JP2562963B2 - 断熱性ラベル付容器の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は冷凍，冷蔵品，或いは熱湯等の高温品の収容
用途等に好適な断熱性を備えた容器の製造を行うための
方法に関する。

（従来の技術） 従来、この種容器としては、例えば特開昭56−111663
号公報所載のものが存在する。

この従来のものは、第６図の如く、容器8eの胴部に発
泡インキからなる発泡性被覆層４を備えた熱収縮性のラ
ベル1eが嵌装されたもので、前記発泡性被覆層４は断熱
作用を発揮する。

而して、従来に於いて上記容器を製造する場合には、
先ず熱収縮性の基材シート2eの片面に発泡性被覆層４を
設けたラベル1eを筒状に形成させて容器8eの胴部に嵌合
させた後に、該ラベル1eを加熱収縮させて容器8eに密着
させると共に、発泡性被覆層４を発泡させていた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、前記従来の製造手段では、容器8eの製
造作業と該容器8eにラベル1eを嵌装させる作業とを別工
程で行うために、これらの各作業が面倒であるばかり
か、容器8eに嵌装させたラベル1eを別途ヒーター等を用
いてラベルを加熱させる作業も非常に煩雑となって、一
連の製造作業が非常に煩雑となる問題点を生じていた。

特に、従来では発泡性被覆層を発泡させるための加熱
作業が必ず必要とされ、当該加熱作業の煩雑性を於いて
問題点を有していたのである。

それ故、本発明は発泡性被覆層を発泡させるための加
熱作業の省略化を図ると共に、容器の製造やラベル貼着
作業の簡素化をも図って一連の製造作業性を向上させる
ことを、その目的とする。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は従来の如く成形済の容器にラベルを嵌装させ
て加熱させるのではなく、容器の製造時にラベルとの一
体化を図る手段を採用し、且つその容器成形時の熱を利
用してラベルの発泡性被覆層の発泡を行わせることによ
り、上記従来の課題を解決せんとするものである。

すなわち、本発明は、ラベル基材シート２の片面側に
発泡性被覆層４及び加熱接着性を有する接着層５を備え
たラベル１を、容器形成用の成形型６内に挿入させた状
態で、容器形成用の加熱軟化された熱可塑性樹脂シート
７を前記ラベル１の内側部位で成形型６の内面部に沿っ
た容器形状に成形させる際に、加熱された樹脂シート７
の熱によってラベル１の発泡性被覆層４を加熱させて発
泡させると同時に、接着層５に接着性を生じさせて樹脂
シート７とラベル１とを一体化させる断熱性ラベル付容
器の製造方法である。

（作用） 上記製造方法では、容器成形と同時に該容器に対して
ラベル１が一体化された状態となるが、該ラベル１の発
泡性被覆層４は容器成形時に於いて加熱された樹脂シー
ト７の熱によって加熱されて発泡させるために、上記製
造方法で得られた容器のラベル１をその後に加熱させる
工程が一切不要となり、容器の成形、ラベルの装着及び
ラベルの発泡の３つの工程を同時にしかも、成形時の熱
によってすべて行うことができる。

また、容器成形時に、樹脂シート７の熱によって接着
層５にも接着性を生じさせ、該接着層５によってラベル
１を容器に接着させるため、発泡と同時に接着層５の加
熱も行え、しかもラベル１の装着も一層確実なものとな
る。

（実施例） 以下本発明の実施例について説明する。

先ず、本実施例に使用されるラベル１は、第１図の如
く、合成樹脂製フィルム等の適当な素材からなるラベル
基材シート２の片面側に、商品名等の印刷層３、発泡性
被覆層４、及敏感熱性の接着剤若しくは樹脂からなる接
着層５が順次設けられたものである。前記発泡性被覆層
４は加熱により発泡するマイクロカプセル（例えば特開
昭56−111663号公報に所載）を含有する所謂発泡インキ
が塗着されて形成されたものである。また、上記ラベル
１の製造に際しては、連続した帯状シートとして形成さ
れた基材シート２に対して、所望模様の印刷層３をグラ
ビア，フレキソ，シルクスクリーン等によって印刷した
上に、発泡インキをグラビア，シルクスクリーン等によ
って印刷し、更にその上側から加熱接着性の良好な樹脂
又は接着剤を押出しコーティング，ロールコーティン
グ，グラビアコーティングにより塗布すればよい。ま
た、その後は当該シート材を第１図（ロ）の如く所定の
形状に順次打ち抜いて大量生産が図れる。

