JP2564221B2 - 端面および加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有鋼板 - Google Patents
端面および加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有鋼板Info
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Description
た耐食性を示すアルミニウムめっきCr含有鋼板に関す
るものである。
に使用されてきた着色亜鉛めっき鋼板は雨水、亜硫酸ガ
スなどに曝されて発錆し、めっき層を剥離し、機能劣化
を著しく早める問題から、最近では、市場の要求は益々
厳しさを増して長期耐久性が求められ、従来の着色亜鉛
めっき鋼板に代わってアルミニウム合金めっき鋼板、ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板などが開発されてい
る。例えば、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板につい
ては、特公平2−36384号公報には「クロメート系
化成処理をしたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板上に
塗膜形成用樹脂と体質顔料とクロム酸カルシウムとクロ
ム酸ストロンチウムとを混合した下層塗装被膜、さらに
上層塗装被膜を施した塗装鋼板」、特公平2−3235
5号公報には「化成処理を施したアルミニウム−亜鉛合
金めっき鋼板にクロム酸ストロンチウムまたはクロム酸
カルシウムを配合した下塗り塗料の下層塗装被膜、この
上に下塗り塗料の下層塗装被膜を施した塗装鋼板」な
ど、多くの種類の塗装アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板がある。また、アルミニウムめっき鋼板については、
特公平1−14866号公報の「アルミニウムめっき鋼
板にクロム酸塩・リン酸塩などの防錆顔料と炭酸カルシ
ウムの体質顔料とを混合した下層塗装被膜と、その上に
上層塗装被膜を施した塗装アルミニウムめっき鋼板」、
特開平59−159334号公報の「アルミニウムめっ
き鋼板にZn−Mg合金粉末を添加した防錆顔料を含有
する下塗塗装を施し、その上に上塗塗装を施した塗装鋼
板」などの塗装アルミニウムめっき鋼板がある。しかし
ながら、塗装したアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板や
アルミニウムめっき鋼板は、従来から使用されているア
ルミニウム−亜鉛合金やアルミニウムめっき鋼板に比較
して耐食性能が大幅に改善されるにもかかわらず、端面
および加工部で耐食性能を著しく劣化する欠点があり、
問題として残されている。
題を解消し端面および加工部で耐食性に優れたアルミニ
ウムめっき鋼板を提供する事を目的としたもので、その
要旨は、アルミニウムめっきCr含有鋼板の表面に化成
処理層を施した後、この表面にクロム酸ストロンチウム
と二酸化ケイ素を混合した樹脂系塗装被膜層、さらに樹
脂系塗装被膜層を施したアルミニウムめっきCr含有鋼
板である。特に本発明は、下塗被膜においてクロム酸ス
トロンチウムと二酸化ケイ素を混合した樹脂系塗装を施
す事により、鋼板の端面などにおいて優れた耐食性が得
られるところに特徴がある。
転炉、電気炉あるいはさらに精製炉などの溶解炉で溶製
された溶鋼を造塊・分塊法あるいは連続鋳造法で得られ
た鋼片を圧延、溶融アルミニウムめっきするなど通常の
めっき鋼板製造過程を経て製造されたアルミニウムめっ
きCr含有鋼板に塗装する。アルミニウムめっきを施し
たCr含有鋼板は、Crを含有しないこれまでの鋼板に
較べ、鋼板およびめっき層の耐食性を改善する。すなわ
ち、アルミニウムめっきCr含有鋼板は、溶融アルミニ
ウムめっき工程において鋼中のCrがめっき層に拡散
し、例えば塩水などの腐食環境に曝された場合の腐食初
期過程においてめっき層のCrが腐食生成物中に溶出濃
化してカソード反応を抑制した欠陥部の少ない腐食生成
物を形成し、めっき層の腐食速度を減少して耐食性を向
上させる。その効果は、鋼中Cr含有量の増加に耐食性
が増大し、鋼中のCr含有量が5%以上で顕著に認めら
れる。しかし、鋼中のCr含有量が20%を越えると、
めっき層の耐食性向上効果が飽和域に達し、その効果が
相対的に減少する傾向にある。本発明において鋼中に含
有されるCr量は、特に限定するものではないが、5〜
20%が好ましい。
きCr含有鋼板の表面に、クロム酸系やリン酸亜鉛系の
化成処理層をスプレーまたは浸漬法によって施す。化成
処理層は、塗装下地層で塗料密着性の向上を図るもの
で、加工時の塗膜剥離を防止する。このようにしてアル
ミニウムめっきCr含有鋼板の表面を改質した化成処理
層に、防錆顔料のクロム酸ストロンチウムと二酸化ケイ
素を混合した樹脂組成の塗装皮膜層を施す。この塗装皮
膜層は、切断された鋼板の端面および屈曲された加工部
に耐食性を付与するものである。樹脂にはエポキシ樹脂
系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノキシ
樹脂系、ウレタン樹脂系など加工密着性、耐食性、耐衝
撃性など鋼板に要求される諸性質をもつ高分子系の樹脂
を単独またはこれらを複合して使用される。これらの樹
脂に配合されるクロム酸ストロンチウムは、鋼板の端面
や加工部における耐食性を長期間付与し、さらにこの上
に塗装される塗膜の端面膨れ(エッジクリープ)を減少
させる効果もある。このような効果は、樹脂中にクロム
酸ストロンチウムを配合して得られるが、中でも5〜6
0%が好ましい。
ウムとの併合配合によって耐食性を長期間に亘って持続
させるいわゆる徐放効果を示し、塗膜の端面膨れを抑制
し、塗膜密着性を向上する効果を奏する。このような二
酸化ケイ素の効果は、二酸化ケイ素をカップリング剤で
処理することにより一層持続する事ができ、しかも樹脂
中に10%以上の配合で顕著に得られる。すなわち本発
明において、樹脂中にクロム酸ストロンチウムと二酸化
ケイ素を併用して配合する事により、表面積の大きな多
孔性の二酸化ケイ素がクロム酸ストロンチウムを吸着す
るため、使用初期にクロム酸ストロンチウムを溶出しつ
くしてしまう事もなく、徐々にクロム酸ストロンチウム
が溶出し防錆効果を持続する効果を奏する。本発明にお
いては、厚み増加、色付けなどの目的から、さらに酸化
チタンのような体質顔料を混合してもよい。さらに本発
明は、その上層に樹脂系塗装被膜層を施す。上層の樹脂
