JP3361065B2 - 磁気スケールユニットおよび信号発生器および変位検出装置およびヘッドの位置決め装置およびモータ制御装置 - Google Patents

磁気スケールユニットおよび信号発生器および変位検出装置およびヘッドの位置決め装置およびモータ制御装置

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JP3361065B2
JP3361065B2 JP32939398A JP32939398A JP3361065B2 JP 3361065 B2 JP3361065 B2 JP 3361065B2 JP 32939398 A JP32939398 A JP 32939398A JP 32939398 A JP32939398 A JP 32939398A JP 3361065 B2 JP3361065 B2 JP 3361065B2
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poles
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置や
磁気ディスク装置等の記録・再生に使用されるピックア
ップや磁気ヘッド等のヘッドの変位量や位置を検出した
り、また光ディスクや磁気ディスク等を回転させるモー
タの回転数を制御する際に用いられる磁気スケールユニ
ットに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気スケールユニット50は図13に示
すように、外形が円板状や長尺な板状に形成された基体
52と、この基体52の端部側に、等ピッチ(λ)で隙
間を開けて周方向若しくは長手方向に沿って並べて設け
られた複数の磁石53を有している。この各磁石53の
基体52の端部側の端面に形成された磁極54が磁極列
56を構成する(以下同様)。そして、この磁極列56
に対向して設けられたMRセンサやホール素子を用いた
磁気センサ等の変換手段58と組み合わせて、各磁極5
4間の磁力線の変化をこの変換手段58で検出し、例え
ば光ディスク装置や磁気ディスク装置等の記録・再生に
使用されるピックアップや磁気ヘッド等のヘッドの変位
量や現在位置を検出したり、また光ディスクや磁気ディ
スク等を回転させるスピンドルモータの回転数を制御す
るために使用される。
【0003】具体的には、例えばヘッドの変位量や位置
を検出する場合には、光ディスク装置や磁気ディスク装
置等の記録・再生に使用されるヘッドを移送させるキャ
リッジに変換手段58を取り付け、変換手段58の移動
方向に沿って磁気スケールユニット50を、磁気スケー
ルユニット50の磁極列56と変換手段58とが対向す
るように配置する。これにより、ヘッドが移動すると変
換手段58と磁気スケール50とが相対的に変位するか
ら変換手段58からは磁極列56の磁界の変化(各磁極
54間の磁力線のループの波形)に対応して変化する電
気信号aが、ヘッドと磁気スケールユニット50の相対
速度に比例した周波数で出力される。従って、この電気
信号aに含まれるパルス数をカウントすることによって
変換手段58、つまりヘッドと磁気スケールユニット5
0の相対変位量、つまりヘッドと磁気スケールユニット
50の相対変位量が検出でき、また単位時間当たりに検
出される電気信号に含まれるパルス数を検出することに
よってヘッドと磁気スケールユニット50の相対変位速
度を検出できるのである。
【0004】そして従来の磁気スケールユニット50
は、例えば特開平2−54481号にも記載されている
ように図13に示すごとく、変換手段58の移動方向に
沿って相反する極性(N極とS極)の磁極54が交互に
配置される構成であった。このようにN極とS極の磁極
54が交互に配置される磁気スケールユニット50の場
合には、図13に示すように例えばN極の一つの磁極5
4から出力された磁力線bはS極となる隣接する磁極5
4に入力されるループ波形となる。よって、変換手段
(一例として矢印方向の磁束密度を検出するホール素子
を使ったセンサ)58から出力される電気信号aは各磁
極54と対向した位置に達した場合にその振幅(一例と
して電圧振幅)がピークとなり、隣接するN極間で1周
期(周期は2λ)となる交流信号である。従って、変換
手段58が図13中のN極から次のN極に移動すると、
変換手段58から出力される電気信号aには電圧のピー
ク(正負両方のピークを言う)が2つ含まれる。つま
り、変位量がその半分のN極から隣のS極に移動する隣
接する磁極54間では電気信号aには1つのピークしか
含まれない。なお、電気信号aは整流されることによっ
て、各ピークが1つのパルスとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では光
や磁気ディスクの小型化、大容量化に伴い、トラックピ
ッチが幅狭になり、光ピックアップや磁気ヘッド等のヘ
ッドのより一層高精度な位置決めが要求されるようにな
ってきている。また、同様に光ディスクや磁気ディスク
の回転速度の高速化も一層進み、また回転速度自体の安
定度もより高いものが求められてきているから、光ディ
スクや磁気ディスクを回転駆動するモータの回転制御に
もより高精度が要求されてきている。このため、磁気ス
ケールユニットの高分解能化が必要になってきている。
【0006】ここで、上記の磁気スケールユニット50
の場合には、隣接する磁極54間を磁気センサ等の変換
手段58が移動して初めて、変換手段58から出力され
る電気信号a中に1つのピーク(パルスでもある)が含
まれる構成となっているから、分解能を高めるためには
各磁極54のピッチλをさらに狭める必要がある。例え
ば、分解能を2倍に高めるためには磁極ピッチを0.5
λにする必要がある。しかしながら、現在においてもこ
