JP2561756B2 - 撥水膜付きエレクトロクロミックミラー - Google Patents

撥水膜付きエレクトロクロミックミラー

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JP2561756B2
JP2561756B2 JP3074707A JP7470791A JP2561756B2 JP 2561756 B2 JP2561756 B2 JP 2561756B2 JP 3074707 A JP3074707 A JP 3074707A JP 7470791 A JP7470791 A JP 7470791A JP 2561756 B2 JP2561756 B2 JP 2561756B2
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豊 吉田
秀樹 宮武
浩一 大野
保 堀場
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に撥水膜を有する
エレクトロクロミックミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、夜間運転時に使用する防眩ミ
ラーとして、ガラス基板の裏面にエレクトロクロミック
層と金属反射層を形成してなるエレクトロクロミックミ
ラーが提供されている。一般的なエレクトロクロミック
ミラーでは、エレクトロクロミック層に電圧を印加して
防眩機能を働かせた場合、エレクトロクロミック層で長
波長の光が吸収されるために像が青みを帯びる。そこ
で、像を自然な色調に戻すため、エレクトロクロミック
層の透過光に対して補色の関係を有する長波長の光をよ
く反射する被膜をガラス基板の表面に色調コントロール
層として施すことが提案されている。この色調コントロ
ール層の材料としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、
酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸
化ハフニウム(HfO2)、酸化インジウム(In23)、酸
化すず(SnO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオ
ジウム(Nd23)、酸化アンチモン(Sb23)、酸化タン
タル(Ta25)、酸化イットリウム(Y23)、酸化亜鉛
(ZnO)等を挙げることができる。
【0003】一方、最近では、超音波振動子を用いてミ
ラーの表面に振動を与えることによって付着した水滴を
除去する機能を有するドアミラーが提供されている。こ
のような機能を持ったミラーでは、水滴の除去を促進す
るために、表面に撥水性を与えておくことが好ましい。
このようにミラーの表面に良好な撥水性を与えるための
撥水剤としては、例えばシリコーンやフロロシリコーン
撥水剤などを用いることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな種々の材料から形成した色調コントロール層付きの
エレクトロクロミックミラーでは、この色調コントロー
ル層の上にはシリコーンやフロロシリコーン撥水剤の被
膜を形成するのが極めて困難であるという問題があっ
た。その理由は、この撥水剤が水酸基との反応基を有し
ていて、ガラスの表面であればそこに付着する水酸基と
の反応により成膜できるのに対し、上述した材料の色調
コントロール層の表面には水酸基が付着せず、色調コン
トロール層と撥水剤との間での反応が得られないためで
ある。
【0005】したがって、本発明の解決すべき技術的課
題は、エレクトロクロミックミラー表面の色調コントロ
ール層をフロロシリコーン撥水剤等と反応可能な水酸基
を持った物質で形成することによりその表面での撥水膜
の形成を可能として、エレクトロクロミックミラーの表
面での良好な撥水性が得られるようにし、かつ、エレク
トロクロミックミラーの色調をコントロールすることで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するため、本発明に係る撥水膜付きエレクトロクロミッ
クミラーは以下のように構成されている。すなわち、ガ
ラス基板の裏面にエレクトロクロミック層と反射層とを
有するエレクトロクロミックミラーであって、ガラス基
板の表面に、ケイ素と酸素から組成された色調コントロ
ール層と、シリコーンまたはフロロシリコーン撥水層と
