JP2014057561A - 水稲用根域制限材と根域制限材収納枡型容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自動移植機に使用するポット式育苗箱を出芽室で積み重ね、加温して出芽させる場合、ポット式育苗箱の中央部と周辺部では温度差による出芽ムラが生じ、育苗時点での成育が不均一になる問題点があった。また、ポット間での根がらみが発生し、移植の際に移植機の詰まり等のトラブルの原因となっていた。さらに籾の持上りによる枯死等の問題や苗の根の伸長により根鉢体が脆くなり移植時の問題が発生する課題があった。
【解決手段】 籾酢を水稲育成用培地となる基材、とくに籾殻燻炭に含浸することによる水稲苗の根域制限材を提供する。また、播種時にペレット状の根域制限材をポットの底部に投入して培土、播種、覆土して積重ね、加温出芽後苗床に載置して育成することで育苗期間が60日以上となり、田植期間が長くなった。なお、枡型容器には籾酢含有の根域制限材を充填し、枡型容器と多孔板または網目状シートは温風の通気口を確保するため桟木を介して固着されている。
【選択図】図1
【解決手段】 籾酢を水稲育成用培地となる基材、とくに籾殻燻炭に含浸することによる水稲苗の根域制限材を提供する。また、播種時にペレット状の根域制限材をポットの底部に投入して培土、播種、覆土して積重ね、加温出芽後苗床に載置して育成することで育苗期間が60日以上となり、田植期間が長くなった。なお、枡型容器には籾酢含有の根域制限材を充填し、枡型容器と多孔板または網目状シートは温風の通気口を確保するため桟木を介して固着されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、稲作農家で廃棄される籾殻を籾殻燻炭製造器で燻炭を製造する際に回収される籾酢を水稲育成時の根域制限材として使用することおよびポット式育苗箱の下に敷いて利用する通気口機能付根域制限材収納枡型容器、稚苗育苗方法に関するものである。
水稲の育苗方法には2.5葉期まで育苗し、培土の中がマット形成状態になった時点でマット状の種苗のみを田植機に搭載し、植付け爪で圃場に移植する稚苗方法と、ポットで5.0葉期までの成苗育成を行ない、ポット式育苗箱ごと田植機に搭載して1ポットの土付き根鉢体として圃場に移植するポット式成苗の2種類が一般に行われている。
本発明の対象となるポット式成苗の育苗方法は、一定の水分を保持した培土(又は床土という)を各ポット内に自動的に投入して一定鎮圧して培土を凹状に固め、その培土内に催芽された種籾を指定された粒数自動的に投入して多少加水された覆土を最後に覆土して、直接準備された苗床にメッシュの根切りマットを敷き、その上に並べ鎮圧して加水又は苗床の溝に水を溜めて水分調整と温度管理等で5.0葉の成苗になるまで育成されている。
本発明の対象となるポット式成苗の育苗方法は、一定の水分を保持した培土(又は床土という)を各ポット内に自動的に投入して一定鎮圧して培土を凹状に固め、その培土内に催芽された種籾を指定された粒数自動的に投入して多少加水された覆土を最後に覆土して、直接準備された苗床にメッシュの根切りマットを敷き、その上に並べ鎮圧して加水又は苗床の溝に水を溜めて水分調整と温度管理等で5.0葉の成苗になるまで育成されている。
育成された成苗は育苗箱ごと根切りマットを残して剥ぎ取られて育苗箱のまま圃場に運搬して育苗箱のまま田植機に搭積してクランク式植付け一本爪で1個体ずつ整然と規則正しく移植される。
完全なポット式水稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温して出芽させ、苗床に育苗箱に移しポット成苗を育成する。育成されたポット成苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
