JP2562036B2 - ドライソープ剤 - Google Patents
ドライソープ剤Info
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- JP2562036B2 JP2562036B2 JP62236725A JP23672587A JP2562036B2 JP 2562036 B2 JP2562036 B2 JP 2562036B2 JP 62236725 A JP62236725 A JP 62236725A JP 23672587 A JP23672587 A JP 23672587A JP 2562036 B2 JP2562036 B2 JP 2562036B2
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- dry
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、基本的には非水系で衣類、衣料などの洗浄
を行うドライクリーニングに用いる炭化水素溶剤および
ドライソープからなるドライソープ剤に関する。更に詳
しくは安価で、大量に供給することが出来るにもかかわ
らずドライソープ(ドライクリーニング用洗浄剤)との
高い相溶性並びに高い洗浄力を有するとともに毒性及
び、環境汚染性が極めて低い炭化水素系ドライクリーニ
ング用溶剤およびドライソープからなるドライソープ剤
に関するものである。
を行うドライクリーニングに用いる炭化水素溶剤および
ドライソープからなるドライソープ剤に関する。更に詳
しくは安価で、大量に供給することが出来るにもかかわ
らずドライソープ(ドライクリーニング用洗浄剤)との
高い相溶性並びに高い洗浄力を有するとともに毒性及
び、環境汚染性が極めて低い炭化水素系ドライクリーニ
ング用溶剤およびドライソープからなるドライソープ剤
に関するものである。
[従来技術及びその問題点] 従来より石油系のドライクリーニング用溶剤が大量に
使用されてきているが、これらは安価でありかつ良好な
洗浄力を示すものの、異臭が残り易く、また乾燥に時間
がかかるなどの欠点をもっていた。
使用されてきているが、これらは安価でありかつ良好な
洗浄力を示すものの、異臭が残り易く、また乾燥に時間
がかかるなどの欠点をもっていた。
更に、従来からの石油系溶剤はその成分中に、かなり
の量のキシレンその他の芳香族炭化水素を含有している
ため、それらの人体に対する毒性が強く人体への悪影響
が重要視され問題となっており、特に労働省令の特定化
学物質等障害予防規則ではベンゼン含有量が1容量%を
越えるものについて、また、同令の有機溶剤中毒予防規
則ではトルエンとキシレンの合計が5重量%を越えるも
のについて、それぞれの取扱が厳しく制限されている。
また、ナフタリン、ビフェニル類等については、米国の
労働省安全衛生局、OSHA(Occupational Safety and He
alth Administration)制定の「化学物質などの危険有
害性の周知基準」による規制の対象となり、またこれら
の化合物を含む製品にはこれらの化合物の表示義務が課
せられている。
の量のキシレンその他の芳香族炭化水素を含有している
ため、それらの人体に対する毒性が強く人体への悪影響
が重要視され問題となっており、特に労働省令の特定化
学物質等障害予防規則ではベンゼン含有量が1容量%を
越えるものについて、また、同令の有機溶剤中毒予防規
則ではトルエンとキシレンの合計が5重量%を越えるも
のについて、それぞれの取扱が厳しく制限されている。
また、ナフタリン、ビフェニル類等については、米国の
労働省安全衛生局、OSHA(Occupational Safety and He
alth Administration)制定の「化学物質などの危険有
害性の周知基準」による規制の対象となり、またこれら
の化合物を含む製品にはこれらの化合物の表示義務が課
せられている。
従って低芳香族系かあるいは殆ど芳香族系化合物を含
まない高い安全性を持ち洗浄力に優れた溶剤が切望され
ている。
まない高い安全性を持ち洗浄力に優れた溶剤が切望され
ている。
ところで近年上記の芳香族炭化水素系溶剤の規制に対
する対策として、石油留分を単に二段階で核水素化して
いる芳香族炭化水素を実質的に含まない低毒性の炭化水
素系ドライクリーニング用溶剤が開発されている。
する対策として、石油留分を単に二段階で核水素化して
いる芳香族炭化水素を実質的に含まない低毒性の炭化水
素系ドライクリーニング用溶剤が開発されている。
しかしながら、これらはドライソープとの相溶性が悪
い、ドライクリーニング時の洗浄力に欠ける、あるいは
風乾時の残存臭がが強いといった欠点を有しており、な
お一層の改良が望まれている。
い、ドライクリーニング時の洗浄力に欠ける、あるいは
風乾時の残存臭がが強いといった欠点を有しており、な
お一層の改良が望まれている。
更に、ドライクリーニングは安価なものであることが
求められているものの、上記の如く二段階もの核水素添
加をしているところから必ずしも安価とは言えない。
求められているものの、上記の如く二段階もの核水素添
加をしているところから必ずしも安価とは言えない。
また、上記のごとき従来の低芳香族性の石油系溶剤
は、必ずしもドライソープに対する溶解性が良くなく、
特に低温度の溶解性が劣るのが問題とされる。
は、必ずしもドライソープに対する溶解性が良くなく、
特に低温度の溶解性が劣るのが問題とされる。
即ち、ドライクリーニングでは、洗浄温度を高くすれ
ば低温ではゲル化していた汚れが温度の上昇とともに軟
化し落ち易くなる。また溶剤の粘度や表面張力も低下し
浸透性、溶解性が増加してくる。その結果、使用したド
ライクリーニング用洗浄剤である界面活性剤(ドライソ
ープ)の吸着が促進され、汚れも膨潤しれ落ち易くなる
などの為好ましい。
ば低温ではゲル化していた汚れが温度の上昇とともに軟
