JPH065242Y2

JPH065242Y2 - 操向車輪増速装置の速比切換機構におけるカムローラー構造

Info

Publication number: JPH065242Y2
Application number: JP15361787U
Authority: JP
Inventors: 孝信嶋田
Original assignee: セイレイ工業株式会社
Priority date: 1987-10-06
Filing date: 1987-10-06
Publication date: 1994-02-09
Anticipated expiration: 2002-10-06
Also published as: JPH0157928U

Description

【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この考案は、操向車輪増速装置の速比切換機構における
カムローラー構造に関する。

（ロ）従来の技術従来、例えば、農業用のトラクターなどの四輪駆動車で
は、旋回時、内輪差により操向車輪（前輪）の行路長が
後輪よりも長くなるにもかかわらず、等速で駆動されて
いるため急旋回がやりにくいという欠点があり、この欠
点を解消するために、前車輪のファイナルドライブ装置
とフロントプロペラシャフトとの間に、速比切換自在の
増速装置を介設し、ステアリングホイールを大きく操舵
したとき、速比切換機構が作動して、上記増速装置を増
速作動状態に切換えることにより前記行路長の差による
急旋回の困難を解消するように構成されており、同機構
のプッシュロッドの端部にカム板を連設し、同カム板
と、ステアリングホイールと連動連結したカムローラー
との当接を介して、ステアリングホイールの作動を同切
換機構に伝達するように構成されていた。

（ハ）考案が解決しようとする問題点しかしながら、カム板の端縁とカムローラーの当り不
良、及びカム板とカムローラー支持体の倒れ又はガタ等
により、カム板端縁とカムローラーとの当接が外れやす
く、作動が不確実であるという欠点があった。

（ニ）問題点を解決するための手段この考案では、前後輪を駆動可能とし、かつ、前輪のフ
ァイナルドライブ装置と、フロントプロペラシャフトと
の間に速比切換可能な操向車輪増速装置を介設して、ス
テアリングホイールの作動を、同ホイールと連動連結し
たカムローラーと、速比切換機構のカム板の端縁との当
接を介して同機構に伝達して操向車輪増速装置の速比切
換を行うようにした速比切換機構のカムローラーにおい
て、カムローラーの外周端縁にフランジを周設して、同
フランジによりカム板の端縁を係止すべく構成してなる
操向車輪増速装置の速比切換機構におけるカムローラー
構造を提供せんとするものである。

（ホ）作用・効果この考案によれば、カム板端縁と当接するカムローラー
の外周端縁にフランジを周設したことで、同フランジ
と、カム板端縁とが係合して、カム板とカムローラーの
当接が外れることを防止して速比切換作動を確実なもの
とするという効果がある。

（ヘ）実施例本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第５図に
おいて、(A)は四輪駆動のトラクターを示し、機体前部
に設けたエンジン部(1)からの動力で、クラッチハウジ
ング(2)、ミッションケース(3)を介して同ケース(3)の
左右側に配した左右の後輪(4)を駆動し、ミッションケ
ース(3)の前方に延出したフロントプロペラシャフト
(5)、ファイナルドライブ装置(6)を介して左右の前輪
(7)を駆動し、エンジン部(1)の後方に設けたステアリン
グホイール(8)で左右の前輪(7)を操向するように構成し
ている。

なお、前後輪に動力を分配するための差動装置、いわゆ
るセンターデフは、作業走行中の直進性を重視して装備
していない。

また、フロントプロペラシャフト(5)と前輪(7)のファイ
ナルドライブ装置(6)との間には、第５図で示すように
傘歯車(9a)(9b)(9c)(9d)を用いた差動型の速比切換可能
の操向車輪増速装置(9)を介設しており、傘歯車(9b)を
ドッグクラッチ(10)で、フロントプロペラシャフト(5)
と連結した入力軸(11)と連結させていることでファイナ
ルドライブ装置(6)と連結した傘歯車(9a)をフロントプ
ロペラシャフト(5)と等速の回転速度で動力を伝達する
ようにし、前記傘歯車(9d)を湿式多板型のブレーキ(12)
で、同増速装置(9)のケース(13)に固定させることで、
前記傘歯車(9a)を介してファイナルドライブ装置(6)に
前記の二倍の回転速度で動力を伝達するようにしてい
る。

