JP2560736Y2

JP2560736Y2 - 排水桝

Info

Publication number: JP2560736Y2
Application number: JP2438592U
Authority: JP
Inventors: 正次田沼
Original assignee: Taisei Corp
Current assignee: Taisei Corp
Priority date: 1992-04-16
Filing date: 1992-04-16
Publication date: 1998-01-26
Anticipated expiration: 2007-04-16
Also published as: JPH0583095U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、屋内からの排泄される
排水用の排水桝に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工場から排出される有害な廃液
や、薬品等の特殊排水に使用される排水桝は、一般的
に、コンクリート製の外桝（現場築造桝）の内壁に、耐
薬品性を有するポリプロピレン板を貼付けた後、隣接し
たポリプロピレン板同志を溶接して得ている。そして、
この排水桝の排水流入・流出管用ソケットや、これに代
わる開口部（穴）に、ポリプロピレン等の耐薬品性を有
する部材からなる配管を溶接して接続している。

【０００３】前記排水桝は、通常、その上端開口部に、
耐荷性に優れたコンクリート製の蓋を被せて使用し、前
記蓋の天端が、周辺の地盤や舗装面の高さと同等かやや
低めとなるように設置される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記内
貼桝の貼付け及び溶接は、現場で行うため、非常に施工
性が悪く、また、隣接したポリプロピレン板同志の溶接
や、ポリプロピレン板とポリプロピレン内管との溶接が
困難であり、溶接部の品質を向上することが難しいとい
う問題があった。

【０００５】また、前記排水桝の排水流入・流出管用ソ
ケットや、これに代わる開口部の位置が、常に一定の位
置にあるのに対し、前記配管は、通常、排水の流れを考
慮して、多少傾斜した状態で設置される。従って、前記
蓋の天端が、周辺の地盤や舗装面の高さと常に同等がや
や低めとなるようにするためには、前記排水桝の高さを
変更しなければならならず、各々の条件に合わせたサイ
ズの排水桝が必要であり、内貼桝のユニット化が困難で
あるという問題があった。

【０００６】本考案は、このような問題を解決すること
を課題とするものであり、施工性、品質を向上すると共
に、ユニット化を達成し、低コスト化を実現した排水桝
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、外桝の内側に、耐薬品性部材からなる内
貼桝を設置した排水桝において、前記内貼桝は、下部内
貼桝と、当該下部内貼桝の軸方向に移動可能な上部内貼
桝とからなり、前記外桝と当該内貼桝との間にモルタル
を充填したことを特徴とする排水桝を提供するものであ
る。

【０００８】

【作用】本考案によれば、内貼桝を、下部内貼桝と、当
該下部内貼桝の上下方向に移動可能な上部内貼桝に分割
したため、当該内貼桝の高さを自由に決定することがで
き、排水桝の施工性、品質を向上すると共に、内貼桝の
ユニット化、低コスト化を達成することができる。

【０００９】即ち、前記上部内貼桝は、下部内貼桝の上
下方向に移動可能であるため、当該上部内貼桝を下部内
貼桝の上下方向に移動させることで、簡単に内貼桝の高
さを調節することができる。従って、前記下部内貼桝
を、地盤や舗装面に対して自由な深さ位置に設置して
も、前記内貼桝の高さを、排水桝の蓋の天端が、常に当
該地盤や舗装面の高さに適応する高さとすることができ
る。このため、一種類の内貼桝を多種類の外桝に対応さ
せることができるため、内貼桝のユニット化が可能とな
り、コストを低減することができる。また、下部内貼桝
及び上部内貼桝の溶接部の殆どを工場にて溶接すること
ができ、現場では、下部内貼桝と上部内貼桝間の溶接の
み行えばよいため、溶接部の品質及び施工性を著しく向
上することができる。

【００１０】

【実施例】次に、本考案に係る一実施例について、図面
を参照して説明する。図１は、本考案の実施例に係る排
水桝を示す構成断面図である。図１に示す排水桝１は、
耐薬品性を備えた部材からなる流出管８及び流入管１０
を接続するためのソケット９が貫通可能な開口部１３を
備えたコンクリート製の外桝２の内側に、下部内貼桝５
及び当該下部内貼桝５の上下方向に移動可能な上部内貼
桝４から構成された内貼桝６が設置され、当該内貼桝６
と外桝２との間に、発砲材入りモルタル３が充填された
構造を有している。

【００１１】前記上部内貼桝４及び下部内貼桝５は、耐
薬品性を備えた部材であるポリプロピレンで構成し、両
内貼桝４及び５共、工場にて溶接して製造されている。
前記上部内貼桝４は、その上端に外向きフランジ１４が
形成され、このフランジ１４が外桝２の上部と係合し
て、前記内貼桝６の高さを外桝２の高さに合わせて調節
するよう設計されている。

【００１２】また、前記下部内貼桝５は、前記外桝２の
開口部１３と対応する位置に、前記流出管８及び流入管
１０を接続するためのソケット９が貫通可能な開口部１
５が設けられている。そして、前記外桝２の開口部１５
及び下部内貼桝５の開口部１３を貫通した状態で、前記
下部内貼桝５にソケット９が設置され、このソケット９
の端部に、前記流出管８及び流入管１０が接続されてい
る。また、前記外桝２の開口部１３及び１５の位置は、
前記排水桝１の下部に、土溜まり１２が形成されるよう
に設定されている。尚、１１は、上部内貼桝４と下部内
貼桝５の現場溶接部であり、７は、排水桝１の蓋であ
る。

【００１３】次に、前記構造を有する排水桝１の施工方
法について説明する。先ず、所望場所に設置された外桝
２内の所定位置に、工場で溶接して製造された下部内貼
桝５を載置する。次に、下部内貼桝５と外桝２との間
に、所定量の発砲材入りモルタル３を充填する。次い
で、開口部１３及び１５を貫通して、下部内貼桝５にソ
ケット９を溶接して接続した後、その端部に、流出管８
及び流入管１０を接続する。次いで、下部内貼桝５と外
桝２との間に所望量の発砲材入りモルタル３を充填す
る。この発砲材入りモルタル３は、後に、当該発砲材が
発砲して、下部内貼桝５と外桝２との間を満たすことが
可能な程度の量で充填する。

【００１４】次に、前記下部内貼桝５の上部から、上部
内貼桝４を当該上部内貼桝４のフランジ１４が外桝２の
上部に当接するまで装着する。ここで、上部内貼桝４
は、下部内貼桝５の上下方向に移動可能であるため、内
貼桝６の高さは、簡単に外桝２の高さに合わせることが
できる。その後、下部内貼桝５と上部内貼桝４とを溶接
し、排水桝１を完成する。

【００１５】尚、本実施例では、下部内貼桝５及び上部
内貼桝４をポリプロピレンで構成したが、これに限ら
ず、耐薬品性を有し、内貼桝６としての機能を害さない
ものであれば、他の物質を使用してもよいことは勿論で
ある。また、本実施例では、前記外桝２と下部内貼桝５
との間に発砲材入りモルタル３を充填した後に、上部内
貼桝４を装着したが、これに限らず、通常のモルタルを
使用してもよく、また、外桝２の所望位置に、モルタル
充填用の開口部を設け、下部内貼桝５に上部内貼桝４を
装着した後、前記開口部からモルタル３を充填した後、
これを塞ぐ等、他の方法でモルタル３を充填してもよ
い。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
内貼桝を、前記下部内貼桝と、当該下部内貼桝の上下方
向に移動可能な上部内貼桝に分割したため、内貼桝の高
さを自由に決定することができる。従って、前記下部内
貼桝を、地盤や舗装面に対して自由な深さ位置に設置し
ても、前記内貼桝の高さを、常に必要な高さに適応させ
ることができる。この結果、一種類の内貼桝を多種類の
外桝に対応させることができ、内貼桝のユニット化が可
能となり、コストを低減することができる。

【００１７】また、下部内貼桝及び上部内貼桝の溶接部
の殆どを工場にて溶接することができ、現場では、下部
内貼桝と上部内貼桝間の溶接のみ行えばよいため、溶接
部の品質及び施工性を著しく向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る排水桝の構成断面図であ
る。

【符号の説明】

１排水桝２外桝３モルタル４上部内貼桝５下部内貼桝６内貼桝７蓋８流出管９ソケット１０流入管１１現場溶接部１２土溜まり１３開口部１４フランジ１５開口部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】外桝の内側に、耐薬品性部材からなる内
貼桝を設置した排水桝において、前記内貼桝は、下部内貼桝と、当該下部内貼桝の軸方向
に移動可能な上部内貼桝とからなり、前記外桝と当該内
貼桝との間にモルタルを充填したことを特徴とする排水
桝。