自動移植機に使用されるポット式育苗箱としては、一列複数個多数列のポット状苗室を備えたものが一般に使用されている。
このポット式育苗箱を使用し加温して出芽させ、苗床に移してポット成苗を育成するが、大規模農家等で大量育苗をしようとすると積み重ねて大量に出芽させる必要が出てくる。
完全なポット式水稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温して出芽させ、苗床に育苗箱に移しポット成苗を育成する。育成されたポット成苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
自動移植機に使用されるポット式育苗箱としては、一列複数個多数列のポット状苗室を備えたものが一般に使用されている。
このポット式育苗箱を使用し加温して出芽させ、苗床に移してポット成苗を育成するが、大規模農家等で大量育苗をしようとすると積み重ねて大量に出芽させる必要が出てくる。
このようにポット式育苗箱を加温室で積み重ねて出芽させる場合の問題点が幾つかある。
第一に、ポット式育苗箱を積み重ねて使用するので、加温室で加温する際にポット同士が密着して育苗箱の周辺と中央部に温度差が生じ、出芽に差異が出る。つまり、周辺部の出芽に比べて中央部の出芽が遅れる。この状態で苗床に並べて育苗をする時、周辺部の出芽の早いものは成苗時点で根渡りを生じる。
第二に、加温室で出芽中にポット同士の繋がりが生じる。この繋がりを防止するためにポット育苗箱間に空間を作った場合には出芽開始時、覆土が竹の子出頭時のように持上り、ひいては種籾が飛び出てしまう。覆土から上に持上った苗はタコ足状となり苗床に並べ育成する時に枯死が生じる問題や根渡りの問題がある。
第三の問題点として、根渡りの問題がある。つまり、隣りのポットへの根渡り等が発生し易くなる。自動移植機ではポットの成苗根鉢体を列ごとに根鉢押し出し棒によりポット成苗根鉢体を搬送ベルト上に落下させるが、根渡りがあると搬送ベルト上で団子状となり詰まりを生じ、1個体に分離できず移植することができない。また、苗が徒長すると根鉢体の強度が不足して移植時に壊れるトラブルが発生する。
第一に、ポット式育苗箱を積み重ねて使用するので、加温室で加温する際にポット同士が密着して育苗箱の周辺と中央部に温度差が生じ、出芽に差異が出る。つまり、周辺部の出芽に比べて中央部の出芽が遅れる。この状態で苗床に並べて育苗をする時、周辺部の出芽の早いものは成苗時点で根渡りを生じる。
第二に、加温室で出芽中にポット同士の繋がりが生じる。この繋がりを防止するためにポット育苗箱間に空間を作った場合には出芽開始時、覆土が竹の子出頭時のように持上り、ひいては種籾が飛び出てしまう。覆土から上に持上った苗はタコ足状となり苗床に並べ育成する時に枯死が生じる問題や根渡りの問題がある。
第三の問題点として、根渡りの問題がある。つまり、隣りのポットへの根渡り等が発生し易くなる。自動移植機ではポットの成苗根鉢体を列ごとに根鉢押し出し棒によりポット成苗根鉢体を搬送ベルト上に落下させるが、根渡りがあると搬送ベルト上で団子状となり詰まりを生じ、1個体に分離できず移植することができない。また、苗が徒長すると根鉢体の強度が不足して移植時に壊れるトラブルが発生する。
第一の問題点、つまり均一加温については、文献1、文献2に、ポット収納トレーに通気口を設けたものや育苗箱を段重ねする際にスペーサーブロックを使用する例がある。また第二の問題点、つまり籾の持ちあがりについては、出芽空間を制限する例が文献3にある。また、第三の問題点、つまり根がらみについては、従来から根域制限剤を使用した対応がとられている。文献4や文献5では植物育成用容器に水酸化第二銅等の根域制限剤を含有させた例が、また、文献6では銅系化合物を不織布等のシートに含有させた例が紹介されている。
ただ、文献1では容器を特別仕様とする必要がある。また文献2の方法では追加の部材が必要となる。