化し落ち易くなる。また溶剤の粘度や表面張力も低下し
浸透性、溶解性が増加してくる。その結果、使用したド
ライクリーニング用洗浄剤である界面活性剤(ドライソ
ープ)の吸着が促進され、汚れも膨潤しれ落ち易くなる
などの為好ましい。
この様に洗浄温度を高くするのは、洗浄効果の点から
極めて有利な洗浄条件であるが、温度を高くすることに
より繊維自体も質的に変化したり、膨潤して弱くなった
りするために損傷を受け易いなどの不利がある。
極めて有利な洗浄条件であるが、温度を高くすることに
より繊維自体も質的に変化したり、膨潤して弱くなった
りするために損傷を受け易いなどの不利がある。
したがって、洗浄性さえ十分ならば、より低い温度で
洗浄することが好ましいのは当然である。特に、毛や絹
などの如き動物性繊維や合成繊維では洗浄温度を上昇さ
せると損傷の程度が酷くなりしかもせっかく処理した染
色や仕上げ処理剤などが落ち易い傾向がある。
洗浄することが好ましいのは当然である。特に、毛や絹
などの如き動物性繊維や合成繊維では洗浄温度を上昇さ
せると損傷の程度が酷くなりしかもせっかく処理した染
色や仕上げ処理剤などが落ち易い傾向がある。
それ故、通常ドライクリーニングでは洗浄時特に加温
する事なく常温程度の温度、即ち20〜25℃程度の洗浄温
度で行っている。
する事なく常温程度の温度、即ち20〜25℃程度の洗浄温
度で行っている。
しかしながら、前述のように近年開発された石油留分
を二段階水素添加してなる低あるいは無芳香族性の炭化
水素系ドライクリーニング用溶剤は低温時のドライソー
プに対する溶解性に欠け、ひいては前述のように重要な
低温時の洗浄性に劣るものであった。
を二段階水素添加してなる低あるいは無芳香族性の炭化
水素系ドライクリーニング用溶剤は低温時のドライソー
プに対する溶解性に欠け、ひいては前述のように重要な
低温時の洗浄性に劣るものであった。
その他にドライクリーニング用溶剤としては、塩素
系、フッ素系等のハロゲン化炭化水素がある。これらの
ものは高い洗浄力を示すが、塩素系のものは人体の神経
系統に障害を与えたり、洋服のボタン等を溶かしてしま
ったりするなど、またフッ素系のものは環境中に放出さ
れ易く、その場合大気圏中のオゾン層破壊の原因となっ
たり、ドライクリーニング用溶剤自体及びそれを使用す
るための機械、設備が高価であるなどの重大な欠点を有
しているというのが現状である。
系、フッ素系等のハロゲン化炭化水素がある。これらの
ものは高い洗浄力を示すが、塩素系のものは人体の神経
系統に障害を与えたり、洋服のボタン等を溶かしてしま
ったりするなど、またフッ素系のものは環境中に放出さ
れ易く、その場合大気圏中のオゾン層破壊の原因となっ
たり、ドライクリーニング用溶剤自体及びそれを使用す
るための機械、設備が高価であるなどの重大な欠点を有
しているというのが現状である。
また、特公昭59−2319号公報ではゴム揮発油として、
熱分解ガソリンから溶剤抽出により芳香族炭化水素を分
離した残りの残油を使用することが提案されている。し
かしながら、この残油はドライクリーニング用溶剤とし
て沸点が低すぎるとともにそれに含有される各成分のバ
ランスがドライクリーニング溶剤には好ましくなく、ま
た余りにもナフテン系化合物が多く含まれることに起因
してその臭い例えば、溶剤の残存臭も好ましいものでは
ない。
熱分解ガソリンから溶剤抽出により芳香族炭化水素を分
離した残りの残油を使用することが提案されている。し
かしながら、この残油はドライクリーニング用溶剤とし
て沸点が低すぎるとともにそれに含有される各成分のバ
ランスがドライクリーニング溶剤には好ましくなく、ま
た余りにもナフテン系化合物が多く含まれることに起因
してその臭い例えば、溶剤の残存臭も好ましいものでは
ない。
[問題を解決するための手段] 以上の事情に鑑み本発明者らは、これらの問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、石油化学工業に於ける特定
のプロセスに於て副生する炭化水素留分が芳香族炭化水
素含有量の少ないかあるいは芳香族炭化水素を実施的に
含まず、ナフテン系成分に富みパラフィン系成分を殆ど
含まないドライクリーニング用溶剤として優れたもので
あることを見いだし、本発明を為すに至ったものであ
る。
決すべく鋭意検討した結果、石油化学工業に於ける特定
のプロセスに於て副生する炭化水素留分が芳香族炭化水
素含有量の少ないかあるいは芳香族炭化水素を実施的に
含まず、ナフテン系成分に富みパラフィン系成分を殆ど
含まないドライクリーニング用溶剤として優れたもので
あることを見いだし、本発明を為すに至ったものであ
る。
即ち、本発明によれば、沸点150〜300℃の範囲にある
灯油留分を、芳香族核の核水素添加用金属触媒による圧
力10〜100kg/cm2、温度100〜300℃の条件で、核水素添
加処理し、ついで合成ゼオライトからなる分子篩を用い
て該灯油留分中のn−パラフィン類の少なくとも一部を
分離、除去ることにより得られる残油それ自体を、ある
いはその残油を再度核水素添加処理したものを精密蒸留
装置により分留してなる沸点150〜210℃の範囲にある芳
香族炭化水素含有量の少ない、あるいは実施的に芳香族
炭化水素を含まない炭化水素混合物留分からなることを
特徴とするドライクリーニング用溶剤およびドライソー
プからなるドライソープ剤が提供される。
灯油留分を、芳香族核の核水素添加用金属触媒による圧
力10〜100kg/cm2、温度100〜300℃の条件で、核水素添
加処理し、ついで合成ゼオライトからなる分子篩を用い
て該灯油留分中のn−パラフィン類の少なくとも一部を
分離、除去ることにより得られる残油それ自体を、ある
いはその残油を再度核水素添加処理したものを精密蒸留
装置により分留してなる沸点150〜210℃の範囲にある芳
香族炭化水素含有量の少ない、あるいは実施的に芳香族
炭化水素を含まない炭化水素混合物留分からなることを
特徴とするドライクリーニング用溶剤およびドライソー
プからなるドライソープ剤が提供される。
以下に詳細に本発明を述べる。
本発明においては、沸点150〜300℃の範囲にある灯油
留分を芳香族核の核水素添加用金属触媒により水素添加
する。この触媒は従来知られている芳香族核の水素添加
用金属触媒であれば何れも好ましく使用できる。例え
ば、ニッケル、酸化ニッケル、ニッケル/珪藻土、ラネ
ーニッケル、ニッケル/銅、白金、酸化白金、白金/活
性炭、白金/ロジウム、白金/リチウム/アルミナ、ロ
ジウム/活性炭、パラジウム、コバルト、ラネーコバル
ト、ルテニウム、ニッケル/タングステン、硫化タング
ステン/硫化ニッケル/アルミナ、コバルト/モリブデ
ンなどが良好に使用できる。水素圧力は10〜100kg/c
m2、また温度は100〜300℃で行う。10kg/cm2より低い圧
力または100℃より低い温度では水素添加反応が十分進
まず、また100kg/cm2より高い圧力または300℃より高い
温度では分解などの副反応が優先するので何れも好まし
くない。反応形式はバッチ式或いは連続・流通式など何
れの方法も取り得る。
留分を芳香族核の核水素添加用金属触媒により水素添加
する。この触媒は従来知られている芳香族核の水素添加
用金属触媒であれば何れも好ましく使用できる。例え
ば、ニッケル、酸化ニッケル、ニッケル/珪藻土、ラネ
ーニッケル、ニッケル/銅、白金、酸化白金、白金/活
性炭、白金/ロジウム、白金/リチウム/アルミナ、ロ
ジウム/活性炭、パラジウム、コバルト、ラネーコバル
ト、ルテニウム、ニッケル/タングステン、硫化タング
ステン/硫化ニッケル/アルミナ、コバルト/モリブデ
ンなどが良好に使用できる。水素圧力は10〜100kg/c
m2、また温度は100〜300℃で行う。10kg/cm2より低い圧
力または100℃より低い温度では水素添加反応が十分進
まず、また100kg/cm2より高い圧力または300℃より高い
温度では分解などの副反応が優先するので何れも好まし
くない。反応形式はバッチ式或いは連続・流通式など何
れの方法も取り得る。
ここで上記の水素添加により灯油留分中の芳香族炭化
水素は核水素化されたナフテン類となるが、通常は含ま
れる芳香族炭化水素の100%が核水素添加されることは
なく上述の触媒種類、反応条件などに応じて、ある程度
の量の芳香族炭化水素が水素添加されずに残留するもの
である。また、水素添加処理にはしばしば副反応として
分解、異性化等をともない、これらの反応に係る生成物
も水素添加された灯油留分中に必然的に含まれることと
なる。
水素は核水素化されたナフテン類となるが、通常は含ま
れる芳香族炭化水素の100%が核水素添加されることは
なく上述の触媒種類、反応条件などに応じて、ある程度
の量の芳香族炭化水素が水素添加されずに残留するもの
である。また、水素添加処理にはしばしば副反応として
分解、異性化等をともない、これらの反応に係る生成物
も水素添加された灯油留分中に必然的に含まれることと
なる。
上述の水素添加処理についで、灯油留分を合成ゼオラ
イトからなる分子篩をもちいて、該灯油留分中のn−パ
ラフィン類の少なくとも一部を分離・除去し残油を得
る。
イトからなる分子篩をもちいて、該灯油留分中のn−パ
ラフィン類の少なくとも一部を分離・除去し残油を得
る。
分子篩を用いて、気相または液相で吸・脱着を繰り返
すことにより炭化水素混合物からn−パラフィン類を分
離、取得する方法は、従来から以下のようにn−パラフ
ィン類の製造方法として工業的に広く実施されている。
すことにより炭化水素混合物からn−パラフィン類を分
離、取得する方法は、従来から以下のようにn−パラフ
ィン類の製造方法として工業的に広く実施されている。
即ち、例えば5Aに調整された多数の孔をもつ合成ゼオ
ライトからなる分子篩を固定床として、n−パラフィン
類の吸・脱着を液相で交互に行い、n−パラフィン類を
吸着した分子篩を脱着用の低分子パラフィンで洗いn−
パラフィン類を脱着させ、混入した脱着用低分子量ハラ
フィンは蒸留により分離し、再循環させるモレックス
法、、同じく5Aの孔を有する合成ゼオライトからなる分
子篩による吸・脱着を利用して気相でn−パラフィン類
を吸着させ、その脱着は低分子量パラフィンで洗い出す
TSF法(テキサコ・セレクティブ・フィニッシング
法)、同じく5Aの合成セオライトからなる分子篩を用い
るが、n−パラフィン類の分子篩への吸・脱着は加圧、
減圧を交互に繰り返すことにより行われるアイソシープ
法、更に蒸気相・液床法を組み合わせた方法で、n−パ
ラフィン類の5Aの孔を有する合成ゼオライトからなる分
子篩への吸着を、吸着装置中の液床で連続的に行い、そ
の脱着は再生装置中で吸着より高い温度で操作し、再生
された分子篩は再生装置から吸着装置へ戻して再循環さ
せるエッソ法などがある。
ライトからなる分子篩を固定床として、n−パラフィン
類の吸・脱着を液相で交互に行い、n−パラフィン類を
吸着した分子篩を脱着用の低分子パラフィンで洗いn−
パラフィン類を脱着させ、混入した脱着用低分子量ハラ
フィンは蒸留により分離し、再循環させるモレックス
法、、同じく5Aの孔を有する合成ゼオライトからなる分
子篩による吸・脱着を利用して気相でn−パラフィン類
を吸着させ、その脱着は低分子量パラフィンで洗い出す
TSF法(テキサコ・セレクティブ・フィニッシング
法)、同じく5Aの合成セオライトからなる分子篩を用い
るが、n−パラフィン類の分子篩への吸・脱着は加圧、
減圧を交互に繰り返すことにより行われるアイソシープ
法、更に蒸気相・液床法を組み合わせた方法で、n−パ
ラフィン類の5Aの孔を有する合成ゼオライトからなる分
子篩への吸着を、吸着装置中の液床で連続的に行い、そ
の脱着は再生装置中で吸着より高い温度で操作し、再生
された分子篩は再生装置から吸着装置へ戻して再循環さ
せるエッソ法などがある。