からなる撥水膜を有し、色調コントロール層の組成をS
iOxと表したときに、xが、1.0≦x≦1.5の範囲内に
設定されている。
【0007】
【作用・効果】一般に薄膜は、屈折率nと膜厚dの積nd
(光学膜厚)の値に応じて色調が変化する。酸素とケイ素
で組成された上述の色調コントロール層では、エレクト
ロクロミック層に電圧を印加した場合の青い色調を自然
な色調に戻すには、この光学膜厚を200nm程度とする
のが好ましい。上記構成においては、xの値が1.0から
1.5の範囲内に設定されているため、屈折率は1.5か
ら2程度の値となる。したがって、膜厚を100nm前後
に形成すれば上述の好適な光学膜厚が得られ、それによ
って防眩時の青みを帯びた色調を比較的自然な色調に戻
すことができる。しかも、この色調コントロール層の表
面には水酸基が多く含まれているので、その表面にシリ
コーンもしくはフロロシリコーン撥水剤による被膜を強
固に形成することができる。したがって、エレクトロク
ロミックミラーの表面に良好な撥水性を与えることが可
能となる。
【0008】
【実施例】以下に、図1から図6に示した本発明の1実
施例に係る撥水膜付きエレクトロクロミックミラーにつ
いて詳細に説明する。図1はこのエレクトロクロミック
ミラーの要部断面図である。図において、1はガラス基
板であり、その裏面にはエレクトロクロミック層4と金
属反射層(不図示)が積層され、ミラーの周縁部にはエレ
クトロクロミック層4に電圧を印加するためのエレクト
ロクロミック層用電極5が設けられている。エレクトロ
クロミック層4の裏面にはガラス板6を介して面状ヒー
タ7と面状ヒータ用電極8が設けられている。さらに、
このガラス板6の裏面には、圧電素子9の取り付けられ
た振動板10が固定されており、電極11から圧電素子
9に電圧を印加することにより、振動板10を介してガ
ラス基板1を振動させて、表面に付着した水滴を除去す
ることができるようになっている。上記面状ヒータ7
は、この圧電素子9から与えられた振動により一度除去
された水滴が再度ガラス基板1の表面に付着した場合な
どに水滴を蒸発させるために用いられる。
【0009】図2は、このミラーのガラス基板1の拡大
断面図である。図において、2はエレクトロクロミック
層に電圧を印加した場合に青みを帯びる像を自然な色調
に戻すための色調コントロール層、3は圧電素子から与
えられた振動による水滴の除去作用を促進するための撥
水層であり、これらの層により撥水膜が構成されてい
る。本実施例では、色調コントロール層2は酸化ケイ素
を原料として蒸着を行なうことにより形成しており、撥
水層3はフロロシリコーン撥水剤を塗布し、加熱硬化さ
せて形成している。なお、色調コントロール層2の形成
時の蒸着条件は以下のとおりである。 蒸発物質 : SiO 基板温度 : 90℃〜200℃ 酸素圧力 : 6.7×10-4Pa 膜厚 : 110nm 屈折率(測定値) : 1.85
【0010】色調コントロール層2は、この実施例のよ
うに蒸着により形成する場合には、成分としてのケイ素
と酸素の割合を連続的に変化させることが可能である。
すなわち、色調コントロール層2の組成を仮にSiOxと
表したときに、xの値(ケイ素に対する酸素の割合)を、
SiOやSiO2のような1や2だけでなく、その間の任
意の値に設定することが可能である。一方、このように
してxの値を変化させた場合は、屈折率も連続的に変化
する。この対応関係を、図3において、xの値を縦軸
に、屈折率を横軸に取ったグラフで示している。上述し
た蒸着条件で形成した本実施例の色調コントロール層2
の屈折率の測定値は1.85であるので、xの値はこのグ
ラフから1.08であることが読取れる。
【0011】図4は、色調コントロール層2の形成され
ていないエレクトロクロミックミラーの防眩時における
分光反射特性を示したグラフであり、グラフから明らか
なように波長の短い光の反射率が高いので像は全体に青
みを帯びる。一方、本実施例の色調コントロール層2は
上述したように屈折率が大きい関係で、分光反射率を図
5のグラフに示すように、短波長の光よりも長波長の光
を多く反射する。したがって、この色調コントロール層
2をミラーの表面に形成すれば、防眩時の分光反射特性
は、図6に示すように第4図に比較して平坦化される。
したがって、防眩時における青みを帯びた不自然な色調
を比較的自然な色調に戻すことができる。
【0012】また、この色調をLab表示により数字で表
すと、色調コントロール層2を設けない場合には、L=
36.89、a=−6.02、b=−13.95であったも
のが、この色調コントロール層2を設けることにより、
L=41.30、a=−1.31、b=−5.77に変化し
た。この表示法では、Lは明るさを表し、a及びbは、そ
れぞれ、赤と緑の間及び黄と青の間の色調を示すもので
あり、絶対値が大きくなるに従って、a表示では赤(+の
値)あるいは緑(−の値)の度合が強くなり、b表示では黄
(+の値)あるいは青(−の値)の度合が強くなる。したが
って、この結果からも、色調コントロール層2を設ける
前に緑及び青みを帯びていた像が、このコントロール層
2を設けることによりかなり無彩色化されたということ
ができる。
【0013】なお、上述のxの値は、この実施例のよう
に1.08に限定しなくても、1.0≦x≦1.5程度の範
囲内であれば、エレクトロクロミックミラーにおける色
調コントロール層としての機能を得ることが比較的容易
となる。その場合、この色調コントロール層の光学膜厚
nd(n:屈折率、d:膜厚)が200nm前後となるように膜厚
dを設定し、屈折率が高ければ膜厚を比較的薄く、屈折
率が低ければ膜厚を比較的厚くするのが、エレクトロク
ロミックミラーでの防眩時における像の無彩色化に適し
ている。
【0014】また、本実施例の撥水膜に対し、アルカリ
洗剤に浸したネル布(#300)を用いて行なった耐磨耗
試験の結果を説明する。試験前にはこの撥水膜に対する
水の接触角は約110゜であり、1000回の往復摩耗
試験後には約109゜に変化していた。また2000回
の往復磨耗試験後には約105゜、5000回の往復磨
耗試験後では約95゜であった。このように、色調コン
トロール層として酸化ケイ素を用いたことにより撥水層
の強い結合力が得られたので、エレクトロクロミックミ
ラーの表面での長期にわたる安定した撥水性を実現する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係るエレクトロクロミッ
クミラーの要部断面図である。
【図2】 このエレクトロクロミックミラーのガラス基
板の表面の拡大断面図である。
【図3】 色調コントロール層における酸素とケイ素の
成分比に対する屈折率の変化を示すグラフである。
【図4】 色調コントロール層を設けない場合のエレク
トロクロミックミラーの分光反射特性を示すグラフであ
る。
【図5】 この実施例の色調コントロール層の分光反射
特性を示すグラフである。
【図6】 色調コントロール層を設けた場合のエレクト
ロクロミックミラーの分光反射特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 色調コントロール層 3 撥水層 4 エレクトロクロミック層 5 エレクトロクロミック層用電極 6 ガラス板 7 面状ヒータ 8 面状ヒータ用電極 9 圧電素子 10 振動板 11 圧電素子用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀場 保 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番 地 株式会社東海理化電機製作所内 (56)参考文献 特開 平4−285038(JP,A) 特開 平4−285036(JP,A) 特開 平2−311332(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板(1)の裏面にエレクトロクロ
    ミック層(4)と反射層とを有するエレクトロクロミック
    ミラーであって、 上記ガラス基板(1)の表面に、ケイ素と酸素から組成さ
    れた色調コントロール層(2)と、シリコーンまたはフロ
    ロシリコーン撥水層(3)とからなる撥水膜を有し、 上記色調コントロール層(2)の組成をSiOxと表したと
    きに、xの値が、 1.0≦x≦1.5の範囲内に設定されたことを特徴とす
    る撥水膜付きエレクトロクロミックミラー。
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JPH04285038A (ja) * 1991-03-14 1992-10-09 Tokai Rika Co Ltd ガラス用撥水膜

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