文献3では籾の持ちあがりは防止できても出芽に支障がある。さらに、文献4以下の根域制限剤を用いる方法は、根域制限剤である水酸化第二銅は水溶性がほとんどないため濃度の調整が難しく、またコスト的にも高価である。また、樹脂容器や樹脂シートに混練させる方法も考えられるが、混練は技術的に難しい。
これまで提案されたいずれの技術も、播種からポット苗育成に関する第一から第三の問題点を充分解決できるものではなかった。
ただ、文献1では容器を特別仕様とする必要がある。また文献2の方法では追加の部材が必要となる。
文献3では籾の持ちあがりは防止できても出芽に支障がある。さらに、文献4以下の根域制限剤を用いる方法は、根域制限剤である水酸化第二銅は水溶性がほとんどないため濃度の調整が難しく、またコスト的にも高価である。また、樹脂容器や樹脂シートに混練させる方法も考えられるが、混練は技術的に難しい。
これまで提案されたいずれの技術も、播種からポット苗育成に関する第一から第三の問題点を充分解決できるものではなかった。
本発明は、前記の問題点、つまり、ポット式育苗箱を使って加温室で出芽の均一化、出芽開始時の覆土の持上りや種籾の飛び出しおよび育苗中の根渡り防止を図り、ポット式育苗期間の大幅延長、良好な根鉢体により移植機でのトラブル解決を図るものである。
まず、第一の発明は籾酢を利用した水稲用根域制限材である。これまで、銅系、とくに水酸化第二銅を利用した根域制限剤は提案され、使用されてきたが、籾酢に根域制限機能があることはこれまで全く知られていないものである。
第二の発明は、籾酢含有根域制限材を充填できる多孔板または網状シート付枡型容器に関する。
第三の発明は、籾酢を水稲育成用基材に含浸または混合した根域制限材の利用方法に関する。以下、それぞれの発明の内容を具体的に述べる。
第二の発明は、籾酢含有根域制限材を充填できる多孔板または網状シート付枡型容器に関する。
第三の発明は、籾酢を水稲育成用基材に含浸または混合した根域制限材の利用方法に関する。以下、それぞれの発明の内容を具体的に述べる。
第一の発明は、水稲育成用培地となる基材にPH4以下の籾酢を含浸又したことを特徴とする水稲用根域制限材に関する。水稲育成用培地となる基材としては、土、籾、小麦等の自然素材や一般に市販されている植物栽培用培土がある。とくに、今回提案する籾殻燻炭が含浸用基材として最適である。
第二の発明は、図8に示す一列複数個で多数列のポット状苗室を有する自動移植機用ポット式育苗箱を加温室で積み重ねて使用する際に、ポット式育苗箱間に挟み入れて使用する図1の多孔板付枡型容器であって、多孔板付枡型容器が、ポット式育苗箱と同じ縦幅と横幅を有する長方形であり、枡型容器の下部と1.5から3mmの穴径の出芽貫通孔を有する図5の多孔板が桟木4を介して固着されていることを特徴とする多孔板付枡型容器である。現在一般に使用されている図8のポット式育苗箱は、縦315mm、横619mmで厚みが25mmであり、縦に14列、横に32列、計448個のポットが凹設された半軟質樹脂製育苗箱である。従って、枡型容器も同じ縦横幅の長方形であり、枡の高さは10mm程度である。材料は樹脂製が好ましい。枡型容器に桟木を介して固着される多孔板は縦横幅が枡型容器と同じであり、厚みは5mm程度であるがそれより薄くても問題ない。また枡型容器と多孔板を連結する桟木は10mm程度の角材である。桟木はポット式育苗箱間の通気口としての空間を確保してポット式育苗箱全体の温度を均一化し、籾の均一な出芽をするために必要である。多孔板は出芽貫通口としての機能および覆土の持上りや籾の持ち上がりを防止する。多孔板の穴径は約3mm程度で良い。
枡型容器の中には、籾酢を主剤とする根域制限材を入れているので、ポット式育苗箱の下に積み重ねると根域制限されているので、図9のポット式育苗箱のポット状苗室の透孔から下には根の伸長が妨げられるので根の突き出しが防止できる。