の磁極ピッチは磁気スケールユニットの分解能を高める
ために、ある程度までは狭められており、さらに磁極列
の磁極ピッチを狭めるとなると、さらに狭いギャップを
持つ着磁ヘッドを使用し、さらに高精度に着磁ヘッドを
位置決めしながら基体上に磁極を形成する必要があり、
高度な着磁技術が必要とされ、磁気スケールユニットの
製造コストが高くなってしまうという課題がある。ま
た、N極とS極を交互に着磁しなければならないから、
着磁ヘッドへの電流制御等が複雑となって磁気スケール
ユニットの製造に手間がかかるという課題もある。そし
て、磁極ピッチを狭めることに伴う最大の課題は、磁化
する体積の減少により、必要とする信号磁界が減少し、
このため変換手段から出力される電気信号のレベルを処
理可能なレベル以上に確保するためには、磁極面と変換
手段との距離をより狭くしなければならないという点で
ある。なぜなら、磁極面と変換手段との距離をより狭く
しようとすると、従来に比べてさらに高精度な組立てが
必要になると共に、高精度に組み立てても機器内の浮遊
塵埃の影響を受けやすくなり、安定したレベルの電気信
号を変換手段から得られないという課題が生ずるからで
ある。
【0007】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、着磁ピッチが従来と同
じであっても変換手段から出力される電気信号に含まれ
るパルス数をさらに増やすことができ、高い分解能が得
られる磁気スケールユニットを提供することにある。ま
た、この磁気スケールユニットを使用して分解能を高め
た信号発生器、変位検出精度を高めた変位検出装置、位
置決め精度を高めたヘッドの位置決め装置およびモータ
の回転数の安定度を高めたモータ制御装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1の磁気スケールユニットは、
基体に複数の磁極を間隔を開けて等ピッチで並べて形成
された磁極列が設けられて成る磁気スケールユニットに
おいて、前記基体は非磁性材で形成され、前記磁極は、
前記基体内に配された永久磁石の同一極性の磁極で構成
することにより、磁極の数の倍の信号源として用いると
共に、各磁極間の前記間隔を磁極の並び方向の幅と同じ
にし、磁極の厚さを磁極の幅と同等以上にすることを特
徴とする。
【0009】また、本発明に係る請求項2の磁気スケー
ルユニットは、基体に複数の磁極を間隔を開けて等ピッ
チで並べて形成された磁極列が設けられて成る磁気スケ
ールユニットにおいて、前記基体は磁性材で形成され、
前記磁極は、前記基体に着磁により形成された同一極性
の磁極で構成することにより、磁極の数の倍の信号源と
して用いると共に、各磁極間の前記間隔を磁極の並び方
向の幅と同じにし、磁極の厚さを磁極の幅と同等以上に
することを特徴とする。これらによれば、磁気スケール
ユニットの隣合う磁極同士は同じ極性であるから、各磁
極の中間部分にも磁束密度が高くなる場所が生じる。こ
のため、磁気スケールユニットの磁界の変化を変換手段
で検出した場合、変換手段から出力される電気信号の振
幅は、変換手段が各磁極と対向した位置(各磁極の正面
となる位置)のみならず、この各磁極間の中間部分でも
ピークとなる。このため、変換手段が隣接する磁極間を
移動した際には電気信号には2つのピークが含まれるか
ら、磁気スケールユニットの分解能は従来と比べて同じ
着磁ピッチでも2倍となる。また、磁極の極性は同じで
良いから、従来のようにS極とN極を交互に着磁させる
必要がなく、着磁作業が簡単となる。また、前記磁極の
厚さ、言い換えれば磁極の並び方向と直交する方向の長
さを、並び方向の幅と同等以上とすることによって、磁
気スケールユニットに対向した位置で磁気スケールユニ
ットの磁極の並び方向へ変換手段が磁気スケールユニッ
トに対して相対変移する際に、変換手段が各磁極からの
磁力線の最も多い部位、つまり各磁極の並び方向と直交
する方向(厚さ方向)の中心部分を通過することが好適
であるが、各部材の製造誤差等によって若干のブレがあ
るのが現実である。しかしながら、このように磁極の厚
さを、並び方向の幅と同等以上とすることによって、こ
のブレの影響を少なくでき、変換手段において良好な磁
束の変化に基づく信号を得ることができる。また、磁極
のエッジ部の影響も少なくできる。またさらに、磁極の
厚さを、並び方向の幅と同等以上とすることによって、
磁極から出て磁極の並び方向と直交する方向へ向かう磁
力線の割合よりも、磁極の並び方向へ向かう磁力線の割
合の方が増える。従って、各磁極に対向して磁極の並び
方向へ変移する変換手段で検出する磁力線が増え、変換
手段から出力される電気信号の振幅が大きくなり、信号
処理が行い易くなる。
【0010】また、前記磁極の磁化方向の長さを、磁極
の前記並び方向の幅以上にすることによって、反磁界係
数が小さくなり磁化された磁性体の磁極が磁性体の外部
へ発展して信号磁界となる磁界(外部信号磁界)が大き
くなり、磁性体が持っている磁化をより多く利用でき
る。例えば、磁化された磁性体の形状を直方体から棒状
磁性体とみて棒の軸方向の磁化方向の長さをl(英小文
字)とし棒の断面の直径をdr とし、この比l/d r
よって反磁界係数Nが決定される。そして、反磁界係数
Nと外部信号磁界との関係は下表のようになる。
【表1】 このように、磁化方向の長さlと断面の径dr を1:1
にした時、この磁化された磁界の73%を信号として利
用し得る。また、磁化された磁性体の長さlを大きく調
整することにより反磁界係数を小さくし磁化された磁界
の73%以上を利用することも可能である。なお、棒状
磁性体を例にとって説明を行ったが、角状(直方体形状
の)磁性体も同様の関係になる。このように外部信号磁
界が増えると、磁界の変化を電気信号に変換する際に、
出力される電気信号の振幅が大きくなり、信号処理が行
いやすくなる。また、基体の外形と、基体に形成される
磁極の並び方向の関係は、基体が円板状に形成される場
合には、前記磁極は前記基体の回転軸を中心とした同一
円周上に並べられる。また、前記基体は外形が長尺な板
状に形成された場合には、前記磁極は前記基体の長手方
向に沿って並べられている。
【0011】また、本発明に係る請求項6の信号発生器
は、請求項1、2、3、4または5記載の磁気スケール
ユニットと、該磁気スケールユニットの磁極列に対向し
て設けられ、磁気スケールユニットとの相対変位による
磁界の変化を電気信号に変換する変換手段とを具備する
ことを特徴とする。また、本発明に係る請求項7の変位
検出装置は、請求項6記載の信号発生器と、該信号発生
器からの電気信号により磁気スケールユニットと変換手
段との相対変位量および/または相対変位速度を検出す
る演算手段とを具備することを特徴とする。これらによ
れば、磁気スケールユニットの分解能が従来に比べて同
じ着磁ピッチで2倍となるから、変換手段と磁気スケー
ルユニットとの相対変位速度が同じであっても、また相
対変位量が同じであっても、信号発生器から出力される
電気信号に含まれるパルス数は2倍になり、検出できる
変位速度や変位量の検出精度が2倍となる。
【0012】また、本発明に係る請求項8のヘッドの位
置決め装置は、光ディスクや磁気ディスクの情報の記録
や再生を行うヘッドを移送するキャリッジと、請求項
1、2、3、4または5記載の磁気スケールユニット
と、該磁気スケールユニットの磁極列に対向して設けら
れ、前記キャリッジの移動に伴う磁気スケールユニット
との相対変位による磁界の変化を電気信号に変換する変
換手段と、該変換手段からの電気信号により前記ヘッド
の位置を検出する演算手段と、該演算手段で検出した前
記ヘッドの位置に基づいて前記キャリッジの移動を制御
してヘッドの位置決めを行う制御手段とを具備すること
を特徴とする。
【0013】また、本発明に係る請求項9のモータ制御
装置は、モータの出力軸に直接若しくは間接的に取り付
けられて、該出力軸の回転に伴って回転する請求項4記
載の磁気スケールユニットと、前記モータを駆動する駆
動手段と、該磁気スケールユニットの磁極列に対向して
設けられ、前記出力軸の回転に伴う磁気スケールユニッ
トとの相対変位による磁界の変化を電気信号に変換する
変換手段と、該変換手段からの電気信号により前記出力
軸の回転数を検出する演算手段と、該演算手段で検出し
た前記出力軸の回転数に基づいて前記駆動手段を制御
し、出力軸の回転数を所望の回転数に制御する制御手段
とを具備することを特徴とする。
【0014】以上の請求項8乃至請求項9の発明におい
ても、磁気スケールユニットの分解能が従来に比べて同
じ着磁ピッチであっても2倍となるから、変換手段と磁
気スケールユニットとの相対変位速度が同じでも、また
相対変位量が同じであっても、信号発生器から出力され
る電気信号に含まれるパルス数は2倍になり、検出でき
る変位速度や変位量の検出精度が2倍となる。よって、
ヘッドの位置決めを2倍の精度で行える。また、モータ
の回転数制御も2倍の精度で行える。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気スケール
ユニット、この磁気スケールユニットを用いた信号発生
器、変位検出装置、ヘッドの位置決め装置およびモータ
制御装置の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細
に説明する。 (磁気スケールユニット)最初に、磁気スケールユニッ
トの基本的な構成を説明し、続いてこの磁気スケールユ
ニットと変換手段を用いた信号発生器の基本動作につい
て説明する。なお、従来例と同じ構成については同じ符
号を付す。まず、磁気スケールユニット10の基本的な
構成は、図1に示すように変換手段(一例としてホール
素子)58と対向する磁極54の極性が同じ極性(図1
では一例としてN極)となるように変換手段58の移動
方向に沿って所定のピッチλで並べられた複数の磁石1
2と、この磁石12が変換手段58と対向する端部側内
に配される非磁性材製の基体52とで構成される。各磁
石12は磁石12の並び方向(変換手段の移動方向でも
ある)と直交する方向に自らのN極とS極が並ぶ構成と
なっている。
【0016】ここで、基体52内に磁石12を配する構
造は、一例として図2(a)に示すように、予め基体5
2の磁石12の配置位置に磁石12の外形(長さや幅や
厚み)に応じた凹部13を変換手段58の移動方向に沿
って所定のピッチλで並べて形成しておき、この凹部1
3に磁石12を嵌め込む構造がある。この場合には、磁
石12の厚みdは基体52の厚みd0 に拘束されない。
また、図示はしないが、凹部13に代えて磁石12の外
形(長さや幅や厚みd)に応じた透孔を形成しておき、
この透孔内に磁石12を嵌め込む構造もある。なお、こ
の場合にも磁石12の厚みdは基体52の厚みd0 に拘
束されない。これらの場合には、基体52の変換手段5
8と対向する端面には磁石12のN極は露出せず、各磁
石のN極から出力される磁力線は基体52を貫通して変
換手段の移動経路上に達する。
【0017】また、他の構造として図2(b)に示すよ
うに、予め基体52の磁石12の配置位置に、変換手段
58と対向する端面に達する切欠部15を変換手段58
の移動方向に沿って所定のピッチλで並べて形成してお
く。そしてこの切欠部15内に切欠部15と同じ長さの
磁石12を嵌め込む構造がある。この構造の場合には、
基体52の変換手段58と対向する端面には各磁石12
の同じ極性の一方の磁極(一例としてN極)が露出す
る。以上、非磁性材から成る基体52内に磁石12を配
する手法としては、予め磁化された永久磁石を同じ極性
の磁極が同方向になるように樹脂材等の非磁性材から成
る基体52の凹部13や切欠部15に嵌め込んでも良い