系塗装被膜層は、耐食性や加工性を付与するもので、ポ
リウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、アルキッド樹
脂塗料、ウレタン樹脂塗料、シリコンポリエステル樹脂
塗料、シリコンアクリル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料など
を使用する。上記のような樹脂塗装が施されたアルミニ
ウムめっきCr含有鋼板は、板表面は勿論の事、切断さ
れた鋼板の端面および屈曲された加工部に耐食性などを
著しく向上する効果を奏する。
体的に説明する。例中の%、部はいずれも重量基準であ
る。 (実施例1〜12 および比較例1〜3) 板厚0.6mmのアルミニウムめっきCr含有鋼板(目
付量200g/m2(両面))にクロム酸(CrO3−
SiO2)系化成処理液(ZN−1300AN=日本パ
ーカライジング社製)を皮膜量が20〜80mg/m2
(乾燥状態)になるよう、ロール塗装を行い、80〜1
00℃で乾燥させた。次に形成された化成処理層の表面
にエポキシエステル系下塗り塗料の不揮発分に対し表1
に示す量のクロム酸ストロンチウム、及び二酸化ケイ素
が配合された下塗り塗料を7〜9g/m2(乾燥状態)
の範囲で塗布し、板温200℃にて60秒間焼付けを
し、その上に、ポリフッ化ビニリデン系上塗り塗料(日
本油脂社製プレカラーNo.8000ブルー)をロール
コーターにて乾燥膜厚が20〜25μになるように塗布
し、板温240℃にて60秒間焼付けて塗装鋼板を得
た。
い、表面にクロム酸ストロンチウムを下塗り塗料の不揮
発分に対して、表中に示す重量%含有したエポキシエス
テル系下塗リ塗料を塗布した他は、実施例と同様にして
塗装鋼板を得た。以上で作成した試験片について、以下
に示す試験項目、及び方法で試験を行なった結果を同時
に表1に示した。
m)沸騰水に10時間浸漬した後、1時間放置し、ゴバ
ン目エリクセン試験(1mm/1mm 100/100
6.5mm押し出し)及び4T−TBend曲げ加工を
行ない、加工部の耐セロテープ密着性の評価を行なっ
た。5点法で評価し、全くハクリなしを5点、全ハクリ
を1点として評価した。 耐エッジクリープ性:塗装鋼板の三辺の端面、及び裏面
をポリエステルテープでシールした塗装鋼板を塩水噴霧
試験機(JIS K−5400 7、8)に暴露し、シー
ルしていない端面からの塗膜のブリスターふくれ状況
(以下エッジクリープと呼ぶ)を評価するもので、その
ブリスターの最大長さ(mm)で評価した。加工部の耐食性 :塗装鋼板の4辺の端面、及び裏面をポ
リエステルテープでシールした塗装鋼板に4T曲げ加工
を行い塩水噴霧試験機(JIS K−54007、8)
に暴露し、加工部のブリスター発錆状態の評価を行なっ
た。5点法で評価し、全く異常なしを5点、著しく劣化
の認められるものを1点として評価した。
れた比較例1〜4は、端面の耐エッジクリープ性が悪
く、又、従来例1〜5は、高級素材であるステンレス、
アルミニウムを除き、耐エッジクリープ性が劣り、また
加工部の劣化が激しいことが判る。本発明に準じた実施
例1〜11は端面、加工部において、ステンレス、アル
ミニウムと同様の性能を有し、従来問題とされていた端
面、加工部の耐食性が劣るという塗装鋼板の欠点を大幅
に改良ならしめた上、経済性にもすぐれた塗装鋼板の提
供を可能にすることができた。
問題とされていた端面、加工部の耐食性が劣るとされて
いた塗装鋼板の欠点を大幅に改善し、鋼板の端面及び加
工部などにおいて優れた耐食性が得られる建材用鋼板を
提供することにある。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウムめっきCr含有鋼板の表面
を化成処理層を施した後、この表面にクロム酸ストロン
チウムと二酸化ケイ素を混合した樹脂系塗装被膜層、さ
らに樹脂系塗装被膜層を施した事を特徴とする端面およ
び加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有
鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3233719A JP2564221B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 端面および加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3233719A JP2564221B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 端面および加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0550034A JPH0550034A (ja) | 1993-03-02 |
JP2564221B2 true JP2564221B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=16959493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3233719A Expired - Fee Related JP2564221B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 端面および加工部の耐食性が優れたアルミニウムめっきCr含有鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2564221B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2521462B2 (ja) * | 1986-08-14 | 1996-08-07 | 日本鋼管株式会社 | 高耐食性複層被覆鋼板 |
JP2655873B2 (ja) * | 1988-04-20 | 1997-09-24 | 関西ペイント株式会社 | 亜鉛めっき鋼材の表面処理方法および表面処理組成物 |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP3233719A patent/JP2564221B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0550034A (ja) | 1993-03-02 |
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