローラを
選択的に退避させたとき、線材におけるトロイダル形コ
アとその挿出側にある線材先端部寄りの部分との間の中
間部に特定方向の張力を付与させてトロイダル形コアの
巻付部に対する線材の巻癖を与える手段と、線材の前記
中間部にトロイダル形コアの巻付部を内側に含む線輪を
前記スリット内で形成する手段と、形成した線輪を次第
に絞り込ませ、線輪の中間部をトロイダル形コアの巻付
部に緊張状態で巻き付ける手段とを有することを特徴と
するものである。
【0006】
【作用】本発明方法では、上述の如く、A)予め、線材
を案内し得る環状の線ガイドの途中位置に、コア窓が位
置するようにトロイダル形コアを保持させておくこと、
B)線材を線ガイドに沿い送って該線材の先端部をトロ
イダル形コアのコア窓に一回目として挿通させること、
C)その線材の先端部を、線ガイドに沿いトロイダル形
コアのコア窓の挿入方向に送り、線材におけるトロイダ
ル形コアとその挿出側にある線材先端部寄りの部分との
間の中間部を、線ガイドの内側に接続するスリット内に
移動すると共に、その線材の前記中間部に特定方向の張
力を付与させてトロイダル形コアの巻付部に対する線材
の巻癖を与えること、D)その後、線材の先端部をさら
に線ガイドに沿いトロイダル形コアのコア窓に二回目と
して挿通させることにより前記スリット内に、トロイダ
ル形コアの巻付部を内側に含む線輪を形成すること、
E)しかる後、線材の先端部を線ガイドに沿いトロイダ
ル形コアのコア窓の挿入方向に送りながら、前記線輪を
次第に絞り込むことにより、線輪の中間部をトロイダル
形コアの巻付部に緊張状態で巻き付けること、F)巻付
いた時点で、上記C)以降を繰り返すことにより、線材
をトロイダル形コアの巻付部に所望回数巻き付けるの
で、線材の中間部をトロイダル形コアの巻付部に適宜の
張力をもって確実に巻き付けることができる。従って、
従来技術のように線材を掴み換えることが不要になり、
巻線作業を簡単にかつ迅速に行うことができ、それだけ
巻線作業の信頼性,作業性を向上することができる。本
発明装置では、上述の如く、ベース上に保持ユニットと
巻線部とを搭載し、該巻線部が、環状の線ガイドと複数
対のローラとスリットと可動形線ガイド板と制御部とを
備えて構成したので、上記方法を的確に実施し得る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図10によ
り説明する。図1乃至図9は本発明によるトロイダル形
コアの巻線方法を実施するための巻線装置の一実施例を
示している。まず、トロイダル形コアの巻線方法を実施
するための巻線装置を述べるに先だって本発明が適用す
るコアについて図11及び図12により説明する。図1
1は磁気ディスクなどに使用されるコアを示している。
同図に示す如く、コア2は一般にフェライトにて作製さ
れ縦横1〜2mm程度で厚さ0.4mm程度の大きさに
て形成されたヘッド2aと、縦横3〜5mm程度で厚さ
2mm程度の大きさのスライダ部2bとから構成されて
いる。前記ヘッド部2aには0.5×0.5mm程度の
巻線の窓(以下、コア窓という)が形成され、このコ
ア窓3に芯線直径0.05mm程度の被覆電線(以下、
単に線という)1を通して巻付部4に10〜30巻程度
巻かれている。また図12はVTRに使用させる磁気ヘ
ッドのコアを示し、同図に示す如く、コア2′は一般に
フェライトにて作製され、縦横2〜3mm程度で厚さ
0.4mm程度の大きさに形成されたコアヘッド2c
と、縦横10〜15mm程度で厚さ2〜3mm程度のダ
イ2dとから構成されている。前記コアヘッド2cはテ
ープ摺動面2e近くの中央部に0.3×0.3mm程度
のコア窓3′と、このコア窓3′の両側に配置された二
個の巻付部4′とから形成され、前記コア窓3′に直径
0.03mm程度の芯線を被覆した線1を通して二個の
巻付部4′に5〜10巻程度巻かれている。
【0008】次に、上述の図11及び図12に示すコア
2,2′の巻付部4,4′に線1を巻き付ける巻線装置
の一実施例を図1乃至図9について述べる。図1はトロ
イダル形コアの巻線装置の外観斜視図、図2は図1のA
−A線断面図、図3は図1及び図6のB−B線断面図、
図4乃至図8は本発明による巻線方法を説明するための
説明図、図9はタイムチャートである。図1において、
5はベースにして、低い上面5aと高い上面5bとを有
