JP2563575Y2 - 側辺掘りアタッチメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、側辺掘削用油圧ショベ
ルに装着している側辺掘りアタッチメントの構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来技術の側辺掘りアタッチメ
ント１の要部側面図である。図において、２は側辺掘り
アタッチメント１のリアブーム、３はフロントブーム、
４はリンク、５はアッパブーム、６はアーム、７はバケ
ット、８は後部たてピン、９は前部たてピン、１０，１
１はそれぞれリンクピン、１２はブームシリンダ、１３
はオフセットシリンダ、１４はアームシリンダ，１５は
バケットシリンダである。図６は、側辺掘りアタッチメ
ント１を示す要部平面図である。図において、１６は油
圧ショベルの車体、１７はリアブーム（２）先端部のフ
ロントブーム取付用たてピン穴、１８はアッパブーム５
のフロントブーム取付用たてピン穴、ａ，ｂ，ｃ，ｄは
上記ピン１１，１０，９，８のそれぞれ軸心、０ー０は
リアブーム２の前後方向中心線、Ｗはバケット７の巾寸
法、Ｉはフロントブーム３とリンク４との必要最小限の
間隔寸法である。

【０００３】次に、従来技術の側辺掘りアタッチメント
１を図５及び図６について述べる。油圧ショベルの車体
１６のフロント部にリアブーム２を取付け、そのリアブ
ーム（２）先端部にフロントブーム３とリンク４を平行
にかつ左右方向に回動可能に連結し、そのフロントブー
ム３とリンク４の前部にアッパブーム５を連結し、その
アッパブーム５に対してアーム６、バケット７をそれぞ
れ前後方向に回動可能に順次連結し、またフロントブー
ム３とリンク４との間に対角線状にオフセットシリンダ
１３を介装し、そのオフセットシリンダ１３を調整操作
することによりアーム６をオフセット移動できるように
している。そして図６に示すように、軸心ａからｂまで
の距離ａｂはａｂ＝Ｌ1 、軸心ｃからｄまでの距離ｃｄ
はｃｄ＝Ｌ1 、軸心ａからｃまでの距離ａｃはａｃ＝Ｌ
2 、軸心ｂからｄまでの距離ｂｄはｂｄ＝Ｌ2 である。
したがって軸心ｃーｄーｂーａーｃを結ぶ四辺形が平行
四辺形となる平行リンクが形成されるので、アーム６を
中心線０ー０に対して平行にオフセット移動させて側辺
掘りを行うことができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】側辺掘削用油圧ショベ
ルでは、その油圧ショベルの掘削能力，掘削時における
車体のバランスの問題などにより、装着するバケットの
容量に制限がある。図６に示す従来技術の側辺掘りアタ
ッチメント１では、巾寸法がｗなるバケット７を取付け
ている。この側辺掘りアタッチメント１をオフセット操
作していないときには、アーム６の前後方向中心線すな
わちバケット７の前後方向中心線は、リアブーム２の前
後方向中心線０ー０と一致しているが、バケット７の側
板外側面イはリンク４の外側端面ロより寸法ｌだけ内側
の位置にある。そのために上記の状態で深掘り掘削を行
うと、リンク４前部の外側の部分が土質に衝突し、深掘
りに支障をもたらせていた。本考案は、上記の問題点を
解決することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の側辺掘りアタッ
チメントでは、平面視でフロントブームの基端部たてピ
ン穴と先端部たてピン穴を結ぶ中心線に対して、フロン
トブームを構成する筒形本体の長手前後方向中心線を、
リンクの配設位置と反対の側に所要の寸法だけ偏心せし
めて形成し、その偏心した筒形本体に対応してリンクの
配設位置を設定することにより、アームのオフセット調
整を行わずに深掘り掘削を行うとき、リンクの前後方向
の外側端面の位置がバケットの側板の前後方向位置より
内側に位置するように構成した。あるいはまた、上記筒
形本体の、オフセットシリンダに相対する面板を凹状に
形成し、オフセットシリンダ及びその油圧配管の配設ス
ペースを大きくするようにした。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は、本考案の側辺掘りアタッチメント
１９の要部平面図である。図において、従来技術と同一
構成要素を使用するものに対しては同符号を付す。２０
はリアブーム、２１はフロントブーム、２２はフロント
ブーム２１の筒形本体、ＱーＱは筒形本体２２の長手前
後方向中心線、２３はフロントブーム２１の基端部たて
ピン穴、２４は先端部たてピン穴、２５はアッパブー
ム、ａ’，ｂ’，ｃ’，ｄ’は本考案の側辺掘りアタッ
チメント１９における場合のピン１１，１０，９，８の
それぞれ軸心である。図２は、側辺掘りアタッチメント
１９を右方向に最大オフセット（リアブーム２０の前後
方向中心線０ー０からの最大オフセット量がＷR であ
る）させた状態を示す要部平面図である。図において、
ＰーＰはアッパブーム２１の前後方向中心線である。図
３は、図１のＡーＡ矢視断面図である。図において、２
６はフロントブーム２１のオフセットシリンダ１３に相
対する面板である。この図３における面板は平板であ
る。