し、また樹脂材等の非磁性材から成る基体52の凹部1
3や切欠部15に磁石12を取り付けた後、一方方向に
着磁処理することによっても実現できる。また、磁性材
料を凹部13や切欠部15に充填してその後着磁処理す
ることでも実現できる。
【0018】また、図1や図2の各磁気スケールユニッ
ト10では、基体52内に対して平面的に各磁石12が
配され、各磁石12の異なる磁極同志は基体52の厚み
0方向と直交する方向に並ぶ構成であるが、例えば図
3に示すごとく、基体52の厚みd0 方向に各磁極12
のN極とS極が並ぶように基体52内に磁石12を配
し、基体52の一方の面(図3中の上面)に同一の極性
(図3では一例としてN極)の磁極のみが現れる(露出
する)構成としても良い。図3においては、磁石12を
配する場所には切欠部15を形成してあるため、他方の
面(図3中の下面)には他の極性(S極)が現れている
が、切欠部15に代えて凹部13とし、この凹部13に
磁石12を嵌め込むことで他方の面(図3中の下面)に
は他の極性(S極)が露出しない構造とすることも可能
である。この場合には変換手段58は、基体52の端面
に対向するように配置される構成に代えて、各磁石12
の一方の磁極が現れる(露出する)基体52の面(図3
中の上面又は下面)に対向するように配置され、この一
方の磁極で構成される磁極列に沿って移動する構成とな
る。
【0019】以上は、非磁性材の基体52に凹部13若
しくは切欠部15を形成して磁石(永久磁石)12を配
置し、磁気スケールユニット10を構成する場合である
が、図4に示すように磁気スケールユニット10の基体
52自体を磁性材で構成し、磁極を形成すべき部位にの
み着磁により永久磁石を形成して、基体52内に磁石1
2を配することで磁気スケールユニット10を構成する
ことも可能である。この場合にも、隣接する磁極(着磁
領域)間には磁極の並び方向の幅と同じ幅の非着磁領域
が存在するように各磁極を形成する。また、着磁により
形成された各磁石の磁極列を構成する各磁極は同じ極性
となるように同じ方向に着磁する。この構成の磁気スケ
ールユニット10では自体52に凹部や切欠部を形成す
る必要がない。また、形成する磁石の各磁極は、図4の
ようにN極が露出する面に対してS極がその背面に露出
する場合と、図2に示す磁気スケールユニット10のよ
うに基体52の同一表面にN極とS極が露出する場合と
がある。
【0020】次に、基体52の外形形状であるが、磁気
スケールユニット10の用途に応じて長尺な板状に形成
する場合もあれば、円板状に形成する場合もある。例え
ば、直線的に移動する移動体の変位量や変位速度を検出
する場合には、基体52は図5のような長尺な板状に形
成すると共に、磁極列56は基体52の長手方向に沿っ
て形成する。そして、磁気スケールユニット10はその
長手方向が移動体の移動方向(矢印方向)と平行となる
ように配置する。また、移動体を駆動するモータの回転
数を検出する場合には、基体52を図6のように円板状
に形成し、モータの出力軸(不図示)やモータにより回
転される歯車等の回転軸(不図示)にその中心を合わせ
て取り付ける。この場合には磁極列56は基体52に、
図7に示すように基体52の回転軸Xを中心とした同一
円周(半径R)上に配置されたり、また図示はしないが
基体52の端面に磁極が露出するように配置される。ま
た、移動体が円弧状に変位する場合には図示はしない
が、磁気スケールユニット10の外形は上記のような円
板状でもよいが、それに代えて円弧状に形成し、必要な
部位にのみ磁石を配置する構成としても良い。
【0021】そしてこのように構成した磁気スケールユ
ニット10では、図1のように磁極列56を構成する各
磁極54(本実施の形態では一例としてN極)から出力
された磁力線はループを描きながら同じ磁石12の反対
側に形成された異極(S極)に向かうが、磁極列56を
構成する各磁極54は同じ極性であるから、隣合う磁極
54間には、基体52の表面から出て再度基体52内に
戻る磁力線のループbが2つ形成されることになる。な
お、従来例のように隣合う磁極54が相反する極性であ
る場合には図13のように磁力線のループbは1つであ
る。従って、隣合う磁極54からの磁力線のループが集
まる各磁極54の中間部分にも磁束密度が高くなる場所
が生じる。
【0022】(信号発生器)続いて、上述した磁気スケ
ールユニット10を用いた信号発生器14の構成と動作
について説明する。まず、構成について説明する。信号
発生器14は図1〜図6に示すように、この磁気スケー
ルユニット10と、磁気スケールユニット10の磁極列
56に対向して設けられ、磁気スケールユニット10と
の相対変位による磁界の変化を電気信号に変換する変換
手段58とを有する。そして、磁気スケールユニット1
0若しくは変換手段58のいずれか一方がヘッドやヘッ
ドを駆動するキャリッジやモータの出力軸等の移動体に
直接若しくは間接的に取り付けられて変位し、不動に固
定された他方との間に相対的な位置の変位が発生する。
【0023】次に動作について説明する。磁気スケール
ユニット10と変換手段58とが相対的に変位すると、
変換手段58は磁気スケールユニット10の各磁極54
の磁力線をクロスするように変位するが、上述したよう
に隣接する磁極54間には磁力線のループが2つ生じて
おり、隣接する磁極54の中間部分でも磁束密度が高く
なる場所が発生するから、変換手段58から出力される
電気信号aは図1のような波形となり、電気信号aの振
幅(一例として電圧)は、各磁極54に対する正面の位
置および隣接する磁極54の中間位置においてピークと
なる。つまり、変換手段58が隣接する磁極54間を移
動した際には、従来例の2倍の2つのピークが電気信号
中に含まれることになる。従って、電気信号を整流して
パルス波cとした場合にも、隣接する磁極54間で従来