している。一方の高さの低い方の上面5aには、上方先
端部にコア2,2′を保持すると共に、X,Y,Zの三
方向に移動するコア保持ユニット6を搭載し、他方の高
さの高い方の上面5bには、前記コア2,2′に線1を
巻き付ける巻線部7を搭載している。前記巻線部7は図
2乃至図4に示す如きもので、8は線ガイドにして前記
線(直径0.6mm程度)1が移動し得る大きさにて環
状に形成されている。9はスリット底面にして、外周部
を図2に示すように前記線ガイド8の内周部8aに沿っ
て線ガイド8の外周端部8b側のベース5の上面5bよ
りも低くし、図3に示すように、後述のカバ11をベー
ス5の上面5bに締着したとき、その下面との間に前記
線ガイド8に接続する深さεのスリット10を形成して
いる。なお、前記線ガイド8の内周端部8aとスリット
底面9との角部10aは図2に示すように円弧状に面取
りされている。また、前記線ガイド8の一部に切欠き8
cを形成し、この切欠き8c内に前記コア窓3,3′が
前記線ガイド8に接続する如くコア2,2′を嵌挿して
いる。11はカバにして、前記ベース5の上面5bに締
着されている。
【0009】12a,12b,13a,13b,14
a,14b,15a,15bは図1,図4〜図6に示す
如く、二個で一対のローラにして、夫々前記ベース5の
上面5b及びカバ11の下面に前記線ガイド8に沿って
形成された四個のローラ室16a,16b内に設置され
ている。前記外方のローラ12a,13a,14a,1
5aは図2に示すように夫々前記ベース5内に軸受17
を介して回転自在に支持され、下端部にカップリング1
8を介してモータ19に接続する回転軸20の上端部に
固定され、前記モータ19が駆動したとき前記のローラ
12a,12b,13a,13b,14a,14b,1
5a,15bが回転してこれらの間に介挿された線1を
送る如く形成されている。また、前記内方のローラ12
b,13b,14b,15bは図2に示すように夫々軸
受21を介して軸22の上端部に回転自在に支持されて
いる。前記軸22は図2に示すように、前記ベース5に
ピン23を介して揺動自在に支持されると共に、外端部
をエアシリンダ24に接続する揺動アーム25の内端部
に固定され、前記エアシリンダ24が駆動したとき前記
揺動アーム25がピン23を中心として揺動して前記内
方のローラ12b,13b,14b,15bが図示実線
位置と、一点鎖線位置との間を揺動して外方のローラ1
2a,13a,14a,15aと接離する如く形成され
ている。
【0010】26は可動形線ガイド板にして、上面には
前記線ガイド8と同一半径を有する円弧状に穿設され、
両端部を前記線ガイド8及び前記コア2,2′のコア窓
3,3′に接続する如く深さ0.1mm程度の可動形線
ガイド27を設け、前記ベース5の上面5bに穿設され
た開口溝28内に上下方向に移動自在に嵌挿されてい
る。また、前記可動形線ガイド板26は前記開口溝28
内の底面に接触しているとき、その上面とこれに対向す
るカバ11の下面との間に前記スリット10の深さεと
略同一間隙量になるように厚さをなしている。29はエ
アシリンダにして、前記ベース5の下面に固定され、そ
のピストンロッド30の先端部が前記ベース5内を通っ
て可動形線ガイド板26の下面に固定され、可動形線ガ
イド板26の上面を前記カバ11の下面に接離させる如
く形成されている。31は検出器にして、図4〜図8に
示す如く前記スリット底面9上の前記コア2,2′の先
端部の対向位置に固定され、前記線1がコア2,2′を
通過したか否かを検出する如く形成されている。
【0011】実施例のトロイダル形コアの巻線装置は、
上記の如き構成よりなるので、次にその動作に関連して
本発明による巻線方法の一実施例を図4乃至図8により
述べる。図4は線1の先端部1Aがコア窓3,3′を通
過し、かつ二対のローラ13a・13b,14a・14
b間を通過した状態を示している。この状態のときに
は、前記コア2,2′の挿入側に位置する一対のローラ
12a,12bのうち、内方側のローラ12bが図2に
示す一点鎖線位置に退避しており、前記線1の中間部1
Bはスリット10内に位置して前記コア2,2′の巻付
部4,4′を内側に含む線輪を形成している。なお、以
後の図5乃至図8において前記内方のローラ12b,1
3b,14b,15bが一点鎖線で示されている場合に
は上述と同様に退避した状態である。またこの状態のと