また、多孔板の代わりに図6のような網目状シートを用いることも可能である。この場合、網目状シートは、目開きは、1.5から3mm程度あればよい。
網目状シートの材料は金属、樹脂いずれでもよいが柔軟性があり耐久性のあるものが望ましい。また、織り方は平織りが望ましい。
第三の発明は、籾酢含有根域制限材の水稲育苗への利用方法である。つまり籾酢を麦又は籾または無機質のペレット状のものに含浸させ、播種前に育苗用ポットの底部に投入して底土、播種、覆土を行なう。この場合には、根域制限材を入れた枡型容器の挿入は不要で、ポット式育苗箱間には出芽貫通口を有する多孔板やメッシュ付シートを桟木を介して挿入するだけで良い。
第二の発明は、図8に示す一列複数個で多数列のポット状苗室を有する自動移植機用ポット式育苗箱を加温室で積み重ねて使用する際に、ポット式育苗箱間に挟み入れて使用する図1の多孔板付枡型容器であって、多孔板付枡型容器が、ポット式育苗箱と同じ縦幅と横幅を有する長方形であり、枡型容器の下部と1.5から3mmの穴径の出芽貫通孔を有する図5の多孔板が桟木4を介して固着されていることを特徴とする多孔板付枡型容器である。現在一般に使用されている図8のポット式育苗箱は、縦315mm、横619mmで厚みが25mmであり、縦に14列、横に32列、計448個のポットが凹設された半軟質樹脂製育苗箱である。従って、枡型容器も同じ縦横幅の長方形であり、枡の高さは10mm程度である。材料は樹脂製が好ましい。枡型容器に桟木を介して固着される多孔板は縦横幅が枡型容器と同じであり、厚みは5mm程度であるがそれより薄くても問題ない。また枡型容器と多孔板を連結する桟木は10mm程度の角材である。桟木はポット式育苗箱間の通気口としての空間を確保してポット式育苗箱全体の温度を均一化し、籾の均一な出芽をするために必要である。多孔板は出芽貫通口としての機能および覆土の持上りや籾の持ち上がりを防止する。多孔板の穴径は約3mm程度で良い。
枡型容器の中には、籾酢を主剤とする根域制限材を入れているので、ポット式育苗箱の下に積み重ねると根域制限されているので、図9のポット式育苗箱のポット状苗室の透孔から下には根の伸長が妨げられるので根の突き出しが防止できる。
また、多孔板の代わりに図6のような網目状シートを用いることも可能である。この場合、網目状シートは、目開きは、1.5から3mm程度あればよい。
網目状シートの材料は金属、樹脂いずれでもよいが柔軟性があり耐久性のあるものが望ましい。また、織り方は平織りが望ましい。
第三の発明は、籾酢含有根域制限材の水稲育苗への利用方法である。つまり籾酢を麦又は籾または無機質のペレット状のものに含浸させ、播種前に育苗用ポットの底部に投入して底土、播種、覆土を行なう。この場合には、根域制限材を入れた枡型容器の挿入は不要で、ポット式育苗箱間には出芽貫通口を有する多孔板やメッシュ付シートを桟木を介して挿入するだけで良い。
以下、順を追って、本発明の概要と多孔板付枡型容器の使用方法を述べる。
稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温してポット苗を育成する。育成されたポット苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
このポット式育苗箱を使用してポット苗を育成するには、まず図9のポット式育苗箱のポット状苗室に床土、培土を入れ、催芽した種籾を播種し、覆土する。播種されたポット式育苗箱を加温室内に多段に積み重ね出芽させる際に、本発明の多孔板付枡型容器を各ポット式育苗箱間に挿入する。ポット式育苗箱の下に多孔板付枡型容器を敷いた状態図を図7に示す。枡型容器には根域制限材が装填されている。約35度で4日間程度加温し出芽させる。
稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温してポット苗を育成する。育成されたポット苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
このポット式育苗箱を使用してポット苗を育成するには、まず図9のポット式育苗箱のポット状苗室に床土、培土を入れ、催芽した種籾を播種し、覆土する。播種されたポット式育苗箱を加温室内に多段に積み重ね出芽させる際に、本発明の多孔板付枡型容器を各ポット式育苗箱間に挿入する。ポット式育苗箱の下に多孔板付枡型容器を敷いた状態図を図7に示す。枡型容器には根域制限材が装填されている。約35度で4日間程度加温し出芽させる。
根域制限材を使用しない場合、種子根が伸長するが、根域制限材を装填した多孔板付枡型容器を使用した場合は種子根の伸長が制限され、分岐根の発生が促進されるので育苗後に圃場に植え付けた後の成長に寄与する。
また、本発明の多孔板付枡型容器を使用しない場合、種子根の伸長の影響で覆土が持ち上がるとか籾の持上りの問題が発生する。多孔板付枡型容器を使用した場合は、多孔板により、多孔板の下のポット式育苗箱のポット状苗室の籾の持ちあがりは強制的に防止される。
また、本発明の多孔板付枡型容器を使用しない場合、種子根の伸長の影響で覆土が持ち上がるとか籾の持上りの問題が発生する。多孔板付枡型容器を使用した場合は、多孔板により、多孔板の下のポット式育苗箱のポット状苗室の籾の持ちあがりは強制的に防止される。
さらに、多孔板付枡型容器の効果として、積み重ねたポット式育苗箱全面に加温が行き渡る。従来は、密着して積み重ねるため中央の温度が上がらず周辺部に比べて中央部の苗の出芽が遅れる問題があった。多孔板付枡型容器があることでポット式育苗箱全体の温度が均一となるため、育苗箱全体の出芽が均一化できる。
本発明の多孔板付枡型容器をポット式育苗箱間に挟み入れて出芽することで、ポット式育苗箱をそのまま積み重ねて出芽した場合の問題点がほぼ解消した。同時に、ポット式育苗箱でのポット苗成長の均一化が図れた。さらに籾の持ち上りを防止できた。根域制限材を使用することでポット苗の根域制限を行ない、分岐根の成長を促すことにより植え付け後、分岐根の数だけ養分吸収が旺盛で稲の成長に寄与する。さらに根域制限材により分岐根を十分発達させた出芽完了の苗は、育成床に並べ、プール育苗や水沈育苗が行うことができる。従来はポット式で暖地では最大30日程度であったところ、培土内の養分のみでの成長となるため60日以上の長期育成が可能となる。
1.催芽種籾の育成
種籾を網袋に入れ、該網袋を約32℃の温水中に浸漬し、前記種籾を催芽させる。
この催芽した種籾を、前記網袋に入れたまま温水中から取り出し、約29℃に定された室内で温風除湿させ、播種に適した水分になるまで余分な水分を除去する。このことにより、催芽した種籾の温度の低下を防ぎ、生育活動を停滞することなく、播種の条件が整う。
種籾を網袋に入れ、該網袋を約32℃の温水中に浸漬し、前記種籾を催芽させる。
この催芽した種籾を、前記網袋に入れたまま温水中から取り出し、約29℃に定された室内で温風除湿させ、播種に適した水分になるまで余分な水分を除去する。このことにより、催芽した種籾の温度の低下を防ぎ、生育活動を停滞することなく、播種の条件が整う。
2.苗の育成
ポット式育苗箱に、床土、培土、その上に前記催芽籾を播種し、覆土する。
ポット式育苗箱は図8、図9に示すように、縦315mm、横619mm、高さ25mmで、横14列、縦32列のポット状苗室を有している。播種されたポット式育苗箱一箱毎に本発明の多孔板付枡型容器を挿入しながら加温室内に多段に積み重ね、約35℃で4日間温風加温し、催芽籾を出芽させる。
この多孔板枡型容器の枡型容器の中には、根域制限材を装填する。根域制限材としては、籾酢に浸漬した籾殻燻炭を用いた。この根域制限材は、籾殻燻炭製造時に回収されるPH4以下の籾酢を籾殻燻炭含浸させたものである。
