JP2560006B2 - 誘導電動機制御装置 - Google Patents
誘導電動機制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は誘導電動機のベクトル制御装置に関し、特
に、誘導電動機の内部の定数が変化しても、正確なトル
ク制御が可能な誘導電動機制御装置に関するものであ
る。
に、誘導電動機の内部の定数が変化しても、正確なトル
ク制御が可能な誘導電動機制御装置に関するものであ
る。
第7図は、従来の誘導電動機のベクトル制御装置の系
統図である。第7図において、1は三相誘導電動機、2
は三相誘導電動機1の速度を検出するタコジェネレー
タ、3は三相交流電力を三相誘導電動機1に供給する給
電装置としての可変電圧可変周波数インバータ、4は電
気角速度ωで回転する直交座標軸de−qe上で見た電圧▲
V* d▼e s,▲V* q▼e sを三相交流に交換する座標変換回
路、5は三相交流電流iu,iv,iwを直交座標軸de−qe上
の値に変換する座標変換回路、6は漏れリアクタンスに
よる直交座標軸de−qeの干渉を補償する補償回路、7は
励磁電流指令▲i* d▼e sにより励磁電流id e sを制御する
電流制御回路、8は二次鎖交磁束λd e rを制御する二次
鎖交磁束制御回路、9は弱め界磁のために速度によって
二次鎖交磁束指令▲λ* d▼e rを変化させる弱め界磁設定
回路、10はトルク分電流iq e sの制御回路、11は回転角速
度ωrを制御する速度制御回路、12は二次鎖交磁束推定
値 とすべり角速度pωsを演算する推定値等演算回路、13
は角速度ωを積分し位相θを求める積分器、14は座標変
換のために必要なsinθ,cosθを演算する正弦余弦演算
回路、15は回転角速度ωrに極対数pをかけるかけ算回
路、16は三相誘導電動機1の端子電圧から二次鎖交磁束
を求める二次鎖交磁束算出回路、17は二次巻線時定数を
推定する二次時定数推定回路である。
統図である。第7図において、1は三相誘導電動機、2
は三相誘導電動機1の速度を検出するタコジェネレー
タ、3は三相交流電力を三相誘導電動機1に供給する給
電装置としての可変電圧可変周波数インバータ、4は電
気角速度ωで回転する直交座標軸de−qe上で見た電圧▲
V* d▼e s,▲V* q▼e sを三相交流に交換する座標変換回
路、5は三相交流電流iu,iv,iwを直交座標軸de−qe上
の値に変換する座標変換回路、6は漏れリアクタンスに
よる直交座標軸de−qeの干渉を補償する補償回路、7は
励磁電流指令▲i* d▼e sにより励磁電流id e sを制御する
電流制御回路、8は二次鎖交磁束λd e rを制御する二次
鎖交磁束制御回路、9は弱め界磁のために速度によって
二次鎖交磁束指令▲λ* d▼e rを変化させる弱め界磁設定
回路、10はトルク分電流iq e sの制御回路、11は回転角速
度ωrを制御する速度制御回路、12は二次鎖交磁束推定
値 とすべり角速度pωsを演算する推定値等演算回路、13
は角速度ωを積分し位相θを求める積分器、14は座標変
換のために必要なsinθ,cosθを演算する正弦余弦演算
回路、15は回転角速度ωrに極対数pをかけるかけ算回
路、16は三相誘導電動機1の端子電圧から二次鎖交磁束
を求める二次鎖交磁束算出回路、17は二次巻線時定数を
推定する二次時定数推定回路である。
次に動作について説明する。第7図において、すべり
角速度pωsは、演算回路12により、次式で演算され
る。
角速度pωsは、演算回路12により、次式で演算され
る。
ここに、 :三相誘導電動機1の二次巻線時定数推定値 s:ラプラス演算子 id e s,iq e s:直交座標軸de−qe一次巻線電流 (1)式によって求めたすべり角速度pωsとかけ算回
路15の出力の回転角速度ωrの和によって電気角速度ω
が制御されると、直交座標軸de−qe上で二次巻線を鎖交
する磁束λd e r,λq e rのうち磁束λq e rは「0」にな
る。
路15の出力の回転角速度ωrの和によって電気角速度ω
が制御されると、直交座標軸de−qe上で二次巻線を鎖交
する磁束λd e r,λq e rのうち磁束λq e rは「0」にな
る。
次に補償回路6は次式(2),(3)の演算を行う。
