JP2561207B2 - 根域制限シート及びその製造方法 - Google Patents

根域制限シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の成長する根域を
制限することができる根域制限性を有する根域制限シー
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多数の農作物、園芸、植木、植林
などにおいて、一旦、種を別の容器に撒いて芽を出した
苗をある程度まで育成してから、田畑、庭、山地等の別
の土地に植え替えて栽培することが行われている。この
場合に苗の根を無制限に成長させると、苗床、ポットな
どの苗育成用容器の中で容器壁の内面でルーピングを起
こし、根が伸び過ぎて根腐れ等の成育上の不都合及び植
え替え操作上の不都合が発生する。また、樹木等の根の
成長する方向を、例えば、自己所有の一定の土地範囲に
制限しておく必要や、屋上などの狭い所で育成する植物
の根が建物のコンクリートのヒビ割れに入ることより雨
漏りが発生する恐れもある。さらに、例えば、なし、り
んご等の樹木系作物の苗木及び植木等のポット栽培にお
いては、ポットの内壁に沿って根がトグロを巻いて(ル
ーピング)、腐敗したりする。又、稲等の苗床などで
は、苗床の排水穴等から根が外に伸びて、苗床の底に根
が引っ掛かり、苗を苗床から分取して自動的に田植えを
する操作が困難となる。さらに、一般的に、最初にはえ
た太い根の成育に栄養を奪われるため、植物の地上部分
の成長が直接的に遅れたり、植え替え後の成長に役立つ
細い根毛の生育が十分でないため作物の生育が遅れるな
どの問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、植物の成育状態を阻害することなく、根
の成長する範囲を一定範囲内に制限する作用を有する根
域制限シートを、例えば、所望の根域制限範囲の回りに
設置したり、従来の植物育成容器の内面に貼りつけるこ
とによって、根域を制限できる根域制限シートを提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来より植物
に対して成長阻害作用があるとされていた銅化合物の内
の、水不溶性銅化合物、特に水酸化第2銅が存在する
と、植物の根の成長先端がこれを忌避する性質があり根
の先端の成長は銅化合物の位置で停止するが、この成長
のエネルギーは分岐根毛などの生育に向けられ、植物の
地上部分の生育及び根の全体密度の成長には全く阻害し
ない現象を見出し、この銅化合物を含有する可撓性シー
トを植物の所望の根域の回りに配置することにより根域
を制限できる根域制限シートの発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、次の各項の発明より
なる。 (1)水酸化第2銅をシートに含有させたことを特徴と
する根域制限シート。 (2)シートが紙製であることを特徴とする項1記載の
根域制限シート。 (3)シートがプラスチックフイルムであることを特徴
とする項1記載の根域制限シート。 (4)水に水不溶性銅化合物微粉末を、水性高分子とと
もに添加して水中に水不溶性銅化合物分散液を調製し
て、該分散液をシートの上に塗布することを特徴とする
根域制限シートの製造方法。 (5)水不溶性銅化合物が水酸化第2銅であることを特
徴とする項4記載の根域制限シートの製造方法。 (6)シートが紙製であることを特徴とする項4又は5
記載の根域制限シートの製造方法。 (7)シートがプラスチックフイルムであることを特徴
とする項4又は5記載の根域制限シートの製造方法。
【0006】本発明に用いる水不溶性銅化合物は、水に