き、可動形線ガイド板26は図3に示す位置より下降し
てその下面が開口溝28内の底面に接触している。図4
に示す状態から前記線1の先端部1Aが一対のローラ1
4a,14bの回転により線ガイド8内に沿い一対のロ
ーラ15a,15b間に向かって送られる。一方、前記
線1の中間部1Bが形成する線輪は、その先端部1Aの
移送に伴って巻付部4,4′の方に絞り込まれながら、
その径が小さくなる。この間、前記線1の中間部1Bが
形成する線輪の径が小さくなるのに伴って可動形線ガイ
ド27よりスリット10内に入り込むが、前記の如く可
動形線ガイド板26は下降してその下面が開口溝28内
の底面に接触し、その上面とカバ11の下面との間にス
リット10の深さεと略同一量の間隙を形成するので、
前記線1の中間部1Bの移動を円滑に行うことができ
る。
【0012】ついで図5に示す状態において、前記線1
の中間部1Bが巻付部4,4′に巻き付けられたことを
検出器31が検出すると、前記コア2,2′の挿出側の
最初の内側ローラ13bが一旦図2に示す実線位置から
一点鎖線位置に退避し、同時に前記コア2,2′の挿入
側の内側ローラ12bが図2に示す一点鎖線位置から実
線位置に揺動して外側ローラ12aに対接する。また、
前記一対のローラ14a,14bの回転に伴って前記線
1はその先端部1Aが引き続き前記線ガイド8に沿って
送られると、一対のローラ14a,14bと前記コア
2,2′との間の線1が線ガイド8内から前記内側ロー
ラ13bの上方を通ってスリット10内に入り込む(図
6参照)。引き続き前記一対のローラ14a,14bの
回転により前記線1の先端部1Aがコア2,2′の挿入
側の一対のローラ12a,12b間を通過すると、図6
に示す如く一対のローラ14a,14bと前記コア2,
2′との間の線1が緊張し、同時に中間部1B及び既に
前記巻付部4,4′に巻き付けられた線1Cは張力を加
えられる。従って、線1において巻付部4,4′とロー
ラ14a,14bとの間の部分を緊張させて張力を付与
すると、線1の巻付部4,4′と接触する部分に巻癖が
つくこととなる。また前記コア2,2′の挿出側の最初
の内側ローラ13bが図2に示す一点鎖線位置から実線
位置に揺動して外側ローラ13aに対接し、同時に前記
可動形線ガイド板26が上昇し、その上面がカバ11の
下面に対接して前記可動形線ガイド27の周囲を包囲す
る。さらに前記内側ローラ15bが図2に示す実線位置
から一点鎖線位置に退避する。
【0013】ついで図7に示す如く前記一対のローラ1
2a,12bの回転により前記線1の先端部1Aが可動
形線ガイド27に沿って送られ、前記コア2,2′のコ
ア窓3,3′の挿入側に達すると、前記線1の中間部1
Bは線ガイド8より内側ローラ15bの上方を通ってス
リット10内に入り込む。このとき、一対のローラ14
a,14bと前記コア2,2′との間の線1は引き続き
緊張され、同時に巻付部4,4′に巻き付けられた線1
Cは張力を加えられる。従って、前記線1の先端部1A
はコア窓3,3′内に挿入する際に巻付部4,4′に巻
き付けられた線1Cと干渉するのを防止することができ
る。また前記一対のローラ12a,12bと、一対のロ
ーラ14a,14bとの間の線ガイド8よりスリット1
0内に入り込んだ中間部1Bと干渉するのを防止するこ
とができる。しかるのち、図8に示す如く前記線1の先
端部1Aがコア窓3,3′を通過し、前記一対のローラ
13a,13b間を通過すると、前記内側のローラ14
bが図2に示す如く実線位置から一点鎖線位置に退避
し、同時に前記内側ローラ15bが図2に示す如く一点
鎖線位置から実線位置に揺動して外側ローラ15aと対
接する。また前記可動形線ガイド板26が下降し、その
下面が開口溝28内の底面に接触し、その上面と前記カ
バ11との間にスリット10の深さεと略同一量の間隙
を形成する。ついで前記二対のローラ12a・12b,
13a・13bの回転により前記線1の先端部1Aが線
ガイド8内に沿ってローラ14a,14bの方向に送ら
れると、一対のローラ12a,12bの後方の線1の中
間部1Bが線ガイド8内より内側のローラ14bの上方
を通ってスリット10内に入り込む。さらに二対のロー
ラ12a・12b,13a・13bの回転により前記線
1の先端部1Aが線ガイド8内に沿って一対のローラ1
4a,14bの方向に送られると、一対のローラ12
