JP3287147B2 - 誘導電動機の制御方法 - Google Patents

誘導電動機の制御方法

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JP3287147B2 JP28944394A JP28944394A JP3287147B2 JP 3287147 B2 JP3287147 B2 JP 3287147B2 JP 28944394 A JP28944394 A JP 28944394A JP 28944394 A JP28944394 A JP 28944394A JP 3287147 B2 JP3287147 B2 JP 3287147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ等の電力変
換器により誘導電動機を制御する装置であって、特に極
低速度領域から速度及びトルクの高精度制御が行える誘
導電動機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、鉄鋼圧延機駆動やFA用サーボド
ライブ等に広く用いられている、すべり周波数制御形ベ
クトル制御法は、すべり周波数の指令値と実回転速度の
和に応じて、インバータ出力周波数を制御する方式のた
め、電動機取付けの速度センサが必須であり、適用にあ
たってはそれだけ制約を受ける。このため、速度センサ
を用いない高精度速度制御法がいくつか発表されている
(例えば、平成3年電気学会全国大会、シンポジウム
S.9「誘導機速度センサレスベクトル制御適用の現状
と課題」)。しかし、いずれの方法も、電動機の回転に
伴う誘導起電力に基づいて回転速度を推定するため、回
転速度が零に近く、起電力が微小となる範囲では、一次
抵抗降下の影響により速度推定精度が劣化し、そのため
速度およびトルクの制御精度が不足する問題がある。
【0003】また、すべり周波数制御形ベクトル制御法
(速度センサ付)では、すべり周波数指令値の演算に用
いる電動機二次抵抗値が実際値に一致しない場合には、
トルクに応じて電動機磁束が変動したり、あるいはトル
ク制御遅れを生じる等の不具合が発生する。これは二次
抵抗値の変動に起因するベクトル制御の問題としてよく
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】速度センサなし速度制
御において、一次抵抗降下の影響をなくす方法として
は、電動機内部にサーチコイルを備える方法や、電動機
電圧,電流の第3次調波成分を検出する方法、あるい
は電動機のスロット高調波電圧を検出する方法がある。
しかし、いずれの方法も、電動機の回転に伴う一次鎖交
磁束の変化による起電力を検出する点で、前述の速度セ
ンサレスベクトル制御法と同様であり、零速度近くでは
起電力が小さく、検出電圧に含まれるノイズ(インバー
タからの高調波リプル等)に対するS/N比が低下する
ため、同様に高精度制御が難しい。また、いずれの方法
も、電動機構造が特殊化することが難点である。
【0005】一方、速度センサ付ベクトル制御における
二次抵抗変動の問題に対しては、電動機の誘導起電力を
検出し、その変動に基づいて演算用二次抵抗値を修正す
る方法や、電動機内部に温度計を設置し、その温度検出
値から二次抵抗値を推定し、これを演算用二次抵抗値に
用いる方法があるが、前者では零速度付近の誘導起電力
が小さい範囲において、前述と同様、一次抵抗降下の影
響から、正確な修正が困難となること、また後者では電
動機構造が複雑になることが難点である。
【0006】本発明の目的は、上述の問題を解決し、零
速度近傍を含めて高精度な位置,速度及びトルク制御を
可能にする誘導電動機の制御方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、インバータの出力電圧指令値に交流電圧を重畳し、
これに応じて流れる電動機電流成分を検出し、重畳した
該交流電圧と検出した電流から電動機巻線の漏れインダ
クタンスを計測する。巻線に対する電動機磁束の位置関
係および磁束の大きさにより、インダクタンス値が変化
する現象に基づいて、インダクタンス値より磁束の大き
さを推定し、この推定磁束に応じてインバータ出力電圧
の振幅,位相,周波数の少なくとも一つを制御し、電動
機電流の励磁分とトルク分(二次電流相当)を制御する
ようにしたものである。
【0008】
【作用】電動機内部には電動機電圧/電流に応じて磁束
が生じる。このため、磁束が通過する鉄心部分は磁気飽
和を起こす(飽和度が高い)。一次巻線が収納されるテ
ィース部分についても同様であって、磁束の方向に位置
する部分は飽和度が高い。一次巻線の漏れインダクタン
スは、このティース部の磁気飽和の影響を受け変化す
る。そこで、前述のようにして、電動機電圧に基本波成
分とは別の交流電圧を重畳し、これにより流れる電流と
前記交流電圧の関係から、巻線のインダクタンスを計測
し、このインダクタンスの変化から磁束を推定する。こ
の推定磁束に応じてインバータ出力電圧/電流を制御
し、電動機のトルクと磁束の非干渉制御(ベクトル制
御)を行う。
【0009】この場合、低速回転範囲であっても、ベク
トル制御が確実に行われるため、前述の問題が解決され
る。
【0010】
【実施例】本発明を速度センサなしベクトル制御システ
ムに適用する場合の一実施例について、図1を用いて説
明する。図において、1は電圧指令v1*に比例した電圧
を出力するインバータ、2は誘導電動機、3は電流指令
1d*,i1q*および出力周波数指令ω1*に基づいて、電
圧指令v1d*,v1q*を出力する電圧指令演算器、4はv
1d*,v1q*から三相電圧指令v1*を演算する座標変換
器、5はv1*をパルス幅変調信号に変換し、インバータ
出力電圧をPWM制御するPWM信号発生器、6は電動
機電流を検出する電流検出器、7は電動機電流を回転磁
界座標に変換し、励磁電流i1dとトルク電流i1qを検出
する電流成分検出器、8はトルク電流指令i1q* とi1q
の差に応じて、周波数指令ω1*を出力する電流調節器、
9は励磁電流指令i1d*とi1dの差に応じた出力をv1d*
に加算する電流調節器、10はω1*を積分し、位相基準
信号θ*を出力する位相演算器、11は速度指令ωr* を
出力する速度指令回路、12はすべり周波数ωs を推定
するすべり周波数演算器、13はωr*と速度推定値ωr
^の差に応じてi1q*を出力し速度制御を行う速度調節
器、14はv1d*,v1q*に正弦波信号v1d″,v1q″を
加算し、これに対応するi1dの成分に基づいて、電動機
磁束Φを推定する磁束演算器、15は磁束の設定値Φ2d
*とΦから、v1q*あるいはω1*を修正する際に用いる補
償要素である。
【0011】次に、この制御システムの動作について述
べる。符号14〜18を除く、1〜13の部分の動作に
ついての詳細は、電気学会論文の奥山,藤本、他「誘導
電動機の速度・電圧センサレスベクトル制御法」、電学
論D,107,2,pp191−198(昭62年)に記述されている
