JP2562657B2 - 磁気カードリーダー・ライター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、磁気カードへの信号の書込み、読出しを行
う磁気カードリード・ライター（以下単に磁気カードR/
Wと呼ぶ）に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、磁気カードR/Wとしては、磁気ヘッドを固定
しその上を磁気カードを高速で摺動させる方式が、多く
用いられている。

第５図は、従来の磁気カードR/Wの磁気カード搬送機
構の概略図である。

この図において、フレーム50a及び50b底部にベルト52
a及び52b駆動用のモータ51が配されている。

フレーム50a及び50bの天井部寄り搬入簿側に、その一
端部にベルト駆動する一対の搬入用ローラ53a及び54a
と、搬出側にもう一対の搬送用ローラ53b及び54bがボー
ルベアリング軸受けにより軸着されている。

また、フレーム中央部には、搬入ローラより送られて
きたカード表面を押圧する圧接ローラと、圧接された磁
気カードから情報を読取る磁気ヘッドが配されている。
電磁モータ51の回転をベルト52a及び52bにより、カード
搬送用ローラ53a及び53bに達し、カードは、このローラ
53a及び53bと補助ローラ54a及び54bとの間に磁気カード
を挟んで行われる。一方、電磁モータ51の回転は、53a
のベルト52cにより、カード圧接用ローラ57に伝達され
る。

搬入されたカードは、磁気ヘッドに圧接され、移動し
ながら記録された情報の読取り、または書込みを行い、
搬出ローラに53b及び54bにより搬出される。

このような、磁気カードR/Wにおいては、磁気カード
の移動速度は出来るだけ一定に制御する必要がある。と
いうのは、読み出し時に、カードの移動速度がばらつく
と、磁気ヘッド56からの出力電圧の大きさ及び出力電圧
の周波数が変化してしまう。また書込みの時に、カード
の移動速度がばらつくと、カード上に記録された、Ｎ−
Ｓの磁気パターンの位置がばらつき、間違った信号とし
て読み出してしまう。従って、従来の磁気カードR/Wに
おいては、カードの移動速度を一定にするために定速制
御機能のついた電磁モータを使用している。

また磁気カードへの信号の書込み時にはカードの移動
速度が一定ならば、書込み信号の周波数を一定にするこ
とにより、書込み位置を正しく制御することができる。
また、カード上の書込み位置をさらに精度を良くするた
めに電磁モータ51あるいは、カード用搬送ローラ57軸に
直結にロータリエンコーダが付設されている場合もあ
る。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、例えば第５図に示した従来の磁気カー
ドR/Wにおいては、カードを搬送するのために、ベルト
やローラを多数使用しているので、機構が複雑となる上
に、装置が大型になるという欠点がある。更に、性能の
面からも電磁モータが発生する電磁ノイズを磁気ヘッド
が、検出してしまうために電磁モータの電磁ノイズを防
ぐためのシールドを必要とし、このシールドが不完全の
場合には、S/N比を確保するために、磁気密度を低くす
る必要があり、電磁モータが記録密度向上のネックと成
っていた。

本発明の技術課題は、今までの磁気カードR/Mの欠点
を除去するために、磁気カードの搬送機構を簡単にし、
電磁ノイズの発生がほとんどない駆動手段を使用し、更
に書込み位置の精度を高める為に、カード位置の検出器
を有する小型で、高記録密度の磁気カードR/Wを提供す
るものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、磁気カードを超音波モータによって
搬送する搬送部と、この搬送部で搬送された磁気カード
を圧接ローラで磁気ヘッドに圧接して圧接された磁気カ
ードから記録の読取り又は圧接された磁気カードへの書
込みを行う記録・再生部とを有する磁気カードリーダー
・ライターにおいて、磁気カードと共に移動する磁気カ
ードホルダーと、この磁気カード移動方向に沿って長さ
方向に配置された高保磁力を有する磁性棒と、この磁気
カードホルダーと一体に形成された磁気検出器とを有
し、この磁性棒に等間隔で、Ｎ−Ｓ磁極が反転するよう
に着磁されており、この磁気検出器はこの磁性棒を着磁
状態を検出することによりカードの移動速度を検出する
ようにしたことを特徴とする磁気カードリーダー・ライ
ターが得られる。

ここで、本発明において、超音波モータとは、超音波
振動する振動片もしくは振動体及びこれに接触する可動
物体とを有し、振動片もしくは振動体の機械的共振にと
もなう変位を利用して、超音波振動を直接可動物体の回
転トルクに変換する機構を言う。

即ち、搬送部は圧電振動子よりなる超音波モータを有
し、この圧電振動子の円を含む楕円運動により磁気カー
ドを搬送する。また、磁気カード移動方向に沿って長さ
方向に配置された高保磁力を有する磁性棒は、十から数
百μｍの等間隔で、Ｎ−Ｓ磁極が反転するように着磁さ
れていることが望ましい。

［作用］ 本発明の作用について説明する。

本発明の磁気カードR/Wをカード搬送部の超音波モー
タとして圧電振動子を形成する金属角柱と回転振動部材
よりなる。この超音波モータの駆動原理を、圧電振動子
が、ほぼ正方形の断面を有する金属角柱のとなりあう二
つの面の長手方向中央部両面に電極が形成されている厚
さ方向に分極した圧電セラミック薄板が接着されている
ものを例にあげ説明する。

圧電セラミック薄板の表面電極からは、それぞれ、リ
ード端子が引出されており、金属角柱からは、共通のア
ース端子が引出されている。金属角柱の断面形状が、ほ
ぼ略正方形なので、金属角柱は互いに直角方向に、実質
的に等しい共振周波数で屈曲振動する。この端子に夫々
周波数が共振周波数に等しく、位相が、０〜180゜望ま
しくは90゜異なる電圧を印加すると、金属角柱の両端部
は、例えば遊星歯車の遊星運動をする固定された衛星運
動の如くの円を含む楕円運動をする。この楕円運動方向
は、一方の駆動電圧の位相を90゜〜270゜望ましくは180
゜変化させることによって、逆転させることができる。

本発明の磁気カード搬送機構は、金属角柱振動子を振
動の節を支持ピンで支持し、振幅が最大となる両端部
に、回転自在に回転軸に固定されたローラ及びを圧接し
ている。角柱振動子の両端部には、カードの挿入を、容
易にし、カードの搬送を安定にするために、ローラの曲
率よりも大きな曲率を有する摩擦部材が装着されてい
る。

上記した超音波モータの角柱振動子の両端部は、楕円
運動をしているため搬送ローラを圧接すると搬送ローラ
は回転し、角柱振動子と搬送ローラに挟まれた磁気カー
ドは、直線的に移動する。

また、これと同時に磁気カードが挿入されると、この
磁気カードの先端部がカードホルダーを押す。磁気カー
ドホルダーは、バネによりカード先端部に圧接され、磁
気カードと一緒に移動する。

この磁気カードホルダーには、磁性棒の着磁状態を検
出するための磁気検出器が一体的に形成されており、磁
性棒の着磁パターンを読取ることにより、カードの位置
を正確に知ることができる。

更に、磁性棒の着磁パターンを等間隔とすれば、出力
信号の周波数は移動速度に比例することから磁気カード
の移動速度を知ることができる。

この様な、磁気カードR/Wにおいては、超音波モータ
即ち角柱振動子の楕円運動を直接カードの搬送に利用
し、カード搬送用のローラ数も少なくなりカード搬送機
構が格段に簡単になる。超音波モータは、電圧駆動であ
るために殆ど電磁ノイズを発生しない。したがって、磁
気ヘッドに誘起されるノイズ電圧は大幅に減少し、磁気
ギャップを小さくするので、出力電圧小さくなっても、
信号の判別が容易になり、高密度記録が実現できる。

また、本発明の磁気カードR/Wでは、磁気カードの移
動方向と平行に配置し、長さ方向に等間隔に着磁された
磁性棒の着磁状態を検出することによって行うので、磁
気カードの位置あるいは、移動速度を正確に検出するこ
とが可能となり、この点からも高密度記録が可能とな
る。

尚、本発明の磁気カードR/Wでは、この例のような角
型振動子以外にも円板状振動子や矩形振動子を用いて、
楕円振動あるいは楕円振動を発生させた場合についても
同様にして磁気カードR/Wが実現できる。

［実施例］ 本発明の実施例について図面を参照して説明する。

実施例1. 本発明の実施例１について、説明する。

第１図は本発明の実施例に係る磁気カードR/Wのカー
ド搬送用の搬送部の圧電振動子の構造を示す概略図であ
る。この図において、略正方形の断面を有する金属角柱
８の隣り合う二つの面の長手方向中央部両面に電極が形
成され、厚さ方向に分極した、圧電セラミック薄板9a,9
bが接着されている。圧電セラミック薄板9a,9bの表面電
極からは、夫々リード端子10a,10bが引出されており、
金属角柱８からは、共通のアース端子11が引出されてい
る。金属角柱８の断面形状が、ほぼ正方形なので、金属
角柱８は互いに直角方向に振動面を有し、長手方向に進
行方向する振動波により、実質的に等しい共振周波数で
屈曲振動する。従って、端子10a−11及び端子10b−11に
夫々周波数が共振周波数に等しく、位相が90゜異なる電
圧を印加すると、２種の振動が合成され金属角柱８の両
端部は同方向に円を含む楕円運動をする（楕円振動）。
運動方向は、駆動電圧の位相差を逆に90゜変化させるこ
とによって、逆転させることができる。

実施例2. 本発明の実施例２について説明する。

第２図は、本発明の実施例に係る磁気カードの搬送機
構の原理図である。第１図示の金属角柱振動子８を振動
の節を支持ピン12a,12bで支持し、振幅が最大の両端部
に設けた摩擦部材14a,14bに、回転自在に回転軸13cに固
定されたローラ13a及び13bが圧接している。角柱振動子
８の両端部には、カードの挿入を容易にし、カードの搬
送を安定にする為に、ローラ13a,13bの曲率よりも大き
な曲率を有する有機物の摩擦部材14a,14bが装着されて
いる。第２図においては、角柱振動子８の両端部は、楕
円運動をしている為ローラ13a,13bを圧接するとローラ1
3a,13bは回転し、角柱振動子８の摩擦部材14a,14bとロ
ーラ13a,13bに挟まれた磁気カード５は、直線的に移動
する。第３図を用いて，カードの搬送原理を説明する。
第３図に示すように，楕円は，楕円運動する摩擦部材の
表面上のある点の軌跡を示している。磁気カードやロー
タ等の移動体が第３図ので示される側にあるとする
と，注目する質点が→→と移動した場合には，移
動体と質点の圧接力が強くなり，第３図において，右か
ら左側に向かう駆動力が移動体に作用する。次に，質点
が→→の順で移動した場合には，移動体と質点と
の圧接力が弱くなるだけでなく，条件によっては，圧接
力が殆ど０となる。その結果，移動体は，第３図におい
て，右から左側に向かう駆動力が作用し，移動体はその
方向に移動するため，磁気カード５は直線的に移動する
とともに，ローラ13a,13bが回転する。

実施例3. 本発明の実施例３について説明する。

第４図は本発明の実施例に係る磁気カードR/Wの概略
構成図である。

この図において、磁気カード５の搬送路に磁気ヘッド
６が配置され、磁気ヘッドの磁気ギャップ部にカード圧
接用ローラ７が圧接されている。また、カードの移動方
向と平行に、長さ方向に着磁可能な高保磁力を有する磁
性棒15が配置されている。磁性棒15には、数10μｍから
数百μｍでＮ−Ｓが反転するように着磁されている。

第４図において、カード５が挿入されるとカードの先
端部がカードホルダー16を押す。カードホルダー16は緩
いばね定数を有するバネによりカード先端部に圧接さ
れ、カードと一緒に移動する。但し、第４図にはカード
ホルダー16とカード５を離して描いてある。