a,12bの後方の線1の中間部1Bが形成する線輪は
巻付部4,4′の方に絞り込まれながらその径が小さく
なる。この場合、ローラ14bが退避しているが、退避
する時点まで線1において巻付部4,4′に巻付いてい
る部分1Cが緊張して巻癖をもっているので、ローラ1
4bが退避しても 、その部分1Cがゆるむことがない。
しかるのち、前記内側ローラ12bが図2に示す如く実
線位置から一点鎖線位置にて示す位置に退避し、内側ロ
ーラ14bが一点鎖線位置から実線位置に揺動して外側
ローラ14aに対接すると、前記線1の先端部1Aが一
対のローラ13a,13bの回転により図4に示す如く
線ガイド8に沿って一対のローラ14a,14b間に挿
入し、同時に前記線1の中間部1Bの線輪はその径がさ
らに小さくなり、前記コア2,2′の巻付部4,4′に
線1が1巻きされる。この場合も、上述と同様に線1に
おいて巻付部4,4′に巻付いている部分1Cに巻癖を
もっているので、その部分1Cがゆるむことがなく、従
って、緊張状態で1巻きされる。以下、上述の作用を繰
り返ことにより所定の巻数を巻くことができ、前記の
作用を図示したのが図9である。なお、以上の説明で
は、図4に示す如く、既に線輪が形成された状態から説
明を開始したが、線1を最初に1巻きする場合も基本的
には同様である。
【0014】このように、本発明方法では、線材1を複
数の対のローラ12a・12b,13a・13b,14
a・14b,15a・15bにより環状の線ガイド8に
沿って送って線輪を形成しつつ、スリット10を通して
コア2,2′の巻付部4,4′に巻き付けながら線材1
の先端部1Aをコア窓3,3′に挿入し、また該挿入さ
れた線材1を、複数の前記ローラにより環状の線ガイド
8に沿い送って線輪を形成しつつ、スリット10へ入り
込むよう制御することにより、コアの巻付部4,4′に
線材1を変形巻き付けるので、線1を巻付部4,4′に
適宜の張力をもって確実に巻き付けることができる。従
って、従来技術のように線材を掴み換えることが不要に
なり、巻線作業を簡単にかつ迅速に行うことができ、そ
れだけ巻線作業の信頼性,作業性を向上することができ
る。実施例のトロイダル形コアの巻線装置は、環状に形
成された線ガイド8の一部に該線ガイド8と略同一の大
きさに形成され、かつ一端部をコア2,2′のコア窓
3,3′に接続する可動形線ガイド27を上面に有する
可動形線ガイド板26を移動し、その可動形線ガイド板
26の上面が対向する面に対接したとき、前記可動形線
ガイド27をスリット10と遮断してその周囲を包囲
し、可動形線ガイド板26の上面が対向する面より離間
したとき、前記可動形線ガイド27をスリット10と接
続するように構成されているから、可動形線ガイド27
内を送られる線1の先端部1Aからコア2,2′のコア
窓3,3′内に通す際、既に巻付部4,4′に巻かれた
線1と干渉することなく確実にコア窓3,3′内を通す
ことができ、従って、上記方法を的確に実施し得る。
【0015】つぎに図3に示す可動形線ガイド板26及
び可動形線ガイド27の変形例を示す図10について述
べる。同図においては、ベース5の上面の線ガイド8と
スリット10との間に開口溝32を穿設し、この開口溝
32内に上下方向に移動自在に可動形線ガイド板33を
嵌挿し、この可動形線ガイド板33に前記ベース5の下
面に固定されたエアシリンダ29のピストンロッド30
の上端部を接続している。従って、本実施例において
は、エアシリンダ29の作動により可動形線ガイド板3
3が上昇して、その上面がカバ11の下面に対接する
と、線ガイド8とスリット10とが遮断されると共に線
ガイド8の周囲が包囲される。また、前記エアシリンダ
29の前記の場合と逆方向に作動することにより、可動
形線ガイド板33が下降してその上面が前記カバ11の
下面と離間すると、線ガイド8とスリット10とが接続
するので、線ガイド8内の線(図示せず)は前記スリッ
ト10内に入り込むことができる。そのため、本実施例
においても前記の実施例と同様の効果を得ることができ
る。また前記の実施例においては可動形線ガイド板が下
降したとき、可動形線ガイド板の上面とカバの下面との
隙間に可動形線ガイドの溝の深さを加えたものとなり、
線の太さに比較して相当大きくなるため線が可動形線ガ
イドからスリットに入り込む際に上下方向の位置がばら
ついてコアの巻付部に重なり合うように巻き付けられる