ので、ここでは概要を述べる。
【0012】システムは大きく三つの部分に分けられ
る。第1の部分は出力電圧制御部であり、電圧指令演算
器3,座標変換器4、およびパルス幅変調器5で構成さ
れる。図2に電動機電圧v1と電流i1のベクトル図を示
す。ここで、d−q軸は同期速度ω1 で回転する直交座
標である。v1 は図示のように誘導起電力e1′ と、漏
れインピーダンス降下(r11,ω1(l1+l2′)
1)の和で示される。そこで、v1 を制御するに際し
て、その指令値v1d*、v1q*が数1に従い演算される。
【0013】
【数1】
【0014】さらに、座標変換器4において、v1d*,
1q*から三相の電圧指令値v1*が演算される。各相信
号は、互いに120°ずつ位相が異なるのみであるか
ら、u相電圧指令vu*のみを示せば、数2である。
【0015】
【数2】
【0016】さらに、パルス幅変調器5において、v1*
がパルス幅変調信号に変換され、これに応じてインバー
タ1の出力電圧が制御される。このようにして、インバ
ータ出力電圧の基本波成分瞬時値はv1*に比例して制御
され、電動機電圧v1はv1d*,v1q* およびθ* に従っ
て制御される。このとき、数1における漏れインピーダ
ンス降下推定値が実際値と一致しておれば、誘導起電力
の実際値e1′(ベクトル)は、数1で与えた基準値に従
うものとなる。この条件において、e1′の向きはq軸
に一致するが、この時位相基準θ*は、実磁束ベクトル
(e1′に直交)の固定子u相軸からの回転角θと一致
し、θ* は、磁束の回転角θに等価なものとなる。
【0017】第2の部分は、電流制御部であり、電流検
出器6,電流成分検出器7、および二つの電流調節器
8,9から構成される。
【0018】前述のようにe1′ の向きがq軸に一致す
る条件では、電流成分検出器7において、数3に従い演
算されるi1d,i1qはそれぞれ励磁電流i0′ およびト
ルク電流i2′ に一致したものとなる。
【0019】
【数3】
【0020】従って、電流調節器9により、i1dの制御
偏差に応じてv1d*を修正すると、i1d(i0′)はi1d
*に一致するように制御される。また、電動機磁束量Φ
2dはi1d*により制御される。一方、電流調節器8によ
り、i1q の制御偏差に応じてω1*および起電力基準値
1′*(=ω1*(M/L22d*)が制御され、これによ
りi1q(i2′)はi1q*に一致するように制御される。
この時、電動機発生トルクτe は、数4で示され、i1q
*に比例する。
【0021】
【数4】
【0022】第3の部分は速度制御部であり、速度指令
回路11,すべり周波数演算器12、および速度調節器
13から構成される。演算器12において、数5に従
い、すべり周波数の推定値ωs^ が演算される。
【0023】
【数5】
【0024】次に、ω1*からωs^を差し引き速度推定
値ωr^を求め、さらに速度調節器13において速度指
令値ωr*とωr^の差に基づいて、i1q*が演算される。
そして前述のようにしてi1q* に従い、i1qおよびトル
クτe が制御される結果、ωr^がωr*に一致するよう
に速度制御が行われる。
【0025】以上が、速度センサなしベクトル制御の基
本動作である。ところで、運転周波数が1Hz以上の範
囲では、前述の動作に従い十分な精度で速度制御が行え
る。しかし、1Hz以下の低周波数範囲では、回転速度
およびトルクの制御精度が劣化する。
【0026】この問題は、電動機一次抵抗r1 の変動が
主原因と考えられる。すなわち、電動機の温度変化によ
り、r1 が変動すると、数1で用いた一次抵抗降下の推
定値(r1*i1*)と実際の一次抵抗降下(r11)は一
致しなくなる。このとき、電動機磁束Φの実際値はその
設定値Φ2d* と異なる値になり、Φの向きはd軸と一致
しなくなる。周波数が低く、起電力e1′ が微小となる
条件では、電圧v1 に占める一次抵抗降下の割合が増加
するため、この傾向が顕著となる。このようにして、低
周波数運転では、一次抵抗変動(一次抵抗降下の推定誤
差)により、電動機磁束が設定値と異なる値を持つよう
になる。このときベクトル制御が不完全となり、トルク
τe はi1q* に比例しなくなる。また、トルク(i1q
に関係して磁束Φが変動するようになるため、数5に従
い演算されるωs^ にも推定誤差を生じ、この結果、ω
r^ にも誤差を生じる。以上により、速度とトルクの制
御精度が劣化する。
【0027】以上の問題は、速度センサなしベクトル制
御に共通しており、対策法として前述したように種々の
方法が提案されているが、抜本的方法はないのが現状で
ある。本発明はこれらの問題を磁束演算器14等を付加
して解決するものである。
【0028】図3は、磁束演算器14の演算内容の構成
図である。図において、31は二相正弦波信号(sinω
t,cosωt)を出力する信号発生器、32は信号(sin
ωt)を入力し、モード1,2,3に応じて(1/√2)s
inωt,(1/√2)sinωt,sinωt の各信号を出力
するスイッチ回路、33はモード1,2,3に応じて
(1/√2)sinωt,−(1/√2)sinωt,0の各信号
を出力するスイッチ回路、34,35は電流i1dと信号
sinωt,cosωtをそれぞれ乗算する乗算器、36,3
7は乗算器34,35の出力を積分する積分器、38は
積分器36,37の出力値に基づいて各モードにおける
インダクタンス値Lσ1,Lσ2,Lσ3を計測するイン
ダクタンス演算器、39は各Lσに基づいて電動機磁束
を演算する演算器、40はモード1,2,3に応じて√
2i1d,√2i1d,i1dを出力するスイッチ回路であ
る。
【0029】次に、演算内容について述べる。先ず、基
本となる磁束の大きさΦの推定原理について述べる。図
4は誘導電動機のモデルを示す。磁束Φが電動機内部で
図示の方向に存在すると仮定すると、Φ方向に位置する
鉄心部は磁気飽和を起こす(飽和度が高い)。一次巻線
が収納されるティース部についても同様であって、Φ方
向に位置する部分は飽和度が高い。一次巻線の漏れイン
ダクタンスはこのティース部の磁気飽和の影響により変
化する。例えば、図示のように、Φ方向に位置する巻線
Aの漏れインダクタンスはΦ方向に直交な巻線Bのそれ
より減少する。
【0030】図5はこの漏れインダクタンスの実測結果
であり、各巻線の漏れインダクタンス値の、励磁電流
(磁束量)に対する変化を示す。図のように、定格励磁
電流(3A)近傍では、磁束と巻線の位置関係により、
インダクタンス値が大幅に変化することが実験で確認さ
れた。
【0031】このことから、測定する位置(位相)を変
えて数個所のインダクタンス値を検出し、それらの値の
差から、逆に磁束の大きさ、あるいは位置(方向)を推
定できる。推定した磁束に応じて、インバータの出力電
圧/電流を制御することにより、前述した一次抵抗変化
の影響を受けずに高精度にベクトル制御を行うことがで
きる。以上が磁束推定の基本原理である。
【0032】次に、磁束推定の際に用いるインダクタン