カードホルダー16には、磁性棒15の着磁状態を検出す
るための磁気検出器17が一体的に形成されている。磁気
検出器17が、磁性棒15の着磁パターンのＮ−Ｓ変化の数
をカウントすることによりカードの位置を正確に知るこ
とができる。

更に上述した磁性棒15の着磁パターンを等間隔に着磁
すれば、磁気検出器17からの出力信号の周波数は移動速
度に比例することからカードの移動速度を知ることがで
きる。

第４図に示したように実施例に係る磁気カードR/Wに
おいては、角柱振動子８の楕円運動を直接カード５の搬
送に利用しているため駆動伝達のベルトが全く不必要と
なる。さらに、カード搬送用のローラも少なくなりカー
ド搬送機構が格段に簡単になる。また、第１図に示した
角柱振動子は電圧駆動であるために殆ど電磁ノイズを発
生しない。したがって、磁気ヘッドに誘起されるノイズ
電圧は大幅に減少し、磁気ギャップを小さくすることに
より出力電圧小さくなっても、信号の判別が容易にな
り、高密度記録が実現できる。

また実施例の磁気カードR/Wでは、磁気カードの移動
方向と平行に配置し、長さ方向に等間隔に着磁された磁
性棒の着磁状態を検出することによって行うので、磁気
カードの位置あるいは、移動速度を正確に検出すること
が可能となり、この点からも高密度記録が可能となる。

以上の説明は、楕円振動を発生させる圧電振動子とし
て正方形断面を有する角柱振動子を用いた場合について
であるが、円板状振動子や矩形振動子を用いて、楕円運
動あるいは楕円振動を発生させた場合についても同様な
磁気カードR/Wが実現できることは言うまでもないこと
である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、磁気カードの
搬送を楕円振動する圧電振動子により直接行うため、駆
動伝達用ベルトが不必要となりカード搬送機構が簡単に
なり、小型、薄型の磁気カードR/Wが提供できる。

更に本発明によれば、磁気カードの移動位置及び移動
速度等を、外部に設けた磁気式のリニアエンコーダを用
いて検出するので、高い精度での信号の書込みが可能と
なり、高い記録密度の記録・再生が可能となる磁気カー
ドR/Wが提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る磁気カードリード・ライ
ターの磁気カード搬送用圧電振動子の構成を示す概略
図、第２図は本発明の実施例に係る磁気カードリード・
ライターの磁気カード搬送機構の原理を示す図，第３図
は第２図の磁気カード搬送機構の搬送原理を示す概略
図，第４図は本発明の実施例に係る磁気カードリード・
ライターの全体の構成を示す概略図、第５図は従来例に
係る磁気カードリード・ライターの全体の構成を示す概
略図である。 図中５及び55は磁気カード、６及び56は磁気ヘッド、７
及び57は磁気カード圧接用ローラ、８は角柱振動子、9a
及び9bは圧電セラミック薄板、10a及び10bはリード端
子、11はアース端子、12aおよび12bは支持ピン、13a及
び13bはローラ、14a及び14bは摩擦部材、15は磁性棒、1
6はカードホルダー、17は磁気検出器、51は電磁モー
タ、52a,52b及び52cはベルト、53a及び53bは磁気カード
搬送用ローラ、54a及び54bは補助ローラである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気カードを超音波モータによって搬送す
   る搬送部と、該搬送部で搬送された磁気カードを圧接ロ
   ーラで磁気ヘッドに圧接して圧接された磁気カードから
   記録の読取り又は圧接された磁気カードへの書込みを行
   う記録・再生部とを有する磁気カードリーダー・ライタ
   ーにおいて、 前記磁気カードと共に移動する磁気カードホルダーと、
   該磁気カード移動方向に沿って長さ方向に配置された高
   保磁力を有する磁性棒と、前記磁気カードホルダーと一
   体に形成された磁気検出器とを有し、前記磁性棒に等間
   隔で、Ｎ−Ｓ磁極が反転するように着磁されており、前
   記磁気検出器は前記磁性棒を着磁状態を検出することに
   よりカードの移動速度を検出するようにしたことを特徴
   とする磁気カードリーダー・ライター。