恐れがある。しかし本実施例では、線ガイドの溝の深さ
のみであるから、コアの巻付部に整列性の良い巻き付け
を行うことができる。さらに、前記の実施例において
は、可動形線ガイド板が上下方向の移動するので、線ガ
イドと可動形線ガイドとの間には多少の隙間が必要であ
る。そのため、この隙間に線の先端部が食い込むおそれ
があるが、本実施例においては同一の線ガイドであるか
ら、前記の問題を解決することができる。
【0016】以上述べたように、本発明方法によれば、
A)予め、線材を案内し得る環状の線ガイドの途中位置
に、コア窓が位置するようにトロイダル形コアを保持さ
せておき、B)線材を線ガイドに沿い送って該線材の先
端部をトロイダル形コアのコア窓に一回目として挿通さ
せ、C)その線材の先端部を、線ガイドに沿いトロイダ
ル形コアのコア窓の挿入方向に送り、線材におけるトロ
イダル形コアとその挿出側にある線材先端部寄りの部分
との間の中間部を、線ガイドの内側に接続するスリット
内に移動すると共に、その線材の前記中間部に特定方向
の張力を付与させてトロイダル形コアの巻付部に対する
線材の巻癖を与え、D)その後、線材の先端部をさらに
線ガイドに沿いトロイダル形コアのコア窓に二回目とし
て挿通させることにより前記スリット内に、トロイダル
形コアの巻付部を内側に含む線輪を形成し、E)しかる
後、線材の先端部を線ガイドに沿いトロイダル形コアの
コア窓の挿入方向に送りながら、前記線輪を次第に絞り
込むことにより、線輪の中間部をトロイダル形コアの巻
付部に緊張状態で巻き付け、F)巻付いた時点で、上記
C)以降を繰り返すことにより、線材をトロイダル形コ
アの巻付部に所望回数巻き付けるように構成したので、
線材をトロイダル形コアの巻付部に適宜の張力をもって
確実に巻き付けるこどかでき、従って、従来技術のよう
に線材を掴み換えることが不要になり、巻線作業を簡単
にかつ迅速に行うことができる結果、それだけ巻線作業
の信頼性,作業性を向上することができる効果がある。
また、本発明装置によれば、ベース上に保持ユニットと
巻線部とを搭載し、該巻線部が、環状の線ガイドと複数
対のローラとスリットと可動形線ガイド板と制御部とを
備えて構成したので、上記方法を的確に実施し得る効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトロイダル形コアの巻線方法を実
施するための巻線装置の一実施例を示す外観斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1及び図6のB−B線断面図。
【図4】本発明によるトロイダル形コアの巻線方法の一
実施例を示し、供給された線材が線輪を形成してコア
窓,ローラを通過した状態を示す説明図。
【図5】線材の先端部を案内して中間部の線輪を絞り込
んだ状態を示す説明図。
【図6】線材の中間部をトロイダル形コアの巻付部に対
し張力をもって巻き付けた状態を示す説明図。
【図7】線材をトロイダル形コアの巻付部に巻き付けた
状態で、トロイダル形コアのコア窓に通過したときの説
明図。
【図8】トロイダル形コアのコア窓を通過した線材をさ
らに案内するときの説明図。
【図9】各内側のローラの退避及び復帰と可動形線ガイ
ドの上下移動との関係を示すタイムチャート。
【図10】可動形線ガイド板の変形例を示す断面図。
【図11】磁気ディスクなどに使用されるコアの斜視
図。
【図12】VTRに使用される磁気ヘッドのコアの斜視
図。
【符号の説明】
1…線、2,2′…コア、3,3′…コア窓、4,4′
…巻付部、5…ベース、6…保持ユニット、7…巻線
部、8…線ガイド、9…スリット底面、10…スリッ
ト、11…カバ、12a,12b,13a,13b,1
4a,14b,15a,15b…ローラ、16a,16
b…ローラ室、17,21…軸受、18…カップリン
グ、19…モータ、20…回転軸、22…軸、23…ピ
ン、24,29…エアシリンダ、25…揺動アーム、2
6,33…可動形線ガイド板、27…可動形線ガイド、
28,32…開口溝、31…検出器。
フロントページの続き (72)発明者 浜田 豊秀 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所 生産技術研究所 内 (72)発明者 佐藤 博司 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社 日立製作所 生産技術研究所 内 (72)発明者 福本 洋介 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材を、トロイダル形コアのコア窓に挿