次に、上記ラベル１を第１図（ハ）の如く筒状に形成
した後に、第２図（イ）の如く真空成形手段を併用した
圧空成形装置の成形型６内に挿入させ、その後該成形型
６を用いて容器を成形する。容器成形に際しては、先ず
同図（ロ）の如く加熱軟化された容器形成用の熱可塑性
の樹脂シート７を成形型６上に配置させた後に、同図
（ハ）の如く成形型６内の真空引きを行いながら樹脂シ
ート７の上面側に圧空を供給して、樹脂シート７を成形
型６の形状に沿った容器形態に成形する。

当該成形作業時に於いては、ラベル１の内面の接着剤
層３は前記樹脂シート７の外側面部との接触により加熱
されるから、該ラベル１は樹脂シート７の表面に一体的
に接着される。また、ラベル１の発泡性被覆層４も接着
剤層３と同時に加熱されることとなって発泡する。

上記一連の作業工程によれば、第３図の如く、容器本
体８の外周面にラベル１が一体的に強固に接着された容
器が得られる。而して、該ラベル１の発泡性被覆層４は
容器成形時に於いて既に発泡されているために、当該容
器をその後加熱させる必要性は一切ない。発泡済の発泡
性被覆層４を備えた容器は優れた断熱性を有する他、緩
衝機能をも有し、更にラベル１の被覆によりその容器強
度も向上したものとなる。

また、ラベル１は容器本体８と一体化されているため
に、該容器本体８から容易にずり落ちる様なこともな
い。特に、ラベル１は感熱性の接着層５を介してその接
着が図られているから、そのラベル接着は一層確実なも
のとになる。更に、ラベル１の表面は容器本体８の外周
面と面一状態となって、ラベル１が容器本体８の外面か
ら不当に突出しないために、その外観体裁も良好で、ラ
ベル基材シート２の内面側に印刷された印刷層３も外部
から明確に確認できるものとなる。

尚、上記実施例では、圧空成形及び真空成形の複合的
な容器成形手段を採用したが、本発明はこれに限定され
ず、それ以外の真空成形，圧空成形手段を採用してもよ
く、例えばプラグアシスト真空成形手段等の適用は自在
である。また、成形する容器本体の具体的な形状やサイ
ズ等も問わず、これらは任意に設計変更自在である。

更に、本発明に適用するラベル１の具体的な構成も上
記の如く限定されない。

例えば第４図（イ），（ロ）の如く発泡性被覆層４を
ラベル基材シート２の全面に設けることなく、部分的に
設けてもよい。係る場合には、該発泡性被覆層４を設け
ていない部位を透明にできて、容器本体８が透明又は半
透明の場合にはその内部を目視可能にできる利点が得ら
れる。また、ラベル１の感熱性の接着層５は発泡性被覆
層４の外面側に設ける以外として、前面（ハ）の如くし
てもよい。係る手段は、基材シート２に対して部分的に
設けられた発泡性被覆層４の内側に接着層５を設けて、
該接着層５が発泡性被覆層４の設けられていない部位で
露出状態となる様にしたものである。係る場合にも、充
分な接着機能が得られる。更に、本発明ではラベル１を
従来の如く熱収縮によって容器本体８に密着させるもの
ではないから、その基材シート２の材質としては熱収縮
性以外のフィルムも適宜使用可能で、その具体的な材質
は一切問わない。例えばエチレン酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物等を含む多層シートを用いて容器全体のガスバリ
アー性を向上させる様なことも自在である。また、合成
樹脂以外の部材を用いてもよい。但し、ラベル１の基材
シート２として、例えば100℃で０〜20％収縮するポリ
プロピレンフィルム等の熱収縮性素材を用いれば、該基
材シート２が容器成形用の樹脂シート７に加熱接着され
る際に、該基材シート２が容器本体８の外面に適切に沿
った状態に収縮密着すると共に、型から取出時の容器収
縮にも追従して、皺や反りの無い美麗な仕上げ状態が得
られる利点がある。これは容器本体８の外側面が球面等
の曲面の場合や、凹凸が存在する場合に都合がよい。ま
た同様に、ラベル１は必ずしも筒状に形成する必要もな
い。本発明ではラベル１が非筒状であっても容器本体８
との一体化が可能であり、ラベル１の全体の形状も問わ
ない。更に、本発明では第５図の如く成形型６の底部に
ラベル１を挿入させて、容器本体８の底部に一体化させ
ることも自在である。

更に、本発明に適用されるラベル１の発泡性被覆層４
の具体的な組成，成分も問わない。要は加熱により発泡
する機能を備えたものであればよい。

その他、本発明は各作業工程の具体的な構成は全て本
発明の意図する範囲内で任意に変更自在である。

（発明の効果） 叙上の様に、本発明は発泡性被覆層及び加熱接着性を
有する接着剤層を備えたラベルを容器側面に装着させる
手段として、該ラベルを容器形成様の成形型内に挿入さ
せて容器成形と同時に該両者の一体化を量る上で、当該
容器成形時に該容器形成用の加熱された樹脂シートの熱
によってラベルの発泡性被覆層を加熱させて発泡させる
ために、当該製造手段で得られたラベル付容器は、従来
の手段の如くラベルと容器とを夫々別体で形成した後に
該両者を嵌合させる様な煩雑な作業を行う必要性が無い
ばかりか、その後ラベルを別の加熱手段を用いて別工程
で加熱させてその発泡性被覆層を発泡させる必要性もな
くなった。

その結果、本発明によれば、容器本体の製造，ラベル
と容器本体との接着，及びラベルの発泡性被覆層の発泡
という３つの工程を同一の工程において、しかも成形時
の熱によって全て同時に行えて、係る作業が従来に比し
て格段に簡略化されて、その製造効率の向上、製造コス
トの大幅な削減が図れるという格別な効果を有するに至
った。

また、本発明の製造方法によれば、上記のように容器
本体の製造とラベルの接着を同時に行い、しかも発泡被
覆層と加熱接着性を有する接着層を設けたことから、発
泡性被覆層を備えたラベルであるにもかかわらずラベル
と容器本体との強固な接着が得られる他、ラベルの基材
シートの材質は熱収縮性のものに限定されずその他の様
々な材質のものが適当に利用でき、更にはラベルの形状
も筒状に限定されず容器本体に対して部分的なラベル接
着が可能となる等、使用融通性に優れる利点が多々得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に使用されるラベルの一実施例を示し、
同図（イ）は断面図、同図（ロ）は要部概略斜視図、同
図（ハ）は筒状に形成した場合の斜視図。 第２図（イ），（ロ），（ハ）は本発明に係る一連の作
業行程を示す要部断面図。 第３図は容器成形とラベル装着が終了した状態の要部断
面図。 第４図（イ），（ロ），（ハ）はラベルの他の実施例を
示し、同図（イ），（ロ）は正面図、同図（ハ）は断面
図。 第５図は本発明の製造方法の他の実施例を示す断面図。 第６図（イ），（ロ）は従来例を示す断面図。 １……ラベル、２……ラベル基材シート ４……発泡性被覆層、６……成形型 ７……樹脂シート

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ラベル基材シート２の片面側に発泡性被覆
   層４及び加熱接着性を有する接着層５を備えたラベル１
   を、容器形成用の成形型６内に挿入させた状態で、容器
   形成用の加熱軟化された熱可塑性樹脂シート７を前記ラ
   ベル１の内側部位で成形型６の内面部に沿った容器形状
   に成形させる際に、加熱された樹脂シート７の熱によっ
   てラベル１の発泡性被覆層４を加熱させて発泡させると
   同時に、接着層５に接着性を生じさせて樹脂シート７と
   ラベル１とを一体化させることを特徴とする断熱性ラベ
   ル付容器の製造方法。