JP2561139B2 - 積層シートの製造方法 - Google Patents

積層シートの製造方法

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JP2561139B2 JP63270508A JP27050888A JP2561139B2 JP 2561139 B2 JP2561139 B2 JP 2561139B2 JP 63270508 A JP63270508 A JP 63270508A JP 27050888 A JP27050888 A JP 27050888A JP 2561139 B2 JP2561139 B2 JP 2561139B2
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宏一 瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、上下の樹脂フィルムの間に固化した樹脂の
中間成膜層を有する積層シートの製造方法に関し、殊に
中間成膜層が薄い積層シートを製造する場合に適した製
造方法に関する。
[従来の技術] 従来より、この種の積層シートを製造する場合は、一
方の樹脂フィルムの片面に樹脂液をロールコーター等で
塗布し、この塗膜層(中間成膜層)を固化させてから、
その上に他方の樹脂フィルムを接着する方法が一般に採
用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記の方法で薄い中間成膜層を有する
積層シートを製造する場合は、樹脂液を掠れないように
薄く塗布することが容易でなく、特に樹脂液の樹脂フィ
ルムに対する漏れ性が悪い場合は掠れを生じ易いため、
中間成膜層が部分的に欠損した不良品の発生率が高くな
るという問題があった。しかも、上記のように樹脂液を
塗布し固化させて中間成膜層を形成すると、中間成膜層
の厚みにバラツキを生じ易いため、全体の厚みがほぼ一
定した積層シートを得ることが難しいという問題があっ
た。
また、工程的にみても、上記の製造方法は三工程を必
要とする、つまり一方の樹脂フィルムの片面に樹脂液を
塗布する工程と、その塗膜層(中間成膜層)を固化させ
る工程と、固化した塗膜層(中間成膜層)の上に他方の
樹脂フィルムを接着する工程を必要とするので、有利と
は言い難いものであった。
本発明は、これらの問題を一挙に解決し得る積層シー
トの製造方法を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、本発明の積層シートの製
造方法は、樹脂液を双方の樹脂フィルムの間に供給しな
がら該フィルムを一対のラミネートロール間に通して樹
脂液の中間成膜層を備えたシート状ラミネート体とな
し、該ラミネート体の中間成膜層を固化させることを特
徴とするものであり、好ましくは、樹脂液を上下の樹脂
フィルムの間に供給する前に、一方の樹脂フィルムの両
側縁、又は一方の樹脂フィルムの一側縁と他方の樹脂フ
ィルムの他側縁にテープを貼着するものである。
[作用] 本発明の製造方法によれば、樹脂液を双方の樹脂フィ
ルムの間に供給しながら該フィルムをラミネートロール
に通すとき、ラミネートロールの挟圧力によって樹脂液
が樹脂フィルム相互間の隙間全体に広がった状態で挟み
込まれると共に余分の樹脂液が絞り戻されて樹脂液の薄
い一様な中間成膜層が形成され、この中間成膜層を介し
て双方の樹脂フィルムが同時にラミネートされる。そし
てラミネートロールにより全体の厚みが規制され、ラミ
ネートロールの間隔にほぼ等しい一定の厚みを有するシ
ート状ラミネート体となる。従って、このラミネート体
の中間成膜層を固化して得られる積層シートは、中間成
膜層に欠損部分がなく、全体の厚さがほぼ一定である。
特に、樹脂液を供給する前に、テープを一方の樹脂フィ
ルムの両側縁、又は一方の樹脂フィルムの一側縁と他方
の樹脂フィルムの他側縁に貼着する場合は、該テープに
よってシート状ラミネート体の両側縁が閉塞されるの
で、中間成膜層が固化するまでの間に樹脂液がシート状
ラミネート体の両側縁より流出するのを満足に防止する
ことができる。
また本発明の製造方法は、双方の樹脂フィルムの間に
樹脂液を供給しながらラミネートロールで双方の樹脂フ
ィルムを同時にラミネートする工程と、得られたシート
状ラミネート体の中間成膜層を固化する工程の二工程で
製造できるので、工程数が従来法より減少する。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳述す
る。
第1図は本発明製造方法の一実施例の説明図である。
図において1a,1bは樹脂フィルムであり、双方の樹脂
フィルム1a,1bはフィルム繰出しロール2a,2bから支持ロ
ール3a,3bを経て上下一対のラミネートロール4a,4bへそ
れぞれ連続供給される。そして、フィルム供給の途中に