【０００７】次に、本考案の側辺掘りアタッチメント１
９の構成を図１〜図３について述べる。平面視でフロン
トブーム２１の基端部たてピン穴２３と先端部たてピン
穴２４を結ぶ中心線に対して、フロントブーム２１を構
成する筒形本体２２の長手前後方向中心線ＱーＱを、リ
ンク４の配設位置と反対の側に所要の寸法ｔだけ偏心せ
しめて形成し、その偏心した筒形本体２２に対応してリ
ンク４の配設位置を設定するように構成した。なおフロ
ントブーム２１の筒形本体２２の長手前後方向中心線Ｑ
ーＱと、リンク４との間隔は、従来技術の場合と同様に
必要最小限の間隔寸法Ｉに設定している。

【０００８】次に、本考案の側辺掘りアタッチメント１
９の作用について述べる。本考案におけるフロントブー
ム２１の筒形本体２２を寸法ｔだけ、リンク４の配設位
置の反対側に偏心させて形成したので、リンク４をリア
ブーム２０の中心線０ー０の側すなわち内側に向けて寸
法ｔだけ引込めることができる。図１に示すように、バ
ケット７の側板外側面イはリンク４の外側端面ロより寸
法ｍだけ外側の位置になる。したがってこの状態で、オ
フセット調整を行わずに深掘り掘削を行う場合に、リン
ク（４）前部の外側の部分が土質に衝突することはな
い。側辺掘りアタッチメント１９のオフセット量を０
（ゼロ）にして、支障なく深掘り掘削を行うことができ
る。

【０００９】なお図４は、本考案請求項２の側辺掘りア
タッチメントのフロントブーム２１’を示す要部断面図
である。フロントブーム２１’の面板２６’を凹状にへ
こまして形成したので、オフセットシリンダ１３及びそ
の油圧配管（図示しない）の配設スペース２７を大きく
できる。したがってフロントブーム２１’の筒形本体２
２’の長手前後方向中心線Ｑ’ーＱ’と、リンク４との
間隔寸法Ｉ’を小さくして、巾方向の小型化をはかるこ
とができる。