ここでVd′e s,Vq′e sはそれぞれ制御回路7,制御回路8
の出力である。
の出力である。
上記のような制御を行うと、制御回路7,制御回路8の
出力Vd′e s,Vq′e sを入力とした三相誘導電動機1の状
態方程式は次のようになる。
出力Vd′e s,Vq′e sを入力とした三相誘導電動機1の状
態方程式は次のようになる。
ここに、R1=−Rs/σLs−Rs(1−σ)/σLr R2=MRr/σLsLr 2 R3=−Rs/σLs−Rr/σLr R4=−pωr/σM R5=MRr/Lr R6=−Rr/Lr Rs:一次巻線抵抗 Rr:二次巻線抵抗 σ:漏れ係数 Ls:一次巻線自己インダクタンス Lr:二次巻線自己インダクタンス M:一次,二次巻線相互インダクタンス (4)式から、deの諸量id e s,λd e rはVd′e sによっ
て、またqe軸の諸量はVq′e sによって制御可能なことが
わかる。この時三相誘導電動機1の発生トルクTeは次式
で表わされる。
て、またqe軸の諸量はVq′e sによって制御可能なことが
わかる。この時三相誘導電動機1の発生トルクTeは次式
で表わされる。
Te=pMλd e riq e s/Lr…(5) 従ってde軸電流制御回路7をマイナーループに持ったde
軸二次鎖交磁束制御回路8およびqe軸電流制御回路10に
よって、発生トルクは制御できる。この制御方式につい
ての詳細は、特願昭58−230979号の「誘導電動機の制御
装置」(発明者 杉本英彦他3名)に記載されている。
軸二次鎖交磁束制御回路8およびqe軸電流制御回路10に
よって、発生トルクは制御できる。この制御方式につい
ての詳細は、特願昭58−230979号の「誘導電動機の制御
装置」(発明者 杉本英彦他3名)に記載されている。
また第7図の例では速度制御回路11,弱め界磁回路9
を付加し、弱め界磁つきの速度制御系を構成している。
を付加し、弱め界磁つきの速度制御系を構成している。
ところで、誘導電動機は運転中に温度上昇を起こし、
二次巻線の抵抗が大きく変化する。ベクトル制御回路に
は(1)式で示すように二次巻線時定数の推定値 が実際の値Tr(=Lr/Rr)と常に一致していないと
(5)式が成り立たず、発生トルクに偏差や過渡振動が
発生する。第7図の回路では、二次巻線時定数の推定値 を実際値Trと次のような方法で一致させている。
二次巻線の抵抗が大きく変化する。ベクトル制御回路に
は(1)式で示すように二次巻線時定数の推定値 が実際の値Tr(=Lr/Rr)と常に一致していないと
(5)式が成り立たず、発生トルクに偏差や過渡振動が
発生する。第7図の回路では、二次巻線時定数の推定値 を実際値Trと次のような方法で一致させている。
静止した直交座標軸d,q上の二次鎖交磁束λdr,λqr
は、 λdr=Lr/M〔(Vds−Rs i ds)/s −(M−Ls)ids〕 ……(6) λqr=Lr/M〔(Vqs−Rs i ds)/s −(M−Ls)iqs〕 ……(7) と表わされる。
は、 λdr=Lr/M〔(Vds−Rs i ds)/s −(M−Ls)ids〕 ……(6) λqr=Lr/M〔(Vqs−Rs i ds)/s −(M−Ls)iqs〕 ……(7) と表わされる。
ただし、Vds,Vqs:d,q軸端子電圧 ids,iqs:d,q軸一次巻線電流 上記二次鎖交磁束λdr,λqrを回転直交座標系de,qeに
変換する二次鎖交磁束算出回路16は三相の端子電圧vu,
vv,vwを入力として上記手順をふんでde軸二次鎖交磁束
λd e rを算出する回路である。従って、この演算には二
次巻線抵抗の推定値は含まれない。
変換する二次鎖交磁束算出回路16は三相の端子電圧vu,
vv,vwを入力として上記手順をふんでde軸二次鎖交磁束
λd e rを算出する回路である。従って、この演算には二
次巻線抵抗の推定値は含まれない。
また推定値等演算回路12によって演算される二次鎖交
磁束推定値 は次式によって表わされる。
磁束推定値 は次式によって表わされる。
二次時定数推定回路17は二次鎖交磁束算出回路16の出力
λd e rと演算回路12の出力 を比較し、 λd e rと が一致するように時定数推定値 を変化させる。このため三相誘導電動機1の運転中に温
度上昇によって二次巻線時定数が変化しても、二次巻線
時定数推定値 がそれに追随するため、制御のずれが補償できる。
λd e rと演算回路12の出力 を比較し、 λd e rと が一致するように時定数推定値 を変化させる。このため三相誘導電動機1の運転中に温
度上昇によって二次巻線時定数が変化しても、二次巻線
時定数推定値 がそれに追随するため、制御のずれが補償できる。
しかし、この従来の方式は、(6)式,(7)式に示
すように、積分器が必要であるが、完全な積分が不可能
であることから、これを一次遅れで代用しているため、
誘導電動機が低速で回転しているときには演算精度が悪
化する。また停止時には演算不可能であり、高精度のト
ルク制御は不可能であった。
すように、積分器が必要であるが、完全な積分が不可能
であることから、これを一次遅れで代用しているため、
誘導電動機が低速で回転しているときには演算精度が悪
化する。また停止時には演算不可能であり、高精度のト
ルク制御は不可能であった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、低速時や停止時にも二次巻線
時定数推定値が真値と一致し、高精度のトルク制御を可
能にする誘導電動機制御装置を提供することにある。
その目的とするところは、低速時や停止時にも二次巻線
時定数推定値が真値と一致し、高精度のトルク制御を可
能にする誘導電動機制御装置を提供することにある。
このような問題点を解決するために本発明は、誘導電
動機の一次巻線に制御された交流電力を供給する給電装
置と、この給電装置の出力電流の周波数を上記誘導電動
機の励磁分電流、トルク分電流によって演算されるすべ
り周波数および回転子の角速度によって制御し,かつ,
上記出力電流の振幅を前記誘導電動機の磁束指令および
トルク指令によって制御する制御回路と、一次巻線また
は一次巻線に並列に巻かれたサーチコイルの出力電圧並
びに一次巻線電流を入力し、一次遅れ回路を用いて二次
鎖交磁束相当の量を演算する演算回路と、一次巻線電流
より演算される二次鎖交磁束の推定値を入力し、前記一
次遅れ回路と同一の時定数の一次遅れ回路を用いて、上
記二次鎖交磁束相当の量を推定する推定回路とを設ける
ようにしたものである。
動機の一次巻線に制御された交流電力を供給する給電装
置と、この給電装置の出力電流の周波数を上記誘導電動
機の励磁分電流、トルク分電流によって演算されるすべ
り周波数および回転子の角速度によって制御し,かつ,
上記出力電流の振幅を前記誘導電動機の磁束指令および
トルク指令によって制御する制御回路と、一次巻線また
は一次巻線に並列に巻かれたサーチコイルの出力電圧並
びに一次巻線電流を入力し、一次遅れ回路を用いて二次
鎖交磁束相当の量を演算する演算回路と、一次巻線電流
より演算される二次鎖交磁束の推定値を入力し、前記一
次遅れ回路と同一の時定数の一次遅れ回路を用いて、上
記二次鎖交磁束相当の量を推定する推定回路とを設ける
ようにしたものである。
本発明においては、一次巻線電流によって演算される
二次鎖交磁束推定値から、一次巻線または一次巻線に並
列に巻かれたサーチコイルの出力電圧推定値を演算し、
されに一次遅れ積分によって二次鎖交磁束相当量の推定
値を得る。これと実際の一次巻線またはサーチコイルの
出力電圧から一次遅れ積分によって得た二次鎖交磁束相
当量との差を「0」にするように二次巻線時定数値を変
化させる。
二次鎖交磁束推定値から、一次巻線または一次巻線に並
列に巻かれたサーチコイルの出力電圧推定値を演算し、
されに一次遅れ積分によって二次鎖交磁束相当量の推定
値を得る。これと実際の一次巻線またはサーチコイルの
出力電圧から一次遅れ積分によって得た二次鎖交磁束相
当量との差を「0」にするように二次巻線時定数値を変
化させる。
以下、本発明の一実施例を図により説明する。第1図
において、18はサーチコイルの電圧をde−qe軸上の値に
変換する座標変換器、19はde−qe軸二次鎖交磁束相当の
値を演算する演算回路、20はde軸二次鎖交磁束推定値か
ら演算回路19によって演算されるde−qe軸二次鎖交磁束
相当の値と同等の値を出力する推定回路、21は二次巻線
時定数を同定する二次時定数同定回路、22はde軸二次鎖
交磁束を励振するための発振器、23はトルクリップル除
去用の割算器である。第1図において第7図と同一部分
又は相当部分には同一符号が付してある。
において、18はサーチコイルの電圧をde−qe軸上の値に
変換する座標変換器、19はde−qe軸二次鎖交磁束相当の
値を演算する演算回路、20はde軸二次鎖交磁束推定値か
ら演算回路19によって演算されるde−qe軸二次鎖交磁束
相当の値と同等の値を出力する推定回路、21は二次巻線
時定数を同定する二次時定数同定回路、22はde軸二次鎖
交磁束を励振するための発振器、23はトルクリップル除
去用の割算器である。第1図において第7図と同一部分
又は相当部分には同一符号が付してある。
第1図において、演算回路19はサーチコイルの電圧を
入力として二次鎖交磁束相当の量を演算する回路であ
る。de−qe軸二次鎖交磁束λd e r,λq e rとde−qe軸サー
チコイル電圧Vd e c,Vq e cは次に関係がある。
入力として二次鎖交磁束相当の量を演算する回路であ
る。de−qe軸二次鎖交磁束λd e r,λq e rとde−qe軸サー
チコイル電圧Vd e c,Vq e cは次に関係がある。
上式より、Vd e c,Vq e cからλd e r,λq e rを求めるために
は、積分器が必要なことがわかる。しかし、完全な積分
器は不可能であり、それを時定数Tの一次遅れで代用す
ると、次式が得られる。
は、積分器が必要なことがわかる。しかし、完全な積分
器は不可能であり、それを時定数Tの一次遅れで代用す
ると、次式が得られる。
(10)式をブロック系統図に示すと第2図になる。演算
回路19は第2図の構成をとる。第2図において、24,25
は微分器、26〜30,33は係数器、31,32は積分器である。
上式で得られる二次鎖交磁束相当量は真の二次鎖交磁束
とは異なるので、記号にダッシュを付けることにする。
回路19は第2図の構成をとる。第2図において、24,25
は微分器、26〜30,33は係数器、31,32は積分器である。
上式で得られる二次鎖交磁束相当量は真の二次鎖交磁束
とは異なるので、記号にダッシュを付けることにする。
(9)式,(10)式より、二次鎖交磁束相当量と真の
二次鎖交磁束との関係は、 となる。
二次鎖交磁束との関係は、 となる。
さてベクトル制御回路は、一次巻線電流から第3図に
示すブロック系統でde−qe軸二次鎖交磁束の推定値 を演算する。第3図において、34は積分器、35は係数器
である。第3図のブロック系統は、第1図の演算回路12
に含まれる。またqe軸二次鎖交磁束はベクトル制御の原
理上、零である。ここでλ′d e r、λ′q e rを求める時と
同様に、これらを(11)式のλd e r,λq e rに代入すると
次式が得られ、そのブロック系統は第4図に示される。
第4図において、36は微分器、37,40は係数器、38,39は
積分器である。
示すブロック系統でde−qe軸二次鎖交磁束の推定値 を演算する。第3図において、34は積分器、35は係数器
である。第3図のブロック系統は、第1図の演算回路12
に含まれる。またqe軸二次鎖交磁束はベクトル制御の原
理上、零である。ここでλ′d e r、λ′q e rを求める時と
同様に、これらを(11)式のλd e r,λq e rに代入すると
次式が得られ、そのブロック系統は第4図に示される。
第4図において、36は微分器、37,40は係数器、38,39は
積分器である。
第4図に示すように、 は(11)式のλ′d e r、λ′q e rと同様に、同じ時定数の
一次遅れを用いて求められている。
一次遅れを用いて求められている。
第3図の二次巻線時定数推定値 が、真の二次巻線時定数Trと一致している時、(11)式
と(12)式のλd′e r,λq′e rと はそれぞれ一致する。二次巻線時定数推定値 と真の二次巻線時定数Trが異なるとλd′e r,λq′e rと にずれが生じる。これらの差、すなわち を時定数Trに一致させる同定則をポポフの超安定論を用
いて解くと、次式が導出される。
と(12)式のλd′e r,λq′e rと はそれぞれ一致する。二次巻線時定数推定値 と真の二次巻線時定数Trが異なるとλd′e r,λq′e rと にずれが生じる。これらの差、すなわち を時定数Trに一致させる同定則をポポフの超安定論を用
いて解くと、次式が導出される。
ここでKは積分器のゲイン, は二次巻線抵抗推定値の初期値である。上式から を用いてTrを同定するためには が値を持つことが必要であることが分かる。
は(8)式で表わされるため、定常状態では は零である。従って、id e sが過渡的に変化する状態を保
つ必要がある。第1図の発振器22はそのためのものであ
る。また割算器23は発振器22のために発生する二次鎖交
磁束の振動がトルクリップルとなるのを避けるために、
トルク指令を二次鎖交磁束推定値 で割り、qe軸電流指令とする回路である。次に、 を用いてTrを同定するためには、iq e sが値を持つことが
必要であることがわかる。すなわち、トルクを発生して
いる時には(13)式の右辺第2項が有効になる。(1
3),(14)式をブロック系統図で表わすと第5図にな
る。第5図は第1図の二次時定数同定回路21を表わして
いる。第5図において、41は積分器、42,43は係数器で
ある。
つ必要がある。第1図の発振器22はそのためのものであ
る。また割算器23は発振器22のために発生する二次鎖交
磁束の振動がトルクリップルとなるのを避けるために、
トルク指令を二次鎖交磁束推定値 で割り、qe軸電流指令とする回路である。次に、 を用いてTrを同定するためには、iq e sが値を持つことが
必要であることがわかる。すなわち、トルクを発生して
いる時には(13)式の右辺第2項が有効になる。(1
3),(14)式をブロック系統図で表わすと第5図にな
る。第5図は第1図の二次時定数同定回路21を表わして
いる。第5図において、41は積分器、42,43は係数器で
ある。
上記のように、第1図のベクトル制御回路を使用する
と、誘導電動機のあらゆる状態で二次巻線時定数の同定
が可能である。
と、誘導電動機のあらゆる状態で二次巻線時定数の同定
が可能である。
なお、上記実施例では、 の項のみでも同様の効果を持つ。
また他の実施例としてサーチコイルを誘導電動機に巻
かず、一次巻線電圧から二次鎖交磁束相当量λd′e r,
λq′e rを演算することもできる。この場合、二次鎖交
磁束と一次巻線電圧の関係は、 であるから、λd′e rとλq′e rとの関係は、 となる。これをブロック系統図で表わすと第6図にな
る。第6図において、44,47,48〜52,55は係数器、45,46
は微分器、53,54は積分器である。このブロック系統を
第1図の演算回路19に置き換え、座標変換器18に誘導電
動機の一次巻線電圧を入力するのみで、上記実施例と同
様の効果を持つ。
かず、一次巻線電圧から二次鎖交磁束相当量λd′e r,
λq′e rを演算することもできる。この場合、二次鎖交
磁束と一次巻線電圧の関係は、 であるから、λd′e rとλq′e rとの関係は、 となる。これをブロック系統図で表わすと第6図にな
る。第6図において、44,47,48〜52,55は係数器、45,46
は微分器、53,54は積分器である。このブロック系統を
第1図の演算回路19に置き換え、座標変換器18に誘導電
動機の一次巻線電圧を入力するのみで、上記実施例と同
様の効果を持つ。
また(13)式の の項のみを用いると、誘導電動機が停止状態,無負荷状
態では二次巻線時定数を同定できないが、一般に誘導電
動機の二次巻線時定数はゆっくりと変化するため、頻繁
な加減速を行う用途や常に負荷のかかる用途等のように
停止,無負荷状態の時間が短い誘導電動機では、ほとん
ど問題なく二次巻線時定数を同定できる。この場合、第
1図に示す発振器22,割算器23が不要となり、構成が簡
単になる利点がある。
態では二次巻線時定数を同定できないが、一般に誘導電
動機の二次巻線時定数はゆっくりと変化するため、頻繁
な加減速を行う用途や常に負荷のかかる用途等のように
停止,無負荷状態の時間が短い誘導電動機では、ほとん
ど問題なく二次巻線時定数を同定できる。この場合、第
1図に示す発振器22,割算器23が不要となり、構成が簡
単になる利点がある。
以上説明したように本発明は、誘導電動機の一次巻線
に制御された交流電力を供給する給電装置と、この給電
装置の出力電流の周波数を上記誘導電動機の励磁分電
流,トルク分電流によって演算されるすべり周波数およ
び回転子の角速度によって制御し,かつ,上記出力電流
の振幅を前記誘導電動機の磁束指令およびトルク指令に
よって制御する制御回路と、一次巻線または一次巻線に
並列に巻かれたサーチコイルの出力電圧並びに一次巻線
電流を入力し、一次遅れ回路を用いて二次鎖交磁束相当
の量を演算する演算回路と、一次巻線電流より演算され
る二次鎖交磁束の推定値を入力し、前記一次遅れ回路と
同一の時定数の一次遅れ回路を用いて、上記二次鎖交磁
束相当の量を推定する推定回路とを設けることにより、
上記二次鎖交磁束相当量と二次鎖交磁束相当量の推定値
とから誘導電動機のあらゆる状態で二次巻線時定数を同
定でき、高精度のトルク制御が可能となる効果がある。
に制御された交流電力を供給する給電装置と、この給電
装置の出力電流の周波数を上記誘導電動機の励磁分電
流,トルク分電流によって演算されるすべり周波数およ
び回転子の角速度によって制御し,かつ,上記出力電流
の振幅を前記誘導電動機の磁束指令およびトルク指令に
よって制御する制御回路と、一次巻線または一次巻線に
並列に巻かれたサーチコイルの出力電圧並びに一次巻線
電流を入力し、一次遅れ回路を用いて二次鎖交磁束相当
の量を演算する演算回路と、一次巻線電流より演算され
る二次鎖交磁束の推定値を入力し、前記一次遅れ回路と
同一の時定数の一次遅れ回路を用いて、上記二次鎖交磁
束相当の量を推定する推定回路とを設けることにより、
上記二次鎖交磁束相当量と二次鎖交磁束相当量の推定値
とから誘導電動機のあらゆる状態で二次巻線時定数を同
定でき、高精度のトルク制御が可能となる効果がある。
第1図は本発明に係わる誘導電動機制御装置の一実施例
を示す系統図、第2図,第3図,第4図,第5図はこの
装置の各構成の機能を説明するための機能系統図、第6
図は他の実施例の機能を説明するための機能系統図、第
7図は従来の誘導電動機制御装置を示す系統図である。 1……三相誘導電動機、2……タコジェネレータ、3…
…可変電圧可変周波数インバータ、4,5……座標変換回
路、6……補償回路、7……電流制御回路、8……二次
鎖交磁束制御回路、9……弱め界磁設定回路、10……制
御回路、11……速度制御回路、12……推定値等演算回
路、13……積分器、14……正弦余弦演算回路、15……か
け算回路、18……座標変換器、19……演算回路、20……
推定回路、21……二次時定数同定回路、22…発振器、23
……割算器、24,25,36,45,46……微分器、26〜30,33,3
5,37,40,42,43,44,47〜52,55……係数器、31,32,34,38,
39,41,53,54……積分器。
を示す系統図、第2図,第3図,第4図,第5図はこの
装置の各構成の機能を説明するための機能系統図、第6
図は他の実施例の機能を説明するための機能系統図、第
7図は従来の誘導電動機制御装置を示す系統図である。 1……三相誘導電動機、2……タコジェネレータ、3…
…可変電圧可変周波数インバータ、4,5……座標変換回
路、6……補償回路、7……電流制御回路、8……二次
鎖交磁束制御回路、9……弱め界磁設定回路、10……制
御回路、11……速度制御回路、12……推定値等演算回
路、13……積分器、14……正弦余弦演算回路、15……か
け算回路、18……座標変換器、19……演算回路、20……
推定回路、21……二次時定数同定回路、22…発振器、23
……割算器、24,25,36,45,46……微分器、26〜30,33,3
5,37,40,42,43,44,47〜52,55……係数器、31,32,34,38,
39,41,53,54……積分器。
Claims (4)
- 【請求項1】誘導電導機の一次巻線に制御された交流電
力を供給する給電装置と、この給電装置の出力電流の周
波数を前記誘導電導機の励磁分電流、トルク分電流によ
って演算されるすべり周波数および回転子の角速度によ
って制御し、かつ、前記出力電流の振幅を前記誘導電導
機の磁束指令およびトルク指令によって制御する制御回
路と、一次巻線または一次巻線に並列に巻かれたサーチ
コイルの出力電圧並びに一次巻線電流を入力し、一次遅
れ回路を用いて二次鎖交磁束相当の量を演算する演算回
路と、一次巻線電流より演算される二次鎖交磁束の推定
値を入力し、前記一次遅れ回路と同一の時定数の一次遅
れ回路を用いて、前記二次鎖交磁束相当の量を推定する
推定回路とを備え、前記二次鎖交磁束相当の量を演算す