この方法で出芽させた育苗箱は苗床に並べて育成するが、苗床に載置以降は地中からの養分吸収で成苗まで成長する。
多孔板と枡型容器の間の桟木4の効果で、積み重ねたポット式育苗箱の上下ポット式育苗箱間やポット式育苗箱の周辺部と中央部の出芽は均一であった。また、多孔板により籾の持ち上りはほとんど観察されなかった。
ポット式育苗箱に、床土、培土、その上に前記催芽籾を播種し、覆土する。
ポット式育苗箱は図8、図9に示すように、縦315mm、横619mm、高さ25mmで、横14列、縦32列のポット状苗室を有している。播種されたポット式育苗箱一箱毎に本発明の多孔板付枡型容器を挿入しながら加温室内に多段に積み重ね、約35℃で4日間温風加温し、催芽籾を出芽させる。
この多孔板枡型容器の枡型容器の中には、根域制限材を装填する。根域制限材としては、籾酢に浸漬した籾殻燻炭を用いた。この根域制限材は、籾殻燻炭製造時に回収されるPH4以下の籾酢を籾殻燻炭含浸させたものである。
この方法で出芽させた育苗箱は苗床に並べて育成するが、苗床に載置以降は地中からの養分吸収で成苗まで成長する。
多孔板と枡型容器の間の桟木4の効果で、積み重ねたポット式育苗箱の上下ポット式育苗箱間やポット式育苗箱の周辺部と中央部の出芽は均一であった。また、多孔板により籾の持ち上りはほとんど観察されなかった。
3.圃場での移植
出芽後のポット式育苗箱は通常約30〜35日圃場で育成される。その後、自動移植機により移植を行う。本発明の多孔板付枡型容器を用いて育成を行なった場合には、根域制限材および多孔板付枡型容器の効果で、出芽が完了した苗は分岐根が発達しており、育苗後圃場に移植後は活着も良く分欠旺盛で圃場一面に揃って生長する。播種前にペレット状の根域制限材をポットの底部に投入出芽させた苗箱はプール育苗又は水沈育苗が可能で、従来のポット式育苗での育苗期間が30日から60日まで大幅に延長しても何ら問題はなかった。この期間延長はポット内で根域制限を行なっているため、ポット状苗室の透孔から根が地中に達せず、ポット内の養分のみで成長するためである。また、本発明品によるポット苗は成長が均一であり根渡りや根がらみがないので、移植機で圃場に移植の際もトラブルもなく一定の間隔で整然と移植することができ、従来不可能であった大規模農家でのポット式田植が可能となった。
出芽後のポット式育苗箱は通常約30〜35日圃場で育成される。その後、自動移植機により移植を行う。本発明の多孔板付枡型容器を用いて育成を行なった場合には、根域制限材および多孔板付枡型容器の効果で、出芽が完了した苗は分岐根が発達しており、育苗後圃場に移植後は活着も良く分欠旺盛で圃場一面に揃って生長する。播種前にペレット状の根域制限材をポットの底部に投入出芽させた苗箱はプール育苗又は水沈育苗が可能で、従来のポット式育苗での育苗期間が30日から60日まで大幅に延長しても何ら問題はなかった。この期間延長はポット内で根域制限を行なっているため、ポット状苗室の透孔から根が地中に達せず、ポット内の養分のみで成長するためである。また、本発明品によるポット苗は成長が均一であり根渡りや根がらみがないので、移植機で圃場に移植の際もトラブルもなく一定の間隔で整然と移植することができ、従来不可能であった大規模農家でのポット式田植が可能となった。
1 多孔板付枡型容器
2 枡型容器
3 多孔板
4 桟木
5 網目状シート
6 枠
7 ポット式育苗箱
8 底板
9 ポット状苗室
10 透孔
11 播種ロール回転用掛止孔
2 枡型容器
3 多孔板
4 桟木
5 網目状シート
6 枠
7 ポット式育苗箱
8 底板
9 ポット状苗室
10 透孔
11 播種ロール回転用掛止孔
育成された成苗は育苗箱ごと根切りマットを残して剥ぎ取られて育苗箱のまま圃場に運搬して育苗箱のまま田植機に搭積してクランク式植付け一本爪で1個体ずつ整然と規則正しく移植される。
完全なポット式水稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温して出芽させ、苗床に移しポット成苗を育成する。育成されたポット成苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
自動移植機に使用されるポット式育苗箱としては、一列複数個多数列のポット状苗室を備えたものが一般に使用されている。このポット式育苗箱を使用し加温して出芽させ、苗床に移してポット成苗を育成するが、大規模農家等で大量育苗をしようとすると積み重ねて大量に出芽させる必要が出てくる。
完全なポット式水稲の苗を育成する場合には、催芽させた種籾をポット式育苗箱に蒔いて加温して出芽させ、苗床に移しポット成苗を育成する。育成されたポット成苗はポット式育苗箱ごと圃場に運搬され、自動移植機に搭載され、圃場に移植される。
自動移植機に使用されるポット式育苗箱としては、一列複数個多数列のポット状苗室を備えたものが一般に使用されている。このポット式育苗箱を使用し加温して出芽させ、苗床に移してポット成苗を育成するが、大規模農家等で大量育苗をしようとすると積み重ねて大量に出芽させる必要が出てくる。
Claims (6)
- 水稲育成用培地となる基材にPH4以下の籾酢を含浸したことを特徴とする水稲用根域制限材
- 前記基材が籾殻燻炭であることを特徴とする水稲用根域制限材
- 一列複数個で多数列のポット状苗室を有する自動移植機用ポット式育苗箱を加温室で積み重ねて出芽させる際にポット式育苗箱間に挟み入れて使用する多孔板付枡型容器であって、多孔板付枡型容器が、ポット式育苗箱と同じ縦幅と横幅を有する長方形であり、枡型容器の下部と1.5から3mmの穴径を有する多孔板が桟木を介して固着されていることを特徴とする多孔板付枡型容器
- 一列複数個で多数列のポット状苗室を有する自動移植機用ポット式育苗箱を加温室で積み重ねて出芽させる際にポット式育苗箱間に挟み入れて使用する網目状シート付枡型容器であって、
網目状シート付枡型容器が、ポット式育苗箱と同じ縦幅と横幅を有する長方形であり、枡型容器の下部と1.5から3mmの穴径を有する網目状シートが桟木を介して固着されていることを特徴とする網目状シート付枡型容器 - 籾酢を麦又は籾または無機質のペレット状のものに含浸させ、播種前に水稲用根域制限材として水稲育苗用ポットの底部に投入して床土投入後、播種、覆土を行なうことを特徴とする水稲苗の育苗方法
- 稚苗マット方式育苗において、マット式育苗箱に籾殻に籾酢を含浸させた根域制限材を詰め、その上に播種した育苗箱を重ねて育苗することを特徴とする稚苗育苗方法
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JP2012221688A Pending JP2014057561A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | 水稲用根域制限材と根域制限材収納枡型容器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107173137A (zh) * | 2017-06-19 | 2017-09-19 | 江苏省农业科学院 | 一种基于麦秸还田的水稻种植方法 |
CN109566348A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-04-05 | 哈尔滨东宇农业工程机械有限公司 | 一种水稻自动覆盖种子育秧基质盘及制备方法和应用 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-09-14 JP JP2012221688A patent/JP2014057561A/ja active Pending
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