の2倍の数のパルス(2パルス)が得れるから、従来と
各磁極54間のピッチが同じであっても2倍の分解能が
得られることになる。
【0024】また、ここでパルス波cは通常はさらに2
値化(ディジタル化)された後に、周波数を検出するた
めに所定時間内のパルス数をカウントしたり、また変位
量を検出するためにパルス数をカウントする処理が行わ
れるのであるが、このディジタル化した際の各パルスの
間隔が均等になることが、位置決め等の基準となる変位
量を検出する処理の精度を高めるためには特に望まし
い。そして、このためには、パルス波cの元となる隣接
する磁極54間に生ずる2つの磁力線の各ループを、そ
れぞれ線対称とし、かつ同じ波形とすることが必要であ
る。各磁力線のループの波形をこのような線対称な波形
とするためには、図1や図2に示すように、基体52に
配置された各永久磁石12の同一極性の磁極間の間隔L
s は磁極の並び方向の幅Lm と同一にすることが基本で
ある。なお、これら間隔がLs =Lm を満たしていて
も、種々の原因で各磁力線のループの波形の対称性がく
ずれたり、同じ波形にならない場合がある。このような
場合には変換手段58が検出する磁力線を出力する磁極
が形成される磁石の端部の角部分にテーパを付けると、
この磁極から出力される磁束が基体52の磁極列56が
形成される端部端面に対する垂直方向から斜め方向に広
がるため、微調整することが可能となる。
【0025】また、図2(b)に示すように、変換手段
58と対向する各磁石12の磁極54から出力される磁
力線bは、大きく分けて変換手段58の移動経路方向へ
向かって出力され、カーブを描いて隣接する非着磁領域
に戻る磁力線b1 と、変換手段58の移動経路方向へ向
かって出力されるが、カーブを描いて各磁石12の対応
する異極(S極)へ戻る磁力線b2 の2つである。そし
て、実際に変換手段58で検出される磁力線はb1 であ
るから、この磁力線b1 の方が磁力線b2 よりも多い方
が望ましく、磁石12の厚み(=磁極の厚さ)をdとし
た場合、d≧L m となる関係を有する形状にする。これ
により、磁極54から出力される磁力線の内、図2
(b)中の上下方向へ向かう磁力線の割合よりも、磁極
54の並び方向、つまり変換手段58の移動経路方向へ
向かう磁力線の割合の方が増える。つまり磁力線b2
りも磁力線b1 の方が多くなる。また、磁極の磁化方向
の長さ(磁石12の長さ)lを、磁極54の並び方向の
幅Lm 以上にすることによって、反磁界係数が小さくな
り磁化された磁性体(磁石12)の磁極が磁石12の外
部へ発展して信号磁界となる磁界(外部信号磁界)が大
きくなり、磁石12が持っている磁化をより多く利用で
きる。
【0026】また、図1の電気信号aの波形は、変換手
段58にホール素子を用いた場合であるが、MRセンサ
を用いた場合でも図8に実線で示すように従来よりも2
倍のピークが電気信号中に含まれるようになる。なお、
MRセンサを用いた場合にはホール素子を用いた場合よ
りも、もともと2倍多いピークが電気信号中に含まれて
いるため、図5においては隣接する磁極54間を変換手
段58が移動した際には変換手段58から出力される電
気信号に含まれるピークの数は4つ、つまりパルス数は
4となる。
【0027】(変位検出装置)次に、上述した信号発生
器14を用いた変位検出装置について説明する。変位検
出装置16は図9に示すように、変換手段58と磁気ス
ケールユニット10とを有する信号発生器14と、信号
発生器14からの電気信号aにより磁気スケールユニッ
ト10と変換手段58との相対変位量および/または相
対変位速度を検出する演算手段18とを具備している。
ここで、一例として本実施の形態では変換手段58は移
動体20に取り付けられて移動体20と共に磁気スケー
ルユニット10に形成された磁極列56に対向しつつ磁
極列56に沿って矢印方向へ移動する。
【0028】また、演算手段18は、一例として入力さ
れてくる電気信号aに含まれるパルス数をカウントする
カウンタ(不図示)と、カウンタのカウンタ値nに基づ
いて相対変位量yおよび/または相対変位速度vを計算
するコンピュータとから構成できる。そして相対変位量
yを計算する場合には、コンピュータには予め1パルス
に対する単位距離データdを記憶させ、カウンタ値nに
この単位距離データdを掛けて相対変位量y(=n×
d)を計算し、また相対変位速度vを計算する場合には
例えばカウンタに単位時間(例えば1秒)当たりの電気
信号に含まれるパルス数をカウントし、単位カウンタ値
s として出力させる機能を持たせ、コンピュータでは
この単位カウンタ値ns に単位距離データdを掛けて単
位時間当たりの相対変位量y(=ns ×d)を計算する
ことによって、この相対変位量yが相対変位速度とな
り、相対変位速度を求められる。
【0029】なお、上述した実施の形態は、変換手段5
8が移動体20に取り付けられて磁気スケールユニット
10に対して相対的に変位する場合について説明した
が、図6のような円板状の基体52を用いた磁気スケー
ルユニット10の場合には、例えばこの磁気スケールユ
ニット10をモータの出力軸等に取り付けることによっ
て磁気スケールユニット10自体が変位(回転)するの
であるから、変換手段58は磁気スケールユニット10
の磁極列56に対向する位置に固定して配置すれば良
い。
【0030】(ヘッドの位置決め装置)まず、ヘッドの
位置決め装置22が使用される光ディスク装置や磁気デ
ィスク装置(以下、総称してディスク装置)24の概要
構成を、その概要動作と共に図10と図11を用いて説
明する。なお、上述した実施の形態において説明した構
成と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明は
省略する。これらディスク装置24は、光ディスクや磁
気ディスク(以下、総称してディスク)26を回転駆動
するスピンドルモータ28と、ディスク26の情報の記
録や再生を行うヘッド30と、ヘッド30を移送するキ
ャリッジ32と、キャリッジ32をディスク26方向へ
進退動自在に支持するリニアガイド34と、キャリッジ
32をリニアガイド34上で移動させ、キャリッジ32
に保持されたヘッド30を移送させる移送モータ36
と、移送モータ36を駆動する駆動手段38と、リニア
ガイド34に近接して平行に配された長尺な板状の磁気
スケールユニット10と、ヘッド30と共に移動するキ
ャリッジ32に、磁気スケールユニット10の磁極列5
6に対向するように取り付けられた変換手段58と、変
換手段58からの電気信号によりヘッド30の位置を検
出する演算手段18と、演算手段18で検出したヘッド
30の位置に基づいて駆動手段38、移送モータ36を
介してキャリッジ32の移動を制御してヘッド30の位
置決めを行う制御手段40とを具備している。制御手段
40はマイクロコンピュータ等で構成される。なお、ヘ
ッドの位置決め装置22は、キャリッジ32、リニアガ
イド34、移送モータ36、駆動手段38、磁気スケー
ルユニット10、変換手段58、演算手段18、制御手
段40から構成される。
【0031】ここで使用される磁気スケールユニット1
0は上述したように、変換手段58と対向するように配
された磁極列56が同一の極性の磁極54で構成されて
なるものである。従って、上述したように磁極列56の
各磁極54のピッチが従来と同じピッチであっても、変
換手段58から出力される電気信号aに含まれるパルス
数は従来の相反する磁極が交互に配置されて形成された
磁極列を持つ磁気スケールユニット50に比べて2倍の
数となるから、演算手段18により検出されるヘッド3
0の位置の検出精度も2倍となる。よって、制御手段4
0によるヘッド30の位置決め精度も従来の2倍の精度
で行えるようになる。
【0032】なお、この実施の形態ではヘッド30の現
在位置の検出を、ヘッド30を移送するキャリッジ32
の変位量(初期位置からの変位量)に基づいて検出する
構成となっているが、例えば外形が円板状に形成された
磁気スケールユニット10を移送モータ36の出力軸に
取り付けると共に、予め磁気スケールユニット10が磁
極54の1ピッチだけ回転した際のヘッド30の移動距
離を求めて記憶しておき、移送モータ36が回転してキ
ャリッジ32が初期位置から移動し始めてからの電気信
号aに含まれるパルス数をカウントしてヘッド30の移
動距離を演算手段18で求める構成としても良い。な
お、この場合には磁気スケールユニット10が逆転した
場合にはパルス数は減数カウントする必要があり、磁気
スケールユニット10の逆転を検出する必要があるが、
この場合には磁気スケールユニット10に位相を違えた
2列の磁極列56を形成しておけば検出可能である。
【0033】(モータ制御装置)例えば、上述したディ
スク装置24のディスク26を回転させるスピンドルモ
ータ28では、ディスク26を一定回転数で回転させた
り(CAV制御)、またヘッド30でディスク26から
再生するデータの転送速度を一定とするようにディスク
26を回転させたり(CLV制御)しているが、ディス
ク装置24に限らず、ボール盤やフライス盤等の工作機
械、VTRやCDプレーヤ等の音響機器、上述したディ
スク装置を含む外部記憶装置等の情報機器などには、必
ずといってよいほどモータが使用され、通常これらモー
タは目標とする回転数となるように回転数制御が行われ
る。そして、このモータの回転数制御の精度が高いほ
ど、工作機械により加工された製品の品質が向上し、ま
た音響機器や情報機器自体の性能が向上するのであるか
ら、モータの回転数制御の高精度化が望まれている。
【0034】そこで、これらモータの回転数制御に上述
した磁気スケールユニット10を用いれば、上述したよ
うに磁極列56の各磁極54のピッチが従来と同じであ
っても、変換手段58から出力される電気信号に含まれ
るパルス数が2倍になり、分解能が2倍になるから、2
倍の精度で回転数制御が行えるという効果がある。
【0035】次に、ディスク装置24を例にとって、モ
ータ制御装置42の具体例について図12を用いて説明
する。なお、上述した各実施の形態で説明した構成と同
じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略す
る。スピンドルモータ28の回転数を制御するのである
から、図6に示すように磁気スケールユニット10は円
板状の基体52を使用したものを用い、スピンドルモー
タ28の出力軸28aに、この出力軸28aを中心に出
力軸28aと一体的に回転するように取り付けられる。
そして変換手段58は基体52の回転軸を中心とした同
一円周上若しくは端面に形成された磁極列56に対向す
るように固定位置に配置される。なお、本実施の形態で
はモータ28の出力軸28aに直接取り付けているが、
必ずしも出力軸28aに直接取り付ける必要はなく、モ
ータ28の出力軸28aによって回転されるもの(例え
ば減速機構の歯車等)が他にあれば、これに磁気スケー
ルユニット10を取り付けてもモータ28の回転数に換
算することが可能である。
【0036】ここでの駆動手段38はスピンドルモータ
28を駆動するものである。演算手段18は、変換手段
58からの電気信号に含まれるパルス数を検出してカウ
ントするカウンタ(不図示)と、カウンタのカウンタ値
nに基づいて磁気スケールユニット10と変換手段58
との間の相対変位速度vを計算するコンピュータとから
構成できる。この相対変位速度vは上述したように単位
時間あたりの相対変位量yを検出することによって求め
られ、さらにこの相対変位速度vが判れば、磁気スケー
ルユニット10の回転速度も分かり、結果として磁気ス
ケールユニット10の回転数、つまりスピンドルモータ
28の出力軸28aの回転数も求められるのである。制
御手段40はマイクロコンピュータ等で構成され、演算
手段18で検出した出力軸28aの回転数に基づいて駆
動手段38を制御し、出力軸28aの回転数を所望の回
転数に制御するものである。
【0037】以上、本発明の好適な実施の形態について
種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定
されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多
くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る磁気スケールユニットによ
れば、磁極列の隣合う磁極同士は同じ極性であるから、
隣合う磁極間には磁力線のループが2つ生じており、こ
れら磁極の中間部分にも磁束密度が高くなる場所が生じ
る。このため、磁気スケールユニットの磁界の変化を変
換手段で検出した場合、変換手段から出力される電気信
号の振幅は、変換手段が各磁極と対向した位置のみなら
ず、この各磁極の中間部分でもピークとなる。よって、
変換手段が隣接する磁極間を移動した際には電気信号に
は2つのピークが含まれるから、磁気スケールユニット
の分解能は従来と比べて同じ着磁ピッチでも2倍に上げ
ることが可能となる。また、磁極の極性は同じで良いか
ら、従来のようにS極とN極を交互に着磁させる必要が
なく、着磁作業が簡単となるという効果を奏する。しか
も、磁極の厚さ、言い換えれば磁極の並び方向と直交す
る方向の長さを、並び方向の幅と同等以上とすることに
よって、変換手段が各磁極からの磁力線の最も多い部
位、つまり各磁極の並び方向と直交する方向(厚さ方
向)の中心部分から若干外れた位置を通過するようなこ
とがあっても、このブレの影響を少なくでき、変換手段
において良好な磁束の変化に基づく信号を検出すること
ができる。また、磁極のエッジ部の影響も少なくでき
る。またさらに、磁極の厚さを、並び方向の幅と同等以
上とすることによって、磁極から出て磁極の並び方向と
直交する方向へ向かう磁力線の割合よりも、磁極の並び
方向へ向かう磁力線の割合の方が増える。従って、各磁
極に対向して磁極の並び方向へ変移する変換手段で検出
する磁力線が増え、変換手段から出力される電気信号の
振幅が大きくなり、信号処理が行い易くなるという効果
がある。
【0039】また、磁極の磁化方向の長さを、磁極の前
記並び方向の幅以上にすることによって、反磁界係数が
小さくなり磁化された磁性体の磁極が磁性体の外部へ発
展して信号磁界となる磁界(外部信号磁界)が大きくな
り、磁性体が持っている磁化をより多く利用できる。ま
た、この磁気スケールユニットを、変位量や変位速度を
検出する際に使用される信号発生器や、この信号発生器
を有する変位量や変位速度を検出する変位検出装置に利
用することによって、検出できる変位速度や変位量の検
出精度を、従来と同じ磁極のピッチで2倍に引き上げる
ことが可能となると共に、変換手段から出力される電気
信号の振幅が大きくなり、信号処理が行い易くなるとい
う効果がある。
【0040】よって、この磁気スケールユニットをヘッ
ドの位置決め装置やモータの回転数を制御するモータ制
御装置に利用すれば、ヘッドの位置決め精度や回転数制
御の精度を、磁気スケールユニットの磁極のピッチが同
じままで2倍に上げることができる。特に、モータ制御
装置に使用される磁気スケールユニットのように、基体
が円板状のものの場合、回転数制御の精度を2倍にする
には、従来の構成では基体の外形を変えない場合には、
磁極ピッチを1/2にする必要があるが、これは着磁作
業等の磁極形成作業が難しくなり、製造コストがアップ
してしまうという課題が生じたり、磁極ピッチを代えず
に精度を2倍にするには基体に形成する磁極列の基体中
心からの距離を2倍にする必要があり、この場合には磁
気スケールユニットの外形を大型化しなければならない
という課題が生ずるのであるが、このような課題を生じ
させることなく、つまり磁気スケールユニットの外形や
磁極のピッチを代えずに、精度を2倍にできるという効
果がある。また、変換手段から出力される電気信号の振
幅が大きくなり、信号処理が行い易くなるから、ノイズ
に強い安定性の高い制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気スケールユニットの基本構成
と、磁気スケールユニットと変換手段(ホール素子)と
が相対的に変位した際に変換手段から出力される電気信
号を示す説明図である。
【図2】図1の磁気スケールユニットの基体への磁石の
取り付け構造を示す要部斜視図であり、(a)は凹部内
に磁石を配置する構成を示し、(b)は切欠部に磁石を
配置する構成を示す。
【図3】図1の磁気スケールユニットの基体への磁石の
他の取り付け構造を示す要部斜視図であり、基体の厚み
方向に磁石の磁極が並ぶ構成を示す。
【図4】図1の磁気スケールユニットの基体への磁石の
他の形成構造を示す要部斜視図であり、基体の厚み方向
に磁石の磁極が並ぶように磁性材料で構成された基体へ
着磁により磁石を形成する構成を示す。
【図5】図1の磁気スケールユニットの一実施の形態の
構成を示す斜視図である(長尺な形状)。
【図6】図1の磁気スケールユニットの他の実施の形態
の構成を示す斜視図である(円板状)。
【図7】図3のA部の拡大図である。
【図8】図1の磁気スケールユニットと変換手段(MR
素子)とが相対的に変位した際に変換手段から出力され
る電気信号を示す説明図である。
【図9】図1の磁気スケールユニットを用いた変位検出
装置の基本構成を示すブロック図である。
【図10】図1の磁気スケールユニットを用いたヘッド
の位置決め装置の構成を示すブロック図である。
【図11】図7のキャリッジ部分の拡大図である。
【図12】図1の磁気スケールユニットを用いたモータ
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図13】従来の磁気スケールユニットの基本構成と、
磁気スケールユニットと変換手段(ホール素子)とが相
対的に変位した際に変換手段から出力される電気信号を
示す説明図である。
【符号の説明】
10 磁気スケールユニット 12 永久磁石 14 信号発生器 52 基体 54 磁極 56 磁極列 58 変換手段 Ls 磁極間の間隔 Lm 磁極の並び方向の幅 d 磁極の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 治雄 神奈川県川崎市中原区苅宿335番地 帝 国通信工業株式会社内 (72)発明者 坪井 義博 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友金 属鉱山株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−101060(JP,A) 特開 昭61−45906(JP,A) 特開 平7−243867(JP,A) 特開 平4−355319(JP,A) 実開 昭55−179317(JP,U) 特公 昭49−25508(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 G01D 5/245 G11B 19/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に複数の磁極を間隔を開けて等ピッ
    チで並べて形成された磁極列が設けられて成る磁気スケ
    ールユニットにおいて、 前記基体は非磁性材で形成され、 前記磁極は、前記基体内に配された永久磁石の同一極性
    の磁極で構成することにより、磁極の数の倍の信号源と
    して用いると共に、各磁極間の前記間隔を磁極の並び方
    向の幅と同じにし、磁極の厚さを磁極の幅と同等以上に
    することを特徴とする磁気スケールユニット。
  2. 【請求項2】 基体に複数の磁極を間隔を開けて等ピッ
    チで並べて形成された磁極列が設けられて成る磁気スケ
    ールユニットにおいて、 前記基体は磁性材で形成され、 前記磁極は、前記基体に着磁により形成された同一極性
    の磁極で構成することにより、磁極の数の倍の信号源と
    して用いると共に、各磁極間の前記間隔を磁極の並び方
    向の幅と同じにし、磁極の厚さを磁極の幅と同等以上に
    することを特徴とする磁気スケールユニット。
  3. 【請求項3】 前記磁極の磁化方向の長さは、磁極の前
    記並び方向の幅以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の磁気スケールユニット。
  4. 【請求項4】 前記基体は外形が円板状に形成され、 前記磁極は前記基体の回転軸を中心とした同一円周上に
    並べられていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の磁気スケールユニット。
  5. 【請求項5】 前記基体は外形が長尺な板状に形成さ
    れ、 前記磁極は前記基体の長手方向に沿って並べられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の磁気スケ
    ールユニット。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の磁
    気スケールユニットと、 該磁気スケールユニットの磁極列に対向して設けられ、
    磁気スケールユニットとの相対変位による磁界の変化を
    電気信号に変換する変換手段とを具備することを特徴と
    する信号発生器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の信号発生器と、 該信号発生器からの電気信号により磁気スケールユニッ
    トと変換手段との相対変位量および/または相対変位速
    度を検出する演算手段とを具備することを特徴とする変
    位検出装置。
  8. 【請求項8】 光ディスクや磁気ディスクの情報の記録
    や再生を行うヘッドを移送するキャリッジと、 請求項1、2、3、4または5記載の磁気スケールユニ
    ットと、 該磁気スケールユニットの磁極列に対向して設けられ、
    前記キャリッジの移動に伴う磁気スケールユニットとの
    相対変位による磁界の変化を電気信号に変換する変換手
    段と、 該変換手段からの電気信号により前記ヘッドの位置を検
    出する演算手段と、 該演算手段で検出した前記ヘッドの位置に基づいて前記
    キャリッジの移動を制御してヘッドの位置決めを行う制
    御手段とを具備することを特徴とするヘッドの位置決め
    装置。
  9. 【請求項9】 モータの出力軸に直接若しくは間接的に
    取り付けられて、該出力軸の回転に伴って回転する請求
    項4記載の磁気スケールユニットと、 前記モータを駆動する駆動手段と、 該磁気スケールユニットの磁極列に対向して設けられ、
    前記出力軸の回転に伴う磁気スケールユニットとの相対
    変位による磁界の変化を電気信号に変換する変換手段
    と、 該変換手段からの電気信号により前記出力軸の回転数を
    検出する演算手段と、 該演算手段で検出した前記出力軸の回転数に基づいて前
    記駆動手段を制御し、出力軸の回転数を所望の回転数に
    制御する制御手段とを具備することを特徴とするモータ
    制御装置。
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