おいて、粘着剤付きのテープ5a,5bがそれぞれテープ繰
出しローラ6a,6bからガイドローラ7a,7bを経て押えロー
ラ8a,8bと上記支持ロール3a,3bの間に連続供給され、一
方のテープ5aが一方の樹脂フィルム1aの一側縁沿い(例
えば左側縁沿い)に、他方のテープ5bが他方の樹脂フィ
ルム1bの他側縁沿い(例えば右側縁沿い)に貼着され
る。このテープ5a,5bは、後述するように樹脂液を挟ん
で樹脂フィルム1a,1bをラミネートした後の該樹脂液の
流出を防止するためのものであり、いずれか一方の樹脂
フィルム1a又は1bの両側縁沿いに貼着してもよい。
9は中間成膜層を形成するための樹脂液で、例えばエ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
セルロース樹脂、ポリビニルアルコール等の熱硬化型或
いは紫外線硬化型の樹脂液が採用され、該樹脂液9はラ
ミネートロール4a,4bの直前において樹脂液供給具10か
ら双方の樹脂フィルム1a,1bの間に供給される。この樹
脂液供給具10は、ラミネートロール4a,4bの軸方向に往
復移動し、樹脂フィルム1a,1bの全幅にわたって樹脂液
9をほぼ均等に供給できるようになっている。
このように双方の樹脂フィルム1a,1bの間に樹脂液9
を供給しながら該フィルム1a,1bをラミネートロール4a,
4bの間に通すと、ラミネートロール4a,4bの挟圧力によ
って樹脂液9が樹脂フィルム1a,1b相互の隙間全体に広
がった状態で挟み込まれると共に、余分の樹脂液9が絞
り戻されて樹脂液の薄い一様な中間成膜層11が形成さ
れ、この中間成膜層11を介して双方の樹脂フィルム1a,1
bが同時にラミネートされる。そして、ラミネートロー
ル4a,4bによって全体の厚みが規制され、ラミネートロ
ールの間隔にほぼ等しい一定の厚みを有するシート状ラ
ミネート体12が得られる。
この場合、中間成膜層11の厚みは、樹脂液9の粘度
や、ラミネートロール4a,4bのロール間隔、圧力等を変
えることによって調節可能であるが、このような厚み調
節のやり方は比較的面倒であるので、樹脂液9にマイク
ロビーズ等のスペーサを混合して中間成膜層11の厚みを
調節することが望ましい。樹脂液の粘度は数十〜数千cp
s、望ましくは100〜500cpsに調節される。このような低
粘度の樹脂液はロールコーター等では均一に薄く塗布す
ることが容易でないが、本発明方法では上下二枚のフィ
ルムの間に挟み込むので、低粘度の樹脂液を用いても10
〜40μ程度の薄い一様な中間成膜層11を形成できる。ラ
ミネートの速度は、用いられる樹脂の種類や固化装置15
の長さ等により種々変更して最適の速度が決定される。
例えば樹脂がエポキシ樹脂で、同化装置15の長さが約5m
であれば、毎分0.3〜3m程度とするのが好適であり、ま
た、ラミネートの圧力は富士写真フィルム(株)の圧力
測定用フィルムを用いた「プレスケール」測定で10kg/c
m2以下、望ましくは5kg/cm2以下に調節するのがよい。
圧力が10kg/cm2を越えると、一旦ラミネートロール4a,4
bで押えられた樹脂がロールを離れた時に膨張し空気等
が入り込んだり、或いは樹脂液9中にマイクロビーズ等
が含まれている場合にはラミネート体12の表裏両面に凹
凸が生じ易くなる。
上記のラミネート体12は上下一対のピンチロール13a,
13bで引き取られ、ベルトコンベア14で固化装置15へ送
られる。そして、固化装置15を通過する間に中間成膜層
11が固化され、第2図に示す構造の積層シート16、即
ち、上下の樹脂フィルム1a,1bの間に固化した樹脂の中
間成膜層11′を有し且つ両側縁がテープ5a,5bで閉塞さ
れた三層構造の積層シート16が得られる。この固化工程
では、樹脂液の中間成膜層11が固化するまでの間に樹脂
液がラミネート体12の両側縁より流出しようとしても、
両側縁がテープ5a,5bで閉塞されているので、樹脂液の
流出を生じることはない。従って、欠損部分のない一様
な中間成膜層11′を有する一定厚みの積層シート16が連
続して製造される。固化装置15については、樹脂液9が
例えば加熱硬化型のものであれば加熱炉等を使用して加
熱硬化させ、紫外線照射硬化型のものであれば紫外線照
射装置を使用して照射硬化させるといったように、樹脂
液の種類に応じて適当な固化装置15を使用して中間成膜
層を固化させればよい。
上記のように連続して製造された積層シート16は、巻
取りロールに巻き取るか、第1図に示すように切断機17
で所定の長さに切断され、必要に応じてテープ5a,5bの
ある両側縁が切除される。なお、この実施例のように固
化装置15で樹脂液の中間成膜層11を完全に固化させる
と、大型の固化装置が必要となり、製造ラインが長くな
るので、小型の固化装置を用いて積層シート16の型崩れ
が生じない程度に半固化状態の中間成膜層11となし、積
層シート16を切断してから別の固化装置に移して半固化