これら5Aの孔を有する合成ゼオライトからなる分子篩
を用いる何れの方法によってもn−パラフィン類を分離
することが出来る。
を用いる何れの方法によってもn−パラフィン類を分離
することが出来る。
一般にn−パラフィン類の分離においては、理論的に
はn−パラフィン類のみが分離されるはずのところ、そ
の方法によっては、n−パラフィン類以外の炭化水素も
n−パラフィン類に随伴して分離され、その結果として
得られた残油中のn−パラフィン類以外の成分の含有量
が変化することがある。この様な点を考慮すると、工業
的にn−パラフィン類を分離する方法には尿素結晶を利
用する方法もあるが、本発明の方法としては、5Aの孔を
有す合成ゼオライトからなる分子篩を用いる上記の如き
方法が適当である。
はn−パラフィン類のみが分離されるはずのところ、そ
の方法によっては、n−パラフィン類以外の炭化水素も
n−パラフィン類に随伴して分離され、その結果として
得られた残油中のn−パラフィン類以外の成分の含有量
が変化することがある。この様な点を考慮すると、工業
的にn−パラフィン類を分離する方法には尿素結晶を利
用する方法もあるが、本発明の方法としては、5Aの孔を
有す合成ゼオライトからなる分子篩を用いる上記の如き
方法が適当である。
上記の如くしてn−パラフィン類を水素添加処理した
灯油留分から分離し、残油を得る。次にこの残油を精密
蒸留する。これは、例えば2本以上の蒸留塔からなる精
密蒸留装置を用い、第1塔の塔頂から軽質炭化水素を除
去し、第2等またはそれ以後の塔の塔頂から目的とする
留分が製造される。もちろん、蒸留段数などの分離効率
が適当であれば、1本の蒸留塔からなる精密蒸留装置の
塔頂および塔底からそれぞれ軽質炭化水素および重質炭
化水素を除去し、塔央より目的とする留分を製造するこ
ともできる。なお、この精密蒸留は、次に述べる第二段
の核水素添加の後に行ってもよい。
灯油留分から分離し、残油を得る。次にこの残油を精密
蒸留する。これは、例えば2本以上の蒸留塔からなる精
密蒸留装置を用い、第1塔の塔頂から軽質炭化水素を除
去し、第2等またはそれ以後の塔の塔頂から目的とする
留分が製造される。もちろん、蒸留段数などの分離効率
が適当であれば、1本の蒸留塔からなる精密蒸留装置の
塔頂および塔底からそれぞれ軽質炭化水素および重質炭
化水素を除去し、塔央より目的とする留分を製造するこ
ともできる。なお、この精密蒸留は、次に述べる第二段
の核水素添加の後に行ってもよい。
上記精密蒸留装置により、沸点150〜210℃の範囲にあ
る炭化水素混合物留分を得る。
る炭化水素混合物留分を得る。
本発明の炭化水素混合物留分の沸点は上記範囲にある
ことが必要であって、この範囲を外れると各成分の存在
及びその含有量のバランスが崩れ所期の目的を達成し得
なくなるため好ましくない。即ち、上記沸点範囲よりも
低い範囲では、ベンゼン、トルエン等の有害な芳香族炭
化水素を多く含むこととなり好ましくない。更に210℃
を越える沸点温度では、沸点が高くなりすぎてクリーニ
ング後の乾燥性が劣るようになり、また残存臭も強くな
ってくるため好ましくない。
ことが必要であって、この範囲を外れると各成分の存在
及びその含有量のバランスが崩れ所期の目的を達成し得
なくなるため好ましくない。即ち、上記沸点範囲よりも
低い範囲では、ベンゼン、トルエン等の有害な芳香族炭
化水素を多く含むこととなり好ましくない。更に210℃
を越える沸点温度では、沸点が高くなりすぎてクリーニ
ング後の乾燥性が劣るようになり、また残存臭も強くな
ってくるため好ましくない。
上記炭化水素留分は、ベンゼン、トルエン等は実質的
に含まずその他の芳香族炭化水素の含有量が少なく、特
に実質的にナフタレン及びビフェニルを含まない。しか
しながら、本発明に於ては、より高い安全性を所望し
て、例えば実質的に全ての種類の芳香族炭化水素を含ま
ないようにするためには、前記残油に対し第二段階の水
素添加処理を行い、実質的に芳香族炭素水素を含まない
留分を得ることも出来る。
に含まずその他の芳香族炭化水素の含有量が少なく、特
に実質的にナフタレン及びビフェニルを含まない。しか
しながら、本発明に於ては、より高い安全性を所望し
て、例えば実質的に全ての種類の芳香族炭化水素を含ま
ないようにするためには、前記残油に対し第二段階の水
素添加処理を行い、実質的に芳香族炭素水素を含まない
留分を得ることも出来る。
ここで上記の残油に対する第二段階で行う水素添加
は、前記第一段の核水素添加と同様に行うことが出来
る。あるいは、より穏やかな条件即ち、より低い温度ま
たはより低い圧力の条件下で核水素添加してもよい。第
二段で使われる核水素添加用金属触媒は、第一段階のも
のと同じものである必要は必ずしもない。即ち、同一で
もまた異なる触媒であってもよい。何れにしても、前述
の水素添加条件から適宣に選択すればよい。
は、前記第一段の核水素添加と同様に行うことが出来
る。あるいは、より穏やかな条件即ち、より低い温度ま
たはより低い圧力の条件下で核水素添加してもよい。第
二段で使われる核水素添加用金属触媒は、第一段階のも
のと同じものである必要は必ずしもない。即ち、同一で
もまた異なる触媒であってもよい。何れにしても、前述
の水素添加条件から適宣に選択すればよい。
次に第二段の核水素添加の後、前述のように必要に応
じて精密蒸留する。
じて精密蒸留する。
上記精密蒸留装置により、沸点150〜210℃の範囲にあ
る炭化水素混合物留分を得る。
る炭化水素混合物留分を得る。
本発明に係わるドライクリーニング用溶剤は上述のよ
うにして得られた留分からなり、該留分は芳香族炭化水
素の含有量が少ないか、あるいは芳香族炭化水素を実質
的に含まない炭化水素留分である。
うにして得られた留分からなり、該留分は芳香族炭化水
素の含有量が少ないか、あるいは芳香族炭化水素を実質
的に含まない炭化水素留分である。
本発明に係わる溶剤は、芳香族炭化水素の含有量の少
ないか、あるいは芳香族炭化水素を実質的に含まないに
もかかわらず特にドライソープ等の洗剤を加えなくとも
その洗浄力は優れている。しかしながら、本発明の溶剤
にドライソープを加えて洗浄すると衣類、衣料等に通常
存在する汚れの除去が極めて容易となる。
ないか、あるいは芳香族炭化水素を実質的に含まないに
もかかわらず特にドライソープ等の洗剤を加えなくとも
その洗浄力は優れている。しかしながら、本発明の溶剤
にドライソープを加えて洗浄すると衣類、衣料等に通常
存在する汚れの除去が極めて容易となる。
ここで使用されるドライソープとしては、従来ドライ
クリーニング用洗浄剤として公知のアニオン系、カチオ
ン系、両性系及び非イオン系界面活性剤のいずれも使用
でき、例えば、ソープ/脂肪酸混合物;マフォガニーま
たは石油スルフォネート;スルホ琥珀酸塩;アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩;アルキルベンゼンスルフォネー
トのアミン塩酸;ソルビトールの脂肪酸エステル;エト
キシ化アルカノールアミド等のアルコキシ化アルカノー
ルアミド類;エトキシ化フエノール等のアルコキシ化フ
ェノール類;エトキシ化フォスフェート等のアルコキシ
化フォスフェート類等が例示される。これらに適宣の酵
素が混合されていてもよい。
クリーニング用洗浄剤として公知のアニオン系、カチオ
ン系、両性系及び非イオン系界面活性剤のいずれも使用
でき、例えば、ソープ/脂肪酸混合物;マフォガニーま
たは石油スルフォネート;スルホ琥珀酸塩;アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩;アルキルベンゼンスルフォネー
トのアミン塩酸;ソルビトールの脂肪酸エステル;エト
キシ化アルカノールアミド等のアルコキシ化アルカノー
ルアミド類;エトキシ化フエノール等のアルコキシ化フ
ェノール類;エトキシ化フォスフェート等のアルコキシ
化フォスフェート類等が例示される。これらに適宣の酵
素が混合されていてもよい。
使用するドライソープの本発明に係わる溶剤中におけ
る濃度は、洗浄溶剤中に汚れ成分の量や水分の使用量が
多いほどこれら汚れ成分や水分の分散あるいは可溶化に
ドライソープが消費されるために、それだけドライソー
プの濃度を高濃度に保つ必要がある。しかしながら、通
常の適正なドライソープの濃度は、本発明に係わる溶剤
中で0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%であ
る。
る濃度は、洗浄溶剤中に汚れ成分の量や水分の使用量が
多いほどこれら汚れ成分や水分の分散あるいは可溶化に
ドライソープが消費されるために、それだけドライソー
プの濃度を高濃度に保つ必要がある。しかしながら、通
常の適正なドライソープの濃度は、本発明に係わる溶剤
中で0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%であ
る。
本発明の溶剤を用いてドライクリーニングを行うには
従来炭化水素系ドライクリーニングにおいて公知の洗浄
機そのほかの洗浄用設備を用いる方法によりおこなうこ
とが出来る。即ち、衣類あるいは衣料等を本発明の溶剤
とともに洗浄機に仕込み適宣の量のドライソープをも仕
込んで、通常は特に加温する事なく洗浄する。もちろん
洗浄する衣類衣料などの繊維を損傷しない範囲で適宣に
加温する事もできる。また、ドライクリーニングは基本
的には非水系で洗浄するが、本発明の溶剤に適宣の量の
水を加えることもできる。
従来炭化水素系ドライクリーニングにおいて公知の洗浄
機そのほかの洗浄用設備を用いる方法によりおこなうこ
とが出来る。即ち、衣類あるいは衣料等を本発明の溶剤
とともに洗浄機に仕込み適宣の量のドライソープをも仕
込んで、通常は特に加温する事なく洗浄する。もちろん
洗浄する衣類衣料などの繊維を損傷しない範囲で適宣に
加温する事もできる。また、ドライクリーニングは基本
的には非水系で洗浄するが、本発明の溶剤に適宣の量の
水を加えることもできる。
本発明のドライクリーニングに適用できる衣類、衣料
等は特に限定されず、例えば、綿、床などの植物性繊
維、レーヨンなどの再生繊維、アセテート等の半合成繊
維は勿論のこと、毛、絹などの動物性繊維、ナイロン、
テトロン、カシミロン、ビニロン、スパンディクス、サ
ラン等の合成繊維などの繊維類を織成してなる各種の衣
類あるいは衣料等が洗浄の対象として使用できる。
等は特に限定されず、例えば、綿、床などの植物性繊
維、レーヨンなどの再生繊維、アセテート等の半合成繊
維は勿論のこと、毛、絹などの動物性繊維、ナイロン、
テトロン、カシミロン、ビニロン、スパンディクス、サ
ラン等の合成繊維などの繊維類を織成してなる各種の衣
類あるいは衣料等が洗浄の対象として使用できる。
洗浄後は適宣の方法例えば、遠心分離機などにより洗
浄に使用済みの溶剤は衣料あるいは衣類などから分離さ
れる。分離された使用済みの溶剤は同じく公知の方法例
えば蒸留あるいは濾過などによりその中に含まれる汚れ
を除去し、回収された溶剤は再使用される。
浄に使用済みの溶剤は衣料あるいは衣類などから分離さ
れる。分離された使用済みの溶剤は同じく公知の方法例
えば蒸留あるいは濾過などによりその中に含まれる汚れ
を除去し、回収された溶剤は再使用される。
[発明の効果] 本発明に係わる溶剤は下記の如き効果を生ずる。
a)ドライクリーニング用溶剤は大量に使用されるため
に、まず安価であることが要求される。
に、まず安価であることが要求される。
しかるに、本発明の溶剤は、特定の石油化学プロセス
からの残油を利用するために、近年開発された単に石油
留分を二段階水添してなる溶剤と同等かあるいはこれに
より安価な溶剤である。
からの残油を利用するために、近年開発された単に石油
留分を二段階水添してなる溶剤と同等かあるいはこれに
より安価な溶剤である。