    通しかつその巻付部に巻き付けて巻線するトロイダル形
    コアの巻線方法において、 A)予め、線材を案内し得る環状の線ガイドの途中位置
    に、コア窓が位置するようにトロイダル形コアを保持さ
    せておき、 B)線材を線ガイドに沿い送って該線材の先端部をトロ
    イダル形コアのコア窓に一回目として挿通させ、 C)その線材の先端部を、線ガイドに沿いトロイダル形
    コアのコア窓の挿入方向に送り、線材におけるトロイダ
    ル形コアとその挿出側にある線材先端部寄りの部分との
    間の中間部を、線ガイドの内側に接続するスリット内に
    移動すると共に、その線材の前記中間部に特定方向の張
    力を付与させてトロイダル形コアの巻付部に対する線材
    の巻癖を与え、 D)その後、線材の先端部をさらに線ガイドに沿いトロ
    イダル形コアのコア窓に二回目として挿通させることに
    より前記スリット内に、トロイダル形コアの巻付部を内
    側に含む線輪を形成し、 E)しかる後、線材の先端部を線ガイドに沿いトロイダ
    ル形コアのコア窓の挿入方向に送りながら、前記線輪を
    次第に絞り込むことにより、線輪の中間部をトロイダル
    形コアの巻付部に緊張状態で巻き付け、 F)巻付いた時点で、上記C)以降を繰り返すことによ
    り、線材をトロイダル形コアの巻付部に所望回数巻き付
    けること を特徴とするトロイダル形コアの巻線方法。
  2. 【請求項2】 線材を、トロイダル形コアのコア窓に挿
    通しかつその巻付部に巻き付けて巻線するトロイダル形
    コアの巻線装置において、ベース上に前記トロイダル形
    コアを保持する保持ユニットと該保持ユニット上におけ
    るトロイダル形コアの巻付部に線材を巻き付ける巻線部
    とを搭載し、巻線部は、トロイダル形コアのコア窓に接
    続する如く環状に形成され、線材を案内し得る環状の線
    ガイドと、該環状の線ガイドの複数箇所に夫々設けら
    れ、かつ夫々が線ガイドの内側位置と外側位置とに配置
    される対をなし、線材を互いに挟持すると共に回転によ
    り線ガイドに沿って送る複数対のローラと、該複数対の
    ローラのうち、環状の線ガ イドの内側位置に配置された
    ローラを線ガイドの位置から選択的に退避させるローラ
    退避機構と、環状の線ガイドの内側に該線ガイドと接続
    して形成され、内側位置のローラが選択的に環状の線ガ
    イドから退避状態にあるとき、コア窓を通過した線材の
    中間部を支持するスリットと、前記環状の線ガイドとス
    リットとの間におけるコアの線材挿入側付近に昇降可能
    に取付けられ、環状の線ガイドの一部と対応する円弧形
    状をなす可動形線ガイドを有し、かつ上昇位置にあると
    き、コアの線材挿入側のローラによって送られた線材の
    先端部を、前記可動形線ガイドによりコア窓に導くよう
    に規制する一方、下降位置にあるとき、線材の中間部が
    コアの巻付部に巻き付けに必要な空間を形成する可動形
    線ガイド板と、複数対のローラ,ローラ退避機構,可動
    形線ガイド板を夫々制御する制御部とを備え、該制御部
    は、環状の線ガイドに沿って送った線材の位置に応じ、
    前記ローラ退避機構を介し内側位置のローラを選択的に
    退避させたとき、線材におけるトロイダル形コアとその
    挿出側にある線材先端部寄りの部分との間の中間部に特
    定方向の張力を付与させてトロイダル形コアの巻付部に
    対する線材の巻癖を与える手段と、線材の前記中間部に
    トロイダル形コアの巻付部を内側に含む線輪を前記スリ
    ット内で形成する手段と、形成した線輪を次第に絞り込
    ませ、線輪の中間部をトロイダル形コアの巻付部に緊張
    状態で巻き付ける手段とを有することを特徴とするトロ
    イダル形コアの巻線装置。
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