そして上記の速比切換作動は、入力軸(11)に外嵌したス
ライダー(14)の一端に前記ドッグクラッチ(10)の一方の
歯(10a)を形成し、他端に前記ブレーキ(12)のプレッシ
ャープレート(12a)を形成し、ケース(13)を挿通したシ
フト軸(15)に固設したシフトフォーク(15a)の作動によ
りスライダー(14)を移動させて行うようにしている。

図中、(16)は、スライダー(14)をドッグクラッチ(10)方
向に付勢して等速作動状態を保持させるためにリターン
スプリングを示す。

またケース(13)の外部に突出したシフト軸(15)の端部に
は、第３図で示すように切換レバー(17)を固着してお
り、同レバー(17)の先端に回動自在に枢着したジョイン
ト金具(18)に速比切換機構(19)のプッシュロッド(20)の
先端を摺動自在に挿通し、同ロッド(20)の中途に設けた
緩衝機構(24)のスプリング(25)を介しての押し作動によ
りシフト軸(15)を回動させるようにしている。

プッシュロッド(20)の基端には、略三角形状のカム板(2
3)が固着しており、同板(23)に形成した凹部(23a)にス
テアリングギヤボックス(21)のピットマンアーム(21a)
と連動連結した中間軸(22)を挿通させており、同カム板
(23)のカム面(23b)(23c)を、ステアリングホイール(8)
を大舵角としたとき、中間軸(22)に同軸(22)とは所定間
隔を保持して軸支したカムローラー(29a)(29b)を、同中
間軸(22)の回動により押圧して、プッシュロッド(20)に
押し作動を行わせる。

また、カムローラー(29a)(29b)は中間軸(22)にスプライ
ン嵌合した管軸(30)に突設したローラー支持板(31)に軸
支されており、管軸(30)を運転部に設けた副変速機高低
切換レバー（不図示）と連結したワイヤー(32)で軸方向
に摺動させて、カムローラー(29a)(29b)をカム面(23b)
(23c)とを当接させないようにすることにより、操向車
輪の増速作動を、副変速機を低速状態にしたときだけ作
動させるようにしている。

かかる速比切換機構(19)において、カム板(23)のカム面
(23b)(23c)と当接してステアリングホイール(8)の作動
をプッシュロッド(20)に伝達するためのカムローラー(2
9a)(29b)の上記カム面(23b)(23c)と当接する外周面の端
縁にフランジ(29c)を周設して、同フランジ(29c)でカム
板(23)のカム面(23b)(23c)の端縁を係止することによ
り、カム面(23b)(23c)とカムローラー(29a)(29b)との当
り不良、及びカム板(23)とローラー支持板(31)の剛性不
足等によるカム板(23)とカムローラー(29a)(29b)の外れ
を防止している。

なお図中、(33)はピットマンアーム(21a)と中間軸(22)
とを連結した中間リンク、(34)はドラグロッド、(35)は
管軸(30)の戻しバネを示す。

【図面の簡単な説明】第１図は、カムローラーの正面図。第２図は、第１図I−I断面図。第３図は、速比切換機構。第４図は、同平面図。第５図は、操向車輪増速装置の縦断面図。第６図は、ステアリング系の側面図。第７図は、本考案構造を有する農業用のトラクターの全
体側面図。 (4)：後輪 (5)：フロントプロペラシャフト (6)：ファイナルドライブ装置 (7)：前輪 (8)：ステアリングホイール (9)：操向車輪増速装置 (19)：速比切換機構 (20)：プッシュロッド (23)：カム板 (23b)(23c)：同カム面 (29a)(29b)：カムローラー (29c)：フランジ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前後輪(7)(4)を駆動可能とし、かつ、前輪
(7)のファイナルドライブ装置(6)と、フロントプロペラ
シャフト(5)との間に速比切換可能な操向車輪増速装置
(9)を介設して、ステアリングホイール(8)の作動を、同
ホイール(8)と連動連結したカムローラー(29a)(29b)
と、速比切換機構(19)のカム板(23)の端縁との当接を介
して同機構(19)に伝達して操向車輪増速装置(9)の速比
切換を行うようにした速比切換機構(19)のカムローラー
(29a)(29b)において、カムローラー(29a)(29b)の外周端縁にフランジ(29c)を
周設して、同フランジ(29c)によりカム板(23)の端縁を
係止すべく構成してなる操向車輪増速装置の速比切換機
構におけるカムローラー構造。