b)従来の単に石油を分溜してなる芳香族含有量の多い
石油系溶剤と比較し同等以上のドライソープに対する相
溶性を示しながらも低芳香族化あるいは無芳香族化がは
かられており、高い安全性を示す。
石油系溶剤と比較し同等以上のドライソープに対する相
溶性を示しながらも低芳香族化あるいは無芳香族化がは
かられており、高い安全性を示す。
c)近年開発された単に二段階で石油留分を核水素化し
てなる低芳香族化或いは無芳香族化された石油系ドライ
クリーニング用溶剤において不足であったドライソープ
との相溶性特に低温時の相溶性が優れ、ひいては洗浄力
が著しく改善されている。
てなる低芳香族化或いは無芳香族化された石油系ドライ
クリーニング用溶剤において不足であったドライソープ
との相溶性特に低温時の相溶性が優れ、ひいては洗浄力
が著しく改善されている。
即ち、本発明に係わる炭素水素混合物留分は、その理
由は詳細には明らかにされていないが、各成分の存在及
びそれらの量関係のバランスがドライクリーニング用溶
剤に適したものであるため従来使用されているドライソ
ープを極めて容易に溶解せしめ、ひいては通常ドライク
リーニングで行われているが如き低温での洗浄温度にお
けるドライクリーニングにおいて高い洗浄力を示すもの
である。それ故、洗浄すべき衣類あるいは衣料などの繊
維を損傷することなく洗浄することが出来ることとな
る。
由は詳細には明らかにされていないが、各成分の存在及
びそれらの量関係のバランスがドライクリーニング用溶
剤に適したものであるため従来使用されているドライソ
ープを極めて容易に溶解せしめ、ひいては通常ドライク
リーニングで行われているが如き低温での洗浄温度にお
けるドライクリーニングにおいて高い洗浄力を示すもの
である。それ故、洗浄すべき衣類あるいは衣料などの繊
維を損傷することなく洗浄することが出来ることとな
る。
d)本発明によって得られた溶剤は、従来より用いられ
ている石油系ドライクリーニング用溶剤の為のドライク
リーニング洗浄設備を特に変更する事なくそのまま用い
て上記のような改善された性能を発揮させることができ
るので極めて好都合である。
ている石油系ドライクリーニング用溶剤の為のドライク
リーニング洗浄設備を特に変更する事なくそのまま用い
て上記のような改善された性能を発揮させることができ
るので極めて好都合である。
e)従来のドライクリーニング用溶剤である含芳香族の
炭化水素系溶剤と比較し、臭いに付いては極めて改良さ
れている。臭いの点では、近年開発されたドライクリー
ニング用溶剤である直留ガソリンを核水素添加してなる
無芳香族の溶剤と同等あるいはそれ以上の性能である。
炭化水素系溶剤と比較し、臭いに付いては極めて改良さ
れている。臭いの点では、近年開発されたドライクリー
ニング用溶剤である直留ガソリンを核水素添加してなる
無芳香族の溶剤と同等あるいはそれ以上の性能である。
[実 施 例] 以下、本発明を実施例によって詳述するが、本発明の
要旨を逸脱しない限り、これらの実施例のみに限定され
るものではない。
要旨を逸脱しない限り、これらの実施例のみに限定され
るものではない。
本明細書を通して、温度は全て℃であり、部および%
は特記しない限り重量基準である。
は特記しない限り重量基準である。
溶剤製造例−1 原料の蒸留によって得られた沸点範囲150〜300℃の灯
油留分(パラフィン類65重量%、ナフテン類25重量%、
芳香族10重量%)を280℃、90kg/cm2の条件下、触媒と
して、芳香族炭化水素の核水素化用であるNi−W触媒を
用いて、核水素添加し、得られた生成物をモレックス法
により、合成ゼオライトからなる5オングストロームの
孔を有する分子篩を充填した分離塔に供給してn−パラ
フィン類を分離した。得られたn−パラフィン類が減少
した残油留分を次に2塔の精密蒸留装置を用いて精密蒸
留する事により沸点177℃〜200℃の炭化水素混合物留分
を得た。この溶剤の組成および性状を表−1に示す。
油留分(パラフィン類65重量%、ナフテン類25重量%、
芳香族10重量%)を280℃、90kg/cm2の条件下、触媒と
して、芳香族炭化水素の核水素化用であるNi−W触媒を
用いて、核水素添加し、得られた生成物をモレックス法
により、合成ゼオライトからなる5オングストロームの
孔を有する分子篩を充填した分離塔に供給してn−パラ
フィン類を分離した。得られたn−パラフィン類が減少
した残油留分を次に2塔の精密蒸留装置を用いて精密蒸
留する事により沸点177℃〜200℃の炭化水素混合物留分
を得た。この溶剤の組成および性状を表−1に示す。
溶剤製造例−2 上記溶剤製造例−1の工程中で得られたn−パラフィ
ン類が減少した残油留分を200℃、50kg/cm2の条件下、
触媒として、ニッケル系触媒を用いて第二段階の水素添
加処理を施し得られた生成物を2塔の精密蒸留装置を用
いて精密蒸留して、沸点179〜201℃の炭化水素混合物留
分を得た。この溶剤の組成及び性状を同じく表−1に示
す。
ン類が減少した残油留分を200℃、50kg/cm2の条件下、
触媒として、ニッケル系触媒を用いて第二段階の水素添
加処理を施し得られた生成物を2塔の精密蒸留装置を用
いて精密蒸留して、沸点179〜201℃の炭化水素混合物留
分を得た。この溶剤の組成及び性状を同じく表−1に示
す。
実施例−1 a)市販のドライソープ(アニオン系、カチオン系、両
性系及び非イオン系を含む(20種類各々50gずつを、溶
剤製造例−1の留分それぞれ1kgに常温で加え撹拌し、
ドライクリーニング用洗浄液を調製した。そのときの溶
剤とドライソープとの相溶性を調製した。そのときのド
ライソープとの相溶性を表−2に示す。表中の数値は、
市販ドライソープ20種類中、不溶になっとドライソープ
の種類の数を示す。
性系及び非イオン系を含む(20種類各々50gずつを、溶
剤製造例−1の留分それぞれ1kgに常温で加え撹拌し、
ドライクリーニング用洗浄液を調製した。そのときの溶
剤とドライソープとの相溶性を調製した。そのときのド
ライソープとの相溶性を表−2に示す。表中の数値は、
市販ドライソープ20種類中、不溶になっとドライソープ
の種類の数を示す。
b)上記(a)で得られた溶液を湿度70〜80%の大気中
で24時間放置した。そのときの相溶性の結果を同じく不
溶であったドライソープの種類の数により表−2に示
す。
で24時間放置した。そのときの相溶性の結果を同じく不
溶であったドライソープの種類の数により表−2に示
す。
c)(b)の溶液を−20℃に冷却し、そのまま24時間放
置した。そのときの相溶性の結果を同じく不溶であった
ドライソープの種類の数により表−2に示す。
置した。そのときの相溶性の結果を同じく不溶であった
ドライソープの種類の数により表−2に示す。
なお、上記の各実験を溶剤製造例−2において得られ
た溶剤についても行ったので、その結果も併せて表−2
に示した。
た溶剤についても行ったので、その結果も併せて表−2
に示した。
比較実験例−1(比較溶剤1,2−A〜C) 実験例−1において、溶剤製造例−1の留分の代わり
に従来からの芳香族含有量の低い、あるいは実質的に含
まない石油系炭化水素溶剤を用いることを除いては、実
施例−1と同様の方法で洗浄液を調製し、相溶性を見
た。その結果を同じく表−2に示す。
に従来からの芳香族含有量の低い、あるいは実質的に含
まない石油系炭化水素溶剤を用いることを除いては、実
施例−1と同様の方法で洗浄液を調製し、相溶性を見
た。その結果を同じく表−2に示す。
ここで用いた従来から使用されている石油系含芳香族
ドライクリーニング用溶剤の組成及び性状を同じく前記
表−1に示す。比較溶剤−1は、市販の灯油留分からな
る含芳香族の炭化水素系ドライクリーニング用溶剤、比
較溶剤2−A,B,Cは、市販の代表的な石油系ドライクリ
ーニング用溶剤であり、2−Aは実質的にn−パラフィ
ン類のみからなる溶剤であり、2−B,Cはいずれも近年
開発された灯油留分などの石油留分を単に二段階で核水
素化して得られた実質的に芳香族炭化水素を含まない溶
剤である。
ドライクリーニング用溶剤の組成及び性状を同じく前記
表−1に示す。比較溶剤−1は、市販の灯油留分からな
る含芳香族の炭化水素系ドライクリーニング用溶剤、比
較溶剤2−A,B,Cは、市販の代表的な石油系ドライクリ
ーニング用溶剤であり、2−Aは実質的にn−パラフィ
ン類のみからなる溶剤であり、2−B,Cはいずれも近年
開発された灯油留分などの石油留分を単に二段階で核水
素化して得られた実質的に芳香族炭化水素を含まない溶
剤である。
表−2の結果から明らかなように、本発明の溶剤は、
各種市販のドライソープとの相溶性に優れ、特に低温に
於ける相溶性に優れていることが判る。
各種市販のドライソープとの相溶性に優れ、特に低温に
於ける相溶性に優れていることが判る。
実験例−2 溶剤製造例−1および2で得られた留分に、市販のイ
オン系及び非イオン系ドライソープをそれぞれ1重量%
添加し、二種類の洗浄液を調製した。その洗浄液を用
い、ウール、アクリル、ポリエステル、綿製の4種類の
汚染布を、洗浄温度40℃、洗浄時間30分の条件下、通常
の方法で、一般の石油系溶剤用のドライクリーニング洗
浄設備を用いて洗浄した。洗浄後の汚染布は溶剤新液中
で振り洗いした後、60℃で20分間乾燥し、色差測定計に
よって白度を測定し、洗浄率を次式により求めた。
オン系及び非イオン系ドライソープをそれぞれ1重量%
添加し、二種類の洗浄液を調製した。その洗浄液を用
い、ウール、アクリル、ポリエステル、綿製の4種類の
汚染布を、洗浄温度40℃、洗浄時間30分の条件下、通常
の方法で、一般の石油系溶剤用のドライクリーニング洗
浄設備を用いて洗浄した。洗浄後の汚染布は溶剤新液中
で振り洗いした後、60℃で20分間乾燥し、色差測定計に
よって白度を測定し、洗浄率を次式により求めた。
洗浄率(%)={(Y−X)/(W−X)}×100 ここで、W,X,Yは W=原布の白度 X=汚染布の白度 Y=洗浄後の汚染布の白度 をそれぞれ表す。
その結果を、表−3(イオン系ドライソープ)及び表
−4(非イオン系ドライソープ)に示す。
−4(非イオン系ドライソープ)に示す。
比較実験例−2(比較溶剤1,2−A〜C) 実験例−2において、溶剤製造例−1の留分の代わり
に比較実験例−1で用いた四種類の市販ドライクリーニ
ング用溶剤を用いることを除いては、実験例−2と同様
に洗浄力を試験した。その結果を表−3,4に示す。
に比較実験例−1で用いた四種類の市販ドライクリーニ
ング用溶剤を用いることを除いては、実験例−2と同様
に洗浄力を試験した。その結果を表−3,4に示す。
表−3,4の結果から明らかなようにイオン系ドライソ
ープを用いた場合、本発明の溶剤は、芳香族炭化水素類
を含むと含まないとにかかわらず、どの従来の溶剤より
も高い洗浄力を示した。
ープを用いた場合、本発明の溶剤は、芳香族炭化水素類
を含むと含まないとにかかわらず、どの従来の溶剤より
も高い洗浄力を示した。
非イオン系ドライソープを用いた場合の結果を表−4
に示す。本発明の溶剤は、低芳香族溶剤及び無芳香族溶
剤より優れた芳香族溶剤と同等以上の洗浄旅を示してい
ることが判る。
に示す。本発明の溶剤は、低芳香族溶剤及び無芳香族溶
剤より優れた芳香族溶剤と同等以上の洗浄旅を示してい
ることが判る。
実験例−3 溶剤製造例−1および2で得られた留分中に、人工皮
革スエードからなるテストサンプル布を24時間侵漬後、
風乾(60℃、150分間)し、処理布の臭いを測定者10人
で判定した。その結果を表−5に示す。
革スエードからなるテストサンプル布を24時間侵漬後、
風乾(60℃、150分間)し、処理布の臭いを測定者10人
で判定した。その結果を表−5に示す。
表中の数値は、臭いを感じた測定者の数である。
比較実験例−3(比較溶剤1,2−A〜C) 実験例−3において、溶剤製造例−1の留分の代わり
に比較実験例−1で用いた四種類の市販ドライクリーニ
ング用溶剤を用いることを除いては、実験例−3と同様
に処理布の臭いを測定した。その結果を同じく表−5に
示す。同表の結果から本発明の溶剤は従来の溶剤と比較
して臭気が少ないことが判る。
に比較実験例−1で用いた四種類の市販ドライクリーニ
ング用溶剤を用いることを除いては、実験例−3と同様
に処理布の臭いを測定した。その結果を同じく表−5に
示す。同表の結果から本発明の溶剤は従来の溶剤と比較
して臭気が少ないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 67/06 9547−4H C10G 67/06 67/14 9547−4H 67/14
Claims (2)
- 【請求項1】沸点150〜300℃の範囲にある灯油留分を、
芳香族核の核水素添加用金属触媒により圧力10〜100kg/
cm2、温度100〜300℃の条件で、核水素添加処理し、つ
いで合成ゼオライトからなる分子篩を用いて該灯油分中
のn−パラフィン類の少なくとも一部を分離、除去する
ことにより得られる残油を、精密蒸留装置により分留し
てなる実質的にナフタリンおよびビフェニルを含まない
沸点150〜210℃の範囲にある炭化水素混合物留分よりな
るドライクリーニング用溶剤およびドライソープ0.01〜
30重量%からなるドライソープ剤。 - 【請求項2】沸点150〜300℃の範囲にある灯油留分を、
芳香族核の核水素添加用金属触媒により圧力10〜100kg/
cm2、温度100〜300℃の条件で、第一段の核水素添加処
理しついで合成ゼオライトからなる分子篩を用いて該灯
油留分中のn−パラフィン類の少なくとも一部を分離、
除去することにより得られる残油を必要に応じて精密蒸
留装置により分留し、更に第一段と実質的同一またはそ
れより穏やかな条件で第二段の水素添加処理し、これを
精密蒸留してなる実質的に芳香族炭化水素を含まない沸
点150〜210℃の範囲にある炭化水素混合物留分からなる
ドライクリーニング用溶剤およびドライソープ0.01〜30
重量%からなるドライソープ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62236725A JP2562036B2 (ja) | 1987-09-21 | 1987-09-21 | ドライソープ剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62236725A JP2562036B2 (ja) | 1987-09-21 | 1987-09-21 | ドライソープ剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6479300A JPS6479300A (en) | 1989-03-24 |
JP2562036B2 true JP2562036B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=17004858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62236725A Expired - Fee Related JP2562036B2 (ja) | 1987-09-21 | 1987-09-21 | ドライソープ剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562036B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150060552A (ko) * | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 델타 일렉트로닉스 (상하이) 컴퍼니 리미티드 | 하우징, 보빈 및 전자 장치 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2535466B2 (ja) * | 1991-10-17 | 1996-09-18 | ジャパン・フィールド株式会社 | 可燃性溶剤を用いた被洗浄物の洗浄装置 |
JP4812314B2 (ja) * | 2005-03-15 | 2011-11-09 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 低芳香族溶剤の製造方法 |
US11721540B2 (en) * | 2018-08-27 | 2023-08-08 | St. John's University | Flashtube with submicron fuel particles and fusable nucleotide light-absorbing particles |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2556311B2 (ja) * | 1986-07-04 | 1996-11-20 | 日本石油化学株式会社 | 炭化水素混合物溶剤の製造方法 |
-
1987
- 1987-09-21 JP JP62236725A patent/JP2562036B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150060552A (ko) * | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 델타 일렉트로닉스 (상하이) 컴퍼니 리미티드 | 하우징, 보빈 및 전자 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6479300A (en) | 1989-03-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |