JPS6216533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、変速機における誤操作防止装置に関
し、詳しくは、自動二輪車等に用いられるロータ
リーチエンジ方式の変速機において、最高速から
第１速または中立位置へ、あるいは前進から後進
への切換え操作を防止するようにした誤操作防止
装置に関する。

自動二輪車等に用いられるロータリーチエンジ
方式の変速機では、ドラムの周面に形成した溝に
沿つてシフトフオークを移動して、ギヤの切換え
を行なうため、最高速と第１速または中立位置が
並び、走行中、最高速から第１速または中立位置
への切換え操作を行なつて急激な減速シヨツクを
受けることがある。また、後進可能な機構を備え
た二輪車あるいは三輪車等では前進から後進に切
換えられる虞れがあつた。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
ロータリーチエンジ方式の変速機において、最高
速から第１速または中立位置へ、あるいは前進か
ら後進への切換え操作を防止できる変速機におけ
る誤操作防止装置を提供することを目的とする。

以下、図示の実施例を参照しながら本考案を詳
細に説明する。

第１図ａ，ｂおよび第２図ａ，ｂにおいて、１
は自動二輪車のクランクシヤフト（図示せず）か
ら動力を伝達される変速機のカウンタシヤフト、
２はこのカウンタシヤフト１に遊嵌された最高速
用ドライブギヤであり、これはドライブシヤフト
３に遊嵌した最高速用ドリブンギヤ４に噛合して
いる。５は上記ドライブシヤフト３にスプライン
結合したスライデイングホイールであり、これは
上記ドリブンギヤ４に対向する一面にドツグ５ａ
を設け、該ドツグ５ａを介してドリブンギヤ４に
設けられたドツグ４ａに嵌合している。これらド
ツグ４ａ，５ａはドリブンギヤ４の回転によつて
スライデイングホイール５が軸方向に移動するよ
うに順テーパドツグまたは凹凸のカムドツグを採
用している。６は上記スライデイングホイール５
の地面側に配されたスプリングであり、これは一
端をスライデイングホイール５に係止されるとと
もに他端をドライブシヤフト３に嵌合したリング
７によつて係止されている。８はスライデイング
ホイール５の移動をドリブンギヤ４との結合が解
除されない位置で係止する係止部としてのサーク
リツプで、これはドライブシヤフト３の途中に設
けられている。９はリングの後面を係止するサー
クリツプである。１０は図示しないシフトフオー
クを介して各ギヤの切換えを行なうギヤシフトカ
ムであり、これは周面に設けられた案内溝に沿つ
てシフトフオークを作動し、対応するギヤを作動
させるものである。このギヤシフトカム１０は回
動順にたとえばＮ（ニユートラル）→１速→２速
→３速→最高速と切換えられ最高速の次にニユー
トラルが再び並ぶ、いわゆるロータリーチエンジ
方式の変速機構である。このギヤシフトカム１０
の周面には、ドリブンギヤ回転時に、最高速位置
から下段変速位置（たとえば３速）と逆方向のた
とえば中立位置にギアシフトカム１０を回動する
ときスライデイングホイール５に当接して規制さ
れるストツパー片１０ａが突設している。

本考案の変速機における誤操作防止装置の動作
は次のとおりである。

ギヤシフトカム１０の切換え操作によつて最高
速用ドライブギヤ２が回転すると、ドリブンギヤ
４が回転する。ドリブンギヤ４の回転によつてス
ライデイングホイール５が回転するとともに、ド
ライブシヤフト３を回転させる。スライデイング
ホイール５はドリブンギヤ４の回転に伴なつてス
プリング６の付勢力に抗して軸方向に移動し、サ
ークリツプ８によつて係止される。このとき、ス
ライデイングホイール５はドリブンギヤから離反
する方向に移動しているが係合状態にあるため、
スライデイングホイール５を介してドライブシヤ
フト３に回転が伝達される。こうして、最高速で
走行中に、ギヤシフトカム１０を、第１速または
中立位置側に誤操作した場合、第２図ａ，ｂのよ
うに、ギヤシフトカム１０はストツパー片１０ａ
がスライデイングホイール５に当接して、その回
動操作が規制される。したがつて、最高速から第
１速または中立位置へ切換わることにより急激な
減速シヨツクを防止できる。一方、最高速以外の
時、すなわち、最高速用ドリブンギヤ４が駆動さ
れていないときは、第１図ａのように、スライデ
イングホイール５はスプリング６の付勢力によつ
て図示左方向に移動する。こうして、車両の停止
時、あるいは、他の速度へのギヤの切換えに際し
ては、ストツパー片１０ａはスライデイングホイ
ール５とは係合しないため、ギヤシフトカム１０
をいずれの方向にも回動するこができる。

なお、後進のギヤを備えた自動二輪車あるいは
三輪車に、上記の誤操作防止装置を適用すれば、
たとえば、ギヤシフトカム１０の最高速と中立位
置との間に後進位置が設けられているような場合
にも、最高速で前進している最中に、ギヤを直
接、後進側へ切換えるといつた虞れを防止でき
る。

以上述べたように、本考案の変速機における誤
操作防止装置によれば、ロータリーチエンジ方式
の変速機における最高速ドリブンギヤが駆動状態
にあるとき、ギヤシフトカムを最高速から下段側
変速位置と逆方向の、第１速または中立位置ある
いは後進位置へ切換えることを防止できるので、
走行時における急激な減速に伴なうシヨツクを防
止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは最高速ドリブンギヤの停止時に
おける本考案の変速機における誤操作防止装置を
示し、第１図ａは概念断面図、第１図ｂは第１図
ａのＡ−Ａ線断面図、第２図ａ，ｂは、最高速ド
リブンギヤの回転時における本考案の変速機にお
ける誤操作防止装置を示し、第２図ａは概念断面
図、第２図ｂは第１図ａのＡ−Ａ線断面図であ
る。 ３……ドライブシヤフト、４……最高速用ドリ
ブンギヤ、５……スライデイングホイール、６…
…スプリング、１０……ギヤシフトカム、１０ａ
……ストツパー片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ギヤシフトカムの回動位置で所定のシフトフ
   オークを作動し、このシフトフオークに対応す
   るギヤを作動して所定の速度に設定するロータ
   リーチエンジ方式の変速機において、最高速の
   ドリブンギヤが設けられたドライブシヤフトに
   スプライン結合するスライデイングホイールを
   設け、このスライデイングホイールと上記最高
   速ドリブンギヤをドツグ結合させると共に、最
   高速ドリブンギヤの回転時に該スライデイング
   ホイールを該最高速ドリブンギヤから離反する
   方向に移動可能に設け、かつ該スライデイング
   ホイールの移動を最高速ドリブンギヤとの結合
   が解除されない位置で係止する係止部を上記ド
   ライブシヤフトに設け、最高速ドリブンギヤが
   駆動されていないとき、スライデインクホイー
   ルを最高速ドリブンギヤ側へ付勢する付勢手段
   を備え、ギヤシフトカムが最高速位置から下段
   変速位置と逆方向の第１速または中立位置ある
   いは後進位置の方向に回動するとき最高速ドリ
   ブンギヤ回転時のみ上記スライデイングホイー
   ルに当接するストツパー部をギヤシフトカムに
   設けたことを特徴とする変速機における誤操作
   防止装置。 (2) 上記最高速ドリブンギヤとスライデイングホ
   イールを順テーパドツグまたは凹凸のカムドツ
   グで互いに嵌合したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第(1)項に記載の変速機における
   誤操作防止装置。