【００１０】

【考案の効果】側辺掘削用油圧ショベルでは、装着する
バケットの容量，巾寸法に制限がある。従来技術の側辺
掘りアタッチメントではオフセット操作をしていない状
態のときに、バケットの側板外側面はリンクの外側端面
より内側の位置にある。そのために上記の状態で深掘り
掘削を行うと、リンク前部の外側の部分が土質に衝突
し、深掘りに支障をもたらせていた。しかし本考案の側
辺掘りアタッチメントでは、平面視でフロントブームの
基端部たてピン穴と先端部たてピン穴を結ぶ中心線に対
して、フロントブームを構成する筒形本体の長手前後方
向中心線を、リンクの配設位置と反対の側に所要の寸法
だけ偏心せしめて形成し、その偏心した筒形本体に対応
してリンクの配設位置を設定するようにした。すなわち
フロントブームの筒形本体を所要の寸法だけ、リンクの
配設位置の反対側に偏心させて形成したので、リンクを
リアブームの中心線の側すなわち内側に向けて所要の寸
法だけ引込めることができる。このようにしてバケット
の側板外側面がリンクの外側端面より外側の位置になる
ようにしたので、この状態でオフセット調整を行わずに
深掘り掘削を行っても、リンク前部の外側の部分が土質
に衝突することはない。本考案の側辺掘りアタッチメン
トのオフセット量を０（ゼロ）にして支障なく深掘り掘
削を行うことができる。また、本考案の側辺掘りアタッ
チメントは、従来技術に比べてフロントブーム及びリン
クをリンクの配設位置とは反対側の位置に偏心配置した
ので、オフセットしていない状態の側辺掘りアタッチメ
ントの左右重量バランスを改善することができる。ま
た、フロントブームを構成する筒形本体の、オフセット
シリンダに相対する面板を凹状に形成し、オフセットシ
リンダ及びその油圧配管の配設スペースを大きくするよ
うにした側辺掘りアタッチメントでは、フロントブーム
の筒形本体の長手前後方向中心線とリンクとの間隔寸法
を小さくして、巾方向の小型化をはかることできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の側辺掘りアタッチメントの要部平面図
である。

【図２】図１における側辺掘りアタッチメントを右方向
に最大オフセットさせた状態を示す要部平面図である。

【図３】図１のＡーＡ矢視断面図である。

【図４】本考案請求項２の側辺掘りアタッチメントのフ
ロントブームを示す要部断面図である。

【図５】従来技術の側辺掘りアタッチメントの要部側面
図である。

【図６】従来技術の側辺掘りアタッチメントを示す要部
平面図である。

【符号の説明】

１，１９ 側辺掘りアタッチメント ２，２０ リアブーム ３，２１，２１’ フロントブーム ４ リンク ５，２５ アッパブーム ６ アーム ７ バケット １３ オフセットシリンダ ２２，２２’ 筒形本体 ２３ 基端部たてピン ２４ 先端部たてピン ２６，２６’ 面板 ２７ 配設スペース

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体のフロント部にリアブームを取付
   け、そのリアブーム先端部にフロントブームとリンクを
   平行にかつ左右方向に回動可能に連結し、そのフロント
   ブームとリンクの前部にアッパブームを連結し、そのア
   ッパブームに対してアーム、バケットをそれぞれ前後方
   向に回動可能に順次連結し、また上記フロントブームと
   リンクとの間に対角線状にオフセットシリンダを介装
   し、そのオフセットシリンダを調整操作することにより
   アームをオフセット移動できるようにした側辺掘りアタ
   ッチメントであって、平面視でフロントブームの基端部
   たてピン穴と先端部たてピン穴を結ぶ中心線に対して、
   フロントブームを構成する筒形本体の長手前後方向中心
   線を、リンクの配設位置と反対の側に所要の寸法だけ偏
   心せしめて形成し、その偏心した筒形本体に対応してリ
   ンクの配設位置を設定することにより、アームのオフセ
   ット調整を行わずに深掘り掘削を行うとき、リンクの前
   後方向の外側端面の位置がバケットの側板の前後方向位
   置より内側に位置するように構成したことを特徴とする
   側辺掘りアタッチメント。
2. 【請求項２】 実用新案登録請求の範囲請求項１記載の
   側辺掘りアタッチメントにおいて、フロントブームを構
   成する筒形本体の、オフセットシリンダに相対する面板
   を凹状に形成し、オフセットシリンダ及びその油圧配管
   の配設スペースを大きくするようにしたことを特徴とす
   る側辺掘りアタッチメント。