スLσ の計測原理について述べる。いま、電動機に基
本波と異なる周波数の正弦波電圧v(=sinωt)を印加
し、これにより流れる交流電流iを観測する。vの角周
波数ωが電動機の二次時定数T2 の逆数より十分高い条
件では、巻線の交流電流/印加電圧の伝達関数は一次遅
れ系で近似できるため、iは数6で示される。
【0033】
【数6】
【0034】一方、検出したiをvを基準にフーリエ変
換し、vに同期な成分および90°位相差成分を求め、
それぞれが数6の右辺第1項、および第2項に等しいと
おいてLσは数7より求められ、すなわち、vおよびi
に基づいてLσを計測できる。
【0035】
【数7】
【0036】次に、磁束推定の基本原理、および演算器
14の動作について述べる。いま、図6に示すように、
磁束Φの方向と、前記交流電圧vを印加する巻線Cの起
磁力方向とのなす角をφとおく。Lσは、φがπ/2,
3π/2において最小、0,πにおいて最大となること
から、Lσは2φを関数として、変化する。そこで、L
σを数8のようにおくことができる。
【0037】
【数8】 Lσ=Lσm(1+acos2φ) …(数8) ここに、Lσm:Lσの平均値、a:Lσの変化幅 ここで、φ=φ1+π/4、およびφ=φ1−π/4の各
巻線に順に交流電圧を印加し、前述のようにしてLσ
を測定する。各Lσ をLσ1,Lσ2とすれば、
【0038】
【数9】 Lσ1=Lσm(1−asin2φ1) …(数9)
【0039】
【数10】 Lσ2=Lσm(1+asin2φ1) …(数10) 数9,数10より
【0040】
【数11】
【0041】すなわち、φ=φ1+π/4、およびφ=
φ1−π/4の2点測定により、Lσの平均値Lσmを求
めることができる。Lσmは、磁束の大きさに応じて変
化するので、この値から逆に磁束の大きさを推定するこ
とができる。
【0042】さらに、φ=φ1 の巻線に交流電圧を印加
し、Lσ3を測定すれば、
【0043】
【数12】 Lσ3=Lσm(1+acos2φ1) …(数12) 数9,数12より、
【0044】
【数13】
【0045】
【数14】
【0046】すなわち、φ=φ1+π/4,φ1−π/
4,φ1 の3点測定により、φ1 ならびに変化幅aを求
めることができる。φ1 を求めることで、磁束の位置が
推定できる。また変化幅aは磁束の大きさに依存すると
考えられるため、Φを推定することができる。
【0047】次に、Lσm あるいはaの値から磁束の大
きさΦを求める2つの方法について説明する。一つはΦ
とLσm(あるいはa)の関係を関数化し、必要な係数を
運転前に予め求める方法である。例えば、数15のよう
にΦとLσm の関係を近似し、必要となる係数Km を予
め測定しておき、通常の運転時には、得られたLσm
対して数15のような近似式よりΦを演算して求める。
【0048】
【数15】
【0049】もう一つの方法は、運転前に条件を変えて
細かく測定を行い、各動作条件におけるLσm とΦの関
係をテーブル化しておき、運転時にこのテーブルからΦ
の値を求めるものである。データ数は増えるが、高精度
なものが期待できる。データ数を増やさないためには、
数15のような関数と、テーブルの組合せにより、Φを
求めてもよい。また、aがΦに対して強い依存性を示す
場合には、関数やテーブルをaに関するものにしてΦを
求めても良い。あるいはLσm ,aの両方を用いること
もできる。
【0050】上述の推定原理に基づいて演算器14は動
作する。以下、図3および図7のベクトル図を用いて動
作を説明する。ベクトル制御を行うには、磁束Φの大き
さ,方向が設定値Φ2d* に一致することが理想である
が、ここでは一致しない場合を想定し角度差φ1 を仮定
する。以下、モード1,2,3の各場合について順に述
べる。
【0051】[モード1]正弦波信号((1/√2)sin
ωt)が、スイッチ回路32を介してv1d″として、v
1d*に加算され、また、スイッチ回路33を介して
1q″として、v1q*に加算される。この状態は、図7
のベクトル図においてモード1の方向(d軸に対して4
5°)に起磁力の向きを持つ巻線に交番電圧vを印加し
たことに相当する。この時、この方向に交番起磁力が生
じ、交番電流iが流れる。iはd軸上から観測しても位
相は変化しないから、iはi1dから検出できる。そこ
で、乗算器34,35,積分器36,37、およびイン
ダクタンス演算器38を用いて、i1dと信号(sinω
t,cosωt)に基づいて、数7の演算を行い、Lσ1
求められる。Lσ1は、演算器38に記憶される。
【0052】[モード2]信号((1/√2)sinωt)
をスイッチ回路32を介してv1d″として、また、スイ
ッチ回路33を介してその極性反転信号(−(1/√
2)sinωt)をv1q″として、各電圧指令値に加算す
る。この状態では、図7のモード2の方向にvが印加さ
れることとなり、同方向に交番電流iが流れる。iは前
述と同様に、i1dから検出できるため、モード1と同じ
演算を行うことにより、Lσ2 が求められる。Lσ2
同様に記憶される。
【0053】[モード3]信号(sinωt)をv1d″と
し、また、v1q″=0 として、各電圧指令値に加算す
る。この状態では、図7のモード3の方向(d軸)にv
が印加されることとなり、同方向(d軸)に交番電流i
が流れる。iはそのままi1dとして検出でき、前述と同
様に、Lσ3が求められ、記憶される。
【0054】以上のようにして計測されたLσ1
σ2,Lσ3 に基づいて、演算器39において、数1
1の演算、あるいは数13,数14の演算を行い、Φの
推定、あるいはd軸に対する磁束位置角φ1 が推定され
る。
【0055】磁束の位置を検出するため、3つのモード
によるLσの測定方法を示したが、磁束Φの大きさに関
係した値Lσm だけを求める場合には、数11に示した
ようにモード1,モード2の二つのモードのみの測定で
算出できる。
【0056】次に、本発明を適用した速度センサなしベ
クトル制御システム全体の動作について、図1を用いて
説明する。システムの基本動作については、先述した通
りである。ベクトル制御の高精度化のため、本発明では
磁束演算器14が付加されている。演算器14からの交
流信号v1d″,v1q″は、運転中において常時v1d*,
1q* に加算されており、これにより、電流i1dには、
1d″,v1q″に関係した電流成分が含まれる。i1d
は元来電動機電流の基本波成分に関係した直流成分が含
まれるが、数7のLσの演算においてはこの影響は消去
される。従って、Φは、電動機の運転状態とは無関係に
計測される。
【0057】演算器14からは、磁束の大きさΦが出力
される。Φはすべり周波数演算器12、および補償要素
15へ入力される。すべり周波数演算器12では、Φを
用いてすべり周波数の演算を行う。このため、従来のよ
うな設定値Φ2d* を用いた演算に比べ、ωs^の推定精
度が改善し、同時にωr^の推定精度も改善される。ま
た、Φの変動に伴う電動機のトルク変動を補償するた
め、補償要素15を介してv1q*あるいはω1*を修正す
る。補償要素15の出力16は、ΔΦ(=Φ2d*−Φ)
に応じた信号を直接v1q* に加えて、一次抵抗降下の変
動分を修正する。また、出力17は、v1q* の代りにω
1*を修正するものであり、この場合、電流調節器8によ
りi1q=i1q*となるようにv1q*が制御され、またΦ=
Φ2d* となるようにω1*が修正され、トルク変動分が補
償される。いずれの補償法も、磁束の変動分ΔΦに基づ
いてv1q* が補償され、図2のベクトル関係を保つよう
に制御される。
【0058】その他の補償法としては、ΔΦを用いて励
磁電流指令i1d* を修正し、磁束をΦ2d* になるように
制御する方法も考えられる。この場合、過渡時において
は、電圧,電流のベクトル関係を図2のように維持でき
ないが、定常的には磁束を一定に制御することができ
る。
【0059】このようにして、一次抵抗降下の影響が大
きくなり、ΦとΦ2d* が一致しなくなるような場合で
も、適切な補償要素を介してv1q*,ω1*あるいはi1d*
を修正することで両者を一致させることができ、高精度
なベクトル制御を維持することができる。
【0060】以上の結果、前述したような低速回転範囲
における速度とトルクの精度劣化の問題が解消される。
【0061】図8に本発明の他の実施例を示す。インバ
ータの出力電流瞬時値i1 を正弦波電流指令i1*へ追従
させる交流電流制御系を備えた速度センサなしベクトル
制御システムに、本発明を適用した例である。
【0062】図において、81は正弦波電流指令i1*に
比例した電流i1 を出力するインバータ、82は誘導電
動機、83は電流指令i1d*,i1q*、および位相基準θ
* に基づいて三相電流指令i1*を演算する座標変換器、
84はi1*とi1 の差を入力し、電圧指令v1*を出力す
る交流電流調節器、85はv1*をパルス幅変調信号に変
換し、インバータ出力電圧をPWM制御するPWM信号
発生器、86は電動機電流を検出する電流検出器、87
は電動機電圧の検出値v1 、あるいはその指令値v1*を
積分して求めた磁束を位相基準としてi1 を回転磁界座
標に変換し、トルク電流i1qを検出する電流成分検出
器、88はトルク電流の指令値i1q* と検出値i1qの差
に応じて速度推定値ωr^を出力する電流調節器、89
はi1q*に基づいてすべり周波数推定値ωs^を演算する
すべり周波数演算器、90はωr^とωs^を加算して求
めた周波数指令ω1*を積分し、位相基準信号θ*を出力
する位相演算器、91は速度指令ωr*を出力する速度指
令回路、92はωr*とωr^ の差に応じてi1q* を出力
し、速度制御を行う速度調節器、93は電動機電圧の検
出値v1 あるいはその指令値v1*を、θ* を基準に回転
磁界座標に変換し、d軸電圧v1dを検出する電圧成分検
出器、94はi1d*,i1q*に正弦波信号i1d″,i1q
を加算し、これにより生じるv1dの成分に基づいて磁束
の大きさΦを推定する磁束演算器、95はΦを用いてi
1q* を修正する際に用いる補償要素である。
【0063】次にこの制御システムの基本動作について
述べる。このシステムについても大きく三つの部分に分
けられる。第1の部分は出力電流制御部であり、座標変
換器83,電流調節器84,パルス幅変調器85、およ
び電流検出器86で構成される。座標変換器83におい
て、d−q軸の電流指令値i1d*,i1q*から三相の電流
指令値i1*が演算される。各相指令値は、互いに120
度ずつ位相が異なるのみであるから、u相電流指令値i
u*のみを示せば、数16である。
【0064】
【数16】
【0065】電流調節器84において、i1*,i1 の差
に応じてv1*が演算される。さらに、PWM変調器85
において、v1*がパルス幅変調信号に変換され、これに
応じてインバータ1の出力電圧v1 が制御されるため、
1 はi1*に比例して制御される。この結果、i1 はi
1d*,i1q*、およびθ*に従い制御される。
【0066】第2の部分は、速度推定部であり、電流成
分検出器87,電流調節器88,すべり周波数演算器8
9,位相演算器90から構成される。電流成分検出器8
7において、先ず、電流検出で用いる電動機磁束Φが数
17に従い計算される。
【0067】
【数17】
【0068】Φを振幅値|Φ|で割算し、振幅が一定で
正弦波の、磁束位相信号(sinθ,cosθ)が演算され
る。該信号を基準に数3(θ* をθに置換)に従い、i
1q が演算される。電流調節器88では、i1q*とi1q
差に基づいてωr^が演算される。すなわち、前述のよ
うにi1d*,i1q*に従いi1 が制御される条件下では、
1qとi1q* の差は、後述のθ* が磁束位相θと一致し
ないことが原因であり、これを修正するように電流調節
器88によりω1*が制御される。この結果、θ*=θが
成立し、ベクトル制御が正しく行われる。ベクトル制御
では電動機磁束Φ2dはトルク変化の影響を受けることな
く所定値Φ2d* に保たれるため、すべり周波数推定器8
9において数5(i1qをi1q*に置換)に従いωs^が正
しく推定される。また、ωr^(=ω1*−ωs^)につい
ても正しく推定される。尚、前記θ* は位相演算器90
においてω1*を積分して求められ、座標変換器83およ
び電圧成分検出器93の位相基準に用いられる。
【0069】第3の部分は、速度制御部であり、速度指
令回路91、および速度調節器92から構成される。速
度指令値ωr*とωr^ の差に基づき速度調節器92にお
いてi1q*が演算され、i1q*に従いトルクτeが数4に
従い制御されるため、ωr^がωr*に一致するように速
度制御が行われる。
【0070】以上が本速度センサなしベクトル制御の基
本動作である。しかし、このものにおいても、一次抵抗
の変動により、特に低周波数運転において制御精度が劣
化する。これは電流成分検出器87において磁束Φを演
算する際、数17が示すように電動機定数(r1
σ)が実際の値と一致しない場合にはΦに誤差を生じ
るためである。磁束の推定誤差によりi1qにも検出誤差
を生じ、θ* =θが成立せず、ベクトル制御が不完全と
なる。このようにして、先の実施例と同様に速度とトル
クの制御精度が劣化する。
【0071】そこで本実施例では、電圧成分検出器9
3、および磁束演算器94を付加し、この問題を解決す
る。図9に磁束演算器94の演算内容の概要を示す。図
において、101は二相正弦波信号(sinωt,cosωt)
を出力する信号発生器、102は信号sinωtを入力
し、モード1,2,3に応じて(1/√2)sinωt,
(1/√2)sinωt,sinωtの各信号を出力するスイ
ッチ回路、103はモード1,2,3に応じて、(1/
√2)sinωt,−(1/√2)sinωt,0の各信号を
出力するスイッチ回路、104は電圧v1dと信号(cosω
t)を乗算する乗算器、105は乗算器104の出力を
積分する積分器、106は積分器105の出力値に基づ
いて各モードにおけるインダクタンス値Lσ1,Lσ2
σ3 を計測するインダクタンス演算器、107は各L
σに基づいて電動機磁束Φを演算する演算器である。
【0072】次に、磁束演算の原理、および内容につい
て説明する。この基本概念は先述のものと変わらない。
また、演算器107の演算内容も図3の演算器39と同
一であるので、Lσ1,Lσ2,Lσ3を求めるまでの内
容について述べる。
【0073】今、電動機に基本波と異なる周波数の正弦
波電流i(=sinωt)を流し、これより発生する交流電
圧vを観測する。iの角周波数ωが二次時定数T2 の逆
数より、十分高い条件では、v/iの伝達関数は一次進
み系で近似できるため、vは数18で示される。
【0074】
【数18】 v=(Rσ+jωLσ)i …(数18) 一方、検出したvをiを基準にフーリエ変換し、iに同
相な成分、および90°位相差成分を求め、それぞれが数
18の右辺第1項、および第2項に等しいとおいて、L
σを求めると、数19である。
【0075】
【数19】
【0076】ここで、|i|は電流の大きさであり、予
め設定される量である。
【0077】以上のように、先の実施例との違いは、先
のものでは交流電圧vを巻線に印加し、これにより流れ
る電流iからLσを計測したのに対し、本実施例では交
流電流iを巻線に流し、これより発生する電圧vから計
測するところにある。これ以降の演算、すなわち、φ=
φ1+π/4,φ1−π/4,φ1 の3巻線に順にiを流
し、それぞれのvからLσ1,Lσ2,Lσ3 を計測し、
Φを演算する内容については先の実施例と同様である。
すなわち、図9において、スイッチ回路102,103
により、前述のように各モード毎に決定されたi1d″,
1q″がi1d*,i1q* に加算されて、電動機電流i1
に前述の正弦波電流iが重畳される。この結果、各モー
ドにおいて図7に示すモード1,2,3の方向に交番電
流iが流れ、これに応じて各方向に交番電圧vが発生す
る。vはd軸上では同位相の量として観測されるため、
vはd軸電圧v1dから検出可能である。v1dは数20に
従い演算検出される。
【0078】
【数20】
【0079】乗算器104,積分器105およびインダ
クタンス演算器106において、v1dと信号(cosω
t)に基づいて、数18の演算を行い、順次Lσ1,L
σ2,Lσ3 を求めることができる。そして、該各Lσ
に基づいて、演算器107においてΦが演算される。こ
の内容については、図3の演算器38と同一であるの
で、説明を省略する。
【0080】次に、図8に示すシステム全体の動作につ
いて説明する。システムの基本動作は先述した通りであ
る。電動機定数の変動による精度劣化を解決するため、
磁束演算器94が付加されているが、その出力演算値Φ
は、電動機の運転状態とは無関係に計測される。Φは、
すべり周波数演算器89においてωs^ の演算に用いら
れ、この結果ωs^,ωr^の推定精度が改善される。
【0081】この実施例における一次抵抗の変動は、電
流成分検出器87での磁束演算に演算誤差を生じさせ
る。この結果、i1qが検出誤差を含むため、それを補償
する必要がある。補償方法としては、図8のように、Δ
Φ(=Φ2d*−Φ)を補償要素95を介してi1q* に加
え、i1qを修正する方法と、ΔΦに応じて電流成分検出
器87の磁束演算器(磁束位相)に修正を加える方法が
考えられる。この場合、i1q* の極性を考慮して補償す
る必要がある。
【0082】また、ΔΦに応じて励磁電流指令i1d* を
修正する補償法も考えられる。この場合、定常的にΦ2d
* とΦを一致させることができるが、過渡時には両者を
一致させることはできない。しかし、電動機が無負荷近
傍で運転されている場合は、励磁電流指令i1d* を修正
する方が、安定性が増す。
【0083】以上より、一次抵抗変動によりΦ2d*≠Φ
となる場合でも、Φを用いて適切な補償を加えることに
よりΦ2d*=Φ とすることができ、ベクトル制御を高精
度に行うことができる。すなわち、本実施例において
も、先の実施例と同様に、零速度を含む全範囲で速度と
トルクの高精度制御を行うことができる。
【0084】次に本発明のもう一つの目的である速度セ
ンサ付ベクトル制御における二次抵抗変動の補償法につ
いて、特に零速度を含め補償が可能であり、電動機取付
けの温度センサが不要な方法について述べる。
【0085】図10は本発明適用の他の実施例である電
圧制御形ベクトル制御システムを示す。図において、
1,2,4〜7,11は図1に示す同一番号のものと同
一物であるので説明を省略する。121は、磁束の大き
さΦを計算する磁束演算器、122,123は電流偏差
1d*−i1dおよびi1q*−i1qのおのおのに応じた値を
出力する電流調節器、124は電動機の回転速度ωr
検出する速度検出器、125はωr*とωr の差に応じて
1q* を出力し速度制御を行う速度調節器、126は電
流指令i1d*,i1q*および角周波数ω1 に基づいて電圧
指令v1d* ,v1q*の誘導起電力成分を演算する非干渉
制御器、127はi1q*に係数を乗算してすべり周波数
指令ωs*を出力する、すべり周波数演算器、128は前
記係数として用いる二次抵抗値r2*を設定する二次抵抗
設定器、129はΔΦに応じた信号を128の出力に加
算し、r2*を修正する際に用いる補償要素、130はΔ
Φを用いてω1*を修正する際に用いる補償要素である。
【0086】次にこの制御システムの動作を述べる。シ
ステムは大別して4つの部分に分けられる。第一の部分
は出力電圧制御部であり、非干渉制御器126,座標変
換器4およびパルス幅変調器5で構成される。
【0087】非干渉制御器126において、数21に従
い、電動機電圧の誘導起電力成分e1d*,e1q*が演算さ
れる。
【0088】
【数21】
【0089】e1d*,e1q*に電流調節器122,123
の出力が加算され、電圧指令v1d*,v1q* が演算され
る。座標変換器4およびパルス幅変調器5により、図1
の実施例と同様にして、インバータ出力電圧v1 が制御
される。
【0090】第2の部分は電流制御部であり、電流検出
器6,電流成分検出器7および二つの電流制御器12
2,123から構成される。電流成分検出器7において
図1の実施例と同様にして電流成分i1d,i1qが検出さ
れる。電流調整器122,123により、i1d,i1q
各制御偏差に応じてv1d*,v1q*が修正されるため、i
1dはi1d*に、i1qはi1q*に一致するように制御され
る。この時、電動機発生トルクτe は前記数4で示さ
れ、i1q* に比例して制御される。
【0091】第3の部分は速度制御部であり、速度指令
回路11,速度検出器124および速度調節器125か
ら構成される。速度偏差ωr*−ωrに応じてi1q*が演算
され、前述のようにi1q* に比例してトルクτe が制御
されるため、ωr はωr*に一致するように速度制御が行
われる。
【0092】第4の部分はすべり周波数制御部であり、
すべり周波数演算器127,二次抵抗設定器128で構
成される。演算器126において数22に従いすべり周
波数指令ωs*が演算される。
【0093】
【数22】
【0094】次にωr とωs*を加算しω1 を求め、さら
に位相演算器10においてω1 を積分してθが求められ
る。
【0095】以上が速度センサ付ベクトル制御の基本動
作である。ところで、すべり周波数ωs*は、数22に示
したように二次抵抗設定値r2*を用いて演算しているた
め、電動機二次巻線の温度変化により二次抵抗が変動す
ると、ωs*が誤差を含み、磁束、およびトルクを指令値
(i1d*,i1q*)に従い制御することができず、高精度
制御が行えない。
【0096】そこで本実施例では、磁束演算器121を
付加し、この問題を解決する。すなわち、図1の実施例
と同様に磁束演算器を用いて磁束Φを演算し、ΔΦ(=
Φ2d*−Φ)を用いて二次抵抗の変動分を修正する。具
体的には、補償要素129を介してr2*の設定値を修正
し、すべり周波数を補正するか、あるいは補償要素130
を介して直接ω1 を修正する。この結果、ωs*は正しく
設定され、磁束、およびトルクを指令値に従い高精度に
制御することができる。
【0097】図11は本発明の他の実施例を示すベクト
ル制御システムの構成図である。インバータの出力瞬時
値i1 をフィードバック制御する交流電流制御系を備え
たベクトル制御システムにおいて二次抵抗変動補償を行
うために本発明を適用した例である。図において、81
〜86,90,91,93,94は図8に示す同一番号
のものと同一物であるので説明を省略する。また、12
4,125,127〜130は図10に示す同一番号の
ものと同一物であるので説明を省略する。
【0098】次に、この制御システムの動作について述
べる。電流制御については、図1のそれに、速度制御に
ついては図10のそれに同じである。また、磁束演算に
ついては図8のそれに同じであるので、概要について述
べる。
【0099】トルク電流指令値i1q*と励磁電流指令値
1d*に基づいて、座標変換器83において演算された
交流電流指令値i1*に従い、インバータ81の出力電流
1 が制御される。また、回転速度ωr とすべり周波数
指令値ωs*の加算値ω1*によりインバータ出力周波数が
制御される。すべり周波数は前述の数22に従い制御さ
れるが、二次抵抗値r2 が変動すると磁束位相がθに一
致しなくなり、高精度制御が行えない。そこで磁束位置
演算器94を付加し、前述と同様にして磁束Φを求め、
ΔΦを補償要素129を介してr2*を修正する、あるい
はΔΦを補償要素130を介してω1*を修正する。これ
により前記実施例と同様に、高精度制御が行える。
【0100】以上より、二次抵抗変動により、磁束位置
と座標軸にずれが生じる場合でも、磁束位置を座標軸に
一致させることができ、特に従来では困難であった零速
度付近での補償を行うことができる。
【0101】なお、図10と図11に示した実施例で
は、磁束演算器を運転中において常時動作させ、二次抵
抗変動補償を行うようにしているが、高速回転範囲では
従来の補償法、例えば誘導起電力あるいは電動機磁束の
変動に基づいてすべり周波数を修正する方法を用いて
も、十分な補償精度が得られるため、高速回転範囲では
磁束演算器の動作を休止させ、従来通りの補償を行うよ
うにしても、当然ながら図10と図11に示した実施例
と同じ効果が得られる。
【0102】また、これまでの実施例では、磁束演算を
回転座標であるd−q軸上で行っているが、固定座標で
あるα−β軸上で行っても全く同様な効果が得られる。
【0103】以上のように本発明によれば、零速度近傍
を含む全速度範囲で高精度速度制御が行える速度センサ
なしベクトル制御システムおよび零速度近傍を含む全速
度範囲で電動機定数(二次抵抗)変動補償が行える(速
度センサ付)ベクトル制御システムを提供することがで
きる。
【0104】次に、本発明の磁束位置演算法ならびにそ
れを用いた電動機制御法を各種システムに適用した場合
の実施例について説明する。
【0105】本発明による誘導機の磁束演算は、基本的
には図12、並びに図13に示す装置により実現でき
る。図12において、150はベクトル制御装置(速度
センサなし、あるいは速度センサ付)やV/F制御装置
のような誘導機に加わる最終的な指令電圧を出力する指
令値発生器、151は電圧指令に応じた電圧を出力する
インバータやリニアアンプなどの励磁器、152は誘導
機の一次電流検出用の電流センサ、153は誘導電動
機、154は同定電圧vh*を発生し、そのvh*と誘導機
一次電流から磁束Φを演算する磁束演算器、1541は
誘導機一次電流から同定電圧の周波数と同一の電流成分
h のみを抽出するフィルタなどの信号抽出器、154
2はvh*とih から誘導機の磁束Φを演算する磁束演算
器である。
【0106】同様に図13において、160はベクトル
制御装置(速度センサなし、あるいは速度センサ付)や
すべり周波数制御装置のような誘導機に加わる最終的な
指令電流を出力する指令値発生器、161は電流指令に
応じた電流を出力するインバータやリニアアンプなどの
励磁器、162は誘導機の一次電圧検出用の電圧セン
サ、153は誘導電動機、163は同定電流ih*を発生
し、そのih*と誘導機一次電流から磁束Φを演算する磁
束演算器、1631は誘導機一次電圧から同定電流の周
波数と同一の電圧成分vh のみを抽出するフィルタなど
の信号抽出器、1632はih*とvh から誘導機の磁束
Φを演算する磁束演算器である。
【0107】図12あるいは図13を用いて、これまで
述べた計算法により、電動機内部の磁束Φを求めること
ができる。また、図12と図13を組み合わせ、電流セ
ンサと電圧センサの両方を備えて、それらの値から磁束
位置の演算を行うことも可能であり、むしろその方が精
度的に優れたものになる。図12と図13の1541と
1542,1631と1632は、数7から数14に代
表される磁束演算アルゴリズムを実現する装置である。
【0108】図14は、磁束演算器を導入したACサー
ボシステムの実施例である。このシステムを用いること
により、始動時,低速時における制御応答が改善され
る。図14において、170は位置指令p* を発生する
位置指令発生器、171は実際の位置pと位置指令p*
より速度指令値を演算する位置制御器、172は位置制
御器171の出力である速度指令と、磁束演算器からの
磁束情報Φ(あるいはΦに関係した値)を用いてインバ
ータへの指令電圧を計算する速度制御器、173は入力
指令電圧v1*に従って電圧を誘導機に印加するインバー
タ、174は誘導機により駆動される機械系システム
(制御対象)、175は制御目的の位置を検出する位置
センサである。また、152,153,154は図12
に従う。
【0109】誘導電動機のサーボシステムは、スピンド
ル駆動用などに用いられている。このものでは高速回転
のため、機械強度上から電動機の速度センサ取付けが問
題となる。このため、速度センサの不要化が望まれてい
る。スピンドル駆動では、低速度域から十分なトルクが
要求されるが、図14に示すサーボシステムを用いれ
ば、速度センサなしでこれに応じることができ、高応答
な位置制御が実現できる。
【0110】図15は、磁束演算器を導入した圧延機ド
ライブシステムの実施例である。このシステムを用いる
ことにより、速度センサなしで高い圧延精度の実現が可
能となる。図15において、180は電動機の速度指令
ωr*を発生する速度指令発生器、181は電動機速度ω
r 、速度指令ωr*、磁束演算器からの磁束情報Φ(ある
いはΦに関係した値)を用いてインバータへの指令電圧
を計算する速度制御器(ベクトル制御器など)、182
は電動機一次電流から電動機速度を推定する速度演算
器、183は誘導機により駆動される圧延機システムで
ある。また、152,153,154,173は図14に
従う。
【0111】現在、鉄鋼プロセスラインなどには、速度
センサ付ベクトル制御誘導機が多数使用されている。し
かし、電動機の設置場所が埃,振動,熱(温度上昇)な
どを伴うような悪環境の場合が多く、このため電動機取
付けの速度センサは過酷な条件に置かれることとなり、
これに故障が多く発生する。また電動機の設置場所によ
ってはメンテナンスが困難な場合もあり、修復に多大な
時間がかかる。このため、速度センサなしの電動機制御
システムの適用が注目されている。従来では低速度域に
おいて、速度の制御精度が低く、このため、同一ライン
で用いる電動機間にトルクの不均一を生じ、円滑な運転
が行えないという制御性能上の問題があった。
【0112】これに対し本発明による圧延機ドライブシ
ステムによれば、零速度を含む全速度範囲で高精度制御
が行えるため、上述の問題が解決し、速度センサなしに
よるメンテナンスフリー化が実現される。
【0113】図16は、磁束演算器を導入したトルク制
御系の実施例であり、システムとしては電車,電気自動
車などが挙げられる。このシステムを用いることによ
り、高効率化,電動機の小形化が実現できるようにな
る。
【0114】図16において、190は電動機のトルク
電流指令i1q* を発生するトルク電流指令発生器、19
1は実際の電動機トルク電流i1q,トルク電流指令i1q
* ,磁束演算器からの磁束情報Φ(あるいはΦに関係し
た値)を用いてインバータへの指令電圧を計算するトル
ク電流制御器、192は電動機一次電流から電動機トル
クを推定するトルク電流演算器、193は誘導機により
駆動される電車、あるいは電気自動車の駆動系である。
また、152,153,154,173は図14に従
う。
【0115】電車および電気自動車は、始動加速時など
低速運転においても十分なトルクが要求されるが、特に
上り坂発進などでは重力に打ち勝つ必要から、零速度に
おいても十分なトルクが必要とされる。このため従来で
は電動機速度を検出し、これを用いてインバータ出力周
波数を制御する、速度センサ付システムが用いられてい
る。
【0116】しかし電動機の取付け場所の関係から、振
動が多く、速度センサの信頼性に問題があるため、速度
センサの不要化が望まれている。本発明によれば、零速
度を含む全速度範囲で速度センサなしで十分なトルクが
得られることから、高信頼システムを実現することがで
きる。また、低速度領域においても、トルク分電流と実
トルクの間の比例関係が保たれるため、不必要な電流を
流す必要がなく、システムの高効率化,電動機の小形化
が実現できる。
【0117】また、速度センサ付システムの場合でも、
本発明による速度センサレスベクトル制御を速度センサ
の故障時のバックアップとして常備することで、システ
ムの信頼性が向上する。
【0118】図17は、磁束演算器を導入したエレベー
タシステムである。このシステムを用いることにより、
システム構成の簡単化,小形化などが実現できるように
なる。同図において、200はエレベータの位置指令p
* を発生する位置指令発生器、201は実際の位置p、
位置指令p* から速度指令ωr*を計算する位置制御器、
202は電動機速度ωr 、速度指令ωr*からトルク電流
指令i1q* を計算する速度制御器、203はトルク電流
成分i1q、トルク電流指令i1q* からインバータへの指
令電圧を計算するトルク制御器、204は電動機トルク
から電動機速度を推定する速度演算器、205は電動機
一次電流からトルク電流成分i1qを推定するトルク電流
演算器、206は誘導機により駆動されるエレベータシ
ステム、207はエレベータの乗りかご位置を検出する
位置センサである。磁束演算器154からの磁束情報Φ
(あるいはΦに関係した値)は、必要に応じて201か
ら203の制御器に与えられる。また、152,15
3,154,173は「図14」に従う。
【0119】エレベータシステムでは、回転停止の状態
から、重力あるいは静止摩擦力に打ち勝つだけの大きな
始動トルクが要求される。そのため、従来技術を適用し
た場合には低速度域においてトルク不足が生じ、これを
償うように電動機およびインバータには大電流が流れる
ことからこれらが大形化する問題があった。
【0120】本発明によれば、速度センサなしで零速度
を含む全速度範囲で高精度制御が行えることから、シス
テムの構成の簡単化と同時に上述したトルク不足および
これに伴う問題が解消される。
【0121】以上、図12の磁束演算器を導入したいく
つかのシステムについて実施例を示した。図12の代り
に図13の磁束演算器を用い、インバータとして電流制
御形インバータを用いても同様な効果が得られる。
【0122】また、速度センサなしのシステムについて
実施例を示したが、速度センサ付のシステムにおいて
も、電動機磁束情報を利用することで制御精度,応答速
度の改善が期待できる。
【0123】例えば、圧延機ドライブにおける主機ドラ
イブおよびプロセスラインなどには速度センサ付ベクト
ル制御が用いられているが、電動機の温度変化による二
次抵抗変動により、「従来の技術」の項で述べたような
不具合が発生する。トルクに応じた電動機電圧(磁束)
の変動は、インバータ出力電圧の許容最大値を上昇さ
せ、インバータの大形化を招く。また、トルクの制御遅
れは高応答制御を難しくする。本発明による速度センサ
付きベクトル制御システムによれば、上述の問題が解消
し、経済性に優れかつ高応答高性能なシステムが実現さ
れる。
【0124】その他、電車,電気自動車およびACサー
ボシステムには、現状では速度センサ付システムが多く
用いられている。これらのものにも本発明による制御シ
ステムを適用すれば、上述の圧延機ドライブにおけるも
のと同様の効果が得られる。また、本発明は電動機の磁
束とともに抵抗を同時に推定することも可能で、磁束の
変化,抵抗の変化を監視することで、電動機の故障等異
常状態を診断することも可能である。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、誘導電動機の一次抵抗
の影響を受けずに、電動機内の磁束を推定することがで
きるため、電動機磁束を基準としたベクトル制御が可能
となり、零速度近傍を含めて高精度な速度、およびトル
ク制御が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の速度センサなしベクトル制
御装置の構成図である。
【図2】電動機電圧,電流のベクトル図である。
【図3】図1における磁束位置演算器の構成図である。
【図4】誘導電動機のモデルである。
【図5】本発明に係わる漏れインダクタンスの実測結果
である。
【図6】本発明に係わる電動機磁束と巻線の位置関係を
示す図である。
【図7】本発明に係わる漏れインダクタンスの測定モー
ドのベクトル図である。
【図8】本発明の他の実施例の速度センサなしベクトル
制御装置の構成図である。
【図9】図8における磁束位置演算器の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例のベクトル制御装置の構
成図である。
【図11】本発明の他の実施例のベクトル制御装置の構
成図である。
【図12】本発明の磁束位置演算器の構成図である。
【図13】本発明の磁束位置演算器の他の構成図であ
る。
【図14】本発明のACサーボシステムの構成図であ
る。
【図15】本発明の圧延機ドライブシステムの構成図で
ある。
【図16】本発明の電車,電気自動車システムの構成図
である。
【図17】本発明のエレベータシステムの構成図であ
る。
【符号の説明】
1…インバータ、2…誘導電動機、3…電圧指令演算
器、4…座標変換器、5…PWM信号発生器、6…電流
検出器、7…電流成分検出器、8…電流調節器、9…電
流調節器、10…位相演算器、11…速度指令回路、1
2…すべり周波数演算器、13…速度調節器、14…磁
束演算器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−69494(JP,A) 特開 平7−55899(JP,A) 特開 平6−273496(JP,A) 特開 平1−259782(JP,A) 特開 平2−304380(JP,A) 特開 昭62−42075(JP,A) Manfred SCHROEDL, Senserless control of induction moto rs at low speed an d standstill,Proce edings Internation al Conference on E lectrical Machine s,英国,Vol.1,863−867 M.Schroedl,An imp roved podition est imator for sensorl ess controlled per manent magnet sync hronous motors,4th European Conferen ce on Power Electr onics and Applicat ions,イタリア,Vol.3,3− 418−3−423 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 G01R 31/327 - 31/36 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PWM制御した電力変換で駆動される誘
    導電動機の磁束演算方法において、前記電力変換器は、固定子座標軸上で直交するα,β軸
    あるいは回転磁界座標軸上で直交するd,q軸における
    各電圧指令値と周波数指令値とに基づいて交流電力を出
    力するものであって、 ベクトル制御装置の電圧指令演算器の電圧指令に前記電
    力変換の出力電圧の基本波周波数とは異なる周波数の
    交流電圧信号を前記α,β軸あるいはd,q軸における
    各電圧指令値に加算し、 前記交流電圧信号と、電動機電流のα,β軸あるいは
    d,q軸変換値とから、前記交流電圧信号を基準にして
    前記電動機電流をフーリエ変換して前記電動機巻線の漏
    れインダクタンスを算出し、 該漏れインダクタンスの算出をd軸に対して45°の方
    向と、d軸に対して−45°の方向との2方向について
    行い、 該算出した2つの漏れインダクタンスの平均値を求め、
    該インダクタンスの平均値と、予め求めた磁束の大きさ
    と漏れインダクタンスの平均値との関係とから、電動機
    磁束の大きさを求めることを特徴とする誘導電動機の磁
    束演算法。
  2. 【請求項2】PWM制御した電力変換で駆動される誘
    導電動機の磁束演算方法において、前記電力変換器は、固定子座標軸上で直交するα,β軸
    あるいは回転磁界座標軸上で直交するd,q軸における
    各電圧指令値と周波数指令値とに基づいて交流電力を出
    力するものであって、 ベクトル制御装置の電流指令に前記電力変換の出力電
    圧の基本波周波数とは異なる周波数の交流電流信号を
    記α,β軸あるいはd,q軸における各電流指令値に
    算し、 前記交流電流信号と、電動機電圧の電圧のα,β軸ある
    いはd,q軸変換値とから、前記交流電流信号を基準に
    して前記電動機電圧をフーリエ変換して前記電動機巻線
    の漏れインダクタンスを算出し、 該漏れインダクタンスの算出をd軸に対して45°の方
    向と、d軸方向と、d軸に対して−45°の方向との3
    方向について行い、 前記算出した、d軸に対して45°の方向と、d軸に対
    して−45°の方向との2つの漏れインダクタンスの平
    均値を求め、 該インダクタンスの平均値と、d軸に対して45°の方
    向の漏れインダクタンスと、d軸方向の漏れインダクタ
    ンスとから、漏れインダクタンスの変化幅と、磁束の位
    置とを求め、 予め求めた漏れインダクタンスの変化幅と磁束の大きさ
    との関係、もしくは予め求めた磁束の位置と磁束の大き
    さとの関係と、から電動機磁束の大きさを求めることを
    特徴とする誘導電動機の磁束演算法。
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M.Schroedl,An improved podition estimator for sensorless controlled permanent magnet synchronous motors,4th European Conference on Power Electronics and Applications,イタリア,Vol.3,3−418−3−423
Manfred SCHROEDL,Senserless control of induction motors at low speed and standstill,Proceedings International Conference on Electrical Machines,英国,Vol.1,863−867

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