状態の中間成膜層11を完全に固化させるのが望ましい。
以上のような積層シートの製造方法は、使用する樹脂
フィルム1a,1bや樹脂液9を適宜選択することによっ
て、種々の技術分野に応用することができる。
例えば、樹脂フィルム1a,1bとしてアクリル樹脂フィ
ルムを使用し、樹脂液9としてガラス繊維を混合した不
飽和ポリエステル樹脂を使用すれば、固化したガラス繊
維強化ポリエステルの中間成膜層、つまりアクリルフィ
ルムを上下に積層したFRPを製造することができる。
また、樹脂フィルム1a,1bとして片面に透明電極を形
成した透明電極フィルムを使用し、樹脂液9として液晶
を溶解させたエポキシ樹脂液や、液晶を乳化分散させた
ポリビニルアルコール水溶液を使用すれば、固化した上
記樹脂中に液晶が分散して含有された中間成膜層、つま
り液晶層を上下の透明電極フィルムの間に有する調光液
晶シートを製造することができる。
また、樹脂フィルム1a,1bとして上記の透明電極フィ
ルムを使用し、樹脂液9として蛍光体粉末を分散したセ
ルロース樹脂液等を使用すれば、固化したセルロース樹
脂中に蛍光体粉末が分散して含有された中間成膜層、つ
まり発光層を上下の透明電極フィルム間に有する両面発
光タイプの電界発光シートを製造することができる。
また、樹脂フィルムとしてポリエチレンテレフタレー
ト樹脂やアクリル樹脂等の透明樹脂フィルムを使用し、
樹脂液9としてスピロオキサジン等のホトクロミック材
料を混合したエポキシ樹脂やアクリルモノマーを使用す
れば、固化した上記樹脂中にホトクロミック材料が分散
して含有された中間成膜層、つまりホトクロミック層を
上下の透明フィルムの間に有するホトクロミックシート
を製造することができる。
更に、樹脂フィルム1a,1bとして剥離性に富むシリコ
ン樹脂フィルム等を使用し、中間成膜層を有する三層積
層シートを製造した後、上下の樹脂フィルム1a,1bを剥
離して中間成膜層のみを取り出せば、新た成膜方法とし
て本発明を利用することもできる。
このように、本発明は種々の応用がきくので、頗る有
用なものである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明は、樹脂液を
双方の樹脂フィルムの間に供給しながら該フィルムを一
対のラミネートロール間に通して樹脂液の中間成膜層を
備えたシート状ラミネート体となし、該ラミネート体の
中間成膜層を固化させるため、樹脂フィルムに対する漏
れ性の悪い樹脂液を使用する場合でも、中間成膜層の部
分的欠損がない厚みのほぼ一定した積層シートを効率良
く連続製造することができ、工程数も従来法より一つ減
ってラミネート工程と固化工程の二工程となるので有利
である。特に、樹脂液を供給する前にテープを一方の樹
脂フィルムの両側縁、又は一方の樹脂フィルムの一側縁
と他方の樹脂フィルムの他側縁に貼着する場合は、該テ
ープによってシート状ラミネート体の両側縁が閉塞さ
れ、固化前の中間成膜層の樹脂液の流出が阻止されるの
で、樹脂液としてかなり粘度の低いものを使用すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例にかかる積層シートの製造方
法の説明図、第2図は同製造方法で製造される積層シー
トの断面図である。 1a,1b……樹脂フィルム、 4a,4b……ラミネートロール、 5a,5b……テープ、 9……樹脂液、 11……樹脂液の中間成膜層、 11′……固化した中間成膜層、 12……シート状ラミネート体、 16……積層シート。
フロントページの続き (72)発明者 瀬 宏一 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 (72)発明者 大和 博司 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 (72)発明者 川島 龍市 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−157634(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂液を双方の樹脂フィルムの間に供給し
    ながら該フィルムを一対のラミネートロール間に通して
    樹脂液の中間成膜層を備えたシート状ラミネート体とな
    し、該ラミネート体の中間成膜層を固化させることを特
    徴とする積層シートの製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂液を上下の樹脂フィルムの間に供給す
    る前に、一方の樹脂フィルムの両側縁、又は一方の樹脂
    フィルムの一側縁と他方の樹脂フィルムの他側縁にテー
    プを貼着することを特徴とする請求項(1)記載の製造
    方法。
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