る演算回路からの出力と前記二次鎖交磁束相当の量を推
定する推定回路の出力とを等しくすることにより、前記
制御回路の演算に用いられる前記誘導電導機の二次巻線
の時定数推定値が前記誘導電導機の二次巻線の時定数値
に一致するように制御することを特徴とする誘導電導機
制御装置。 - 【請求項2】二次鎖交磁束は低周波で励振され、補償回
路は、積分器を含み、前記二次鎖交磁束相当量と二次鎖
交磁束相当量推定値の差、前記誘導電導機の励磁分電流
および二次鎖交磁束推定値より演算した量を入力し二次
巻線抵抗の推定値を出力し、すべり周波数を演算するこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の誘導電導機
制御装置。 - 【請求項3】補償回路は、積分器を含み、前記二次鎖交
磁束相当量と二次鎖交磁束相当量推定値の差、前記誘導
電導機のトルク分電流より演算した量を入力し二次巻線
抵抗の推定値を出力し、すべり周波数を演算することを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の誘導電導機制御
装置。 - 【請求項4】二次鎖交磁束は低周波で励振され、補償回
路は、積分器を含み、前記二次鎖交磁束相当量と二次鎖
交磁束相当量推定値の差、前記誘導電導機の励磁分電
流、トルク分電流および二次鎖交磁束推定値より演算し
た量を入力し二次巻線抵抗の推定値を出力し、制御回路
は前記補償回路のゲインを前記誘導電導機の励磁分電流
のみが流れているときは大きくとり、トルク分電流が流
れているときは小さくすることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の誘導電導機制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60199234A JP2560006B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 誘導電動機制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60199234A JP2560006B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 誘導電動機制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6260488A JPS6260488A (ja) | 1987-03-17 |
JP2560006B2 true JP2560006B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=16404386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60199234A Expired - Lifetime JP2560006B2 (ja) | 1985-09-09 | 1985-09-09 | 誘導電動機制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560006B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070285195A1 (en) * | 2006-06-13 | 2007-12-13 | Nehl Thomas W | Direct flux control system for magnetic structures |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6041555B2 (ja) * | 1982-08-17 | 1985-09-17 | 株式会社東芝 | 誘導電動機の制御装置 |
-
1985
- 1985-09-09 JP JP60199234A patent/JP2560006B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6260488A (ja) | 1987-03-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |