JP2560835B2 - 動力車両の前輪駆動装置 - Google Patents
動力車両の前輪駆動装置Info
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- JP2560835B2 JP2560835B2 JP1138690A JP13869089A JP2560835B2 JP 2560835 B2 JP2560835 B2 JP 2560835B2 JP 1138690 A JP1138690 A JP 1138690A JP 13869089 A JP13869089 A JP 13869089A JP 2560835 B2 JP2560835 B2 JP 2560835B2
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- driven cam
- cam ring
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- Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、農用トラクター等の動力車両の前輪駆動
装置に関する。
装置に関する。
[従来技術] 圃場内で農用トラクターを旋回させるとき、作業能率
を上げるためにも小半径で機体を旋回させることが望ま
しい。また、地盤が軟弱な圃場内で大きな推力を得るた
めには二輪駆動よりも四輪駆動である方が良い。このた
め従来は、四輪駆動型トラクターにおいて、前輪駆動系
に高低速切換装置を設け、直進時には高低速切換装置を
低速状態となし、旋回時には高速側に切換えて前輪の周
速を上げ、旋回半径を小さくするように構成した所謂倍
速機構付のトラクターが出現した。
を上げるためにも小半径で機体を旋回させることが望ま
しい。また、地盤が軟弱な圃場内で大きな推力を得るた
めには二輪駆動よりも四輪駆動である方が良い。このた
め従来は、四輪駆動型トラクターにおいて、前輪駆動系
に高低速切換装置を設け、直進時には高低速切換装置を
低速状態となし、旋回時には高速側に切換えて前輪の周
速を上げ、旋回半径を小さくするように構成した所謂倍
速機構付のトラクターが出現した。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前記した従来装置にあっては、旋回時に前
輪の回転速度が増速されて機体の旋回半径が小さくなる
ものの、高低速切換装置が切換わるときにショックが発
生する不具合、あるいは前記高低速切換装置が高速側に
切換えられたときに周速が上がった前輪が後輪を引きず
るようにして走行するため前輪で地面を荒らすといった
問題を有していた。
輪の回転速度が増速されて機体の旋回半径が小さくなる
ものの、高低速切換装置が切換わるときにショックが発
生する不具合、あるいは前記高低速切換装置が高速側に
切換えられたときに周速が上がった前輪が後輪を引きず
るようにして走行するため前輪で地面を荒らすといった
問題を有していた。
[課題を解決するための手段] この発明は前記した問題点に鑑みて提案するものであ
って、以下のような技術的手段を講じた。
って、以下のような技術的手段を講じた。
即ち、後輪3,3を駆動するドライブピニオン18と同期
して回転する原動カムリング体44と、前輪駆動軸45に回
転自在に遊嵌されていて前記原動カムリング体44から回
転動力を受けて回転する従動カム体48と、従動カム体48
からの回転動力を受けて前輪駆動軸45に回転を伝える回
転リング体47とからなり、原動カムリング体44は従動カ
ム体48に動力を伝達する凸部50と動力を伝達しない凹部
51とを備え、従動カム体48は所定間隔を保つ原動カムリ
ング体44と回転リング体47の間で常時原動カムリング体
44に当接する方向に付勢する付勢手段を備えると共にこ
の従動カム体48と回転リング体47には係脱可能で動力伝
達可能な噛合歯61,62を設け、原動カムリング体44の凸
部50で従動カム体48を回転リング体47側に押圧するとき
噛合歯61,62が噛み合って前輪駆動軸45が強制駆動さ
れ、回転リング体47の先行回転により従動カム体48が、
原動カムリング体44の回転速を超えると付勢手段により
従動カム体48を原動カムリング体44側に移動して噛合歯
61,62の噛み合いを外し前輪2へのエンジン駆動力を断
つこと特徴とする動力車両の前輪駆動装置とするもので
ある。
して回転する原動カムリング体44と、前輪駆動軸45に回
転自在に遊嵌されていて前記原動カムリング体44から回
転動力を受けて回転する従動カム体48と、従動カム体48
からの回転動力を受けて前輪駆動軸45に回転を伝える回
転リング体47とからなり、原動カムリング体44は従動カ
ム体48に動力を伝達する凸部50と動力を伝達しない凹部
51とを備え、従動カム体48は所定間隔を保つ原動カムリ
ング体44と回転リング体47の間で常時原動カムリング体
44に当接する方向に付勢する付勢手段を備えると共にこ
の従動カム体48と回転リング体47には係脱可能で動力伝
達可能な噛合歯61,62を設け、原動カムリング体44の凸
部50で従動カム体48を回転リング体47側に押圧するとき
噛合歯61,62が噛み合って前輪駆動軸45が強制駆動さ
れ、回転リング体47の先行回転により従動カム体48が、
原動カムリング体44の回転速を超えると付勢手段により
従動カム体48を原動カムリング体44側に移動して噛合歯
61,62の噛み合いを外し前輪2へのエンジン駆動力を断
つこと特徴とする動力車両の前輪駆動装置とするもので
ある。
[実施例およびその作用] 以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明す
る。
る。
まず、構成から説明すると、1はトラクターで走行装
置として機体の前後部に前輪2,2及び後輪3,3を備え、機
体前部にはエンジン4を搭載し、その後部にクラッチハ
ウジング6を固着し、その後方に後述する変速装置を収
容するミッションケース5を設けている。クラッチハウ
ジング6の後部から後方へ向けて回転自在に延出された
出力軸8とミッションケース5から前方へ向けて軸架さ
れた入力軸10との間にはユニバーサルジョイント11が着
脱自在に連結されている。入力軸10の後端部にはギヤ12
が一体で設けられ、このギヤ12は変速軸14上の入力ギヤ
15と常時噛み合う。変速軸14には1速用の摺動ギヤ16と
2・3速用の摺動ギヤが軸方向に摺動自在にスプライン
嵌合され、1速用摺動ギヤ16はドライブピニオン18に回
転自在に遊嵌された筒状のカウンターギヤ20の大径ギヤ
21に選択的に噛み合い、2・3速用の摺動ギヤ17の大径
ギヤ17aはカウンターギヤ20の中径ギヤ22に噛み合う。
前記変速軸14に遊嵌された筒状の副変速用カウンターギ
ヤ23の前端部には内歯24と大径ギヤ25が設けられ、内歯
24は摺動ギヤ17の小径ギヤ17bと噛み合って3速を得
る。また、大径ギヤ25は前記カウンターギヤ20の小径ギ
ヤ26に常時噛み合う。カウンターギヤ23には大径ギヤ25
と共に小径のギヤ29が一体で設けられ、このギヤ29はド
ライブピニオン18にスプライン嵌合されている副変速用
摺動ギヤ31の大径ギヤ32と選択的に噛み合う。この摺動
ギヤ31は前記カウンターギヤ20の小径ギヤ26に噛み合う
内歯33がその前端部に設けられ、内歯33が小径ギヤ26に
噛み合うと副変速(高)となり、摺動ギヤ31がカウンタ
ーギヤ23の小径ギヤ29に噛み合うと副変速(低)とな
る。34はドライブピニオン18の前端側に固着された前輪
動力取出用のギヤである。このギヤ34は前輪駆動用のカ
ウンターシャフトに回転自由に遊嵌された大径ギヤ39に
噛み合い、大径ギヤ39の側面に設けられた爪39aは前記
カインターシャフト37にスプライン嵌合された摺動ギヤ
40の爪40aと選択的に噛み合い、この爪39a,40a同士が相
互に噛み合うと前輪駆動のための回転動力が前輪駆動用
カウンターシャフト37に伝達される。
置として機体の前後部に前輪2,2及び後輪3,3を備え、機
体前部にはエンジン4を搭載し、その後部にクラッチハ
ウジング6を固着し、その後方に後述する変速装置を収
容するミッションケース5を設けている。クラッチハウ
ジング6の後部から後方へ向けて回転自在に延出された
出力軸8とミッションケース5から前方へ向けて軸架さ
れた入力軸10との間にはユニバーサルジョイント11が着
脱自在に連結されている。入力軸10の後端部にはギヤ12
が一体で設けられ、このギヤ12は変速軸14上の入力ギヤ
15と常時噛み合う。変速軸14には1速用の摺動ギヤ16と
2・3速用の摺動ギヤが軸方向に摺動自在にスプライン
嵌合され、1速用摺動ギヤ16はドライブピニオン18に回
転自在に遊嵌された筒状のカウンターギヤ20の大径ギヤ
21に選択的に噛み合い、2・3速用の摺動ギヤ17の大径
ギヤ17aはカウンターギヤ20の中径ギヤ22に噛み合う。
前記変速軸14に遊嵌された筒状の副変速用カウンターギ
ヤ23の前端部には内歯24と大径ギヤ25が設けられ、内歯
24は摺動ギヤ17の小径ギヤ17bと噛み合って3速を得
る。また、大径ギヤ25は前記カウンターギヤ20の小径ギ
ヤ26に常時噛み合う。カウンターギヤ23には大径ギヤ25
と共に小径のギヤ29が一体で設けられ、このギヤ29はド
ライブピニオン18にスプライン嵌合されている副変速用
摺動ギヤ31の大径ギヤ32と選択的に噛み合う。この摺動
ギヤ31は前記カウンターギヤ20の小径ギヤ26に噛み合う
内歯33がその前端部に設けられ、内歯33が小径ギヤ26に
噛み合うと副変速(高)となり、摺動ギヤ31がカウンタ
ーギヤ23の小径ギヤ29に噛み合うと副変速(低)とな
る。34はドライブピニオン18の前端側に固着された前輪
動力取出用のギヤである。このギヤ34は前輪駆動用のカ
ウンターシャフトに回転自由に遊嵌された大径ギヤ39に
噛み合い、大径ギヤ39の側面に設けられた爪39aは前記
カインターシャフト37にスプライン嵌合された摺動ギヤ
40の爪40aと選択的に噛み合い、この爪39a,40a同士が相
互に噛み合うと前輪駆動のための回転動力が前輪駆動用
カウンターシャフト37に伝達される。
このカウンターシャフト37の前端部には断面コ字型で
前側が開口された回転ドラム42がスプライン結合されて
いる。回転ドラム42の開口側内周面には後述する原動カ
ムリング体44が前後移動不能な状態で止着され、前輪駆
動用カウンターシャフト37側の回転動力をこの原動カム
リング体44に伝達すべく構成している。45は前記カウン
ターシャフト37と同芯かつその延長線上に設けられた前
輪駆動軸であって、この前輪駆動軸45には回転リング体
47がスプライン嵌合されている。前記原動カムリング体
44と回転リング体47との間であって前輪駆動軸45の同一
軸芯上には従動カム体48がリニアベアリング49を介して
前後移動可能かつ遊転自在に受けられている。原動カム
リング体44の後端外周部には、従動カム体48に回転動力
を伝える傾斜面44aを有する凸部50と、回転動力を伝達
しない凹部51が交互に設けられ、一方、対向する従動カ
ム体48側にも原動カムリング体44から回転動力を受ける
傾斜受面48aと動力伝達に関与しない突状平坦部55が交
互に設けられている。また、前記原動カムリング体44に
は逆回転方向の回転動力を従動カム体48に伝えるべく傾
斜面44bが設けられ、対する従動カム体48側にも動力を
受ける傾斜面48bが設けられている。従動カム体48の外
周部位に設けられた円形鍔部57と回転ドラム42の内側面
間にはスプリング60が介装され、常時原動カムリング体
44と従動カム体48とが係合して正転あるいは逆転方向の
回転動力を従動カム体48へ伝達するように構成してい
る。従動カム体48と回転リング体47の対向する側の外周
部位には回転動力を伝達する歯の断面が台形状をなす噛
合歯61,62が設けられ、両噛合歯61,62が噛み合っている
ときは従動カム体48の回転が回転リング体47に伝えら
れ、前後輪2,3が共に駆動される四輪駆動状態となり、
従動カム体48が前側へ僅かに移動してその噛合が解ける
と後輪3のみが駆動される二輪駆動の状態となる。図中
符号65は従動カム体48に軽い制動を与えるシールゴムで
固定側の受部66と従動カム体48の円筒部68との間に介装
されている。このシールゴム65の制動作用が強いときに
は前記原動カムリング体44側の傾斜面44a,44bの傾斜を
きつくし、制動作用が弱いときには傾斜を浅くする。70
は従動カム体48の噛合歯61と回転リング体47の噛合歯62
との噛合状態を保持するためのシフターであって、この
シフター70を後方へ回動して従動カム体48の円筒部68前
部に配設されたスラストベアリング71を後方へ押すと従
動カム体48と回転リング47が常時噛み合った状態を保持
することができる。即ち、常時四輪駆動状態となる。シ
フター70の回動操作は図示外の操作レバーで動かしても
よいが、ソレノイド等により電気的に回動させる形態と
してもよい。
前側が開口された回転ドラム42がスプライン結合されて
いる。回転ドラム42の開口側内周面には後述する原動カ
ムリング体44が前後移動不能な状態で止着され、前輪駆
動用カウンターシャフト37側の回転動力をこの原動カム
リング体44に伝達すべく構成している。45は前記カウン
ターシャフト37と同芯かつその延長線上に設けられた前
輪駆動軸であって、この前輪駆動軸45には回転リング体
47がスプライン嵌合されている。前記原動カムリング体
44と回転リング体47との間であって前輪駆動軸45の同一
軸芯上には従動カム体48がリニアベアリング49を介して
前後移動可能かつ遊転自在に受けられている。原動カム
リング体44の後端外周部には、従動カム体48に回転動力
を伝える傾斜面44aを有する凸部50と、回転動力を伝達
しない凹部51が交互に設けられ、一方、対向する従動カ
ム体48側にも原動カムリング体44から回転動力を受ける
傾斜受面48aと動力伝達に関与しない突状平坦部55が交
互に設けられている。また、前記原動カムリング体44に
は逆回転方向の回転動力を従動カム体48に伝えるべく傾
斜面44bが設けられ、対する従動カム体48側にも動力を
受ける傾斜面48bが設けられている。従動カム体48の外
周部位に設けられた円形鍔部57と回転ドラム42の内側面
間にはスプリング60が介装され、常時原動カムリング体
44と従動カム体48とが係合して正転あるいは逆転方向の
回転動力を従動カム体48へ伝達するように構成してい
る。従動カム体48と回転リング体47の対向する側の外周
部位には回転動力を伝達する歯の断面が台形状をなす噛
合歯61,62が設けられ、両噛合歯61,62が噛み合っている
ときは従動カム体48の回転が回転リング体47に伝えら
れ、前後輪2,3が共に駆動される四輪駆動状態となり、
従動カム体48が前側へ僅かに移動してその噛合が解ける
と後輪3のみが駆動される二輪駆動の状態となる。図中
符号65は従動カム体48に軽い制動を与えるシールゴムで
固定側の受部66と従動カム体48の円筒部68との間に介装
されている。このシールゴム65の制動作用が強いときに
は前記原動カムリング体44側の傾斜面44a,44bの傾斜を
きつくし、制動作用が弱いときには傾斜を浅くする。70
は従動カム体48の噛合歯61と回転リング体47の噛合歯62
との噛合状態を保持するためのシフターであって、この
シフター70を後方へ回動して従動カム体48の円筒部68前
部に配設されたスラストベアリング71を後方へ押すと従
動カム体48と回転リング47が常時噛み合った状態を保持
することができる。即ち、常時四輪駆動状態となる。シ
フター70の回動操作は図示外の操作レバーで動かしても
よいが、ソレノイド等により電気的に回動させる形態と
してもよい。
なお、図中符号75は操断歯、76はフェンダー、77はフ
ロントアクスルハウジングである。フロントアクスルハ
ウジング77内には前輪デフ装置(図示省略)が設けら
れ、前輪駆動軸45の回転動力が前輪デフ装置に伝えら
れ、さらにフロントアクスルハウジング77内において水
平横向きに回転軸架された駆動軸(図示省略)を介して
前輪2,2を回転駆動する。
ロントアクスルハウジングである。フロントアクスルハ
ウジング77内には前輪デフ装置(図示省略)が設けら
れ、前輪駆動軸45の回転動力が前輪デフ装置に伝えら
れ、さらにフロントアクスルハウジング77内において水
平横向きに回転軸架された駆動軸(図示省略)を介して
前輪2,2を回転駆動する。
次に上例の作用を説明する。まず、トラクター1を四
輪駆動の状態として圃場に乗り入れ、操縦ハンドル75を
回動操作して機体を旋回させると、後輪3,3に押されて
前輪2,2は速く回転しようとする。すると、前輪駆動軸4
5と一体で回転している回転リング体47に噛み合ってい
る従動カム体48がオーバーラン的に先行回転して原動カ
ムリング体44よりも速く回転される結果となり、動力を
伝達している原動カムリング体44の傾斜面44aから従動
カム体48の傾斜受面48aが離れ、従動カム体48の円形鍔
部57と回転ドラム42間に介装された付勢手段であるスプ
リング60の押圧作用を受けて、従動カム体48の突状平坦
部55が原動カムリング体44の凹部51内に収まる。このた
め、従動カム体48と回転リング体47との噛合が外れ、回
転リング体47を固着している前輪駆動軸45には動力が伝
達されず、この瞬間二輪駆動の状態に切り換えられる。
そして、旋回の途中で前輪2,2の回転が落ちてくると原
動カムリング体44の回転の方が速くなって原動カムリン
グ体44の凸部に設けた傾斜面44aが従動カム体48の傾斜
受面48aを押圧し、再びドライブピニオン18の回転と同
期した回転動力が前輪駆動軸45に伝達される。
輪駆動の状態として圃場に乗り入れ、操縦ハンドル75を
回動操作して機体を旋回させると、後輪3,3に押されて
前輪2,2は速く回転しようとする。すると、前輪駆動軸4
5と一体で回転している回転リング体47に噛み合ってい
る従動カム体48がオーバーラン的に先行回転して原動カ
ムリング体44よりも速く回転される結果となり、動力を
伝達している原動カムリング体44の傾斜面44aから従動
カム体48の傾斜受面48aが離れ、従動カム体48の円形鍔
部57と回転ドラム42間に介装された付勢手段であるスプ
リング60の押圧作用を受けて、従動カム体48の突状平坦
部55が原動カムリング体44の凹部51内に収まる。このた
め、従動カム体48と回転リング体47との噛合が外れ、回
転リング体47を固着している前輪駆動軸45には動力が伝
達されず、この瞬間二輪駆動の状態に切り換えられる。
そして、旋回の途中で前輪2,2の回転が落ちてくると原
動カムリング体44の回転の方が速くなって原動カムリン
グ体44の凸部に設けた傾斜面44aが従動カム体48の傾斜
受面48aを押圧し、再びドライブピニオン18の回転と同
期した回転動力が前輪駆動軸45に伝達される。
なお、前記した作用の説明は機体が前進している場合
であるが、機体が後退する場合は、原動カムリング体44
の傾斜面44bから従動カム体48の傾斜受面48bへ回転動力
が伝達される。この場合前輪2,2側の回転が強制駆動す
る側の回転よりも速くなると二輪駆動の状態となり、前
輪2,2の回転が落ちると再び四輪駆動の状態に切換えら
れるものである。
であるが、機体が後退する場合は、原動カムリング体44
の傾斜面44bから従動カム体48の傾斜受面48bへ回転動力
が伝達される。この場合前輪2,2側の回転が強制駆動す
る側の回転よりも速くなると二輪駆動の状態となり、前
輪2,2の回転が落ちると再び四輪駆動の状態に切換えら
れるものである。
また、この発明に係る前輪駆動装置は機体が直進して
いる場合においても有効に作用するものであって、下り
坂で前輪2,2の回転数が強制駆動力を受けて回転する速
さよりも大きくなるときは、二輪駆動状態となり、逆に
登り坂で後輪3,3がスリップを起こし、前輪2,2の回転が
所定の回転数までダウンすると再び四輪駆動の状態に復
帰して推進力を向上させる。
いる場合においても有効に作用するものであって、下り
坂で前輪2,2の回転数が強制駆動力を受けて回転する速
さよりも大きくなるときは、二輪駆動状態となり、逆に
登り坂で後輪3,3がスリップを起こし、前輪2,2の回転が
所定の回転数までダウンすると再び四輪駆動の状態に復
帰して推進力を向上させる。
第6図は第3図に記載した従動カム体48の、形状を変
更した変形例を示すものである。前輪駆動軸45の大径部
80に形成したスプライン溝部81と従動カム体48の円筒部
68に設けた孔部84間にスチールボール82を介在させてこ
こにボールクラッチを構成し、内周にボール押圧面を有
する円筒状のシフター85を軸方向に移動させることによ
ってクラッチを入切する形態としている。
更した変形例を示すものである。前輪駆動軸45の大径部
80に形成したスプライン溝部81と従動カム体48の円筒部
68に設けた孔部84間にスチールボール82を介在させてこ
こにボールクラッチを構成し、内周にボール押圧面を有
する円筒状のシフター85を軸方向に移動させることによ
ってクラッチを入切する形態としている。
クラッチを入状態に保持すると原動カムリング体44の
回転動力は従動カム体48に直接伝達されて常時四輪駆動
状態に保たれ、クラッチを切り状態にすると、ク原動カ
ムリング体44の回転動力は、従動カム体48,回転リング
体47を順次介して前輪駆動軸45に伝達される。
回転動力は従動カム体48に直接伝達されて常時四輪駆動
状態に保たれ、クラッチを切り状態にすると、ク原動カ
ムリング体44の回転動力は、従動カム体48,回転リング
体47を順次介して前輪駆動軸45に伝達される。
なお、上記2つの実施例に記載された前輪駆動装置
は、原動カムリング体44と従動カム体48と、回転リング
体47とからなり、これらは前方が開口した回転ドラム42
内に近接させて収納されているので前後方向及び上下方
向の長さが短くなって全体的にコンパクトに設計でき、
この結果、地上高も高くなって畝を跨いで作業を行なう
トラクターに最適となる。
は、原動カムリング体44と従動カム体48と、回転リング
体47とからなり、これらは前方が開口した回転ドラム42
内に近接させて収納されているので前後方向及び上下方
向の長さが短くなって全体的にコンパクトに設計でき、
この結果、地上高も高くなって畝を跨いで作業を行なう
トラクターに最適となる。
[発明の作用及び効果] この発明は、前記の如く構成したので、次のような作
用・効果を奏する。
用・効果を奏する。
即ち、後輪3,3を駆動するドライブピニオン18と同期
して回転する原動カムリング体44と、前輪駆動軸45に回
転自在に遊嵌されていて前記原動カムリング体44から回
転動力を受けて回転する従動カム体48と、従動カム体48
からの回転動力を受けて前輪駆動軸45に回転を伝える回
転リング体47とからなり、原動カムリング体44は従動カ
ム体48に動力を伝達する凸部50と動力を伝達しない凹部
51とを備え、従動カム体48は常時原動カムリング体44に
当接する方向に付勢して設けると共にこの従動カム体48
と回転リング体47には係脱可能で動力伝達可能な噛合歯
61,62を設け、この噛合歯61,62は前輪2,2の回転が後輪
3,3の回転よりも速くなるときは付勢手段により噛合歯6
1,62の噛み合いが外れて後輪駆動のみの状態となり、遅
くなるときは原動カムリング体44の凸部50で従動カム体
48を回転リング体47側に押圧して噛合歯61,62が噛み合
うので前後車輪が共に駆動する四輪駆動状態となる構成
としているので、機体の旋回時のように前輪2,2が後輪
3,3から押され気味となる場合は前記噛合歯61,62の係合
が解かれて二輪駆動の状態になり、また、旋回途中で後
輪3,3がスリップしたりして推進力の不足から前輪2,2の
回転数がダウンしたようなときには再び噛合歯61,62が
係合して四輪駆動状態となるものであるから、常に適正
な回転動力が前後輪2,2、3,3に伝達されることになり、
倍速機構を設けた従来装置のように高低速切換時にショ
ックを生じることもなく、機体を円滑に、かつ小半径で
旋回させることができる。
して回転する原動カムリング体44と、前輪駆動軸45に回
転自在に遊嵌されていて前記原動カムリング体44から回
転動力を受けて回転する従動カム体48と、従動カム体48
からの回転動力を受けて前輪駆動軸45に回転を伝える回
転リング体47とからなり、原動カムリング体44は従動カ
ム体48に動力を伝達する凸部50と動力を伝達しない凹部
51とを備え、従動カム体48は常時原動カムリング体44に
当接する方向に付勢して設けると共にこの従動カム体48
と回転リング体47には係脱可能で動力伝達可能な噛合歯
61,62を設け、この噛合歯61,62は前輪2,2の回転が後輪
3,3の回転よりも速くなるときは付勢手段により噛合歯6
1,62の噛み合いが外れて後輪駆動のみの状態となり、遅
くなるときは原動カムリング体44の凸部50で従動カム体
48を回転リング体47側に押圧して噛合歯61,62が噛み合
うので前後車輪が共に駆動する四輪駆動状態となる構成
としているので、機体の旋回時のように前輪2,2が後輪
3,3から押され気味となる場合は前記噛合歯61,62の係合
が解かれて二輪駆動の状態になり、また、旋回途中で後
輪3,3がスリップしたりして推進力の不足から前輪2,2の
回転数がダウンしたようなときには再び噛合歯61,62が
係合して四輪駆動状態となるものであるから、常に適正
な回転動力が前後輪2,2、3,3に伝達されることになり、
倍速機構を設けた従来装置のように高低速切換時にショ
ックを生じることもなく、機体を円滑に、かつ小半径で
旋回させることができる。
図はこの説明の実施例を示し、第1図は全体側面図、第
2図はミッション全体の側断面図、第3図は要部の拡大
側断面図、第4図は従動カム体48と回転リング体47とが
噛み合っている作用状態を示す断面図、第5図は噛み合
いが外れている作用状態を示す断面図、第6図は一部を
改良した伝動部の断面図である。 符号の説明 1……トラクター 2,2……前輪 3,3……後輪 18……ドライブピニオン 44……原動カムリング体 45……前輪駆動軸 47……回転リング体 48……従動カム体 50……凸部 51……凹部 61,62……噛合歯
2図はミッション全体の側断面図、第3図は要部の拡大
側断面図、第4図は従動カム体48と回転リング体47とが
噛み合っている作用状態を示す断面図、第5図は噛み合
いが外れている作用状態を示す断面図、第6図は一部を
改良した伝動部の断面図である。 符号の説明 1……トラクター 2,2……前輪 3,3……後輪 18……ドライブピニオン 44……原動カムリング体 45……前輪駆動軸 47……回転リング体 48……従動カム体 50……凸部 51……凹部 61,62……噛合歯
Claims (1)
- 【請求項1】後輪3,3を駆動するドライブピニオン18と
同期して回転する原動カムリング体44と、前輪駆動軸45
に回転自在に遊嵌されていて前記原動カムリング体44か
ら回転動力を受けて回転する従動カム体48と、従動カム
体48からの回転動力を受けて前輪駆動軸45に回転を伝え
る回転リング体47とからなり、原動カムリング体44は従
動カム体48に動力を伝達する凸部50と動力を伝達しない
凹部51とを備え、従動カム体48は所定間隔を保つ原動カ
ムリング体44と回転リング体47の間で常時原動カムリン
グ体44に当接する方向に付勢する付勢手段を備えると共
にこの従動カム体48と回転リング体47には係脱可能で動
力伝達可能な噛合歯61,62を設け、原動カムリング体44
の凸部50で従動カム体48を回転リング体47側に押圧する
とき噛合歯61,62が噛み合って前輪駆動軸45が強制駆動
され、回転リング体47の先行回転により従動カム体48
が、原動カムリング体44の回転速を超えると付勢手段に
より従動カム体48を原動カムリング体44側に移動して噛
合歯61,62の噛み合いを外し前輪2へのエンジン駆動力
を断つことを特徴とする動力車両の前輪駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1138690A JP2560835B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | 動力車両の前輪駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1138690A JP2560835B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | 動力車両の前輪駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH034037A JPH034037A (ja) | 1991-01-10 |
JP2560835B2 true JP2560835B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=15227838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1138690A Expired - Lifetime JP2560835B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | 動力車両の前輪駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560835B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5090100B2 (ja) | 2007-08-09 | 2012-12-05 | 豊田合成株式会社 | インフレーター |
-
1989
- 1989-05-30 JP JP1138690A patent/JP2560835B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH034037A (ja) | 1991-01-10 |
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