不溶性で、根の成長先端の成長を停止させる性質を有す
る作用効果の点及びシートに含有させる操作の容易性の
点から水酸化第2銅を使用する。この銅化合物は水に不
溶性であるため、使用中水に溶解して効力が低下するこ
とはない。水酸化第2銅は、微粉末状として、シートに
含有させる。微粉末であるために、少量で効力が高く均
一に根域制限性を発揮することができる。本発明に用い
るシートは、可撓性があり、不溶性銅化合物をシート内
または表面に保持できるシートであれば特に制限はない
が、例えば、天然紙製シート、プラスチック製合成紙、
合成有機繊維又は無機繊維類の合繊紙若しくは化繊紙な
どの紙製シート並びに天然繊維、合成有機繊維、無機繊
維の不織布、並びに、合成樹脂フイルム若しくはゴムシ
ートなどを用いることができる。この内、紙製シートが
最も安価で、銅分散液を表面に塗布するのが容易で、そ
のまま、土中に放棄しても環境を破壊しない点でも望ま
しい。また、一方において、樹木などの根域制限を半永
久的に行うには、耐候性のある合成樹脂若しくはゴム製
シートが適している。また、ロックウールを土壌の代わ
りに用いた水耕栽培などの場合には、耐水性のあるポリ
エチレンなどの合成樹脂フイルムを用いた根域制限シー
トによって、水耕栽培の作物の根域制限を行うことがで
きる。
【0007】紙製シートは、洋紙、和紙、板紙、合成
紙、合繊紙、化繊紙など使用することができる。これら
の内で、浸水性のあるものが製造及び使用面から望まし
い。本発明根域制限シートは、例えば、苗床などの他の
容器の内壁に接着させるのに便利なように、裏面に接着
剤などを塗布して剥離紙をその上に貼着したものを所望
により製造することができる。本発明シートの製造方法
は、水中に水不溶性銅化合物微粉末と澱粉等の水性高分
子であって糊剤及び分散剤として作用するものを同時に
添加して銅化合物を懸濁させた分散液を調製して、これ
にシートを浸漬若しくはシートで分散液を濾過して、銅
化合物をシート表面若しくは内部に含有させてから、該
シートを乾燥することによって製造することができる。
また、水溶性銅化合物に紙製シートを浸漬してから、沈
澱剤を添加してシート中に銅化合物を沈澱析出させる方
法で製造することもできる。本発明根域制限シートの最
も効率的な製造方法は、不溶性銅化合物の分散液を調製
して、この分散液を、例えば、ローラに付着させて印刷
方式でシートの表面に連続式にコーティング塗布して乾
燥して本発明根域制限シートを製造する方法である。
【0008】この連続式コーティング方式としては、エ
アドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイ
フコータ、スクイズコータ、含浸コータ、リバースロー
ルコータ、トランファーロールコータ、グラビアコー
タ、キスロールコータ、キャストコータ、スプレーコー
タ、カーテンコータ、カレンダコータ、押出コータなど
の公知の方式でコーティングすることができる。これら
のコーティングはシートの片面又は両面に施工すること
ができる。不溶性銅化合物の分散液は、水に不溶性銅化
合物の微粉末を、水性高分子、可溶化剤を添加して、銅
化合物の水分散液を調製することができる。本発明分散
液に用いる水性高分子は、例えば、アラビヤゴム、トラ
ガカントゴム、テキストリン、カゼイン、セラック、蜂
蜜、水飴などの天然物、亜硫酸パルプ廃液などの銅化合
物微粉末を水中に分散させる作用を有する高分子化合物
を使用することができる。すなわち、本発明製造方法に
用いる水性高分子は、水溶性樹脂、コロイダルティスパ
ージョン型樹脂及びエマルジョン型樹脂に分類すること
ができる。本発明製造方法に用いる水溶性樹脂として
は、例えば、デンプン、デキストリン、アルギン酸塩な
どの水溶性天然高分子、セルロースエステル、セルロー
スエーテルなどの水溶性天然物誘導体、ポリビニルアル
コール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸などの水溶
性合成樹脂を使用することができる。
【0009】本発明製造方法に用いるコロイダルディス
パージョン型樹脂としては、例えば、セラック、スチレ
ン化セラック、スチレンマレイン酸樹脂、ロジンマレイ
ン酸樹脂、カゼイン(α−プロテン)、カゼイン誘導
体、アクリル共重合体などを使用することができる。本
発明に用いるエマルジョン型樹脂としては、例えば、ア
クリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、合
成ゴムラテックスなどの乳化重合樹脂及び例えば、ポリ
ウレタン、ポリエステル、アルキッド樹脂、エポキシエ
ステル、ロジンエポキシエステルなどの乳化性樹脂を使
用することができる。本発明製造方法に用いる分散液に
は、水性高分子の可溶化剤として、適宜、水性高分子が
酸性基を有する場合は、アンモニヤ又は有機アミン、例
えば、モルホリン、モノエタノールアミンなどを添加す
るのが特に望ましい。本発明製造方法に用いる分散液に
は、所望により、例えば、アルコール、アセトンなどの
水性高分子の溶解性又は親水性を増加する水溶性溶剤及
び、例えば、ワックスなどの乾燥後の銅化合物の保持を
安定化するために耐摩耗性向上剤を添加したり、さらに
塗布工程に便利なように消泡剤を添加することができ
る。
【0010】本発明に用いる水分散液は、水不溶性銅化
合物を10〜50重量%、水溶性高分子2〜15重量%
を含有するものを好適に使用することができる。使用す
る水性高分子の種類によって、所望により、可溶化剤と
して、例えば、有機アミン又はアンモニアなどを1〜5
重量%、又は助溶剤としてエタノールなどを1〜30重
量%含有させることができる。本発明根域制限シート
は、銅化合物に換算して、0.1〜50g/m2、好まし
くは、0.5〜30g/m2の銅化合物を含有させたもの
を使用することができる。付着量が少ないと、効果が低
下し、50g/m2以上にしても付着量に見合って効果
が上昇しないので効率的でない。本発明根域制限シート
は、そのまま、シート状の形で作物、植木等の根域制限
区域の回りに設置したり、紙製又は軟質樹脂シート製植
木鉢を形成したりする一方、既製の陶器製、樹脂製、紙
製又は布製等の苗ポット、稲などの苗床、又は植木鉢、
植木ポット等の内壁、底面に接着剤等によって貼りつけ
て根域制限用容器等の製造に使用することができる。
【0011】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例1 根域制限紙シートの製造 水酸化第2銅分散液の調製 水酸化第2銅40.2重量部に、水性ビヒクル21.5重
量部、及び水5.3重量部を加えて、均一に混練してか
ら、さらに、水性ビヒクル33.0重量部を添加して均
一に撹拌した。ここに用いた水性ビヒクルは、酸価16
0、融点120℃のアクリル樹脂25重量部、28%ア
ンモニア水5重量部、エチルアルコール14重量部及び
水56重量部からなる水性ビヒクルを用いた。上記の処
方で製造した水性分散液を坪量30g/m2の長尺の再
生紙の上に、印刷用ローラによって転写方式で塗布して
乾燥して製造した。得られた根域制限紙シートの乾燥後
の坪量40g/m2となり、付着量は10g/m2であっ
た。
【0012】実施例2 稲用根域制限苗育成容器の作成
及び苗の育成試験 図1に示す苗床は通常の稲用の箱型の苗床3に実施例1
で得た根域制限シートを底に水溶性接着剤により貼着し
て乾燥した。苗床の箱の内側の寸法は、内側の縦57.
5cm、横27.5cm、内面の深さ3cmである。これは実
際に現在稲作に使用されているプラスチック製容器3で
あって、底面に水はけ用の細穴4が多数空けられてお
り、この苗床で育成した苗をそのまま田植え機に積ん
で、田植え作業を自動的に行うことができるものであ
る。図1の苗床は従来より稲用苗床に用いられていたプ
ラスチック製苗床の底に、本発明の根域制限紙シートを
図2の断面に示すように水溶性接着剤で貼着した根域制
限シートのシート1の上に銅化合物層2があり、銅化合
物層2の面を上に向けて接着したものである。この根域
制限苗床3個の上に常法通り、育苗培土を入れて、常法
により稲の籾種を撒き苗を通常の条件で、15日間で苗
を温室で育成した。
【0013】根域制限シートを貼着した苗床で苗を育成
した場合には、根の成育が紙シートの位置で停止して、
紙を突き抜けるものは全くなく、苗床の端の苗の草部分
を手で持って引き剥がすと、根域制限シートの上はそっ
くりと苗側についたまま剥がれ苗床の底になにも残らな
かった。比較のために、水酸化第2銅分散液を塗布しな
かった同一の再生紙を使用した苗床3個を実施例の苗床
の隣に設置して同一期間、同一条件で苗を育成した。比
較例の方は、紙製シートを破って根が細穴から容器の外
にまで伸びたものもあった。これを同様に草部分を持っ
て上に剥がすと、苗の根が苗床にへばり付き比較例の総
ての苗床の底面の50%以上の面積が苗の根、紙及び土
で汚れた状態になった。一部の苗根が容器の穴から外に
まではみ出しており、これは苗を苗床から田植え機で自
動的に分取するときに根が底に引っ掛かり田植え操作に
支障を来すおそれがある。
【0014】さらに、根域制限紙シートを貼着した苗床
で育成した稲苗と、比較例の苗床で成育した苗とを無差
別に12本採取して、根の成育及び地上の草部分の成長
程度を調べた。比較例の苗床の方の根の平均長さは、
5.6cmであり、草部分の平均高さは9.6cmであった。
これに対して、根域制限紙を使用した苗床の方の根の平
均長さは3.4cmであり、草部分の平均高さは9.9cmで
あった。根域制限紙を使用した苗床で得た苗の根は長さ
は短いが根の全体の密生度は変わらなかった。そして、
草部分の成長は、根域制限紙を使用した方が大きい点か
ら、根域制限紙によって苗の生育が阻害されていないと
結論することができる。
【0015】実施例3 根域制限シートの苗根に対する
作用の試験 実施例で用いた同一の水酸化第2銅分散液をNo2濾紙
の上に水酸化第2銅が15g/m2になるように塗布し
て乾燥した。図3断面図に示すように、直径10cm、深
さ15cmの略円筒形状のポット20個に、5cmの深さに
育苗培土を入れ、その上に、上記で得た水酸化第2銅を
塗布した濾紙シート1を銅化合物層2を上にして置き、
さらに7cmの土を入れた。このポットに白菜の種6を表
面から2cmの深さに撒き、定植1月後に苗を取り出し
て、苗の状態を目視観察により調べた。上記ポットの内
10個には、濾紙として、直径2mmの細穴を2個/cm2
で設けたものを用いた。比較のために、水酸化第2銅の
塗布処理のない無穴の濾紙を用いたポット10個による
栽培も同一の温室で行った。3種のポットの苗の状態
は、地上の草部分の生育状況はいずれも平均最大葉長約
25.8cmであり、また、根の総量も目視観察で差異が
認められなかった。
【0016】苗の根の状態は、濾紙の上に存在する根及
び濾紙下に存在する根を単位体積当たりの根の密度とし
て、目視により観察した。無処理の濾紙を用いた場合に
は、根は濾紙の存在に無関係に土の中に均一の密度で根
が生育していた。この比較実験によって、栽培中の吸水
によって濡れた濾紙は土と同一の作用であり、根の成長
状況に全く影響しなかった。水酸化第2銅を塗布した無
穴濾紙では、濾紙を貫通している根は一例もなかった。
しかし、穴を設けた濾紙では、細穴から濾紙の下に根が
伸びていて、濾紙の下では通常の根の生育状況を示して
いた。この栽培試験から本発明の根域制限シートの根域
制限作用として次のことが分かる。 根域制限シートは、苗の発育には悪影響を与えない。 根の先端は水酸化第2銅を塗布したシートに接すると
成長が停止する。 2mm程度の穴があれば、根の先端は通過して、通過後
は根域制限シートの影響なく成長する。
【0017】実施例4 根域制限シートの製造 炭酸第2銅の平均粒径5μの微粉末40重量部、セラッ
ク水性ワニス50重量部、水10重量部を混合して、炭
酸第2銅の分散液を調製した。ここに用いたセラック水
性ワニスは、セラック33重量%、モルホリン2重量
%、エタノール13重量%、水52重量%からなるもの
である。この炭酸第2銅分散液を実施例1と同様にロー
ラで、坪量100g/m2のグラビヤ用紙に塗布して、
これを乾燥して坪量120g/m2の根域制限シートを
得た。このシートを実施例2と同一の苗床に同様の操作
を用いて稲苗を栽培した。苗を引き剥がした苗床の状態
は、実施例2と同様に奇麗に剥がれた。
【0018】実施例5 実施例1で得られた水酸化第二銅分散液を厚さ70μm
のポリエチレンフイルムの上に、ブレードコータにより
コーティングして乾燥させた。乾燥後の付着量は21g
/m2であり、このフイルムを切断して縦57.5cm、横
27.5cmの大きさの根域制限シートを得た。このポリ
エチレンフイルムには水抜き用に直径1mmの細穴を2個
/cm2になるようにあけた。このポリフイルムを黒土の
上に敷き、そのうえにペーパーポット(ニッテンビート
用)をおき、そのペーパーポットにてん菜の種を播種し
て、温室で栽培した。別に比較の為に、同一の温室で同
様のペーパーポットを黒土の上に直接おき、栽培した。
播種27日後にてん菜を取りだして調査した。根域制限
性ポリエチレンフイルムの上で苗を育成した区は根の成
育がポリエチレンフイルムの位置で停止して、ポリフイ
ルムを突き抜けるものは全くなく、ペーパーポットを持
ち上げるとそのまま剥がれ、ポリエチレンフイルムの上
には何も残らなかった。てん采のポリエチレンフイルム
の場合は直径1mmの穴を苗根の先端が通らない点で実施
例3の白菜と相違する現象がみられた。比較例のほう
は、ペーパーポットの排水穴から根が出て、黒土まで根
が伸び処理区の様にペーパーポットを持ちあげることは
できなかった。又、地上部の平均草丈は試験区、比例区
ともほぼ同等であったが、地上部の平均根重(乾物重/
個体)は試験区のほうが40%重かった。従来のてん菜
のペーパーポット育苗では、ポットの下の土部まで根が
伸び、移植の際にその根を金属線で切断する必要があっ
たが、その為に根にストレスを与えることが問題となっ
ていた。この栽培試験から本発明は、細根の生育を促進
し栽培上の利点も大きいと考えられる。
【0019】
【発明の効果】本発明根域制限シートは、植物の成長に
悪影響を与えないで、植物の根の成長する根域を制限す
ることができ、これによって樹木、作物の栽培、特に、
植え替えをする稲作の苗床及び多くの作物若しくは樹木
の苗のポット栽培等に多くの利点が得られ、農林業にお
ける広い用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明根域制限シートを用いた稲用苗
床の斜視図である。
【図2】図2は、同苗床の断面図である。
【図3】図3は、本発明根域制限シートの効果の試験に
用いた苗用鉢の断面図である。
【符号の説明】
1 シート 2 銅化合物層 3 苗床 4 排水穴 5 ポット 6 種 7 土

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化第2銅をシートに含有させたことを
    特徴とする根域制限シート。
  2. 【請求項2】シートが紙製であることを特徴とする請求
    項1記載の根域制限シート。
  3. 【請求項3】シートがプラスチックフイルムであること
    を特徴とする請求項1記載の根域制限シート。
  4. 【請求項4】水に水不溶性銅化合物微粉末を、水性高分
    子とともに添加して水中に水不溶性銅化合物分散液を調
    製して、該分散液をシートの上に塗布することを特徴と
    する根域制限シートの製造方法。
  5. 【請求項5】水不溶性銅化合物が水酸化第2銅であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の根域制限シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】シートが紙製であることを特徴とする請求
    項4又は5記載の根域制限シートの製造方法。
  7. 【請求項7】シートがプラスチックフイルムであること
    を特徴とする請求項4又は5記載の根域制限シートの製
    造方法。
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